JP5825087B2 - 連続鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳片を製造する連続鋳造方法に関する。
図3は、横割れ40の発生した鋳片(「スラブ」ともいう)10を示す斜視図である。図3に示す鋳片10のコーナ部においては、鋳造方向Dと直交する方向である鋳片幅Wの方向に、横割れ40が発生している。連続鋳造機での鋳片10の横割れ40を防止することは、圧延後の製品の表面品質を良好に保つためにも極めて重要である。
現在、薄板/厚板ハイテン材(高張力鋼板)やNb,V添加鋼、B,N添加ブリキなど割れ感受性の高い鋼種では、連続鋳造機での横割れの発生を回避するため、鋳造速度の制限を設けたり、生産する連続鋳造機に規制を設けたりするなどの対応を余儀なくされている。こういった鋼種の生産性は一般の鋼種に比べて生産性が低い上に、横割れ対策が工程上、運用上の大きな負荷になっている。
鋳片の横割れを防止する対策としては、鋳片の二次冷却を制御する方法が知られている。この二次冷却の制御方法においては、例えば、高温引張試験などによって材料の高温での延性を調査し、温度と断面収縮率(Reduction of area、以下「RA」ともいう)との関係から高温脆化温度域を求める。そして、上部矯正帯および下部矯正帯における鋳片の表面の温度が高温脆化温度域に入らないように二次冷却を制御し、高温脆化温度域での矯正を避ける。例えば、上部矯正帯での鋳片の温度が高温脆化温度域であった場合、コーナ部分のみならず(図3参照)、鋳片福方向の全幅にわたって横割れが発生する可能性が生じる。
特開2003−275852号公報
上述したように、鋳片の横割れ防止のためには、上部矯正帯における鋳片の表面の温度が高温脆化温度域に入らないようにする必要がある。
しかし、近年、生産性の確保やコスト低減を目的に、連続鋳造機の鋳造速度が速くなっている実状がある。鋳造速度が速くなると、二次冷却による冷却効果が及ばずに、スラブの表面温度は高くなってしまい、上部矯正帯の前までに鋳片の脆化温度以下にすることが困難となる。これは、上部矯正帯までであると鋳片の二次冷却帯(二次冷却を行なう領域)が短く、冷却する時間が取れないことや、二次冷却帯の通過時間が相対的に短くなることが原因である。もちろん、鋳造速度を遅くすれば冷却効果を向上させることはできるが、その場合、生産性やコスト低減の効果を阻害してしまう。
ところで、連続鋳造の操業では、鋳片の表面欠陥を防止し、かつ操業の安定性を高めるために、鋳型内の溶鋼にモールドパウダーを投入する。モールドパウダーは、鋳型内の溶鋼と接触して溶鋼表面で溶融して、鋳型内の溶鋼表面の保温および酸化防止、溶鋼内の介在物の捕捉、鋳型と凝固シェルとの潤滑性の保持等の役割を果たす。
鋳型から引き抜かれた鋳片は、二次冷却帯に設置される水スプレーノズルやエアーミストスプレーノズルによって冷却されるが、鋳片表面にモールドパウダーが付着した場合と付着していない場合とで、冷却効率に差が生ずる。つまり、鋳片表面にモールドパウダーが付着していない方が冷却効率は良く、鋳片の表面温度を低下させるためには鋳片への付着量の少ないモールドパウダ一、換言すれば、鋳片からの剥離性の良いモールドパウダーが望ましい。
なお、モールドパウダーは、溶鋼と接触せずに凝固シェルに付着した場合、凝固シェルとともに鋳型から下方へ引き抜かれる。鋳型から引き抜かれた凝固シェルの表面には、空気と接触することによって酸化スケールが生成し、さらに、凝固シェルの表面にて酸化スケールとモールドパウダーとの混合相が形成される。この混合相は剥離しにくいため、二次冷却帯においても凝固シェルの表面に残留し、凝固シェル表面の冷却特性が変化する。その結果、酸化スケールとモールドパウダーとの混合相が付着した場合、二次冷却帯における冷却の阻害要因となることがある。
ここで、特許文献1には、鋳型の出側から最初のサポートロールまでの間で凝固シェルに10N/cm以上の衝突圧で水噴流を衝突させることによって、酸化スケールとモールドパウダー(特許文献1では「モールドフラックス」と称する)とを除去する技術が開示されている。しかし、酸化スケールとモールドパウダーとの混合相は、二次冷却帯で冷却水を噴射されても剥離しない場合がある。また、特許文献1に開示された技術では、高圧力の冷却水を噴射するためのノズル、配管、ポンプ等の装置や水処理設備が必要となり、コスト低減の阻害となってしまう。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、コスト低減を阻害することなく、連続鋳造機内での鋳片の横割れを防止することができる連続鋳造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行なった。その結果、特定の条件を満たすモールドパウダーが鋳片からの剥離性に優れるため、二次冷却帯において高圧冷却水を噴射することなく、酸化スケールとモールドパウダーとの混合相であっても剥離が容易となり、鋳片を冷却できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(3)を提供する。
(1)鋳型から引き抜いた鋳片を、上記鋳型直下から上部矯正帯までの二次冷却帯において冷却水によって二次冷却する連続鋳造方法であって、上記鋳型内の溶鋼に、LiO含有量が0.5質量%以上であって塩基度が1.0以上1.3未満のモールドパウダー、または、LiO含有量が0.5質量%未満であって塩基度が0.9以上1.1未満のモールドパウダーを投入し、上記塩基度が、上記モールドパウダー中のCaO含有量(単位:質量%)と、上記モールドパウダー中のSiO含有量(単位:質量%)との比(CaO/SiO)で規定される、連続鋳造方法。
(2)上記上部矯正帯における上記鋳片の表面温度を800℃以下まで冷却する、上記(1)に記載の連続鋳造方法。
(3)上記鋳型の下端から1000mmまでの位置で上記鋳片に向かって噴出される上記冷却水の衝突圧が、1N/cm以上10N/cm未満である、上記(1)または(2)に記載の連続鋳造方法。
本発明によれば、コスト低減を阻害することなく、連続鋳造機内での鋳片の横割れを防止することができる連続鋳造方法を提供することができる。
垂直曲げ型連続鋳造機1を概略的に示す側断面図である。 垂直曲げ型連続鋳造機1の鋳型5の直下を拡大して示す側断面図である。 横割れの発生した鋳片10を示す斜視図である。
以下、図面に基いて本発明の連続鋳造方法の一実施形態について説明する。本実施形態は、垂直曲げ型連続鋳造機への適用例である。
図1は、垂直曲げ型連続鋳造機1を概略的に示す側断面図である。図1に示すように、垂直曲げ型連続鋳造機1(以下、単に「連続鋳造機1」ともいう)には、溶鋼9を冷却して凝固させ、鋳片10の外殻形状を形成するための鋳型5が設置され、鋳型5の上方所定位置には、取鍋(図示せず)から供給される溶鋼9を鋳型5に中継供給するためのタンディッシュ2が設置されている。一方、鋳型5の下方には、サポートロール、ガイドロールおよびピンチロールからなる複数対の鋳片支持ロール6が配置されている。鋳片支持ロール6は、鋳型5から引き抜かれる鋳片10を支持しながら下方に案内するための鋳片支持・案内装置である。なお、鋳造速度は、ピンチロールの回転速度により制御される。
鋳型5の出口から1〜4m程度離れた位置に配置される複数対の鋳片支持ロール6は、鋳片10の支持・案内方向が鉛直方向から湾曲方向へと方向を変える上部矯正帯14を構成している。つまり、鋳型5から鉛直方向に引き抜かれた平板上の鋳片10は上部矯正帯14で次第に円弧状に曲げられ、半径が一定の湾曲部へと矯正されるようになっている。上部矯正帯14では、鋳片10の下面側に引張応力が働き、上面側には圧縮応力が働く。したがって、上部矯正帯14では、鋳片10の下面側に表面割れが発生しやすく、上面側には一般に表面割れは発生しない。この場合、鋳片10の厚み中心位置を境として、上面側および下面側と定義する。
同様に湾曲部が水平線に接触する位置の近傍に配置される複数対の鋳片支持ロール6は、鋳片10の支持・案内方向が湾曲方向から水平方向へと方向を変える下部矯正帯15を構成している。つまり、円弧状の鋳片10は下部矯正帯15で次第に平板上に曲げ戻され、水平部へと矯正されるようになっている。下部矯正帯15では、鋳片10の上面側に引張応力が働き、下面側には圧縮応力が働く。したがって、下部矯正帯15では、鋳片10の上面側に表面割れが発生しやすく、下面側には一般に表面割れは発生しない。
なお、図1では、上部矯正帯14および下部矯正帯15ともに複数対の鋳片支持ロール6で構成されているが、一対の鋳片支持ロール6のみで構成してもよい。本発明の上部矯正帯14および下部矯正帯15は、一対のガイドロールで矯正する場合も含む。
図2は、垂直曲げ型連続鋳造機1の鋳型5の直下を拡大して示す側断面図である。鋳造方向に隣り合う鋳片支持ロール6の間隙には、スプレーノズル20が配置されている。
以下、複数のスプレーノズル20について、鋳型5の直下から数えて1列目のものを第1のスプレーノズル20a、2列目のものを第2のスプレーノズル20b、3列目のものを第3のスプレーノズル20c…ともいう。
スプレーノズル20には、流量調節弁19が設置された冷却水配管18が接続されている。流量調節弁19は制御装置(図示せず)からの信号によって、スプレーノズル20から噴出する冷却水(二次冷却水ともいう)21の流量を制御する。
連続鋳造機1においては、少なくとも、鋳型5の直下から上部矯正帯14(図2では図示せず)まで、スプレーノズル20から噴出される冷却水21によって鋳片10が引き抜かれながら冷却される二次冷却帯が構成されている。
なお、連続鋳造機1においては、鋳型5の直下から上部矯正帯14までの二次冷却帯のほか、鋳造方向に複数の二次冷却帯が構成されていてもよい。
図1の説明に戻る。タンディッシュ2の底部には、タンディッシュ2から鋳型5に注入される溶鋼9の流量を調整するためのスライディングノズル3が設置され、スライディングノズル3の下面には、溶鋼9を鋳型5に注入するための浸漬ノズル4が設置されている。また、鋳片支持ロール6の下流側には、鋳造された鋳片10を搬送するための複数の搬送ロール7が設置されており、搬送ロール7の上方には、鋳造される鋳片10から所定の長さの鋳片10aを切断するための鋳片切断機8が配置されている。
このような構成において、まず、タンディッシュ2から浸漬ノズル4を介して鋳型5に溶鋼9を注入する。鋳型5に注入された溶鋼9は、鋳型5で冷却されて凝固シェル11を形成し、内部に未凝固層12を有する鋳片10として、複数対の鋳片支持ロール6に支持されつつ下方に連続的に引き抜かれ、引き抜かれながら、スプレーノズル20から噴出される冷却水によって冷却される。引き抜かれた鋳片10は、凝固シェル11の厚みを増大して、やがて中心部までの凝固を完了する。凝固完了した鋳片10を鋳片切断機8により切断して鋳片10aを得る。
このとき、その詳細を後述するモールドパウダーが、鋳型5のメニスカス13の上に添加されて、鋳型5内の溶鋼9に投入され、鋳型5内の溶鋼9と接触して溶鋼9の表面で溶融する。そして、鋳型5から引き抜かれた凝固シェル11の表面には、空気と接触することによって酸化スケール(図示せず)が生成し、さらに、凝固シェル11の表面にて、この酸化スケールとモールドパウダーとの混合相(図示せず)が形成される。
ここで、本発明に使用されるモールドパウダーについて詳細に説明する。モールドパウダーの抜熱性および剥離性は、その塩基度と相関関係がある。なお、モールドパウダーの「塩基度」は、モールドパウダー中のCaO含有量(単位:質量%)と、モールドパウダー中のSiO含有量(単位:質量%)との比(CaO/SiO)で規定される。
このようなモールドパウダー中には、流動性向上、消費量の確保を目的に、LiOが添加されることがあるが、このLiOの含有量によって抜熱性、剥離性と塩基度との関係の依存性に差があることを本発明者らは見出した。
すなわち、モールドパウダー中のLiO含有量が0.5質量%以上の場合は、モールドパウダーの塩基度を1.0以上とすることで、モールドパウダーの剥離性に優れる。塩基度が1.0未満では鋳型5から引き抜かれた鋳片10の表面にモールドパウダーが固着して残存し冷却を阻害する。このとき、塩基度が1.3を越えるとモールドパウダーの潤滑性が低下して流入不足となり、エアーギャッフの生成により鋳片10の表面温度が低下しない。
モールドパウダー中のLiO含有量が0.5質量%以上の場合、本発明の効果がより優れるという理由から、塩基度が1.1以上1.25以下であるのが好ましい。
一方、モールドパウダー中のLiO含有量が0.5%未満の場合は、モールドパウダーの塩基度を0.9以上とすることで、モールドパウダーの剥離性に優れる。塩基度が0.9未満では鋳型5から引き抜かれた鋳片10の表面にモールドパウダーが固着して残存し冷却を阻害する。このとき、塩基度が1.1を越えるとモールドパウダーの潤滑性が低下して流入不足となり、エアーギャップの生成により鋳片10の表面温度が低下しない。
すなわち、モールドパウダーの製造コストを抑える観点から、比較的高価であるLiOを全く含有しない(つまり、LiO含有量=0質量%)モールドパウダーも一部使用されているが、このようなモールドパウダーにおいても塩基度の調整により、本発明の効果を享受できる。
モールドパウダー中のLiO含有量が0.5質量%未満の場合、本発明の効果がより優れるという理由から、塩基度が0.95以上1.05以下であるのが好ましい。
モールドパウダー中のLiO含有量が0.5質量%以上の場合と0.5質量%未満の場合とで適正な塩基度が異なるのは、LiOによる潤滑性向上の影響が小さいためと考えられる。
なお、本発明のモールドパウダーが含有する他の成分としては特に限定されず、例えば、Al、MgO、NaO、CaF、B等が挙げられ、その含有量も特に限定されない。
したがって、本発明で使用されるモールドパウダーは剥離性が優れ、酸化スケールとモールドパウダーとの混合相が形成された場合にも剥離されやすいため、鋳型5の直下から上部矯正帯14までの二次冷却帯において、スプレーノズル20から噴出される冷却水による冷却効果を十分に得ることができ、連続鋳造機1での鋳片10の横割れを防止することができる。
具体的には、後述する鋼種を使用した場合に、鋳型5の直下から上部矯正帯14までの二次冷却帯、とりわけ、鋳型5の下端から鋳造方向に向かって1000mmまでの位置において、鋳片10に向かって噴出される冷却水の衝突圧が1N/cm以上10N/cm未満であっても冷却効果が得られ、横割れを防止することができる。
このように、冷却水の衝突圧を高圧にしなくてもよいため、高圧力の冷却水を噴射するための設備が不要となりコスト低減できる。
ここで、本発明において使用される鋼種としては、鋳片の横割れ防止の効果をより享受できるという観点から、割れ感受性の高い鋼種が好適に使用され、その具体例としては、薄板/厚板ハイテン材(高張力鋼板)やNb,V添加鋼、B,N添加ブリキ、厚板大入熱鋼などの脆化温度域が広く断面収縮率RAが低い鋼種が挙げられる。
このような鋼種の成分としては、例えば、C:0.150〜0.174質量%、Si:0.30〜0.40質量%、Mn:1.40〜1.50質量%、P:0.000〜0.025質量%、S:0.000〜0.007質量%、Cu:0.00〜0.12質量%、Ni:0.00〜0.08質量%、Cr:0.000〜0.100質量%、Mo:0.00〜0.05質量%、Nb:0.000〜0.005質量%、V:0.000〜0.030質量%、Ti:0.000〜0.005質量%が挙げられる。
なお、脆化温度域は、引張試験などによって材料の高温での延性を調査し、温度と断面収縮率RAとの関係から求めるものであり、断面収縮率RA(単位:%)は、引張試験前の試験片の断面積(A)および試験後の試験片破断部分の直径から断面積(A)を求め、下記式から算出される。
断面収縮率RA={(A−A)/A}×100
例えば、上記式から算出される断面収縮率RAが50%以下の温度を高温脆化温度域と定義する。本発明においては、上部矯正帯14での鋳片10の表面温度が800℃超の高温脆化温度域に入らないようにして横割れ発生を抑制する観点から、上部矯正帯14での鋳片10の表面温度を800℃以下に冷却するのが好ましい。
本発明において、鋳型5内の溶鋼9に投入されるモールドパウダーの消費量は特に限定されない。
本発明を適用することによって、鋳片10の温度を低下させるために連続鋳造機1の鋳造速度を敢えて低下させる必要が無くなり、連続鋳造機1の鋳造速度としては、1.0〜2.4m/minで上述した効果が得られ、鋳片10の生産性を考慮すると1.4〜2.4m/minがより好ましい。
鋳造速度の上限が2.4m/minである理由は、鋳造速度が2.4m/minを越えると鋳片10の表面を冷却する時間が短くなるために、鋳片表面温度を800℃以下にすることが難しいためである。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1〜3、比較例1〜4>
図1に示す連続鋳造機1(機長42m、垂直部長さ2.45m)を用い、鋳片10を製造した。鋳型5に注入した溶鋼9として、中炭素鋼を用い、その成分は、C:0.163質量%、Si:0.35質量%、Mn:1.45質量%、P:0.021質量%、S:0.005質量%、Cu:0.02質量%、Ni:0.02質量%、Cr:0.03質量%、Mo:0.01質量%、Nb:0.001質量%、V:0.005質量%、Ti:0.001質量%であった。用いた溶鋼9の高温脆化温度域は820〜900℃であった。なお、断面収縮率RAが50%以下の温度を高温脆化温度域と定義した。
連続鋳造機1において、鋳造速度を1.8m/minとした。また、流量調節弁19を制御し、第1のスプレーノズル20aを含む全てのスプレーノズル20から噴出される冷却水の衝突圧を9N/cmとした。
上記条件のもと、各例において異なるモールドパウダーを鋳型5内の溶鋼9に投入した。各例で使用したモールドパウダーのLiO含有量(単位:質量%)および塩基度を下記第1表に示す。
また、各例において、鋳片10の表面に熱電対を埋め込むことで、上部矯正帯14における鋳片10の表面温度(単位:℃)を測定した。測定結果を下記第1表に示す。
<評価>
製造した鋳片10に横割れが全く発生しなかった場合には、横割れの発生を抑制する効果に優れるものとして「○」と評価し、微細な横割れが発生したため横割れを除去するための手入れ工程が必要となった場合には、横割れ発生の抑制効果に劣るものとして「△」と評価した。
上記第1表に示す結果から明らかなように、実施例1〜3においては、上部矯正帯14における鋳片10の表面温度を、高温脆化温度域(820〜900℃)に入らない800℃以下にすることができ、横割れの発生を抑制することができた。
これに対して、比較例1〜4においては、上部矯正帯14における鋳片10の表面温度が高温脆化温度域に入ってしまい、横割れの発生を抑制することができなかった。
1 垂直曲げ型連続鋳造機(連続鋳造機)
2 タンディッシュ
3 スライディングノズル
4 浸漬ノズル
5 鋳型
6 鋳片支持ロール
7 搬送ロール
8 鋳片切断機
9 溶鋼
10 鋳片
11 凝固シェル
12 未凝固層
13 メニスカス
14 上部矯正帯
15 下部矯正帯
18 冷却水配管
19 流量調節弁
20 スプレーノズル
21 冷却水
40 横割れ
D 鋳造方向
S 鋳片幅

Claims (3)

  1. 鋳型から引き抜いた鋳片を、前記鋳型直下から上部矯正帯までの二次冷却帯において冷却水によって二次冷却する連続鋳造方法であって、
    前記鋳型内の溶鋼に、LiO含有量が3.1質量%以上4.5質量%以下であって塩基度が1.0以上1.3未満のモールドパウダーを投入し、
    前記塩基度が、前記モールドパウダー中のCaO含有量(単位:質量%)と、前記モールドパウダー中のSiO含有量(単位:質量%)との比(CaO/SiO)で規定され
    前記鋳型の下端から1000mmまでの位置で前記鋳片に向かって噴出される前記冷却水の衝突圧が、1N/cm 以上10N/cm 未満である、連続鋳造方法。
  2. 前記上部矯正帯における前記鋳片の表面温度を800℃以下まで冷却する、請求項1に記載の連続鋳造方法。
  3. 前記溶鋼の成分が、C:0.150〜0.174質量%、Si:0.30〜0.40質量%、Mn:1.40〜1.50質量%、P:0.000〜0.025質量%、S:0.000〜0.007質量%、Cu:0.00〜0.12質量%、Ni:0.00〜0.08質量%、Cr:0.000〜0.100質量%、Mo:0.00〜0.05質量%、Nb:0.000〜0.005質量%、V:0.000〜0.030質量%、Ti:0.000〜0.005質量%である、請求項1または2に記載の連続鋳造方法。
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