JP4698572B2 - 連続鋳造機の冷却設備と鋳片の冷却方法 - Google Patents

連続鋳造機の冷却設備と鋳片の冷却方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4698572B2
JP4698572B2 JP2006351604A JP2006351604A JP4698572B2 JP 4698572 B2 JP4698572 B2 JP 4698572B2 JP 2006351604 A JP2006351604 A JP 2006351604A JP 2006351604 A JP2006351604 A JP 2006351604A JP 4698572 B2 JP4698572 B2 JP 4698572B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slab
cooling
continuous casting
casting machine
slabs
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006351604A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008161885A (ja
Inventor
宏明 酒井
功 高木
正雄 岡山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2006351604A priority Critical patent/JP4698572B2/ja
Publication of JP2008161885A publication Critical patent/JP2008161885A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4698572B2 publication Critical patent/JP4698572B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、例えば、連続鋳造機で鋳造した鋳片を加熱炉に装入する前に冷却する連続鋳造機の冷却設備と鋳片の冷却方法に関する。
一般的に、連続鋳造機で鋳造した後の鋳片は凝固時の組織が非常に粗いため、かかる状態で分塊圧延すると、圧延中にかかる応力等により、鋳片の結晶の粒界を起点にして割れの発生又は割れの進展を引き起こすことが知られている。また、連続鋳造中などに割れが発生することが知られている。例えば、鋳造中に鋳片の表面に形成されるオシレーションマークが要因となり、オシレーションマークの谷部から鋳片内部に向かって割れが発生することがある。また、連続鋳造における鋳片の過冷却や冷却不均一が要因となり、これらにより熱応力の変化して、鋳片のコーナ部に割れが発生することがある。また、連続鋳造中の鋳片の矯正が要因となり、例えば、垂直連続鋳造機での曲げ戻しによって鋳片表面に大きな引っ張り応力が発生し割れが発生する。
このように、連続鋳造後の鋳片の表面等には様々な要因で小さな割れが発生し、その割れが大きな割れと進展することもあるので、下工程である分塊圧延中に溶削(ホットスカーフ)を行うことで、鋳片の表面等の割れを予め除去している。
しかしながら、鋳片の割れが進展し割れが深くなった場合(大きな割れとなった場合)、前述のホットスカーフ処理だけでは対応できないことがある。このような場合、鋳片において疵が残存することになることから、ホットスカーフとは異なる他の工程で疵取りを行う作業が発生したり、製造品の品質の低下に繋がる問題となる。
そこで、連続鋳造後において、鋳片の割れが大きなものに進展し難くする方法が様々考えられている(例えば、特許文献1)。この方法では、連続鋳造後の鋳片を分塊圧延前に加熱する加熱炉に装入する前に当該鋳片を所定の温度まで冷却している(この冷却のことを3次冷却ということがある)。
この3次冷却では、鋳片を冷却することで鋳片のオーステナイト組織を例えばベイナイト組織に変態させて微細化させ、連続鋳造後の工程において鋳片に応力等がかかっても鋳片の組織の粒界に沿って鋳片の割れが進展しないようにするものである。
特許文献1に示すような鋼片の水冷方法では、連続鋳造後の鋼片(鋳片)に直接スプレー又はミストスプレーを噴霧することで鋳片を冷却している。特許文献2に示すような冷却方法では、連続鋳造後の鋳片を冷却室にて冷却している。
なお、上述した3次冷却とは異なるが鋳片を冷却する方法として特許文献3〜6に示すものがある。
特許文献3〜6に示す冷却方法では、冷却床に載置された鋳片に向けて冷却風(例えば、風やミストを含んだ風)などを送ることで鋳片を冷却するものである。
特開2000−42700号公報 特開2004−243390号公報 特開昭52−60265号公報 実開平3−116206号公報 特開昭56−95415号公報 特開昭56−11399号公報
特許文献1〜2に示すような冷却方法では、鋳片を水冷により冷却しているため冷却速度が速く、鋳片の表面全体を均一に冷却することが非常に困難である。また、この冷却方法では、水冷していることから鋳片においては冷却が速い部分と冷却が遅い部分とがあり、このような冷却速度の違いによって鋳片の組織のバラツキが発生することがある。
したがって、特許文献1〜2に示すような冷却方法であっても、安定的に鋳片の組織全体を微細組織に変態させることは非常に難しいのが実情である。
特許文献3〜6に示すような冷却方法は、鋳片を冷却するものではあるが、冷却する条件等は全く開示されていないばかりか、鋳片を微細組織に変態させるものでないので、3次冷却を行う方法としては適用することができない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、安定的に鋳片を微細組織にして鋳片の割れが進展することを防止する連続鋳造機の冷却設備と冷却方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明の技術的手段は、連続鋳造機で鋳造された鋳片を下流側に配置された加熱炉に装入する前に冷却する鋳片の冷却方法において、Ac3変態以上の温度となっている鋳片を200〜1200mmピッチで配置しておき、配置した鋳片の下面に対して、吹きつけ角:0〜50°,風速:2〜20m/secの冷却風を送風してAc1変態以下の温度になるまで当該鋳片を冷却する点にある。
本発明の他の技術的手段は、連続鋳造機の冷却設備であり、前記鋳片を200〜1200mmピッチで一定の間隔で配置可能な冷却床と、この冷却床の下側に複数並列して配置され且つ冷却床に載置された鋳片の下面側に向けて、吹きつけ角:0〜50°,風速:2〜20m/secで冷却風を送風する冷却ファンと、を有している点にある。
発明者は、安定的に鋳片を微細組織にして鋳片の割れが進展することを防止する方法について、様々な観点から検証した。
その結果、鋳片を略同じ風速で均一に冷却するために鋳片の下面側に向けて冷却風を送風する方法を採用した。その上で発明者は、鋳片に対する冷却風の吹きつけ角を0〜50°、風速を2〜20m/sec、鋳片の配列ピッチを200〜1200mmにすることによって、鋳片を微細なフェライト−パーライト組織に変態することができ、鋳片の表面の割れが進展し難いことを実験等により見出した。
本発明によれば、安定的に鋳片の組織を微細組織にして鋳片の割れが進展することを防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図を基に説明する。
図1は、本発明の冷却設備を備えた連続鋳造機を示している。
図1に示すように、連続鋳造機1は、例えば、鋳片(例えば、ブルーム)2を鋳造する連続鋳造機であって、鋳造後の鋳片2を加熱する加熱炉3の上流側に設置されている。加熱炉3は、図示しない分塊圧延ラインの上流側に配置されていて鋳片2を圧延に適した温度まで上昇させるものである。連続鋳造機1と加熱炉3とは近接していて連続したライン上に設置された状態となっている。加熱炉3に連なる連続鋳造機1の最下流側には、鋳造した鋳片2を冷却する冷却設備4が設置されている。
この実施の形態の連続鋳造機1によれば、鋳造された鋳片2は鋳造後、最下流側で冷却設備4によって冷却され、連続的に加熱炉3に装入されるようになっている。
以下、連続鋳造機1、冷却設備4について詳しく説明する。
連続鋳造機1は、取鍋9から供給された溶鋼を一時的に貯留するタンディッシュ10と、このタンディッシュ10からの溶鋼が供給される鋳型11と、この鋳型11により成型された鋳片2を引き出すと共に、鋳片2をサポートする複数のサポートロール12とを有している。この実施の形態の連続鋳造機1では、2ストランドのブルームを鋳造するものである。
タンディッシュ10は、全体として有底箱形となっており、タンディッシュ10の底部に2つの浸漬ノズル13が設けられている。浸漬ノズル13は、スライドバルブ8により開閉可能となっており、浸漬ノズル13の開閉によりタンディッシュ10による鋳型11への溶鋼の注入が停止又は再開できるようになっている。
連続鋳造機1の下流側には、鋳造した鋳片2を所定の長さに切断する切断装置14(ガスカッター)が設けられており、この切断装置14の下流側に前記冷却設備4が設けられている。
図1、2に示すように、冷却設備4は、切断装置14で切断された鋳片2を下流側に搬送する搬送装置15と、この搬送装置15の横側で近接配置され且つ搬送された鋳片2を空冷等により冷却する冷却装置16とに大別されている。
図2に示すように、搬送装置15は、切断した鋳片2を搬送する複数の搬送ロール17と、搬送ロール17で所定の位置まで搬送された鋳片2を冷却装置16に引き渡す引き渡し機構18とを有している。
引き渡し機構18は、例えば、搬送ロール17で搬送された鋳片2を持ち上げて、持ち上げた鋳片2を冷却装置16へ向けてスライドさせる複数のスライド部材18aを有している。この実施の形態のスライド部材18aは搬送ロール17で搬送している鋳片2の搬送方向を90°変更し、鋳片2を冷却装置16へ向けてスライドさせるものである。
図2、3に示すように、冷却装置16は、スライドしてきた鋳片2を200〜1200mmピッチで配置可能な冷却床20と、冷却ファン21とを有している。
具体的には、冷却床20は、鋳片2のスライド方向に延び且つ移動不能に固定された複数の固定バー22と、スライド方向に延び且つ移送方向に移動可能な複数の可動バー23とを有している。
各固定バー22には、鋳片2の下面を載置する載置部25が長手方向に複数設けられている。固定バー22に対する載置部25の配列ピッチ(長手方向の配列間隔)は、一定値であって、固定バー22に設けられた載置部25を平面視すると、各載置部25は長手方向と直交する方向に直線状に並んだ状態となっている。
図4に示すように、直線状となっている各載置部25(鋳片2の配置ライン)に鋳片2を載置すると、搬送方向に隣り合う鋳片2の配列ピッチ(以降、鋳片ピッチということがある)L1,L2を200〜1200mmとすることができる。鋳片ピッチは互いに同じ(均一)であってもよいし異なっていても良い。
可動バー23は、固定バー22の間に配置され且つスライド方向(搬送方向)に往復移動するものであって、スライド部材18aにより冷却床20の近傍まで搬送された鋳片2を持ち上げて、下流側に搬送して固定バー22の載置部25に据え置くように構成されている。
冷却ファン21は、冷却床20に据え置かれた鋳片2に対して冷却風(例えば、室温の風)を送風するもので、冷却床20の下側に配置されている。具体的には、固定バー22の下側であって、この固定バー22の最下流側端部の近傍に複数の冷却ファン21が並列されている。複数の冷却ファン21によって、冷却床20に載置された鋳片2の全体に対して冷却風が当たるようになっている。
図4に示すように、各冷却ファン21は、当該冷却ファン21の中心から冷却床20に据え置かれた鋳片2の下面の中央部を結ぶ角度(以降、吹きつけ角ということがある)θ1,θ2,θ3が調整可能となっている。各冷却ファン21の吹きつけ角θ1〜θ3はそれぞれ0〜50°になるように設定されている。
冷却ファン21の風速は、冷却床20に載置された各鋳片2の下面が受ける風速の最大値V1〜V3が、2〜20m/secとなるように、設定されている。
本発明の冷却設備4では、冷却床20に切断した鋳片2を載置した後、可動バー23を往復移動させることで、鋳片2を順に載置部25の配列ピッチで下流側に移動しながら、冷却ファン21により鋳片2を冷却する。冷却床20の最下流に位置し冷却床20上での冷却が終了した鋳片2は当該冷却床20から搬送装置15に略平行な第2搬送装置19に載せられて、加熱炉3に直接、装入される。
以下、本発明の鋳片の冷却方法を詳しく説明する。
本発明の冷却設備4、即ち、冷却方法では、鋳片2を冷却する際、鋳片2を200〜1200mmピッチで配置し、鋳片2に対して吹きつけ角θ1〜θ3:0〜50°,風速V1〜V3:2〜20m/secで冷却風を送風する。そして、冷却床20で冷却が完了した鋳片2は、前記搬送装置15とは異なる第2搬送装置19によって加熱炉3に装入する。
図5に示すように、本発明の冷却方法では、冷却ファン20の冷却によって、鋳片2を加熱炉3に装入する前の鋳片温度をAc1変態温度以下としており(ポイントE)、鋳片2の組織を粒の大きいオーステナイト組織(γ組織)から粒の小さなフェライト−パーライト組織(α+P組織)へと変態させている。鋳片2の組織をフェライト−パーライト組織にした状態で、当該鋳片2を加熱炉3に装入していることから加熱後の組織を粒の非常に小さな新たな組織とすることができる(ポイントF)。
鋳片ピッチL1,L2を200〜1200mmとし、鋳片2に対して吹きつけ角θ1〜θ3:0〜50°,風速V1〜V3:2〜20m/secで冷却風を送風することによって、加熱後の鋳片2の組織を粒の非常に小さな組織(微細組織)に変態させることができる。
一方で、鋳片2を冷却しても、鋳片2を加熱炉3に装入する前の鋳片温度がAc3変態温度以上となった場合(ポイントA)、冷却後の鋳片2の組織は粒の大きいオーステナイト組織となる。この状態で鋳片2を加熱炉3に装入して当該鋳片2を加熱すると加熱後の組織は、フェライト−パーライト組織とならず粒の大きいオーステナイト組織のままであることを確認している(ポイントB)。
また、鋳片2を冷却しても、鋳片2を加熱炉3に装入する前の鋳片温度がAc3変態温度とAc1変態温度との間である(ポイントC)場合、冷却後の鋳片2はその粒界の付近にオーステナイト組織の一部が変態したフェライト組織ができる。この状態で鋳片2を加熱炉3に装入して当該鋳片2を加熱しても加熱後の組織は、Ac3変態温度以上である場合と同様に粒の大きいオーステナイト組織ままであることを確認している(ポイントD)。
表1、表2は、鋳片ピッチL1,L2、吹きつけ角(鋳片冷却角度)θ1〜θ3、風速V1〜V3を適宜変化させて、鋳片2を冷却した実験結果(鋳片冷却テスト結果)である。
Figure 0004698572
Figure 0004698572
[実験条件]
連続鋳造機1で300×430mmとなるブルーム(鋳片2)を鋳造し、当該鋳片2をAc3変態温度以上(800〜950℃)で切断して搬送及び冷却を行った。鋳片ピッチL1〜L3を0〜1500mmの間で変化させ、吹きつけ角θ1〜θ3を−10〜60°の間で変化させた。固定バー22と可動バー23との距離P、即ち、冷却床20のピッチPを、1000〜2500mmとした。なお、表1、表2において、冷却時間は鋳片切断からの時間としているが、実質的に鋳片2を切断してから切断した鋳片2を冷却床20まで搬送する時間は1〜2分であるため、冷却床20で鋳片2を冷却した時間は30〜59分である。冷却した鋳片2は、分塊圧延後(加熱→圧延→ホットスカーフ→圧延)、平滑化処理(表面スケール除去)し、磁粉探傷試験を行った。磁粉探傷試験では、鋳片2の縦横の4面について調査(試験)を行った。表1、表2において、鋳片2の表面割れ(表面欠陥)の表示[○][×]は、磁粉探傷試験JIS-G-0565(鉄鋼材料の磁粉探傷試験方法及び磁粉検査)に基づいて試験を行い、表面欠陥を評価したものである。
磁粉探傷試験はJIS規格G−0565に規定された極間法及び電流貫通法を用いて行った。探傷に必要な磁界の強さは同規格の「試験方法:連続法,試験体:鋳鍛造品及び機械部品」の規定に基づき2400〜3600(A/m)とした。かかる磁界を印加した後、磁粉の分布(模様)を目視し、目視で確認される全ての割れや疵をチェックした。
[風速の影響について]
表1に示すように、冷却ファン21の風速V1〜V3を0m/secにした場合、即ち、冷却ファン21で鋳片2に対して送風を行わなかった場合、鋳片ピッチL1,L2をいかなる状態にしても表面欠陥が確認された。鋳片2の下面側は鋳片2の上面と比較して熱が滞留し易く、鋳片2の冷却速度が遅くなるため、同じ時間の冷却では下面と上面では温度差が発生することになる。
鋳片2の下面の温度をAc1変態温度以下まで下げようとすると、下面の温度がAc1変態温度以下にしたときには、上面の温度が下がり過ぎ、加熱炉3に当該鋳片2を装入した際に加熱炉3内で鋳片2の温度が上昇するため、鋳片2が急激に膨張して歪みによって割れが大きなものとなる。そこで、上面の温度が所定の温度以下とならないようにすると、鋳片2の下面の温度がAc1変態温度以下にできないという問題が発生する。
冷却ファン21の風速V1〜V3を20m/secよりも大きくした場合、鋳片ピッチL1,L2をいかなる状態にしても表面欠陥が確認された。風速V1〜V3が20m/secよりも大きくなると鋳片2のコーナ部を冷却し過ぎると共に、鋳片2の下面をも冷却し過ぎることになる。
このように、鋳片2の下面と鋳片2のコーナ部との温度が下がり過ぎた状態で、鋳片2を加熱炉3に装入すると、加熱炉3内で鋳片2の温度が急激に上昇するため、鋳片2が急激に膨張して歪みによって割れが大きなものとなる。
よって、本発明の冷却方法では、鋳片2を冷却する際は、鋳片2の割れの生じない風速V1〜V3は2〜20m/secとしている。
[鋳片ピッチの影響について]
鋳片2を冷却する場合、冷却ファン21の風速V1〜V3を2〜20m/secに制御しても鋳片ピッチL1,L2によって最適値があることが確認した。
表1、表2に示すように、鋳片ピッチ(隣り合う鋳片2の側面間の距離)L1,L2が200mm未満の場合、隣り合う鋳片2同士が互いの輻射熱の影響を大きく受けるため、風速V1〜V3を2〜20m/secにして冷却しても、輻射熱の影響を受けやすい鋳片2の隣り合う側面の温度がAc1変態温度以下まで下がらず、その結果、鋳片2の表面欠陥が確認された。
また、鋳片ピッチL1,L2を1200mmよりも大きくした場合、輻射熱の影響が少なくなり、風速V1〜V3を2〜20m/secにして冷却すると、鋳片2の隣り合う側面の温度が鋳片2の上面に比べて下がりやすくなる。よって、鋳片2の側面が過冷却状態となるので、鋳片2を加熱炉3に装入した際に、鋳片2の側面が急激に膨張して歪みによって割れが大きなものとなる。
このことから、本発明の冷却方法では、鋳片2を冷却する際は、鋳片ピッチL1,L2を200〜1200mmとして、輻射熱の良い影響を与えるようにし、鋳片2同士の輻射熱によって鋳片2の側面への熱のバランスを保っている。
[吹きつけ角(冷却角度)について]
鋳片2を冷却する場合、冷却ファン21の風速V1〜V3を2〜20m/secに制御し且つ鋳片ピッチL1,L2を200〜1200mmとしても、吹きつけ角θ1〜θ3に最適値があることを確認した。
冷却ファン21の吹きつけ角θ1〜θ3を50°よりも大きくした場合、搬送方向に並べられた鋳片2を広範囲に亘って冷却できないと共に、鋳片2の下面側から鋳片2の上面側に抜ける冷却風が多く、鋳片2の側面が過冷却されることとなる。よって、鋳片2の側面が過冷却状態となるので、鋳片2を加熱炉3に装入した際に、鋳片2の側面が急激に膨張して歪みによって割れが大きなものとなる。
冷却ファン21の吹きつけ角θ1〜θ3を0°より小さくした場合、即ち、図4に示すように、冷却ファン21の中心部の向きを水平線Nよりも下側に向けた場合、冷却ファン21から送風した冷却風が下側に流れやすくなって鋳片2に冷却風が当たりにくくなるので、冷却床20に載置した鋳片2を幅広く冷却することができない。その結果、鋳片2は温度がAc1変態温度以下まで下がらず、その結果、鋳片2の表面欠陥が確認された。
このことから、本発明の冷却方法では、鋳片2を冷却する際は、吹きつけ角θ1〜θ3を0°〜50°にすることで、冷却風によって熱溜まりを除去できるように鋳片2の冷却する範囲のバランスを図っている。
加熱炉3に装入前の鋳片2の温度と鋳片2の表面欠陥の個数(400m当たりの表面欠陥)をまとめると、図6に示すような結果となった。即ち、図6に示すように、本発明の冷却方法によれば、加熱炉3に装入前の鋳片2の温度を、Ac1変態温度以下である大凡500℃〜650℃の範囲とすることができ、鋳片2の表面欠陥の個数を無くすことができる。
なお、実施形態は本発明の例示であって、これに限定するものではない。
連続鋳造機の全体斜視図である。 冷却設備の平面図である。 冷却床の斜視図である。 鋳片ピッチ、風速、吹きつけ角の定義図である。 冷却による鋳片の組織を示す図である。 鋳片の温度と鋳片の表面欠陥の個数との関係図である。
符号の説明
1 連続鋳造機
2 鋳片
3 加熱炉
4 冷却設備
16 冷却装置
20 冷却床
21 冷却ファン

Claims (2)

  1. 連続鋳造機で鋳造された鋳片を下流側に配置された加熱炉に装入する前に冷却する鋳片の冷却方法において、
    Ac3変態以上の温度となっている鋳片を200〜1200mmピッチで配置しておき、配置した鋳片の下面に対して、吹きつけ角:0〜50°,風速:2〜20m/secの冷却風を送風してAc1変態以下の温度になるまで当該鋳片を冷却することを特徴とする鋳片の冷却方法。
  2. 請求項1に記載された鋳片の冷却方法を行う連続鋳造機の冷却設備であり、
    前記鋳片を200〜1200mmピッチで一定の間隔で配置可能な冷却床と、この冷却床の下側に複数並列して配置され且つ冷却床に載置された鋳片の下面側に向けて、吹きつけ角:0〜50°,風速:2〜20m/secで冷却風を送風する冷却ファンと、を有していることを特徴とする連続鋳造機の冷却設備。
JP2006351604A 2006-12-27 2006-12-27 連続鋳造機の冷却設備と鋳片の冷却方法 Expired - Fee Related JP4698572B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006351604A JP4698572B2 (ja) 2006-12-27 2006-12-27 連続鋳造機の冷却設備と鋳片の冷却方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006351604A JP4698572B2 (ja) 2006-12-27 2006-12-27 連続鋳造機の冷却設備と鋳片の冷却方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008161885A JP2008161885A (ja) 2008-07-17
JP4698572B2 true JP4698572B2 (ja) 2011-06-08

Family

ID=39692049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006351604A Expired - Fee Related JP4698572B2 (ja) 2006-12-27 2006-12-27 連続鋳造機の冷却設備と鋳片の冷却方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4698572B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112191816A (zh) * 2020-09-23 2021-01-08 贾春腾 一种梯度钢铁材料的连续铸造系统

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5473259B2 (ja) * 2008-06-24 2014-04-16 株式会社神戸製鋼所 鋳片の冷却方法
JP2019020040A (ja) * 2017-07-18 2019-02-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 冷却装置
JP7334829B2 (ja) 2019-02-28 2023-08-29 Jfeスチール株式会社 鋳片の冷却方法
JP7188187B2 (ja) * 2019-02-28 2022-12-13 Jfeスチール株式会社 鋳片の冷却方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000117408A (ja) * 1998-10-08 2000-04-25 Kawasaki Steel Corp 鋳片の冷却方法とその設備

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5611399U (ja) * 1979-07-07 1981-01-30

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000117408A (ja) * 1998-10-08 2000-04-25 Kawasaki Steel Corp 鋳片の冷却方法とその設備

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112191816A (zh) * 2020-09-23 2021-01-08 贾春腾 一种梯度钢铁材料的连续铸造系统
CN112191816B (zh) * 2020-09-23 2021-11-02 山西通才工贸有限公司 一种梯度钢铁材料的连续铸造系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008161885A (ja) 2008-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5473259B2 (ja) 鋳片の冷却方法
CN103228377B (zh) 用于以有能效的方式制造热轧钢带的方法和设备
JP4698572B2 (ja) 連続鋳造機の冷却設備と鋳片の冷却方法
ATE402771T1 (de) Verfahren zum herstellen eines gegossenen stahlbandes
JP3726506B2 (ja) 鋼片の水冷方法
JP5444807B2 (ja) 連続鋳造鋳片の表面割れ防止方法
JP5708340B2 (ja) 連続鋳造鋳片の冷却方法
JP5419394B2 (ja) 鋳片の製造方法
CN113543907B (zh) 板坯铸坯的连续铸造方法
JP5999294B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP5556472B2 (ja) 棒鋼の製造方法
JP2008261036A (ja) ブルーム鋳片の冷却方法
JP5402790B2 (ja) 連続鋳造ブルーム鋳片の冷却方法およびその鋳片の製造方法
US20180363085A1 (en) System and method for thermal processing casting material
JPH09206899A (ja) 連続鋳造ブルームの冷却方法
KR20160040202A (ko) 특히 향상된 내용년수를 갖는 절단 공구 및 기계가공 공구 제조용 강판 제조 방법
JP2003181608A (ja) 連続鋳造機外におけるブルームの冷却方法
KR20150075571A (ko) 연속주조공정의 압연재 생산장치
JP6053628B2 (ja) 鋳片の冷却方法
KR101630934B1 (ko) 주조 설비
KR20150076983A (ko) 합금강 주편의 스카핑 방법
JP2008093705A (ja) 復熱由来の内部割れに係る高炭素鋼の連続鋳造方法
TW202108264A (zh) 連續鑄造鑄片之二次冷卻方法及裝置
JP2020032464A (ja) 鋳片の内部欠陥低減方法及び鋳片製造設備
JPH10296410A (ja) 表面品位に優れた薄鋼板製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080926

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101005

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110301

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4698572

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees