JP2002143918A - 熱間圧延ラインの水冷ゾーンにおける冷却方法 - Google Patents

熱間圧延ラインの水冷ゾーンにおける冷却方法

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JP2002143918A
JP2002143918A JP2000347067A JP2000347067A JP2002143918A JP 2002143918 A JP2002143918 A JP 2002143918A JP 2000347067 A JP2000347067 A JP 2000347067A JP 2000347067 A JP2000347067 A JP 2000347067A JP 2002143918 A JP2002143918 A JP 2002143918A
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cooling
rolled
cooling zone
cooling water
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JP2000347067A
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Kenshiyo Suzuki
健祥 鈴木
Ichiro Maeda
一郎 前田
Shinzo Uchimaki
信三 内牧
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱間圧延された被圧延材の先端から冷却水を
確実に噴射して水冷することができるようにする。 【解決手段】 熱間圧延機と、その出側に配設されてい
る、冷却水を噴射する水冷ゾーンとを備えた熱間圧延ラ
インにより、水冷を要する複数の被圧延材を断続的に圧
延する際、先行する被圧延材の尾端が、冷却水を噴射中
の前記水冷ゾーンを通過した後に、冷却水を噴射停止状
態とし、次の被圧延材の先端が、前記水冷ゾーンに到達
するのに先立って、冷却水を所定時間噴射した後、冷却
水の噴射を停止することにより、応答遅れなく先端から
確実に水冷し、被圧延材を全長にわたって適切な温度範
囲に冷却できるようにした((B)適用例)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延ラインの
水冷ゾーンにおける冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延ラインには、厚板製造ラインの
外、形鋼、棒鋼、パイプ、帯板などの製造ラインがあ
り、鋼の外にもアルミニウム、銅といった非鉄金属の製
造ラインもある。
【0003】例えば、鋼の帯板(鋼ストリップとも称す
る)の熱間圧延ラインであれば、図2にその概略構成を
示すような設備構成のラインにおいて、従来から、被圧
延材である鋼の帯板をテーブルローラ10により搬送し
ながら何本も圧延が断続的に行なわれている。その圧延
に際しては、加熱炉で加熱したスラブS1を、例えばR
1〜R3で示す3基の粗圧延機群により板材S2に粗圧
延した後、クロップシャにより先端部を切り揃え、次い
でそれを例えばF1〜F7で示す7基の仕上圧延機群に
より仕上圧延して帯板Sにし、その出側に配設されてい
る水冷ゾーンにより水冷を行った後、例えばDC1また
はDC2に示す2基の巻き取り装置により、個々の被圧
延材を交互にコイル状に巻き取る、という製造プロセス
を経るようになっている(但し、厚板などは、巻き取ら
ないで空冷する)。なお、図中FETは、仕上圧延機群
の入側に設置されている入側温度計、CTは水冷ゾーン
出側に設置されている巻き取り温度計であり、各温度計
によりその下方に被圧延材が存在するか否かがそれぞれ
検出でき、しかもその温度が測定できるようになってい
る。
【0004】ところで、前記のような水冷ゾーンで被圧
延材を水冷する目的は、製品化後の被圧延材の材質、例
えばElと称される伸びや、r値に代表される深絞り性
といった機械的性質を確保することにある。図3には、
このような水冷に使用するための設備の要部を示す。こ
の図に示されるように、前記水冷ゾーン(冷却設置)
は、テーブルローラ10により搬送される被圧延材Sに
冷却水を噴射するための複数のノズル12、各ノズル1
2に冷却水を供給するためのヘッダ14、該ヘッダ14
に連結され、それに冷却水を供給する共通配管16、該
配管16に冷却水を圧送するポンプ(図示せず)、該配
管16に設置されているバルブ18、冷却水を噴射・停
止するように該バルブ18の開閉タイミングをコントロ
ールする制御装置20等により構成されている。
【0005】この図に示されるように、前記水冷ゾーン
は、走行する帯板(被圧延材)Sを十分に冷却するため
に、該帯板Sの幅方向に複数の冷却水噴射用ノズル12
が並設された前記冷却水噴射用ヘッダ14を、該帯板S
の走行方向のライン上にいくつも並べて設置して形成さ
れている。
【0006】前述したとおり、水冷は被圧延材Sの製品
化後の材質の良否を決定付ける重要な技術である。その
材質を決定付ける評価指標は、水冷後の被圧延材の温度
であり、更にその温度が被圧延材の先端から全長にわた
って一定していることである。このように被圧延材を全
長にわたって一定の温度に、しかもエネルギーコスト削
減の観点から、より少ない水量で水冷することを目標
に、従来から様々な努力がなされてきている。
【0007】例えば、前記図3の例では、3つのヘッダ
14に対して共通配管16に一つのバルブ18を設置し
て噴射・停止制御するようにしているが、これを共通配
管16にではなく、ヘッダ14と共通配管16との連結
位置よりもノズル側に、それも可能な限りノズルに近い
位置に、一つ一つのヘッダ14にバルブをそれぞれ設置
したり、実開昭57−102917号に開示されている
技術のように、ヘッダからノズル先端に至る距離を短縮
したり、実開平5−39709号や特開平7−2230
14号に開示されているように、ヘッダ内に空気を導入
するための小孔や管体を設け、ある金属片(被圧延材)
の尾端が水冷ゾーンを通過した後、すぐにノズル内に残
った水を排出したりすることにより、次の金属片の先端
が来るときの水冷制御を精度よく行おうとするような、
機械装置的な解決を図ったものがある。その外、特開昭
56−41017号に開示されているように、噴射指令
から噴射検出までの時間、噴射停止指令から噴射停止検
出までの時間を共に測定し、冷却水噴射継続時間の制御
に反映するというものや、特開平4−84617号に開
示されているように、金属板の通板前から注水しておく
など、制御的な解決を図ったものもある。
【0008】又、前記図2に示したような設備配列から
なる熱間圧延ラインにおいては、以上詳述した水冷が重
要な意味をもつ被圧延材以外に、材質上全く水冷を要し
ない被圧延材の圧延も行なわれている。このような被圧
延材には、例えば、常温〜熱間圧延温度域では変態しな
いオーステナイト系ステンレス等がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水冷が
重要な意味をもつ前記被圧延材を圧延する際、前述した
公報等に開示されている種々の改善策を採ったとしても
なお、冷却水の噴射指令から実際に噴射するまでの応答
時間がばらつくという現象が起こる場合があった。具体
的には、ある金属片の尾端が水冷ゾーンを通過してか
ら、次の金属片の先端が水冷ゾーンに到達するまでの時
間(以下、インターバルと称する)が、例えば15秒内
外と短い場合には、冷却水の噴射指令から実際に噴射す
るまでの応答時間が0.5秒程度と短いのに比べ、イン
ターバルが、例えば100秒内外と長い場合には、応答
時間が1秒程度と長くなってしまうという現象である。
【0010】このような0.5秒と1秒というような、
わずかな応答時間の遅れであっても、それが被圧延材の
先端部に該当すると、同部は全く水冷されないという事
態になる。そして、このように被圧延材の一部に水冷が
全くされないという事態が生じると、正常な注水の下で
水冷が行われた場合に比べ、同部の材質は著しく劣るこ
とになるため、その部分を切除する必要が生じることに
なり、歩留まりが悪化するとともに、切除のための工数
が追加されることになるので、コストアップに繋がると
いう問題がある。そのために早急な解決が求められてい
た。
【0011】又、前述したような、材質上全く水冷を要
しない被圧延材の場合には、これを、例えば30秒内外
の短いインターバルで何十本も続けて圧延する場合に
は、水冷ゾーンにあるテーブルローラ10のうち、不転
トラブルを起こすものが生じる場合があるという、全く
別な問題がある。
【0012】このテーブルローラ10を構成する1つの
単位ローラについて特徴を説明すると、図4に該単位ロ
ーラ10Aを模式的に示すように、ローラ本体22がそ
の両端の回転軸22Aを介して、ベアリング24が内蔵
されている支持部材26に軸支され、一方の回転軸には
カップリング28を介してモータ30が連結され、該モ
ータ30によりローラ本体22が回転されるようになっ
ている。
【0013】このような特徴を有する単位ローラ10A
を多数並べて形成されているテーブルローラ10上を、
前記のように全く水冷を要しない被圧延材が何十本も続
けて通過した場合には、テーブルローラ10自体は全く
冷却されないため、被圧延材Sからの入熱を受けて過熱
し、ローラ本体22がその胴長方向(矢印Aの方向)に
熱膨張して、前記ベアリング24に対しても矢印Bで示
したスラスト方向の力がかかり、その結果、不転トラブ
ルを起こす単位ローラ10Aが出てくるからである。こ
のようなテーブルローラ10に不転トラブルが起こる
と、その後に圧延される金属片の製品には、ほぼ全長に
わたって裏面に擦り疵が入ることになり、該製品は品質
不良となるため、格落ちした二級品として転売する羽目
になるか、あるいは完全にスクラップになって著しく歩
留まりをロスするか、いずれにしても大幅な収益減をま
ぬがれないという問題がある。
【0014】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、水冷を要する被圧延材の先端から冷
却水を確実に噴射することができる上に、冷却水の使用
量を極力削減することができる熱間圧延ラインの水冷ゾ
ーンにおける冷却方法を提供することを第一の課題とす
る。
【0015】本発明は、又、全く水冷を要しない被圧延
材を何十本も続けて圧延する場合でも、水冷ゾーンに設
置されているテーブルローラに不転トラブルが発生する
ことを確実に防止できる熱間圧延ラインの水冷ゾーンに
おける冷却方法を提供することを第二の課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱間圧延機
と、その出側に配設されている、冷却水を噴射する水冷
ゾーンとを備えた熱間圧延ラインにより、水冷を要する
複数の被圧延材を断続的に圧延する際、先行する被圧延
材の尾端が、冷却水を噴射中の前記水冷ゾーンを通過し
た後に、冷却水を噴射停止状態とし、次の被圧延材の先
端が、前記水冷ゾーンに到達するのに先立って、冷却水
を所定時間噴射した後、冷却水の噴射を停止することに
より、前記第一の課題を解決したものである。
【0017】本発明は、又、熱間圧延機と、その出側に
配設されている、冷却水を噴射する水冷ゾーンとを備え
た熱間圧延ラインにより、水冷が不要な複数の被圧延材
を断続的に圧延する際、先行する被圧延材の尾端が、前
記水冷ゾーンを通過した後に、次の被圧延材の先端が、
前記水冷ゾーンに到達するのに先立って、冷却水を所定
時間噴射した後、冷却水の噴射を停止することにより、
前記第二の課題を解決したものである。
【0018】即ち、本発明者等は、水冷ゾーンにおいて
被圧延材を水冷する際、何故にインターバルが長いと、
噴射指令が出てから実際に噴射するまでの時間が長くな
るのかを鋭意検討した。その結果、熱間圧延ラインで
は、一つ前の(先行する)被圧延材の尾端が水冷ゾーン
を通過すると同時に、冷却水の噴射停止指令が出るよう
になっているが、その指令が出た後も、それまで噴射を
継続していた間に生じていたヘッダ内の水流の影響が残
るためであることが判明した。これを以下に具体的に説
明する。
【0019】図5(A)に、一本のノズルの中心を通る
位置のヘッダ14の横断面を拡大して示すように、この
ヘッダ14内に供給される冷却水は、上端近傍に形成さ
れている孔部14Aから、ノズル12の入口(上端)が
形成されている上部空間14B内へ注入され、該入口か
らノズル12内を通って、下方に噴射されるようになっ
ている。
【0020】前述したように、冷却水の噴射停止指令が
出た後も、ヘッダ14内の水流の影響が残っていると、
前記図5(A)の上部空間14B近傍を抽出して示した
同図(B)に示すように、該上部空間14B内の水面
(点線で示す)が波打ち、その結果ノズル12上端の前
記入口より徐々に水が抜け落ち、平均的な水位が下がる
ことを突き止めた。本来、ヘッダ上部空間14B内で
は、噴射停止指令が出たあとは、前記図5(A)に理想
水位として示すように、水面が波打たず、ノズル入口の
高さで静止しているのが理想であるところ、インターバ
ルが長く、波打ちの継続時間が長くなるほど、この水の
抜け落ちによって上部空間14B内の平均的水位が下が
る程度が拡大する。その結果、次の被圧延材の先端が来
て、冷却水の噴射指令が出されたとしても、ノズル入口
の高さの理想的な水位と、波打ちに起因する水の抜け落
ちにより低下した実際の水位との差に相当する部分を補
充する必要があることから、それに要する時間分だけ、
理想的水位の場合より水の噴射が遅れることがわかっ
た。
【0021】以上詳述した如く、本発明者等が詳細に検
討した結果、本願請求項1の発明に想到したものであ
る。即ち、請求項1の発明においては、次の被圧延材の
先端が水冷ゾーンに到達するのに先立って、予め冷却水
を所定時間だけ噴射することにより、前述した波打ちに
起因し水が抜け落ちたためにヘッダ上部空間14B内の
平均的水位が低下したとしても、その程度を極力抑制で
きるようになることから、次の被圧延材に対しては先端
から正常な注水条件の下で冷却することができるととも
に、該所定時間経過後には噴射を停止するので冷却水の
使用量を極力削減することができるようになった。
【0022】又、本願請求項2の発明においては、材質
上、全く水冷を要しない被圧延材を30秒内外の短いイ
ンターバルで何十本も続けて圧延する場合でも、次の金
属片の先端が水冷ゾーンに到達するのに先立って、冷却
水を所定時間噴射するようにしたので、該冷却水がテー
ブルローラの冷却に寄与し、被圧延材からの入熱により
テーブルローラが過熱し、ローラ胴長方向に膨張して、
ベアリングにスラスト方向の力がかかることに起因す
る、該ローラの不転トラブルの発生を防止することがで
きる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。
【0024】本発明に係る第一実施形態は、前記図2に
示した熱間圧延ラインにおいて、請求項1の発明を適用
したものである。
【0025】これを具体的に説明すると、ある先行する
金属片(被圧延材)Sが水冷ゾーンを通過し、その尾端
が巻き取りを完了したとする。従って、その状態では水
冷ゾーン出側のCT(巻き取り温度)温度計は被圧延材
に感応しなくなっている。又、次の金属片に対しては、
まだ仕上圧延を開始していないため、その先端は未だF
ET(仕上げ入側温度)温度計に感応していない。この
ようにFET、CT両温度計が金属片に対して感応しな
くなったことを、図示しない制御装置が検出し、FET
温度計〜CT温度計間に位置する仕上圧延機群及び冷却
ゾーン全体にわたって、被圧延材である金属片が全く存
在しなくなったと認識する。
【0026】上記制御装置は、これを元にインターバル
が長く空いたケースであると判定し、本実施形態の制御
を以下のように実行する。
【0027】次の金属片の先端がFET温度計直下に到
達し、該FET温度計がそれに感応すると、その事実を
制御装置が捉え、該FET温度計が感応して先端を検出
した時点からt1秒後に各水冷ヘッダ14に向けてt2
間だけ冷却水を噴射した後、噴射を停止するように指令
を送る。t1、t2は適宜決め得るタイマ値である。これ
らのタイマ値は、そのラインの速度や設備間距離に応じ
て、次の金属片の先端が水冷ゾーンに到達する以前に、
冷却水の噴射、停止が完了するように、例えばt1
1.0秒、t2=5.0秒という具合に、定数として決
定しておけばよい。
【0028】ここでは、このように簡単な制御ロジック
としたが、さらに発展して、被圧延材の速度に応じてt
1を可変とし、「冷却水停止〜被圧延材の冷却ゾーン進
入」に所要する時間を一定に制御し、制御の結果、応答
時間がばらつくのを極力抑える方法を採用することもで
きる。なぜなら被圧延材先端のFET温度計以降、ライ
ンの下流側への移動速度は、個々の被圧延材ごとにまち
まちだからである。
【0029】図1に、t1=1.0秒、t2=5.0秒と
して本実施形態を適用した場合の結果を、適用しなかっ
た従来例と比較して示す。図1(A)は、低炭素鋼を、
寸法3.5×795(mm)、CT目標610°C(許
容範囲530〜690°C)、コイル長さ673mに圧
延した場合のコイル全長のCT実績分布であり、同図
(B)は、本実施形態を適用してコイル長さ664mに
圧延した以外は、同条件で圧延した場合に、本発明を適
用したときの全長のCT実績分布である。なお、この図
1(A)、(B)では、左側が金属片先端側、右側が金
属片尾端側であり、上側の点線がCT(巻き取り温度)
の許容上限、下側の点線が同下限、上側の点線と下側の
点線に挟まれた領域が、被圧延材である金属片の材質
上、CTの好ましい範囲(公差範囲内)である。
【0030】上記図1(A)に示した非適用例(従来)
の場合は、FET温度計〜CT温度計間の全ゾーンに金
属片が全くなくなるほどインターバルが空いた場合、こ
の図に長丸で囲んで示したように、先端部でCTの目標
値を130°Cも超えてしまって、上限外れが発生して
しまう場合があった。その発生確率は、従来、金属片を
100本圧延するたびに5本、つまり5%であった。こ
のような金属片は、CTの上限外れ部分の材質が、外れ
なかった他の部分に較べて劣るため、製品化後に別の精
製ラインに移し、該外れ部分を切除しなければならない
関係から、工数が増えて製造コストが上昇すると共に、
製品歩留まりが悪化した。
【0031】これに対して、本発明を適用した場合は、
図1(B)に示すように、先端部でのCTの上限外れは
皆無であった。
【0032】本実施形態について補足説明すると、特開
平4−84617号に開示されているように、次の金属
片の先端が水冷ゾーンに到達するのに先立って、冷却水
を所定時間噴射した後、停止することなく、そのまま同
金属片の先端が該水冷ゾーンに到達した後まで、冷却水
を噴射し続けることも考えられるが、この場合はそれだ
け冷却水を無駄に使うことになり、エネルギーコスト削
減の観点からは問題があるため、本実施形態のように、
間断的に噴射することが有効である。
【0033】次に、請求項2の発明に係る第二実施形態
について説明する。本実施形態は、第一実施形態と同様
に前記図2に示した熱間圧延ラインにおいて、水冷が不
要な複数の被圧延材を断続的に圧延する際、適宜、先行
する被圧延材の尾端が、前記水冷ゾーンを通過した後
に、次の被圧延材の先端が、前記水冷ゾーンに到達する
のに先立って、冷却水を所定時間噴射した後、冷却水の
噴射を停止するようにしたものである。
【0034】具体的には、本実施形態を適用してオース
テナイト系ステンレスを30秒内外の短いインターバル
で40本続けて圧延した場合と、これを適用しなかった
場合とを比較した。ちなみに本実施形態を適用した場合
は、前述の第一実施形態のように、FET温度計とCT
温度計が共に感応していないことを条件とはせずに、C
T温度計が感応している状態(被圧延材ありと制御装置
が認識している状態)から、CT温度計が感応しない状
態(同被圧延材なしと認識している状態)に変化したこ
とを条件とし、その時点からt1秒後に各水冷ヘッダ1
4に向けてt2秒間だけ冷却水を噴射するようにした。
1=1.0秒、t2=2.5秒とした。本発明を適用せ
ず、インターバルで一切冷却水を噴射しなかった従来方
法では、水冷ゾーンにあるテーブルローラの不転トラブ
ルが上述の40本圧延100回実施のうち3回すなわち
3%の確率で発生した。これに対して、本発明を適用し
た場合は、そのようなトラブルは全く起こらなかった。
【0035】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるも
のでなく、適宜変更を加えることができることはいうま
でもない。
【0036】例えば、前記実施形態では、本発明を帯板
の熱間圧延ラインに適用する例を示したが、厚板、形
鋼、棒鋼などの他の熱間圧延ラインに適用してもよく、
鋼の場合のみならず、非鉄金属の圧延ラインに適用して
ももちろんよい。
【0037】又、金属片の先尾端検出には、前記FE
T、CTの各温度計を用いるのも有効な方法であるが、
これに限定されず、HMD(ホットメタルディテク
タ)、CMD(コールドメタルディテクタ)等の金属片
検知手段を用いてもよい。
【0038】又、冷却水を噴射開始するタイミングと、
噴射してから停止するまでの噴射継続時間についても、
それらの少なくとも一方を状況に応じて変更したり、あ
るいは可変制御するようにしても、本発明の実施を何ら
妨げるものではない。
【0039】又、請求項2の発明で冷却水を噴射する開
始タイミングや噴射継続時間は、圧延対象、圧延条件に
応じて適切に設定可能であることはいうまでもない。
【0040】又、圧延する際のイターバルも前記実施形
態に示した時間に限定されるものでなく、同様の問題が
あるのであれば、いかなるの時間の場合でも適用可能で
ある。
【0041】
【発明の効果】以上説明したとおり、請求項1の発明に
よれば、被圧延材の先端に対する冷却水の噴射を、応答
遅れすることなく適正に行うことができることから、被
圧延材の製品化後の材質を全長にわたって確保すること
ができ、工数追加によるコストアップ、歩留まり悪化を
未然に防止できる。
【0042】又、請求項2の発明によれば、水冷ゾーン
におけるテーブルローラに不転トラブルが発生すること
を防止できるため、製品裏面に擦り傷が入って歩留まり
がロスするのを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の効果を示す線図
【図2】熱間圧延ラインの全体を示す概略構成図
【図3】水冷ゾーンの要部を示す概略斜視図
【図4】テーブルローラを構成する単位ローラの特徴を
示す模式図
【図5】冷却ゾーンに設置されているヘッダの特徴を示
す断面図
【符号の説明】
10…テーブルローラ 10A…単位ローラ 12…ノズル 14…ヘッダ 14A…孔部 14B…ヘッダ内上部空間 16…共通配管 18…バルブ 20…制御装置 22…ローラ本体 22A…回転軸 24…ベアリング 26…支持部材 28…カップリング 30…モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内牧 信三 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 Fターム(参考) 4E024 AA01 BB07 GG03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱間圧延機と、その出側に配設されてい
    る、冷却水を噴射する水冷ゾーンとを備えた熱間圧延ラ
    インにより、水冷を要する複数の被圧延材を断続的に圧
    延する際、 先行する被圧延材の尾端が、冷却水を噴射中の前記水冷
    ゾーンを通過した後に、冷却水を噴射停止状態とし、 次の被圧延材の先端が、前記水冷ゾーンに到達するのに
    先立って、冷却水を所定時間噴射した後、冷却水の噴射
    を停止することを特徴とする熱間圧延ラインの水冷ゾー
    ンにおける冷却方法。
  2. 【請求項2】熱間圧延機と、その出側に配設されてい
    る、冷却水を噴射する水冷ゾーンとを備えた熱間圧延ラ
    インにより、水冷が不要な複数の被圧延材を断続的に圧
    延する際、 先行する被圧延材の尾端が、前記水冷ゾーンを通過した
    後に、次の被圧延材の先端が、前記水冷ゾーンに到達す
    るのに先立って、冷却水を所定時間噴射した後、冷却水
    の噴射を停止することを特徴とする熱間圧延ラインの水
    冷ゾーンにおける冷却方法。
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