JP6044614B2 - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents
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[1]銅製の連続鋳造用鋳型であって、メニスカスよりも上方の任意の位置から、前記メニスカスよりも20mm以上下方の位置までの内壁面の範囲に、幅方向及び鋳造方向で複数設けられた凹溝であって、それぞれ独立した凹溝に、銅の熱伝導率に対して熱伝導率が30%以下である金属が充填されて形成された低熱伝導金属充填部を有し、前記金属の充填厚みH(mm)が、下記の(1)式を満たし、前記低熱伝導金属充填部が形成されている範囲に相当する内壁面の面積A(mm2)に対する、前記低熱伝導金属充填部と銅との境界長さC(mm)の総和の割合η(mm/mm2)が、下記の(2)式を満たすことを特徴とする連続鋳造用鋳型。
0.5 ≦H≦5.0 (1)
0.05≦η≦0.4 (2)
[2]前記金属は、鍍金手段または溶射手段によって前記凹溝に充填されることを特徴とする上記[1]に記載の連続鋳造用鋳型。
[3]上記[1]または上記[2]に記載の連続鋳造用鋳型内に溶鋼を注入して、鋳片を形成するとともに、前記連続鋳造用鋳型から前記鋳片を引き抜く鋼の連続鋳造方法であって、0.6以上となる鋳片引き抜き速度Vc(m/分)と、前記メニスカスから、前記低熱伝導金属充填部が形成されている範囲の下端までの距離R(mm)とが、下記の(3)式の条件を満たすことを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
R≧2×Vc×1000/60 (3)
)及びNi合金が好適である。
0.5≦H≦5.0 (1)
充填厚みHが0.5mm未満になると、低熱伝導金属充填部3における熱流束の低下が不十分であり、上記効果を得ることができない。充填厚みHが5.0mmより大きいと、低熱伝導金属充填部3によって熱流束が大きく低下することがない上に、凹溝2へ充填するべき低熱伝導金属の量が多くなり、かつ、鍍金手段や溶射手段による凹溝2への低熱伝導金属の充填が難しくなってしまい、低熱伝導金属充填部3と鋳型の内壁面の銅部分との間で隙間が生じやすくなる。ひいては、低熱伝導金属充填部3の亀裂や剥離が生じやすくなり、鋳型の寿命低下に繋がる。
0.05≦η≦0.4 (2)
割合ηがこの範囲内であれば、面積Aにおける、熱流束の小さい低熱伝導金属充填部3の占める割合が適正となり、δ/γ変態の核生成が起こりやすくなり、δ/γ変態時に発生する応力を凝固面において多数分散することができる。
R≧2×Vc×1000/60 (3)
低熱伝導金属充填部3の配列は、図1及び図2に示すような千鳥配列が望ましいが、この配列に限定されるものではなく、どのような配列であっても構わない。但し、割合ηが、上記の式(2)を満足するように、低熱伝導金属充填部3が配列されている必要がある。
実験1では、鋳型の銅として熱伝導率が380W/(m・K)である銅合金を使用し且つ低熱伝導金属としてNi合金(80W/(m・K))を使用し、割合ηを0.19とした低熱伝導金属充填部3が形成されている連続鋳造用鋳型を用いて鋼の連続鋳造を複数回行った。連続鋳造の各々では、低熱伝導金属充填部3の充填厚みHを適宜変更している。実験1の連続鋳造では、低熱伝導金属の熱伝導率が、銅合金に対して80%以下であり且つ式(2)を満たしているが、式(1)を満たす場合とそうでない場合とがあり、式(1)を満たす場合には、鋳片に縦割れ(表面割れ)が発生しない一方で、満たさない場合には、鋳片に縦割れ(表面割れ)が発生し、該縦割れの長さを測定している。縦割れの長さは、カラーチェックによる目視で確認し、鋳片の長辺長さに対する表面割れの長辺方向における長さで評価してある。実験1での充填厚みH(mm)と縦割れ長さ(mm/m)の関係を示すグラフを図6に示す。図6から、充填厚みHが0.5mm以上だと、凝固シェル表面における表面割れの発生が抑えられていることがわかる。なお、充填厚みHが5.0mmを超えても、表面割れが防げている。但し、低熱伝導金属充填部3の亀裂や剥離が生じやすくなり、鋳型の寿命低下に繋がる可能性がある。
実験2では、鋳型の銅として熱伝導率が380W/(m・K)である銅合金を使用し且つ低熱伝導金属としてNi合金(80W/(m・K))を使用し、充填厚みHを2.0mmとした低熱伝導金属充填部3が形成されている連続鋳造用鋳型を用いて鋼の連続鋳造を複数回行った。連続鋳造の各々では、低熱伝導金属充填部3に関する割合η(mm/mm2)を適宜変更している。実験2の連続鋳造では、低熱伝導金属の熱伝導率が、銅合金に対して80%以下であり且つ式(1)を満たしているが、式(2)を満たす場合とそうでない場合とがある。実験2でも、実験1と同様に、表面割れを評価している。実験2での割合η(mm/mm2)と縦割れ長さ(mm/m)の関係を示すグラフを図7に示す。図7から、割合ηが0.05以上0.4以下であると、凝固シェル表面での表面割れの発生が抑えられていることがわかる。
パウダーを使用した。また、タンディッシュ内の溶鋼過熱度は25〜35℃とした。鋳型内のメニスカス位置(湯面位置)は、定常鋳込み状態で鋳型上端から100mmとし、メニスカスが低熱伝導金属充填部の設置範囲内に存在するように制御した。
(イ)低熱伝導金属充填部3が形成されている面積A(mm2)に対する、低熱伝導金属充填部3と銅との境界長さC(mm)の総和の割合η(mm/mm2)
(ロ)メニスカスから、低熱伝導金属充填部3が形成されている範囲の下端までの距離R(mm)
(ハ)鋳片引き抜き速度Vc(m/分)
(ニ)金属の充填厚みH(mm)
試験No.1〜24において、連続鋳造が終了した後、鋳片長辺の表面を酸洗してスケールを除去し、鋳片の表面割れを評価し、更に、鋳型の表面割れの発生を評価した。試験No.1〜24における条件、中炭素鋼鋳片の表面割れ及び鋳片の表面割れの発生状況を表1に示す。
○:表面割れ及び凹みのいずれも発生しなかった。
×:表面割れまたは凹みの存在を確認した。
表1中の「鋳型表面割れ」の項目については、鋳型の内壁面の割れの発生状況を目視で評価した。この項目の評価内容は次の通りである。
○:表面割れが発生しなかった。
×:表面割れの存在を確認した。
表1の備考欄には、本発明の範囲内の水冷銅鋳型を使用した試験を本発明例と表示し、低熱伝導金属充填部を有するものの本発明の範囲を満足しない水冷銅鋳型を使用した試験を比較例と表示している。試験に使用した水冷銅鋳型に形成されている低熱伝導金属充填部3の形状は、図1に示す円形であるか、図4に示す略四角形である。図1に示す形態である場合には、本発明例または比較例の後の括弧に「図1」と示し、図4に示す形態である場合には、本発明例または比較例の後の括弧に「図4」と示してある。
2 凹溝
3 低熱伝導金属充填部
4 鍍金層
5 冷却水流路
6 バックプレート
Claims (1)
- 銅製の連続鋳造用鋳型から鋳片を引き抜く鋼の連続鋳造方法であって、
メニスカスよりも上方の任意の位置から、前記メニスカスよりも20mm以上下方の位置までの内壁面の範囲に、幅方向及び鋳造方向で複数設けられた凹溝であって、それぞれ独立した凹溝に、銅の熱伝導率に対して熱伝導率が30%以下である金属が充填されて形成された低熱伝導金属充填部を有し、
前記金属の充填厚みH(mm)が、下記の(1)式を満たし、
前記低熱伝導金属充填部が形成されている範囲に相当する内壁面の面積A(mm 2 )に対する、前記低熱伝導金属充填部と銅との境界長さC(mm)の総和の割合η(mm/mm 2 )が、下記の(2)式を満たす連続鋳造用鋳型内に溶鋼を注入して、鋳片を形成するとともに、
鋳片引き抜き速度Vc(m/分)と、前記メニスカスから、前記低熱伝導金属充填部が形成されている範囲の下端までの距離R(mm)とが、下記の(3)式の条件を満たすことを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
0.5≦H≦5.0 (1)
0.05≦η≦0.4 (2)
R≧2×Vc×1000/60 (3)
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