JP5796351B2 - 耐圧潰性に優れた高強度耐サワーラインパイプおよびその製造方法 - Google Patents

耐圧潰性に優れた高強度耐サワーラインパイプおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、石油や天然ガスの輸送に使用されるラインパイプ用溶接鋼管およびその製造方法に関し、特に厚鋼板を冷間で成型し溶接して製造される圧潰強度に優れた高強度耐サワーラインパイプおよびその製造方法に関する。
一般に、海底に敷設するラインパイプは、敷設時に外部からの高い外圧を受け圧潰する可能性がある。そのため、海底に敷設されるラインパイプには、高い耐圧潰性が求められる。耐圧潰性は、ラインパイプの形状と圧縮降伏応力によって支配され、一般的に、ラインパイプの形状が真円であるほど、圧縮降伏応力が大きいほど耐圧潰性に優れることが知られている。そのため、海底に敷設されるラインパイプは、造管した状態で十分な圧縮降伏応力を有することが望ましいが、UOE鋼管のように厚鋼板を冷間加工した後、拡管することで造管される鋼管の場合、最終工程である拡管で大きな引張負荷を受ける。そのため、鋼管の圧縮降伏応力は、引張負荷時に発生した背応力により鋼管の引張降伏応力よりも低下することになる。
従って、鋼管の耐圧潰性を確保するためには、厚鋼板の設計強度を高く設計する、あるいは管厚を大きくする必要がある。しかしながら、強度を上げるあるいは管厚を大きくするためには、ともに合金コストの増大や母材および溶接熱影響部の靱性劣化を助長するため、過度に強度や管厚を大きくすることなく、耐圧潰性を確保できる溶接鋼管の製造方法を確立することが求められている。
また、ラインパイプとして用いる場合、輸送ガスに硫化水素が含まれる場合があり、その場合、前述した特性に加えて、優れた耐サワー性能を確保することが求められる。
このような要求に対し、特許文献1および特許文献2では、造管時のOプレス圧縮率と拡管率をパラメータに、圧縮率/拡管率を最適な範囲まで低減することによって、造管後における鋼管の圧縮降伏応力の低下を抑制する方法が開示されている。たとえば、特許文献2には、O成形時のアプセット率(すなわち圧縮率)αと拡管時の拡管率βとの比をα/β≧0.35とする技術が開示されている。また、特許文献2では、拡管率を極めて大きくすることにより、造管後における鋼管の圧縮降伏応力の低下を抑制する方法も開示されている。特許文献3では、縮管と拡管の順序と程度を最適化することによって、外圧による鋼管の圧潰強度を向上させる方法が開示されている。
特許文献4から7には、造管後に熱処理、もしくはコーティング加熱による低温ひずみ時効により、造管工程で鋼管に付与された背応力を低減することにより、鋼管の圧縮降伏応力の低下を抑制する方法が開示されている。
また、特許文献8および特許文献9では、厚鋼板の組織に含まれる島状マルテンサイト(M−A)を分解し、さらにフェライト+ベイナイトのベイナイトの硬さを低下させることによりバウシンガー効果による圧縮降伏応力を向上させ、同時に管厚方向の硬さの均一化による真円度の向上により耐圧潰性をする方法が開示されている。
特開2002−102931号公報 特開2003−340518号公報 特開平9−1233号公報 特開平9−3545号公報 特開2002−295736号公報 特開2003−342639号公報 特開2004−35925号公報 特開2009−275261号公報 特開2010−84171号公報
しかし、特許文献1および特許文献2で示されているような最適な圧縮率/拡管率に造管条件を設定するためには、Oプレス圧縮率を通常よりも極めて大きくする必要がある。Oプレスの圧縮率を増大させることは、Oプレス機のプレス能力を増強する必要があり、新規設備導入や設備改修によるコストの増大が問題となる。
さらに、圧縮強度の確保が問題となる海底パイプライン用ラインパイプは、耐座屈性能確保の観点から厚肉で設計されることが多く、このことはOプレスの圧縮率を増大させることとなる。また、拡管率を低下させることにより、最適な範囲にすることもできるが、鋼管の真円度を低下させることとなり、耐圧潰性が劣化してしまう。本発明で耐圧潰性とは、鋼管の敷設時の外圧による座屈破壊に対する抵抗力と言う意味で使用する。
また、特許文献2および3に記載のように、拡管率を極めて大きくすることや縮管と拡管とを行うことは、過度な加工硬化による表面硬さの上昇や、拡管および縮管ダイスによる疵が鋼管表面に残ることが懸念される。
また、特許文献4から7に記載のように、造管後のコーティング加熱条件を最適化することにより,低温ひずみ時効処理を行うことは、圧縮降伏応力の低下を抑制するという観点では絶大な効果があるが、鋼管の引張の応力−ひずみ曲線が造管後のラウンドハウス型からリューダース型に変わり、曲げ座屈性能などの鋼管の変形能を低下させる。
さらに、コーティング加熱の条件は、使用するコーティング材によって変わり、必ずしも狙いとするコーティング加熱条件に合致させることができるとは限らず、コーティング加熱のかわりに熱処理によって低温ひずみ時効処理を行う場合は、工程が増えることにより生産性を著しく損なうこととなる。
また、特許文献8および特許文献9記載のように、加速冷却の直後に急速加熱を加えることで鋼材特性、鋼管形状の両面から耐圧潰性を向上させることができるが、加速冷却時に鋼板表面に厚いスケールが生成している場合は、スケールがある部分のみ表層が急速に冷却され硬化するため、板幅方向の表層硬さ分布が平坦にならず、その局所硬化域を起因としたSSCの発生や、造管時の形状不整を助長するなどの問題が残る。
上述したように、従来の技術では外観の劣化、溶接性の低下、生産性の低下や耐サワー性能の低下を生じることなく、耐圧潰性に優れた耐サワーラインパイプを製造することは、困難であった。
そこで、本研究では、耐圧潰性および耐サワー性能を低下させることなく、高生産性、低コストで製造できる高強度ラインパイプおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するために、鋼板のミクロ組織およびミクロ組織を達成するための方法、特に鋼材成分と制御圧延、加速冷却という製造プロセスについて鋭意検討し、以下の知見を得た。
まず、優れた耐サワー性能を確保するためには、中央偏析に生成するMnSを球状化するために、Caを適量添加する必要があることがわかった。その際、後述する式(3)のACRを1.00以上にすることにより、針状のMnSを球状のCaOSに変化させ水素誘起割れ(以下「HIC」と称する)試験時の破壊発生起点になることを抑制することができることがわかった。さらに、Ca、S、Oの含有量に上限を設けることによりCa系介在物の凝集粗大化によるHIC試験時の破壊発生起点になることを抑制することができることがわかった。また、中央偏析に針状のMnSが生成しない場合も、NbTi−CNやCa−Al系介在物、気泡などを起点にHICが発生することがあるが、式(2)のPHICを1.0以下にすることにより焼入性の高い合金元素が中央偏析に濃化することを防ぎ、さらに管厚中央の組織をベイナイト単相にすることで、2相域変態中のオーステナイトへのCの濃化を抑制し、HICの発生を抑制することができることがわかった。
一方で、表層からのSSCの発生については、表層硬さを248以下に抑えることにより、割れの発生が抑制できることが従来から知られているが、耐HIC性を確保するために圧延終了後、表層が十分に変態する前に、加速冷却を行うことによって、表層が著しく硬化するといった問題が、以前から指摘されていた。
本発明者らは、その原因を調査するために板幅方向の表層硬さ分布を詳細に調査した結果、表層が著しく硬化している個所は管幅方向に局所的に存在し、その位置は圧延後のデスケーリングによって十分にスケールを剥離させることができなかった個所や圧延終了から加速冷却を行う間に厚いスケールが生成した個所に対応することがわかった。そこで、本発明者らは、加速冷却を行う直前に高圧のデスケーリングを行うことにより、鋼板表面のスケールを均一に剥離させ、なおかつデスケーリングから加速冷却に至るまでのスケールの成長を最小化させることにより、板幅方向に局所的に存在していた硬化部をなくし、全長全周において鋼管表面の硬さを248以下に抑えることができ、その結果、SSC割れを抑制することができることを明らかにした。
また、加速冷却前にデスケーリングを行い板幅方向の硬度分布を平坦にすることは、鋼管の真円度確保の点からも有利であり、拡管率を過度に上げることなく真円度を確保することができる。本発明では、さらに加速冷却後の再加熱方法についても検討を加え、冷却直後に誘導加熱装置などを用いた急速加熱により表層を高温まで再加熱し、M−Aの分解および母相の焼戻しにより硬さを低減し、管厚中央についてもM−Aが分解する程度まで加熱することにより、圧縮強度を向上させることができることを明らかにした。また、管厚中央の再加熱温度が高くなりすぎるとセメンタイトが凝集粗大化しDWTT性能が劣化することがわかった。この再加熱を加速冷却の後に適用することで、管厚方向の硬度分布が平坦になり、さらに真円度が向上することがわかった。このように拡管率を下げることは、鋼管の圧縮降伏応力を上げることにつながり、この真円度と圧縮降伏応力という相反した性能をともに向上させることを可能とし、耐圧潰性を向上させることができることを明らかにした。
本発明は、以上の知見をもとに、さらに検討を加えたもので、
[1]厚鋼板からなる母材を管状に成形し、そのシーム部を2層以上の溶接によって接合した溶接鋼管であって、
質量%で、
C: 0.02〜0.08%
Si: 0.01〜0.50%
Mn: 0.5〜1.5%
P: 0.010%以下
S: 0.001%以下
Al: 0.06%以下
Nb: 0.002〜0.100%
Ca: 0.0005〜0.0040%
O: 0.0030%以下
を含有し、さらに、
Cu: 1.0%以下
Ni: 1.0%以下
Cr: 1.00%以下
Mo: 0.50%以下
の中から選ばれる1種以上を含有し、
さらに、式(1)で規定されるCeqが0.30以上、
式(2)で規定されるPHICが1.00以下、
式(3)で規定されるACRが1.00〜6.00であり、
残部Feおよび不可避的不純物からなり、
母材表層部の金属組織が上部ベイナイトであるか又はフェライト及び上部ベイナイトであり、
母材管厚中心部の金属組織が上部ベイナイト単相であり、
管厚全域で島状マルテンサイト(M−A)の体積分率が1%以下、
かつ、管周方向同位置における管厚方向の硬度差の最大値が30以下、
管厚方向同位置における管周方向の硬度差の最大値が30以下、
表層硬さの最大値が248以下である
ことを特徴とする耐圧潰性に優れた高強度耐サワーラインパイプ。
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5 式(1)
PHIC=4.46C+2.37Mn/6+(1.18Cr+1.95Mo+1.74V)/5+(1.74Cu+1.7Ni)/15+22.36P 式(2)
ACR=(Ca−(0.18+130Ca)O)/1.25S 式(3)
ここで、各式の右辺の元素記号はそれぞれの含有量(質量%)を表わし、含有しない場合は0とする。

[2] さらに、質量%で、
V: 0.005〜0.100%
Ti: 0.005〜0.050%
Mg: 0.0005〜0.0040%
の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする[1]記載の耐圧潰性に優れた高強度耐サワーラインパイプ。
[3] 真円度が下記の(4)〜(5)式を満たすことを特徴とする[1]又は[2]に記載の耐圧潰性に優れた高強度耐サワーラインパイプ。
D/t0.6≦135の場合 Dmax−Dmin≦3.0 式(4)
D/t0.6>135の場合 Dmax−Dmin≦0.04D/t0.6−2.4 式(5)
ここで、D: 公称外径(mm)、t: 管厚(mm)、Dmax−Dmin: 真円度(mm)、Dmax:測定最大外径(mm)、Dmin:測定最小外径(mm)である。
[4] 鋼素材を、900〜1200℃に加熱後、900℃以下の累積圧下率を30〜90%とし圧延終了温度を(Ar−10℃)以上とした熱間圧延を行った後、加速冷却の直前に鋼板表面での噴射流衝突圧が1MPa以上のデスケーリングを行い、その後(Ar−30℃)以上の温度から表層の冷却速度が200℃/s以下かつ平均の冷却速度が10℃/s以上で、冷却停止温度が300℃〜450℃になる加速冷却を行い、表層温度を冷却停止温度以上かつ(500℃〜Ac)、管厚中央温度を冷却停止温度以上かつ400〜550℃以下、表層と管厚中央の到達温度差が40℃以上になるように再加熱し、その後、室温まで冷却して得られた厚鋼板を、冷間で管状に成形し、突合せ部を溶接し鋼管とした後、さらに、0.5〜1.1%の拡管率で拡管を行うことによって製造することを特徴とする[1]及至[3]のいずれか一つに記載の耐圧潰性に優れた高強度耐サワーラインパイプの製造方法。
本発明により、耐圧潰性および耐サワー性に優れる石油や天然ガスの輸送とりわけ海底パイプラインに使用させる厚肉高強度ラインパイプ用として好適な厚鋼板を冷間で成形し溶接して製造される高靱性溶接鋼管の製造が可能となり、産業上極めて有効である。
本発明に係る耐圧潰性および耐サワー性に優れた高強度ラインパイプ用溶接鋼管の成分組成、ミクロ組織を規定する。本発明で対象とする厚鋼板とは、熱間圧延で製造される20mm以上の板厚を有する鋼板をいう。
1.成分組成
以下に成分組成の限定理由を説明する。なお、成分組成を示す単位は、全て質量%とする。
C:0.02〜0.08%
Cは焼き入れ性を高め強度確保に重要な元素であるが、0.02%未満では十分な強度が確保できない。また、0.08%を超えて添加すると、硬質第2相の生成が顕著となり、耐サワー性の確保が困難となる。また、硬質第2相が増えることは鋼管の圧縮強度を低下させ、耐圧潰性も低下させることになる。よって、C含有量は、0.02〜0.08%の範囲とする。さらに好適には、0.03〜0.06%である。
Si:0.01〜0.50%
Siは脱酸のため添加するが、0.01%未満では脱酸効果が十分でなく、0.50%を超えるとマルテンサイト体積分率の増加による耐サワー性、耐圧潰性、靱性および溶接性の劣化が起こるため、Si含有量は0.01〜0.50%の範囲とする。さらに好適には、0.01〜0.30%の範囲である。
Mn:0.5〜1.5%
Mnは強度、靭性向上に有効な元素であるが、0.5%未満ではその効果が十分でなく、1.5%を超えると中央偏析に濃化し、中央偏析硬さの増加およびMnSの生成により耐サワー性能を著しく劣化させる。従って、Mn含有量は、0.5〜1.5%の範囲とする。より好ましくは、1.0〜1.5%である。
P:0.010%以下
Pは偏析に濃化する元素であり、少量含まれるだけでも中央偏析の硬さを顕著に上げ、耐サワー性を劣化させるため、少なければ少ないほどよい。ただし、0.010%までは許容する。
S:0.001%以下
SはMnと結合し、MnSを生成する。また、SはMnを同じく中央偏析に濃化しやすい元素であるためS量が多いとMnSの中央偏析が多数生成させることになり、耐サワー性を著しく劣化させる。従って、Sは極力低減することが望ましいが、0.001%までは許容することができる。
Al:0.06%以下
Alは脱酸剤として添加されるが、0.06%を超えると鋼の清浄度が低下し、Al系介在物が生成することにより耐サワー性能を劣化させるため、Al含有量は0.06%以下とする。より好ましくは、0.01〜0.05%の範囲である。
Nb:0.002〜0.100%
Nbは制御圧延の効果を高め、組織細粒化により強度、靭性を向上させる元素である。しかし、0.002%未満では効果がなく、0.100%を超えると溶接熱影響部の靭性が著しく劣化するため、Nb含有量は0.002〜0.100%の範囲とする。より好ましくは、0.005〜0.060%である。
Ca:0.0005〜0.0040%
Caは中央偏析に生成する針状MnSの形態を球状にすることにより、耐HIC性能を向上させる。その効果をえるためには、0.0005%以上添加することが好ましいが、0.0040%を超えて添加するとCaOSクラスタが生成し、耐HIC性能がむしろ劣化することになるため、Ca含有量は0.0005〜0.0040%とする。より好ましくは、0.0015〜0.0040%である。
O:0.0030%以下
Oは鋼中に不可避的に含まれる元素であり、通常AlやCaと結合した酸化物として存在している。これらAl,Ca系酸化物の鋼中含有量が多くなりすぎると、クラスタを形成し耐HIC性能を劣化させるため、Oの含有量を0.0030%以下とする。
さらに、鋼板の強度を向上させるため、以下に示すCu、Ni、Cr、Moの中から選ばれた1種以上を添加する。
Cu:1.0%以下
Cuは靭性の改善と強度の上昇に有効な元素である。しかしながら、1.0%を超えて添加すると溶接性の劣化や析出脆化による母材、HAZの靱性劣化、さらにはM−A分率の増加による圧縮強度の低下が問題になるため、Cuを添加する場合には上限を1.0%とする。より好ましくは、0.05〜0.45%である。
Ni:1.0%以下
Niは靭性の改善と強度の上昇に有効な元素である。しかしながら、1.0%を超えて添加すると連続鋳造時にスラブに割れが生じ、表面の手入れが必要となり、著しい生産性の低下を招き、さらにM−A分率の増加による圧縮強度の低下が問題になるため、Niを添加する場合には上限を1.0%とする。より好ましくは、0.05〜0.45である。
Cr:1.00%以下
CrはMnと同様に低Cでも十分な強度を得るために有効な元素である。しかしながら、1.0%を超えて添加すると溶接性の劣化やM−A分率の増加による圧縮強度の低下を招くため、Crを添加する場合はその含有量は1.00%以下とする。より好ましくは0.10〜0.40%である。
Mo:0.50%以下
Moは焼き入れ性を向上し強度上昇に大きく寄与する元素である。しかし、0.50%を超える添加はM−A分率の増加による圧縮強度の低下や溶接熱影響部靭性の劣化を招くため、Moを添加する場合は、その含有量は0.50%以下とする。より好ましくは、0.05〜0.30%である。
Ceq:0.30以上
下記式(1)で定義されるCeqは本来は溶接時のHAZ最高硬さを示す指標であるが、同時に母材強度ともよい相関を示すことが知られている。CeqIIWは0.30未満の場合、所望の母材強度が得られないため、Ceqの下限を0.30とする。
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5 式(1)
ここで、各式の右辺の元素記号はそれぞれの含有量(質量%)を表わし、含有しない場合は0とする。
PHIC:1.00以下
下記式(2)で定義されるPHICは一般的な炭素等量の式に用いられる合金元素およびPについて、中央偏析部への濃化度を熱力学計算により求めて濃化度合いの係数を加えたもので、中央偏析部の最終凝固部の硬さを間接的に表示することができる。このPHICが1.00を超えると中央偏析に粗大なMnSが生成していなくても、NbTi―CNなどを起点にHIC割れが発生するため、上限を1.00とする。
PHIC=4.46C+2.37Mn/6+(1.18Cr+1.95Mo+1.74V)/5+(1.74Cu+1.7Ni)/15+22.36P 式(2)
ここで、各式の右辺の元素記号はそれぞれの含有量(質量%)を表わし、含有しない場合は0とする。
ACR:1.00〜6.00
ACRは中央偏析に生成するMnSをCaによって球状化させえるかを評価する指標であり、1.00未満の場合、中央偏析に粗大なMnSが残留し耐HIC性能を劣化させる。1.00以上の場合は、CaOSが生成し、粗大なMnSの生成はなくなるが、6.00を超えるとCaOSがクラスタを生成し、耐HIC性能を劣化させるため、ACRの範囲を1.00〜6.00の範囲とする。
ACR=(Ca−(0.18+130Ca)O)/1.25S 式(3)
ここで、各式の右辺の元素記号はそれぞれの含有量(質量%)を表わす。
さらに、鋼板の強度、母材靱性、HAZ靱性を向上させるため、以下に示すV,Ti,Mgの中から選ばれた1種又は2種以上を添加することができる。
V:0.005〜0.100
Vは主に焼入れ性を高めることで母材強度を向上させることができる。その効果は0.005%未満ではあらわれず、一方で0.100%を超える添加により析出脆化を起こし、母材靱性、HAZ靱性を劣化させるため、Vを添加する場合にはその範囲は0.005〜0.100%とすることが好ましい。より好ましくは0.005〜0.050%である。
Ti:0.005〜0.050%
TiはTiNのピンニング効果により加熱時のオーステナイトの粗大化を抑制し、母材や溶接熱影響部の靭性を改善するために有効な元素である。しかし、0.005%未満では効果が無く、0.050%を超える添加はTiNが粗大化し、逆に溶接熱影響部靭性の劣化を招くため、Tiを添加する場合にはその含有量は,0.005〜0.050%の範囲とすることが好ましい。さらに、Ti含有量を0.005〜0.030%にすると、より優れた靭性を示す。
Mg:0.0005〜0.0040%
Mgはアルミナクラスタ(Al)を、Al−Mg系酸化物として微細分散させることで母材およびHAZ靭性向上に寄与する元素である。その効果を得るためには、0.0005%以上添加することが好ましいが、0.0040%を超える添加で、MgCaOSクラスタを形成し、耐HIC性能を劣化させるため、Mgを添加する場合にはその添加量は0.0005〜0.0040%とすることが好ましい。
上記の元素以外はFeおよび不避的不純物とし、意図的に添加しない。より好ましくは、不可避的不純物の含有量上限を、Nで0.0060%以下、Bで0.0005%以下とする。
2.金属組織(ミクロ組織)
本発明では、母材の金属組織の形態および体積分率を規定する。ここで、体積分率は各金属組織の面積率を測定し体積分率とみなしている。
表層組織
表層組織は耐SSC性を確保するために過度に焼きの入った組織になることを防ぐ必要がある。本発明では、加速冷却の直前にデスケーリングを行うことで、厚いスケールの生成に起因した表層での硬化組織の生成を抑制し、表層組織を上部ベイナイトにするか、フェライト+上部ベイナイト(フェライトと上部ベイナイトとの混合組織をこのように表記する)主体にすることで、表層硬さの過度な上昇を防ぐ。なお、これらの主体組織以外としては、マルテンサイト、M−A、下部ベイナイト、パーライトおよびセメンタイトがあり、いずれも、フェライト、上部ベイナイトにくらべて硬い組織であるため、少ない方がより。なお、主体組織の体積分率を特には規定しないが、より好ましくは85%以上である。このとき、上部ベイナイトのラス間に生成するセメンタイトは上部ベイナイトの一部として測定する。また、表層とは最表層から管厚方向2mmまでの領域のことである。
管厚中央組織
管厚中央の組織は、母材強度およびHIC性能を確保する上で重要な因子である。HIC性能確保および圧縮強度確保の観点からは、できるだけ均一な組織であることが望ましく、強度確保の観点からフェライト単相組織では不適格で、下部ベイナイトやマルテンサイト単相組織にすると硬さが大きくなりすぎてHIC試験時に中央偏析から割れが生じるため、母材強度、耐HIC性能の両立のためには、上部ベイナイト単相組織とする必要がある。
なお、上部ベイナイト組織以外としては、マルテンサイト、M−A、下部ベイナイト、パーライト、セメンタイトおよびフェライトがあり、いずれも第2相として主体組織である上部ベイナイトとの硬度差を生じ、耐HIC性能および圧縮強度を劣化させるため、少ない方が良い。なお、主体組織である上部ベイナイトの体積分率は、85%以上であることが好ましい。このとき、上部ベイナイトのラス間に生成するセメンタイトは上部ベイナイトの一部として測定する。また、管厚中央とは、管厚中央から管厚方向±2mmの位置でなおかつ中央偏析部を除く位置のことである。
M−A分率
M−Aは上述した硬質第2相の中でも、最も硬度が大きい組織であり、耐HIC性能および圧縮強度を顕著に劣化させるため、できるだけ少ない方がよい。本発明では、加速冷却後の再加熱によりM−Aを分解し、実質的に含まない程度まで低減することができる。なお、再加熱によっても若干M−Aが残留することがあるが、1%までは許容することができる。管厚全域とは、中央偏析部を除く鋼管母材全域のこととする。
3.硬さ
本発明では、管周方向、管厚方向の硬さ分布および硬さの最大値を規定する。なお、硬さはビッカース硬さ試験機で荷重10kgf(98N)で測定したものとする。
管周方向の硬度差の最大値: 30以下
管周方向の硬度差は、主に加速冷却時の表面性状に起因して発生する。スケールが厚い箇所は過度に冷却されて表層が著しく硬化し、一方スケール厚が薄い箇所では、それほど表層が硬化しないため表層硬さに大きな差が出ることになる。管周方向の硬度差が大きいと、UOE造管時のC−U−O成形における形状の乱れが生じ、その結果、所望の真円度を得るためにより大きな拡管率を必要としてしまう。拡管率が大きくなると、バウシンガー効果により圧縮強度が低下するため、耐圧潰性が低下することになる。一方で、管周方向の硬度差が小さいと、拡管率が小さくても高い真円度を得ることができ、圧縮強度の低下の抑制および真円度の確保の両面から耐圧潰性を向上させることができる。その効果は、管周方向の硬度差を30以下にすることにより顕著に現れるため、上限を30とする。より好ましくは20以下である。
なお、管周方向の硬度差は管厚方向および管長方向の同じ位置で測定したものについて比較するものとし、上述したように管周方向の硬度差は主に表層部で生じるため、表層から1mmおよび裏層から1mmの2箇所を測定すれば、その鋼管の管周方向の硬度差を代表とみなせる。
管厚方向の硬度差の最大値: 30以下
管厚方向の硬度差は、主に加速冷却前の表層組織形態、加速冷却の冷却速度、加速冷却時の表面性状に起因して発生し、管周方向の硬度差と同じく、UOE造管時のC−U−O成形における形状の乱れが生じ、その結果、所望の真円度を得るためにより大きな拡管率を必要としてしまう。拡管率が大きくなると、バウシンガー効果により圧縮強度が低下するため、耐圧潰性が低下することになる。一方で、管厚方向の硬度差が小さいと、拡管率が小さくても高い真円度を得ることができ、圧縮強度の低下の抑制および真円度の確保の両面から耐圧潰性を向上させることができる。その効果は、管周方向の硬度差が30以下にすることにより顕著に現れるため、上限を30とする。より好ましくは20以下である。なお、管厚方向の硬度差は管周方向および管長方向の同じ位置で測定したものについて比較するものとする。
表層最大硬さ: 248以下
表層硬さが248を超えるとSSCで割れが生じるため、表層硬さの最大を248以下とする。なお、表層硬さの測定位置は、表層から1mmおよび裏層から1mmとし、前述したように局所的な硬化部はデスケーリング水のかかり方による表層のスケールむらに起因するため、ある管長位置においてミルデスケーリング装置および加速冷却前デスケーリング装置のノズル間隔のうち大きい方の長さの2倍の長さの管周方向位置を最大でも20mmピッチで測定したうちの最大値を用いることとする。
4.鋼管の真円度
真円度が高いほど、耐圧潰性が向上する。ここで、真円度とは、Dmax−Dminと定義する。Dmaxは測定最大外径(mm)で、Dminは測定最小外径(mm)である。真円度は、製造された鋼管の任意の管長位置で管周を12等分あるいは24等分して対向する位置での外直径を測定し、それらのうちの最大値と最小値をそれぞれDmax、Dminとすることで求めることができる。
耐圧潰性は、より真円であるほど(すなわち真円度が0に近いほど)高くなるが、UOE造管では完全な真円を達成することができず、また、外径が大きく、板厚が小さくなるほど真円度は悪くなる。本発明では、管周方向の硬度分布を均一にすることにより、下記式(4),(5)に示す真円度を得ることができる。
D/t0.6≦135の場合 Dmax−Dmin≦3.0 式(4)
D/t0.6>135の場合 Dmax−Dmin≦0.04D/t0.6−2.4 式(5)
ここで、D: 公称外径 (mm)、t: 管厚 (mm)、Dmax−Dmin: 真円度 (mm)、Dmax:測定最大外径(mm)、Dmin:測定最小外径(mm)である。
真円度を3.0以下にすることにより顕著に耐圧潰性を向上させることができるため、特に高い耐圧潰性能が要求される場合には、鋼管寸法であるD/t0.6が135以下の場合には、Dmax−Dminは3.0を上限とすることが好ましい。D/t0.6が135を超える場合にはDmax−Dminは0.04D/t0.6−0.4の値以下であることが好ましい。
なお、本発明で高強度鋼板とは、DNV−OS−F101のSAWL415グレードに相当する520MPa以上の引張強度を有する鋼板をいう。
5.製造方法
本発明では、上記の母材ミクロ組織および硬さ分布および所望の性能を得るための、鋼管素材および鋼管の製造方法を規定する。
スラブ加熱温度: 900〜1200℃
スラブをオーステナイト化しつつ、最低限のNbの固溶量を得るため、下限温度は900℃である。一方、1200℃を超える温度までスラブを加熱すると、NbCおよびTiNによるピンニング効果が弱まり、オーステナイト粒が著しく成長し、母材靭性が劣化する。このため、スラブ加熱温度は900〜1200℃の範囲とする。
900℃以下の累積圧下率: 30〜90%
本発明に係る鋼では、Nb添加によって900℃以下はオーステナイト未再結晶温度領域である。この温度域以下において累積で大圧下の圧延を行うことにより、オーステナイト粒を伸展させ、特に板厚方向で細粒とし母材靭性を向上させる。累積圧下率が30%未満の場合は、細粒化が十分でなく靱性が劣化するため、900℃以下の温度域での累積圧下率は30%以上とする。累積圧下率が大きいほど圧延時の鋼板の反りや圧延能率の低下などが問題となり、また90%を超える圧下率を確保しても材質特性に大きな変化がみられないため、上限を90%とする。好ましくは50〜90%の範囲内である。
圧延終了温度: (Ar−10℃)以上
圧延終了温度は、低い方が母材靱性が良好になるが、(Ar−10℃)を下回ると管厚中央付近の母材組織に加工フェライトが生成し耐HIC性能が劣化するため、下限をAr−10℃とする。より好ましくは、(Ar−10℃)以上830℃以下である。なお、温度の測定は、圧延終了後ただちに放射温度計により鋼板表面温度を測定するものとする。Ar点は実質的に同一とみなせる化学成分の鋼の熱膨張試験で加工後の変態開始温度を測定することがのぞましいが、下記の式(6)で代用してもよい。
Ar(℃)=910−310C−80Mn−20Cu−55Ni−15Cr−80Mo式(6)
ここで、各元素記号は含有量(質量%)で、含有しない場合は0とする。
加速冷却前のデスケーリング
さらに上記製造工程に加えて、加速冷却の直前に高衝突圧の噴射流によるデスケーリングを行う。鋼板内の材質均一性に優れた高強度鋼板とするためには、鋼板内の硬さのばらつきを低減することが必要であり、特に鋼板内部の強度を保ちながら、表層部の硬さを抑制することが重要である。圧延後の鋼板においては、圧延前および圧延中のデスケーリング等により幅方向にスケールの厚さにむらが生じることがある。また、スケール厚さが大きい場合には、部分的にスケールの剥離が生じることがある。圧延後の加速冷却の際に、スケール厚さにばらつきがあると、その厚さに応じて鋼板表面の冷却速度も変化してしまい、その冷却速度に応じて鋼板表面の硬さも変化してしまう。鋼板を高強度化するためには、加速冷却時の冷却速度を大きくすることが有効であるが、高冷却速度の冷却では表層硬さに及ぼすスケール厚さの影響が顕著になるため、スケール厚さにむらがあると硬さのばらつきが増大して鋼板内の材質均一性が劣化する。その対策として、高衝突圧のデスケーリングによりスケール厚さを冷却速度に大きな差が生じない程度に均一に薄くすることができる。
本発明では、加速冷却の直前に鋼板表面での噴射流の衝突圧が1MPa以上のデスケーリングを行う。鋼板表面での噴射流の衝突圧が1MPa未満では、デスケーリングが不十分でスケールむらが生じる場合があり、表層硬さのばらつきが生じるため、噴射流の衝突圧は1MPa以上とする。デスケーリングは高圧水を用いて行うが、鋼板表面での噴射流の衝突圧が1MPa以上であれば、他の噴射流を用いても構わない。また、デスケーリング後、5秒以内に加速冷却を行うことが望ましい。デスケーリング後、5秒を超えて加速冷却を行う場合、スケールが成長するため表層部の冷却速度が上昇し、硬さのばらつきが大きくなる場合があるからである。
加速冷却開始温度
加速冷却開始温度が低いと、鋼板の板厚中央、すなわち、管厚中央にフェライトが生成し、耐HIC性能が劣化するため、(Ar−30℃)以上とする。より好ましくは、(Ar−30℃)〜(Ar+10℃)の範囲である。なお、温度の測定は、加速冷却前デスケーリングの直前に放射温度計により表面温度を測定するものとする。Arは式(6)を代用してもよい。
表層の加速冷却速度
表層の加速冷却速度は表層の組織および硬さを決定する重要な因子であり、表層の冷却速度が200℃/sを超えると表層組織にマルテンサイトや下部ベイナイトが多数生成し、表層硬さが大きくなるため上限を200℃/sとする。好ましくは板厚中央の冷却速度以上、150℃/s以下である。
鋼板の平均の冷却速度
鋼板の平均の冷却速度は、鋼板の板厚中央、すなわち、管厚中央の組織および硬さを決定する重要な因子であり、鋼板の板厚方向の平均の冷却速度が10℃/s未満では管厚中央にフェライトが生成し、耐HIC性能が劣化するため、下限を10℃/sとする。より好ましくは、10〜100℃/sである。
なお、鋼板板厚方向の平均の温度および冷却速度については、物理的に直接測定することはできないが、鋼板表面の温度変化を基にしたシミュレーション計算を行うことで、リアルタイムに求めることができる。
加速冷却停止温度
圧延終了後の鋼板を、ベイナイト変態の温度域である300〜450℃まで加速冷却することにより、ベイナイト相を生成させる。冷却停止温度が300℃を下回ると加速冷却時に未変態であったオーステナイトから多くのM−Aが生成し再加熱後もセメンタイトとして残留し、耐HIC性能および圧縮強度が低下するため、下限を300℃とする。一方で450℃を超えると、再加熱時に未変態オーステナイトにCが濃化しM−Aが生成してしまうため、上限を450℃とする。加速冷却停止温度の測定は、復熱で表層と板厚中央の温度差が小さくなったときに表面を放射温度計で測定するものとする。より好ましくは、鋼板全体の水冷が終了してから10〜120秒の時間の範囲内で測定するものとする。
再加熱による表層到達温度;冷却停止温度以上かつ(500℃〜Ac
加速冷却停止後の鋼板に再加熱を行うことにより表層組織に生成するM−Aの分解および表層組織の焼戻しにより表層硬さを低減できる。その効果は、冷却停止温度以上かつ500℃以上に加熱しないと現れないため下限を冷却停止温度以上かつ500℃とする。一方で、Ac点を超える温度まで加熱すると表層が逆変態する可能性があり、HIC試験時のブリスタの生成などの問題が生じるため、上限をAcとする。なお、Ac点は熱膨張試験などにより求めることが好ましいが、以下の式(7)を用いて求めてもよい。
Ac=750.8−26.6C+17.6Si−11.6Mn−169.4Al−22.9Cu−23Ni+24.1Cr+22.5Mo+232.6Nb−39.7V−5.7Ti−894.7B 式(7)
ここで、各元素記号は含有量(質量%)で、含有しない場合は0とする。
加速冷却停止後の鋼板に対する上記再加熱は、製造効率や熱処理に要する燃料コストを削減する観点からは、加速冷却停止後、ただちに開始することが好ましく、たとえば、冷却停止の後120秒以内に再加熱を開始することが望ましい。
再加熱による管厚中央到達温度: 冷却停止温度以上かつ400〜550℃
加速冷却停止後の鋼板に再加熱を行うことにより管厚中央(すなわち母材である鋼板の板厚中央)に生成するM−Aを分解し、圧縮強度を向上させることができる。その効果は400℃以上に加熱しないと現れないため下限を400℃にする。一方で、550℃を超える温度まで加熱するとセメンタイトが析出、粗大化し、DWTT性能が劣化するため、上限を550℃とする。管厚中央(すなわち母材である鋼板の板厚中央)の温度については、物理的に直接測定することはできないが、鋼板表面の温度変化を基にしたシミュレーション計算を行うことで、リアルタイムに求めることができる。
表層と管厚中央の到達温度差: 40℃以上
上述の再加熱を実施することにより表層は管厚中央(すなわち母材である鋼板の板厚中央)、よりも高温に加熱されるが、その際、管厚方向の硬さ分布を規定の範囲内にするためには、表層と管厚中央の到達温度差を40℃以上にする必要がある。40℃未満であると表層の焼戻しが十分でない、もしくは、管厚中央が過度に焼戻される、などの現象によってそれぞれ規定の管厚方向硬さ差を満足できない。
室温まで冷却;
本発明の再加熱温度では、その後の冷却過程により鋼板の材質や形状に影響を与えない。そのため、再加熱後の鋼板を室温まで冷却するための冷却手段は、例えば、空冷でよい。放冷してもよいし、また、鋼板に空気を吹き付けて積極的に空冷してもよい。これ以外に、水冷や、その他の手段でもかまわない。
以上の再加熱熱処理の後、空冷により室温まで冷却して得られた厚鋼板を、冷間で管状に成形する。
本発明は上述の方法によって製造された厚鋼板を用いて鋼管となすが、鋼管の成形方法は、UOEプロセスやプレスベンド等の冷間成形によって鋼管形状に成形する。その後、シーム溶接するが、このときの溶接方法は十分な継手強度及び継手靱性が得られる方法ならいずれの方法でもよいが、優れた溶接品質と製造能率の点からサブマージアーク溶接を用いることが好ましい。本発明では、その突合せ部を2層以上の溶接によって接合し、拡管した溶接鋼管を対象とする。突合せ部を2層以上溶接することにより、溶接入熱の過度な上昇による靱性の劣化を防ぎやすく、また、溶接ビードについても良好な外観形状が安定して得られるためである。突き合せ部の溶接を行った後に、溶接残留応力の除去と鋼管真円度の向上のため、拡管を行う。以下、拡管率について説明する。
拡管率: 0.5〜1.1%
一般に厚肉高強度UOE鋼管は、0.9〜1.2%程度の範囲の拡管率で造管を行う。拡管率は、耐圧潰性を確保する上で重要な因子であり、拡管率を低くするほど圧縮強度が上昇するが、真円度が低下する。一方で、拡管率を高くするほど真円度は高くなるが、圧縮強度は下がり、さらにはダイスによる鋼管の傷つきが問題になる。拡管率を0.5%より小さくしても圧縮強度上昇効果はあまり期待できないので、下限を0.5%とする。一方で、本発明では、管厚および管周方向の硬さを均一化することによって成形性を著しく向上させているため、拡管率が低くても、所望の真円度を得ることができる。真円度は拡管率が1.1を超えるとそれ以降は拡管率増加による真円度向上効果が飽和するため、上限を1.1%とする。以上に規定した拡管率0.5〜1.1%の範囲で造管すれば、優れた耐圧潰性能が得られる。また、より好ましくは0.5〜1.0%である。
表1に示す化学成分の鋼を連続鋳造法によりスラブとし、加熱したスラブを熱間圧延により圧延した後、加速冷却装置直前で高衝突圧デスケーリングを行い、5秒以内に水冷型の冷却設備を用いて加速冷却を行い、ただちに誘導加熱により急速加熱を行い、その後空冷することにより、厚鋼板を製造した。製造した鋼板をUOE成形によって造管した。突合せ部の溶接は、内面及び外面について各1層のサブマージアーク溶接により実施した。なお、Oプレスの圧縮率はすべて0.3%とした。以上の方法で製造した溶接鋼管の製造方法の詳細を表2に示す。なお、加熱温度は鋼板全体の平均温度とし、圧延終了温度および冷却開始温度は鋼板表面温度を、冷却停止温度は復熱後の鋼板表面温度を、誘導加熱による表層加熱温度は鋼板表層温度を、管厚中央温度は、加熱パターンと実績表層加熱温度より熱伝導計算により計算した。
真円度は、鋼管外径を管周方向に6箇所以上測定し、その最大値/最小値を求めることで算出した。真円度(Dmax−Dmin)の目標値は、請求項3に記載の範囲とした。
鋼管のミクロ組織の分率は、表層から1mm位置および管厚中心位置について400倍で組織観察した10枚の光学顕微鏡写真の画像解析からフェライト相とベイナイト相の合計の面積分率を平均して求めた。管厚中央に関しては中央偏析部を除外した。M−A分率は、表層+1mm、管厚内表面から1/4位置、管厚中央について2000倍で組織観察した5枚のSEM(走査型電子顕微鏡)写真の画像解析から面積分率を平均して求め、鋼管中に均一に第2相が分散していると仮定して、前記面積分率の値が体積分率の値に等しいものとみなした。ミクロ組織の目標形態は、本発明の請求項の範囲とした。
管周方向の硬さ分布は、鋼管のシーム溶接部を起点とした管周方向位置として、40〜320°位置の表面から1mmおよび裏面から1mm位置を20mmピッチで測定し、その最低値および最高値の差を求めた。管厚方向の硬さ分布は、鋼管90°位置について1mmピッチで表層から1mmと裏面から1mmの位置にかけて測定し、その最低値と最大値の差を求めた。鋼管最大硬さは以上で測定した硬さ結果の最大値を用いた。なお、硬さをすべてビッカース硬さ試験機で10kgf(98N)の荷重で測定した。
鋼管の引張降伏応力および引張強度は、鋼管90°位置の鋼管周方向から全厚引張試験片を採取し、求めた。引張強度の目標値は、520MPa以上である。圧縮降伏応力は、鋼管180°位置の内表面から1mmの位置からASTM E9準拠の直径20mm、長さ60mmの円筒試験片を採取し、0.5%における応力を求めた。圧縮降伏応力の目標値は、引張降伏応力の80%以上とした。DWTT(Drop Weight Tear Test:落重引裂試験)特性は、鋼管周方向から採取した19mmのDWTT試験片を用いて−17℃で試験を行い、破面率を求めた。試験は各2本実施し、その平均値が85%を以上になることを目標とした。
耐圧潰性は、DNV−OS−F101で規定されている下記の外圧による圧潰抵抗の式(8)〜(12)を用いて圧潰抵抗pを評価した。
ここで、α=0.96、αfab=1.00、E=206000MPa、ν=0.3、t=管厚 (mm)、D=外径 (mm)、Dmax−Dmin=真円度 (mm)、YS=常温での圧縮降伏応力(MPa)、fy,temp=室温と最高使用温度の圧縮降伏応力の差(本発明では50℃以下での使用を想定し、0MPaとする)である。圧潰抵抗の目標値は、式(8)〜(12)に引張降伏応力、f=0.0050、αfab=0.85を代入して計算される値を基準値として1.10倍以上になることとした。
HIC特性は、NACE Standard TM0284−2003に基づいて、各3個のサンプルを採取して、pHが約3の硫化水素を飽和させた5%NaCl+0.5%CHCOOH水溶液中に試験片を96時間浸漬した後、超音波探傷により試験片全面の割れの有無を調査し、割れ面積率(CAR)で評価した。ここで、それぞれの鋼板の最大値をその鋼板のCARとしてCAR≦5%を合格とした。SSC特性は、NACE Standard TM0177−2005に基づいて、内表面側から採取した厚さ5mmの3点曲げ型サンプルに、負荷応力を母材の降伏応力の90%かけて、pHが約3の硫化水素を飽和させたNaCl+0.5%CHCOOH水溶液中に試験片を720時間浸漬して破断するか否か評価した。試験は3本ずつ行い、3本とも破断しなかった場合は、No crack、1本でも破断した場合は、Crackと評価した。本試験で、3本とも破断しなかった場合は、耐サワー性能が優れると評価できる。
表3に表2の製造方法で得られた溶接鋼管のミクロ組織形態と機械的特性を示す。本発明例の請求範囲内の溶接鋼管はいずれも、ラインパイプとして必要とされる強度、DWTT性能を満たしつつ、優れた耐圧潰性、耐サワー性能を両立していることがわかる。一方で、本発明の請求範囲外の溶接鋼管は、それらのいずれかの特性を満たしていない。

Claims (4)

  1. 厚鋼板からなる母材を管状に成形し、その突合せ部を2層以上の溶接によって接合した溶接鋼管であって、
    質量%で、
    C: 0.02〜0.08%
    Si: 0.01〜0.50%
    Mn: 0.5〜1.5%
    P: 0.010%以下
    S: 0.001%以下
    Al: 0.06%以下
    Nb: 0.002〜0.100%
    Ca: 0.0005〜0.0040%
    O: 0.0030%以下
    を含有し、さらに、
    Cu: 1.0%以下
    Ni: 1.0%以下
    Cr: 1.00%以下
    Mo: 0.50%以下
    の中から選ばれる1種以上を含有し、
    さらに、式(1)で規定されるCeqが0.30以上、
    式(2)で規定されるPHICが1.00以下、
    式(3)で規定されるACRが1.00〜6.00であり、
    残部Feおよび不可避的不純物からなり、
    母材表層部の金属組織が上部ベイナイトであるか又はフェライト及び上部ベイナイトであり、
    母材管厚中心部の金属組織が上部ベイナイト単相であり、
    管厚全域で島状マルテンサイト(M−A)の体積分率が1%以下、
    かつ、管周方向同位置における管厚方向のビッカース硬度差の最大値が30以下、
    管厚方向同位置における管周方向のビッカース硬度差の最大値が30以下、
    表層ビッカース硬度の最大値が248以下である
    ことを特徴とする耐圧潰性に優れた高強度耐サワーラインパイプ。
    Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5 式(1)
    PHIC=4.46C+2.37Mn/6+(1.18Cr+1.95Mo+1.74V)/5+(1.74Cu+1.7Ni)/15+22.36P 式(2)
    ACR=(Ca−(0.18+130Ca)O)/1.25S 式(3)
    ここで、各式の右辺の元素記号はそれぞれの含有量(質量%)を表わし、含有しない場合は0とする。
  2. さらに、質量%で、
    V: 0.005〜0.100%
    Ti: 0.005〜0.050%
    Mg: 0.0005〜0.0040%
    の中から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の耐圧潰性に優れた高強度耐サワーラインパイプ。
  3. 真円度が下記の式(4)〜(5)を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の耐圧潰性に優れた高強度耐サワーラインパイプ。
    D/t0.6≦135の場合 Dmax−Dmin≦3.0 式(4)
    D/t0.6>135の場合 Dmax−Dmin≦0.04D/t0.6−2.4 式(5)
    ここで、D: 公称外径(mm)、t: 管厚(mm)、Dmax−Dmin: 真円度(mm)、Dmax:測定最大外径(mm)、Dmin:測定最小外径(mm)である。
  4. 鋼素材を、900〜1200℃に加熱後、
    900℃以下の累積圧下率を30〜90%とし圧延終了温度を(Ar−10℃)以上とした熱間圧延を行った後、
    加速冷却の直前に鋼板表面での噴射流衝突圧が1MPa以上のデスケーリングを行い、その後(Ar−30℃)以上の温度から表層の冷却速度が200℃/s以下かつ板厚方向の平均の冷却速度が10℃/s以上で、
    冷却停止温度が300℃〜450℃になる加速冷却を行い、
    表層温度を冷却停止温度以上かつ(500℃〜Ac)、
    管厚中央温度を冷却停止温度以上かつ400〜550℃以下、
    表層と管厚中央の到達温度差が40℃以上になるように再加熱し、
    その後、室温まで冷却して得られた厚鋼板を、冷間で管状に成形し、
    突合せ部を溶接し鋼管とした後、
    さらに、0.5〜1.1%の拡管率で拡管を行うことによって製造する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐圧潰性に優れた高強度耐サワーラインパイプの製造方法。
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