JP7151265B2 - 熱延鋼板の冷却装置、および熱延鋼板の冷却方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、特に鋼板温度が600℃を下回る辺りから、鋼板温度の低下とともに発生する蒸気の量は減少する。そして、鋼板表面を覆っていた蒸気膜が崩壊し始め、蒸気膜の分布が時間的および空間的に変化する遷移沸騰域となる。その結果、冷却の不均一性が増加し、鋼板の温度分布の不均一性が急激に拡大し易くなる。このため、鋼板温度のコントロールが難しくなり、鋼板全体を狙い通りの巻取温度で冷却し終えることが困難になる。
図1は本発明の第1実施形態における冷却装置を備えた熱延鋼板の製造装置(以下、「熱間圧延設備」と称する。)10の構成の概略を示す説明図である。図2及び図3はそれぞれ図1の熱間圧延設備10において熱延通板ガイドが搬送ロール間に配設された状態を示す側面図及び平面図である。図4は保護冷却水ノズルから冷却水が噴射される様子を示す図である。
なお、図4(A)に示すように、保護冷却水ノズル22からの冷却水Mは、その噴射高さを小さくすることにより、熱延通板ガイド20の保護冷却水として機能する。また、図4(B)に示すように、冷却水Mは、その噴射高さを高くすることにより熱延鋼板2の冷却水として機能する。言い換えると、保護冷却水ノズル22は、主冷却装置15や調整用冷却装置17の冷却水ノズルとしても機能する。
本形態における上側幅方向制御冷却装置16は、図5~図7に示すように、冷却水ノズル23と、中間ヘッダー24、配管25、給水ヘッダー26、三方弁27、および排水ヘッダー28を具備する切替装置と、温度測定装置29、30と、制御装置31とを有して概略構成されている。
図9に示すように、冷却水ノズル23は、その冷却水衝突領域Rが、鋼板搬送方向視において、鋼板搬送領域A1における幅中央部の通板ガイド領域A2ではなく幅周辺領域A3に位置する。これにより、冷却水ノズル23は、通板ガイド領域A2に位置する熱延鋼板2の部分を過冷却させないようにし、熱延鋼板2の温度を板幅方向に関して全体的に均一にする。冷却水ノズル23からの冷却水の噴射拡がり角度は例えば約12°であり、冷却水衝突領域Rは例えば直径が200mmになるように形成される。
分割冷却面B4の鋼板搬送方向の長さは、特に限定されることはなく、適宜設定することができる。図10及び図11に示す分割冷却面B4の鋼板搬送方向の長さは、例えば搬送ロール19の1ピッチの4倍に設定されている。分割冷却面B4の鋼板搬送方向の長さは、搬送ロール19の鋼板搬送方向ロール間ピッチの整数倍であればよい。
本形態で冷却水ノズル23は、1つの分割冷却面B4に、4個の冷却水ノズル23が属するように配置されている。4つの冷却水ノズル23は平面視において、搬送ロール19それぞれに対して配置され、鋼板搬送方向に並べられている。1つの分割冷却面B4に属する冷却水ノズル23の数は特に限定されることはなく、1つでもよいし、複数であってもよい。
なお、冷却水ノズル23から吐出させる水量および流速は板幅方向、鋼板搬送方向の各冷却水ノズル23で同一とし、冷却能力を同一とする方が制御は容易である。また、鋼板搬送方向の同じ位置にある板幅方向に並んだ各分割冷却面B4に設置される冷却水ノズル23の数、吐出水量および吐出流速を同一とし、板幅方向に並ぶ各分割冷却面B4での冷却能力を同一とする方が制御は容易である。
また、板幅方向に並んだ各分割冷却面B4に属する吐出水量および吐出流速が同一の冷却水ノズル23は、板幅方向に隣り合う冷却水ノズル23の中心間距離及び/または冷却水ノズル23が形成する冷却水衝突領域Rの中心間距離がすべて等距離になるように配置されていることが好ましい。これにより板幅方向における均一な冷却をより高い精度で行うことができる。
なお、冷却水ノズル23の吐出水量および吐出流速に基づく冷却能力が板幅方向、鋼板搬送方向で異なっていても、制御装置31により制御することは可能である。
中間ヘッダー24は、本形態における切替装置の一部として機能し、冷却水ノズル23に冷却水を供給するヘッダーである。本形態では図5~図7よりわかるように、中間ヘッダー24は鋼板搬送方向に延びる管状の部材で、鋼板搬送方向に複数の冷却水ノズル23が設けられている。従って、1つの中間ヘッダー24に配置された冷却水ノズル23からの冷却水の噴射および停止を同時に制御することができる。図示の例では、1つの中間ヘッダー24に対して冷却水ノズル23は鋼板搬送方向に4個並べられているが、冷却水ノズル23の数はこれに限定されるものではない。
そして中間ヘッダー24は1つの分割冷却面B4に1つとなるように配置される。これにより、分割冷却面B4毎に冷却水の噴射と停止の切替制御を可能としている。
本形態の三方弁27は分流型であり、給水ヘッダー26からの加圧水を、配管25に導いて中間ヘッダー24、さらには冷却水ノズル23に給水するか、排水ヘッダー28に導くかを切り替える弁である。なお、本形態では排水のための部位として排水ヘッダー28を例示したが、その態様は特に限定されることはない。
本形態の三方弁27の替わりに2つの止め弁(広義に流体の流れを止めるための弁、ON/OFF弁と呼ばれることもある。)を設置して三方弁と同様に制御を行うことも可能である。三方弁27を用いることにより、切替時の水圧変動を小さくすることができる。
この上流側温度測定装置29は、鋼板搬送領域の下面側となる位置に配置されて、鋼板搬送領域の鋼板搬送方向上流側における熱延鋼板2の温度を測定する。
上流側温度測定装置29は、幅分割冷却帯B3それぞれと中央帯B2との上流側で温度を測定できるように、幅分割冷却帯B3のそれぞれと中央帯B2に対応して、板幅方向に並べられて設けられている。これにより、上側幅方向制御冷却装置16の上流側における熱延鋼板2の板幅方向の温度を全幅に亘って測定でき、すなわち、上側幅方向制御冷却装置16の上流側における熱延鋼板2の板幅方向の温度分布を取得することができる。
この下流側温度測定装置30は、鋼板搬送領域の下面側となる位置に配置されて、鋼板搬送領域の鋼板搬送方向下流側における熱延鋼板2の温度を測定する。
下流側温度測定装置30は、冷却後における幅分割冷却帯B3それぞれと中央帯B2との温度を測定できるように、幅分割冷却帯B3のそれぞれと中央帯B2に対応して、板幅方向に並べられて設けられている。これにより、上側幅方向制御冷却装置16の下流側における熱延鋼板2の板幅方向の温度を全幅に亘って測定でき、すなわち、上側幅方向制御冷却装置16の下流側における熱延鋼板2の板幅方向の温度分布を取得することができる。
そして、その計算結果に基づいて、制御装置31は、三方弁27の開閉をフィードフォワード制御する。すなわち、制御装置31は、熱延鋼板2の板幅方向の温度の均一化を実現するために、三方弁27の開閉を制御し分割冷却面B4毎に冷却水ノズル23から噴射される冷却水の熱延鋼板2の上面への衝突と非衝突とを制御する。
仕上圧延機14により仕上げ圧延された直後の搬送ロール19上を搬送されることにより、熱延鋼板2における熱延通板ガイド20上を通過する板幅方向中央部分と通過しない板幅方向外側部分とに温度差が生じる。この温度差は、前述のように熱延通板ガイド20の保護冷却水に起因し、水冷部すなわち主冷却装置15が配置されている部分では上記温度差は拡大しないが、非水冷部(例えば、主冷却装置15に至るまでの部分)では上記温度差が拡大する。
それに対し、上側幅方向制御冷却装置16では、冷却水ノズル23からの鋼板搬送領域の上面への冷却水衝突領域Rが熱延通板ガイド20と対向する通板ガイド領域A2を除いた幅周辺領域A3に位置する。つまり、上側幅方向制御冷却装置16は、熱延鋼板2の板幅方向中央部分を冷却せずに板幅方向外側部分のみを冷却する。この上側幅方向制御冷却装置16による冷却を行うことで、上記温度差を、巻取装置18により巻き取られる段階では非常に小さくすることができる。すなわち、上側幅方向制御冷却装置16による冷却を行うことで、仕上圧延後の冷却工程において搬送ロール19間の熱延通板ガイド20を保護冷却水で冷却する場合においても、熱延鋼板2の板幅方向の温度を均一にすることができる。
また、本実施形態では、冷却水ノズル23の冷却水衝突領域Rの中心が、平面視において搬送ロール19の中心軸Q上に位置するように設けられている。そのため、熱延鋼板2の通板性をより高く維持することができる。
また、かかるフィードバック制御をフィードフォワード制御結果の補正制御として適用することもできる。このように、上側幅方向制御冷却装置16では、上流側温度測定装置29の測定結果による三方弁27のフィードフォワード制御と、下流側温度測定装置30の測定結果による三方弁27のフィードバック制御とを統合させて行うこともできる。
なお、フィードフォワード制御またはフィードバック制御をいずれか一方のみを行う場合には、上流側温度測定装置29又は下流側温度測定装置30のいずれか一方を省略してもよい。
冷却水ノズル23の傾き角度θを15°以上にする必要があるところ、図9の例の冷却水ノズル23よりノズル高さが高いと、図12(A)に示すように、鋼板搬送方向視において、第1の幅周辺領域A31に対する冷却水ノズル23の一部と、第2の幅周辺領域A32に対する冷却水ノズル23の一部とが重なる。
冷却水ノズル23の傾き角度θを15°以上にする必要があるところ、図12の例の冷却水ノズル23よりノズル高さがさらに高いと、図13(A)に示すように、鋼板搬送方向視において、第1の幅周辺領域A31に対する冷却水ノズル23が第2の幅周辺領域A32の上方に位置し、第2の幅周辺領域A32に対する冷却水ノズル23が第1の幅周辺領域A31の上方に位置する。
この場合も、図13(B)に示すように、冷却水ノズル23の冷却水衝突領域Rが搬送ロール19の中心軸Qと重なる領域に形成される。ただし、第1の幅周辺領域A31に対する冷却水衝突領域Rと、第2の幅周辺領域A32とに対する冷却水衝突領域Rとが、鋼板搬送方向で略交互に形成されている。これにより、第1の幅周辺領域A31に対する冷却水ノズル23から噴射された冷却水と、第2の幅周辺領域A32に対する冷却水ノズル23から噴射された冷却水とが衝突しないようにすることができる。
図13の例の冷却水ノズル23は、
(a)第1の幅周辺領域A31に対する冷却水ノズル23が第2の幅周辺領域A32の上方に位置し、第2の幅周辺領域A32に対する冷却水ノズル23が第1の幅周辺領域A31の上方に位置し、
(b)第1の幅周辺領域A31に対する冷却水衝突領域Rと、第2の幅周辺領域A32とに対する冷却水衝突領域Rとが、鋼板搬送方向で略交互に形成され、
(c)搬送ロール19毎に、第1の幅周辺領域A31および第2の幅周辺領域A32の両方に冷却水衝突領域Rが形成され、
(d)冷却水衝突領域Rの中心が搬送ロール19の中心軸Q上からずれていた。
(c’)搬送ロール19毎に、第1の幅周辺領域A31および第2の幅周辺領域A32のいずれか一方に冷却水衝突領域Rが形成され、
(d’)冷却水衝突領域Rの中心が搬送ロール19の中心軸Q上に位置する。
既に他の冷却装置がある等して鋼板搬送領域の直上に冷却水ノズル23を配設することが不可能な場合がある。この場合は、図15(A)に示すように、冷却水ノズル23を、鋼板搬送方向視において、鋼板搬送領域A1の外側にサイドスプレーとして設けてもよい。
図16は第1実施形態の変形例にかかる上側幅方向制御冷却装置16における分割冷却面B4を説明する図である。図17は、本例の上側幅方向制御冷却装置16の一部を概略的に示す図である。
図10及び図11の例では、全冷却領域B1における、中央帯B2を挟んだ一方と他方にそれぞれ幅分割冷却帯B3が複数存在し、当該一方と他方はそれぞれ、第1の幅分割冷却帯群B31と第2の幅冷却分割帯群B32を構成していた。
また、以上の例では、上側幅方向制御冷却装置16は、分割冷却面B4毎に冷却を制御しており、これは幅分割冷却帯B3毎に冷却を制御することも意味する。つまりは、以上の例では、上側幅方向制御冷却装置16は、第1の幅分割冷却帯群B31と第2の幅冷却分割帯群B32を構成する幅分割冷却帯B3毎に冷却を制御する冷却制御系を有していた。三方弁27等はこの冷却制御系の主要部材である。
また、各幅分割冷却帯B3を鋼板搬送方向に複数に分割して得られる冷却領域である分割冷却面B4それぞれには、平面視において、冷却水ノズル23が鋼板搬送方向に4つ並べられたノズル群が板幅方向に複数並べられている。
つまり、全冷却領域B1における、通板ガイド領域A2すなわち中央帯B2を挟んだ一方の幅分割冷却帯B3を第1の幅分割冷却帯B311とし、他方の幅分割冷却帯B3を第2の幅分割冷却帯B312としたとき、上側幅方向制御冷却装置16は、第1の幅分割冷却帯B311に対する冷却と、第2の幅分割冷却帯B312に対する冷却とを個別に制御する冷却制御系を有する。三方弁27は、上記冷却制御系の主要部材である。
本例の上側幅方向制御冷却装置16によっても、熱延鋼板2の板幅方向の温度を均一にすることができる。
図18は第1実施形態の他の変形例にかかる上側幅方向制御冷却装置16における分割冷却面B4を説明する図である。
図10等の例では、分割冷却面B4は、当該分割冷却面B4と板幅方向の位置が同じであり当該分割冷却面B4と鋼板搬送方向の位置が異なる他の分割冷却面B4と、鋼板搬送方向長さが同じであった。それに対し、図18の例では、分割冷却面B4は、当該分割冷却面B4と板幅方向の位置が同じであり当該分割冷却面B4と鋼板搬送方向の位置が異なる他の分割冷却面B4と、鋼板搬送方向長さが異なる。具体的には、分割冷却面B4の鋼板搬送方向長さが、上流側から鋼板搬送方向ロール間4ピッチ分、3ピッチ分、2ピッチ分、1ピッチ分と変化している。また、鋼板搬送方向に隣り合う分割冷却面B4でそれぞれの分割冷却面B4に属する冷却水ノズル23の数が異なっている。
本例の上側幅方向制御冷却装置16によれば、上側幅方向制御冷却装置16の鋼板搬送方向の長さが短くても、多様な冷却能力で熱延鋼板2を冷却することができる。また、少ない数の三方弁27で多様な冷却能力で熱延鋼板2を冷却することができる。
図19は第2実施形態にかかる上側幅方向制御冷却装置16の構成の一部を概略的に示す図である。
本実施形態にかかる上側幅方向制御冷却装置16は、第1実施形態にかかる上側幅方向制御冷却装置16の構成に加えて、図示するように、水切りノズル40を有する。
図20は第2実施形態の変形例にかかる上側幅方向制御冷却装置16の一部を概略的に示す図である。
図19の例では、水切りノズル40が、第1の幅周辺領域A31および第2の幅周辺領域A32それぞれに対し1つずつ設けられているが、図20の例では、第1の幅周辺領域A31および第2の幅周辺領域A32それぞれに対し複数設けられている。
そして、これら水切りノズル40は、板幅方向視での冷却水衝突領域Rのそれぞれの領域より搬送方向下流側の領域毎に、水切り水を噴射して搬送方向下流側水切り水衝突領域S1を形成する。
図21は第2実施形態の他の変形例にかかる上側幅方向制御冷却装置16の一部を概略的に示す図である。
図の例では、図20の例と同様に、水切りノズル40が、第1の幅周辺領域A31および第2の幅周辺領域A32それぞれに対し複数設けられている。
図22は第3実施形態にかかる上側幅方向制御冷却装置16の構成の一部を概略的に示す図である。
以上の実施形態では、鋼板搬送領域の中央帯B2の鋼板搬送方向上流側における熱延鋼板2の最も温度が低い部分の温度と、鋼板搬送領域の幅分割冷却帯B3の鋼板搬送方向上流側における熱延鋼板2の最も温度が高い部分の温度との温度差を、上流側温度測定装置29での実際の測定結果に基づいて算出していた。
温度履歴取得部50は、熱延鋼板2の温度履歴を取得する。制御装置31は、温度履歴取得部50による取得結果に基づいて、上記温度差を推定/算出する。具体的には、上側幅方向制御冷却装置16による冷却直前の熱延鋼板2の温度を計算/推定し、推定結果に基づいて上記温度差を推定/算出する。
{λ(T(z、t))/cρ}×(∂2T(z、t)/∂z2)
+q(T(z、t)、t)/cρ …(1)
λ(T(0、t))×∂T(0、t)/∂z=
αd(T(0、t)、t){Td(t)―T(0、t)} …(2)
λ(T(h、t))×∂T(h、t)/∂z=
αu(T(h、t)、t){Tu(t)―T(h、t)} …(3)
αγ+αdW ・・・水冷時
αγ+αdc、G ・・・通板ガイド上、水冷停止時
αu=αγ+αuc ・・・空冷時
αγ+αuW ・・・水冷時
以上の説明では、冷却水ノズル23は、フルコーンノズルであったが、0.3MPa程度の背圧が加えられるスプレーノズルであれば、フルコーンノズルに限らず、フラットスプレーノズル等の他のノズルであってもよい。
効果の検証において、実施例では、図1の主冷却装置15、上側幅方向制御冷却装置16および調整用冷却装置17からなる冷却装置を用いてシミュレーション上で冷却した。また、比較例では、上側幅方向制御冷却装置16は有さず主冷却装置15と調整用冷却装置17からなる冷却装置を用いてシミュレーション上ではなく実際に冷却した。実施例及び比較例において、主冷却装置15での冷却は、主冷却装置15の上流側に設けられた不図示の温度センサでの測定結果に基づくフィードバック制御により行われ、調整用冷却装置17での冷却も同様に、調整用冷却装置17の上流側に設けられた不図示の温度センサでの測定結果に基づくフィードバック制御により行われた。
そして、実施例および比較例ではそれぞれ、1000本のコイルが作製されるよう冷却を行った。
なお、図に示した熱延鋼板2を冷却する際、実施例では、全冷却領域B1における中央帯B2を挟んだ一方と他方においてそれぞれ、板幅方向内側2台の上述の冷却ユニットは、鋼板搬送方向に並ぶ3台のうち2台が動作し、板幅方向外側2第の冷却ユニットは、鋼板搬送方向に並ぶ3台のうち3台全てが動作した。
一方、図23(B)に示すように、実施例では、狙い温度に比べて高い部分は比較例に比べて非常に小さくなっている。そして、図に示した熱延鋼板を冷却した際、実施例では標準温度偏差は16.5℃と非常に小さくなっていた。実施例の標準温度偏差は、鋼板の先端および尾端各100mと、さらに両端各50mmを除いた鋼板温度のシミュレーション結果から求めた。
したがって、本発明によれば、仕上圧延後の冷却工程において搬送ロール19間の熱延通板ガイド20を保護冷却水で冷却する場合においても、熱延鋼板2の板幅方向の温度を均一にすることができることが分かった。
2 熱延鋼板
2 中央帯
10 熱間圧延設備
11 加熱炉
12 幅方向圧延機
13 粗圧延機
14 仕上圧延機
15 主冷却装置
16 上側幅方向制御冷却装置
17 調整用冷却装置
18 巻取装置
19 搬送ロール
20 熱延通板ガイド
20a ノズル孔
21 ガイド冷却装置
22 保護冷却水ノズル
23 冷却水ノズル
23 スプレーノズル
24 中間ヘッダー
25 配管
26 給水ヘッダー
27 三方弁
28 排水ヘッダー
29 上流側温度測定装置
30 下流側温度測定装置
31 制御装置
40 水切りノズル
50 温度履歴取得部
A1 鋼板搬送領域
A2 通板ガイド領域
A3 幅周辺領域
B1 全冷却領域
B2 中央帯
B3 幅分割冷却帯
B4 分割冷却面
M 冷却水
P0 鋼板搬送領域の上面の垂線
P1 噴射軸
Q 中心軸
R 冷却水衝突領域
S1 搬送方向下流側水切り水衝突領域
S2 幅方向内側水切り水衝突領域
Claims (14)
- 熱間圧延工程の仕上圧延後に、ロール間に通板ガイドが配置された搬送ロール上を搬送される熱延鋼板の上面を冷却する、熱延鋼板の冷却装置であって、
鋼板搬送領域の上面に冷却水を噴射する複数のスプレーノズルを有し、
前記スプレーノズルは、
鋼板搬送領域の上面の冷却水衝突領域が、鋼板搬送方向視において前記通板ガイドと対向する幅中央部の通板ガイド領域を除いた幅周辺領域に位置し、平面視において前記搬送ロールの中心軸と重なる領域に形成されるように設けられ、かつ、
前記スプレーノズルの噴射軸が、当該スプレーノズルから噴射され前記冷却水衝突領域に衝突した冷却水が板幅方向外側に向かうよう、鋼板搬送方向視において前記鋼板搬送領域の上面の垂線に対して傾けられて設けられることを特徴とする、熱延鋼板の冷却装置。 - 前記冷却水衝突領域の中心は、平面視において、前記搬送ロールの中心軸上に位置することを特徴とする、請求項1に記載の熱延鋼板の冷却装置。
- 板幅方向の一方の側の前記幅周辺領域内の前記冷却水衝突領域と他方の側の前記幅周辺領域内の前記冷却水衝突領域とが、鋼板搬送方向で交互に形成されるように前記スプレーノズルが設けられることで、前記スプレーノズルから噴射された冷却水相互の干渉を回避することを特徴とする、請求項1または2に記載の熱延鋼板の冷却装置。
- 前記鋼板搬送領域の上面における、前記冷却水衝突領域の各々の領域より搬送方向下流側の領域毎に、又は、前記冷却水衝突領域のうちの搬送方向最下流側の領域より搬送方向下流側の領域に、水切り水を噴射して搬送方向下流側水切り水衝突領域を形成する水切りノズルを有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱延鋼板の冷却装置。
- 前記鋼板搬送領域の上面における、前記冷却水衝突領域のうちの板幅方向最内側の領域と前記通板ガイド領域との間に、水切り水を噴射して幅方向内側水切り水衝突領域を形成する他の水切りノズルを有することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱延鋼板の冷却装置。
- 前記鋼板搬送領域の上面における、幅中央部の前記通板ガイド領域を除いた幅周辺領域と、鋼板搬送方向の所定長さとで画定される冷却領域を全冷却領域とし、
前記全冷却領域を板幅方向で複数に分割して得られる冷却領域を幅分割冷却帯とし、
前記幅分割冷却帯を鋼板搬送方向で複数に分割して得られる冷却領域を分割冷却面としたときに、
前記分割冷却面それぞれに対し、その中に前記冷却水衝突領域を形成する前記スプレーノズルが少なくとも1つ設けられ、
当該冷却装置は、さらに、
前記スプレーノズルから噴射される冷却水の、前記分割冷却面への衝突および非衝突を切り替える切替装置と、
前記鋼板搬送領域の幅中央部の前記通板ガイド領域と、前記幅周辺領域との板幅方向の温度差を検出するための情報を取得する温度差検出装置と、
前記温度差検出装置での取得結果に基づいて、前記切替装置の動作を制御する制御装置と、
が備えられることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱延鋼板の冷却装置。 - 前記全冷却領域における、前記通板ガイド領域を挟んだ一方と他方にそれぞれ前記幅分割冷却帯が1つ存在する場合には、
前記一方および前記他方をそれぞれ第1の幅分割冷却帯および第2の幅分割冷却帯としたとき、前記第1の幅分割冷却帯に対する冷却と、前記第2の幅分割冷却帯に対する冷却とを個別に制御する冷却制御系を有し、
前記一方と他方にそれぞれ前記幅分割冷却帯が複数存在する場合には、
前記一方および前記他方をそれぞれ第1の幅分割冷却帯群および第2の幅分割冷却帯群としたとき、前記第1の幅分割冷却帯群および前記第2の幅分割冷却帯群を構成する前記幅分割冷却帯毎に冷却を制御する冷却制御系を有することを特徴とする、請求項6に記載の熱延鋼板の冷却装置。 - 前記温度差検出装置は、温度を測定する温度測定器を有することを特徴とする、請求項6または7に記載の熱延鋼板の冷却装置。
- 前記温度差検出装置は、当該冷却装置による冷却前までの前記熱延鋼板の温度履歴を取得し、
前記制御装置は、前記熱延鋼板の温度履歴に基づいて、前記温度差を推定し、該推定された前記温度差に基づいて、前記切替装置の動作を制御することを特徴とする、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の熱延鋼板の冷却装置。 - 前記分割冷却面は、当該分割冷却面と板幅方向の位置が同じであり当該分割冷却面と鋼板搬送方向の位置が異なる前記分割冷却面と、鋼板搬送方向の長さが同じであることを特徴とする、請求項6乃至9のいずれか1項に記載の熱延鋼板の冷却装置。
- 前記分割冷却面は、当該分割冷却面と板幅方向の位置が同じであり当該分割冷却面と鋼板搬送方向の位置が異なる前記分割冷却面と、鋼板搬送方向の長さが異なる、ことを特徴とする、請求項6乃至9のいずれか1項に記載の熱延鋼板の冷却装置。
- 板幅方向における複数の前記スプレーノズルの配置は、板幅方向に隣り合う前記スプレーノズルおよび/または前記スプレーノズルが形成する冷却水衝突領域の中心間距離がすべて等距離になるように配置されていることを特徴とする、請求項6乃至11のいずれか1項に記載の熱延鋼板の冷却装置。
- 熱間圧延工程の仕上圧延後に、ロール間に通板ガイドが配置された搬送ロール上を搬送される熱延鋼板の上面を冷却する、熱延鋼板の冷却装置を用いた熱延鋼板の冷却方法であって、
鋼板上面に複数のスプレーノズルから冷却水を噴射して形成される冷却水衝突領域が、鋼板搬送方向視において前記通板ガイドと対向する幅中央部の通板ガイド領域を除いた幅周辺領域に位置し、平面視において前記搬送ロールの中心軸と重なる領域に形成されるようにするとともに、
前記スプレーノズルの噴射軸が、鋼板搬送方向視において鋼板上面の垂線に対して傾けられて設けられるようにして、前記スプレーノズルから噴射され前記冷却水衝突領域に衝突した冷却水が板幅方向外側に向かうようにして、前記通板ガイド領域を除いた幅周辺領域を冷却することを特徴とする、熱延鋼板の冷却方法。 - 鋼板上面における前記通板ガイド領域を除いた前記幅周辺領域と鋼板搬送方向の所定長さとで確定される冷却領域を全冷却領域とし、前記全冷却領域を板幅方向で複数に分割して得られる冷却領域を幅分割冷却帯とし、前記幅分割冷却帯を鋼板搬送方向で複数に分割して得られる冷却領域を分割冷却面としたときに、
前記鋼板上面の幅中央部の前記通板ガイド領域の温度と、前記通板ガイド領域を除いた幅周辺領域の温度との板幅方向の温度差を検出し、
該検出結果に基づいて前記分割冷却面毎にスプレーノズルによる前記熱延鋼板への冷却水の衝突および非衝突を制御することを特徴とする、請求項13に記載の熱延鋼板の冷却方法。
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JP2018152964A JP7151265B2 (ja) | 2018-08-15 | 2018-08-15 | 熱延鋼板の冷却装置、および熱延鋼板の冷却方法 |
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