JP2013094828A - 連続鋳造における二次冷却方法 - Google Patents

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誠 中世古
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Abstract

【課題】 連続鋳造設備の二次冷却帯にて鋳造中の鋳片を冷却するにあたり、鋳片表面に過冷却現象を発生させずに、鋳片を均一に冷却する。
【解決手段】 連続鋳造機で鋳造されている鋳片10を、分割部分にロールチョック13を有する分割型鋳片支持ロール6で支持しながら二次冷却するにあたり、分割型鋳片支持ロールのうちで矯正帯よりも鋳造方向上流側に設置された分割型鋳片支持ロールの全部または一部の表面に、溝の幅をw、溝の深さをd、分割型鋳片支持ロール長さ方向100mmあたりの溝の設置数をnとしたとき、分割型鋳片支持ロール長さ方向100mmあたりの溝の総断面積(=n×w×d)が50mm2以上となるように、ロール円周方向に延びる溝6aを設置し、当該溝を通して鋳片表面の冷却水の滞留水を鋳造方向下流側に流下させ、ロールチョックを通って鋳造方向下流側に流下する冷却水の滞留水によって発生する鋳片の過冷却現象を抑制する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、高速鋳造時であっても鋳片を均一に冷却することのできる、連続鋳造設備の二次冷却帯における鋳片の冷却方法に関する。
鋼の連続鋳造では、取鍋内の溶鋼を一旦タンディッシュに注入し、タンディッシュ内に所定量の溶鋼が滞在した状態で、タンディッシュ内の溶鋼を、タンディッシュ底部に設置した浸漬ノズルを介して鋳型に注入している。鋳型内に注入された溶鋼は冷却されて鋳型との接触面に凝固シェルを形成し、この凝固シェルを外殻とし、内部に未凝固溶鋼を有する鋳片は、鋳型下方に設けられた二次冷却帯において、鋳片表面に噴射される冷却水(「二次冷却水」ともいう)によって冷却されながら鋳型下方に連続的に引抜かれ、やがて中心部までの凝固が完了する。中心部までの凝固の完了した鋳片を所定の長さに切断して、圧延用素材である鋳片が製造されている。
二次冷却帯において、不均一な冷却が発生すると、鋳片の表面や内部に割れが生じたり、鋳片中心部の中心偏析が悪化したりするので、鋳片の鋳造方向及び幅方向で均一に冷却することが行われてきた。特に、スラブ鋳片は幅が広く、複数個のスプレーノズルを鋳片幅方向に配置する必要があることから、鋳片幅方向で不均一冷却になりやすく、鋳片幅方向で均一な冷却を行うことが重要となる。
一般に、二次冷却帯の鋳片の表面温度は700〜1000℃に制御されているが、近年の鋳造速度の高速化に伴い、二次冷却の能力が強化され、鋳造中の鋳片表面温度は全般的に低下する傾向にある。また、鋳造速度の高速化に伴って、鋳片に、700℃を下回る表面温度の部位が局部的に生じる現象(「過冷却現象」と呼ぶ)が発生するようになった。過冷却現象の発生した鋳片の表面温度は、鋳片幅方向に温度ムラが生じる。
図1に、過冷却のスラブ鋳片における温度ムラの発生状況(図1(A))と、冷却後のスラブ鋳片の表面割れの発生状況(図1(B))との関係を示す。図1に示すように、鋳造後の鋳片を観察すると、温度ムラの発生部位に表面割れが集中することが分る。本発明者らは、この過冷却現象の発生機構を解析し、その結果、過冷却現象の発生位置は、分割型鋳片支持ロールのロールチョックの位置に相関があることを見出した。
連続鋳造における二次冷却は、一般に気液混合のミストノズルや、水のみの1流体によるスプレーノズルによって行われる。二次冷却用冷却水は鋳片表面に衝突すると、常温から沸騰温度域まで水温が上昇することによる顕熱、及び、水の蒸発による蒸発潜熱を奪い、且つ衝突力によって冷却促進作用が働いて、鋳片表面の冷却が行われる。この際に、二次冷却用冷却水の一部は、蒸発し切れずに、鋳片表面上や鋳片支持ロールと鋳片とにはさまれて滞留水となって残留する。この滞留水の一部は鋳片の幅方向に流れて落下するが、滞留水の一部は分割型鋳片支持ロールのロールチョックと鋳片との隙間から、鋳片表面上を沿うようにして鋳造方向下流へ流下する。尚、分割型鋳片支持ロールを配置する理由は、鋳造速度の高速化に伴って鋳片支持ロールのロールピッチが短縮され、これによって鋳片支持ロールの外径が縮小化し、1本のロールで広幅の鋳片を支持すると、静鉄圧による鋳片支持ロールのたわみが大きくなり、鋳片のバルジング量が増大して内部割れや中心偏析が悪化する虞があることに基づく。分割型鋳片支持ロールでは、ロールのたわみは少なくなる。
鋳造速度が低速の場合は冷却水量が少ないので、滞留水が鋳片上に少々滞留しても問題にならないが、鋳造速度が速くなると冷却水量が増加し、滞留水量も増加し、更に、ロールチョック部から落下する滞留水の水量が増加して、滞留水による鋳片表面での冷却作用が発生する。滞留水による冷却作用が一旦発生すると、鋳片の表面温度が下がり、鋳片表面の濡れ性が良くなって、更に冷却が強くなる。本発明者らは、これが過冷却現象の発生原因であることを見出した。
この過冷却現象を防止するべく、本発明者らは、特許文献1及び特許文献2を提案した。特許文献1は、「連続鋳造中の鋳片表面に溜まる残留水を高圧気体の噴射によって除去しながら鋳片を二次冷却する」という技術であり、特許文献2は、「連続鋳造中の鋳片表面に溜まる残留水を吸引管によって吸引・除去しながら鋳片を二次冷却する」という技術である。つまり、残留水を強制的に鋳片表面から除去することによって、過冷却現象を防止するという技術である。
ところで、連続鋳造機の鋳片支持ロールに円周方向の溝を設けることが特許文献3及び特許文献4に開示されている。しかしながら、特許文献3は、一本ロール方式の鋳片支持ロールに溝を設け、この溝に冷却水の残留水を通すことによって鋳片の冷却能力を高めることを目的とし、また、特許文献4は、ドライキャスティングにおける鋳片支持ロールへの熱負荷を軽減することを目的としており、何れも上記の過冷却現象を防止する技術ではない。
特開2010−253528号公報 特開2010−253529号公報 特開平7−108357号公報 特開平9−150249号公報
特許文献1及び特許文献2によって過冷却現象は防止されたが、特許文献1は高圧気体の噴射による運転費の上昇が避けられず、一方、特許文献2は吸引管のメンテナンスが煩雑で連続鋳造機の稼働率を低下させるなどといった問題点が発生し、更なる改善が求められていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、連続鋳造設備の二次冷却帯で鋳造中の鋳片を冷却するにあたり、メンテナンスなどによるコスト上昇をもたらすことなく、鋳片表面に過冷却現象を発生させずに、鋳片を均一に冷却することのできる二次冷却方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)連続鋳造機で鋳造されている鋳片を、鋳片幅方向で2以上に分割され、分割部分にロールチョックを有する分割型鋳片支持ロールで支持しながら冷却水または冷却水と気体との混合体を用いて二次冷却帯で二次冷却するにあたり、前記分割型鋳片支持ロールのうちで、円弧状の鋳片を平板状の鋳片に矯正するための矯正帯よりも鋳造方向上流側に設置された分割型鋳片支持ロールの全部または一部の表面に、溝の幅をw、溝の深さをd、前記分割型鋳片支持ロール長さ方向100mmあたりの溝の設置数をnとしたとき、分割型鋳片支持ロール長さ方向100mmあたりの溝の総断面積(=n×w×d)が50mm2以上となるように、ロール円周方向に延びる環状の溝を設置し、当該溝を通して鋳片表面の前記冷却水の滞留水を鋳造方向下流側に流下させ、前記ロールチョックを通って鋳造方向下流側に流下する冷却水の滞留水によって発生する鋳片の過冷却現象を抑制することを特徴とする、連続鋳造における二次冷却方法。
本発明によれば、分割型鋳片支持ロールの表面に、断面積が所定以上である、円周方向に延びる環状の溝を設置し、この溝を通して鋳片表面の冷却水の滞留水を鋳造方向下流側に流下させるので、滞留水は鋳片幅方向でほぼ均一に流下し、鋳造速度を高めた条件下であっても鋳片表面は局所的に過冷却とならず、分割型鋳片支持ロールのロールチョックを通って鋳造方向下流側に流下する滞留水によって発生する鋳片の過冷却現象を抑制することが実現される。その結果、表面割れのない表面品質に優れた鋳片を高い生産性で鋳造することが可能となり、工業上有益な効果がもたらされる。
過冷却のスラブ鋳片における温度ムラの発生状況と、冷却後のスラブ鋳片の表面割れの発生状況との関係を示す図である。 流下する冷却水の分割型鋳片支持ロール幅方向の分布を調査するための実験装置の概略図である。 流下する冷却水の分割型鋳片支持ロール幅方向での分布の調査結果を示す図である。 流下する冷却水の分割型鋳片支持ロール幅方向での分布の調査結果を示す図である。 本発明を適用したスラブ連続鋳造機の概略図である。 本発明で使用する分割型鋳片支持ロールの1例を示す概略図である。 本発明例1における鋳片幅方向の鋳片表面温度分布を示す図である。 従来例1における鋳片幅方向の鋳片表面温度分布を示す図である。 比較例1で使用した分割型鋳片支持ロールを示す概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
鋼の連続鋳造において、鋳造速度が速くなると、前述したように、二次冷却用の冷却水が増加し、それに伴って冷却水の滞留水も増加し、分割型鋳片支持ロールを用いた連続鋳造機では、分割型鋳片支持ロールのロールチョックから流下する滞留水が増えて鋳片の過冷却現象が発生する。尚、二次冷却用の冷却水の水量は、一般的に、鋳造される鋳片1kgあたりの水量が一定になるように制御されており、従って、鋳造速度が上昇すると、二次冷却用の冷却水水量が鋳造速度に比例するように制御されている。
本発明は、分割型鋳片支持ロール表面の円周方向に複数個の溝を設け、この溝を通して二次冷却用の冷却水の滞留水を流下させる。つまり、滞留水をロールチョックからだけではなく、鋳片支持ロールの幅方向全体で均等に流下させ、これによって過冷却現象を防止する。但し、分割型鋳片支持ロールの幅方向で滞留水を均一に流下させるためには、滞留水を通すための溝は或る程度の大きさが必要である。
そこで、本発明者らは、図2に示す、分割型鋳片支持ロール4本分(幅2.0m、高さ1.0m、傾斜角度80°、各分割型鋳片支持ロールにロールチョックを2箇所、ロールチョックの幅180mm、分割型鋳片支持ロールのロール径216.5mm、ロールチョックと鋳片表面との間隙距離8mm、1つのロールチョックによる間隙面積1440mm2(=180mm×8mm))の実験装置を作成し、各分割型鋳片支持ロール6の直上に3個のエアーミストスプレーノズルを等間隔で配置し、1つのエアーミストスプレーノズルあたり冷却水流量を50L/min、エアー流量を300NL/minとして噴射し、各分割型鋳片支持ロール6及びロールチョック13を通って流下する冷却水を、最下段の分割型鋳片支持ロール6の直下に100mmピッチで配置した容器15で受け、流下する冷却水の分割型鋳片支持ロール幅方向における分布を調査した。尚、図2の符号14Aは、エアーミストスプレーノズルからの鋳片における噴霧面を示している。
各分割型鋳片支持ロール6には、幅wが10mmの環状の溝を20mmピッチ(長さ100mmの範囲に5本の溝、n=5)で等間隔に設置した。但し、溝の深さdを、0.5mm、1.0mm、2.0mm、3.0mmの4水準に変更した。この場合、分割型鋳片支持ロール長さ方向100mmあたりの溝の総断面積(=n×w×d)は、深さdが0.5mmのときに25mm2、深さdが1.0mmのときに50mm2、深さdが2.0mmのときに100mm2、深さdが3.0mmのときに150mm2となる。また、比較のために溝を設置しない分割型鋳片支持ロールについても、流下する冷却水の分割型鋳片支持ロール幅方向の分布を調査した。
図3及び図4に調査結果を示す。図3は、溝無し、溝深さ0.5mm、溝深さ1.0mmの3水準における調査結果で、図4は、溝深さ2.0mm、溝深さ3.0mmの2水準における調査結果である。図3及び図4に示すように、分割型鋳片支持ロール長さ方向100mmあたりの溝の総断面積が50mm2以上であれば、流下する冷却水の滞留水を分割型鋳片支持ロールの幅方向でほぼ均等化できることが分った。即ち、鋳片の過冷却現象を確実に防止するためには、分割型鋳片支持ロール長さ方向100mmあたりの溝の総断面積(=n×w×d)を50mm2以上とすることが必要であることが分った。
また、鋳片の過冷却現象が発生するのは滞留水が鋳造方向下流側に流れる連続鋳造機の垂直部から湾曲部にかけてであり、水平部では滞留水はロールチョックの間隙を流れることは少ない。また、一般的に水平部での二次冷却水量は少ない。つまり、水平部では、過冷却現象の発生する頻度が極めて少ないので、本発明を適用する範囲は、連続鋳造機の垂直部から湾曲部までの範囲の全部または一部とすれば十分である。湾曲部と水平部との境界は、湾曲部の円弧状の鋳片を水平部の平板状の鋳片に矯正するための矯正帯であり、従って、矯正帯よりも鋳造方向上流側に設置された分割型鋳片支持ロールの全部または一部に、上記断面積の溝を設置すればよい。湾曲型連続鋳造機の場合には、湾曲部に配置される分割型鋳片支持ロールの全部または一部に溝を設置すればよい。当然ではあるが、水平部も含めた全ての分割型鋳片支持ロールに溝を設置してもよい。
以上説明したように、本発明によれば、分割型鋳片支持ロールの表面に、断面積が所定以上である、円周方向に延びる環状の複数個の溝を設置し、この溝を通して鋳片表面の冷却水の滞留水を鋳造方向下流側に流下させるので、滞留水は鋳片幅方向でほぼ均一に流下し、鋳造速度を高めた条件下であっても鋳片表面は局所的に過冷却とならず、分割型鋳片支持ロールのロールチョックを通って鋳造方向下流側に流下する冷却水の滞留水によって発生する鋳片の過冷却現象を抑制することが実現される。
図5に示すスラブ連続鋳造機における本発明の実施例を説明する。図5において、符号1は、垂直曲げ型のスラブ連続鋳造機、2は、取鍋から供給される溶鋼を鋳型に中継供給するためのタンディッシュ、3は、鋳型への溶鋼流量調整用のスライディングノズル、4は、溶鋼を鋳型内に注入するための浸漬ノズル、5は、溶鋼を冷却して鋳片の外殻形状を形成するための鋳型、6は、鋳片を支持・案内するための分割型鋳片支持ロール、7は、鋳造された鋳片を搬送するための搬送ロール、8は、鋳造された鋳片を所定長さに切断するためのガス切断機、9は溶鋼、10は鋳造されつつある鋳片、10aは切断された鋳片、11は凝固シェル、12は未凝固相である。
使用したスラブ連続鋳造機1の設備長は45mであり、幅2000mmのスラブ鋳片の鋳造が可能な設備である。鋳型5の上端から鋳型5の下端までが1mであり、鋳型直下から機端までの44mの範囲が二次冷却帯であり、この二次冷却帯を、鋳型直下側から機端側に向けて、第1冷却ゾーン、第2冷却ゾーン、第3冷却ゾーン、第4冷却ゾーン、第5冷却ゾーンの5つの二次冷却ゾーンに分け、それぞれの二次冷却ゾーン毎に冷却条件を設定した。図5において、A−A’位置からB−B’位置直上の分割型鋳片支持ロール6までの範囲が第1冷却ゾーン、B−B’位置からC−C’位置直上の分割型鋳片支持ロール6までの範囲が第2冷却ゾーン、C−C’位置からD−D’位置直上の分割型鋳片支持ロール6までの範囲が第3冷却ゾーン、D−D’位置からE−E’位置直上の分割型鋳片支持ロール6までの範囲が第4冷却ゾーン、E−E’位置から機端の分割型鋳片支持ロール6までの範囲が第5冷却ゾーンである。つまり、スラブ連続鋳造機1の垂直部から湾曲部までの範囲を3つの冷却ゾーンに分割し、水平部を2つの冷却ゾーンに分割した。二次冷却帯の各二次冷却ゾーンにはエアーミストスプレーノズルが配置されており、このエアーミストスプレーノズルから噴射されるエアーミストにより、鋳片10は冷却される。
図6に示す、深さdが2.0mm、幅wが10mmの溝6aを20mm間隔で設けた分割型鋳片支持ロール6を、第1〜第5冷却ゾーン(全冷却ゾーン)に配置し、鋳造試験を実施した(本発明例1)。この分割型鋳片支持ロール6における分割型鋳片支持ロール長さ方向100mmあたりの溝の総断面積(=n×w×d)は100mm2となる。溝6aの配置は、図6に示すように鋳造方向上下の分割型鋳片支持ロール6で「互い違い」になるように設置した。尚、図6に示す溝6aの断面形状は矩形であるが、溝6aの断面形状は、V字谷、U字谷など、必要断面積以上を確保する限りどのような形状であっても構わない。
このスラブ連続鋳造機を用い、幅2000mm、厚み250mmのスラブ鋳片の鋳造を1.5m/minの鋳造速度で開始した。鋳造開始当初、第4冷却ゾーンと第5冷却ゾーンとの間に設置されている温度プロフィール計で鋳片表面を測温した結果、温度偏差(鋳片の両端部200mmの範囲を除く最高温度と最低温度との差)は約40℃以内であり均一な二次冷却が行われていた。その後、鋳造速度を2.0m/minに昇速し、且つ、これに応じて二次冷却水量を増加させたが、特に、鋳片表面温度の温度分布に変化はなく、ロールチョックを通って鋳造方向下流側に流下する冷却水の滞留水によって発生する鋳片の過冷却現象は発生しなかった。図7に、本発明例1における、鋳造速度が1.5m/minの場合と、2.0m/minとの場合の鋳片表面温度の分布を示す。尚、図7における符号14は、エアーミストスプレーノズルである。
また、本発明例1で使用した、深さdが2.0mm、幅wが10mmの溝6aを20mm間隔で設けた分割型鋳片支持ロール6を、水平部には配置せず、第1冷却ゾーン、第2冷却ゾーン及び第3冷却ゾーンに配置し、鋳造試験を実施した(本発明例2)。
このスラブ連続鋳造機を用い、幅2000mm、厚み250mmのスラブ鋳片の鋳造を1.5m/minの鋳造速度で開始した。鋳造開始当初、第4冷却ゾーンと第5冷却ゾーンとの間に設置されている温度プロフィール計で鋳片表面を測温した結果、温度偏差は約40℃以内であり均一な二次冷却が行われていた。その後、鋳造速度を2.0m/minに昇速し、且つ、これに応じて二次冷却水量を増加させたが、特に、鋳片表面温度の温度分布に変化はなく、ロールチョックを通って鋳造方向下流側に流下する冷却水の滞留水によって発生する鋳片の過冷却現象は発生しなかった。
また、比較のために、溝の設置されていない分割型鋳片支持ロールを配置したスラブ連続鋳造機を用いて鋳造試験を実施した(従来例1)。
このスラブ連続鋳造機を用い、幅2000mm、厚み250mmのスラブ鋳片の鋳造を1.5m/minの鋳造速度で開始した。鋳造開始当初、第4冷却ゾーンと第5冷却ゾーンとの間に設置されている温度プロフィール計で鋳片表面を測温した結果、温度偏差は約40℃以内であり均一な二次冷却が行われていた。その後、鋳造速度を2.0m/minに昇速し、且つ、これに応じて二次冷却水量を増加させたら、分割型鋳片支持ロールのロールチョックの設置位置に相当する鋳片表面の表面温度が500℃を下回し、過冷却現象が発生した。図8に、従来例1における、鋳造速度が1.5m/minの場合と、2.0m/minとの場合の鋳片表面温度の分布を示す。鋳造後、過冷却の部位を検査した結果、鋳片表面に横割れの発生が確認できた。
また、図9に示す、深さdが1.5mm、幅wが10mmの溝を50mm間隔で設けた分割型鋳片支持ロール6を、第1〜第5冷却ゾーン(全冷却ゾーン)に配置し、鋳造試験を実施した(比較例1)。この分割型鋳片支持ロール6における分割型鋳片支持ロール長さ方向100mmあたりの溝の総断面積(=n×w×d)は30mm2となる。
このスラブ連続鋳造機を用い、幅2000mm、厚み250mmのスラブ鋳片の鋳造を1.5m/minの鋳造速度で開始した。鋳造開始当初、第4冷却ゾーンと第5冷却ゾーンとの間に設置されている温度プロフィール計で鋳片表面を測温した結果、温度偏差は約40℃以内であり均一な二次冷却が行われていた。その後、鋳造速度を2.0m/minに昇速し、且つ、これに応じて二次冷却水量を増加させたら、分割型鋳片支持ロールのロールチョックの設置位置に相当する鋳片表面の表面温度が500℃を下回し、過冷却現象が発生した。鋳造後、過冷却の部位を検査した結果、鋳片表面に横割れの発生が確認できた。
また、本発明例1で使用した、深さdが2.0mm、幅wが10mmの溝6aを20mm間隔で設けた分割型鋳片支持ロール6を、垂直部及び湾曲部には配置せず、第4冷却ゾーン及び第5冷却ゾーンに配置し、鋳造試験を実施した(比較例2)。
このスラブ連続鋳造機を用い、幅2000mm、厚み250mmのスラブ鋳片の鋳造を1.5m/minの鋳造速度で開始した。鋳造開始当初、第4冷却ゾーンと第5冷却ゾーンとの間に設置されている温度プロフィール計で鋳片表面を測温した結果、温度偏差は約40℃以内であり均一な二次冷却が行われていた。その後、鋳造速度を2.0m/minに昇速し、且つ、これに応じて二次冷却水量を増加させたら、分割型鋳片支持ロールのロールチョックの設置位置に相当する鋳片表面の表面温度が500℃を下回し、過冷却現象が発生した。鋳造後、過冷却の部位を検査した結果、鋳片表面に横割れの発生が確認できた。
本発明例、従来例及び比較例における結果を表1に示す。
1 スラブ連続鋳造機
2 タンディッシュ
3 スライディングノズル
4 浸漬ノズル
5 鋳型
6 分割型鋳片支持ロール
7 搬送ロール
8 ガス切断機
9 溶鋼
10 鋳片
11 凝固シェル
12 未凝固相
13 ロールチョック
14 エアーミストスプレーノズル
15 容器

Claims (1)

  1. 連続鋳造機で鋳造されている鋳片を、鋳片幅方向で2以上に分割され、分割部分にロールチョックを有する分割型鋳片支持ロールで支持しながら冷却水または冷却水と気体との混合体を用いて二次冷却帯で二次冷却するにあたり、
    前記分割型鋳片支持ロールのうちで、円弧状の鋳片を平板状の鋳片に矯正するための矯正帯よりも鋳造方向上流側に設置された分割型鋳片支持ロールの全部または一部の表面に、溝の幅をw、溝の深さをd、前記分割型鋳片支持ロール長さ方向100mmあたりの溝の設置数をnとしたとき、分割型鋳片支持ロール長さ方向100mmあたりの溝の総断面積(=n×w×d)が50mm2以上となるように、ロール円周方向に延びる環状の溝を設置し、
    当該溝を通して鋳片表面の前記冷却水の滞留水を鋳造方向下流側に流下させ、前記ロールチョックを通って鋳造方向下流側に流下する冷却水の滞留水によって発生する鋳片の過冷却現象を抑制することを特徴とする、連続鋳造における二次冷却方法。
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