JP5708340B2 - 連続鋳造鋳片の冷却方法 - Google Patents
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1−1.冷却試験装置
図2は、冷却試験装置の構成図であり、同図(a)は斜視図、同図(b)は側面図である。本発明者らは、本発明についての着想を具体化するため、同図に示す冷却試験装置を試作し、鋳片の冷却条件と温度変化の関係について調査した。
予備試験は、前記図2に示す冷却試験装置を用いて行い、試験条件は、下記表1に示す通りとした。同表に記載の鋼種となるように成分および温度を調整した溶鋼を用いて、ブルームの断面に相当するアスペクト比の底面を有する四角柱のインゴット2を鋳造した。インゴット2の内部には、冷却対象とする面の表面から15mmの位置に熱電対を1個埋め込んだ。鋳造したインゴット2は、型抜きして冷却試験装置まで搬送し、同図に示す位置に載置した後、スプレーノズル3から冷却水を噴射して冷却した。スプレーノズル3は、熱電対の位置がスプレーノズル3の上下動の範囲の中央となるように上下動させた。冷却対象とする面は、幅が435mmの面とした。冷却後のインゴット2からは、サンプルを切り出して組織観察に供した。
図4は、試験例1におけるインゴットの表面温度の変化を示す図である。同図では横軸を冷却水の噴射を開始してから経過した時間とした。同図より、スプレー噴射によりインゴット2の表面温度が低下し、その後復熱してスプレーノズル3の通過回数に応じて温度の低下および上昇を繰り返していることがわかる。図中の下向きの矢印は、温度の極大値を示す。この温度の低下および上昇の繰り返しは、従来の冷却装置では、熱電対が冷却水の噴射を間欠的に受けるため、すなわち被冷却部が途切れるため、冷却が不十分な区間が存在することを意味する。5回の冷却水の噴射により、最終的に到達した温度(自然放熱前に最も低下した温度)は338.2K(65.0℃)であった。
図6は、複数のスプレーノズルからなる冷却装置から噴射される冷却水によって形成される被冷却部における水量密度分布について説明するための図であって、同図(a)は冷却装置および鋳片の正面図、同図(b)は鋳片の被冷却部に途切れる部分が生じる場合のスプレーノズルの位置と水量密度分布との関係を示す図、同図(c)は鋳片の被冷却部が連続する場合のスプレーノズルの位置と水量密度分布との関係を示す図である。同図を用いて、スプレーノズル単体の水量密度と、複数のスプレーノズルからなる冷却装置における水量密度分布について説明する。スプレーノズルの水量密度とは、鋳片の被冷却部における単位面積当たりの冷却水量を意味する。
一般に、同一スプレーノズルを用いた場合、スプレーノズルと鋳片との距離が長いほど鋳片の被冷却部の面積は大きくなる。そのため、スプレーノズルと鋳片との距離を調整することによって、複数のスプレーノズルから噴射される冷却水で形成される鋳片の被冷却部に途切れをなくすことができる。
図7は、鋳片の被冷却部の形状の例を示す図である。スプレーノズルから噴射される冷却水によって形成される鋳片12の表面の被冷却部の形状は、同図に示す円形、楕円および矩形のいずれでもよい。いずれの形状でも鋳片12の被冷却部の途切れをなくすことができる。同図には、鋳片12の幅435mmの面に、冷却対象とする部分の鋳片幅方向の長さを300mmとして冷却水を噴射した場合の被冷却部の形状を示す。すなわち、鋳造方向に隣接するスプレーノズルによる被冷却部の重複部分(以下「ラップ部」ともいう。)の鋳片幅方向の長さを300mmとした場合の被冷却部の形状を示す。いずれの形状においても、ラップ部での水量密度は25%以上となるようにラップ部の大きさを設定した。同図では、鋳片12のコーナー部近傍での過冷却を防止するため、鋳片12の幅方向端部は被冷却部としなかった場合を示す。
図8は、本発明の鋳片の冷却方法が適用可能な全湾曲型の連続鋳造機の概略を示す図である。同図に示すように、図示しないタンディッシュから供給された溶鋼は、鋳型11内に注入され、鋳型11内での1次冷却により凝固して、鋳片12の表面を構成する凝固シェルが形成される。鋳片12は、鋳型11の下部に設けられた2次冷却帯13では、セグメントロール14で支持されながら、冷却水のスプレーによる2次冷却により凝固が促進される。凝固した鋳片12は、複数のピンチロール15で構成された矯正帯16において湾曲が矯正されるとともに、矯正帯16に設けられた3次冷却帯で冷却装置18からの冷却水のスプレーにより3次冷却される。冷却装置18は、隣接するピンチロール15間に配置される。冷却装置18としては前記図6に示す配置のスプレーノズルを使用することができる。3次冷却帯では、本発明の鋳片の冷却方法が適用可能であり、隣接するスプレーノズルの間の水量密度が最も低い部分でも、各スプレーノズルから噴射された冷却水を合計した水量密度を25%以上とする冷却が可能である。冷却方法としては、水冷却、ミストスプレーおよび高圧スプレーのいずれも適用可能である。
連続鋳造装置として、3次冷却帯を備えた前記図8に示す装置を用いて鋳片を連続鋳造した。鋳造条件および3次冷却条件は表3に示す通りとし、鋳片は下記断面サイズのブルームとした。3次冷却帯に設けられた冷却装置は、鋳片の鋳造方向に配置された6対のスプレーノズルからなるものを用いた。スプレーノズルは、鋳片の上面および下面に冷却水を噴射する。鋳片の被冷却面は、ピンチロールに接触する上面および下面とし、幅が435mmの面とした。
上記条件で作製した連続鋳造鋳片について、「鋳片手入れ率」を評価項目として評価を行った。鋳片手入れ率とは、鋳造した鋳片の本数をA、そのうち手入れが必要であった鋳片の本数をBとした場合にB/A×100(%)で表される値である。手入れが必要であった鋳片とは、表面割れを取り除くためにグラインダーで研削した面積が鋳片全体の面積の6.25%以上であった鋳片をいう。
4:フレーム、 5:駆動伝達梁、 6:横棒、 11:鋳型、 12:鋳片、
13:2次冷却帯、 14:セグメントロール、 15:ピンチロール、
16:矯正帯、 17:スプレーノズル、 18:冷却装置
Claims (4)
- 鋳型で凝固シェルが形成され、鋳型直下の2次冷却装置で冷却された鋳片を、切断しない状態で、複数対のピンチロールの間に配置された3次冷却装置でさらに冷却する連続鋳造鋳片の冷却方法であって、
前記3次冷却装置が鋳造方向に配置された複数のスプレーノズルからなり、各スプレーノズルから噴射される冷却水によって前記鋳片の表面に形成される被冷却部が連続し、隣接するスプレーノズルから噴射される冷却水によって形成される前記被冷却部における水量密度の最低値が、単独のスプレーノズルから噴射される冷却水によって形成される前記被冷却部における水量密度の最大値の25%以上であることを特徴とする連続鋳造鋳片の冷却方法。 - 前記被冷却部において前記冷却水の鋳片への噴射面圧力が0.2gf/mm2以上であることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造鋳片の冷却方法。
- 前記スプレーノズルと前記鋳片との距離が100〜300mmであり、隣接する前記スプレーノズルの間隔が200mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の連続鋳造鋳片の冷却方法。
- 前記鋳片の表面に形成される被冷却部の形状が矩形であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の連続鋳造鋳片の冷却方法。
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