JP2005288463A - 鋼帯の冷却装置及び冷却方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却装置の側縁部に冷却水を遮蔽するための遮蔽板について、各冷却ゾーン毎に独立して最適化を行い、板幅方向に均一な温度が得られる熱延鋼帯の冷却装置及び冷却方法を提供する。
【解決手段】搬送されながら冷却される鋼帯12の搬送方向に沿って区割して形成された冷却ゾーンと、各冷却ゾーンに設置され、鋼帯表面に冷却媒体を吹き付けて鋼帯を冷却する冷却手段10と、各冷却ゾーン毎に設置され、搬送される鋼帯と冷却手段との間に鋼帯の幅方向の側縁部に対応して配置されて側縁部への冷却媒体の吹き付けを遮蔽する遮蔽板11とを具備し、各遮蔽板は、搬送される鋼帯の側縁部側から中央部側にいくにしたがって冷却媒体遮蔽量が少なくなる形状として、各冷却ゾーンで独立して鋼帯側縁部各部の冷却制御可能とし、更に、遮蔽板の鋼帯中央部突出縁に干渉防止板13を設けて、遮蔽板で遮蔽された冷却媒体が鋼帯の非遮蔽部ヘ流入しないようにした。
【選択図】 図4

Description

本発明は、鋼帯の冷却装置に係り、特に、熱延鋼帯の製造装置において、仕上圧延機出側での鋼帯幅方向温度分布の温度差を解消する鋼帯の冷却装置及び冷却方法に関する。
一般に、熱延鋼帯は、加熱炉においてスラブを所定の温度に加熱し、加熱されたスラブを粗圧延機で所定の厚みに圧延して粗バーとなし、ついで粗バーを複数基のスタンドからなる連続熱間仕上圧延機において仕上圧延して所定の厚みの鋼帯とし、この熱延鋼帯をランナウトテーブル上の冷却スタンドにおいて冷却した後、コイラーで巻き取ることにより製造される。仕上圧延後の鋼帯の上面冷却は、円管上のパイプラミナーにより冷却し、鋼帯の下面冷却は搬送ロール間に設置したスプレーにておこなわれる。しかしながら、圧延される鋼帯の各側縁部分は、板幅中央部に比べ粗圧延、仕上圧延などの圧延作業中において温度降下が大きく、さらにランナウトテーブル上においては、上面より冷却された冷却水が鋼帯の両側縁部のみから排水されるため側縁部の冷却速度は板幅中央部に比べ大きくなり、巻取り段階においては、幅方向の温度差を拡大させる原因となっている。このため、側縁部と板幅中央部の温度差および冷却速度差により、鋼帯に耳伸びなどの平坦度の不良を発生させたり、側縁部の過冷却により側縁部のみ強度上昇が発生してしまう問題がある。
この問題を解消するために、熱間圧延後の冷却過程において側縁部と板幅中央部で発生する温度差を解消する方法として、冷却装置の側縁部に冷却水を遮蔽する装置(以後遮蔽装置とする)を設置する方法が知られている。
例えば特許文献1には鋼帯幅方向側縁部での過冷却を回避するために側縁部に遮蔽板(マスキング板)を設置する方法が開示されている。しかし、この方法では、側縁部の遮蔽幅(マスキング量)は、冷却装置の後段まで一定で与えられるため、例えば、鋼帯側縁部の遮蔽時間が長くなってしまった場合に、側縁部の温度が板幅中央部に比べ高くなってしまう問題がある。
また、特許文献2には、スリットノズルを備えた冷却装置において鋼帯の側縁部の過却却を回避するために側縁部のスリットを遮蔽する遮蔽板を有し、その遮蔽板が幅方向に進退可能とした冷却装置が開示されている。しかし、この冷却装置においても、各冷却ゾーン毎に鋼帯の幅方向の温度分布を的確に制御することはできない。
特許文献3には、熱延鋼帯の冷却装置において、幅方向端部の冷却ノズルの遮蔽板を水平面内でライン方向に対して角度を変更することにより幅方向端部の過冷却を防止する方法が開示されている。またこの特許文献3には、遮蔽板を圧延方向に長いものとし、長手方向両端部に遮蔽板を鋼帯幅方向に水平にシフトするシフタを設けた冷却装置も開示されている。しかし、この冷却装置は、遮蔽板が圧延方向に長いものであり、水平面内でライン方向に対して角度を変更することにより冷却制御しているので、夫々の冷却ゾーンで的確に冷却速度を制御することができない。
特許文献4には、加速冷却する際の最初の急冷時に鋼帯端部を遮蔽して端部への水流を遮断したスリットジェットノズルを使用することにより、鋼帯端部冷却を抑制して、以後の冷却による端部の過冷却を抑制する方法が開示されている。しかし、この方法は最初の急冷時以降における冷却制御については何も開示していない。
特許文献5には、鋼帯の上下面にスリットノズルから冷却水を噴射して鋼帯を冷却する方法において、スリットノズル内に隔壁を設けて、各ノズル室に供給される冷却水流量を制御することにより、冷却水の板幅両端部に対する冷却水量を中央部に対するそれよりも少なくするように制御する、鋼帯端部の過冷却を防止する方法が開示されている。しかし、この方法においても夫々の冷却ゾーンで的確に冷却速度を制御することができない。
特許文献6には、予備冷却のために、スプレイヘッダと鋼帯間に平面形状が幅方向中央部に頂辺を有する台形状の遮蔽板を配置することが開示されている。しかし、この遮蔽板は予備冷却のためのものであり、また、この形状の遮蔽板では鋼帯の側縁部を冷却し、中央部を冷却しないこととなる。従って、本発明の課題を解決することにはならない。
特公昭61−86022号公報、特許請求の範囲など 特開平6−285531号公報、特許請求の範囲など 特開平7−68311号公報、特許請求の範囲など 特開平6−184623号公報、特許請求の範囲など 特開平10−192951号公報、特許請求の範囲など 特開2000−192146、特許請求の範囲など
以上説明したように、従来の冷却装置では、冷却後における鋼帯の側縁部での過冷却を解消することを意図したものであり、冷却過程において順次鋼帯の幅方向の冷却速度を制御しながら冷却して健全な鋼帯を得ることまでは意図していないし、事実、各冷却ゾーン毎に簡単な装置で的確に鋼帯の幅方向の温度制御を行なうことはできない。すなわち、鋼帯は、そのサイズも側縁部の温度分布も様々である。そのような種々の鋼帯に対して板幅方向で均一な温度分布を得るためには、特に、冷却装置内での鋼帯の側縁部の遮蔽量を幅方向の温度分布に応じて適切に制御する必要がある。しかし、従来の冷却装置では、各冷却ゾーン毎に遮蔽板の形状および遮蔽量を独立して最適化してはいないので、必ずしも適切に制御できない。
また、遮蔽板の板幅方向の形状については、遮蔽板で遮蔽された冷却水の非遮蔽部への干渉を考慮しない場合、遮蔽部近傍の非遮蔽部の冷却能力が低下してしまい、結果として、幅方向に均一な温度分布が得られなくなる。
しかるに、従来の冷却装置に設置されている遮蔽板は、幅方向の遮蔽量の制御、および遮蔽板の板幅方向の形状について最適化はされておらず、熱延鋼帯において幅方向に均一な温度を得ることは非常に困難である。
本発明では、熱間圧延後の冷却過程において側縁部と板幅中央部で発生する温度差を解消する方法として冷却装置の側縁部に冷却水を遮蔽するための遮蔽板について、遮蔽板使用時の遮蔽量、遮蔽板の板幅方向での形状を各冷却ゾーン毎に独立して最適化を行い、板幅方向に均一な温度が得られる熱延鋼帯の冷却装置及び冷却方法を提供することにある。
この課題を解決するために、本発明は、
(1) 搬送されながら冷却される鋼帯の搬送方向に沿って区割して形成された冷却ゾーンと、
各冷却ゾーンに設置され、鋼帯表面に冷却媒体を吹き付けて鋼帯を冷却する冷却手段と、
各冷却ゾーン毎に、搬送される鋼帯の幅方向の側縁部に対応して配置されて側縁部への冷却媒体の吹き付けを遮蔽する遮蔽板とを具備し、
各遮蔽板により、冷却ゾーン毎に独立して鋼帯側縁部の冷却制御を可能としたことを特徴とする鋼帯の冷却装置。
(2) 搬送されながら冷却される鋼帯の搬送方向に沿って区割して形成された冷却ゾーンと、
各冷却ゾーンに設置され、鋼帯表面に冷却媒体を吹き付けて鋼帯を冷却する冷却手段と、
各冷却ゾーン毎に、搬送される鋼帯の幅方向の側縁部に対応して配置されて側縁部への冷却媒体の吹き付けを遮蔽する遮蔽板とを具備し、
遮蔽板は、搬送される鋼帯の側縁部側から中央部側にいくにしたがって冷却媒体遮蔽量が少なくなる形状であることを特徴とする鋼帯の冷却装置。
(3) 遮蔽板の鋼帯中央部突出縁に干渉防止板を設けて、遮蔽板で遮蔽された冷却媒体が鋼帯の非遮蔽部ヘ流入しないようにした(1)又は(2)に記載の鋼帯の冷却装置。
(4) 遮蔽板は鋼帯中央部側突出縁に干渉防止部を形成して、遮蔽板で遮蔽された冷却媒体が鋼帯の非遮蔽部ヘ流入しないようにした(1)又は(2)に記載の鋼帯の冷却装置である。
(5) 仕上げ圧延後から冷却が開始されるまでの鋼帯の幅方向温度分布を検出し、検出された鋼帯の幅方向温度分布と冷却装置の冷却能力とに基づいて、鋼帯の幅方向の側縁部への冷却媒体の吹き付けを遮蔽する際に、その遮蔽量を鋼帯の搬送位置に対応して変化させることにより、鋼帯が幅方向に均一な温度分布になるように冷却制御することを特徴とする鋼帯の冷却方法。
(6) 搬送される鋼帯の幅方向温度分布制御を、鋼帯側縁部への冷却媒体の吹き付けを遮蔽する遮蔽板を用いておこなう鋼帯の冷却方法において、
仕上げ圧延後から冷却が開始されるまでの鋼帯の幅方向温度分布を検出し、検出された鋼帯の幅方向温度分布と冷却装置の冷却能力とに基づいて、冷却装置の各冷却ゾーン毎に遮蔽量の異なる遮蔽板を配置し、各冷却ゾーンの遮蔽板による遮蔽量を組み合せて鋼帯の幅方向の遮蔽量を変化させることにより、鋼帯が幅方向に均一な温度分布になるように冷却することを特徴とする鋼帯の冷却方法。
本発明では、熱延鋼帯の冷却装置において鋼帯側縁部の過冷却を回避するための手段として冷却装置に遮蔽板を設置する際に、長手方向での遮蔽板の設置条件、遮蔽板の板幅方向での形状をかく冷却ゾーン毎に独立して最適化することにより、幅方向に均一な温度分布が得られる。
本発明の実施の形態について以下に説明する。
本発明では、熱延鋼帯のパスラインの上下に冷却水噴射用のノズルを備えた熱延鋼帯の冷却装置について、板幅方向側縁部の過冷却を解消し、幅方向に均一な温度分布を得るために、仕上圧延後から冷却が開始するまでの鋼帯の幅方向温度分布、冷却装置の冷却能力に応じて幅方向の遮蔽量を鋼帯がコイラーへ搬送されるにつれて変化させる、または、冷却装置の各ゾーンに遮蔽量が異なる遮蔽板を設置し、冷却後の幅方向温度分布により冷却ゾーンの遮蔽板の遮蔽量、遮蔽使用ゾーンを設定し、板幅方向の遮蔽量を最適に組み合わせることにより、板幅方向に均一な温度分布に制御することを特徴としている。
図1は、本発明に係る冷却装置の概略図を示す。この冷却装置は、鋼帯(12)の仕上圧延機(1)と巻取り機(5)の間に設けられ、鋼帯の上面側にパイプラミナー冷却装置(2)...を、下面にスプレーノズル(4)...を配置している。これらスプレーノズル(4)は搬送ローラーテーブル(3)間に配置されている。また、仕上圧延機(1)の出側には冷却装置(9)が配置されている。この冷却装置(9)は、鋼帯(12)の上下面に、水量密度3000[L/min・m2]以上の冷却水を供給可能な複数の冷却ボックス(15)を備えて、仕上圧延機(1)により仕上圧延した鋼帯を少なくとも200℃冷却可能としている。下面側の冷却ボックスは、搬送ローラーテーブル(3)の間に配置され、鋼帯幅方向に沿って配置されたヘッダーと、このヘッダーの長手方向に沿って適切な間隔で設けられる複数の冷却ノズルを備えている。また、上面側の冷却ボックスは、下面側の冷却ボックスと同様のヘッダー及び冷却ノズルを備えるもので、鋼帯(12)を挟んで下面側の冷却ボックスと対向して配置されており、且つ鋼帯上面に近接して配置される水切りロール(16)の間に配置されている。なお、符号6は、仕上圧延機(1)と冷却装置(9)の間に設けられた仕上出側温度計、7は本発明に係る冷却装置の中間に設けられた中間温度計、8は巻取り機(5)の前に設けられた巻取り温度計である。これらの温度計は、何れも鋼帯の幅方向の温度分布をリアルタイムで測定し、その測定信号は図示しない制御回路に入力されて、冷却装置の各ゾーンの遮蔽板の遮蔽量、遮蔽板使用ゾーンを設定するようになっている。
図2は、鋼帯を冷却する際に遮蔽装置を使用しない場合における、冷却後の鋼帯の板幅方向の温度分布を示す。通常は、鋼帯側縁部100mm付近から温度が低下し側縁部まで過冷却の状態となる。図3は、鋼帯の搬送速度、冷却装置の冷却長、冷却前後での温度差から幅方向各位置での冷却速度を算出した場合における、幅方向各位置での冷却速度を示す。図3に示すように、冷却速度は、鋼帯の側縁部で最も大きく、幅方向100mm付近まで高く、幅方向100mm以降はほぼ均一な分布となっている。
図2、図3から、側縁部の過冷却を解消するためには、幅方向各位置での冷却量を均一にする必要があることが分かる。すなわち、冷却速度が大きい側縁部の領域では遮蔽板により冷却水を遮蔽して冷却時間を短縮する必要があり、また、側縁部に比べ冷却速度が小さいが板幅中央部に比べ過冷却の領域では側縁部より短い時間だけ遮蔽板により冷却水を遮蔽する必要があることがわかる。
本発明では、このような知見に基づいてなされたものである。そして、冷却装置の幅方向での冷却能力の調査を行い、幅方向各位置での遮蔽量の最適化を行った。実施形態の1例について以下に示す。
鋼帯の仕上圧延後の板厚は、3mm、仕上圧延後の鋼帯板幅中央の温度は850℃、冷却装置出側での鋼帯中央の温度は600℃、冷却装置による冷却量は250℃であった。また、冷却装置の1ゾーンあたりの冷却長さは0.5[m]であり、冷却の際には冷却ゾーンを14ゾーン使用した。仕上圧延後の鋼帯の搬送速度は500[m/min]、冷却装置の水量密度は3000[L/min・m2]であった。
図4は鋼帯上面に配置された遮蔽板の一例を示す。図示する遮蔽板(11),(11)は、多数の孔をあけた冷却ノズル板(10)の下面に配設されている。これら遮蔽板(11),(11)は鋼帯の搬送入側から出側にかけて非遮蔽面が次第に狭くなるよう長手方向に変化(傾斜)させて配置され、このことにより、鋼帯側縁部側の冷却度合が小さく、中央部側に行くにしたがって冷却時間が長くなるようになっている。その傾斜角度(或いはテーパー度)は、以下のようにして算出する。すなわち、冷却前後での各幅方向の温度から幅方向各位置の冷却量を算出し、搬送速度より冷却装置の通過時間を算出し、冷却量と通過時間より幅方向各位置の冷却速度を算出する。この例では、板幅方向側縁部での冷却速度は、395[℃/s]、板幅50mm付近では、350[℃/s]、板幅100mm付近では320[℃/s]であったので、図4に示す形状の遮蔽板を各冷却ゾーンに設置し、各ゾーンの遮蔽量を設定した。本発明で実施した遮蔽装置の上面図の1例である。本発明では、図4に示すように遮蔽量を長手方向へ変化させた形状としている。なお、図面は省略するが、鋼帯下面側にも図4と同様の遮蔽板が設置されている。
図5は遮蔽板の形状の詳細を示す。遮蔽板の長手方向の長さは、冷却ゾーンと等しい長さとし、遮蔽板が冷却ゾーン全体を遮蔽する位置を0とし、幅方向をx[m]、長手方向をy[m]とした場合、本発明で用いた冷却装置で冷却する際の板幅方向各位置での冷却速度の変化は図3に示すようにほぼ直線状のものであったため、y=ax+bで与えられる形状とした。この例では、a=−3.33、b=0.5とした。
遮蔽板非使用時の冷却後の鋼帯各位置の冷却速度差より、鋼帯各位置での冷却装置を通過する際に遮蔽すべき時間を算出し、その遮蔽時間となるように各冷却ゾーンで遮蔽板を幅方向に移動させ遮蔽量を調整する。
各冷却ゾーンでの遮蔽時間は、板幅方向各位置での遮蔽時間ti、板幅方向各位置xi、板幅方向各位置での遮蔽量yi、遮蔽板の幅方向位置x1、冷却装置1ゾーンあたりの距離L、鋼帯の搬送速度Vと定義し、以下の式より算出した。
i=yi/V={a1×xi+(L−a2×x1)}/V (a1,a2は定数)
この例での板幅方向各位置での遮蔽時間は、板幅方向側縁部で0.22[s]、板幅50mmで0.13[s]、板幅方向100mmで0.07[s]となるように、冷却装置各ゾーンの遮蔽位置を設定し、例えば1ゾーンにおいては0mm位置、2ゾーンでは30mm位置等、各ゾーンでの遮蔽板の設置位置を設定した。
図6は、図5の遮蔽板を用いた場合における、鋼帯幅方向位置における遮蔽(マスキング)時間の変化を示す。
図7は、種々の形状の遮蔽板を示す。遮蔽板の形状を鋼帯の板厚等の変更に伴い、遮蔽板不使用時の幅方向温度分布が異なる場合(すなわち、板幅方向各位置での冷却速度が図3とは傾きの異なる直線状や、直線以外の他の形状の場合)、板幅方向の遮蔽量を各冷却ゾーンで調整するまたは、図7に示すような様々な遮蔽形状の遮蔽板を各冷却ゾーンに設置し、遮蔽量を調整することによりさらに板幅方向に均一な温度分布が得られることになる。遮蔽板(11a)は、非遮蔽部が鋼帯の長手方向に均一な形状としたもの、(11b)は非遮蔽部が鋼帯の長手方向に沿って段階的に次第に狭くなっていく形状、(11c)は非遮蔽部が鋼帯の長手方向に沿って湾曲した形状で次第に狭くなっていく形状を示す。
図8は、鋼帯下面を冷却する冷却装置の遮蔽板(11)の中央部側端縁に干渉防止板(13)を設置した構成を示す。この干渉防止板(11)は断面逆L字状をなし、その端部が中央部側端縁にて下側に垂下しており、遮蔽板に噴霧された冷却媒体(例えば水、以下冷却水と称する)が非遮蔽部に流入しないようになっている。表1は、干渉防止板の有無による非遮蔽部の冷却能力への影響の比較を行ったものであり、遮蔽装置を使用しない場合を基準として示したものである。表1の干渉防止板なしの場合に示すように、遮蔽部の冷却水の影響は、最大で15%程度冷却能力を低下させる。非遮蔽部の冷却能力低下を防止するために干渉防止板を設けた場合、非遮蔽部の冷却能力は遮蔽装置を使用しない場合と同等であり、干渉の影響は回避可能であった。また、干渉防止板の高さは、鋼帯へ衝突した冷却水が非遮蔽部へ流入しない程度の高さが必要である。なお、図8は、下面について示しているが、遮蔽板が上面の場合でも干渉防止板の適用が可能である。また、図8は、遮蔽板の中央部側端縁に遮蔽板とは別体に干渉防止板を設けているが、本発明は、遮蔽板自体に干渉防止部を形成して干渉防止板と同等の機能を発揮させるようにすることもできる。
本発明では、水量密度3000[L/min・m2]と比較的高い冷却能力を有する冷却装置について板幅方向側縁部の過冷却の解消方法について例示しているが、本発明による板幅方向側縁部の過冷却防止方法は、通常のラミナー冷却、スリットノズルによる冷却等の冷却方法においても有効である。ただし、特に、水量密度3000[L/min・m2]の強冷却装置に用いた場合、単位時間の冷却量(冷却ゾーン通過による冷却量)が大きくなるためエッジ部の過冷却の影響が大きくなりやすい。このため本発明を強冷却装置に適用すると特に有効である。また、本発明では熱延鋼帯についての冷却方法を記載しているが、本発明法は、厚鋼帯冷却時の幅方向温度の均一化についても有効である。
本発明を以下の実施例、および比較例により詳細に説明する。
板厚3mm、板幅1200mmの熱延鋼帯に対して、図5に示す各冷却ゾーンで異なる遮蔽板形状を設置した。冷却装置を用いて表2に記載した冷却条件により冷却した場合の板幅方向側縁部と板厚方向中央部の冷却停止温度の比較を行った。熱延鋼帯の仕上圧延後の温度は850℃であり、冷却装置出側の温度は、板幅中央部で600℃であった。図5の冷却装置において、冷却装置の各冷却ゾーンの水量密度は3000[L/min・m2]であり、板幅方向中央部の冷却速度は、300[℃/s]であった。板幅方向側縁部の過冷却を考慮せず遮蔽装置を不使用にて冷却を行った場合(比較例2)、板幅方向中央部と板幅方向側縁部で100℃程度の温度差となった。板幅方向側縁部の過冷却を考慮して、側縁部の過冷却分の冷却時間を板幅側縁部から100mm付近まで遮蔽を施した場合(比較例1)、板幅側縁部の過冷却は解消されたが、板幅側縁部から100mm付近では冷却不足となり、幅方向で温度の不均一が発生した。一方、本発明例のように、遮蔽装置の遮蔽量を板幅方向で変更させて冷却した場合、板幅方向各部で均一な温度分布が得られた。
本発明での遮蔽装置の形状について、干渉防止板の有無による冷却能力への影響を比較した。図8は、本発明での遮蔽装置の概略図を示しているが、板幅方向の非遮蔽部へ、遮蔽部の冷却水が干渉しないように干渉防止板を設けている。板厚3mm、板幅1200mmの熱延鋼帯に対して、熱延鋼帯の仕上圧延後の温度は850℃であり、冷却装置出側の温度は、板幅中央部で600℃であった。また、冷却装置の各冷却ゾーンの水量密度は3000[L/min・m2]であり、板幅方向中央部の冷却速度は、300[℃/s]であった。
干渉防止板を設置した場合と、干渉防止板を設置しない場合の冷却後の幅方向温度を比較した結果を表3に示す。表は、遮蔽板の板幅方向中央側の側縁部から板幅中央側30mmまでの非遮蔽部の温度の平均値と板幅方向中央部の温度を示している。表3に示すように、遮蔽板に干渉防止板を設置しない場合、遮蔽板近傍の非遮蔽部の冷却能力が不足してしまい、幅方向に不均一な冷却となってしまった。本発明例のように干渉防止板を設けることにより、非遮蔽部の冷却能力が確保され、板幅方向で均一な冷却が可能となった。
Figure 2005288463
Figure 2005288463
Figure 2005288463
本発明における冷却設備の概略図。 遮蔽装置不使用時の冷却後の鋼帯板幅方向温度分布を示す図。 板幅方向各位置での冷却速度を示す図。 本発明における遮蔽装置の概略図(上面図)。 本発明における板幅方向各位置の設定概略図。 本発明における板幅方向各位置での遮蔽時間を示す図。 本発明における遮蔽装置の別形態の概略図。 本発明における遮蔽装置の概略図(側面図)。
符号の説明
1…仕上圧延機、2…パイプラミナー冷却装置、3…搬送ローラーテーブル、4…スプレーノズル、5…巻取り機、6…仕上出側温度計、7…中間温度計、8…巻取り温度計、9…水量密度3000[L/min・m2]での冷却が可能な冷却装置、10…冷却ノズル11…遮蔽板、12…鋼帯、13…非遮蔽部への冷却水の干渉を考慮した干渉防止板、14…冷却ノズルヘッダー、15…冷却ボックス、16…水切りロール、。

Claims (6)

  1. 搬送されながら冷却される鋼帯の搬送方向に沿って区割して形成された冷却ゾーンと、
    各冷却ゾーンに設置され、鋼帯表面に冷却媒体を吹き付けて鋼帯を冷却する冷却手段と、
    各冷却ゾーン毎に、搬送される鋼帯の幅方向の側縁部に対応して配置されて側縁部への冷却媒体の吹き付けを遮蔽する遮蔽板とを具備し、
    各遮蔽板により、冷却ゾーン毎に独立して鋼帯側縁部の冷却制御を可能としたことを特徴とする鋼帯の冷却装置。
  2. 搬送されながら冷却される鋼帯の搬送方向に沿って区割して形成された冷却ゾーンと、
    各冷却ゾーンに設置され、鋼帯表面に冷却媒体を吹き付けて鋼帯を冷却する冷却手段と、
    各冷却ゾーン毎に、搬送される鋼帯の幅方向の側縁部に対応して配置されて側縁部への冷却媒体の吹き付けを遮蔽する遮蔽板とを具備し、
    遮蔽板は、搬送される鋼帯の側縁部側から中央部側にいくにしたがって冷却媒体遮蔽量が少なくなる形状であることを特徴とする鋼帯の冷却装置。
  3. 遮蔽板の鋼帯中央部側突出縁に干渉防止板を設けて、遮蔽板で遮蔽された冷却媒体が鋼帯の非遮蔽部ヘ流入しないようにした請求項1又は2に記載の鋼帯の冷却装置。
  4. 遮蔽板は鋼帯中央部側突出縁に干渉防止部を形成して、遮蔽板で遮蔽された冷却媒体が鋼帯の非遮蔽部ヘ流入しないようにした請求項1又は2に記載の鋼帯の冷却装置。
  5. 仕上げ圧延後から冷却が開始されるまでの鋼帯の幅方向温度分布を検出し、検出された鋼帯の幅方向温度分布と冷却装置の冷却能力とに基づいて、鋼帯の幅方向の側縁部への冷却媒体の吹き付けを遮蔽する際に、その遮蔽量を鋼帯の搬送位置に対応して変化させることにより、鋼帯が幅方向に均一な温度分布になるように冷却制御することを特徴とする鋼帯の冷却方法。
  6. 搬送される鋼帯の幅方向温度分布制御を、鋼帯側縁部への冷却媒体の吹き付けを遮蔽する遮蔽板を用いておこなう鋼帯の冷却方法において、
    仕上げ圧延後から冷却が開始されるまでの鋼帯の幅方向温度分布を検出し、検出された鋼帯の幅方向温度分布と冷却装置の冷却能力とに基づいて、冷却装置の各冷却ゾーン毎に遮蔽量の異なる遮蔽板を配置し、各冷却ゾーンの遮蔽板による遮蔽量を組み合せて鋼帯の幅方向の遮蔽量を変化させることにより、鋼帯が幅方向に均一な温度分布になるように冷却することを特徴とする鋼帯の冷却方法。
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