JP5145791B2 - 小断面ビレットの連続鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素鋼、低合金鋼、高合金鋼またはステンレス鋼などの種々の鋼種の小断面ビレット鋳片(以下、単に「ビレット」または「鋳片」ともいう)の連続鋳造において、鋳片の中心部におけるセンターポロシティの発生を低減し、鋳片の内質を改善する連続鋳造方法に関する。
連続鋳造された鋳片を素材として、圧延または鍛造工程を経てユジーンセジュルネ法、マンネスマン法などにより継目無鋼管を製造する工程においては、使用する鋳片の内質部が管の内表面を構成する。したがって、継目無鋼管製造用の鋳片では、その外表面のみならず内質部における品質の健全性が強く要求され、鋳片内質部の品質管理が重要となる。連続鋳造された鋳片にセンターポロシティが存在し、その程度が許容範囲を超えて大きい場合には、その鋳片を用いて製造した継目無鋼管にはしばしば内面疵が発生し、品質上の欠陥となりやすい。
このため、鋳片の連続鋳造においては、鋳片のセンターポロシティの発生の低減を目的として、鋳片の冷却の際における熱収縮を利用した二次冷却方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、鋳片内部の残溶湯プールの鋳込み方向最先端の手前2〜15mの位置からプール最先端位置までの鋳込み方向に沿って、鋳片表面を、その凝固収縮による体積収縮量相当量以上に強制冷却することにより、鋳片凝固殻を収縮させて鋳片断面を減少させ、中心偏析を低減させる方法が開示されている。また、特許文献2には、残溶湯プールの鋳込方向最先端より手前2〜15mの位置からプール最先端位置までの鋳込方向に沿う鋳片表面温度を、鋳片の液芯核の凝固の進行に合わせて、鋼のA3変態温度もしくはAcm変態の開始温度TA以上で、Ta+(TN−Ta)×0.3=TVに示す有効鋳片表面温度TV以下の温度に逐次冷却し、鋳片凝固殻を収縮せしめて鋳片断面を減面し、センターポロシティを低減させる方法が開示されている。ただし、TN:ピンチロールを出た後の自然放冷による鋳片表面温度、Ta:凝固収縮量を補償するに必要な凝固殻平均冷却を得る鋳片表面温度である。
さらに、特許文献3には、連続鋳造中の鋳片の核が柔らかい凝固相の状態にあるときに、この柔らかい核と核の周りの既に完全に凝固した殻との間の熱収縮の差によって上記の核が上記の殻により常に圧縮される効果が生ずるように鋳片を強制冷却し、センターポロシティを低減させる方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜3などに開示された方法には、下記の問題があった。すなわち、(1)凝固終了点よりも余りにも上流側で強制冷却を行うと、真にセンターポロシティが発生しやすくなる時期には冷却代がなくなり、冷却効果が低減する、(2)鋳片中心部が未凝固の状態で冷却を停止すると、復熱によりセンターポロシティが増大したり、内部割れが発生する、(3)センターポロシティおよび中心偏析の低減効果を発揮する適正条件の範囲が非常に狭く、実生産に適用する際には、外乱などにより、適正範囲を外れやすい、などである。
本発明者らは、上記の特許文献1〜3などに開示された方法を改善する技術として、下記の特許文献4、特許文献5および特許文献6に示す方法を提案した。
特許文献4にて提案した方法は、鋳片の中心部の固相率が0.1〜0.3になった時点で所定の水量密度で鋳片の表面冷却を開始し、鋳片の中心部の固相率が0.8以上になるまでその水量密度で水冷却を継続する冷却方法であり、また、特許文献5にて提案した方法は、直径または厚みが所定値以下の鋳片の中心部固相率が0.2〜0.8の時点で、規定範囲内の比水量の水冷却による鋳片の表面冷却を開始し、完全凝固するまで上記比水量で水冷却を継続する内質改善方法である。そして、特許文献6にて提案した方法は、残溶湯プールの鋳込み方向最先端より手前0.1〜2.0mの位置から鋳片中心部の固相率が0.99以上となるまで、凝固末期強制冷却帯における鋳片表面の水量密度を所定範囲内の値に調整し、かつ、下流側になるほど水量密度を増加させる冷却方法である。
本発明者らは、上記の特許文献4〜6にて開示した技術の実用化を通じて、前記(1)〜(3)にて述べた問題の大幅な改善を図ってきたが、さらに安定した確実な内質改善効果を得るためには、なお技術改善の余地が残されている。
特開昭62-61764号公報(特許請求の範囲および2頁右下欄4〜10) 特開昭62-263855号公報(特許請求の範囲および3頁左上欄3〜18行) 特開平2-15856号公報(特許請求の範囲および3頁右下欄10行〜4頁左上欄12行) 特許第2856068号公報(特許請求の範囲および段落[0009]〜[0015]) 特許第3405490号公報(特許請求の範囲、段落[0008]および[0009]) 特許第3401785号公報(特許請求の範囲、段落[0016]および[0017])
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、炭素鋼、低合金鋼、高合金鋼またはステンレス鋼などの種々の鋼種の小断面ビレット鋳片の連続鋳造において、安定的かつ確実に、鋳片の中心部におけるセンターポロシティの発生を低減し、鋳片の内質改善効果を発揮することのできる連続鋳造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記の特許文献4〜6に記載の技術などを実用化し、多くの適用事例を重ねるとともに、さらに安定して、かつ、確実に鋳片の内質改善効果を発揮することのできる小断面ビレット鋳片の連続鋳造方法について研究開発を進め、下記の(a)〜(h)に示す知見を得て、本発明を完成させた。
(a)鋳片表面の冷却による熱収縮を利用して鋳片内部を圧縮する本発明の方法は、鋳片の横断面積が500cm2以下の小断面のビレット鋳片の連続鋳造において大きな効果を発揮する。上記の連続鋳造には小断面の鋳型を用いること、および渦流式鋳型内湯面レベルセンサを使用することから、鋳型内への注入ノズルには筒状の単孔浸漬ノズルを用いる必要がある。
(b)電磁攪拌により鋳型内溶鋼の流動を調整することにより、鋳片中心部における等軸晶の生成比率を増加させ、鋳片中心部のポロシティの発達を抑制するとともに、凝固シェルを均一に成長させることができる。上記の電磁攪拌による等軸晶生成作用を確実なものとするには、上記(a)の浸漬ノズルの単孔の内直径を40mmφ以上として、溶鋼の吐出流速を抑制する必要がある。
(c)凝固シェルの成長を安定に維持し、凝固末期冷却帯における鋳片中心部の固相率の変動を抑制するためには、高精度の鋳型内湯面レベル制御が必要であり、鋳型内湯面レベルの計測には、上記(a)にて述べたとおり、渦流式鋳型内湯面レベルセンサを用いるのが適切である。他のγ線方式、熱電対方式などの鋳型内湯面レベルセンサでは湯面レベルの検出感度が低く、本発明を実施するための高精度の鋳型内湯面レベルの計測には耐えられないからである。
(d)連続鋳造の生産性を確保し、かつ安定操業を図るためには、溶鋼のメニスカスから鋳造方向に15〜45mの範囲内に凝固末期冷却帯を設ける必要があり、また、鋳片を十分に冷却し、かつ無駄な冷却を避け、過冷却による鋳片の変形を防止するためには、凝固末期冷却帯は、3〜8mの長さを有する連続した冷却帯とする必要がある。
(e)鋳片中心部の固相率が0.3〜0.99の領域が上記(d)の凝固末期冷却帯内に入るように、鋳造速度を調整するのが適切である。その理由は、鋳片中心部のポロシティは、鋳片中心部の固相率が0.3〜0.99の範囲に発生の起点を有し、かつ成長するので、上記固相率の範囲において末期冷却を行うことが、鋳片中心部におけるポロシティ発生の防止に有効だからである。
(f)鋳片の二次冷却帯における冷却水の比水量は0.1〜0.8リットル(L)/kg−steelとし、凝固末期冷却帯入口における鋳片表面温度を900〜1200℃とする必要がある。二次冷却帯での比水量が少なすぎると、鋳片が溶鋼静圧によって膨らみ、凝固末期冷却帯における鋳片中心部の固相率の推定が困難となるからであり、一方、比水量が多すぎると、冷却が不均一となって凝固シェルの厚さにバラツキが生じやすくなって、凝固末期冷却帯における鋳片中心部の固相率の推定が難しくなるからである。
凝固末期冷却帯の入口における鋳片表面温度が900℃未満になると、γ相からα相への相変態が生じ、鋳片表面に膨張が発生して、ポロシティ発生の低減効果が損なわれやすくなり、一方、凝固末期冷却帯入口における鋳片表面温度が高すぎると、冷却が不均一となり、ポロシティ低減効果が不安定となるからである。
(g)凝固末期冷却帯における鋳片表面の水流密度は20〜300L/(min・m2)とする必要がある。水流密度が低すぎると、冷却作用が弱すぎて本発明の効果が十分に発揮されず、また、水流密度が300L/(min・m2)を超えて高いと、鋳片表面温度が低下しすぎて、γ相からα相への相変態により鋳片表面に膨張が生じて、ポロシティ低減効果が損なわれやすくなるからである。
(h)鋳片の切断は、凝固末期冷却帯の出口から1m以上の下流側にて行う。凝固末期冷却帯を出た直後に鋳片を切断すると、凝固末期冷却の冷却むらによって生じた鋳片表面温度のばらつきが十分に低減していないことに起因して、切断後の鋳片に曲がり生じやすいからである。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記の(1)〜(5)に示される連続鋳造方法にある。
(1)内直径が40mm以上の単孔を備えた筒状の浸漬ノズルを用いて溶鋼を鋳型内に注入し、横断面積が500cm2以下のビレットを鋳造する連続鋳造方法であって、渦流式鋳型内湯面レベルセンサを用いて鋳型内における溶鋼の湯面レベルを計測し、該計測値に基づいて湯面レベルを制御するとともに、電磁攪拌を付与して鋳型内における溶鋼の流動を調整し、鋳型内における溶鋼のメニスカスから鋳造方向に15〜45mの範囲内に長さが3〜8mの鋳造方向に連続した凝固末期冷却帯を設けて、鋳片の中心部固相率が0.3〜0.99までの領域が該凝固末期冷却帯内に入るように鋳造速度を調整し、該凝固末期冷却帯の上流側に位置する鋳片の二次冷却帯では、冷却水の比水量を0.1〜0.8リットル(L)/kg−steelとして鋳片を冷却することにより、該凝固末期冷却帯の入口における鋳片表面温度を900〜1200℃に調整するとともに、該凝固末期冷却帯では、鋳片表面における冷却水の水流密度を20〜300リットル(L)/(min・m2)として鋳片を冷却し、該凝固末期冷却帯の出口から1m以上の下流側において鋳片を切断することを特徴とする小断面ビレットの連続鋳造方法(以下、「第1発明」とも記す)。
(2)前記鋳型内における溶鋼の湯面レベルの変動量を±10mm以内に抑制することを特徴とする前記(1)に記載の連続鋳造方法(以下、「第2発明」とも記す)。
(3)前記電磁攪拌は、鋳型内における溶鋼を水平面内で回転させながら行う攪拌であり、溶鋼の旋回流速の最大値を0.2〜0.8m/sの範囲内に調整することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の連続鋳造方法(以下、「第3発明」とも記す)。
(4)前記鋳造速度の調整は、C、Si、Mn、P、S、Cr、MoおよびNiの中から選ばれた少なくとも3種以上の元素の溶鋼中組成ならびに鋳造温度の有意な変化に応じて行うことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の連続鋳造方法(以下、「第4発明」とも記す)。
(5)前記鋳片の二次冷却は、凝固末期冷却帯の入口から上流側に2mを超える位置で終了することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の連続鋳造方法(以下、「第5発明」とも記す)。
本発明において、「渦流式鋳型内湯面レベルセンサ」とは、広く用いられている渦流式距離センサを鋳型内溶鋼湯面高さの測定に使用するものであり、送信コイルおよび受信コイルにより構成される鋳型内湯面レベルセンサを意味し、湯面レベルの計測精度が極めて高いなどの特徴を有する。
また、「二次冷却帯」とは、鋳型出口よりも下流側に位置し、鋳片表面をスプレーにより直接冷却する冷却帯を意味する。
「中心部固相率」とは、鋳片中心部において固相および液相が占める全領域に対して固相が占める領域の分率を意味する。
「有意な変化」とは、鋳片の凝固速度に影響を及ぼす鋼成分組成または鋳造温度といった操業因子の影響度合が、所定量以上に達するに十分な操業因子の変化量の大きさを意味する。操業経験や操業実績など基づいて定められる値であり、例えば、C、Si、Mn、P、S、Cr、MoおよびNiなどの元素成分組成では、±0.001〜±0.01質量%程度であり、鋳造温度については±2〜±5℃程度である。また、鋳造速度への反映方法については後出の2−4.にて述べる。
本発明の小断面ビレットの連続鋳造方法によれば、筒状単孔浸漬ノズルを用いて溶鋼を鋳型内に注入し、渦流式鋳型内湯面レベルセンサを用いて鋳型内溶鋼の湯面レベルを計測し、その計測値に基づいて湯面レベルを制御するとともに、電磁攪拌により鋳型内における溶鋼の流動を調整し、また、凝固末期冷却帯の位置および長さを規定するとともに、鋳片内の所定の中心部固相率の領域が凝固末期冷却帯内に入るように鋳造速度を調整し、さらに鋳片の二次冷却帯での比水量、凝固末期冷却帯入口での鋳片表面温度、凝固末期冷却帯での冷却水の水流密度などを適正化したことにより、鋳片中心部でのポロシティの発生を安定的に低減させ、鋳片の内質改善の信頼性を高めることができる。
1.発明の基本構成
本発明は、前記のとおり、内直径が40mm以上の単孔を備えた筒状の浸漬ノズルを用いて溶鋼を鋳型内に注入し、断面積が500cm2以下のビレットを鋳造する連続鋳造方法であって、渦流式鋳型内湯面レベルセンサを用いて鋳型内における溶鋼の湯面レベルを計測し、その計測値に基づいて湯面レベルを制御するとともに、電磁攪拌を付与して鋳型内における溶鋼の流動を調整し、また、鋳型内における溶鋼のメニスカスから鋳造方向に15〜45mの範囲内に長さが3〜8mの鋳造方向に連続した凝固末期冷却帯を設けて、鋳片の中心部固相率が0.3〜0.99までの領域が凝固末期冷却帯内に入るように鋳造速度を調整し、鋳片の二次冷却帯では、冷却水の比水量を0.1〜0.8L/kg−steelとして鋳片を冷却することにより、凝固末期冷却帯の入口における鋳片表面温度を900〜1200℃に調整するとともに、凝固末期冷却帯では、鋳片表面における冷却水の水流密度を20〜300L/(min・m2)として冷却し、凝固末期冷却帯の出口から1m以上の下流側において鋳片を切断する小断面ビレットの連続鋳造方法である。以下に、本発明の内容について、さらに詳細に説明する。
図1は、本発明の小断面ビレットの連続鋳造方法を説明するための模式的縦断面図である。タンディッシュ1内の溶鋼2は、浸漬ノズル3を経て、鋳型4内に注入され、鋳型内冷却水およびその下方に位置する二次冷却帯の冷却装置(スプレーノズル群)11から噴射されるスプレー水により冷却され、凝固シェル7を形成ながら鋳片9となる。ここで、渦流式鋳型内湯面レベルセンサ5により、鋳型4内における溶鋼湯面6のレベル(高さ位置)が計測され、その計測値に基づいて湯面レベルが制御されるとともに、電磁攪拌装置10により鋳型内の溶鋼に電磁攪拌が付与され、溶鋼の流動が制御される。
そして、中心部に未凝固溶湯8を含む鋳片9は、ピンチロール12により同図中の右方向に引き抜かれ、凝固末期冷却帯の冷却装置13から噴射されるスプレー水により冷却されて凝固を完了した後、鋳片切断装置(切断用トーチ)14により切断される。
2.構成要件の規定理由および好ましい態様
2−1.第1発明
1)鋳片断面積は500cm2以下
鋳片の断面積は500cm2以下とする必要がある。断面積が500cm2を超えて大きくなると、鋳片表面を冷却する際の熱収縮を利用して鋳片内部を圧縮するという本発明の効果が発揮されにくくなるからである。断面積の下限値は特に規定しないが、一般的な連続鋳造における断面積の下限値を考慮し、断面積は150cm2程度以上とすることが好ましい。
2)内直径が40mm以上の単孔を備えた筒状浸漬ノズルの使用
単孔を備えた筒状単孔浸漬ノズルを用いる理由は、上記のような小断面の連続鋳造用鋳型に溶鋼を注入する場合に、複数の吐出孔を有する浸漬ノズルを使用することは困難であり、また、後述する渦流式の鋳型内湯面レベルセンサを用いるためには、浸漬ノズルを使用する必要があるからである。さらに、単孔の内直径を40mm以上とするのは、内径が40mm未満では、吐出流速が速くなりすぎて、後述する電磁攪拌による等軸晶生成作用が低減するからである。単孔の内直径の上限値は特に規定しないが、一般的な小断面ビレットの連続鋳造における内直径の下限値を考慮し、内直径は80mm程度以下とするのが好ましい。
3)渦流式鋳型内湯面レベルセンサの使用
渦流式鋳型内湯面レベルセンサを用いる理由は下記のとおりである。すなわち、凝固シェルを安定的に成長させ、凝固末期冷却帯における鋳片中心部の固相率の変動を抑制して、本発明の効果を安定して発揮させるためには、高精度の計測が可能な渦流式鋳型内湯面レベルセンサを用いる必要があるからである。これに対して、他のγ線方式、熱電対方式などの鋳型内湯面レベルセンサを用いた場合には、湯面レベルの検出感度が低く、本発明が対象とする鋳型内湯面レベルの高精度制御のための計測には耐えられない。
4)鋳型内溶鋼の電磁攪拌
電磁攪拌により鋳型内溶鋼の流動を調整する理由は下記の二つである。第一の理由は、電磁攪拌を付与して溶鋼の流速を調整することにより、鋳片中心部における等軸晶の生成を促進し、等軸晶の比率を高めることにより、鋳片中心部におけるセンターポロシティの発達を抑制する確実な効果を得ることができるからである。また、第二の理由は、電磁攪拌を付与して溶鋼の流動を調整することにより、凝固シェルを均一に成長させる効果を得ることができるからである。
5)溶鋼メニスカスから鋳造方向に15〜45mの範囲内に長さが3〜8mの凝固末期冷却帯を設置
凝固末期冷却帯をメニスカスから15〜45mの範囲内に設ける理由は下記のとおりである。すなわち、メニスカスから凝固末期冷却帯までの長さが15m未満の場合には、鋳造速度が小さくなりすぎて、連続鋳造の生産性が低下するからであり、一方、メニスカスから凝固末期冷却帯までの距離が45mを超えて長くなると、鋳造速度が大きくなりすぎて、安定した鋳造操業を行うことが難しくなるからである。ここで、鋳造速度の範囲は、特に規定しないが、一般的に1.5〜4.0m/min程度の範囲で操業するのが生産性を確保し、かつ安定操業を行う上で好ましい。
凝固末期冷却帯の長さを3m以上とするのは、長さが3m未満では鋳片の十分な冷却を行うことができないからであり、また、凝固末期冷却帯の長さを8m以下とするのは、8mを超えて長くしても、冷却帯が不必要に長くなるだけでなく、過冷却に起因して鋳片の曲がりを生じるからである。
6)鋳片中心部の固相率が0.3〜0.99の領域が凝固末期冷却帯内に入るように鋳造速度を調整
鋳片中心部の固相率が0.3〜0.99の領域が凝固末期冷却帯内に入るように鋳造速度を調整する理由は、下記のとおりである。すなわち、鋳片中心部のセンターポロシティは、鋳片中心部の固相率が0.3〜0.99の範囲に発生の起点を有し、かつ、この範囲にて成長する。したがって、上記の固相率の範囲となる凝固期間において凝固末期冷却を行うことが、鋳片中心部におけるセンターポロシティの発生の防止に有効だからである。
7)鋳片の二次冷却帯における比水量は0.1〜0.8L/kg−steel、かつ凝固末期冷却帯入口における鋳片表面温度は900〜1200℃
鋳片の二次冷却帯における比水量を0.1〜0.8L/kg−steelとするのは下記の理由による。すなわち、二次冷却の比水量が0.1L/kg−steel未満では、鋳片が溶鋼の静圧によって膨らみ、鋳片の断面積が拡大しやすくなるので、凝固末期冷却帯における鋳片中心部の固相率を推定することが難しくなるからである。一方、二次冷却の比水量が0.8L/kg−steelを超えて多くなると、冷却が不均一となり、冷却むらによる凝固シェル厚さのバラツキが生じやすくなって、凝固末期冷却帯における鋳片中心部の固相率の推定が難しくなるからである。
また、凝固末期冷却帯入口における鋳片表面温度を900〜1200℃とする理由は下記のとおりである。すなわち、凝固末期冷却帯の入口における鋳片表面温度が900℃未満になると、凝固末期冷却帯内において鋳片の表面温度が低下しすぎて、γ相からα相への相変態が生じ、鋳片表面において膨張が生じて、センターポロシティ発生の低減効果が損なわれやすくなるからである。一方、凝固末期冷却帯の入口における鋳片表面温度が1200℃を超えて高くなると、凝固末期冷却帯内における冷却が不均一となって、冷却むらが生じやすくなり、ポロシティ発生の低減効果が不安定となる。
8)凝固末期冷却帯での鋳片表面の水流密度は20〜300L/(min・m2
凝固末期冷却帯での鋳片表面の水流密度を20〜300L/(min・m2)とするのは下記の理由による。すなわち、水流密度が20L/(min・m2)未満では、冷却作用が弱すぎて本発明の効果が十分に発揮されず、また、水流密度が300L/(min・m2)を超えて高いと、鋳片表面温度が低下しすぎて、γ相からα相への相変態が起こり、鋳片表面に膨張が生じて、センターポロシティの低減効果が損なわれやすくなるからである。
9)凝固末期冷却帯出口から1m以上下流側における鋳片の切断
鋳片の切断を、凝固末期冷却帯の出口から1m以上下流側において行うのは下記の理由による。すなわち、凝固末期冷却帯を出た直後に鋳片を切断すると、凝固末期冷却の冷却むらによって生じた鋳片表面温度の不均一が未だ熱拡散によって十分に軽減されていないことに起因して、切断後の鋳片に曲がりが生じやすい。したがって、切断後の鋳片の曲がりを防止するには、凝固末期冷却帯の出口から少なくとも1m以上下流側で切断する必要があるからである。好ましくは、凝固末期冷却帯の出口から3m以上下流側で鋳片の切断を完了するのが望ましい。凝固末期冷却の冷却むらによって生じた鋳片表面温度の不均一が熱拡散によって十分に均一化され、鋳片の曲がりが一層防止されやすいからである。
2−2.第2発明
第2発明は、前記のとおり、鋳型内における溶鋼の湯面レベルの変動量を±10mm以内に抑制することを特徴とする第1発明の連続鋳造方法である。
鋳型内溶鋼の湯面レベルの変動量を±10mm以内に抑制するのが好ましい理由は、湯面レベルの変動量が±10mmを超えて大きくなると、凝固シェルの成長が不安定となるからである。凝固シェルの成長が不安定になると、凝固末期冷却帯における鋳片中心部の固相率の変動が増大し、本発明の効果である、センターポロシティの安定的かつ確実な低減、およびそれに基づく鋳片の内質改善が十分に達せられなくなる。
湯面レベルの変動量を±10mm以内に抑制するには、渦流式鋳型内湯面レベルセンサを用いて高精度の湯面高さ情報を得ることに加えて、溶鋼の流量制御機構に応答性の良好なステッピングシリンダを用いる、または適正な制御ゲインを設定するなどの対策を講じることが求められる。
2−3.第3発明
第3発明は、第1発明または第2発明において、鋳型内における溶鋼の電磁攪拌を、水平面内で回転させながら行う攪拌とし、溶鋼の旋回流速の最大値を0.2〜0.8m/sの範囲内に調整する連続鋳造方法である。
電磁攪拌によって水平面内の回転流を形成させるのは、鋳型内溶鋼の電磁攪拌を行う場合に、水平面内の回転流を形成するように電磁コイルを設置することが、湯面レベルの変動を抑制する上で好ましいからである。また、電磁攪拌によって生じる溶鋼の旋回流速の最大値を0.2〜0.8m/sの範囲内とするのが好ましい理由は下記のとおりである。上記の流速が0.2m/s未満では、電磁攪拌による効果、すなわち、等軸晶の生成促進によるセンターポロシティの発生抑制効果、および溶鋼の流動制御による凝固シェルの均一成長効果を得ることが難しくなるからであり、一方、同流速が0.8m/sを超えて大きくなると、鋳型内湯面レベルの変動が増大し、好ましくないからである。
ここで、旋回流速の最大値とは、設置した電磁攪拌コイルにより囲まれた鋳型内空間領域において、溶鋼の旋回方向の流速が最も高くなる部位における溶鋼の流速をいう。
2−4.第4発明
第4発明は、第1発明〜第3発明のいずれかの発明において、鋳造速度の調整を、C、Si、Mn、P、S、Cr、MoおよびNiの中から選ばれた少なくとも3種以上の元素の溶鋼中組成ならびに鋳造温度の有意な変化に応じて行う連続鋳造方法である。
鋳造速度の調整は、C、Si、Mn、P、S、Cr、MoおよびNiの中から選ばれた少なくとも3種以上の元素の溶鋼中組成ならびに鋳造温度が、凝固速度に及ぼす影響を考慮して行うことが好ましい。鋳片の凝固速度(詳細には凝固シェルの成長速度)は、溶鋼の組成および鋳造温度の影響を受けて変動する。本発明者らの経験および調査によれば、鋳片の凝固速度を十分な精度で予測するためには、溶鋼組成として、C、Si、Mn、P、S、Cr、MoおよびNiの中から選ばれた少なくとも3種以上の元素の溶鋼中組成を考慮し、かつ、鋳造温度の影響をも同時に考慮することが好ましい。
鋳片の凝固速度は、溶質成分元素の偏析に伴う平衡凝固温度の低下や、鋳片の表面酸化膜(スケール)の形態変化による成分組成の変化により影響を受け、また、その影響度合は操業条件によっても変化する。成分元素の偏析に伴う凝固温度の低下は、成分元素の偏析を考慮した凝固過程の数値シミュレーションなどによって予測することができる。一方、鋳片の表面酸化膜の形態変化による成分組成の変化に起因する凝固速度の変化は、計算による予測が難しいので、多数の鋳片の調査に基づいてその傾向を明らかにする必要がある。上記の関係についての調査結果を十分に蓄積し、これらの調査結果を用いてデータフィッティングを行った凝固過程の解析を実施することにより、凝固速度を予測することができる。
また、第4発明における鋳造速度の調整は、上記の成分組成や鋳造温度といった凝固速度への影響因子の有意な変化を認識する度に行うことが、凝固末期冷却帯内に適正な中心部固相率の鋳片を精度良く納める観点から好ましい。具体的には、例えば、溶鋼の成分組成については、ヒート毎の精錬最終段階における分析値を用い、鋳造温度としては、鋳造量30〜50トン(t)毎のタンディッシュ内における溶鋼温度測定値を用いるなどのように影響因子の有意な変化を認識する度に行うことが好ましい。
2−5.第5発明
第5発明は、第1発明〜第4発明において、凝固末期冷却帯の入口から上流側に2mを超える位置で、鋳片の二次冷却を終了する連続鋳造方法である。
凝固末期冷却帯の入口から上流側に2mを超える位置で鋳片の二次冷却を終了するのが好ましい理由は、上記の位置で二次冷却を終了することが、鋳片の表面温度を均一化して凝固末期冷却の効果を高める上で望ましいからである。さらに好ましくは、凝固末期冷却帯の入口から上流側に5m以上の位置で二次冷却を終了するのがよい。
上記のとおり、鋳型への溶鋼の供給から二次冷却、そして凝固末期冷却を経て鋳片切断に到るまでの間の種々の条件を適正化して操業することにより、凝固末期冷却によるセンターポロシティの低減効果を高め、かつ、連続鋳造操業を安定化させることができる。
本発明の連続鋳造方法の効果を確認するため、下記の鋳造試験を行い、その結果を評価した。
本発明例ならびに比較例についての試験条件および試験結果を表1に、また、各鋳造試験に用いた溶鋼の成分組成を表2に示した。
Figure 0005145791
Figure 0005145791
溶鋼の組成には、実際のヒート毎にばらつきが存在するため、表2においては、鋼組成は各成分毎のばらつきの範囲により表示した。
試験番号Aは、本発明例についての試験であり、本発明で規定する各条件を全て満たしているので、鋳片中心部のセンターポロシティが少ない鋳片を得ることのできる試験である。
鋳造条件は、鋳造温度、つまり溶鋼の過熱度(タンディッシュ内溶鋼温度−鋼の液相線温度)を35〜60℃とし、鋳造の定常部における鋳造速度を平均2.7m/minとした。試験番号Aにおいては、鋳片中心部の固相率が0.3〜0.99までの領域が凝固末期冷却帯内に納まるように、溶鋼の成分組成および鋳造温度に応じて、±0.1m/minの鋳造速度の範囲を、0.01m/min刻みで調整した。
その結果、試験番号Aでは、安定操業下において鋳片中心部におけるポロシティの発生を確実に低減させ、高い信頼性のもとに鋳片の内質を改善することができた。このようにして鋳造されたビレットを用いてシームレスパイプを製造し、その内面性状を調査したところ、内面疵の発生率が0.1%という極めて良好な成績が得られた。
ここで、内面疵の発生率は、パイプ内面の目視検査により不適合と判断されたパイプ本数を、目視検査を行った総パイプ総本数により除して、これを百分率とすることにより求めた。
それに対して、試験番号Bは、第1発明で規定する範囲を外れた比較例についての試験である。試験番号Bでは、浸漬ノズルを用いないオープン給湯方式を採用しており、渦流式の鋳型内湯面レベルセンサを適用できないことから、鋳型内湯面レベルの変動が大きくなり、凝固シェルの成長が不安定となった。さらに、試験番号Bは鋳造速度を鋼種毎に予め定めているに過ぎないので、ヒート毎の溶鋼成分組成の変動や鋳造温度の変動が凝固シェルの成長速度に及ぼす影響を鋳造速度の調整に反映できていない。
その結果、試験番号Bでは、上記の不安定でかつ不確定な要素に起因して、鋳片中心部のセンターポロシティの低減効果が損なわれたのに加えて、操業が不安定となり、頻繁に凝固シェルの破れ(ブレークアウト)が発生した。また、鋳造されたビレットを用いてシームレスパイプを製造し、その内面性状を調査した結果、内面疵の発生率が7%という劣った結果となった。
試験番号Cは、ビレットの横断面積が大きすぎて、本発明で規定する条件を満たさず、本発明の連続鋳造方法に適さない比較例の試験である。試験番号Cでは、凝固末期冷却によるポロシティの低減技術を適用していないので、鋳片中心部に大きなセンターポロシティが発生した。
本発明の小断面ビレットの連続鋳造方法によれば、筒状単孔浸漬ノズルを用いて溶鋼を鋳型内に注入し、渦流式鋳型内湯面レベルセンサを用いて鋳型内溶鋼の湯面レベルを計測し、その計測値に基づいて湯面レベルを制御するとともに、電磁攪拌により鋳型内における溶鋼の流動を調整し、また、凝固末期冷却帯の位置および長さを規定するとともに、鋳片内の所定の中心部固相率の領域が凝固末期冷却帯内に入るように鋳造速度を調整し、さらに鋳片の二次冷却帯での比水量、凝固末期冷却帯入口での鋳片表面温度、凝固末期冷却帯での冷却水の水流密度などを適正化したことにより、鋳片中心部でのポロシティの発生を安定的に低減させ、鋳片の内質改善の信頼性を高めることができる。
したがって、本発明の方法は、鋳型への溶鋼の供給から二次冷却、そして凝固末期冷却を経て鋳片切断に到るまでの間の種々の操作条件を適正化して操業することにより、凝固末期冷却によるセンターポロシティの低減効果を高めるとともに、鋳造操業を安定化することのできる連続鋳造方法として、広範に適用できる技術である。
本発明の小断面ビレットの連続鋳造方法を説明するための模式図である。
符号の説明
1:タンディッシュ、 2:溶鋼、 3:浸漬ノズル、 4:鋳型、
5:渦流式鋳型内湯面レベルセンサ、 6:鋳型内溶鋼のメニスカス(湯面)、
7:凝固シェル、 8:鋳片中心部の未凝固溶湯、 9:鋳片、 10:電磁攪拌装置、
11:二次冷却帯冷却装置、 12:ピンチロール、 13:凝固末期冷却帯冷却装置、
14:鋳片切断装置(切断用トーチ)

Claims (5)

  1. 内直径が40mm以上の単孔を備えた筒状の浸漬ノズルを用いて溶鋼を鋳型内に注入し、横断面積が500cm2以下のビレットを鋳造する連続鋳造方法であって、
    渦流式鋳型内湯面レベルセンサを用いて鋳型内における溶鋼の湯面レベルを計測し、該計測値に基づいて湯面レベルを制御するとともに、電磁攪拌を付与して鋳型内における溶鋼の流動を調整し、
    鋳型内における溶鋼のメニスカスから鋳造方向に15〜45mの範囲内に長さが3〜8
    mの鋳造方向に連続した凝固末期冷却帯を設けて、鋳片の中心部固相率が0.3〜0.99までの領域が該凝固末期冷却帯内に入るように鋳造速度を調整し、
    該凝固末期冷却帯の上流側に位置する鋳片の二次冷却帯では、冷却水の比水量を0.1〜0.8リットル(L)/kg−steelとして鋳片を冷却することにより、該凝固末期冷却帯の入口における鋳片表面温度を900〜1200℃に調整するとともに、
    該凝固末期冷却帯では、鋳片表面における冷却水の水流密度を20〜300リットル(L)/(min・m2)として鋳片を冷却し、
    該凝固末期冷却帯の出口から1m以上の下流側において鋳片を切断することを特徴とする小断面ビレットの連続鋳造方法。
  2. 前記鋳型内における溶鋼の湯面レベルの変動量を±10mm以内に抑制することを特徴とする、請求項1に記載の連続鋳造方法。
  3. 前記電磁攪拌は、鋳型内における溶鋼を水平面内で回転させながら行う攪拌であり、溶鋼の旋回流速の最大値を0.2〜0.8m/sの範囲内に調整することを特徴とする請求項1または2に記載の連続鋳造方法。
  4. 前記鋳造速度の調整は、C、Si、Mn、P、S、Cr、MoおよびNiの中から選ばれた少なくとも3種以上の元素の溶鋼中組成ならびに鋳造温度の有意な変化に応じて行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の連続鋳造方法。
  5. 前記鋳片の二次冷却は、凝固末期冷却帯の入口から上流側に2mを超える位置で終了することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の連続鋳造方法。
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