JP7060164B2 - 連続鋳造鋳片の2次冷却方法及び装置 - Google Patents

連続鋳造鋳片の2次冷却方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、連続鋳造鋳片の2次冷却方法および装置に関する。
一般的な連続鋳造鋳片の製造方法を、垂直曲げ型の連続鋳造設備を例に挙げて、図3、4に基づいて説明する。
タンディッシュ(図示なし)から鋳型3に注入された溶鋼は、鋳型3にて一次冷却され、凝固シェルを形成した平板状の鋳片5となって平板状で垂直帯9を降下し湾曲帯13へと進む。そして湾曲帯13の入側の曲げ部11において鋳片5は一定の曲率半径を保つように複数のロール(不図示)でガイドされながら曲げられる。
その後、矯正部15において曲率半径を順次大きくしながら曲げ戻され(矯正され)、矯正部15を出たところで鋳片5は再び平板状になって水平帯17へと進む。水平帯17で凝固が完了した後、鋳片5は連続鋳造機出側に設置されたガス切断機23によって所定の長さに切断される。
ガス切断機23は鋳片5の搬送速度に同調して鋳造方向に移動しながら、同時に幅方向にトーチを移動させていく。そしてトーチの予熱炎で鋳片5を加熱しつつ切断酸素を噴射して、酸素と鋼との酸化熱によって鋳片5を溶融・切断する。
鋳造速度が速過ぎる場合や、鋳片温度が低過ぎる場合にはガス切断機23の切断ピッチと鋳造速度が同調できず、鋳造速度の制限や切断不良などのトラブルを招いてしまう。そのため、切断能力に見合った鋳造速度の設定と、鋳片5の温度管理が重要になる。そしてガス切断機23で切断された鋳片5は、次工程の鋳片精製工場や圧延工場に搬送されていく。
鋳片5は鋳型3を出た後、垂直帯9から水平帯17にかけて中心部まで凝固を完了させるために水スプレー(水一流体スプレーや水-空気二流体混合ミストスプレー)を使った2次冷却を実施している。
通常、2次冷却では、鋳型3直下の垂直帯9において大流量の水を噴射して、鋳片5の冷却速度を高める(本明細書では、鋳片の冷却速度を高めることを「強冷却」という)ことで、凝固シェルの強度を確保している。湾曲帯13以降では逆に冷却を弱め、内部の高温部からの熱伝導によって、鋳片5の表面温度を上昇(復熱)させている。そして矯正部15において表面温度が脆化温度域以上になるように調整し、鋳片5の横割れの発生を回避している。
矯正部15を通過した鋳片5は水平帯17での冷却中に中心部まで凝固が完了する。凝固速度が鋳造速度に比べて遅かった場合には、凝固完了位置が連続鋳造機の機内に収まらず、ガス切断時に断面から溶鋼が流出し設備損壊や操業停止などの大きな被害を招いてしまう。逆に凝固完了が早すぎる場合には凝固完了後の冷却水は無駄になるばかりでなく、鋳片5の温度低下が大きく、上述したように切断が難しくなってしまう。従って水平帯17での冷却条件の設定が生産性や製造安定性の確保に大きく影響を及ぼすことになる。
図4は、従来の一般的な連続鋳造方法における鋳片5の温度履歴を再現する数値解析の結果を示すグラフであり、縦軸が温度、横軸がメニスカス(鋳型内溶鋼湯面)からの距離を示している。
グラフの上部には、図3に示した鋳型3以降の領域と対応する領域の符号を記載している。
また、グラフ中、実線が鋳片の表面幅中央、破線が鋳片角部(コーナー部)、一点鎖線が鋳片断面中央の温度履歴である。また、グラフ中には、切断可能な最低温度を細破線で示し、これよりも高い温度領域(矢印参照)であれば切断可能な温度であることを示している。さらに、グラフ中には、凝固完了位置をA、連続鋳造機機端をBとして示している。
鋳片の表面幅中央の温度履歴に示されるように、鋳型3直下から垂直帯9では大流量の水スプレーによる強冷却でシェル厚を増加させている。続く曲げ部11および湾曲帯13からは冷却速度を遅くして鋳片内部から復熱させることで、矯正部15通過時に鋳片の表面温度が脆化温度域25よりも高温側になるように制御している。その結果、良好な表面性状の鋳片5を得ることができる。
そして水平帯17においても冷却を続け、点Aで鋳片中心部の凝固が完了すると鋳片中心部の温度低下が大きくなる。そして、点Bにおいて連続鋳造機機端を通過し、ガス切断機23で所定の長さに切断されて次工程へと送られる。この例では、凝固完了位置は連続鋳造機機端よりも十分上流側にあり、また鋳片角部温度も切断可能温度よりも十分高いため問題無く切断ができる。
上記のような鋳片の製造工程における問題点として、縦割れや横割れなどの表面欠陥が挙げられる。この中で、横割れは湾曲型および垂直曲げ型の連続鋳造機のような曲げ矯正を含む設備において、鋳片上面角部近傍に発生することが特徴である。矯正部通過時に、鋳片表層温度がγ低温領域からγ/α変態温度域にかけての鋼の脆化(III領域脆化)域にあると、矯正時に生じる表面の引張応力によって横割れが発生してしまう。この横割れを防止する方法として、例えば非特許文献1には、鋳片の2次冷却を緩冷化し、矯正時に脆化域を高温側に回避することによって割れを防止可能であることが述べられている。
また、特許文献1には、矯正部の内、最終矯正点つまり水平帯入口付近で2次冷却の冷却水量を低減あるいは停止して鋳片表層を復熱させることで表面割れを防止する技術が開示されている。
しかし、脆化温度を高温側に回避する方法では矯正部出側でのスラブ断面平均温度が上昇する。その結果、鋳片中心部の凝固完了が遅れるので、連続鋳造機機内で凝固を完了させるために、連続鋳造機の機長延長や鋳造速度が制限され生産性が阻害される可能性がある。
これに対して、凝固完了位置を機内に収めるために、矯正部下流の水平帯において調整冷却装置を設けて冷却を実施する技術が特許文献2に開示されている。
ただし、特許文献2では冷却条件についての具体的な言及がなされていない。そのため、冷却条件によっては表面幅方向に著しい温度むらが発生する可能性があり、スラブ表面でその温度むらに起因した熱応力による表面割れ(縦割れ)を生じる危険性や、幅方向で凝固完了位置が揃わずに内部品質むらを生じる危険性がある。
一方、特許文献3には2次冷却における冷却不均一を抑制する技術が開示されている。これによると、水スプレーの衝突範囲内で水の沸騰状態を、冷却帯前段では膜沸騰、後段では核沸騰状態に維持することで冷却を安定化することができるとしている。
一般に幅方向で冷却条件を一定とすると、鋳片角部は側面からの抜熱も加わるため鋳片幅中央部に比べて冷却速度が大きくなる。また、膜沸騰状態で冷却を開始した場合、被冷却面の温度が低下すると核沸騰状態に遷移する現象が見られる。そのため特許文献3のように膜沸騰状態を維持しようとすると温度低下の速い鋳片角部が先に核沸騰状態に遷移し、より急激に温度が低下してしまう。このような急激な温度差は熱応力による鋳片の表面割れを生じる原因となる。加えて鋳片角部の温度低下は、連続鋳造機出側のガス切断機において切込み性の低下や切断時間の増加を招くという問題がある。こういった問題に対して特許文献3では具体的な検討がなされておらず、連続鋳造機出側での温度制御の方法は明らかになっていない。
一方、特許文献4には、ガス切断機側で切込み性を確保する目的で、鋳片角部を予熱して切断する技術が開示されている。しかし、上記のような核沸騰による強冷却時には、鋳片の温度低下が大きく、通常よりも予熱時間を長く取る必要がある。更に、鋳片厚さや鋼種によって鋳造速度が増加した場合には、ガス切断の速度が間に合わず鋳造速度を制限しなければならない状況や、予熱のためにより多大なエネルギーを投入する必要が生じる。
特許第4690995号公報 特開昭62-064462 特許第6079387号公報 特許第2605329号公報
荻林ら:鉄鋼協会鉄鋼基礎共同研究会「連続鋳造における力学挙動」,l985,p184
以上のように、表面性状を確保しつつ、生産性を阻害することなく、さらに多大なエネルギーコストの追加を必要としない2次冷却条件は明らかになっていない。
本発明は、上記の問題を鑑み、生産性を阻害することなく多大なエネルギーコストの追加も必要とせずに、鋳片の表面性状を確保できる、連続鋳造鋳片の2次冷却方法及び装置を得ることを目的としている。
(1)本発明に係る連続鋳造鋳片の2次冷却方法は、鋳造方向上流側から、垂直帯、曲げ部、湾曲帯、矯正部、水平帯の順で構成される連続鋳造機の2次冷却帯において鋳片に冷却水を噴射して冷却し、前記水平帯の末端までの区間で前記鋳片の凝固を完了させる方法であって、前記水平帯のうち鋳造方向上流側の区間を、噴射された前記冷却水が前記鋳片の表面の幅方向全ての位置で核沸騰状態となる条件で前記冷却水を噴射して前記鋳片を冷却する強水冷区間とし、かつ、前記強水冷区間よりも鋳造方向下流側で前記水平帯の末端までの区間を、前記冷却水の噴射を停止する非水冷区間とすることにより、前記強水冷区間の後、前記水平帯の末端にかけて、鋳造方向に前記鋳片の表面温度を上昇させつつ、前記水平帯の末端における前記鋳片の表面温度を所定の範囲にすることを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載の連続鋳造鋳片の2次冷却方法において、前記水平帯を鋳造方向にn個(n:整数、3≦n)の区間に分割し、n-i~n番目(i:整数、0≦i<n-)の区間を前記非水冷区間とし、1~n-i-1番目の区間を前記強水冷区間とし、
前記1~n-i-1番目の区間の前記強水冷区間のうち、1~j番目(j:整数、1≦j<n-i-1)の区間における前記冷却水の単位時間当たりの水量密度を、j+1~n-i-1番目の区間における冷却水の単位時間当たりの水量密度よりも大きくすることを特徴とするものである。
(3)また、上記(2)に記載の連続鋳造鋳片の2次冷却方法において、前記1~n-i-1番目の区間の前記強水冷区間のうち、1~j番目(j:整数、1≦j<n-i-1)の区間における前記冷却水の前記水量密度を500L/(m・min)(ただし、minは時間の単位の分である)以上2000L/(m・min)以下、j+1~n-i-1番目の区間における前記冷却水の前記水量密度を50L/(m・min)以上500L/(m・min)未満とすることを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)乃至(3)に記載のいずれかに記載の連続鋳造鋳片の2次冷却方法において、前記水平帯の末端における前記鋳片の表面温度を、鋳片幅方向で最低温度を示す位置で350℃以上とすることを特徴とするものである。
(5)本発明に係る連続鋳造鋳片の2次冷却装置は、鋳造方向上流側から、垂直帯、湾曲帯、水平帯の順で構成される連続鋳造機の2次冷却帯において鋳片に冷却水を噴射して冷却し、前記水平帯の末端までの区間で前記鋳片の凝固を完了させるものであって、前記水平帯は、鋳造方向にn個(n:整数、3≦n)の区間に分割され、前記水平帯の前記区間の各々に配設された複数のスプレーノズルと、該複数のスプレーノズルからの前記冷却水の噴射および停止、ならびに前記冷却水の単位時間当たりの水量密度を前記区間ごとに制御できる給水手段および給水制御装置を有し、該給水制御装置は、鋳造方向の上流側から1~n-i-1番目(i:整数、0≦i<n-)の区間では、噴射された前記冷却水が前記鋳片の表面の幅方向全ての位置で核沸騰状態となる強水冷区間となるように前記スプレーノズルから前記冷却水を噴射させ、n-i~n番目(i:整数、0≦i<n-)の区間では、非水冷区間となるように前記スプレーノズルからの前記冷却水の噴射を停止させることを特徴とするものである。
(6)また、上記(5)に記載の連続鋳造鋳片の2次冷却装置において、前記給水制御装置は、前記1~n-i-1番目の区間の前記強水冷区間のうち、1~j番目(j:整数、1≦j<n-i-1)の区間における前記冷却水の単位時間当たりの水量密度が、j+1~n-i-1番目の区間における前記冷却水の単位時間当たりの水量密度よりも大きくなるように、前記スプレーノズルからの前記冷却水の噴射を制御することを特徴とするものである。
(7)また、上記(6)に記載の連続鋳造鋳片の2次冷却装置において、前記給水制御装置は、前記1~n-i-1番目の前記強水冷区間のうち、1~j番目(j:整数、1≦j<n-i-1)の区間における前記冷却水の前記水量密度が500L/(m・min)(ただし、minは時間の単位の分である)以上2000L/(m・min)以下、j+1~n-i-1番目の区間における前記冷却水の前記水量密度が50L/(m・min)以上500L/(m・min)未満となるように、前記スプレーノズルからの前記冷却水の噴射を制御することを特徴とするものである。
本発明においては、上記水平帯における鋳造方向上流側区間は、噴射された冷却水が鋳片の表面の幅方向全ての位置で核沸騰状態となる条件で冷却水を噴射して鋳片を冷却する強水冷区間とし、かつ、前記強水冷区間より鋳造方向下流側で前記水平帯の末端までの区間は、冷却水の噴射を停止する非水冷区間とすることにより、前記強水冷区間の後、前記水平帯の末端にかけて、鋳造方向に鋳片の表面温度を上昇させつつ、前記水平帯の末端における鋳片の表面温度を所定の範囲とするようにしたので、生産性を阻害することなく多大なエネルギーコストの追加も必要とせずに、鋳片の表面性状を確保することができる。
本発明の一実施の形態における連続鋳造設備の概要を説明する説明図である。 本発明の一実施の形態における連続鋳造方法の鋳片の温度履歴を示すグラフである。 従来の一般的な連続鋳造設備の概要を説明する説明図である。 従来の一般的な連続鋳造方法の鋳片の温度履歴を示すグラフである。
本実施の形態に係る連続鋳造鋳片の2次冷却方法に用いる連続鋳造機を、図1に基づいて概説する。
連続鋳造機1は、図1に示すように、タンディッシュ(図示なし)から鋳型3に注入された溶鋼を、ロール(図示なし)によって支持し、かつロール間に設けられた冷却スプレー(図示なし)によって2次冷却しながら鋳片5として引き抜く装置である。
鋳片5を2次冷却する2次冷却帯7は、図1に示すように、垂直帯9、曲げ部11、湾曲帯13、矯正部15、水平帯17に分かれており、本発明の2次冷却方法は、主として水平帯17における鋳片5の冷却方法に特徴を有するものである。
連続鋳造機1の2次冷却帯7は、水平帯17においてn個(n:整数、3≦n)の区間に分割され、個々の区間で冷却水のON/OFF及び冷却水量を制御できる給水手段と給水制御装置19を備えた強冷却設備21が備えられている。
nの個数は、設備によって予め設定されるが、n個の区間のどの区間を強水冷区間とし、あるいは非冷却区間とするかについては、給水制御装置19によって適宜設定することができる。
水平帯17には、設備の規模にもよるが、100近くのロールが、鋳造方向に所定の間隔で配設されており、ロール間には冷却水を噴射するスプレーノズルが配置され、各ロール間には鋳片幅方向にスプレーノズルが複数配置されている。
本実施の形態の強冷却設備21は、鋳造方向の複数のロール間(例えば、10個のロール間)に設置されているスプレーノズルをひとまとまりとして、水平帯17をn個の区間に分割している。
したがって、各区間では、複数のスプレーノズルがひとまとまりとなって、冷却水の沸騰状態を速やかに核沸騰状態で安定化させるために大流量の冷却水を噴射できるようになっている。
また、各区間では、大流量条件のみならず、小流量条件にも対応できるように、例えば使用するノズルと配管の切り替えができるようになっている。
ここで使用するスプレーノズルは後述する単位時間当たりの水量密度を実現できるものであれば、水一流体スプレーに限定されるものではなく水-空気の二流体混合ミストスプレーノズルなどを使用してもよい。
本実施の形態の連続鋳造鋳片の2次冷却方法は、上述した連続鋳造機1で鋳造されている鋳片5を、垂直帯9、曲げ部11、湾曲帯13、矯正部15、水平帯17を有する2次冷却帯7において、鋳片5に冷却水を噴射して冷却し、水平帯の末端までの区間で鋳片5の凝固を完了させるにあたり、水平帯17における鋳造方向上流側区間は、噴射された冷却水が鋳片の表面で核沸騰状態となる条件で冷却水を噴射して鋳片5を冷却する強水冷区間とし、かつ、前記強水冷区間より鋳造方向下流側の前記水平帯の末端までの区間は、冷却水の噴射を停止する非水冷区間としたものである。
そして、強水冷却区間の後、前記水平帯の末端にかけて、鋳造方向に鋳片の表面温度を上昇させつつ、前記水平帯の末端における鋳片の表面温度を所定の範囲とする。
上記のような連続鋳造機1を用いて製造された鋳片の表面の温度履歴を再現する数値解析の結果を図2に示す。図2では、鋳片の表面幅中央、鋳片角部(コーナー部)、鋳片断面中央の温度履歴を、それぞれ実線、破線、一点鎖線で示し、切断可能な最低温度を細破線で示している。また、図2では、凝固完了位置をA’、連続鋳造機機端をBとして示している。図2には、図4に示した従来例における凝固完了位置Aも示している。
鋳型3直下から矯正部15を通過するまでの冷却は従来の技術と同様に行って、矯正部15における鋳片5の表面温度を脆化温度域25よりも高温側になるようにしている。
一方、水平帯17に進入し強冷却設備21で冷却を開始すると、水平帯17に入って最初のロール間に設置された水スプレー以降、鋳造方向下流側の水平帯17では、大流量の水スプレーによって幅方向に均一に核沸騰状態が実現される。その結果、鋳片幅中央と鋳片角部の温度が同時に水温に近い温度まで低下し安定化していることが分かる。
その後、強冷却を続けて核沸騰状態を維持し、点A’で凝固が完了した後、内部の温度低下が始まる。内部の凝固が完了した後や、また凝固が完了する前であっても、十分温度が低下し確実に機端までに凝固が完了する状態になった後は冷却する必要がない。そのため、n-i番目~n番目(i:整数、0≦i<n-1)のi+1個の領域でスプレー噴射を停止し、点C以降は鋳片の表面を復熱させている。その結果、点Bにおいて鋳片角部の温度が切込み可能温度以上になり、問題無く切断を行うことができた。
一般的には、鋳片5の鋳造速度の変動などに対する温度制御は、冷却水の流量を変更して実施することが多いが、本発明のように冷却の安定化の観点から強冷却を実施して、室温近傍まで冷やす場合は、核沸騰維持の観点から流量の制御はできない。そこで先に述べたように一部の冷却区間において冷却を停止することで水冷時間を調整し冷却終了温度を制御する必要がある。
本発明を適用した場合、水平帯17で強冷却を実施することで、鋳造速度が従来技術と同じ場合には、凝固完了位置A’は従来技術を適用した場合の位置Aよりも連続鋳造機1の上流側に移動するため、従来の条件よりも鋳造速度を高速化することが可能である。この時、鋳造速度が増加することで冷却帯を通過する時間が減少し冷却時間が短縮されてしまう。そこで、冷却を停止する非水冷区間数i+1を小さくし、冷却を実施している冷却帯の長さを延長することで確実に連続鋳造機1内で凝固を完了することができる。
一方、鋳造開始時や終了時には逆に鋳造速度が低下してしまう。この場合には、非水冷区間数i+1を大きくして、鋳片5全体の温度が低下し鋳片角部が切込み可能温度を下回ることがないように制御を行うことができる。
本発明における冷却水の噴射条件(単位時間当たりの水量密度)については、鋳造速度の変動や鋼種などの製造条件や、スプレーの配置間隔のような設備条件に依らず幅全面で速やかに核沸騰を実現する条件を検討した結果、500L/(m・min)(ただし、minは時間の単位の分である)以上必要であることが分かった。ここで、単位時間当たりの水量密度は、その冷却区間における冷却水の水量(L/min)を、その冷却区間の面積(m)で除算することによって得られる値である。
この単位時間当たりの水量密度以下では、高温の鋳片5を冷却した際に安定して核沸騰状態に至らず、温度低下が大きい位置(鋳片角部など)と温度低下が小さい位置(鋳片幅中央など)で核沸騰化するタイミングが大きく異なり幅方向で著しい温度差を生じてしまう。
また、設備配置や鋼種によっては水スプレーの冷却水が直接噴射されない部分(ガイドロール直下とその近傍など)で大きく復熱し、核沸騰状態が安定して得られない可能性があり、大きな温度差を生む原因となり得る。そしてこういった温度差に起因して、鋳片5が変形し割れなどの欠陥を招いてしまう。
一方、核沸騰が実現されれば、沸騰による冷却が支配的となるため冷却能力の単位時間当たりの水量密度への依存性は小さくなる。そのため、2000L/(m・min)より大きい単位時間当たりの水量密度では冷却能力の大きな向上は見込めず、使用する冷却水の総量が過大になり水処理設備の設備投資が大きくなることから、強水冷区間での単位時間当たりの水量密度は500L/(m・min)以上2000L/(m・min)以下の範囲にあることが適切である。
上述の強水冷区間に鋳片5が進入し、核沸騰によって鋳片の表面温度が低下すれば500L/(m・min)以上の大流量でなくても安定して核沸騰状態を維持することができるようになる。
そのため、連続鋳造機1全体で使用できる冷却水の総量に制約がある場合は、強水冷区間の1番目からj番目(j:整数、1≦j≦n-i-1)の区間の単位時間当たりの水量密度を500L/(m・min)以上の大流量領域とし、残りのj+1番目からn-i-1番目の区間は、核沸騰を維持できるだけの単位時間当たりの水量密度があればよいので50L/(m・min)以上500L/(m・min)未満に水量を抑えた小流量領域とすることができる。この時、前段の大流量領域の区間数jは鋼種や鋳片厚などの製造条件に合わせて任意に設定すればよい。
また、連続鋳造機出側のガス切断機における切込み性を確保できる温度範囲について検討した結果、切断機直前の鋳片角部温度を350℃以上に制御する必要があることが分かった。したがって、水平帯17の末端における鋳片の表面温度を、鋳片幅方向で最低温度を示す位置で350℃以上とすることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態では、強冷却設備21によって水平帯17の2次冷却帯7を複数の区間に分割し、核沸騰状態を保って冷却する強水冷区間と、該強水冷区間の鋳造方向下流側に冷却水の噴射を停止した非冷却区間を設け、鋳造速度等の条件に応じてこの区間の範囲を変化させることができるようにしたので、表面に大きな温度むらを生じさせることなく、鋳造終了時の温度を制御できる。
これにより、鋳片5の表面性状を高品位に保ちつつ、高速で鋳造することが可能になり、鋳造条件が変化した場合でも問題無く鋳片5を切断することができ、安定して高品質な鋳片5を高い生産性を維持しながら製造することが可能になる。
なお、前記強水冷区間の鋳造方向下流側に設ける非冷却区間とは、鋳片の積極的な冷却を行わないために冷却水の噴射を停止する区間のことであり、例えば、配管内の残液が鋳片の表面に流下する状態や、スプレーノズルの詰り防止のために極少量の水が供給される状態など、鋳片の冷却を意図せず鋳片の表面に冷却水がかかる場合であっても、前述したように鋳片の積極的な冷却のための冷却水の噴射を停止しておけば非冷却区間に含まれることは言うまでもない。
また、非冷却区間においては、冷却水の噴射を停止するのみならず、保熱カバーやエッジヒーター等の補助手段を用いて、鋳片の表面温度が低下しやすい鋳片角部の温度を維持・上昇させるようにしてもよい。
配管からの漏水による設備異常等、何らかの理由により所定の単位時間当たりの水量密度が達成できず、鋳片が強水冷区間に進入した後に、速やかに核沸騰状態に至らなかった場合には、沸騰状態の監視を行いながら水量を増加させて、確実に核沸騰状態を達成および維持する必要がある。
鋳片表面に接触する冷却水が沸騰すると、気化して水蒸気となり、この水蒸気が空気中で凝結した湯気(水煙)を観察できる。ここで、核沸騰状態では、鋳片表面に接触した冷却水は激しく発泡して、大量の水蒸気が発生し、水煙の発生量が多くなる。これに対して、膜沸騰状態では、沸騰する冷却水の発泡が少なく、水蒸気および水煙の発生量も少なくなる。そこで、各区間にカメラを設置し、水煙の発生量を、目視による観測や透過率計による計測により監視する。予め、実験により核沸騰と膜沸騰とを区別する水煙の発生量の閾値を求めておき、当該水煙の発生量が閾値を超えるか否かを確認することで、所定の区間で核沸騰状態が達成できているかを確認する。そして、核沸騰状態が達成できていない場合には冷却水の水量を増やすように調整する。これにより、確実に核沸騰状態を達成および維持できる。
上述した実施形態である連続鋳造機1(図1)を用いて鋳片5を製造し、本発明の効果を確認したので、以下説明する。
本実施例では、水平帯17を12区間(n=12)に分割して、各区間ごとに噴射の有無や噴射流量の制御を行った。また、連続鋳造機1の機長は45mで、機端には鋳片の表面の温度分布を測定する温度計とガス切断機23が設置されている。
水平帯単位時間当たりの水量密度(L/(m・min))、鋳造速度、スラブ厚といった製造条件を変化させて鋳片5を製造し、冷却中の温度むらや鋳造機機内での推定凝固完了位置、切断時の鋳片角部温度、鋳造後の表面性状を評価した。
製造条件と評価を下記の表1に示す。表中、本発明例の範囲のものを実施例1~7とし、発明範囲を外れるものを比較例1~8としている。
なお、凝固完了位置の推定は事前に数値解析によって行い、一部の比較例では事前検討の結果、凝固完了位置が連続鋳造機1内に収まらない危険性があると判断されたため実際に製造していないものもある。
Figure 0007060164000001
以下、表1の結果について、関連する比較例及び実施例ごとに考察する。
<比較例1、2、実施例1、2>
比較例1、2および実施例1、2では、235mm厚の鋳片5をそれぞれ従来技術と、本発明の技術を適用して製造した。
比較例1では従来通りの冷却条件(単位時間当たりの水量密度10L/(m・min)、冷却停止領域無し)で製造した例である。この例では表面で常に膜沸騰が安定して維持されたため、温度むらは発生せず製造後に鋳片の表面の状態を検査でも問題は確認されなかった。また、切断時の鋳片角部温度は580℃あり切断に支障は無かった。
しかし、凝固完了位置を機内に収めるため(推定36m位置)に鋳造速度は最高で1.0mpmに制限されていた。
そこで比較例2では、生産性向上のために、鋳造速度を2.5mpmに増速させた場合を検討した。この条件では推定凝固完了位置が機外になるという計算結果になったため実際の製造は行わなかった。このように従来技術でも表面性状の良好な鋳片5は製造可能ではあるものの鋳造速度が制約されてしまっていた。
これに対して、実施例1では本発明の技術を適用して、1~9番目の区間で単位時間当たりの水量密度500L/(m・min)に設定して強冷却を実施し、10~12番目の区間で冷却水を停止することで復熱によって表面温度を調整した。この時、鋳造速度を2.5mpmまで増速して鋳造を行った。その結果、強冷却によって幅方向均一に核沸騰状態に至り、温度むらは生じなかった。また、推定凝固完了位置は38mで十分機内に収まっていたため製造を実施した。その結果、切断時の鋳片角部温度は420℃で比較例1に対して低下しているものの切断可能な領域に入っており、問題無く切断することができた。また、製造後に鋳片の表面の状態を検査したところ割れは認められず、表面性状の良好な鋳片5をトラブルなく、高能率に製造することができた。
実施例2では本発明の技術を適用して、1~10番目の領域で単位時間当たりの水量密度2000L/(m・min)に設定して強冷却を実施し、冷却水を停止する領域を11~12番目の区間とした。この時は、鋳造速度を更に3.5mpmまで上昇することができ、切断時のトラブルも表面性状の問題も無く、高品位の鋳片5を高能率で製造することができた。
<比較例3、4>
比較例3、4は実施例1の条件を参考に強水冷区間の冷却条件を変更した結果である。比較例3では冷却停止領域を設けず全ての区間で単位時間当たりの水量密度を500L/(m・min)に設定して強冷却を実施した。この時は冷却による温度むらは無く、凝固完了位置も機内に収まっていた。しかし、強冷却を行った時間が長く、機端で十分復熱しなかったため切断時の鋳片角部温度が320℃まで低下した。その結果、切断に時間がかかってしまいガス切断機23の可動範囲内で切断が完了しない恐れがあったため、鋳造速度を緊急で低下させる必要が生じた。更に、鋳造速度が大きく変化したため、その時に鋳造されていた鋳片5の表面品質や内部品質が低下するという問題が生じた。
また、比較例4では1~10番目の区間の単位時間当たりの水量密度を400L/(m・min)として11~12番目の区間で冷却水を停止した。その結果、この流量では強水冷区間で鋳片の一部の幅位置では安定して核沸騰状態に至らず、温度低下が大きい鋳片角部で先に核沸騰となり幅方向で著しい温度差が発生した。そのため、鋳片の表面の割れや内部割れが発生し鋳片5の品質が低下するという問題が生じた。
<実施例3、4、比較例5、6>
実施例3、4と比較例5、6は、実施例1に対して、強水冷区間の1番目の区間のみ大流量領域とし、2番目以降の区間の流量を絞った条件である。
実施例3では1番目の大流量区間での単位時間当たりの水量密度は500L/(m・min)とし、2~11番目の区間での単位時間当たりの水量密度は50L/(m・min)とし、12番目の区間では冷却水を停止した。この時、強水冷区間の1番目の区間の冷却で核沸騰状態に至り、その後の区間で復熱することなく核沸騰状態が維持された。その結果、幅方向の冷却むらは生じなかった。また、凝固完了位置も43mで機内に収まっていた。切断時の鋳片角部温度は430℃あり問題無く切断することができた。更に製造後に鋳片の表面の状態を検査したところ、割れは認められず表面性状の良好な鋳片5を製造することができた。
また、実施例4では強水冷区間の単位時間当たりの水量密度を1番目の区間で2000L/(m・min)、2番目の区間で1000L/(m・min)、3番目は500L/(m・min)、4~5番目は100L/(m・min)、6~10番目は50L/(m・min)と段階的に絞っていくように設定した。また11~12番目の区間では冷却水を停止した。この時、強水冷区間の1番目の区間の冷却で核沸騰状態に至り、その後の区間で復熱することなく核沸騰状態が維持された。その結果、幅方向の冷却むらは生じなかった。また凝固完了位置も40mで機内に収まっていた。切断時の鋳片角部温度は370℃あり問題無く切断することができた。更に製造後に鋳片の表面の状態を検査したところ、割れは認められず表面性状の良好な鋳片5を製造することができた。
一方、比較例5では強水冷区間の後半の小流量領域の単位時間当たりの水量密度を40L/(m・min)とした。その結果、復熱の大きい鋳片幅中央で核沸騰が維持できなくなり温度が上昇し、幅方向で著しい温度むら生じた。凝固完了位置は機内に収まっていたものの、幅方向の温度むらによってスラブが変形し、表面に割れが生じた。
また、比較例6では強水冷区間の前半の大流量領域における単位時間当たりの水量密度を400L/(m・min)とした。その結果、強水冷区間に鋳片5が入った段階で速やかに核沸騰状態を実現することができず、幅方向で核沸騰状態と膜沸騰状態が混在していた。そのため、表面温度のむらが大きく表面割れが発生し、また冷却が不均一になった結果、凝固完了位置が不均一になり内部品質が低下した。
<実施例5>
実施例5は実施例1に対して鋳造開始時や終了時などに鋳造速度を大きく減速しなければならなかった場合の例である。この時、鋳造速度は2.0mpmまで低下しており、強冷却を実施する時間が延長するため、非水冷区間を8~12番目に拡大した。その結果、冷却むらは発生せず、凝固完了位置は35m、切断時の鋳片角部温度も460℃で切断可能な範囲に収めることができた。また製造後に鋳片の表面の状態を検査したところ、割れは認められず、鋳造速度が大きく変化した場合でも問題無く表面性状の良好な鋳片5を製造することができた。
<比較例7、8、実施例6、7>
比較例7と実施例6、および比較例8と実施例7は、スラブ厚をそれぞれ260mmと200mmに変更した場合の結果である。比較例7、8は比較例1と同様に従来技術の冷却条件でスラブ厚が260mmと200mmに変化した場合である。
比較例7ではスラブ厚260mmで、比較例1に対してスラブ厚が厚くなったことで温度低下が小さくなるため、鋳造速度を0.8mpmまで減速して凝固完了位置を機内収めることができた。比較例8ではスラブ厚200mmで比較例1に対してスラブ厚が薄くなったことによる中心部の凝固完了後の不必要な温度低下を避けるために鋳造速度を2.0mpmまで増速した。
それに対して、実施例6はスラブ厚260mmの場合で、実施例1に対してスラブ厚が厚くなったために温度低下が小さくなることから鋳造速度はそのままで強水冷区間を1~11番目までに延長した。強水冷区間の単位時間当たりの水量密度配分は実施例1と同じとした。その結果、冷却むらは発生せず、凝固完了位置は42m、切断時の鋳片角部温度も440℃で切断可能な範囲に収めることができた。また製造後に鋳片の表面の状態を検査したところ、割れは認められず、鋳造厚が厚くなった場合でも高い鋳造速度を維持したまま、問題無く表面性状の良好な鋳片5を製造することができた。
実施例7はスラブ厚200mmの場合で、実施例1に対してスラブ厚が薄くなったために温度低下が大きくなることから鋳造速度を3.0mpmまで増速させた。強水冷区間の単位時間当たりの水量密度配分は実施例1と同じとし、非水冷区間を9~12番目に拡大した。その結果、冷却むらは発生せず、凝固完了位置は37m、切断時の鋳片角部温度も430℃で切断可能な範囲に収めることができた。また、製造後に鋳片の表面の状態を検査したところ、割れは認められず、鋳造厚が薄くなった場合でも鋳造速度を大きく減速することなく、問題無く表面性状の良好な鋳片5を製造することができた。
このように、本発明の技術を適用することで、鋳片厚さが変化した場合でも従来技術のように大きく鋳造速度を変化させる必要が無く、安定して高品位の鋳片5を高能率で製造することができる。
以上のように、水平帯17における鋳造方向上流側区間は、噴射された冷却水が鋳片の表面の幅方向全ての位置で核沸騰状態となる条件で冷却水を噴射して鋳片5を冷却する強水冷区間とし、かつ、前記強水冷区間より鋳造方向下流側で水平帯の末端までの区間は、冷却水の噴射を停止する非水冷区間とすることにより、鋳造条件が変化した場合でも、鋳造速度の制限や加熱のための多大なエネルギーコストの追加を必要とせずに鋳片5を切断容易な温度に保ちつつ製造することができることが実証された。
1 連続鋳造機
3 鋳型
5 鋳片
7 2次冷却帯
9 垂直帯
11 曲げ部
13 湾曲帯
15 矯正部
17 水平帯
19 給水制御装置
21 強冷却設備
23 ガス切断機
25 脆化温度域

Claims (7)

  1. 鋳造方向上流側から、垂直帯、曲げ部、湾曲帯、矯正部、水平帯の順で構成される連続鋳造機の2次冷却帯において鋳片に冷却水を噴射して冷却し、前記水平帯の末端までの区間で前記鋳片の凝固を完了させる連続鋳造鋳片の2次冷却方法であって、
    前記水平帯のうち鋳造方向上流側の区間を、噴射された前記冷却水が前記鋳片の表面の幅方向全ての位置で核沸騰状態となる条件で前記冷却水を噴射して前記鋳片を冷却する強水冷区間とし、かつ、前記強水冷区間よりも鋳造方向下流側で前記水平帯の末端までの区間を、前記冷却水の噴射を停止する非水冷区間とすることにより、前記強水冷区間の後、前記水平帯の末端にかけて、鋳造方向に前記鋳片の表面温度を上昇させつつ、前記水平帯の末端における前記鋳片の表面温度を所定の範囲にすることを特徴とする連続鋳造鋳片の2次冷却方法。
  2. 前記水平帯を鋳造方向にn個(n:整数、3≦n)の区間に分割し、n-i~n番目(i:整数、0≦i<n-)の区間を前記非水冷区間とし、1~n-i-1番目の区間を前記強水冷区間とし、
    前記1~n-i-1番目の区間の前記強水冷区間のうち、1~j番目(j:整数、1≦j<n-i-1)の区間における前記冷却水の単位時間当たりの水量密度を、j+1~n-i-1番目の区間における冷却水の単位時間当たりの水量密度よりも大きくすることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造鋳片の2次冷却方法。
  3. 前記1~n-i-1番目の区間の前記強水冷区間のうち、1~j番目(j:整数、1≦j<n-i-1)の区間における前記冷却水の前記水量密度を500L/(m・min)以上2000L/(m・min)(ただし、minは時間の単位の分である)以下、j+1~n-i-1番目の区間における前記冷却水の前記水量密度を50L/(m・min)以上500L/(m・min)未満とすることを特徴とする請求項2に記載の連続鋳造鋳片の2次冷却方法。
  4. 前記水平帯の末端における前記鋳片の表面温度を、鋳片幅方向で最低温度を示す位置で350℃以上とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の連続鋳造鋳片の2次冷却方法。
  5. 鋳造方向上流側から、垂直帯、湾曲帯、水平帯の順で構成される連続鋳造機の2次冷却帯において鋳片に冷却水を噴射して冷却し、前記水平帯の末端までの区間で前記鋳片の凝固を完了させる連続鋳造鋳片の2次冷却装置であって、
    前記水平帯は、鋳造方向にn個(n:整数、3≦n)の区間に分割され、
    前記水平帯の前記区間の各々に配設された複数のスプレーノズルと、該複数のスプレーノズルからの前記冷却水の噴射および停止、ならびに前記冷却水の単位時間当たりの水量密度を前記区間ごとに制御できる給水手段および給水制御装置を有し、
    該給水制御装置は、鋳造方向の上流側から1~n-i-1番目(i:整数、0≦i<n-)の区間では、噴射された前記冷却水が前記鋳片の表面の幅方向全ての位置で核沸騰状態となる強水冷区間となるように前記スプレーノズルから前記冷却水を噴射させ、n-i~n番目(i:整数、0≦i<n-)の区間では、非水冷区間となるように前記スプレーノズルからの前記冷却水の噴射を停止させることを特徴とする連続鋳造鋳片の2次冷却装置。
  6. 前記給水制御装置は、前記1~n-i-1番目の区間の前記強水冷区間のうち、1~j番目(j:整数、1≦j<n-i-1)の区間における前記冷却水の単位時間当たりの水量密度が、j+1~n-i-1番目の区間における前記冷却水の単位時間当たりの水量密度よりも大きくなるように、前記スプレーノズルからの前記冷却水の噴射を制御することを特徴とする請求項5に記載の連続鋳造鋳片の2次冷却装置。
  7. 前記給水制御装置は、前記1~n-i-1番目の前記強水冷区間のうち、1~j番目(j:整数、1≦j<n-i-1)の区間における前記冷却水の前記水量密度が500L/(m・min)以上2000L/(m・min)(ただし、minは時間の単位の分である)以下、j+1~n-i-1番目の区間における前記冷却水の前記水量密度が50L/(m・min)以上500L/(m・min)未満となるように、前記スプレーノズルからの前記冷却水の噴射を制御することを特徴とする請求項6に記載の連続鋳造鋳片の2次冷却装置。
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