JP5764935B2 - 厚鋼板のデスケーリング設備およびデスケーリング方法 - Google Patents

厚鋼板のデスケーリング設備およびデスケーリング方法 Download PDF

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Description

本発明は、厚鋼板のデスケーリング設備およびデスケーリング方法に関するものである。
厚鋼板を製造するプロセスでは、例えば図1に示すような製造設備(製造ライン)において、スラブを加熱炉1で加熱し、圧延機2で熱間圧延(粗圧延、仕上圧延)を行った後、加速冷却設備5で水冷または空冷を行って組織を制御している。水冷によって比較的低い温度、例えば450〜650℃程度に冷却すると、微細なフェライトやベイナイト組織が得られ、厚鋼板(以下、単に「鋼板」とも言う)の強度を確保できるので、スプレー冷却水やラミナー冷却水などによって鋼板を冷却する技術が一般的である。また、近年では、高い冷却速度を得て組織をより微細化し、鋼板の強度を上げる技術の開発が盛んである。
鋼板の冷却速度は、表面のスケール厚が厚いほど冷却速度が高くなることが知られている。したがって、特許文献1のように、仕上圧延後に、鋼板の矯正とデスケーリングを行ってスケールを一様に薄くしてから水冷することによって、鋼板面内の冷却速度をそろえ、均一な材質の製品を得ようとする技術がある。
また、鋼板幅方向(以下、単に「幅方向」ともいう)で均一なデスケーリングを行うために、特許文献1のように、デスケーリングノズル(以下、単に「ノズル」ともいう)から噴射される高圧水の流量を、幅方向の端部と中央部ともう一方の端部で異なる分布とすることで、スケール剥離不良をなくそうとする技術がある。
ちなみに、図1においては、圧延機2での熱間圧延後に鋼板の矯正とデスケーリングを行うために、プリレベラ(第1熱間矯正機)3とデスケーリング設備4が設置されている。また、加速冷却設備5での冷却後に鋼板の矯正を行うために、ホットレベラ(第2熱間矯正機)6が設置されている。
特開2006−247714号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような従来技術には、鋼板表裏全面にわたるデスケーリングを必ずしも適切に行えないという問題がある。
すなわち、特許文献1においては、パスライン上の鋼板に対して、各デスケーリングノズルの噴射範囲(噴射領域、衝突領域)が隣り合うデスケーリングノズルの噴射範囲(噴射領域、衝突領域)と幅方向で10%程度ラップするようになっているが、鋼板が反った場合は、パスラインから離れた鋼板に対して、各デスケーリングノズルの衝突領域が幅方向でラップしなくなり、均一なデスケーリングができなくなるという問題がある。
つまり、図2(a)に示すように、鋼板10が全く平坦で、パスライン上に位置している鋼板10aであれば、その鋼板10(10a)に対して各デスケーリングノズル(上デスケーリングノズル12、下デスケーリングノズル14)からの噴射水(デスケーリング水)の衝突領域が幅方向で全てラップし(ラップ部15)、均一なデスケーリングができる。しかし、例えば、図2(b)に示すように、鋼板10が上反り(反り量δ)をした場合、パスラインから上方に離れた部分の鋼板10(10b)の上面側のデスケーリングノズル12と鋼板10bの上面との距離が短くなって、上デスケーリングノズル12からの噴射水(デスケーリング水)が衝突しない部分(非衝突部16)が幅方向の一部にできてしまい、均一なデスケーリングができなくなる。鋼板10の形状が悪い場合も同様で、デスケーリングノズル12、14の噴射距離が短くなると、均一なデスケーリングができなくなる。
このようにして均一なデスケーリングができなくなると、均一な冷却ができなくなるから、鋼板面内で温度むらが大きくなって、材質が大きくばらつくという問題が生じる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、熱間圧延後の厚鋼板のデスケーリングを行うに際して、厚鋼板に反りが生じている場合であっても、厚鋼板の幅方向全面にわたりデスケーリングを行うことができ、均一な冷却を行って材質ばらつきの小さい厚鋼板を製造可能にする厚鋼板のデスケーリング設備およびデスケーリング方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有している。
[1]熱間圧延後の厚鋼板のデスケーリング設備であって、前記デスケーリング設備を構成するヘッダの幅方向のノズルピッチLpが、
Lw/2<Lp≦Lw(H−δ)/H
を満たすことを特徴とする厚鋼板のデスケーリング設備。
ここで、Lw:パスラインにある厚鋼板に対するノズル1個当たりの厚鋼板幅方向の衝突領域幅、H:パスラインにある厚鋼板からノズル先端までの高さ、δ:厚鋼板に発生する最大反り量
[2]熱間圧延後の厚鋼板のデスケーリング設備であって、前記デスケーリング設備を構成するヘッダが搬送方向に2本以上並べて配置され、各ヘッダの幅方向のノズルピッチLpが、
n・Lw/2<Lp≦n・Lw(H−δ)/H
を満たすことを特徴とする厚鋼板のデスケーリング設備。
ここで、n:搬送方向のヘッダ本数、Lw:パスラインにある厚鋼板に対するノズル1個当たりの厚鋼板幅方向の衝突領域幅、H:パスラインにある厚鋼板からノズル先端までの高さ、δ:厚鋼板に発生する最大反り量
[3]各ノズルの衝突領域が、厚鋼板搬送方向に対して90°をなして形成されることを特徴とする前記[2]に記載の厚鋼板のデスケーリング設備。
[4]前記デスケーリング設備は、熱間矯正機よりも厚鋼板搬送方向下流側でかつ、加速冷却設備の厚鋼板搬送方向上流側にあることを特徴とする前記[1]乃至[3]のいずれかに記載の厚鋼板のデスケーリング設備。
[5]熱間圧延後の厚鋼板のデスケーリング方法であって、厚鋼板に発生する最大反り量δを予め定めておき、デスケーリング設備を構成するヘッダの幅方向のノズルピッチLpを、
Lw/2<Lp≦Lw(H−δ)/H
を満たすようにすることを特徴とする厚鋼板のデスケーリング方法。
ここで、Lw:パスラインにある厚鋼板に対するノズル1個当たりの厚鋼板幅方向の衝突領域幅、H:パスラインにある厚鋼板からノズル先端までの高さ
[6]熱間圧延後の厚鋼板のデスケーリング方法であって、厚鋼板に発生する最大反り量δを予め定めておき、デスケーリング設備を構成するヘッダを厚鋼板搬送方向に2本以上並べて配置し、各ヘッダの幅方向のノズルピッチLpを、
n・Lw/2<Lp≦n・Lw(H−δ)/H
を満たすようにすることを特徴とする厚鋼板のデスケーリング方法。
ここで、n:厚鋼板搬送方向のヘッダ本数、Lw:パスラインにある厚鋼板に対するノズル1個当たりの厚鋼板幅方向の衝突領域幅、H:パスラインにある厚鋼板からノズル先端までの高さ
[7]各ノズルの衝突領域を、厚鋼板搬送方向に対して90°をなして形成することを特徴とする前記[6]に記載の厚鋼板のデスケーリング方法。
[8]前記デスケーリング設備を、熱間矯正機よりも厚鋼板搬送方向下流側でかつ、加速冷却設備の上流側に設置することを特徴とする前記[5]乃至[7]のいずれかに記載の厚鋼板のデスケーリング方法。
本発明を用いることにより、熱間圧延後の厚鋼板のデスケーリングを行うに際して、厚鋼板に反りが発生している場合であっても、厚鋼板の全面にわたって均一なデスケーリングを行うことができる。これによって、厚鋼板全面の均一な冷却を行うことができ、材質のばらつきの小さい厚鋼板を製造することができる。
本発明の実施形態における厚鋼板のデスケーリング設備とそれを含む厚鋼板の製造設備を表す図である。 鋼板の高さ変化があった場合に、デスケーリングの非衝突部が生じる状態を表す図である。 本発明の実施形態1における厚鋼板のデスケーリング設備を表す側面図である(デスケーリングヘッダを1本配置)。 本発明の実施形態1におけるデスケーリングノズルの噴射状態を表す図である。 本発明の実施形態1におけるデスケーリングノズルの噴射状態を表す図である。 本発明の実施形態2における厚鋼板のデスケーリング設備を表す側面図である(デスケーリングヘッダを2本配置)。 本発明の実施形態2におけるデスケーリングノズルの噴射状態を表す図である。 本発明の実施形態2におけるデスケーリングノズルからの噴射領域を表す上面図である。 本発明の実施形態2におけるデスケーリングノズルからの噴射状態を表す側面図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の実施形態では、前述の図1に示した厚鋼板を製造するプロセス(厚鋼板の製造ライン)において、熱間圧延後の厚鋼板のデスケーリングを行う。
すなわち、この実施形態では、図1に示すような製造設備(製造ライン)において、スラブを加熱炉1で加熱し、圧延機2で熱間圧延(粗圧延、仕上圧延)を行った後、加速冷却設備5で水冷または空冷を行って組織を制御しているが、その際に、圧延機2で熱間圧延された鋼板をプリレベラ(第1熱間矯正機)3で矯正し、デスケーリング設備4でデスケーリングを行うようにしている。また、加速冷却設備5で冷却後の鋼板をホットレベラ(第2熱間矯正機)6で矯正するようにしているが、本発明は、加速冷却設備5の形式や、ホットレベラ(第2熱間矯正機)6の有無に限定されるものではない。
そして、まず、本発明の実施形態1として、デスケーリング設備4において、鋼板の搬送方向にデスケーリングヘッダが1本設置されている場合について述べる。次に、本発明の実施形態2として、デスケーリング設備4において、鋼板の搬送方向にデスケーリングヘッダが2本(2列)以上設置されている場合について述べる。
[実施形態1]
図3は、本発明の実施形態1における厚鋼板のデスケーリング設備の側面図を示すものである。
図3に示すように、この実施形態1では、加速冷却設備5の鋼板搬送方向上流側に設置されているデスケーリング設備4において、鋼板10の搬送方向に1本のデスケーリングヘッダ(上デスケーリングヘッダ11、下デスケーリングヘッダ13)が設けられている。そして、上デスケーリングヘッダ11には上デスケーリングノズル12が取り付けられており、下デスケーリングヘッダ13には下デスケーリングノズル14が取り付けられている。
なお、加速冷却設備5は、上面ラミナー冷却ヘッダ21、上ラミナーノズル22、下面ラミナー冷却ヘッダ23、下ラミナーノズル24、水切りロール26を備えている。図3中の25は滞留冷却水、31はテーブルローラーである。
その上で、この実施形態1においては、上デスケーリングヘッダ11における上デスケーリングノズル12の幅方向ピッチLpが、以下の(1)式を満たすようになっている。
Lw/2<Lp≦Lw(H−δ)/H ・・・(1)
ここで、Lwはパスラインにある鋼板に対するデスケーリングノズル1本(1個)当たりの鋼板幅方向の噴射領域幅(衝突領域幅)、Hは鋼板の反りがない場合の噴射高さ(パスラインにある鋼板からデスケーリングノズル先端までの高さ)、δは鋼板の最大反り量である。
このように、この実施形態1においては、図4(a)に正面図、図4(b)に上面図を示すように、鋼板10が上に反って、その上に反った部分の鋼板10bに対する上デスケーリングノズル12の噴射高さがHからH−δに短くなった場合、上デスケーリングノズル12の幅方向の衝突領域幅がLwからLw(H−δ)/Hに縮小するのに対応できるように、上デスケーリングヘッダ11におけるノズルピッチLpをLw(H−δ)/H以下にすることで、鋼板10が反ったときにも、図2(b)に示したような非衝突部16を生じることがなくなる。
ただし、図5(a)に正面図、図5(b)に上面図を示すように、ノズルピッチLpがLw/2以下であると、鋼板10の反りがない場合、その鋼板10aに対して鋼板幅方向全体でラップすることになり、隣り合う上デスケーリングノズル12の噴射水に干渉されるだけでなく、使用水量も増大し、設備コストが高くなって問題である。したがって、ラップする領域(ラップ部15)が鋼板幅方向全体にならないように、ノズルピッチLpをLw/2超えにしている。
なお、実施形態1では、ヘッダが1本設置されている場合について述べたが、前記(1)式を満たすノズルピッチを有するヘッダを2本以上設置してもよい。
[実施形態2]
図6は、本発明の実施形態2における厚鋼板のデスケーリング設備の側面図を示すものである。
図6に示すように、この実施形態2では、加速冷却設備5の鋼板搬送方向上流側に設置されているデスケーリング設備4において、鋼板10の搬送方向に2本(2列)のデスケーリングヘッダ(上デスケーリングヘッダ11a、11b、下デスケーリングヘッダ13a、13b)が設けられている。そして、上デスケーリングヘッダ11a、11bにはそれぞれ上デスケーリングノズル12a、12bが取り付けられており、下デスケーリングヘッダ13a、13bにはそれぞれ下デスケーリングノズル14a、14bが取り付けられている。
ちなみに、図6では、鋼板10の搬送方向に2本のデスケーリングヘッダを設けているが、鋼板10の搬送方向に3本以上のデスケーリングヘッダを設けてもよい。
なお、実施形態1と同様に、加速冷却設備5は、上面ラミナー冷却ヘッダ21、上ラミナーノズル22、下面ラミナー冷却ヘッダ23、下ラミナーノズル24、水切りロール26を備えている。図6中の25は滞留冷却水、31はテーブルローラーである。
その上で、この実施形態2においては、それぞれの上デスケーリングヘッダ11a、11bにおける上デスケーリングノズル12a、12bの幅方向ピッチLpが、以下の(2)式を満たすようになっている。
n・Lw/2<Lp≦n・Lw(H−δ)/H ・・・(2)
ここで、Lwはパスラインにある鋼板に対するデスケーリングノズル1本(1個)当たりの鋼板幅方向の噴射領域幅(衝突領域幅)、Hは鋼板の反りがない場合の噴射高さ(パスラインにある鋼板からデスケーリングノズル先端までの高さ)、δは鋼板の最大反り量、nは鋼板搬送方向のデスケーリングヘッダ本数(ここでは、n=2)である。
その際に、この実施形態2においては、図7(a)に正面図、図7(b)に上面図を示すように、上デスケーリングヘッダ11a、11bの2本を配置した場合に、上デスケーリングノズル12aからの噴射パターン(衝突領域)12Aと上デスケーリングノズル12bからの噴射パターン(衝突領域)12Bが千鳥になるように配置されている。
このようにして、この実施形態2においては、図7に示すように、鋼板10が上に反って、その上に反った部分の鋼板10bに対する上デスケーリングノズル12a、12bの噴射高さがHからH−δに短くなった場合、上デスケーリングノズル12a、12bの幅方向の衝突領域幅がLwからLw(H−δ)/Hに縮小するのに対応できるように、それぞれの上デスケーリングヘッダ11a、11bにおけるノズルピッチLpを2・Lw(H−δ)/H以下にすることで、デスケーリング装置4全体でみたときのノズルピッチLp/2がLw(H−δ)/H以下となり、鋼板10が反ったときにも、その反った部分の鋼板10bの幅方向で非衝突部を生じることがなくなる。
また、それぞれの上デスケーリングヘッダ11a、11bにおけるノズルピッチLpが、パスラインにある鋼板に対するデスケーリングノズル1個当たりの幅方向の噴射領域幅Lwより大きいと、鋼板10の反りがない場合、噴射領域を搬送方向に対して90°の角度をなして、ノズル12a、12bを設置しても、隣り合うノズルの噴射水が空中でぶつかることなく鋼板10に到達することができ、隣り合うノズルの噴射水に干渉されることなくデスケーリングできる。
一方、ノズルピッチLpがn・Lw/2以下であると、鋼板10の反りがない場合、デスケーリングヘッダ1列で鋼板全幅にデスケーリング水が噴射されることになり、隣り合うデスケーリングノズルの噴射水に干渉されるだけでなく、使用水量も増大し、設備コストが高くなって問題である。したがって、ノズルピッチLpをn・Lw/2超えにしている。
なお、実施形態1においては、隣り合うデスケーリングノズルからの噴射水が衝突しないように、デスケーリングノズルからの噴射領域が鋼板搬送方向に対して、θ=75〜85°の角度をなして形成されるのがよい。一方、実施形態2の場合には、図8に示すように、各デスケーリングヘッダの隣り合うデスケーリングノズルからの噴射水によるラップや干渉がないため、θ=75〜90°の角度をなして形成されるのがよく、θ=90°が最もよい。
また、実施形態2においては、図9に示すように、デスケーリング水は、鋼板搬送方向に対向するように鉛直下向きよりφ=5°〜15°の角度をなして噴射することが良い。角度φが5°より小さいと、2本目の上デスケーリングヘッダ11bの噴射水(デスケーリング水)のバックフローが多く、搬送方向下流側の水切りロール26でスケールが噛み込み、鋼板10や水切りロール26に疵をつけるという問題が発生する恐れがある。一方、角度φが15°より大きいと、噴射距離が長くなって、衝突圧が低下するだけでなく、1本目の上デスケーリングヘッダ11aの噴射水(デスケーリング水)のバックフローが小さくなりすぎて、2本目の上デスケーリングヘッダ11bの噴射水の干渉を受けやすくなってしまい、デスケーリング性能が著しく低下する。
なお、実施形態1、2においては、デスケーリングノズルの幅方向ピッチは、必ずしも鋼板10の上面側と下面側で同じにする必要はない。例えば、製造ラインの特性として鋼板10が上に反る傾向が強ければ、上面側のデスケーリングノズルのピッチを下面側のデスケーリングノズルのピッチよりも小さくしておけばよい。
また、実施形態1、2においては、プリレベラ(第1熱間矯正機)3で鋼板10の反りや形状をある程度矯正してから、デスケーリング設備4でデスケーリングを行うことが好ましい。あらかじめ、プリレベラ(第1熱間矯正機)3で熱間矯正後の反り量を把握しておき、その反り量に応じたノズルピッチとすることで、デスケーリングノズルからの噴射領域(衝突領域)を幅方向で完全にラップさせることができるからである。
また、実施形態1、2においては、デスケーリングヘッダが幅方向に複数分割して配置されていてもよい。例えば、板幅方向中央に噴射幅が狭いデスケーリングヘッダを配置し、その両外側に広幅鋼板用のデスケーリングヘッダを配置するなどしてもよい。
本発明の実施例を述べる。
この実施例では、図1に示した厚鋼板の製造設備において、加熱炉1から抽出されたスラブを、圧延機2によって熱間圧延(粗圧延、次いで仕上圧延)を行った。製品鋼板の板厚は20mm、板幅は3.2mであり、目標とする強度は590MPa以上であった。圧延機2での仕上圧延の後、プリレベラ(第1熱間矯正機)3によって形状を矯正した後、デスケーリング設備4によってデスケーリングを行った。
その際に、パスラインにある鋼板とデスケーリングノズルとの距離は90mmとし、噴射領域が搬送方向に対してなす角θを90°とした時に、パスラインにある鋼板に対する幅方向の噴射領域幅Lwは80mmであり、鋼板10表面での衝突圧は1.5MPaであった。
そして、先端の反り量がそれぞれ0mm、10mm、20mm、30mmであった鋼板A、B、C、Dに対してデスケーリング設備4によってデスケーリングを行った後、加速冷却設備5によって、Ar3変態点以上の温度から、板厚方向の平均温度が500℃になるまで加速冷却を行った。
表1に、実施した条件と結果を示す。
まず、比較例1として、図3に示したような、搬送方向にデスケーリングヘッダが1本設置されているデスケーリング設備を用いてデスケーリングを行う際に、噴射領域を幅方向にラップさせるために、噴射領域が搬送方向に対してなす角θを75°とし、パスラインにある鋼板に対する幅方向の噴射領域幅Lwは77.2mmとなり、ノズルピッチLpを70mmとした。
その結果、比較例1では、前記(1)式を満足せず、反りがある鋼板B、鋼板C、鋼板Dについては、噴射領域が幅方向でラップせず、一部でスケール残りがあった。このため、加速冷却で温度むらが発生し、得られた厚鋼板の幅方向の強度のばらつきは60MPaと大きかった。
また、比較例2として、図6に示したような、搬送方向にデスケーリングヘッダが2本設置されているデスケーリング設備を用いてデスケーリングを行う際に、噴射領域が搬送方向に対してなす角θを90°とし、パスラインにある鋼板に対する幅方向の噴射領域幅Lwは80mmとなり、ノズルピッチLpを120mmとした。なお、両デスケーリングヘッダから噴射したデスケーリング水の鋼板への衝突位置が搬送方向に700mm離れるようにした。
その結果、比較例2では、前記(2)式を満足せず、反り量が30mmある鋼板Dについては、噴射領域が幅方向でラップせず、一部でスケール残りがあった。このため、加速冷却で温度むらが発生し、得られた厚鋼板の幅方向の強度のばらつきは60MPaと大きかった。
これに対して、本発明例1として、上記の本発明の実施形態1に基づいてデスケーリングを行った。すなわち、図3に示したような、搬送方向にデスケーリングヘッダが1本設置されているデスケーリング設備を用いてデスケーリングを行う際に、噴射領域を幅方向にラップさせるために、噴射領域が搬送方向に対してなす角θを75°とし、パスラインにある鋼板に対する幅方向の噴射領域幅Lwは77.2mmとなり、前記(1)式を満足するように、ノズルピッチLpを50mmとした。
その結果、本発明例1では、鋼板A〜Dの全てについて、噴射領域が幅方向でラップして、全面で均一な冷却を行うことができた。このため、500℃まで加速冷却しても得られた厚鋼板の幅方向の強度のばらつきが30MPaと小さかった。
また、本発明例2として、上記の本発明の実施形態2に基づいてデスケーリングを行った。すなわち、図6に示したような、搬送方向にデスケーリングヘッダが2本設置されているデスケーリング設備を用いてデスケーリングを行う際に、噴射領域が搬送方向に対してなす角θを90°とし、パスラインにある鋼板に対する幅方向の噴射領域幅Lwは80mmとなり、前記(2)式を満足するように、ノズルピッチLpを100mmとした。なお、両デスケーリングヘッダから噴射したデスケーリング水の鋼板への衝突位置が搬送方向に700mm離れるようにした。
その結果、本発明例2では、鋼板A〜Dの全てについて、噴射領域が幅方向でラップして、全面で均一な冷却を行うことができた。このため、500℃まで加速冷却しても得られた厚鋼板の幅方向の強度のばらつきが20MPaと小さかった。
Figure 0005764935
以上の結果より、厚鋼板に発生する最大反り量を予め把握しておき、前記(1)式または(2)式を満足するようにデスケーリングヘッダの幅方向のノズルピッチを定めることにより、鋼板に反りが発生した場合であっても厚鋼板の全面にわたって均一なデスケーリングを行うことができることがわかり、これによって、本発明の有効性が確認された。
1 加熱炉
2 圧延機
3 プリレベラ(第1熱間矯正機)
4 デスケーリング設備
5 加速冷却設備
6 ホットレベラ(第2熱間矯正機)
10 鋼板(厚鋼板)
10a パスラインにある鋼板
10b パスラインから上方に離れた部分の鋼板
11 上デスケーリングヘッダ
11a 1列目(1本目)の上デスケーリングヘッダ
11b 2列目(2本目)の上デスケーリングヘッダ
12 上デスケーリングノズル
12a 1列目(1本目)の上デスケーリングノズル
12b 2列目(2本目)の上デスケーリングノズル
12A 1列目(1本目)の上デスケーリングノズルの衝突領域
12B 2列目(2本目)の上デスケーリングノズルの衝突領域
13 下デスケーリングヘッダ
13a 1列目の下デスケーリングヘッダ
13b 2列目の下デスケーリングヘッダ
14 下デスケーリングノズル
14a 1列目の下デスケーリングノズル
14b 2列目の下デスケーリングノズル
15 ラップ部
16 非衝突部
21 上面ラミナー冷却ヘッダ
22 上ラミナーノズル
23 下面ラミナー冷却ヘッダ
24 下ラミナーノズル
25 滞留冷却水
26 水切りロール
31 テーブルローラー

Claims (10)

  1. 熱間圧延後の厚鋼板のデスケーリング設備であって、デスケーリング直前の厚鋼板に発生する最大反り量δを予め定めておき、デスケーリング直前の厚鋼板に発生する反りが上反りである場合に、前記デスケーリング設備を構成するヘッダの幅方向のノズルピッチLpが、
    Lw/2<Lp≦Lw(H−δ)/H
    を満たすことを特徴とする厚鋼板のデスケーリング設備。
    ここで、Lw:パスラインにある厚鋼板に対するノズル1個当たりの厚鋼板幅方向の衝突領域幅、H:パスラインにある厚鋼板からノズル先端までの高さ、δ:デスケーリング直前の厚鋼板に発生する最大反り量(ただし、δは0ではない)
  2. 熱間圧延後の厚鋼板のデスケーリング設備であって、デスケーリング直前の厚鋼板に発生する最大反り量δを予め定めておき、前記デスケーリング設備を構成するヘッダが搬送方向に2本以上並べて配置され、
    隣接する一方の上ヘッダのデスケーリング水の幅方向に並んだ噴射パターンと、他方の上ヘッダのデスケーリング水の幅方向に並んだ噴射パターンとが、搬送方向に並ぶことにより噴射パターンが千鳥になるように配置され、
    デスケーリング直前の厚鋼板に発生する反りが上反りである場合に、前記デスケーリング設備を構成するヘッダの幅方向のノズルピッチLpが、
    n・Lw/2<Lp≦n・Lw(H−δ)/H
    を満たすことを特徴とする厚鋼板のデスケーリング設備。
    ここで、n:搬送方向のヘッダ本数、Lw:パスラインにある厚鋼板に対するノズル1個当たりの厚鋼板幅方向の衝突領域幅、H:パスラインにある厚鋼板からノズル先端までの高さ、δ:デスケーリング直前の厚鋼板に発生する最大反り量(ただし、δは0ではない)
  3. 各ノズルの衝突領域が、厚鋼板搬送方向に対して90°をなして形成されることを特徴とする請求項2に記載の厚鋼板のデスケーリング設備。
  4. 前記デスケーリング設備は、熱間矯正機よりも厚鋼板搬送方向下流側でかつ、加速冷却設備の厚鋼板搬送方向上流側にあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の厚鋼板のデスケーリング設備。
  5. デスケーリング直前の厚鋼板に発生する最大反り量δが10mm以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の厚鋼板のデスケーリング設備。
  6. 熱間圧延後の厚鋼板のデスケーリング方法であって、デスケーリング直前の厚鋼板に発生する最大反り量δを予め定めておき、
    デスケーリング直前の厚鋼板に発生する反りが上反りである場合に、前記デスケーリング設備を構成するヘッダの幅方向のノズルピッチLpを、
    Lw/2<Lp≦Lw(H−δ)/H
    を満たすようにすることを特徴とする厚鋼板のデスケーリング方法。
    ここで、Lw:パスラインにある厚鋼板に対するノズル1個当たりの厚鋼板幅方向の衝突領域幅、H:パスラインにある厚鋼板からノズル先端までの高さ、δ:デスケーリング直前の厚鋼板に発生する最大反り量(ただし、δは0ではない)
  7. 熱間圧延後の厚鋼板のデスケーリング方法であって、デスケーリング直前の厚鋼板に発生する最大反り量δを予め定めておき、デスケーリング設備を構成するヘッダを厚鋼板搬送方向に2本以上並べて配置し、
    隣接する一方の上ヘッダのデスケーリング水の幅方向に並んだ噴射パターンと、他方の上ヘッダのデスケーリング水の幅方向に並んだ噴射パターンとが、搬送方向に並ぶことにより噴射パターンが千鳥になるように配置され、
    デスケーリング直前の厚鋼板に発生する反りが上反りである場合には、前記デスケーリング設備を構成するヘッダの幅方向のノズルピッチLpを、
    n・Lw/2<Lp≦n・Lw(H−δ)/H
    を満たすようにすることを特徴とする厚鋼板のデスケーリング方法。
    ここで、n:厚鋼板搬送方向のヘッダ本数、Lw:パスラインにある厚鋼板に対するノズル1個当たりの厚鋼板幅方向の衝突領域幅、H:パスラインにある厚鋼板からノズル先端までの高さ、δ:デスケーリング直前の厚鋼板に発生する最大反り量(ただし、δは0ではない)
  8. 各ノズルの衝突領域を、厚鋼板搬送方向に対して90°をなして形成することを特徴とする請求項7に記載の厚鋼板のデスケーリング方法。
  9. 前記デスケーリング設備を、熱間矯正機よりも厚鋼板搬送方向下流側でかつ、加速冷却設備の厚鋼板搬送方向上流側に設置することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の厚鋼板のデスケーリング方法。
  10. デスケーリング直前の厚鋼板に発生する最大反り量δが10mm以上であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の厚鋼板のデスケーリング方法。
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