JP3969147B2 - 繊維処理剤及び該処理剤で抄紙した非パルプペーパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線基板等の電気絶縁積層板の基材用、あるいは塩化ビニル系床材の基材用、屋根材・壁材等構造部材等の基材用の繊維処理に好適な繊維処理剤とこれを処理して得られる非パルプペーパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、レゾール樹脂をマトリクス樹脂としたいわゆる紙フェノール積層板が古くからプリント配線基板に使われているが、基材の紙の特性から、高機能、高耐久性のプリント配線基板用には、非パルプペーパー、たとえばガラスペーパー、アラミドペーパー等が使われてきている。これらの非パルプペーパーには抄紙用繊維処理剤が使われるが、従来の水性レゾール樹脂は遊離フェノールを多量に含むため、廃水問題があり、使用できないことが多かった。同時に従来の水性レゾール樹脂では遊離フェノール含有率が、耐熱性に悪影響を及ぼしていた。
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、遊離フェノール含有率が低減された繊維処理剤及びこれを用いた非パルプペーパーを提供する。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討した結果、遊離フェノール含有率が0.1重量%以下である水性レゾール樹脂よりなる繊維処理剤と該繊維処理剤により繊維間を接着した非パルプペーパーが、上記課題を解決することを見出し、発明を完成するに至った。
【0004】
すなわち、本発明は、遊離フェノールの含有率が0.1重量%以下である水性レゾール樹脂を必須成分として含有する繊維処理剤であって、前記水性レゾール樹脂がアルデヒド類とフェノール類とを、〔アルデヒド類〕/〔フェノール類〕=0.2〜0.6〔モル比〕となる割合で反応させて得られたノボラック樹脂(A)とアルデヒド類とを反応させて得られた水性レゾール樹脂であり、且つ、ノボラック樹脂(A)が、アルデヒド類とフェノール類とを反応後、得られた樹脂を減圧下で加熱して、遊離フェノールの含有率を0.1重量%以下まで除去したものであることを特徴とする繊維処理剤、これを用いて得られる非パルプペーパーを提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の繊維処理剤は、遊離フェノールが0.1重量%以下である水性レゾール樹脂よりなることを特徴とする繊維処理剤である。
【0006】
前記の水性レゾール樹脂としては、遊離フェノールが0.1重量%以下である水性レゾール樹脂であり、アルデヒド類とフェノール類とが、〔アルデヒド類〕/〔フェノール類〕=0.2〜0.6〔モル比〕となる割合で反応させて得られるノボラック樹脂(A)をアルデヒド類と反応させて得られることができる。
【0007】
前記のノボラック樹脂(A)としては、例えば、次の工程を経て製造することが出来る。フェノール類、アルデヒド類、触媒としての酸を仕込み、100℃で1〜5時間反応させる。その後、常圧脱水、減圧脱水工程を経て、180〜230℃の温度で、ノボラック樹脂中に残留した未反応フェノールを除去する。その際、前記の残留した未反応フェノールモノマーのノボラック樹脂中の含有量は、低いほど好ましく、完全に除去しておくことが最も好ましいが、実用的には、1.0重量%以下が好ましく、0.1重量%以下がより好ましい。更に、0.01重量%程度の量まで削減させておくことが特に好ましい。未反応フェノールが1.0重量以下となるための方法としては、例えば、フェノールとホルムアルデヒド水溶液との反応液を、200℃迄常圧状態で蒸留を行い、更に減圧蒸留を行い、得られたノボラック樹脂中の残留フェノール量が1.0重量以下、好ましくは0.1重量%以下となるまでフェノールを除去する。
【0008】
ここで、アルデヒド類とフェノール類との反応割合は、〔アルデヒド類〕/〔フェノール類〕=0.2〜0.6〔モル比〕である。本発明に用いるノボラック樹脂の分子量としては、GPCで測定した数平均分子量500〜800が好ましい。
【0009】
前記フェノール類としては、特に限定されるものではなく、例えば、フェノール、あるいはクレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノールなどのアルキルフェノール類、レゾルシン、カテコールなどの多価フェノール類、ハロゲン化フェノール、フェニルフェノール、アミノフェノールなどが挙げられる。またこれらのフェノール類は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種以上の併用も可能である。ここで製品として水溶性のレゾール樹脂を得るためにはレゾルシン及び通常のフェノールモノマーが好ましいが、安価な製品を得るためには、フェノールモノマーがより好ましい。
【0010】
前記アルデヒド類としてはフェノール樹脂製造の際に一般的に良く用いられるホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が有効であり、ウロトロピンも用いることが出来る。
【0011】
前記反応で触媒として用いる酸類としては、ノボラック樹脂の製造の際に一般的に用いられる酸が使用可能であり、例えば、蓚酸、塩酸、燐酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸やハイオルソノボラック樹脂の触媒である酢酸亜鉛、オクチル酸亜鉛等が用いられる。
【0012】
また、前記ノボラック樹脂(A)としては、ノボラック樹脂の合成過程でフェノールと例えばエポキシ樹脂、トリアジン類等を任意の割合で反応させたいわゆる変性ノボラック樹脂も用いることが出来る。これらで変性されたノボラック樹脂をレゾール樹脂製造の際の原料として用いると、前記の手法で製造されたレゾール樹脂に更に耐水性や、耐熱性を付与することも可能である。
【0013】
次いで、前記ノボラック樹脂(A)を原料とした、遊離フェノールモノマーを含まないレゾール樹脂の製造方法について説明する。上記ノボラック樹脂(A)とアルデヒド類とをアルカリ金属触媒、アルカリ土類金属の酸化物やアミン類、アンモニア、或いは酢酸亜鉛等を用いて反応させることによって得ることが出来る。これらの触媒は1種或いは2種類の併用で反応させても良い。更に触媒を中和する目的で、硫酸、塩酸、燐酸、パラトルエンスルホン酸等を用いても良い。
【0014】
前記ノボラック樹脂(A)とアルデヒド類の比率はC−13NMRで測定される樹脂の結合モル比として、〔アルデヒド類〕/〔ノボラック樹脂(A)〕が、未反応のノボラック樹脂成分が残留せずに、硬化性など物性が好ましくなる点から0.5以上が好ましく、また、未反応ホルムアルデヒドが残留せずに、環境対策上好ましい点から4.0以下が好ましい。更に、〔アルデヒド類〕/〔ノボラック樹脂(A)〕=1.0〜2.5(モル比)が特に好ましい。
【0015】
触媒として用いるアルカリ類やアルカリ金属類の量は、反応が円滑に進む点から、原料として用いるノボラック樹脂(A)のモル数に対し触媒0.01倍モル以上が好ましく、また、反応の制御が容易で、触媒による製品の貯蔵安定性の悪化がない点、或いは、得られた樹脂が脆くならないことら1.0倍モル以下が好ましい。
【0016】
次いで、前記ノボラック樹脂(A)とホルムアルデヒド(例えば、37重量%濃度のホルムアルデヒド水溶液)の混合物に触媒として、水酸化ナトリウム水溶液(例えば、48重量%)を添加し、50〜80℃の温度で1〜5時間反応して、得られたレゾール樹脂中の遊離フェノール量が1.0重量%(好ましくは、0.1重量%)以下のレゾール樹脂(例えば、水溶液)を得る。
【0017】
本発明の繊維処理剤には、上記の製造方法で得られるレゾール型樹脂の形態としては、次の各種のものが使用可能である。
1.レゾール樹脂水溶液:上記の反応で得られたもの。
2.水分散型レゾール樹脂:ノボラック樹脂(A)とアルデヒド類とを、又は、ノボラック樹脂(A)、アルデヒド類とフェノールとを触媒存在下それぞれ反応させる際に、例えば、ポリビニルアルコールの様なフェノール樹脂の分散に適した分散剤を用いて得られたもの。
3.前記1及び2に記載された形態のレゾール樹脂のさらに、後述する有機溶媒を添加したもの。
【0018】
本発明の繊維処理剤の分散媒としては、とくに限定されるものではなく、水、或いは必要に応じて有機溶媒が使用可能である。有機溶媒としては、例えば、タノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、その他、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ダイアセトンアルコール、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独でも、2種以上併用してもよく、また、必要に応じて、水と併用してもよい。これらの分散媒としては、水がとくに好ましい。
【0019】
本発明の繊維処理剤には、更に、増粘剤、界面活性剤、消泡剤等の添加剤を加えることができる。増粘剤としては、親水性ポリマー或いは水溶性ポリマー類、例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸類の共重合体、マレイン酸の共重合体、マレイン酸モノエステル共重合体、アクリロイルプロパンスルホン酸共重合体、アルギン酸、ペクチン酸等のナトリウム塩或いはアンモニウム塩、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドキシプロポキシルメチルセルロース、カルボキシメチルでんぷん、ポバール、澱粉等の有機増粘剤、或いはベントナイト等の無機系増粘剤が挙げられ。これらは、単独でも、2種以上併用してもよい。
【0020】
また、界面活性剤としては、例えば、アルキルアリルエーテル系、アルキルエーテル系、アルキルエステル系、アルキルアミン系、ソルビタン系界面活性剤等のノニオン系界面活性剤、脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル類、脂肪酸アミン・脂肪族アミドの硫酸塩、脂肪族アルコールのリン酸エステル、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ナフタレンスルホン酸塩、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、或いはベタイン、アラニン、イミダゾリン系両性界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独、或いは複数併用してもよい。また、消泡剤としては、例えば、シリコーン系、鉱油系、アルコール系、エチレンオキシド−プロピレンオキシド系が挙げられる。
【0021】
前述の添加剤類の選択及び添加量は、作業性、安定性、更に加工適性、塗付量等を考慮して、適宜決定すればよい。添加する場合は、例えば、繊維処理剤100重量部あたり、それぞれ0.001重量部から10重量部の範囲で添加することが好ましい。
【0022】
本発明の繊維処理剤には、前記レゾール樹脂中の遊離フェノール量が0.1重量%以下のレゾール樹脂以外に、必要に応じて、各種エマルジョン、ディスパージョン、或いは水性樹脂等を加えて使用できる。前記各種エマルジョン、ディスパージョン、或いは水性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、アクリルスチレン樹脂エマルジョン、スチレン樹脂エマルジョン、合成ゴムラテックス、ウレタン樹脂エマルジョン、ポリエステル樹脂エマルジョン、エポキシ樹脂エマルジョン、フェノール樹脂エマルジョン、フッ素樹脂エマルジョン、塩化ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニリデン樹脂エマルジョン、これらのハイブリッド樹脂エマルジョン、水溶性アルキッド樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリエステル樹脂等或いは自己水分散性アクリル化芳香族エポキシ樹脂を加えることができる。
【0023】
なお、前記自己水分散性アクリル化芳香族エポキシ樹脂とは、例えば、下記の(I)〜(III)の方法で得られる樹脂を意味する。
【0024】
(I)芳香族エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を含有するエチレン性不飽和カルボン酸類と、他の共重合性不飽和単量体類とを有機溶媒中で重合させて得られるカルボキシル基含有アクリル系樹脂(B)とを、エポキシ基に対してカルボキシル基が過剰となる反応基濃度(当量比)で、塩基性化合物の存在下でエステル化反応させる方法。(II)芳香族エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を含有するエチレン性不飽和カルボン酸類と、他の共重合性不飽和単量体類とを、エポキシ基に対してカルボキシル基が過剰となる反応基濃度(当量比)で、重合開始剤の存在下、有機溶媒中で重合させてカルボキシル基含有アクリル化芳香族エポキシ樹脂を得た後、塩基性化合物でカルボキシル基の一部乃至全部を中和する方法。(III)無水(メタ)アクリル酸を用いて芳香族エポキシ樹脂にアクリロイル基を導入して得られた変性芳香族エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を含有するエチレン性不飽和カルボン酸と、他の共重合性不飽和単量体とを、エポキシ基に対してカルボキシル基が過剰となる反応基濃度(当量比)で、重合開始剤の存在下で、有機溶媒中で重合させてカルボキシル基含有アクリル化芳香族エポキシ樹脂を得た後、塩基性化合物でカルボキシル基の一部乃至全部を中和する方法。
【0025】
これらの樹脂類は、作業性、安定性、更に加工適性、塗付量等を考慮して、適宜決定すればよい。添加する場合は、例えば、繊維処理剤100重量部あたり、それぞれ10重量部から500重量部の範囲で添加することが好ましい。
【0026】
繊維処理剤を非パルプペーパーに塗布する方法は、とくに限定されず、たとえば繊維処理剤で充たされた槽の中に非パルプペーパーを浸漬し、過剰分を除去した後、必要により乾燥させるいわゆる浸漬法によることができる。
【0027】
次いで、繊維処理剤について説明する。本発明の繊維処理剤の固形分濃度は、繊維への付着が良好であることから5重量%以上が好ましく、繊維への付着量のコントロールが容易で、均一に付着することから20重量%以下が好ましい。
【0028】
本発明の繊維処理剤で処理する非パルプペーパーとしては、とくに限定されるものではないが、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊維、ポリアリレート樹脂、ポリイミド繊維、ポリパラフェニレンサルファイト樹脂、炭素繊維、炭化珪素繊維からなる非パルプペーパーなどが挙げられる。中でも、ガラス繊維、アラミド繊維が好ましい。
【0029】
本発明の繊維処理剤で、非パルプペーパーを処理する場合、繊維処理剤の付着率は、処理後の乾燥した非パルプペーパーの全重量に対して、処理剤が非パルプペーパー表面を万遍に行き渡り易くなることから、固形分で5重量%以上が好ましく、付着率のコントロールが容易で、処理剤が非パルプペーパーに均一に付着しすることから易くなることから30重量%以下が好ましい。更に、10〜20重量%の範囲が特に好ましい。
【0030】
【実施例】
以下に合成例及び実施例をあげて本発明を説明する。なお例中の部および重量%はすべて重量基準とする。また、数平均分子量とは、GPC(ゲルパーミネイションクロマトグラフィー)により、分子量既知のポリスチレンに換算した数平均分子量を示す。残留フェノールの測定は、ガスクロマトグラフィーでの測定に依った。なお本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0031】
合成例1
2リットルの4つ口フラスコに攪拌機、温度計をセットし、フェノール941g、37.2重量%ホルマリン40.3g、蓚酸2水和物8.82gを仕込み、還流温度(100℃)に昇温した後、更に37.2重量%ホルマリン362.9gを1時間かけて滴下した(ホルムアルデヒド/フェノール=0.5モル比)。還流温度で3時間反応した後、蒸留を開始し180℃迄昇温した。その後温度を220℃まで上げ50torr(6.65kPa)で減圧蒸留を1時間行い、残留フェノール量が0.3重量%、数平均分子量が780であるノボラック樹脂(A1)を得た。該ノボラック樹脂を固形分80重量%になるようにメタノールで希釈し、ノボラック樹脂(A1)のメタノール溶液131.3gと37重量%ホルマリン60.8gを良く混合し、これに48重量%水酸化ナトリウム10.5gを添加し、70℃迄昇温した。70℃で4時間反応した後、冷却し、レゾール樹脂(B1)水溶液を得た。この樹脂の135℃に於ける不揮発分は50.8重量%、ガスクロマトグラフィーを用いて測定した遊離フェノール量は0.02重量%、C13−NMRで測定した結合モル比は1.49、水との混和性(測定方法;25℃において樹脂10gに対して水を添加した際に濁りを生じる添加量を樹脂10gを100重量%とした場合の重量%で表示する。以下同じ)は320重量%であった。
【0032】
合成例2
2リットルの4つ口フラスコに攪拌機、温度計をセットしフェノール941gと37.2重量%ホルマリン40.3gを仕込み、蓚酸2水和物8.82gを添加し、還流温度100℃に昇温した後、更に37重量%ホルマリン202.7gを1時間かけて滴下した(ホルムアルデヒド/フェノール=0.3モル比)。還流温度で5時間反応した後、蒸留を開始し180℃迄昇温した。その後温度を220℃まで上げ50torr(6.65kPas)で減圧蒸留を1時間行い、残留フェノール量が0.1重量%、数平均分子量が610であるノボラック樹脂(A2)を得た。ノボラック樹脂(A2)をメタノールで固形分80重量%に希釈し、ノボラック樹脂(A2)のメタノール溶液131.3gと37重量%ホルマリン36.5gを良く混合し、これに48重量%水酸化ナトリウム10gを添加し、70℃迄昇温した。70℃で4時間反応した後、常温まで冷却し、レゾール樹脂(B2)水溶液を得た。この樹脂の135℃に於ける不揮発分は68重量%、遊離フェノールは0.01重量%、C13−NMRで測定した結合モル比は1.20、水との混和性は250重量%であった。
【0033】
実施例1〜2及び比較例
表1に示すごとく各合成例で得られた繊維処理剤を用いて、ガラスペーパーを作成した。
【0034】
市販の坪量60g/m2 ガラスペーパーを電気炉にてバインダーを消去し、接着剤をガラスペーパーに対して8重量%(固形分)含浸させ、160℃で10分乾燥硬化せしめた。得られたガラスペーパーの15mm幅の引張強度を測定した。
【0035】
【表1】
【0036】
表1中の強度は、下記の方法で測定した。
耐溶剤強度はアセトンに5分間浸漬したのち、直ちに引張強度を測定した。また、耐熱強度は120℃の雰囲気中で引張強度を測定した。
【0037】
【発明の効果】
本発明の繊維処理剤は、遊離フェノールの少ない水性レゾール樹脂からなるので、廃水問題も少なく、耐溶剤性、耐熱性に優れる非パルプペーパーを与えるものである。
Claims (3)
- 遊離フェノールの含有率が0.1重量%以下である水性レゾール樹脂を必須成分として含有する繊維処理剤であって、前記水性レゾール樹脂がアルデヒド類とフェノール類とを、〔アルデヒド類〕/〔フェノール類〕=0.2〜0.6〔モル比〕となる割合で反応させて得られたノボラック樹脂(A)とアルデヒド類とを反応させて得られた水性レゾール樹脂であり、且つ、ノボラック樹脂(A)が、アルデヒド類とフェノール類とを反応後、得られた樹脂を減圧下で加熱して、遊離フェノールの含有率を0.1重量%以下まで除去したものであることを特徴とする繊維処理剤。
- 前記水性レゾール樹脂を水溶液として含有している請求項1記載の繊維処理剤。
- 請求項1または2記載の繊維処理剤により、合成樹脂繊維または無機繊維間を接着してなることを特徴とする非パルプペーパー。
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