JP5614040B2 - 厚鋼板の製造設備及び製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、厚鋼板の熱間圧延、形状矯正制御及び冷却制御を行う厚鋼板の製造設備及び製造方法に関する。
近年、厚鋼板の製造プロセスとして冷却制御の適用が拡大している。しかしながら、一般に熱間厚鋼板は、形状、表面性状などが必ずしも均一でないため、冷却中に厚鋼板内に温度ムラが発生しやすく、冷却後の厚鋼板に変形、残留応力、材質不均一などが生じることで、品質不良や操業上のトラブルを招いている。
そこで、特許文献1では、仕上げ圧延の最終パスの直前および直後の少なくとも一方でデスケーリングを行い、続いて熱間矯正を行い、その後にデスケーリングを行い、強制冷却を開始する方法が開示されている。
また、特許文献2では、仕上げ圧延、熱間矯正を行い、制御冷却の直前にデスケーリングを行い、制御冷却を行う方法が開示されている。
特開平9−57327号公報 特許第3796133号
しかし、上記特許文献1,2の方法で実際に厚鋼板を製造すると、デスケーリングにおいてスケールが完全には剥離せず、むしろデスケーリングによりスケールむらを発生させてしまい、表面性状不良となってしまう場合がある。すなわち、特許文献1,2には、デスケーリングにおける冷却水の厚鋼板表面への衝突圧力についての記載はないが、特許文献1,2に記載のノズルからの噴射圧力や噴射距離、さらには一般的なノズルの種類から導き出される衝突圧力では、特許文献1で0.08〜1.00MPa、特許文献2で0.06〜0.08MPa程度と予測され、冷却水の衝突圧力が低く、均一にデスケーリングできるほどの能力はない。その結果、スケールの剥離の有無部分で、表面性状が異なるため、制御冷却時に均一な冷却を行なえないという問題点がある。
特に近年、厚鋼板に要求される材質均一性のレベルは厳しくなっており、上記のようなスケールむらによって生じる制御冷却時の冷却速度の不均一が、特に厚鋼板幅方向の材質均一性へ与える悪影響を無視できなくなってきている。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、デスケーリング工程において均一なデスケーリングを行い、冷却工程で均一な冷却を図ることにより、鋼板形状および機械特性に優れた厚鋼板の製造設備及び製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る厚鋼板の製造設備は、熱間圧延機、形状矯正装置、デスケーリング装置及び冷却装置をこの順序で搬送方向上流側から配置し、前記デスケーリング装置が厚鋼板の表面に向けて噴射する冷却水の衝突圧力P[MPa]を1.5以上とした。
本願発明者等は、高圧水によりスケール剥離を起こす力について鋭意検討したところ、熱間形状矯正後にデスケーリングを行なう場合には、図5に示すように、デスケーリング装置から厚鋼板に噴射する冷却水の衝突圧力が1.5MPa以上であれば、製品スケール厚みが減少し、均一化することを明らかにした。高衝突圧のデスケーリングにより一旦スケールが均一に完全剥離し、その後、スケールが薄く均一に再生成したためである。したがって、この発明によると、冷却装置を通過する前の厚鋼板のスケール厚みが薄く均一になるので、冷却装置を通過するときに、厚鋼板の幅方向位置の表面温度のバラツキが殆ど無く均一に冷却することができ、鋼板形状、機械特性に優れた厚鋼板となる。
また、形状矯正装置で厚鋼板の形状矯正をした後に、デスケーリング装置で厚鋼板の表面に発生したスケールを除去することで、デスケーリング装置の噴射ノズルを、形状矯正した厚鋼板の表面に近づけることが可能となり、デスケーリング能力が向上する。あるいは、所定の衝突圧力を得るためのデスケーリング装置の冷却水を噴射する能力を低く設定することが可能となる。
また、本発明に係る厚鋼板の製造設備は、前記デスケーリング装置から前記冷却装置までの搬送速度をV[m/s]、冷却前の厚鋼板温度をT[K]とすると、前記デスケーリング装置から前記冷却装置までの距離L[m]は、L ≦ V×5.6×10 −10 ×exp(25000/T)の式を満たしていることが好ましい。この発明によると、冷却装置による厚鋼板の冷却を安定させることが可能となる。
また、本発明に係る厚鋼板の製造設備は、前記デスケーリング装置から前記冷却装置までの距離Lが12m以下となるように各装置を配置することが好ましい。この発明によると、冷却装置による厚鋼板の冷却が非常に安定する。
また、本発明に係る厚鋼板の製造設備は、前記デスケーリング装置の噴射ノズルから前記厚鋼板の表面までの距離Hが、40mm以上で140mm以下とすることが好ましい。この発明によると、所定の衝突圧力を得るためのデスケーリング装置の噴射圧力、噴射流量などが小さくてデスケーリング装置のポンプ能力の低減化を図ることができる。
また、本発明に係る厚鋼板の製造設備は、前記冷却装置が、前記厚鋼板の上面に冷却水を供給するヘッダと、該ヘッダから懸垂した棒状冷却水を噴射する冷却水噴射ノズルと、前記厚鋼板と前記ヘッダとの間に設置される隔壁とを備えるとともに、前記隔壁には、前記冷却水噴射ノズルの下端部を内挿する給水口と、前記厚鋼板の上面に供給された冷却水を前記隔壁上へ排水する排水口とが、多数設けられていることが好ましい。
この発明によると、冷却水噴射ノズルから給水口を介して供給された冷却水が、厚鋼板の上面を冷却して高温の排水となって排水口から隔壁の上方に流れていき、冷却後の排水が厚鋼板から速やかに排除されるようになっているので、冷却装置の十分且つ幅方向均一な冷却能力を得ることができる。
また、本発明に係る厚鋼板の製造方法は、熱間圧延工程、熱間矯正工程及び冷却工程の順番で厚鋼板を製造する方法において、前記熱間矯正工程及び冷却工程の間に、厚鋼板の表面に衝突圧力1.5MPa以上の冷却水を噴射するデスケーリング工程を行なうようにした。
この発明によると、冷却工程を行なう前の厚鋼板のスケール厚みが薄く均一になるので、冷却工程を行なう際に、厚鋼板の幅方向位置の表面温度のバラツキが殆ど無く均一に冷却することができ、鋼板形状、機械特性に優れた厚鋼板を製造することができる。
さらに、本発明に係る厚鋼板の製造方法は、冷却前の厚鋼板温度をT[K]とすると、前記デスケーリング工程の完了から前記冷却工程の開始までの時間t[s]は、t ≦ 5.6 × 10 −10 × exp(25000/T)の式を満たしていることが好ましい。この発明によると、冷却工程による厚鋼板の冷却を安定させることが可能となる。
本発明に係る厚鋼板の製造設備及び製造方法によると、デスケーリング工程において均一なデスケーリングを行なうことができ、また、冷却工程で均一な冷却を図ることにより、鋼板形状および機械特性に優れた厚鋼板を製造することができる。
本発明に係る熱間圧延設備の概要を示す図である。 本発明に係る熱間圧延設備を構成する冷却装置の一例を示す図である。 冷却装置を構成する隔壁を示す図である。 冷却装置の冷却水及び排水の流れを示す図である。 デスケーリング装置の冷却水の衝突圧力と厚鋼板の製品表面に発生するスケール厚みの関係を示すグラフである。 本発明における冷却工程時の厚鋼板の幅方向位置と温度との関係を示すグラフである。 冷却工程の前にデスケーリング工程を備えていない従来設備における冷却工程時の厚鋼板の幅方向位置と温度との関係を示すグラフである。 デスケーリング装置の噴射流量、ノズル噴射角、ノズル迎え角を一定の値に設定し、1.5MPaの衝突圧力を達成するための噴射圧力と噴射距離との関係を示したグラフである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態に係る熱間圧延設備は、図1に示すように、厚鋼板1の搬送方向上流側から順に、加熱炉2、熱間圧延機3、第1の形状矯正装置5、デスケーリング装置4、冷却装置6、第2の形状矯正装置7が設置されている。
加熱炉2から抽出されたスラブは、熱間圧延機3を複数回通板することで所定板厚の厚鋼板1に圧延され、熱間圧延成形された厚鋼板1はテーブルローラ(不図示)上を上流側から下流側の第1の形状矯正装置5に向けて搬送される。熱間圧延機3は1機のみ図示しているが、粗圧延機、仕上げ圧延機で構成してもよい。
第1の形状矯正装置5は、熱間圧延中に厚鋼板1に発生した歪の形状矯正をするものであり、上下に千鳥状に配設された矯正ロールによって厚鋼板1を挟圧するローラーレベラー方式の形状矯正装置を図示しているが、これに限定されずスキンパス方式あるいはプレス方式の形状矯正装置を用いてもよい。また、熱間圧延機3が粗圧延機及び仕上げ圧延機で構成されている場合には、仕上げ圧延機でスキンパス矯正を行ってもよい。
第2の形状矯正装置7は、冷却装置6による冷却中に厚鋼板1に発生した歪の形状矯正をするものであるが、本発明ではこの形状矯正装置は使用しなくても良い。また、第2の形状矯正装置7はローラーレベラー方式を用いているが、これに限定されずスキンパス方式あるいはプレス方式の形状矯正装置を用いてもよい。
冷却装置6は、熱間圧延後の高温の厚鋼板1を所定の温度条件で制御冷却することにより、厚鋼板1の組織を制御し、所望の材質を得るための装置である。所望の冷却条件が得られるものであれば、どのような冷却装置を用いてもよいが、厚鋼板1の上下面、長手方向及び幅方向に均一な冷却を行なうことができる冷却装置が好ましい。そこで、本実施形態では、図2に示す、冷却能力が高く、特に幅方向の冷却均一性に優れた冷却装置6を用いる。
本実施形態の冷却装置6は、図2に示すよう、厚鋼板1の上面に冷却水を供給する上ヘッダ10と、この上ヘッダ10から厚鋼板1に向かって下方に延在している上部冷却水噴射ノズル11と、上ヘッダ10と厚鋼板1との間に鋼板幅方向に渡って水平に設置された多数の貫通孔を有する隔壁12と、厚鋼板1の下面に冷却水を供給する下ヘッダ13と、この下ヘッダ13から厚鋼板1に向かって上方に延在している下部冷却水噴射ノズル15と、厚鋼板1の搬送方向上流及び下流に配置した水切りロール16,17とを備えている。
隔壁12は、図3に示すように、多数の貫通孔18が碁盤の目状に多数形成されており、所定の貫通孔18に、上部冷却水噴射ノズル11が千鳥状に挿通され、上部冷却水噴射ノズル11が挿通された貫通孔18の下端開口部が給水口19とされている。また、上部冷却水噴射ノズル11が挿通されていない貫通孔18の下端開口部が排水口20とされている。上部冷却水噴射ノズル11の先端は、貫通孔18(給水口19)に内挿されて隔壁12の下端部より上方になるように設置されているが、これは、仮に先端が上方に反った鋼板が進入してきた場合でも隔壁12によって上部冷却水噴射ノズル11が損傷するのを防止するためである。
そして、図4に示すように、上部冷却水噴射ノズル11から給水口19を介して供給された冷却水は、厚鋼板1の上面を冷却して高温の排水となり、排水口20を介して隔壁12の上方に流れていくようになっている。また、下部冷却水噴射ノズル15から供給された冷却水は、厚鋼板1の下面を冷却して下方に流れていくようになっている。
ここで、仮に隔壁12がない場合、厚鋼板1の上面に供給された冷却水は、厚鋼板1の上面を幅方向に流れて排水されることとなるため、特に板幅端部付近において、この排水の流れが、上部冷却水噴射ノズル11からの冷却水が厚鋼板1の上面に達するのを阻害し、板幅端部付近の冷却能力が低下し、幅方向に均一な冷却を行なうことができない。それ故、厚鋼板1の幅方向の温度分布は、中央部が低く、板端部が高い凹型となる。これに対し、本実施形態の冷却装置6は、冷却後の排水が厚鋼板1の上面から隔壁12の上方へ速やかに排除されるようになっているので、上部冷却水噴射ノズル11から噴出される冷却水が順次厚鋼板1に接触して十分な冷却能力が得られる。
また、仮に給水口19と排水口20が同一の貫通孔18であると、厚鋼板1の上面に供給された冷却水が隔壁12の上方に抜けにくくなって、厚鋼板1の上面と隔壁12の間を板幅端部へ向かって流れるようになり、この排水の流れが上部冷却水噴射ノズル11からの冷却水が厚鋼板1の上面に達するのを阻害し、板幅端部付近の冷却能力が低下し、幅方向に均一な冷却を行うことができない。これに対し、図2に示す本実施形態の冷却装置6は、貫通孔18が給水口19と排水口20とに機能分担して設けられているため、冷却水及び冷却排水の流れが円滑である。さらに、上部冷却水噴射ノズル11の先端は隔壁12の貫通孔18に挿通されているため、隔壁12の上方を幅方向へ流れる排水が上部冷却水噴射ノズル11から噴出される冷却水と干渉することがなく、幅方向に均一な冷却を行ない、図6に示すように幅方向に均一な温度分布を得ることができる。
ちなみに、排水口20の総断面積は、上部冷却水噴射ノズル11の内径の総断面積の1.5倍以上であれば、排水口20からの冷却水の排出が速やかに行われるので、望ましい。この値が1.5倍より小さいと、排水口の流動抵抗が大きくなり、滞留水が隔壁上へ排水されにくくなる結果、厚鋼板の上面と隔壁の間を板幅端部へ向かって流れるようになり、特に板幅端部付近の冷却能力が低下する。一方、排水口が多過ぎたり、排水口の断面径が大きくなりすぎると、隔壁12の剛性が小さくなって、鋼板が衝突したときに損傷し易くなる。したがって、排水口20の総断面積と上部冷却水噴射ノズル11の内径の総断面積の比は1.5から20の範囲が好適である。
また、冷却水が滞留水膜を貫通して鋼板に到達し、幅方向に均一な冷却を行うようにするためには、上部冷却水噴射ノズル11の内径、長さ、冷却水の噴射速度やノズル距離も最適にすることが望ましい。
即ち、ノズル内径は3〜8mmが好適である。3mmより小さいとノズルから噴射する水の束が細くなり勢いが弱くなる。一方ノズル径が8mmを超えると流速が遅くなり、滞留水膜を貫通する力が弱くなるからである。
上部冷却水噴射ノズル11の長さは120〜240mmが好適である。上部冷却水噴射ノズル11が120mmより短いと、上ヘッダ10下面と隔壁12上面との距離が短くなりすぎるため、隔壁12より上側の排水スペースが小さくなり、冷却排水が円滑に排出できなくなる。一方、240mmより長いと上部冷却水噴射ノズル11の圧力損失が大きくなり、滞留水膜を貫通する力が弱くなるからである。
ノズルからの冷却水の噴射速度は6m/s以上が望ましい。6m/s未満では、滞留水膜を冷却水が貫通する力が極端に弱くなるからである。8m/s以上であれば、より大きな冷却能力を確保できるので好ましい。また、上部冷却水噴射ノズル11の下端から鋼板1の表面までの距離は、30〜120mmとするのが良い。30mm未満では、鋼板1が隔壁12に衝突する頻度が極端に多くなり設備保全が難しくなる。120mm超えでは、冷却水が滞留水膜を貫通する力が極端に弱くなるからである。
本実施形態の冷却装置6が最も効果を発揮する水量密度の範囲は、1.5m/m ・min以上である。水量密度がこれよりも低い場合には滞留水膜がそれほど厚くならず、棒状冷却水を自由落下させて鋼板を冷却する公知の技術を適用しても、幅方向の温度むらはそれほど大きくならない場合もある。一方、水量密度が4.0m/m・minよりも高い場合でも、本実施形態の冷却装置6を用いることは有効であるが、設備コストが高くなるなど実用化の上での問題があるので、1.5〜4.0m/m・minが最も実用的な水量密度である。
なお、図2に示す冷却装置6では、上面側の冷却装置と同様の下部冷却水噴射ノズル12を備えた下ヘッダ13の例を示したが、鋼板下面側の冷却では噴射された冷却水は鋼板に衝突した後に自然落下するので、鋼板上面側のように幅方向の温度むらが大きな問題となることはなく、したがって鋼板下面側の冷却装置については特に限定されるものではない。
一方、デスケーリング装置4は、熱間圧延後、第1の形状矯正装置5で厚鋼板1に発生した歪の形状矯正をした後の厚鋼板1の表面に複数の噴射ノズルを向け、それらノズルから高圧水を噴射することで、厚鋼板1の表面に発生したスケールを除去する装置である。
ここで、本実施形態は、デスケーリング装置4の噴射ノズルから厚鋼板1の表面に噴射する高圧水の衝突圧力P[MPa]を1.5以上に設定し、このデスケーリング装置4で厚鋼板1の表面に発生したスケールを除去し、次いで、冷却装置6で厚鋼板1の冷却を行なうことにより、厚鋼板1の鋼板形状及び機械特性を向上させることができる。
この理由は次の通りである。従来の熱間圧延設備により矯正装置を通過させ、デスケーリング装置による表面処理を行なわないと部分的にスケールが剥離する場合があり、スケール剥離有無で10〜50μm程度スケール厚み分布のバラツキが生じる。その場合、冷却装置による冷却時には厚鋼板を均一に冷却することが困難である。つまり、従来の熱間圧延設備でスケール厚み分布のバラツキが生じた厚鋼板を冷却すると、図7に示すように、幅方向位置の表面温度のバラツキが大きく、均一に冷却することができないので、鋼板形状、機械特性に影響がある。
これに対して、本願発明者等は、デスケーリング条件によってはスケール剥離が十分に行われず、むしろスケールむらを助長することが分かった。そして、スケール剥離を十分に起こす力について鋭意検討したところ、熱間形状矯正後にデスケーリングを行なう場合には、図5に示すように、デスケーリング装置4の噴射ノズルから厚鋼板1の表面に噴射する衝突圧力P[MPa]が1.5以上であれば、スケールが均一に完全剥離し、その後再生成するスケール厚みが5μm以下で均一となることも明らかにした。特に、衝突圧力P[MPa]を2.0以上に設定すると、均一薄スケール化を実現することができる。
衝突圧力Pは、例えば、実験的に求められた次の(1)式が知られており、この(1)式で計算される衝突圧力Pcを、SI単位系のMPaに変換した値である。
Pc = 0.05757 × (Q/A)1.08 × Ps0.473 ……(1)
ただし、Pc:衝突圧力[kgf/cm2]、Q:噴射流量[L/min]、A:噴射面積[cm2]、Ps:噴射圧力[kgf/cm2]である。
ここで、噴射面積Aは、噴射実験により次の(2)式で求められている。
A = B×T =(2Htan(θ/2))×(0.051 H0.78×Q0.09×Ps−0.045) ……(2)
ただし、B:スプレーの噴射幅[cm]、T:スプレーの噴射厚み[cm]、H:噴射距離(デスケーリング装置4の噴射ノズルと厚鋼板1表面との距離)[cm]、θ:ノズル噴射角(ノズルから噴射されるデスケーリング水の拡がりの角度)[°]である。
(1)式に(2)式を代入すると、近似式として、
Pc = 0.6775×Q×H-2 (tan(θ/2))-1.08 ×Ps0.5 ……(3)
が得られる。
なお、衝突圧力Pを求める式の形はこれに限るものではなく、実際に噴射実験を行い、圧力センサーによって測定した着水位置での圧力値を回帰した式などを用いればよい。
そして、所定の衝突圧力を得るための噴射距離H[cm]は、(3)式を変形して、次の(4)式で求められる。
H =((0.6775× Q × (tan(θ/2))-1.08×Ps0.5 )/Pc)0.5…(4)
ただし、Pc:衝突圧力[kgf/cm2]、Q:噴射流量[L/min]、Ps:噴射圧力[kgf/cm2]、θ:ノズル噴射角[°]である。
これより、厚鋼板1の表面に噴射する衝突圧力P[MPa]を1.5以上とするためには、噴射距離Hを、(4)式でPc=1.5/9.8×100=15.3[kgf/cm2]を代入して求められるHの値以下とすればよい。
ここで、図8は、噴射流量Qを64L/min、ノズル噴射角θ(噴射水が拡がる角度)を32°、ノズル迎え角(噴射水の中心軸を、鋼板に対して鉛直方向から鋼板進行方向の上流側へずらした角度)を15°としたとき、1.5MPaの衝突圧力Pを達成するための噴射圧力Psと噴射距離Hとの関係を示したグラフであり、噴射圧力Psが50MPaの場合には、噴射距離Hが175mm以下、噴射圧力Psが30MPaの場合には、噴射距離Hが150mm以下、噴射圧力Psが17.7MPaの場合には、噴射距離Hが130mm以下、噴射圧力Psが14.7MPaの場合には、噴射距離Hが125mm以下とすればよいことがわかる。
そして、噴射距離Hが小さいほど、所定の衝突圧力Pを得るための噴射圧力Ps、噴射流量Qなどが小さくてデスケーリング装置4のポンプ能力の低減化を図ることができるので、噴射距離Hを140mm以下とすることが好ましく、噴射距離Hを100mm以下とすることがさらに好ましい。本実施形態では、第1の形状矯正装置5で形状矯正された厚鋼板1が、デスケーリング装置4内に移動してくるので、デスケーリング装置4の噴射ノズルを厚鋼板1の表面に近づけることが可能であるが、ノズルと厚鋼板1との接触を考慮して、噴射距離Hは40mm以上、140mm以下が好ましい。
また、通常のデスケーリング装置4で使用しているポンプの吐出能力が14.7MPa以上であるため、噴射圧力Psは14.7MPa以上が好ましい。噴射圧力Psの上限は特に決めないが、噴射圧力Psを高くするとエネルギが膨大となるので、噴射圧力Psは50MPa以下が好ましい。なお、噴射圧力Psが50MPaのポンプは、現在商用ポンプの最高噴射圧力である。
このように、本実施形態によると、高圧水の衝突圧力Pを1.5MPa以上に設定したデスケーリング装置4が厚鋼板1の表面に発生したスケールを除去することでスケール厚み分布のバラツキが無くなるので、冷却装置6で厚鋼板1を冷却した際に、図6に示すように、幅方向位置の表面温度のバラツキが殆ど無く均一に冷却することができ、鋼板形状、機械特性に優れた厚鋼板1を製造することができる。
なお、デスケーリング装置による表面処理なしで冷却装置を通過した厚鋼板の幅方向の温度むらは40℃程度となるが、前述した本発明のデスケーリングを施した後に一般的な冷却装置による冷却を行った厚鋼板の幅方向温度むらは10℃程度に減少する。さらに、デスケーリング装置4を通過して本発明のデスケーリングを施した後、図2に示す本実施形態の冷却装置6により幅方向均一な冷却を施した厚鋼板1の幅方向の温度むらは4℃程度にまで減少する。
ところで、冷却装置6による厚鋼板1の冷却時の安定性に影響を及ぼす厚鋼板1の表面のスケールについて、厚鋼板1のスケールの成長は一般的に拡散律速で整理できるとされ、次の(5)式で表されることが知られている。
ξ = a × exp(−Q/RT) × t ……(5)
ただし、ξ:スケール厚み、a:定数、Q:活性化エネルギー、R:定数、t:時間である。
そこで、デスケーリング装置4によるスケール除去の後のスケール成長を考慮し、種々の温度、時間でスケール成長のシミュレーション実験を行い、上式の定数を実験的に導出した。さらに、スケール厚みと冷却安定性について鋭意検討した結果、スケール厚みが15μm以下で冷却が安定し、スケール厚みが10μm以下でより安定し、スケール厚みが5μm以下で非常に安定することを知見した。
すなわち、デスケーリング装置4による厚鋼板1のスケールを除去終了後から、冷却装置6で厚鋼板1の冷却を開始するまでの時間t[s]が、次の(6)式を満たす場合に、冷却装置6による冷却が安定することが明らかとなった。
t ≦ 5×10−9 × exp(25000/T) ……(6)
ただし、T:冷却前の厚鋼板温度[K]である。
また、デスケーリング装置4による厚鋼板1のスケールを除去終了後から、冷却装置6で厚鋼板1の冷却を開始するまでの時間t[s]が、次の(7)式を満たす場合に、冷却装置6による冷却がより安定することが明らかとなった。
t ≦ 2.2 ×10−9 × exp(25000/T) ……(7)
さらに、デスケーリング装置4による厚鋼板1のスケールを除去終了後から、冷却装置6で厚鋼板1の冷却を開始するまでの時間t[s]が、次の(8)式を満たす場合に、冷却装置6による冷却が非常に安定することが明らかとなった。
t ≦ 5.6 ×10−10 × exp(25000/T) ……(8)
一方、デスケーリング装置4から冷却装置6までの距離Lは、厚鋼板1の搬送速度Vと、時間t(デスケーリング装置4の工程終了から冷却装置6の工程開始までの時間))とに対して次の(9)式を満たすように設定する。
L ≦ V × t …(9)
そして、上記(9)式は、上記(6)式から、次の(10)式を満足することがより好ましい。
L ≦ V × 5×10−9 × exp(25000/T) ……(10)
また、上記(9)式は、上記(7)式から、次の(11)式を満足することがさらに好ましい。
L ≦ V × 2.2×10−9 × exp(25000/T) ……(11)
さらに、上記(9)式は、上記(8)式から、次の(12)式を満足することが好ましい。
L ≦ V ×5.6×10−10 × exp(25000/T) ……(12)
上記の(10)〜(12)式から、例えば冷却装置6による冷却前の厚鋼板1の温度を820℃とし、厚鋼板1の搬送速度を0.28〜2.50m/sとすると、デスケーリング装置4から冷却装置6までの距離Lは12〜107m以下で冷却が安定し、5〜47m以下で冷却がより安定し、1.3〜12m以下で冷却が非常に安定する。
これより、デスケーリング装置4から冷却装置6までの距離Lを12m以下とすると、厚鋼板1の搬送速度Vが遅い(例えばV=0.28m/s)場合でも冷却は安定し、逆に、厚鋼板1の搬送速度Vが早い(例えばV=2.50m/s)場合には冷却が非常に安定するので、好ましい。なお、より好ましいのは、デスケーリング装置4から冷却装置6までの距離Lが5m以下である。
さらに、制御冷却を必要とする品種の厚鋼板1の大部分は搬送速度Vが0.5m/s以上であることを考えると、この搬送速度Vで冷却が非常に安定する条件である距離Lが2.5m以下とすることがさらに好ましい。
以上のように、本実施形態の熱間圧延設備は、デスケーリング装置4の噴射ノズルから厚鋼板1の表面に噴射する衝突圧力P[MPa]を1.5以上に設定することで厚鋼板1に発生しているスケールの均一化を図り、冷却装置6で均一な冷却を図ることにより、形状及び機械特性に優れた厚鋼板1を製造することができる。
また、第1の形状矯正装置5で厚鋼板1の形状矯正をした後に、デスケーリング装置4で厚鋼板1の表面に発生したスケールを除去する工程を行なうことで、デスケーリング装置4の噴射ノズルを厚鋼板1の表面に近づけることが可能となり、噴射距離H(デスケーリング装置4の噴射ノズルと厚鋼板1の表面距離)を40mm以上、140mm以下にするとデスケーリング能力が向上し、あるいは、所定の衝突圧力Pを得るための噴射圧力Ps、噴射流量Qなどが小さくて済むのでデスケーリング装置4のポンプ能力の低減化を図ることができる。
また、デスケーリング装置4から冷却装置6までの距離Lを、L ≦ V × 5×10−9 × exp(25000/T)を満たすようにしても、冷却装置6による厚鋼板1の冷却を安定させることができる。
また、デスケーリング装置4による厚鋼板1のスケールを除去終了後から冷却装置6で厚鋼板1の冷却を開始するまでの時間t[s]を、t ≦ 5×10−9 × exp(25000/T)を満たすようにすると、冷却装置6による厚鋼板1の冷却を安定させることができる。
さらに、本実施形態の冷却装置6は、図4に示したように、上部冷却水噴射ノズル11から給水口19を介して供給された冷却水が、厚鋼板1の上面を冷却して高温の排水となり、上部冷却水噴射ノズル11が挿通されていない貫通孔18を排水流路として隔壁12の上方から厚鋼板1の幅方向に流れていき、冷却後の排水が厚鋼板1から速やかに排除されるようになっているので、上部冷却水噴射ノズル11から給水口19を介して流れてくる冷却水が順次厚鋼板1に接触することで、十分且つ幅方向に均一な冷却能力を得ることができる。
なお、本実施形態のように、圧延中に発生した歪は第1の形状矯正装置5で矯正し、デスケーリング装置4で厚鋼板1の表面処理を行い、冷却の制御性を安定化させることにより、第2の形状矯正装置7により処理する厚鋼板1はもともと平坦度が高く厚鋼板1の温度も均一であるため、第2の形状矯正装置7の矯正反力はあまり高くする必要はない。また、冷却装置6と第2の形状矯正装置7との距離は、ラインで製造する厚鋼板1の最大長さよりも長くするとよい。これは第2の形状矯正装置7でリバース矯正などを実施する場合も多いため、逆送した厚鋼板1が搬送ロール上で跳ねて、冷却装置7に衝突するなどのトラブルを防ぐ効果や、冷却中に発生したわずかな温度偏差を均一化し、矯正後に温度偏差に起因した反りの発生を避ける効果が期待できる。
熱間圧延機3によって圧延した板厚30mm、幅3500mmの厚鋼板1を、第1の形状矯正装置5及びデスケーリング装置4を通過してから、820℃から420℃までの冷却制御を行った。ここで、前述の(6)、(7)、(8)式から計算される冷却が安定する条件は、デスケーリング装置4による厚鋼板1のスケールを除去終了後から冷却装置6で厚鋼板1の冷却を開始するまでの時間tが42s以下で、好ましくは19s以下、さらに好ましくは5s以下である。
デスケーリング装置4は、ノズルの噴射圧力が17.7MPa、ノズル1本あたりの噴射流量が64L/min/本、噴射距離(デスケーリング装置4の噴射ノズルと厚鋼板1の表面距離)が130mm、ノズル噴射角度が32°、迎え角が15°とし、隣り合うノズルの噴射領域がある程度ラップされるように幅方向に1列並べたものであり、幅方向全ての位置で衝突圧力は1.5MPaである。
冷却設備6は、図2に示すように鋼板上面に供給した冷却水を隔壁の上方に流し、さらに図4に示すように鋼板幅方向側方から排水できるような流路を設けた設備とした。隔壁には、直径12mmの孔を碁盤の目のようにあけ、図3に示すように、千鳥格子状に配列した給水口に上部冷却水噴射ノズルを内挿し、残りの孔を排水口として用いた。上ヘッダ下面と隔壁上面の距離は100mmとした。
上部冷却水噴射ノズルは、内径5mm、外径9mm、長さ170mmとし、その上端をヘッダ内へ突出させた。また、棒状冷却水の噴射速度を8.9m/sとした。鋼板幅方向のノズルピッチは50mmとして、テーブルローラ間距離1mのゾーン内でノズルを長手方向に10列並べた。上面の水量密度は、2.1m/m ・minであった。上面冷却のノズル下端は、板厚25mmの隔壁の上下表面の中間位置となるように設置し、鋼板表面までの距離は80mmとした。
なお、下面冷却設備については、図2に示すような、隔壁を備えないこと以外は上面冷却設備と同様の冷却設備を用い、棒状冷却水の噴射速度および水量密度を上面の1.5倍とした。
そして、表1に示すように、デスケーリング装置4から冷却装置6までの距離L、鋼板の搬送速度Vおよびデスケーリング装置4から冷却装置6までの時間を種々変化させた。なお、表1のデスケーリングとは、デスケーリング装置4による厚鋼板1のスケール除去工程であり、制御冷却とは、冷却装置6による厚鋼板1の冷却工程である。
Figure 0005614040
表1の本発明例1〜5(厚鋼板1)は、図6に示したように、冷却装置6で冷却した際に、幅方向位置の表面温度のバラツキが殆ど無く均一に冷却され、平坦度が優れ、形状不良による再矯正率が低く、また、表面性状も良好であった。
特に、デスケーリング装置4から冷却装置6までの距離を5mとした本発明例1〜3は、デスケーリング装置4による厚鋼板1のスケールを除去終了後から、冷却装置6で厚鋼板1の冷却を開始するまでの時間tが、鋼板の搬送速度Vによらず、前述した(6)式から冷却装置6による冷却がより安定する条件である19S以下であり、再矯正率が5%以下と良好であった。
さらに、デスケーリング装置4から冷却装置6までの距離を2.5mとし、ノズルの噴射圧力が17.7MPa、ノズル1本あたりの噴射流量が64L/min/本、噴射距離(デスケーリング装置4の噴射ノズルと厚鋼板1の表面距離)が90mm、ノズル噴射角度が40°、ノズル迎え角が15°とすることで衝突圧力を2.4MPaとした本発明例5では、再矯正率が1%と極めて良好であった。
一方、デスケーリング装置4によるスケール除去を実施せず、冷却装置6による冷却を行った比較例1では、鋼板の温度分布に起因したと考えられる平坦度が悪化し、再矯正率が40%となった。
また、デスケーリング装置4による設定条件を、水圧10MPa、ノズル1本あたりの噴射流量が10L/min/本、噴射距離が180mm、ノズル噴射角度が25°、ノズル迎え角が15°とし、衝突圧力を0.09MPaとした比較例2は、スケールが部分剥離することで鋼板幅方向の温度分布が悪化し、再矯正率が70%となった。
1…厚鋼板、2…加熱炉、3…熱間圧延機、4…デスケーリング装置、5…第1の形状矯正装置(形状矯正装置)、6…冷却装置、7…第2の形状矯正装置、10…上ヘッダ(ヘッダ)、11…上部冷却水噴射ノズル(冷却水噴射ノズル)、12…隔壁、13…下ヘッダ、15…下部冷却水ノズル、15…貫通孔、16,17…水切りロール、18…貫通孔、19…給水口、20…排水口

Claims (5)

  1. 熱間圧延機、形状矯正装置、デスケーリング装置及び冷却装置をこの順序で搬送方向上流側から配置し、前記デスケーリング装置が厚鋼板の表面に向けて噴射する冷却水の衝突圧力P[MPa]1.5以上であり、前記デスケーリング装置から前記冷却装置までの搬送速度をV[m/s]、冷却前の厚鋼板温度をT[K]とすると、前記デスケーリング装置から前記冷却装置までの距離L[m]は、L≦ V×5.6×10 −10 × exp(25000/T)の式を満たしていることを特徴とする厚鋼板の製造設備。
  2. 前記デスケーリング装置から前記冷却装置までの距離Lが12m以下となるように各装置を配置したことを特徴とする請求項1に記載の厚鋼板の製造設備。
  3. 前記デスケーリング装置の噴射ノズルから前記厚鋼板の表面までの距離Hが、40mm以上で140mm以下としたことを特徴とする請求項記載の厚鋼板の製造設備。
  4. 前記冷却装置が、前記厚鋼板の上面に冷却水を供給するヘッダと、該ヘッダから懸垂した棒状冷却水を噴射する冷却水噴射ノズルと、前記厚鋼板と前記ヘッダとの間に設置される隔壁とを備えるとともに、前記隔壁には、前記冷却水噴射ノズルの下端部を内挿する給水口と、前記厚鋼板の上面に供給された冷却水を前記隔壁上へ排水する排水口とが、多数設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の厚鋼板の製造設備。
  5. 熱間圧延工程、熱間矯正工程及び冷却工程の順番で厚鋼板を製造する方法において、前記熱間矯正工程及び冷却工程の間に、厚鋼板の表面に衝突圧力1.5MPa以上の冷却水を噴射するデスケーリング工程を行なうこととし、冷却前の厚鋼板温度をT[K]とすると、前記デスケーリング工程の完了から前記冷却工程の開始までの時間t[s]は、t≦ 5.6 × 10 −10 × exp(25000/T)の式を満たしていることを特徴とする厚鋼板の製造方法。
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