JP6962558B2 - 合成繊維用処理剤、合成繊維の処理方法、合成繊維及び不織布の製造方法 - Google Patents

合成繊維用処理剤、合成繊維の処理方法、合成繊維及び不織布の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、抄紙工程に供する合成繊維に使用する合成繊維用処理剤であって、合成繊維処理剤と水との乳化物の安定性を向上し、かかる乳化物を付着させた合成繊維を抄紙工程に供したときに、合成繊維を均一に分散させ、また抄紙工程での泡立ちを抑制することができる合成繊維用処理剤、合成繊維の処理方法、合成繊維及び不織布の製造方法に関する。
従来、抄紙工程に供する合成繊維に使用する合成繊維処理剤として、ポリエステルポリエーテル共重合物と非イオン界面活性剤と脂肪酸石鹸を含有するもの(例えば特許文献1参照)が提案されている。しかし、かかる従来の合成繊維処理剤には、水との乳化物の安定性が悪く、抄紙工程における合成繊維の分散性が不十分で、泡立ちも多いという問題がある。
特開2014−101586号公報
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、合成繊維処理剤と水との乳化物の安定性を向上し、かかる乳化物を付着させた合成繊維を抄紙工程に供したときに、合成繊維を均一に分散させ、また抄紙工程での泡立ちを抑制することができる合成繊維用処理剤、合成繊維の処理方法、合成繊維及び不織布の製造方法を提供する処にある。
本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、特定の3成分を特定の割合で含有して成る合成繊維用処理剤が正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明の一態様は、抄紙工程に供する合成繊維に使用する合成繊維用処理剤であって、下記のポリエーテルポリエステル、下記のイオン性界面活性剤及び下記のシリコーン化合物の含有割合の合計が100質量%となるよう、該ポリエーテルポリエステルを50〜98.99質量%、該イオン性界面活性剤を1〜49.99質量%及び該シリコーン化合物を0.01〜20質量%の割合で含有して成ることを特徴とする合成繊維用処理剤に係る。
ポリエーテルポリエステル:下記の構成単位1及び下記の構成単位2の構成割合の合計が100モル%となるよう、該構成単位1が40〜60モル%及び該構成単位2が40〜60モル%の割合で構成された質量平均分子量1000〜15000のポリエーテルポリエステル、並びに下記の構成単位1、下記の構成単位2及び下記の構成単位3の構成割合の合計が100モル%となるよう、該構成単位1が30〜60モル%、該構成単位2が30〜60モル%及び該構成単位3が10〜30モル%の割合で構成された質量平均分子量1000〜15000のポリエーテルポリエステルから選ばれる少なくとも一つのポリエーテルポリエステル。
構成単位1:ジカルボン酸及びジカルボン酸のエステル形成性誘導体から選ばれる少なくとも一つから形成された構成単位、
構成単位2:炭素数2〜6のアルキレングリコール及び炭素数2〜6のオキシアルキレン単位で構成された(ポリ)オキシアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコールから選ばれる少なくとも一つから形成された構成単位、
構成単位3:下記の化1で示される化合物から形成された構成単位。
Figure 0006962558
化1において、
:炭素数1〜24の脂肪族炭化水素基又は炭素数4〜40の芳香族炭化水素基としてフェニル基、ナフチル基、ベンジル基、アントラセニル基、ピレニル基、ナフトピレニル基、若しくは2−ナフタレンドデシル基
A:炭素数2〜4のアルキレン基、
n:0〜100の整数
イオン性界面活性剤:アルキル基の炭素数が4〜18のアルキルリン酸エステル塩、炭素数5〜30のスルホン酸塩及び炭素数5〜30の硫酸塩から選ばれる少なくとも一つのイオン性界面活性剤。
シリコーン化合物:25℃での粘度が10〜100000mPa・sのシリコーン化合物。
前記ポリエーテルポリエステルが、構成単位1、構成単位2及び構成単位3の構成割合の合計が100モル%となるよう、構成単位1が30〜60モル%、構成単位2が30〜60モル%及び構成単位3が10〜30モル%の割合で構成された質量平均分子量1000〜15000のポリエーテルポリエステルを含むものであることが好ましい。
前記ポリエーテルポリエステル、イオン性界面活性剤及びシリコーン化合物の含有割合の合計が100質量%となるよう、ポリエーテルポリエステルを70〜98.99質量%、イオン性界面活性剤を1〜19.99質量%及びシリコーン化合物を0.01〜20質量%の割合で含有して成ることが好ましい。
前記イオン性界面活性剤が、アルキル基の炭素数が4〜12のアルキルリン酸エステル塩、炭素数5〜18のスルホン酸塩及び炭素数5〜18の硫酸塩から選ばれる少なくとも一つのイオン性界面活性剤であることが好ましい。
また、本発明の別の態様は、上記合成繊維用処理剤と水との乳化物を抄紙工程に供する合成繊維に付着させることを特徴とする合成繊維の処理方法に係る。
また、本発明の別の態様は、上記合成繊維用処理剤が付着していることを特徴とする抄紙工程に供する合成繊維に係る。前記合成繊維がポリエステル系繊維であることが好ましい。
また、本発明の別の態様は、上記合成繊維を水に分散させて抄紙することを特徴とする不織布の製造方法に係る。
本発明によると、抄紙工程に供する合成繊維に使用する合成繊維処理剤と水との乳化物の安定性を向上し、かかる乳化物を付着させた合成繊維を抄紙工程に供したときに、合成繊維を均一に分散させ、また抄紙工程での泡立ちを抑制することができる。
先ず、本発明に係る合成繊維用処理剤(以下、処理剤という)を具体化した一実施形態について説明する。本実施形態の処理剤は、抄紙工程に供する合成繊維に使用する処理剤である。本実施形態の処理剤は、前記ポリエーテルポリエステル、前記イオン性界面活性剤、及び前記シリコーン化合物を特定の割合で含有して成る処理剤である。
本実施形態の処理剤に供するポリエーテルポリエステルにおいて、構成単位1はジカルボン酸及びジカルボン酸のエステル形成性誘導体から選ばれる少なくとも一つから形成された構成単位である。かかるジカルボン酸及びジカルボン酸のエステル形成性誘導体の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シュウ酸ジメチル、マロン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル等の脂肪族ジカルボン酸のエステル形成誘導体、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、5−スルホイソフタル酸−1,3−ジメチル等の芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体等が挙げられる。これらのなかでもテレフタル酸、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、5−スルホイソフタル酸−1,3−ジメチル等の芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体が好ましい。
また構成単位2は炭素数2〜6のアルキレングリコール及び炭素数2〜6のオキシアルキレン単位で構成された(ポリ)オキシアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコールから選ばれる少なくとも一つから形成された構成単位である。かかるアルキレングリコール及び(ポリ)アルキレングリコールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等の炭素数2〜6のアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリ1,6−ヘキサンジオール等の炭素数2〜6のオキシアルキレン単位で構成された(ポリ)オキシアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコール等が挙げられる。これらのなかでもエチレングリコール、ポリエチレングリコールが好ましい。
更に構成単位3は前記の化1で示される化合物から形成された構成単位である。化1において、Rの具体例はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、デセニル基、ウンデシル基、ウンデセニル基、ドデシル基、ドデセニル基、トリデシル基、トリデセニル基、テトラデシル基、テトラデセニル基、ペンタデシル基、ペンタデセニル基、ヘキサデシル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデシル基、ヘプタデセニル基、オクタデシル基、オクタデセニル基等の炭素数1〜24の脂肪族炭化水素基又はフェニル基、ナフチル基、ベンジル基、アントラセニル基、ピレニル基、ナフトピレニル基、2−ナフタレンドデシル基等の炭素数4〜40の芳香族炭化水素基である。Aはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素数2〜4のアルキレン基であって、nは0〜100の整数である。
本実施形態の処理剤に供するポリエーテルポリエステルは、構成単位1及び構成単位2の構成割合の合計が100モル%となるよう、構成単位1が40〜60モル%及び構成単位2が40〜60モル%の割合で構成された質量平均分子量1000〜15000のポリエーテルポリエステル、並びに構成単位1、構成単位2及び構成単位3の構成割合の合計が100モル%となるよう、構成単位1が30〜60モル%、構成単位2が30〜60モル%及び構成単位3が10〜30モル%の割合で構成された質量平均分子量1000〜15000のポリエーテルポリエステルから選ばれる少なくとも一つのポリエーテルポリエステルである。これらのなかでも構成単位1、構成単位2及び構成単位3の構成割合の合計が100モル%となるよう、構成単位1が30〜60モル%、構成単位2が30〜60モル%及び構成単位3が10〜30モル%の割合で構成された質量平均分子量1000〜15000のポリエーテルポリエステルを含むものが好ましい。
本実施形態の処理剤に供するイオン性界面活性剤の具体例は、(1)ブチルリン酸ナトリウム、ブチルリン酸カリウム、ブチルリン酸ジエタノールアミン、ブチルリン酸トリエタノールアミン、オクチルリン酸ナトリウム、オクチルリン酸カリウム、オクチルリン酸ジエタノールアミン、オクチルリン酸トリエタノールアミン、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸カリウム、ラウリルリン酸ジエタノールアミン、ラウリルリン酸トリエタノールアミン、セチルリン酸ナトリウム、セチルリン酸カリウム、セチルリン酸ジエタノールアミン、セチルリン酸トリエタノールアミン、ステアリルリン酸ナトリウム、ステアリルリン酸カリウム、ステアリルリン酸ジエタノールアミン、ステアリルリン酸トリエタノールアミン等のアルキル基の炭素数が4〜18のアルキルリン酸エステル塩、(2)オクチルスルホン酸ナトリウム、オクチルスルホン酸カリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸カリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸カリウム、ペンタデシルスルホン酸ナトリウム、ペンタデシルスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム等の炭素数5〜30のスルホン酸塩、(3)オクチル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸カリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸カリウム、オクチル−ジオキシエチレン−硫酸ナトリウム、オクチル−ジオキシエチレン−硫酸カリウム、オクチル−ジオキシエチレン−硫酸ジエタノールアミン、オクチル−ジオキシエチレン−硫酸トリエタノールアミン、ドデシルトリオキシエチレン−硫酸ナトリウム、ドデシルトリオキシエチレン−硫酸カリウム、ドデシルトリオキシエチレン−硫酸ジエタノールアミン、ドデシルトリオキシエチレン−硫酸トリエタノールアミン等の炭素数5〜30の硫酸塩が挙げられる。なかでもイオン性界面活性剤としては、(1)ブチルリン酸ナトリウム、ブチルリン酸カリウム、ブチルリン酸ジエタノールアミン、ブチルリン酸トリエタノールアミン、オクチルリン酸ナトリウム、オクチルリン酸カリウム、オクチルリン酸ジエタノールアミン、オクチルリン酸トリエタノールアミン、ドデシルリン酸ナトリウム、ドデシルリン酸カリウム、ドデシルリン酸ジエタノールアミン、ドデシルリン酸トリエタノールアミン等のアルキル基の炭素数が4〜12のアルキルリン酸エステル塩、(2)オクチルスルホン酸ナトリウム、オクチルスルホン酸カリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸カリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸カリウム、ペンタデシルスルホン酸ナトリウム、ペンタデシルスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム等の炭素数5〜18のスルホン酸塩、(3)ドデシル硫酸カリウム、オクチル−ジオキシエチレン−硫酸ナトリウム、オクチル−ジオキシエチレン−硫酸カリウム、オクチル−ジオキシエチレン−硫酸ジエタノールアミン、オクチル−ジオキシエチレン−硫酸トリエタノールアミン、ドデシルトリオキシエチレン−硫酸ナトリウム、ドデシルトリオキシエチレン−硫酸カリウム、ドデシルトリオキシエチレン−硫酸ジエタノールアミン、ドデシルトリオキシエチレン−硫酸トリエタノールアミン等の炭素数5〜18の硫酸塩から選ばれるものが好ましい。これらのイオン性化合物は、単独で用いることも、また2種以上を併用することもできる。
本実施形態の処理剤に供するシリコーン化合物の具体例としては、アルキル変性シリコーン、ジメチルシリコーン、ポリジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等の25℃での粘度が10〜100000mPa・sのシリコーン化合物が挙げられる。これらのなかでもジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーンが好ましい。
本実施形態の処理剤は、いずれも以上説明した、ポリエーテルポリエステル、イオン性界面活性剤及びシリコーン化合物の含有割合の合計が100質量%となるよう、ポリエーテルポリエステルを50〜98.99質量%、イオン性界面活性剤を1〜49.99質量%及びシリコーン化合物を0.01〜20質量%の割合で含有して成るものである。これらのうちポリエーテルポリエステルを70〜98.99質量%、イオン性界面活性剤を1〜19.99質量%及びシリコーン化合物を0.01〜20質量%の割合で含有して成るものが好ましい。
次に、本発明に係る合成繊維の処理方法を具体化した一実施形態について説明する。本実施形態の処理方法は、上述した実施形態の処理剤と水との乳化物を抄紙工程に供する合成繊維に付着させる処理方法である。
上述した実施形態の処理剤と水との乳化物に供する水の具体例としては、イオン交換水、蒸留水、硬水、軟水等が挙げられる。これらのなかでもイオン交換水、蒸留水等が好ましい。
上述した実施形態の処理方法には公知の方法が適用でき、これには例えば、ローラータッチ法、スプレー法、シャワー法、浸漬法等が挙げられる。本実施形態の処理剤と水との乳化物を合成繊維に付着させる工程としては、例えば、紡糸工程、延伸工程、仕上げ工程等が挙げられる。
次に、本発明に係る合成繊維を具体化した一実施形態について説明する。本実施形態の合成繊維は上述した実施形態の処理剤が付着している抄紙工程に供する合成繊維である。
合成繊維の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、これらポリエステル系樹脂を含有して成る複合ポリエステル系繊維等のポリエステル系繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリブテン繊維等のポリオレフィン系繊維等が挙げられる。これらのなかでもポリエステル系繊維が好ましい。
最後に、本発明に係る不織布の製造方法を具体化した一実施形態について説明する。本実施形態の製造方法は、上述した実施形態の合成繊維を水中に分散させて抄紙する製造方法である。抄紙には公知の方法が適用できる。
本実施形態に係る処理剤、合成繊維の処理方法、合成繊維及び不織布の製造方法によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)本実施形態に係る処理剤等は、処理剤と水との乳化物の安定性を向上できる。それにより、かかる乳化物を付着させた合成繊維を抄紙工程に供したときに、合成繊維を均一に分散させることができる。また、抄紙工程での泡立ちを抑制することができる。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。また質量平均分子量は次のゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)にて測定した値であり、粘度はB型粘度計で測定した値である。
・質量平均分子量の測定条件
機種:HLC−8120GPC(東ソー社製の液体クロマトグラフ)、
カラム:TSK gel Super H4000とTSK gel Super H3000と、TSK gel Super H2000(いずれも東ソー社製の商品名)、
カラム温度:40℃、
検出器:RI(Refractive Index)、
溶媒:テトラヒドロフラン、
流速:0.5ml/分、
試料濃度:0.25重量%、
注入量:10μl。
・粘度の測定条件
機種:RB80L(東機産業社製の粘度計)、
測定温度:25℃、容器:高さ約13.5cm、
容量300mLのトールビーカー、
試料量:250mL。
試験区分1(ポリエーテルポリエステルの合成)
・ポリエーテルポリエステル(A1)の合成
まず、フェノールのエチレンオキシド95モル付加物1062.5g(0.25モル)、テレフタル酸ジメチル48.5g(0.25モル)、イソフタル酸ジメチルg48.5g(0.25モル)、エチレングリコール60g(1.00モル)、酢酸亜鉛二水和物0.36g及び三酸化アンチモン0.10gを反応容器に仕込む。次に、窒素雰囲気下、150〜220℃でメタノールを留出させながら6時間反応させ、ほぼ理論量のメタノールが留出したことを確認した。続いて20mmHgの減圧下に220〜250℃で60分間、更に0.5〜1.0mmHgの減圧下に250〜260℃で6時間重縮合反応を行った。全構成単位中、構成単位1に相当するテレフタル酸ジメチルから形成された構成単位及びイソフタル酸ジメチルから形成された構成単位を合計40モル%、構成単位2に相当するエチレングリコールから形成された構成単位を40モル%、構成単位3に相当するフェノールのエチレンオキシド95モル付加物から形成された構成単位を20モル%(合計100モル%)の割合で有するポリエーテルポリエステル(A1)を得た。ポリエーテルポリエステル(A1)の質量平均分子量は9000であった。
・ポリエーテルポリエステル(A2)〜(A4)の合成
ポリエーテルポリエステル(A1)の合成と同様にして、ポリエーテルポリエステル(A2)〜(A4)を合成した。以上で合成したポリエーテルポリエステルの内容を表1にまとめて示した。
Figure 0006962558
表1において、
構成単位1の種類:構成単位1を形成することとなるジカルボン又はジカルボン酸のエステル形成性誘導体で表示した。
1−1:テレフタル酸ジメチル
1−2:イソフタル酸ジメチル
1−3:5−スルホイソフタル酸−1,3−ジメチル
構成単位2の種類:構成単位2を形成することとなる炭素数2〜6のアルキレングリコール又は炭素数2〜6のオキシアルキレン単位で構成された(ポリ)オキシアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコールで表示した。
2−1:エチレングリコール
2−2:ポリエチレングリコール(分子量2000)
2−3:ポリエチレングリコール(分子量4000)
試験区分2(合成繊維用処理剤の調製)
・実施例1
1000mLのビーカーに20℃の水386.67gを秤量し、ブチルリン酸カリウム(60%水溶液)33.33gと25℃における粘度が350mPa・sのジメチルシリコーン4gを加えた。これをホモミキサーで撹拌(4000rpm)しつつ、予め150℃で溶融状態にしておいたポリエーテルポリエステル(A1)376.0gを加えた後、10分間撹拌(4000rpm)し、合成系繊維処理剤(実施例1)の50%水性液を調製した。
・実施例2〜18及び比較例1〜9
合成繊維用処理剤(実施例1)の50%水性液の調製と同様にして、合成繊維用処理剤(実施例2〜実施例18及び比較例1〜比較例9)の50%水性液を調製した。ただし、溶融温度は各ポリエーテルポリエステルの溶融する温度とし、仕込み量は表2に記載した割合とした。以上で調製した各例の処理剤の内容を表2にまとめて示した。
Figure 0006962558
表2において、
A1〜A4:表1に記載のポリエーテルポリエステル
B1:ブチルリン酸カリウム
B2:オクチルリン酸カリウム
B3:オクチルリン酸ジエタノールアミン
B4:オクチルリン酸トリエタノールアミン
B5:ドデシルリン酸カリウム
B6:ドデシル硫酸ナトリウム
B7:オクチル−ジオキシエチレン−硫酸ナトリウム
B8:ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム
B9:ドデシルべンゼンスルホン酸ナトリウム
B10:ステアリルリン酸カリウム
Rb−1:ラウリン酸カリウム
Rb−2:ベヘン酸ナトリウム
C1:25℃における粘度が350mPa・sのジメチルシリコーン
C2:25℃における粘度が10000mPa・sのジメチルシリコーン
C3:25℃における粘度が2500mPa・sのポリエーテル変性シリコーン
試験区分3(合成繊維用処理剤の乳化安定性の評価)
試験区分2で調製した各例の50%水性液について、その乳化安定性を次のように評価した。試験区分2で調製した各例の50%水溶液を更に水で希釈して1%水性液とし、試験管に10mL取り分け、25℃にて24時間静置し、目視観察して、24時間静置後の安定性を以下の基準で判定した。結果を表3にまとめて示した。
乳化安定性の評価基準
◎:沈殿物が全く認められない。
○:沈殿物がわずかに認められる。
×:沈殿物が多く認められる。
××:調製直後から沈殿物が多く認められる。
試験区分4(合成繊維用処理剤の付着及び評価)
・合成繊維束への合成繊維用処理剤の付着
原料の合成繊維(繊度1.3dtex、長さ10mmのポリエチレンテレフタレート短繊維)10gに対して、試験区分2で調製した各例の50%水性液を更に水で希釈して1%水性液としたものをスプレー法で2g付着させ、80℃の乾燥機で1時間乾燥した。得られた短繊維試料を用いて、次のように抄紙特性の評価を行った。
・分散性の評価
25℃の水1000mLと前記の短繊維試料0.1gとを2000mLのビーカーに入れ、直径4cmの4枚羽根のプロペラにより200rpmの速度で1分間撹拌した後、ポリエステル短繊維の分散状態を目視観察し、以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
・分散性の評価基準
◎:短繊維が完全に均一に分散しており、短繊維束の存在が全く認められない。
○:短繊維が均一に分散しているが、短繊維束の存在がわずかに認められる。
×:短繊維があまり均一に分散しておらず、短繊維束が多く認められる。
××:短繊維の分散状態が不均一で、短繊維束の存在が全体に認められる。
・泡立ちの評価
前記の分散性評価後の水10gを25ml共栓付きメスシリンダーに入れ、30秒間強く振った。5分間静置した後、泡立ち状態を目視観察し、以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
・泡立ちの評価基準
◎:泡立ちが全く認められない。
×:多くの泡立ちが認められる。
××:非常に多くの泡立ちが認められる。
Figure 0006962558
表3において、乳化安定性、分散性及び泡立ちの評価は、いずれも前記した乳化安定性の評価、分散性の評価及び泡立ちの評価にしたがって評価した結果を示している。
各比較例に対する各実施例の結果からも明らかなように、本発明によれば、抄紙工程に供する合成繊維に使用する合成繊維用処理剤と水との乳化物の安定性を向上し、かかる乳化物を付着させた合成繊維を抄紙工程に供したときに、合成繊維を均一に分散させ、また抄紙工程での泡立ちを抑制することができる。

Claims (8)

  1. 抄紙工程に供する合成繊維に使用する合成繊維用処理剤であって、下記のポリエーテルポリエステル、下記のイオン性界面活性剤及び下記のシリコーン化合物の含有割合の合計が100質量%となるよう、該ポリエーテルポリエステルを50〜98.99質量%、該イオン性界面活性剤を1〜49.99質量%及び該シリコーン化合物を0.01〜20質量%の割合で含有して成ることを特徴とする合成繊維用処理剤。
    ポリエーテルポリエステル:下記の構成単位1及び下記の構成単位2の構成割合の合計が100モル%となるよう、該構成単位1が40〜60モル%及び該構成単位2が40〜60モル%の割合で構成された質量平均分子量1000〜15000のポリエーテルポリエステル、並びに下記の構成単位1、下記の構成単位2及び下記の構成単位3の構成割合の合計が100モル%となるよう、該構成単位1が30〜60モル%、該構成単位2が30〜60モル%及び該構成単位3が10〜30モル%の割合で構成された質量平均分子量1000〜15000のポリエーテルポリエステルから選ばれる少なくとも一つのポリエーテルポリエステル、
    構成単位1:ジカルボン酸及びジカルボン酸のエステル形成性誘導体から選ばれる少なくとも一つから形成された構成単位、
    構成単位2:炭素数2〜6のアルキレングリコール及び炭素数2〜6のオキシアルキレン単位で構成された(ポリ)オキシアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコールから選ばれる少なくとも一つから形成された構成単位、
    構成単位3:下記の化1で示される化合物から形成された構成単位、
    Figure 0006962558
    (化1において、
    :炭素数1〜24の脂肪族炭化水素基又は炭素数4〜40の芳香族炭化水素基としてフェニル基、ナフチル基、ベンジル基、アントラセニル基、ピレニル基、ナフトピレニル基、若しくは2−ナフタレンドデシル基
    A:炭素数2〜4のアルキレン基、
    n:0〜100の整数)
    オン性界面活性剤:アルキル基の炭素数が4〜18のアルキルリン酸エステル塩、炭素数5〜30のスルホン酸塩及び炭素数5〜30の硫酸塩から選ばれる少なくとも一つのイオン性界面活性剤、
    シリコーン化合物:25℃での粘度が10〜100000mPa・sのシリコーン化合物。
  2. 前記ポリエーテルポリエステルが、構成単位1、構成単位2及び構成単位3の構成割合の合計が100モル%となるよう、構成単位1が30〜60モル%、構成単位2が30〜60モル%及び構成単位3が10〜30モル%の割合で構成された質量平均分子量1000〜15000のポリエーテルポリエステルを含むものである請求項1記載の合成繊維用処理剤。
  3. 前記ポリエーテルポリエステル、イオン性界面活性剤及びシリコーン化合物の含有割合の合計が100質量%となるよう、ポリエーテルポリエステルを70〜98.99質量%、イオン性界面活性剤を1〜19.99質量%及びシリコーン化合物を0.01〜20質量%の割合で含有して成る請求項1又は2記載の合成繊維用処理剤。
  4. 前記イオン性界面活性剤が、アルキル基の炭素数が4〜12のアルキルリン酸エステル塩、炭素数5〜18のスルホン酸塩及び炭素数5〜18の硫酸塩から選ばれる少なくとも一つのイオン性界面活性剤である請求項1〜3のいずれか一項記載の合成繊維用処理剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の合成繊維用処理剤と水との乳化物を抄紙工程に供する合成繊維に付着させることを特徴とする合成繊維の処理方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項記載の合成繊維用処理剤が付着していることを特徴とする抄紙工程に供する合成繊維。
  7. 合成繊維がポリエステル系繊維である請求項6記載の合成繊維。
  8. 請求項6又は7記載の合成繊維を水に分散させて抄紙することを特徴とする不織布の製造方法。
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