JP2020025977A - 熱延鋼板の冷却装置、および熱延鋼板の冷却方法 - Google Patents

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【課題】搬送ロール間に熱延通板ガイドが配置されている場合であっても、熱延鋼板の板幅方向の温度を均一にする。【解決手段】熱延鋼板の冷却装置は、鋼板搬送領域の上面に冷却水を噴射する複数の冷却水ノズル23を有し、冷却水ノズル23は、鋼板搬送領域A1の上面の冷却水衝突領域Rが、鋼板搬送方向視において通板ガイド20と対向する幅中央部の通板ガイド領域A2を除いた幅周辺領域A3に位置し、平面視において搬送ロールの中心軸Qと重なる領域に形成されるように設けられ、かつ、冷却水ノズル23の噴射軸P1が、当該冷却水ノズル23から噴射され冷却水衝突領域Rに衝突した冷却水が板幅方向外側に向かうよう、鋼板搬送方向視において鋼板搬送領域A1の上面の垂線P0に対して傾けられて設けられる。【選択図】図9

Description

本発明は、熱間圧延工程の仕上圧延後、搬送ロール上を搬送される熱延鋼板の上面を冷却する冷却装置、および、当該冷却装置を用いる冷却方法に関する。
近年の自動車の軽量化に伴い、熱延鋼板のうち高張力鋼板の需要が高まっており、熱延鋼板に要求される品質が一層高まっている。特に近年では、単に高い強度だけではなく、プレス成形性や穴拡げ性などの優れた加工性や、引張強さや加工性などの機械的特性のバラツキを鋼板の全領域にわたって所定の範囲内に収めることなども併せて求められている。
熱延鋼板の製造プロセスにおいて、上記のような最終的な製品の特性に大きく影響する因子の1つとして、巻取温度がある。ここで、巻取温度とは、仕上圧延後の冷却工程の後で鋼板が巻き取られる際の巻取装置直前における鋼板の温度である。
一般的に、仕上圧延後の800℃〜900℃の高温の熱延鋼板に冷却水を噴射する冷却工程においては、鋼板温度がおおよそ600℃以上の間は、膜沸騰により発生する蒸気が安定的に鋼板表面を覆う。そのため、冷却水による冷却能力自体は小さくなるが、鋼板を全面にわたって均一に冷却されることが比較的容易になる。
しかしながら、特に鋼板温度が600℃を下回る辺りから、鋼板温度の低下とともに発生する蒸気の量は減少する。そして、鋼板表面を覆っていた蒸気膜が崩壊し始め、蒸気膜の分布が時間的および空間的に変化する遷移沸騰域となる。その結果、冷却の不均一性が増加し、鋼板の温度分布の不均一性が急激に拡大し易くなる。このため、鋼板温度のコントロールが難しくなり、鋼板全体を狙い通りの巻取温度で冷却し終えることが困難になる。
一方、強度と加工性とを両立させた優れた特性を有する製品を製造するためには、巻取温度を500℃以下の低温域にまで低下させることが効果的である。そのため、鋼板全体にわたる巻取温度の不均一性を、目標の温度に対して所定の範囲内に収めることが重要である。このような観点から、巻取温度の均一化、特に板幅方向の巻取温度の均一化のための発明がこれまで数多くなされてきた。
特許文献1には、冷却装置において、熱延鋼板に冷却剤を添加するためのノズルが熱延鋼板の上側及び下側の両側で幅方向に複数設置されており、これらのノズルが、特に高い温度が検出可能である位置に冷却剤が添加される様式で制御されることが開示されている。この冷却装置には、さらに複数の温度センサが幅方向に設置されており、これらの温度センサが熱延鋼板の幅方向の温度分布を検出し、温度センサの信号に基づいて、ノズルからの冷却剤量を制御可能に構成されている。
特許文献2には、冷却装置において、複数個の冷却水供給ノズル群を直線状に配列した冷却水ヘッダーが熱延鋼板の上方、かつ幅方向に複数個配置されており、板幅方向の温度分布を検知する温度分布センサで計測された温度分布に基づいて、冷却水の流量を制御することが開示されている。具体的には、これら冷却水ヘッダーにはオンオフ制御バルブが設けられ、オンオフ制御バルブによって冷却水が制御される。
特表2010−527797号公報 特開平6−71328号公報
ところで、仕上圧延後の冷却においては、仕上圧延機で圧延された熱延鋼板の先端が搬送ロール間に落ち込んでしまうトラブルが発生することがある。特に、熱延鋼板の板厚が薄い場合には、剛性の不足により先端が変形しやすいため、上述のトラブルが発生しやすい傾向にある。そこで、熱延鋼板の先端が搬送ロール間に落ち込んでしまうことを防止するために、熱延通板ガイド(エプロン)が搬送ロール間に配設されている。
しかし、中央部に熱延通板ガイドを配置する場合、当該ガイドの保護用の冷却水(以下、「保護冷却水」と称する。)により、熱延鋼板の板幅方向の中央部が板幅方向の他の部分に対して低温となり、熱延鋼板の板幅方向の温度が不均一になってしまう。例えば、通板による振動や風の流れにより、保護冷却水が熱延鋼板の板幅方向の中央部に接触することで該中央部が過冷却されたり、保護冷却水により冷却された搬送ロールの板幅方向中央部により熱延鋼板の板幅方向中央部が過冷却されたりする。
特許文献1や特許文献2に開示の冷却装置では、上述のような熱延通板ガイドを配置した場合の熱延鋼板の板幅方向の温度不均一性について考慮されておらず、熱延通板ガイドを配置した場合における熱延鋼板の板幅方向温度の均一化について開示も示唆もされていない。また、特許文献1の冷却装置では、前述のように、熱延鋼板に冷却剤を添加するためのノズルが熱延鋼板の上側に設置されているため、冷却剤として冷却水を用いた場合、冷却時に熱延鋼板上に残った板上水により、熱延鋼板の板幅方向中央部の過冷却がさらに助長されるおそれがある。また、特許文献2の冷却装置でも、すなわち、前述のように冷却水供給ノズル群を直線状に配列した冷却水ヘッダーが熱延鋼板の上方に配置された冷却装置でも、同様である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、熱間圧延工程の仕上圧延後に、熱延鋼板の上面を適切に冷却することにより、搬送ロール間に熱延通板ガイドが配置されている場合であっても、当該熱延鋼板の板幅方向において温度の均一性を向上させることを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、熱間圧延工程の仕上圧延後に、ロール間に通板ガイドが配置された搬送ロール上を搬送される熱延鋼板の上面を冷却する、熱延鋼板の冷却装置であって、鋼板搬送領域の上面に冷却水を噴射する複数の冷却水ノズルを有し、前記冷却水ノズルは、鋼板搬送領域の上面の冷却水衝突領域が、鋼板搬送方向視において前記通板ガイドと対向する幅中央部の通板ガイド領域を除いた幅周辺領域に位置し、平面視において前記搬送ロールの中心軸と重なる領域に形成されるように設けられ、かつ、前記冷却水ノズルの噴射軸が、当該冷却水ノズルから噴射され前記冷却水衝突領域に衝突した冷却水が板幅方向外側に向かうよう、鋼板搬送方向視において前記鋼板搬送領域の上面の垂線に対して傾けられて設けられることを特徴としている。
前記冷却水衝突領域の中心は、平面視において、前記搬送ロールの中心軸上に位置していてもよい。
板幅方向の一方の側の前記幅周辺領域内の前記冷却水衝突領域と他方の側の前記幅周辺領域内の前記冷却水衝突領域とが、鋼板搬送方向で交互に形成されるように前記冷却水ノズルが設けられることで、前記冷却水ノズルから噴射された冷却水相互の干渉を回避してもよい。
前記鋼板搬送領域の上面における、前記冷却水衝突領域の各々の領域より搬送方向下流側の領域毎に、又は、前記冷却水衝突領域のうちの搬送方向最下流側の領域より搬送方向下流側の領域に、水切り水を噴射して搬送方向下流側水切り水衝突領域を形成する水切りノズルを有していてもよい。
前記鋼板搬送領域の上面における、前記冷却水衝突領域のうちの板幅方向最内側の領域と前記通板ガイド領域との間に、水切り水を噴射して幅方向内側水切り水衝突領域を形成する他の水切りノズルを有していてもよい。
前記鋼板搬送領域の上面における、幅中央部の前記通板ガイド領域を除いた幅周辺領域と、鋼板搬送方向の所定長さとで画定される冷却領域を全冷却領域とし、前記全冷却領域を板幅方向で複数に分割して得られる冷却領域を幅分割冷却帯とし、前記幅分割冷却帯を鋼板搬送方向で複数に分割して得られる冷却領域を分割冷却面としたときに、前記分割冷却面それぞれに対し、その中に前記冷却水衝突領域を形成する前記冷却水ノズルが少なくとも1つ設けられ、当該冷却装置は、さらに、前記冷却水ノズルから噴射される冷却水の、前記分割冷却面への衝突および非衝突を切り替える切替装置と、前記鋼板搬送領域の幅中央部の前記通板ガイド領域と、前記幅周辺領域との板幅方向の温度差を検出するための情報を取得する温度差検出装置と、前記温度差検出装置での取得結果に基づいて、前記切替装置の動作を制御する制御装置と、が備えられていてもよい。
前記全冷却領域における、前記通板ガイド領域を挟んだ一方と他方にそれぞれ前記幅分割冷却帯が1つ存在する場合には、前記一方および前記他方をそれぞれ第1の幅分割冷却帯および第2の幅分割冷却帯としたとき、前記第1の幅分割冷却帯に対する冷却と、前記第2の幅分割冷却帯に対する冷却とを個別に制御する冷却制御系を有し、前記一方と他方にそれぞれ前記幅分割冷却帯が複数存在する場合には、前記一方および前記他方をそれぞれ第1の幅分割冷却帯群および第2の幅分割冷却帯群としたとき、前記第1の幅分割冷却帯群および前記第2の幅分割冷却帯群を構成する前記幅分割冷却帯毎に冷却を制御する冷却制御系を有していてもよい。
前記温度差検出装置は、温度を測定する温度測定器を有していてもよい。
前記温度差検出装置は、当該冷却装置による冷却前までの前記熱延鋼板の温度履歴を取得し、前記制御装置は、前記熱延鋼板の温度履歴に基づいて、前記温度差を推定し、該推定された前記温度差に基づいて、前記切替装置の動作を制御していてもよい。
前記分割冷却面は、当該分割冷却面と板幅方向の位置が同じであり当該分割冷却面と鋼板搬送方向の位置が異なる前記分割冷却面と、鋼板搬送方向の長さが同じであってもよい。
前記分割冷却面は、当該分割冷却面と板幅方向の位置が同じであり当該分割冷却面と鋼板搬送方向の位置が異なる前記分割冷却面と、鋼板搬送方向の長さが異なってもよい。
板幅方向における複数の前記冷却水ノズルの配置は、板幅方向に隣り合う前記冷却水ノズルおよび/または前記冷却水ノズルが形成する冷却水衝突領域の中心間距離がすべて等距離になるように配置されていてもよい。
別な観点による本発明によれば、熱間圧延工程の仕上圧延後に、ロール間に通板ガイドが配置された搬送ロール上を搬送される熱延鋼板の上面を冷却する、熱延鋼板の冷却装置を用いた熱延鋼板の冷却方法であって、鋼板上面に複数の冷却水ノズルから冷却水を噴射して形成される冷却水衝突領域が、鋼板搬送方向視において前記通板ガイドと対向する幅中央部の通板ガイド領域を除いた幅周辺領域に位置し、平面視において前記搬送ロールの中心軸と重なる領域に形成されるようにするとともに、前記冷却水ノズルの噴射軸が、鋼板搬送方向視において鋼板上面の垂線に対して傾けられて設けられるようにして、前記冷却水ノズルから噴射され前記冷却水衝突領域に衝突した冷却水が板幅方向外側に向かうようにして、前記通板ガイド領域を除いた幅周辺領域を冷却する。
鋼板上面における前記通板ガイド領域を除いた前記幅周辺領域と鋼板搬送方向の所定長さとで確定される冷却領域を全冷却領域とし、前記全冷却領域を板幅方向で複数に分割して得られる冷却領域を幅分割冷却帯とし、前記幅分割冷却帯を鋼板搬送方向で複数に分割して得られる冷却領域を分割冷却面としたときに、前記鋼板上面の幅中央部の前記通板ガイド領域の温度と、前記通板ガイド領域を除いた幅周辺領域の温度との板幅方向の温度差を検出し、該検出結果に基づいて前記分割冷却面毎に冷却水ノズルによる前記熱延鋼板への冷却水の衝突および非衝突を制御してもよい。
本発明によれば、熱間圧延工程の仕上圧延後に熱延鋼板の上面を適切に冷却することにより、搬送ロール間に熱延通板ガイドが配置されている場合であっても、当該熱延鋼板の板幅方向において温度の均一性を向上させることが可能となる。
本発明の第1実施形態にかかる熱間圧延設備10の構成の概略を示す説明図である。 図1の熱間圧延設備10において熱延通板ガイドが搬送ロール間に配設された状態を示す側面図である。 図1の熱間圧延設備10において熱延通板ガイドが搬送ロール間に配設された状態を示す平面図である。 保護冷却水ノズルから冷却水が噴射される様子を示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる上側幅方向制御冷却装置16の構成の概略を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態にかかる上側幅方向制御冷却装置16の構成の概略を示す側面図である。 本発明の第1実施形態にかかる上側幅方向制御冷却装置16の構成の概略を示す平面図である。 鋼板搬送領域を説明する図である。 冷却水ノズル23を説明する図である。 1つの例の幅分割冷却帯B3及び分割冷却面B4を説明する図である。 本発明の第1実施形態にかかる上側幅方向制御冷却装置16における分割冷却面B4および冷却水ノズル23の配置を説明する図である。 冷却水ノズル23の他の例を説明する図である。 冷却水ノズル23の他の例を説明する図である。 冷却水ノズル23の他の例を説明する図である。 冷却水ノズル23の他の例を説明する図である。図である。 第1実施形態の変形例にかかる上側幅方向制御冷却装置16における分割冷却面B4および冷却水ノズル23の配置を説明する図である。 第1実施形態の変形例にかかる上側幅方向制御冷却装置16の一部を概略的に示す図である。 第1実施形態の他の変形例にかかる上側幅方向制御冷却装置16における分割冷却面B4および冷却水ノズル23の配置を説明する図である。 第2実施形態にかかる上側幅方向制御冷却装置16を説明する図である。 第2実施形態の変形例にかかる上側幅方向制御冷却装置16を説説明する図である。 第2実施形態の変形例にかかる上側幅方向制御冷却装置16を説明する図である。 本発明の第2実施形態にかかる上側幅方向制御冷却装置16の構成の一部を概略的に示す図である。 比較例及び実施例における板幅方向の鋼板温度分布の一部を示した図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態における冷却装置を備えた熱延鋼板の製造装置(以下、「熱間圧延設備」と称する。)10の構成の概略を示す説明図である。図2及び図3はそれぞれ図1の熱間圧延設備10において熱延通板ガイドが搬送ロール間に配設された状態を示す側面図及び平面図である。図4は保護冷却水ノズルから冷却水が噴射される様子を示す図である。
図1に示すように、熱間圧延設備10では、加熱したスラブ1をロールで上下に挟んで連続的に圧延し、最小1mm程度の板厚まで薄くして熱延鋼板2としてこれを巻き取る。熱間圧延設備10は、スラブ1を加熱するための加熱炉11と、この加熱炉11において加熱されたスラブ1を板幅方向に圧延する幅方向圧延機12と、この板幅方向に圧延されたスラブ1を上下方向から圧延して粗バーにする粗圧延機13と、粗バーをさらに所定の厚さまで連続して熱間仕上げ圧延をする仕上圧延機14と、この仕上圧延機14により熱間仕上げ圧延された熱延鋼板2を冷却水により冷却する冷却装置15、16、17と、冷却装置15、16、17により冷却された熱延鋼板2をコイル状に巻き取る巻取装置18とを備えている。
加熱炉11では、装入口を介して外部から搬入されてきたスラブ1を所定の温度に加熱する処理が行われる。加熱炉11における加熱処理が終了すると、スラブ1は、加熱炉11外へと抽出され、幅方向圧延機12を経て、粗圧延機13による圧延工程へと移送される。
粗圧延工程では、スラブ1は、粗圧延機13により30mm〜60mm程度の厚さまでの粗バー(シートバー)に圧延され、仕上圧延機14へと搬送される。
仕上圧延機14では、搬送されてきた粗バーを数mm程度の板厚まで圧延して熱延鋼板2とする。仕上圧延された熱延鋼板2は、搬送ロール19(図2〜図6参照。)により搬送されて、まず、主冷却装置15からなる冷却ゾーンへと送られ、さらに、上側幅方向制御冷却装置16からなる冷却ゾーンへと送られ、さらにまた、調整用冷却装置17からなる冷却ゾーンへと送られる。
なお、仕上圧延機14より下流側の搬送ロール19の少なくとも一部には、図2に示すように、搬送ロール19間に熱延通板ガイド20が配置されている。「仕上圧延機14より下流側の搬送ロール19の少なくとも一部」とは、例えば、仕上圧延機14と巻取装置18との間に位置する搬送ロール19である。熱延通板ガイド20は例えば樹脂製である。熱延通板ガイド20の下方には、当該熱延通板ガイド20を保護するために冷却するガイド冷却装置21が設けられている。ガイド冷却装置21は、例えば、熱延通板ガイド20に対して冷却水を供給する保護冷却水ノズル22を有する。
また、熱延通板ガイド20は、図3に示すように搬送ロール19のロール幅の中央部に配置されており、板幅方向の幅が例えば300mmである。さらに、熱延通板ガイド20には、保護冷却水ノズル22が挿通されるノズル孔20aが設けられている。
なお、図4(A)に示すように、保護冷却水ノズル22からの冷却水Mは、その噴射高さを小さくすることにより、熱延通板ガイド20の保護冷却水として機能する。また、図4(B)に示すように、冷却水Mは、その噴射高さを高くすることにより熱延鋼板2の冷却水として機能する。言い換えると、保護冷却水ノズル22は、主冷却装置15や調整用冷却装置17の冷却水ノズルとしても機能する。
熱延鋼板2は、上記の主冷却装置15、上側幅方向制御冷却装置16、および調整用冷却装置17により冷却され、巻取装置18によりコイル状に巻き取られる。冷却装置15、16、17のうち、主冷却装置15は、熱間仕上圧延された熱延鋼板2の冷却を主に行い、上側幅方向制御冷却装置16は、主冷却装置15で冷却された熱延鋼板2の幅方向の温度不均一性が解消するように当該熱延鋼板2を上面側から冷却し、調整用冷却装置17は、上側幅方向制御冷却装置16により冷却された熱延鋼板2を目標温度まで冷却する。なお、主冷却装置15及び調整用冷却装置17はランアウトテーブルを搬送される熱延鋼板2を上下で挟むように配置され、上側幅方向制御冷却装置16は熱延鋼板2の上方に配置されている。また、調整用冷却装置17では、熱延鋼板2の温度が50℃程度低下するよう冷却する。
主冷却装置15の構成は特に限定されることなく公知の冷却装置を適用することができる。例えば主冷却装置15は、ランアウトテーブルの搬送ロール19上を搬送される熱延鋼板2の上方から当該熱延鋼板2の上面に向けて鉛直下方に冷却水を噴射する冷却水ノズルと、熱延鋼板2の下方から当該熱延鋼板2の下面に向けて鉛直上方に冷却水を噴射する冷却水ノズルとを、それぞれ複数有している。冷却水ノズルとしては、例えばスリットラミナーノズルやパイプラミナーノズルなどが用いられる。
また、調整用冷却装置17の構成も特に限定されることなく公知の冷却装置を適用することができる。上側幅方向制御冷却装置16までの冷却で冷却不足にならない場合には必ずしも配置されることはないが、通常は必要とされる。
次に、上側幅方向制御冷却装置16の構成について説明する。図5には上側幅方向制御冷却装置16の構成の一部を概略的に示す、上下方向(Z方向)下方側から見た斜視図、図6には上側幅方向制御冷却装置16の構成の一部を概略的に示す、板幅方向(Y方向)から見た側面図、図7には上側幅方向制御冷却装置16の構成の一部を概略的に示す、上下方向(Z方向)下方から見た平面図を示した。
本形態における上側幅方向制御冷却装置16は、図5〜図7に示すように、冷却水ノズル23と、中間ヘッダー24、配管25、給水ヘッダー26、三方弁27、および排水ヘッダー28を具備する切替装置と、温度測定装置29、30と、制御装置31とを有して概略構成されている。
冷却水ノズル23は、ランアウトテーブルの後述の鋼板搬送領域の上方から、鋼板搬送領域の上面に向けて、冷却水を噴射するものであり、複数配置されている。図8は、鋼板搬送領域を説明する図であり、熱間圧延設備10を板厚方向から見た図である。また、図9は、冷却水ノズル23を説明する図であり、図9(A)は、冷却水ノズル23を鋼板搬送方向から見た正面図、図9(B)は、冷却水ノズル23からの冷却水が鋼板搬送領域A1の上面に衝突する領域すなわち冷却水衝突領域Rを板厚方向から見た平面図である。
本形態においては、熱間圧延設備10で製造できる熱延鋼板2がランアウトテーブル上を搬送される際に存在しうる領域を「鋼板搬送領域」とする。「鋼板搬送領域」とはすなわち、製造可能な熱延鋼板の最大板厚×(最大板幅+最大蛇行幅)で区画され、鋼板搬送方向に延びる三次元領域である。このため、「鋼板搬送領域」は鋼板搬送方向において、ランアウトテーブル上における仕上圧延機の出側端から巻取装置の前までの領域を占める。
図8に示すように、鋼板搬送領域A1のうち、鋼板搬送方向視において熱延通板ガイド20と対向する幅中央部の通板ガイド領域A2を除いた領域を「幅周辺領域A3」とする。「通板ガイド領域A2」は、本実施形態では、搬送ロール19の板幅方向における中央領域に位置する。なお、以下では、幅周辺領域A3のうち、通板ガイド領域A2を挟んだ一方の領域を「第1の幅周辺領域A3」、他方の領域を「第2の幅周辺領域A3」とする。
冷却水ノズル23には、各種公知の種類のノズルを用いることができ、これには例えば0.3MPa程度の背圧が加えられるフルコーンノズルが挙げられる。
図9に示すように、冷却水ノズル23は、その冷却水衝突領域Rが、鋼板搬送方向視において、鋼板搬送領域A1における幅中央部の通板ガイド領域A2ではなく幅周辺領域A3に位置する。これにより、冷却水ノズル23は、通板ガイド領域A2に位置する熱延鋼板2の部分を過冷却させないようにし、熱延鋼板2の温度を板幅方向に関して全体的に均一にする。冷却水ノズル23からの冷却水の噴射拡がり角度は例えば約12°であり、冷却水衝突領域Rは例えば直径が200mmになるように形成される。
また、冷却水ノズル23は、その噴射軸P1が、当該冷却水ノズル23から噴射され冷却水衝突領域Rに衝突した冷却水が板幅方向外側に向かうよう、鋼板搬送方向視において鋼板搬送領域A1の上面の垂線Pに対して傾けられて設けられている。具体的には、冷却水ノズル23の噴射軸P1の上記垂線Pに対する角度すなわち傾き角度θが、冷却水ノズル23からの冷却水の噴射拡がり角度の半分より大きくなるよう、冷却水ノズル23は設けられる。なお、本発明者らは、上記傾き角度θが15°以上であれば、冷却水ノズル23から噴射され冷却水衝突領域Rに衝突した冷却水が熱延鋼板2上を板幅方向外側に向かい、熱延鋼板2の板幅方向中央部に板上水として残ることがないことを確認している。
さらに、冷却水ノズル23は、冷却水衝突領域Rが、平面視において搬送ロール19の中心軸Qと重なる領域に形成されるように設けられている。具体的には、本例では、冷却水ノズル23は、その冷却水衝突領域Rの中心が、平面視において搬送ロール19の中心軸Q上に位置するように設けられている。
また、冷却水ノズル23は、鋼板搬送領域A1の上面の一部である後述の全冷却領域B1が分割されてなる分割冷却面B4に対しての冷却を制御するために設けられている。図10及び図11にその説明のための図を示した。図10及び図11は分割冷却面B4を説明する図である。図10及び図11は、熱間圧延設備10を板厚方向から見た図であり、全冷却領域B1と搬送ロール19の位置との関係を示している。なお、図10及び図11においては説明の便宜上、搬送ロール19を点線で示してある。
鋼板搬送領域A1の上面のうち、上側幅方向制御冷却装置16が冷却対象とする領域であって、板幅方向の前述の幅周辺領域A3および鋼板搬送方向の所定長さで画定される領域を図10に示すように「全冷却領域B1」とする。なお、「鋼板搬送方向の所定長さ」とは、少なくとも搬送ロール19の鋼板搬送方向ロール間1ピッチ以上の長さである。「鋼板搬送方向ロール間1ピッチの長さ」とは、鋼板搬送方向において隣接する搬送ロール19の軸同士の間の距離を意味する。「鋼板搬送方向の所定長さ」の長さは特に限定されることはないが、設備コストの観点からは20m以下程度が好ましい。具体的な長さは、上側幅方向制御冷却装置16の冷却能力と、熱延鋼板2の不均一温度分布の予測される態様から適宜決定すればよい。
鋼板搬送領域A1の上面のうち、前述の通板ガイド領域A2および鋼板搬送方向の所定長さで確定される領域を中央帯B2としたときに、全冷却領域B1における、中央帯B2すなわち通板ガイド領域A2を挟んだ一方と他方にそれぞれ幅分割冷却帯B3が複数存在し、当該一方と他方はそれぞれ、第1の幅分割冷却帯群B3と第2の幅冷却分割帯群B3を構成している。
また、幅分割冷却帯B3を鋼板搬送方向に複数に分割して得られる各々の冷却領域を「分割冷却面B4」とする。分割冷却面B4の板幅方向長さは、幅分割冷却帯B3の板幅方向長さと同じであり、分割冷却面B4の鋼板搬送方向長さは幅分割冷却帯B3の鋼板搬送方向長さを、分割数で分割した長さである。
分割冷却面B4の鋼板搬送方向の長さは、特に限定されることはなく、適宜設定することができる。図10及び図11に示す分割冷却面B4の鋼板搬送方向の長さは、例えば搬送ロール19の1ピッチの4倍に設定されている。分割冷却面B4の鋼板搬送方向の長さは、搬送ロール19の鋼板搬送方向ロール間ピッチの整数倍であればよい。
なお、冷却水ノズル23の冷却範囲は、分割冷却面B4および板幅方向に隣接する分割冷却面の一部に設定されている。冷却範囲を単一分割冷却面B4に限ると、幅方向で隣接する他の分割冷却面B4との境界線上すなわちノズルラップ部の冷却能力不足が生じる。冷却不足を解消するため、ノズル23の冷却範囲を1ノズル当りの散水幅の5%程度板幅方向に広い領域とし、隣接する分割冷却面B4の一部も散水領域に含めるように設定する。
図11には、本形態における、分割冷却面B4に対する冷却水ノズル23の配置も併せて表した。図11では冷却水ノズル23を「●」で表している。冷却水ノズル23は、分割冷却面B4の各々に向けて少なくとも一つずつ配置されている。
本形態で冷却水ノズル23は、1つの分割冷却面B4に、4個の冷却水ノズル23が属するように配置されている。4つの冷却水ノズル23は平面視において、搬送ロール19それぞれに対して配置され、鋼板搬送方向に並べられている。1つの分割冷却面B4に属する冷却水ノズル23の数は特に限定されることはなく、1つでもよいし、複数であってもよい。
なお、冷却水ノズル23から吐出させる水量および流速は板幅方向、鋼板搬送方向の各冷却水ノズル23で同一とし、冷却能力を同一とする方が制御は容易である。また、鋼板搬送方向の同じ位置にある板幅方向に並んだ各分割冷却面B4に設置される冷却水ノズル23の数、吐出水量および吐出流速を同一とし、板幅方向に並ぶ各分割冷却面B4での冷却能力を同一とする方が制御は容易である。
また、板幅方向に並んだ各分割冷却面B4に属する吐出水量および吐出流速が同一の冷却水ノズル23は、板幅方向に隣り合う冷却水ノズル23の中心間距離及び/または冷却水ノズル23が形成する冷却水衝突領域Rの中心間距離がすべて等距離になるように配置されていることが好ましい。これにより板幅方向における均一な冷却をより高い精度で行うことができる。
なお、冷却水ノズル23の吐出水量および吐出流速に基づく冷却能力が板幅方向、鋼板搬送方向で異なっていても、制御装置31により制御することは可能である。
なお、図の例では、このような分割冷却面B4が鋼板搬送方向(X方向)に2つ並べて配置されているが、分割冷却面B4の鋼板搬送方向の数はこの例に限られず、全冷却領域B1の鋼板搬送方向長さを分割冷却面B4の鋼板搬送方向長さで除した数で表される。
上側幅方向制御冷却装置16の説明に戻る。
中間ヘッダー24は、本形態における切替装置の一部として機能し、冷却水ノズル23に冷却水を供給するヘッダーである。本形態では図5〜図7よりわかるように、中間ヘッダー24は鋼板搬送方向に延びる管状の部材で、鋼板搬送方向に複数の冷却水ノズル23が設けられている。従って、1つの中間ヘッダー24に配置された冷却水ノズル23からの冷却水の噴射および停止を同時に制御することができる。図示の例では、1つの中間ヘッダー24に対して冷却水ノズル23は鋼板搬送方向に4個並べられているが、冷却水ノズル23の数はこれに限定されるものではない。
そして中間ヘッダー24は1つの分割冷却面B4に1つとなるように配置される。これにより、分割冷却面B4毎に冷却水の噴射と停止の切替制御を可能としている。
三方弁27は、本形態における切替装置の一部として機能する部材である。すなわち、三方弁27は冷却水ノズル23から噴射される冷却水の、鋼板搬送領域の上面への衝突と非衝突とを切り替える切替装置の主要部材である。
本形態の三方弁27は分流型であり、給水ヘッダー26からの加圧水を、配管25に導いて中間ヘッダー24、さらには冷却水ノズル23に給水するか、排水ヘッダー28に導くかを切り替える弁である。なお、本形態では排水のための部位として排水ヘッダー28を例示したが、その態様は特に限定されることはない。
本形態の三方弁27の替わりに2つの止め弁(広義に流体の流れを止めるための弁、ON/OFF弁と呼ばれることもある。)を設置して三方弁と同様に制御を行うことも可能である。三方弁27を用いることにより、切替時の水圧変動を小さくすることができる。
本形態で三方弁27は、中間ヘッダー24それぞれに対して1つ設けられ、冷却水を供給する給水ヘッダー26と冷却水を排出する排水ヘッダー28との間に配置されている。
上流側温度測定装置29は、本形態における温度差検出装置の一部として機能する部材である。すなわち、上流側温度測定装置29は、鋼板搬送領域の幅中央部の通板ガイド領域と、幅周辺領域との温度差を検出するための情報を取得する温度差検出装置の主要部材である。
この上流側温度測定装置29は、鋼板搬送領域の下面側となる位置に配置されて、鋼板搬送領域の鋼板搬送方向上流側における熱延鋼板2の温度を測定する。
上流側温度測定装置29は、幅分割冷却帯B3それぞれと中央帯B2との上流側で温度を測定できるように、幅分割冷却帯B3のそれぞれと中央帯B2に対応して、板幅方向に並べられて設けられている。これにより、上側幅方向制御冷却装置16の上流側における熱延鋼板2の板幅方向の温度を全幅に亘って測定でき、すなわち、上側幅方向制御冷却装置16の上流側における熱延鋼板2の板幅方向の温度分布を取得することができる。
下流側温度測定装置30は、本形態における温度差検出装置の一部として機能する部材であり、上記温度差検出装置の主要部材である。
この下流側温度測定装置30は、鋼板搬送領域の下面側となる位置に配置されて、鋼板搬送領域の鋼板搬送方向下流側における熱延鋼板2の温度を測定する。
下流側温度測定装置30は、冷却後における幅分割冷却帯B3それぞれと中央帯B2との温度を測定できるように、幅分割冷却帯B3のそれぞれと中央帯B2に対応して、板幅方向に並べられて設けられている。これにより、上側幅方向制御冷却装置16の下流側における熱延鋼板2の板幅方向の温度を全幅に亘って測定でき、すなわち、上側幅方向制御冷却装置16の下流側における熱延鋼板2の板幅方向の温度分布を取得することができる。
上流側温度測定装置29及び下流側温度測定装置30の構成は、熱延鋼板2の温度を測定するものであれば特に限定されるものではないが、例えば特許第3818501号公報などに記載された温度計を用いるのが好ましい。
制御装置31は、上流側温度測定装置29の測定結果、下流側温度測定装置30の測定結果のいずれか、或いは双方の結果に基づいて、切替装置の動作を制御する装置である。従って制御装置31は、所定のプログラムに基づいて演算を行う電子回路やコンピュータを備えており、これに上流側温度測定装置29、下流側温度測定装置30および切替装置が電気的に接続されている。
具体的には、熱延通板ガイド20が設けられた搬送ロール19を有するランアウトテーブルを仕上圧延後且つ主冷却装置15での冷却後に搬送される熱延鋼板2の温度を上流側温度測定装置29で測定する。この測定結果が制御装置31に送られ、鋼板搬送領域の中央帯B2の鋼板搬送方向上流側における熱延鋼板2の温度と、鋼板搬送領域の幅分割冷却帯B3の鋼板搬送方向上流側における熱延鋼板2の温度との温度差が算出される。より具体的には、鋼板搬送領域の中央帯B2の鋼板搬送方向上流側における熱延鋼板2の最も温度が低い部分の温度と、鋼板搬送領域の幅分割冷却帯B3の鋼板搬送方向上流側における熱延鋼板2の最も温度が高い部分の温度との温度差が算出される。また、制御装置31は、算出した温度差に基づいて、分割冷却面B4毎に熱延鋼板2の温度を均一化するために必要な冷却量を算出する。
そして、その計算結果に基づいて、制御装置31は、三方弁27の開閉をフィードフォワード制御する。すなわち、制御装置31は、熱延鋼板2の板幅方向の温度の均一化を実現するために、三方弁27の開閉を制御し分割冷却面B4毎に冷却水ノズル23から噴射される冷却水の熱延鋼板2の上面への衝突と非衝突とを制御する。
本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
仕上圧延機14により仕上げ圧延された直後の搬送ロール19上を搬送されることにより、熱延鋼板2における熱延通板ガイド20上を通過する板幅方向中央部分と通過しない板幅方向外側部分とに温度差が生じる。この温度差は、前述のように熱延通板ガイド20の保護冷却水に起因し、水冷部すなわち主冷却装置15が配置されている部分では上記温度差は拡大しないが、非水冷部(例えば、主冷却装置15に至るまでの部分)では上記温度差が拡大する。
したがって、上記温度差は、上側幅方向制御冷却装置16による冷却を行わない場合、巻取装置18により巻き取られるときまでに大きくなってしまい、熱延鋼板2の板幅方向中央部が低温となってしまう。
それに対し、上側幅方向制御冷却装置16では、冷却水ノズル23からの鋼板搬送領域の上面への冷却水衝突領域Rが熱延通板ガイド20と対向する通板ガイド領域A2を除いた幅周辺領域A3に位置する。つまり、上側幅方向制御冷却装置16は、熱延鋼板2の板幅方向中央部分を冷却せずに板幅方向外側部分のみを冷却する。この上側幅方向制御冷却装置16による冷却を行うことで、上記温度差を、巻取装置18により巻き取られる段階では非常に小さくすることができる。すなわち、上側幅方向制御冷却装置16による冷却を行うことで、仕上圧延後の冷却工程において搬送ロール19間の熱延通板ガイド20を保護冷却水で冷却する場合においても、熱延鋼板2の板幅方向の温度を均一にすることができる。
また、本実施形態によれば、冷却水ノズル23の噴射軸P1が鋼板搬送領域A1の上面の垂線Pに対して傾いており、冷却水ノズル23から噴射され冷却水衝突領域Rに衝突した冷却水が板幅方向外側に向かう。そのため、冷却水ノズル23から噴射され冷却水衝突領域Rに衝突した冷却水が板上水として熱延鋼板2の板幅方向中央部に残り、当該板幅方向中央部が上記板上水により過冷却されることがない。
ここで、主冷却装置15および調整用冷却装置17が既設のものであり熱延鋼板2の板幅方向中央部の温度に基づいて冷却を行い当該板幅方向中央部の巻取温度が目標値となるよう冷却していた場合に、この上側幅方向制御冷却装置16を主冷却装置15と調整用冷却装置17との間に組み込むものとする。この場合であっても、本実施形態によれば、上側幅方向制御冷却装置16による冷却は、熱延鋼板2の板幅方向中央部の温度に影響を与えないので、主冷却装置15および調整用冷却装置17に変更を加えることなく、熱延鋼板2の板幅方向中央部の巻取温度を目標値に冷却することができる。
さらに、本実施形態によれば、冷却水ノズル23の冷却水衝突領域Rが、平面視において搬送ロール19の中心軸Qと重なる領域に形成されている。そのため、冷却水ノズル23からの冷却水により熱延鋼板2の通板性が損なわれることがない。
また、本実施形態では、冷却水ノズル23の冷却水衝突領域Rの中心が、平面視において搬送ロール19の中心軸Q上に位置するように設けられている。そのため、熱延鋼板2の通板性をより高く維持することができる。
さらに、本実施形態では、冷却水ノズル23が、搬送ロール19の上方に設けられているため、搬送ロール19の下方や搬送ロール19間に設けられた場合に比べて、非常に整備性が高い。
さらにまた、本実施形態では、三方弁27の開閉を制御し分割冷却面B4毎に冷却水ノズル23から噴射される冷却水の熱延鋼板2の上面への衝突と非衝突とを制御する。そして、分割冷却面B4が板幅方向に複数配列されているため、板幅方向にかかる熱延鋼板2の温度の均一化を高い精度で行うことができる。
なお、本実施形態によれば、分割冷却面B4が鋼板搬送方向にも複数配列されているため、制御装置31は、鋼板搬送方向の温度制御もすることができ、鋼板搬送方向にかかる熱延鋼板2の温度の均一化も行うことができる。
中間ヘッダー24には三方弁27が設けられており、当該中間ヘッダー24における冷却水ノズル23の個数が少ない方が、熱延鋼板2に噴射される冷却水の制御性は向上する。一方、冷却水ノズル23の個数を少なくするとその分、必要な三方弁27の数が増加し、設備コストとランニングコストが高くなる。従って、これらのバランスを考慮して、冷却水ノズル23の個数を設定することができる。
分割冷却面B4に冷却水を衝突させるにあたり、少量の冷却水を用いた場合、全冷却領域B1の鋼板搬送方向長さが長くなってしまう。このため、例えば1m/m/min以上の大きい水量密度の冷却水を冷却水ノズル23から噴射するのが好ましい。
また、上述の説明では、三方弁27の開閉を、上流側温度測定装置29の測定結果に基づいてフィードフォワード制御をするものとしたが、下流側温度測定装置30の測定結果に基づいてフィードバック制御してもよい。すなわち、下流側温度測定装置30の測定結果を用いて制御装置31で計算を行い、その計算結果に基づいて、鋼板搬送方向の位置が異なる分割冷却面B4毎に、三方弁27の開閉数を制御してもよい。これにより、分割冷却面B4毎に、鋼板搬送領域の上面への冷却水の衝突と非衝突とを制御することができる。
上側幅方向制御冷却装置16では、上流側温度測定装置29の測定結果による三方弁27のフィードフォワード制御と、下流側温度測定装置30の測定結果による三方弁27のフィードバック制御とを選択的に行うことができる。
また、かかるフィードバック制御をフィードフォワード制御結果の補正制御として適用することもできる。このように、上側幅方向制御冷却装置16では、上流側温度測定装置29の測定結果による三方弁27のフィードフォワード制御と、下流側温度測定装置30の測定結果による三方弁27のフィードバック制御とを統合させて行うこともできる。
なお、フィードフォワード制御またはフィードバック制御をいずれか一方のみを行う場合には、上流側温度測定装置29又は下流側温度測定装置30のいずれか一方を省略してもよい。
(冷却水ノズル23の他の例1)
図12は冷却水ノズル23の他の例を説明する図である。
冷却水ノズル23の傾き角度θを15°以上にする必要があるところ、図9の例の冷却水ノズル23よりノズル高さが高いと、図12(A)に示すように、鋼板搬送方向視において、第1の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23の一部と、第2の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23の一部とが重なる。
この場合も、図12(B)に示すように、冷却水ノズル23の冷却水衝突領域Rが搬送ロール19の中心軸Qと重なる領域に形成されるが、第1の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23の冷却水衝突領域Rの中心が搬送ロール19の中心軸Qより鋼板搬送方向下流側に位置し、第2の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23の冷却水衝突領域Rの中心が搬送ロール19の中心軸Qより鋼板搬送方向上流側に位置する。つまり、第1の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23の位置と第2の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23の位置とが鋼板搬送方向前後にずらされる。これにより、第1の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23から噴射された冷却水と、第2の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23から噴射された冷却水とが衝突しないようにすることができる。
(冷却水ノズル23の他の例2)
図13は冷却水ノズル23の他の例を説明する図である。
冷却水ノズル23の傾き角度θを15°以上にする必要があるところ、図12の例の冷却水ノズル23よりノズル高さがさらに高いと、図13(A)に示すように、鋼板搬送方向視において、第1の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23が第2の幅周辺領域A3の上方に位置し、第2の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23が第1の幅周辺領域A3の上方に位置する。
この場合も、図13(B)に示すように、冷却水ノズル23の冷却水衝突領域Rが搬送ロール19の中心軸Qと重なる領域に形成される。ただし、第1の幅周辺領域A3に対する冷却水衝突領域Rと、第2の幅周辺領域A3とに対する冷却水衝突領域Rとが、鋼板搬送方向で略交互に形成されている。これにより、第1の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23から噴射された冷却水と、第2の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23から噴射された冷却水とが衝突しないようにすることができる。
(冷却水ノズル23の他の例3)
図14は冷却水ノズル23の他の例を説明する図である。
図13の例の冷却水ノズル23は、
(a)第1の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23が第2の幅周辺領域A3の上方に位置し、第2の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23が第1の幅周辺領域A3の上方に位置し、
(b)第1の幅周辺領域A3に対する冷却水衝突領域Rと、第2の幅周辺領域A3とに対する冷却水衝突領域Rとが、鋼板搬送方向で略交互に形成され、
(c)搬送ロール19毎に、第1の幅周辺領域A3および第2の幅周辺領域A3の両方に冷却水衝突領域Rが形成され、
(d)冷却水衝突領域Rの中心が搬送ロール19の中心軸Q上からずれていた。
それに対し、図14の例の冷却水ノズル23は、上述の(a)及び(b)の点は図13の例と同様であるが、上述の(c)及び(d)の点は異なっており、
(c’)搬送ロール19毎に、第1の幅周辺領域A3および第2の幅周辺領域A3のいずれか一方に冷却水衝突領域Rが形成され、
(d’)冷却水衝突領域Rの中心が搬送ロール19の中心軸Q上に位置する。
これにより、第1の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23から噴射された冷却水と、第2の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23から噴射された冷却水とが衝突しないようにすることができる。さらに、熱延鋼板2の通板性を高く維持することができる。
(冷却水ノズル23の他の例4)
図15は冷却水ノズル23の他の例を説明する図である。
既に他の冷却装置がある等して鋼板搬送領域の直上に冷却水ノズル23を配設することが不可能な場合がある。この場合は、図15(A)に示すように、冷却水ノズル23を、鋼板搬送方向視において、鋼板搬送領域A1の外側にサイドスプレーとして設けてもよい。
この場合も、図13(B)の場合と同様に、図15(B)に示すように、第1の幅周辺領域A3に対する冷却水衝突領域Rと、第2の幅周辺領域A3とに対する冷却水衝突領域Rとが、鋼板搬送方向で略交互に形成されている。これにより、第1の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23から噴射された冷却水と、第2の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23から噴射された冷却水とが衝突するのを防ぐことができる。
(第1実施形態の変形例)
図16は第1実施形態の変形例にかかる上側幅方向制御冷却装置16における分割冷却面B4を説明する図である。図17は、本例の上側幅方向制御冷却装置16の一部を概略的に示す図である。
図10及び図11の例では、全冷却領域B1における、中央帯B2を挟んだ一方と他方にそれぞれ幅分割冷却帯B3が複数存在し、当該一方と他方はそれぞれ、第1の幅分割冷却帯群B3と第2の幅冷却分割帯群B3を構成していた。
また、以上の例では、上側幅方向制御冷却装置16は、分割冷却面B4毎に冷却を制御しており、これは幅分割冷却帯B3毎に冷却を制御することも意味する。つまりは、以上の例では、上側幅方向制御冷却装置16は、第1の幅分割冷却帯群B3と第2の幅冷却分割帯群B3を構成する幅分割冷却帯B3毎に冷却を制御する冷却制御系を有していた。三方弁27等はこの冷却制御系の主要部材である。
それに対し、図16の例では、全冷却領域B1における、中央帯B2を挟んだ一方と他方にそれぞれ、すなわち、通板ガイド領域A2を挟んだ一方と他方にそれぞれ、幅分割冷却帯B3が1つ存在する。
また、各幅分割冷却帯B3を鋼板搬送方向に複数に分割して得られる冷却領域である分割冷却面B4それぞれには、平面視において、冷却水ノズル23が鋼板搬送方向に4つ並べられたノズル群が板幅方向に複数並べられている。
さらに、本例の上側幅方向制御冷却装置16は、図17に示すように、全冷却領域B1を、幅分割冷却帯B3毎に、より具体的には、分割冷却面B4毎に、互いに独立した三方弁27が設けられている。
つまり、全冷却領域B1における、通板ガイド領域A2すなわち中央帯B2を挟んだ一方の幅分割冷却帯B3を第1の幅分割冷却帯B311とし、他方の幅分割冷却帯B3を第2の幅分割冷却帯B312としたとき、上側幅方向制御冷却装置16は、第1の幅分割冷却帯B311に対する冷却と、第2の幅分割冷却帯B312に対する冷却とを個別に制御する冷却制御系を有する。三方弁27は、上記冷却制御系の主要部材である。
本例の上側幅方向制御冷却装置16によっても、熱延鋼板2の板幅方向の温度を均一にすることができる。
(第1実施形態の他の変形例)
図18は第1実施形態の他の変形例にかかる上側幅方向制御冷却装置16における分割冷却面B4を説明する図である。
図10等の例では、分割冷却面B4は、当該分割冷却面B4と板幅方向の位置が同じであり当該分割冷却面B4と鋼板搬送方向の位置が異なる他の分割冷却面B4と、鋼板搬送方向長さが同じであった。それに対し、図18の例では、分割冷却面B4は、当該分割冷却面B4と板幅方向の位置が同じであり当該分割冷却面B4と鋼板搬送方向の位置が異なる他の分割冷却面B4と、鋼板搬送方向長さが異なる。具体的には、分割冷却面B4の鋼板搬送方向長さが、上流側から鋼板搬送方向ロール間4ピッチ分、3ピッチ分、2ピッチ分、1ピッチ分と変化している。また、鋼板搬送方向に隣り合う分割冷却面B4でそれぞれの分割冷却面B4に属する冷却水ノズル23の数が異なっている。
本例の上側幅方向制御冷却装置16によれば、上側幅方向制御冷却装置16の鋼板搬送方向の長さが短くても、多様な冷却能力で熱延鋼板2を冷却することができる。また、少ない数の三方弁27で多様な冷却能力で熱延鋼板2を冷却することができる。
(第2実施形態)
図19は第2実施形態にかかる上側幅方向制御冷却装置16の構成の一部を概略的に示す図である。
本実施形態にかかる上側幅方向制御冷却装置16は、第1実施形態にかかる上側幅方向制御冷却装置16の構成に加えて、図示するように、水切りノズル40を有する。
水切りノズル40は、第1の幅周辺領域A3および第2の幅周辺領域A3それぞれに対し1つずつ設けられている。鋼板搬送方向視において、第1の幅周辺領域A3に対する水切りノズル40は、第2の幅周辺領域A3より板幅方向外側に設けられ、第2の幅周辺領域A3に対する水切りノズル40は、鋼板搬送方向視において、第1の幅周辺領域A3より板幅方向外側に設けられている。
これら水切りノズル40は、冷却水衝突領域Rのうちの搬送方向最下流側の領域より搬送方向下流側の領域に、水切り水を噴射して搬送方向下流側水切り水衝突領域S1を形成する。
冷却水ノズル23による冷却領域より下流の領域に板上水が残る場合があるが、本実施形態のように水切りノズル40を設けることで、残った板上水を直ちに排水することができ、熱延鋼板2を適切に冷却することができる。
(第2実施形態の変形例)
図20は第2実施形態の変形例にかかる上側幅方向制御冷却装置16の一部を概略的に示す図である。
図19の例では、水切りノズル40が、第1の幅周辺領域A3および第2の幅周辺領域A3それぞれに対し1つずつ設けられているが、図20の例では、第1の幅周辺領域A3および第2の幅周辺領域A3それぞれに対し複数設けられている。
そして、これら水切りノズル40は、板幅方向視での冷却水衝突領域Rのそれぞれの領域より搬送方向下流側の領域毎に、水切り水を噴射して搬送方向下流側水切り水衝突領域S1を形成する。
本例においても、冷却水ノズル23による冷却領域より下流の領域に残った板上水を直ちに排水することができ、熱延鋼板2を適切に冷却することができる。
(第2実施形態の他の変形例)
図21は第2実施形態の他の変形例にかかる上側幅方向制御冷却装置16の一部を概略的に示す図である。
図の例では、図20の例と同様に、水切りノズル40が、第1の幅周辺領域A3および第2の幅周辺領域A3それぞれに対し複数設けられている。
また、第1の幅周辺領域A3に対する冷却水衝突領域Rと、第2の幅周辺領域A3とに対する冷却水衝突領域Rとが、鋼板搬送方向で略交互に形成されているところ、水切りノズル40は、冷却水衝突領域Rのうちの板幅方向最内側の領域と通板ガイド領域A2との間に、水切り水を噴射して幅方向内側水切り水衝突領域S2を形成する。
本例によれば、冷却水ノズル23からの冷却水が板上水として熱延鋼板2の板幅方向中央部に残るのをより確実に防ぐことができる。
(第3実施形態)
図22は第3実施形態にかかる上側幅方向制御冷却装置16の構成の一部を概略的に示す図である。
以上の実施形態では、鋼板搬送領域の中央帯B2の鋼板搬送方向上流側における熱延鋼板2の最も温度が低い部分の温度と、鋼板搬送領域の幅分割冷却帯B3の鋼板搬送方向上流側における熱延鋼板2の最も温度が高い部分の温度との温度差を、上流側温度測定装置29での実際の測定結果に基づいて算出していた。
それに対し、本実施形態では、上流側温度測定装置29や下流側温度測定装置30を備える代わりに、制御装置31が温度履歴取得部50を有する。
温度履歴取得部50は、熱延鋼板2の温度履歴を取得する。制御装置31は、温度履歴取得部50による取得結果に基づいて、上記温度差を推定/算出する。具体的には、上側幅方向制御冷却装置16による冷却直前の熱延鋼板2の温度を計算/推定し、推定結果に基づいて上記温度差を推定/算出する。
さらに具体的には、温度履歴取得部50は、以下の式(1)のような1次元熱伝導方程式を差分法で解き、鋼板温度Tを算出する。なお、熱延鋼板2の上下面の境界条件は以下の式(2)、(3)の通りである。また、鋼板温度Tの算出に、初期鋼板温度すなわち仕上圧延直後の温度が必要な場合は、仕上圧延機14を出た直後の熱延鋼板2の温度を不図示の温度計により測定し、この測定結果が用いられる。
∂T(z、t)/∂t=
{λ(T(z、t))/cρ}×(∂T(z、t)/∂z
+q(T(z、t)、t)/cρ …(1)
z=0(鋼板下面):
λ(T(0、t))×∂T(0、t)/∂z=
α(T(0、t)、t){T(t)―T(0、t)} …(2)
z=h(鋼板上面):
λ(T(h、t))×∂T(h、t)/∂z=
α(T(h、t)、t){T(t)―T(h、t)} …(3)
ここで、z:板厚方向位置、t:時間、T:鋼板温度、T:鋼板下面側冷却水温度、T:鋼板上面側冷却水温度、c:鋼板比熱、ρ:鋼板密度、h:板厚、λ:板厚方向の熱伝導率、q:変態発熱速度、である。
また、上式において、αは鋼板表面熱伝導率であり、以下のように冷却条件に応じて与えられる。
α=αγ+αdc ・・・空冷時
αγ+αdW ・・・水冷時
αγ+αdc、G ・・・通板ガイド上、水冷停止時
α=αγ+αuc ・・・空冷時
αγ+αuW ・・・水冷時
ここで、αγ:輻射熱伝達率、αdc:下面強制対流熱伝達率、αuc:上面強制対流熱伝達率、αdW:下面水冷熱伝達率、αuW:上面水冷熱伝達率、αdc、G:下面通板ガイド上水冷停止時熱伝達率である。
鋼板のパスライン下面に設置されている熱延通板ガイド20に対面する熱延鋼板2の表面熱伝達率は、水冷時に限れば、熱延通板ガイドと対面しない他の領域と同等の熱伝達率である。しかし、熱延通板ガイド20には、熱延鋼板2の輻射熱にさらされることによる変質、変形を防ぐため、保護冷却水が通水されており、保護冷却水は熱延通板ガイド20上面を覆うように外部流として流通されている。その結果、ラミナーやスプレーによる鋼板水冷を停止時も、保護冷却水が熱延鋼板2に直接接触し冷却するため、もしくは搬送ロール19に流れ込み間接的に冷却するため、熱延通板ガイド20に対面する領域はその他の領域に比べ熱伝達率が高くなる。その熱伝達率を下面通板ガイド上水冷停止時熱伝達率αdc、Gとする。
一般に鋼板温度は板幅方向1点、例えば板幅方向中央の温度を式(1)により計算するが、熱延通板ガイド20を通過する幅方向位置の温度および熱延通板ガイド20を通過しない幅方向位置の温度を独立に計算することができる。制御装置31の温度履歴取得部50は、この計算を行うと共に、該計算結果から、熱延鋼板2の前述の温度差を算出する。制御装置31は、この算出した温度から、必要冷却範囲、具体的には、冷却を行う分割冷却面B4を決定する。
本実施形態の上側幅方向制御冷却装置16によれば、熱延鋼板2における熱延通板ガイド20上を通過する板幅方向部分と通過しない板幅方向部分とに生じる温度差を推定/算出し、推定/算出に基づいて熱延鋼板に基づいて上側幅方向制御冷却装置16による温度制御を行うことで、熱延鋼板2の板幅方向の温度を均一にすることができる。
なお、本実施形態において、第1の実施形態と同様に下流側温度測定装置30を設け、該下流側温度測定装置30の測定結果による三方弁27のフィードバック制御を行うようにしてもよい。
(第1〜第3実施形態の変形例)
以上の説明では、冷却水ノズル23は、フルコーンノズルであったが、0.3MPa程度の背圧が加えられるスプレーノズルであれば、フルコーンノズルに限らず、フラットスプレーノズル等の他のノズルであってもよい。
また、以上の説明では、全冷却領域B1における、通板ガイド領域A2すなわち中央帯B2を挟んだ一方と他方とで、別々の三方弁27を用い、個別に制御していたが、共通の三方弁27を用いても良い。
また、上側幅方向制御冷却装置16は主冷却装置15の下流側に配置されているが、上側幅方向制御冷却装置16の配置箇所はこの例に限定されない。
また、上記説明では、制御装置を用いて、分割冷却面へ冷却水を衝突させるように動作する切替装置の数を制御する形態を例示した。本発明は当該形態に限定されず、例えば、切替装置の数の制御に加えて、冷却水ノズルから噴射される冷却水の流量を制御する形態とすることも可能である。冷却水の流量は、流量調整弁を用いて制御することができる。この場合、流量調整弁は中間ヘッダーと切替装置との間に設けることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
以下、実施例と比較例に基づいて本発明の効果について説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。
<実施例>
効果の検証において、実施例では、図1の主冷却装置15、上側幅方向制御冷却装置16および調整用冷却装置17からなる冷却装置を用いてシミュレーション上で冷却した。また、比較例では、上側幅方向制御冷却装置16は有さず主冷却装置15と調整用冷却装置17からなる冷却装置を用いてシミュレーション上ではなく実際に冷却した。実施例及び比較例において、主冷却装置15での冷却は、主冷却装置15の上流側に設けられた不図示の温度センサでの測定結果に基づくフィードバック制御により行われ、調整用冷却装置17での冷却も同様に、調整用冷却装置17の上流側に設けられた不図示の温度センサでの測定結果に基づくフィードバック制御により行われた。
また、実施例および比較例では、鋼板板幅:1600mm、板厚:2.0mm、鋼板搬送速度:600mpm、冷却前の温度:900℃、目標巻取温度:550℃とし、熱延通板ガイド20の板幅方向の幅を330mmとした。
実施例にかかる上側幅方向制御冷却装置16の構造は、図12のものと同様とした。また、第1の幅分割冷却帯群B3と第2の幅冷却分割帯群B3を構成する幅分割冷却帯B3の数はそれぞれ4つとした。つまり、分割冷却面B4の板幅方向長さは、全冷却領域B1における通板ガイド領域A2すなわち中央帯B2を挟んだ一方と他方をそれぞれ4等分した長さとした。また、分割冷却面B4の鋼板搬送方向長さを鋼板搬送方向ロール間4ピッチ分とした。さらに、分割冷却面B4の鋼板搬送方向の数は3とした。つまり、分割冷却面B4は、全冷却領域B1における中央帯B2を挟んだ一方と他方にそれぞれ、4(板幅方向の数)×3(鋼板搬送方向の数)の12個設けられており、言い換えれば、全冷却領域B1における中央帯B2を挟んだ一方と他方にそれぞれ、冷却水ノズル23を有する冷却ユニットが4(板幅方向の数)×3(鋼板搬送方向の数)の12台設けられている。冷却水ノズル23の高さ、具体的には、熱延鋼板2の上面から冷却水ノズル23の先端までの高さは1.1mとした、冷却水ノズル23の傾き角度θを15°とした。また、第1の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23と、第2の幅周辺領域A3に対する冷却水ノズル23との、冷却水の干渉を避けるため、冷却水ノズル23からの冷却水衝突領域Rの中心の位置は、搬送ロール19の中心軸の直上からわずかに上流側または下流側へずらした。冷却水ノズル23としては、1本当たりの冷却水量が毎分180リットルのフルコーンノズルを用いた。冷却水ノズル23のピッチおよび冷却水衝突領域Rの板幅方向のピッチは200mmとした。分割冷却面B4それぞれに設けられた上述の冷却ユニット1台当たりの温度降下は約12℃である。
そして、実施例および比較例ではそれぞれ、1000本のコイルが作製されるよう冷却を行った。
図23は、実施例および比較例における、1000本のコイルのうちの1本の一部分について、熱延鋼板2の巻取温度の板幅方向の温度分布を示す図であり、図23(A)及び図23(B)はそれぞれ比較例及び実施例における上記温度分布を示している。なお、図において、狙い温度に比べた温度差が+20℃以内の分布を白、+20℃より大きく+40℃以内の部分を薄い灰色、+40℃より大きい部分を濃い灰色で示した。
なお、図に示した熱延鋼板2を冷却する際、実施例では、全冷却領域B1における中央帯B2を挟んだ一方と他方においてそれぞれ、板幅方向内側2台の上述の冷却ユニットは、鋼板搬送方向に並ぶ3台のうち2台が動作し、板幅方向外側2第の冷却ユニットは、鋼板搬送方向に並ぶ3台のうち3台全てが動作した。
図23(A)に示すように、比較例では、整備不良などの設備起因の温度偏差のため筋状の温度バラツキが発生しており、狙い温度に比べて高い部分が、熱延鋼板の板幅方向両端の領域に大きく存在する。さらに、図に示した熱延鋼板を冷却した際、比較例では標準温度偏差は25.7℃であった。比較例の標準温度偏差は赤外線温度画像測定装置により測定した結果から、鋼板の先端および尾端各100m(フリーテンション部を除くため)と、さらに板幅方向両端各50mmを除いた鋼板温度の全測定点から求めた。
一方、図23(B)に示すように、実施例では、狙い温度に比べて高い部分は比較例に比べて非常に小さくなっている。そして、図に示した熱延鋼板を冷却した際、実施例では標準温度偏差は16.5℃と非常に小さくなっていた。実施例の標準温度偏差は、鋼板の先端および尾端各100mと、さらに両端各50mmを除いた鋼板温度のシミュレーション結果から求めた。
また、巻取温度が目標温度から±40℃以上外れる部分がある熱延鋼板2を「不良」とするものとして、不良率を算出すると、該不良率は、比較例を1.00とした場合実施例では0.48となり比較例に比べて半減していた。
したがって、本発明によれば、仕上圧延後の冷却工程において搬送ロール19間の熱延通板ガイド20を保護冷却水で冷却する場合においても、熱延鋼板2の板幅方向の温度を均一にすることができることが分かった。
本発明は、熱延鋼板の冷却技術に有用である。
1 スラブ
2 熱延鋼板
2 中央帯
10 熱間圧延設備
11 加熱炉
12 幅方向圧延機
13 粗圧延機
14 仕上圧延機
15 主冷却装置
16 上側幅方向制御冷却装置
17 調整用冷却装置
18 巻取装置
19 搬送ロール
20 熱延通板ガイド
20a ノズル孔
21 ガイド冷却装置
22 保護冷却水ノズル
23 冷却水ノズル
23 スプレーノズル
24 中間ヘッダー
25 配管
26 給水ヘッダー
27 三方弁
28 排水ヘッダー
29 上流側温度測定装置
30 下流側温度測定装置
31 制御装置
40 水切りノズル
50 温度履歴取得部
A1 鋼板搬送領域
A2 通板ガイド領域
A3 幅周辺領域
B1 全冷却領域
B2 中央帯
B3 幅分割冷却帯
B4 分割冷却面
M 冷却水
鋼板搬送領域の上面の垂線
P1 噴射軸
Q 中心軸
R 冷却水衝突領域
S1 搬送方向下流側水切り水衝突領域
S2 幅方向内側水切り水衝突領域

Claims (14)

  1. 熱間圧延工程の仕上圧延後に、ロール間に通板ガイドが配置された搬送ロール上を搬送される熱延鋼板の上面を冷却する、熱延鋼板の冷却装置であって、
    鋼板搬送領域の上面に冷却水を噴射する複数の冷却水ノズルを有し、
    前記冷却水ノズルは、
    鋼板搬送領域の上面の冷却水衝突領域が、鋼板搬送方向視において前記通板ガイドと対向する幅中央部の通板ガイド領域を除いた幅周辺領域に位置し、平面視において前記搬送ロールの中心軸と重なる領域に形成されるように設けられ、かつ、
    前記冷却水ノズルの噴射軸が、当該冷却水ノズルから噴射され前記冷却水衝突領域に衝突した冷却水が板幅方向外側に向かうよう、鋼板搬送方向視において前記鋼板搬送領域の上面の垂線に対して傾けられて設けられることを特徴とする、熱延鋼板の冷却装置。
  2. 前記冷却水衝突領域の中心は、平面視において、前記搬送ロールの中心軸上に位置することを特徴とする、請求項1に記載の熱延鋼板の冷却装置。
  3. 板幅方向の一方の側の前記幅周辺領域内の前記冷却水衝突領域と他方の側の前記幅周辺領域内の前記冷却水衝突領域とが、鋼板搬送方向で交互に形成されるように前記冷却水ノズルが設けられることで、前記冷却水ノズルから噴射された冷却水相互の干渉を回避することを特徴とする、請求項1または2に記載の熱延鋼板の冷却装置。
  4. 前記鋼板搬送領域の上面における、前記冷却水衝突領域の各々の領域より搬送方向下流側の領域毎に、又は、前記冷却水衝突領域のうちの搬送方向最下流側の領域より搬送方向下流側の領域に、水切り水を噴射して搬送方向下流側水切り水衝突領域を形成する水切りノズルを有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱延鋼板の冷却装置。
  5. 前記鋼板搬送領域の上面における、前記冷却水衝突領域のうちの板幅方向最内側の領域と前記通板ガイド領域との間に、水切り水を噴射して幅方向内側水切り水衝突領域を形成する他の水切りノズルを有することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱延鋼板の冷却装置。
  6. 前記鋼板搬送領域の上面における、幅中央部の前記通板ガイド領域を除いた幅周辺領域と、鋼板搬送方向の所定長さとで画定される冷却領域を全冷却領域とし、
    前記全冷却領域を板幅方向で複数に分割して得られる冷却領域を幅分割冷却帯とし、
    前記幅分割冷却帯を鋼板搬送方向で複数に分割して得られる冷却領域を分割冷却面としたときに、
    前記分割冷却面それぞれに対し、その中に前記冷却水衝突領域を形成する前記冷却水ノズルが少なくとも1つ設けられ、
    当該冷却装置は、さらに、
    前記冷却水ノズルから噴射される冷却水の、前記分割冷却面への衝突および非衝突を切り替える切替装置と、
    前記鋼板搬送領域の幅中央部の前記通板ガイド領域と、前記幅周辺領域との板幅方向の温度差を検出するための情報を取得する温度差検出装置と、
    前記温度差検出装置での取得結果に基づいて、前記切替装置の動作を制御する制御装置と、
    が備えられることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱延鋼板の冷却装置。
  7. 前記全冷却領域における、前記通板ガイド領域を挟んだ一方と他方にそれぞれ前記幅分割冷却帯が1つ存在する場合には、
    前記一方および前記他方をそれぞれ第1の幅分割冷却帯および第2の幅分割冷却帯としたとき、前記第1の幅分割冷却帯に対する冷却と、前記第2の幅分割冷却帯に対する冷却とを個別に制御する冷却制御系を有し、
    前記一方と他方にそれぞれ前記幅分割冷却帯が複数存在する場合には、
    前記一方および前記他方をそれぞれ第1の幅分割冷却帯群および第2の幅分割冷却帯群としたとき、前記第1の幅分割冷却帯群および前記第2の幅分割冷却帯群を構成する前記幅分割冷却帯毎に冷却を制御する冷却制御系を有することを特徴とする、請求項6に記載の熱延鋼板の冷却装置。
  8. 前記温度差検出装置は、温度を測定する温度測定器を有することを特徴とする、請求項6または7に記載の熱延鋼板の冷却装置。
  9. 前記温度差検出装置は、当該冷却装置による冷却前までの前記熱延鋼板の温度履歴を取得し、
    前記制御装置は、前記熱延鋼板の温度履歴に基づいて、前記温度差を推定し、該推定された前記温度差に基づいて、前記切替装置の動作を制御することを特徴とする、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の熱延鋼板の冷却装置。
  10. 前記分割冷却面は、当該分割冷却面と板幅方向の位置が同じであり当該分割冷却面と鋼板搬送方向の位置が異なる前記分割冷却面と、鋼板搬送方向の長さが同じであることを特徴とする、請求項6乃至9のいずれか1項に記載の熱延鋼板の冷却装置。
  11. 前記分割冷却面は、当該分割冷却面と板幅方向の位置が同じであり当該分割冷却面と鋼板搬送方向の位置が異なる前記分割冷却面と、鋼板搬送方向の長さが異なる、ことを特徴とする、請求項6乃至9のいずれか1項に記載の熱延鋼板の冷却装置。
  12. 板幅方向における複数の前記冷却水ノズルの配置は、板幅方向に隣り合う前記冷却水ノズルおよび/または前記冷却水ノズルが形成する冷却水衝突領域の中心間距離がすべて等距離になるように配置されていることを特徴とする、請求項6乃至11のいずれか1項に記載の熱延鋼板の冷却装置。
  13. 熱間圧延工程の仕上圧延後に、ロール間に通板ガイドが配置された搬送ロール上を搬送される熱延鋼板の上面を冷却する、熱延鋼板の冷却装置を用いた熱延鋼板の冷却方法であって、
    鋼板上面に複数の冷却水ノズルから冷却水を噴射して形成される冷却水衝突領域が、鋼板搬送方向視において前記通板ガイドと対向する幅中央部の通板ガイド領域を除いた幅周辺領域に位置し、平面視において前記搬送ロールの中心軸と重なる領域に形成されるようにするとともに、
    前記冷却水ノズルの噴射軸が、鋼板搬送方向視において鋼板上面の垂線に対して傾けられて設けられるようにして、前記冷却水ノズルから噴射され前記冷却水衝突領域に衝突した冷却水が板幅方向外側に向かうようにして、前記通板ガイド領域を除いた幅周辺領域を冷却することを特徴とする、熱延鋼板の冷却方法。
  14. 鋼板上面における前記通板ガイド領域を除いた前記幅周辺領域と鋼板搬送方向の所定長さとで確定される冷却領域を全冷却領域とし、前記全冷却領域を板幅方向で複数に分割して得られる冷却領域を幅分割冷却帯とし、前記幅分割冷却帯を鋼板搬送方向で複数に分割して得られる冷却領域を分割冷却面としたときに、
    前記鋼板上面の幅中央部の前記通板ガイド領域の温度と、前記通板ガイド領域を除いた幅周辺領域の温度との板幅方向の温度差を検出し、
    該検出結果に基づいて前記分割冷却面毎に冷却水ノズルによる前記熱延鋼板への冷却水の衝突および非衝突を制御することを特徴とする、請求項13に記載の熱延鋼板の冷却方法。
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