JP3022211B2 - 丸ビレット鋳片の連続鋳造用鋳型及びその鋳型を用いた連続鋳造方法 - Google Patents
丸ビレット鋳片の連続鋳造用鋳型及びその鋳型を用いた連続鋳造方法Info
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連続鋳造するのに適した鋳型及びその鋳型を用いて鋼の
丸ビレット鋳片を連続鋳造する方法に関するものであ
る。
矩形断面の角ビレットを連続鋳造する場合に比べて鋳型
内壁と鋳片との接触が不均一になって冷却が不均一にな
りやすい。そのため、縦割れ疵が発生したり、その縦割
れが原因となってブレークアウトが発生し、ついには鋳
造できなくなるという問題が発生する。
わせて減少させたり、連続鋳造時、鋳型内に供給するモ
ールドパウダーを工夫して鋳型と鋳片との間の接触を調
節する方法が各種提案されてきた。
下方に向かうに従って内径を減少させ、かつその減少率
を2段階に変化させた丸ビレット連続鋳造用鋳型を、ま
た、実開昭59−165749号では、下方に向かうに
従って内径寸法が連続的に減少するテーパ面となし、か
つこの内径寸法の変化を凝固収縮に合致させた丸ビレッ
ト連続鋳造用鋳型を提案し、これによって鋳型と鋳片と
の接触を均一にすることが可能であるとしている。
号で、連続鋳造時、鋳型内における溶鋼上面に供給し、
鋳型と鋳片の間に流入して鋳型と鋳片との伝熱を均一に
できる新規なモールドパウダーを提案している。
59−165748号で提案された鋳型を用いて連続鋳
造した場合には、鋳型の上部から下部にいたる全域にお
いて鋳片と鋳型との接触状態を良好に保つことは困難で
ある。また、実開昭59−165749号で提案された
鋳型を用いて連続鋳造した場合には、鋳型の上部から下
部にいたる全域において鋳片と鋳型との接触状態を良好
に保つことができるはずではあるが、鋳片の凝固収縮
量を測定することは困難であり、鋼の成分が変わると
収縮量が変わるので、鋼種毎に鋳型を変える必要があ
り、さらに、鋳造速度が変わると鋳型鋳込み方向に対
する収縮量が変わるので、実際上はこのような鋳型は使
用できるものではない。なお、本出願人が特願平6−1
58952号で提案したモールドパウダーを使用した場
合には、鋳型と鋳片との伝熱を均一にできるが、このモ
ールドパウダーだけで、鋳型と鋳片との接触を補償する
ことには限界がある。
なされたものであり、鋼の丸ビレット鋳片を連続鋳造す
るに際し、鋳型と鋳片との間の接触を均一にし抜熱を均
一化することで、鋳造欠陥の無い丸ビレット鋳片を連続
鋳造できる連続鋳造用鋳型及びその鋳型を用いた連続鋳
造方法を提供することを目的としている。
ために、本発明の丸ビレット鋳片の連続鋳造用鋳型は、
鋳造方向に沿った単位長さ当たりの鋳型内径変化率〔=
(1/D0 )・(dD/dx)×100(%),但し、
D0 は鋳型出側での内径,Dは鋳型冷却面上端からxの
距離における鋳型内径〕が、少なくとも溶鋼が注入され
る側の鋳型冷却面上端から50〜100mmまでの間は
12〜16%/mで、前記鋳型冷却面上端から250〜
300mmまでの間は12〜16%/mから0.8〜
1.4%/mまで連続的に変化させ、さらに前記鋳型冷
却面上端から300mmの位置より鋳型冷却面下端まで
の間は0.8〜1.4%/mとなしているのである。
方法は、上記した本発明の連続鋳造用鋳型内に注入した
溶鋼の表面に、1573Kにおける粘度が0.1〜1.
0Pa・s、融点が1273K以上であり、(CaO+
CaF2 ×0.718)/SiO2 質量濃度比が0.6
〜1.0で、Na2Oに換算したNa量が5.0mass%以
下、F濃度が7.0mass%以下、MgOに換算したMg
量が4〜20mass%である連続鋳造用モールドパウダー
を供給しつつ連続鋳造するのである。
いて、少なくとも溶鋼が注入される側の鋳型冷却面上端
から50〜100mmまでの間は、鋳造方向に沿った単
位長さ当たりの鋳型内径変化率を12〜16%/mに設
定するのは、この範囲が鋳型と鋳片との間の接触を均一
にするために有効だからである。この区間が50mm未
満の位置までであれば凝固シェルの収縮よりも鋳型の収
縮が小さくなって接触が不均一になり、縦割れが発生す
るからである。また、100mmを超えると鋳型の収縮
が大きくなりすぎて鋳型と鋳片との焼き付きである拘束
が発生するからである。すなわち、それぞれの鋳型内径
変化率の規定値より大きすぎると拘束が発生し、小さす
ぎると縦割れが発生する。
用鋳型において、鋳型冷却面上端から250〜300m
mまでの間は鋳型内径変化率を12〜16%/mから
0.8〜1.4%/mまで連続的に変化させるのは、こ
の区間が250mm未満の位置までであれば凝固シェル
の収縮よりも鋳型の収縮が小さくなって接触が不均一に
なり、縦割れが発生するからである。また、300mm
を超えると鋳型の収縮が大きくなりすぎて鋳型と鋳片と
の焼き付きである拘束が発生するからである。すなわ
ち、それぞれの鋳型内径変化率の規定値より大きすぎる
と拘束が発生し、小さすぎると縦割れが発生する。
造用鋳型において、鋳型冷却面上端から300mmの位
置より鋳型冷却面下端までの間は鋳型内径変化率を0.
8〜1.4%/mとなしているのは、それぞれの鋳型内
径変化率の規定値より大きすぎると拘束が発生し、小さ
すぎると縦割れが発生するからである。
たような丸ビレット鋳片を連続鋳造する際における最適
な鋳型内径変化率を解明したのである。本発明における
鋳型内径の変化のさせかたは、実開昭59−16574
8号で提案されているような2段階で変化させるもので
はなく、また、実開昭59−165749号で提案され
ているような鋳片の収縮に合うように変化させるもので
もない。
を使用すれば、鋳片と鋳型との接触が良好になって高品
質な丸ビレット鋳片を得ることができる。しかしなが
ら、鋳型と鋳片との間の伝熱媒体となるモールドパウダ
ーについては、以下の物性,成分を有するものを使用す
ることで、従来のモールドパウダーを使用するよりもさ
らに高品質な丸ビレット鋳片を得ることができる。
0.1〜1.0Pa・sが良好であり、0.1Pa・s
未満であると、鋳型と鋳片との間への流入が不均一とな
って抜熱が不均一になり、縦割れを生じたり、拘束が発
生したり、溶鋼中に巻き込まれて欠陥が発生する。ま
た、1.0Pa・s以上であると、鋳型と鋳片との間へ
の流入が不足して拘束が発生する。
型と鋳片との間において、液相が多くなりすぎて冷却が
強くなりすぎるので、熱応力で鋳片が変形して縦割れが
発生する。
/SiO2 質量濃度比が0.6未満であったり、MgO
に換算したMg量が4mass%未満であると、鋳型と鋳片
との間において、凝固したパウダーがガラス質になって
冷却が強くなりすぎるので、熱応力で鋳片が変形して縦
割れが発生する。また、(CaO+CaF2 ×0.71
8)/SiO2 質量濃度比が1.0以上であったり、M
gOに換算したMg量が20mass%以上であると、パウ
ダーフィルムの収縮が大きくなりすぎて鋳片と鋳型との
間の接触が悪くなって縦割れが発生する。
%を超えたり、F濃度が7.0mass%を超えると、粉末
の溶融特性が不良となってノロ咬みなどの欠陥が発生す
る。
るモールドパウダーを本発明の鋳型内溶鋼の表面に供給
しつつ連続鋳造すれば、さらに良好な品質の丸ビレット
鋳片を製造できる。
鋳型を図1に示す1実施例に基づいて説明するととも
に、この鋳型を用いて連続鋳造する方法に及ぶ。図1は
本発明の丸ビレット鋳片の連続鋳造用鋳型の1実施例を
用いて丸ビレット鋳片を連続鋳造している状態の断面図
である。
型であり、この鋳型1の出側での内径をD0 、鋳型1の
冷却面上端からxの距離における内径をDとした場合、
鋳造方向に沿った単位長さ当たりの鋳型内径変化率を
(1/D0 )・(dD/dx)×100(%)と仮定す
る。
径変化率が、少なくとも溶鋼2が注入される側の鋳型1
の冷却面上端1aから50〜100mmまでの間(以
下、「第1区間」という)1bは12〜16%/mで、
前記鋳型1の冷却面上端1aから250〜300mmま
での間(以下、「第2区間」という)1cは12〜16
%/mから0.8〜1.4%/mまで連続的に変化さ
せ、さらに前記鋳型の冷却面上端1aから300mmの
位置より鋳型冷却面下端までの間(以下、「第3区間」
という)1dは0.8〜1.4%/mとなるように構成
しているのである。
り、この鋳型1に図示しないタンディッシュから浸漬ノ
ズルを介して溶鋼2を注入すれば、丸ビレット鋳片3と
鋳型1との接触が良好になり、この丸ビレット鋳片3を
鋳型1の下方から引き抜くことで、高品質な丸ビレット
鋳片3を得ることができるのである。そして、この連続
鋳造に際し、鋳型1内に位置する溶鋼2の表面に供給す
るモールドパウダー4を、下記の表1に示すような物
性,成分のものを使用することでさらに高品質な丸ビレ
ット鋳片3を製造できることになる。これが本発明の丸
ビレット鋳片の連続鋳造方法である。
2に示す成分の亜包晶鋼を湾曲半径が10mの一点矯正
連続鋳造機の下記表3に示す鋳型(冷却面下端内径は2
25mm、長さは900mm)に給湯し、この溶鋼の表
面に表4に示す各種モールドパウダーを供給して鋳造速
度が2.0m/分で連続鋳造した際の実験結果を説明す
る。なお、鋳造条件はまとめて表5に示す。
銅板温度の変動幅を示す。図2の鋳型温度変動幅は、鋳
型冷却面上端から150mmの位置に設置した熱電対の
温度変動幅を実効値(積分平均)で示した。なお、熱電
対は銅板表面から15mm内側に設置した。図2より明
らかなように、鋳造条件のA,C,E,Gについては鋳
型銅板温度の変動幅が大きく操業上問題となったが、他
の鋳造条件については問題のない範囲であった。
縦割れ発生率は鋳片長さ当たりの割れ長さで示した。図
3より明らかなように、鋳造条件のA,C,E,Gにつ
いては、50チャージ(1チャージは150トン)の鋳
造において少なくとも1回は縦割れ性ブレークアウトを
生じた。また、鋳造条件のB,D,F,Hについては、
1チャージ鋳造中に1回以上の拘束ブレークアウト警報
が発せられ、鋳造後の鋳片の観察から鋳片と鋳型との間
に焼き付きが生じていることが判った。
のI〜R及びイについては、縦割れの発生もほとんど無
く、ブレークアウトや拘束ブレークアウト警報も発せら
れなかった。また、本発明の鋳型を使用した鋳造条件の
S〜Z,ロについても、上記した本発明方法である鋳造
条件のI〜R及びイほどではないが、問題のない範囲で
あった。
用鋳型を使用した場合には、鋳片と鋳型との接触が良好
になって表面疵の少ない高品質な丸ビレット鋳片を得る
ことができる。また、その際、規定する物性,成分を有
するモールドパウダーを用いた本発明方法の場合には、
さらに表面疵の少ない高品質な丸ビレット鋳片を得るこ
とができる。
実施例を用いて丸ビレット鋳片を連続鋳造している状態
の断面図である。
示した図で、鋳型銅板温度の変動率を示した図である。
示した図で、縦割れ発生率を示した図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 鋼の丸ビレット鋳片を連続鋳造する鋳型
であって、鋳造方向に沿った単位長さ当たりの鋳型内径
変化率〔=(1/D0 )・(dD/dx)×100
(%),但し、D0 は鋳型出側での内径,Dは鋳型冷却
面上端からxの距離における鋳型内径〕が、少なくとも
溶鋼が注入される側の鋳型冷却面上端から50〜100
mmまでの間は12〜16%/mで、前記鋳型冷却面上
端から250〜300mmまでの間は12〜16%/m
から0.8〜1.4%/mまで連続的に変化させ、さら
に前記鋳型冷却面上端から300mmの位置より鋳型冷
却面下端までの間は0.8〜1.4%/mであることを
特徴とする丸ビレット鋳片の連続鋳造用鋳型。 - 【請求項2】 請求項1記載の連続鋳造用鋳型内に注入
した溶鋼の表面に、1573Kにおける粘度が0.1〜
1.0Pa・s、融点が1273K以上であり、(Ca
O+CaF2 ×0.718)/SiO2 質量濃度比が
0.6〜1.0で、Na2Oに換算したNa量が5.0mass
%以下、F濃度が7.0mass%以下、MgOに換算した
Mg量が4〜20mass%である連続鋳造用モールドパウ
ダーを供給しつつ連続鋳造することを特徴とする丸ビレ
ット鋳片の連続鋳造方法。
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---|---|---|---|
JP6273566A JP3022211B2 (ja) | 1994-11-08 | 1994-11-08 | 丸ビレット鋳片の連続鋳造用鋳型及びその鋳型を用いた連続鋳造方法 |
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JP6273566A JP3022211B2 (ja) | 1994-11-08 | 1994-11-08 | 丸ビレット鋳片の連続鋳造用鋳型及びその鋳型を用いた連続鋳造方法 |
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JPH08132184A JPH08132184A (ja) | 1996-05-28 |
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Family
ID=17529596
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP6273566A Expired - Lifetime JP3022211B2 (ja) | 1994-11-08 | 1994-11-08 | 丸ビレット鋳片の連続鋳造用鋳型及びその鋳型を用いた連続鋳造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009001481A1 (ja) | 2007-06-28 | 2008-12-31 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | 丸ビレット鋳片の連続鋳造用鋳型および連続鋳造方法 |
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-
1994
- 1994-11-08 JP JP6273566A patent/JP3022211B2/ja not_active Expired - Lifetime
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