JP2003278081A - 繊維処理剤及び該処理剤で抄紙した非パルプペーパー - Google Patents

繊維処理剤及び該処理剤で抄紙した非パルプペーパー

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遊離フェノールを含まず、環
境、廃水問題のない繊維処理剤及びこれを用いた非パル
プペーパーを提供する 【解決手段】 遊離フェノールの含有率が0.1
重量%以下である水性レゾール樹脂、例えば、水性レゾ
ール樹脂がアルデヒド類とフェノール類とを、〔アルデ
ヒド類〕/〔フェノール類〕=0.2〜0.6〔モル
比〕となる割合で反応させて得られたノボラック樹脂
(A)とアルデヒド類とを反応させて得られた水性レゾ
ール樹脂を必須成分として含有することを特徴とする繊
維処理剤、これから得られる非パルプペーパー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線基板
等の電気絶縁積層板の基材用、あるいは塩化ビニル系床
材の基材用、屋根材・壁材等構造部材等の基材用の繊維
処理に好適な繊維処理剤とこれを処理して得られる非パ
ルプペーパーに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、レゾール樹脂をマトリク
ス樹脂としたいわゆる紙フェノール積層板が古くからプ
リント配線基板に使われているが、基材の紙の特性か
ら、高機能、高耐久性のプリント配線基板用には、非パ
ルプペーパー、たとえばガラスペーパー、アラミドペー
パー等が使われてきている。これらの非パルプペーパー
には抄紙用繊維処理剤が使われるが、従来の水性レゾー
ル樹脂は遊離フェノールを多量に含むため、廃水問題が
あり、使用できないことが多かった。同時に従来の水性
レゾール樹脂では遊離フェノール含有率が、耐熱性に悪
影響を及ぼしていた。
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、遊離フェノール含有率が低減された繊維処理剤及び
これを用いた非パルプペーパーを提供する。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、遊離フェノール含有率が0.1重量%以下で
ある水性レゾール樹脂よりなる繊維処理剤と該繊維処理
剤により繊維間を接着した非パルプペーパーが、上記課
題を解決することを見出し、発明を完成するに至った。
【0004】すなわち、本発明は、遊離フェノールが
0.1重量%以下である水性レゾール樹脂を必須成分と
することを特徴とする繊維処理剤、これを用いて得られ
る非パルプペーパーを提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の繊維処理剤は、遊離フェ
ノールが0.1重量%以下である水性レゾール樹脂より
なることを特徴とする繊維処理剤である。
【0006】前記の水性レゾール樹脂としては、遊離フ
ェノールが0.1重量%以下である水性レゾール樹脂で
あれば、特に限定されないが、例えば、アルデヒド類と
フェノール類とが、〔アルデヒド類〕/〔フェノール
類〕=0.2〜0.6〔モル比〕となる割合で反応させ
て得られるノボラック樹脂(A)をアルデヒド類と反応
させて得られることができる。
【0007】前記のノボラック樹脂(A)としては、例
えば、次の工程を経て製造することが出来る。フェノー
ル類、アルデヒド類、触媒としての酸を仕込み、100
℃で1〜5時間反応させる。その後、常圧脱水、減圧脱
水工程を経て、180〜230℃の温度で、ノボラック
樹脂中に残留した未反応フェノールを除去する。その
際、前記の残留した未反応フェノールモノマーのノボラ
ック樹脂中の含有量は、低いほど好ましく、完全に除去
しておくことが最も好ましいが、実用的には、1.0重
量%以下が好ましく、0.1重量%以下がより好まし
い。更に、0.01重量%程度の量まで削減させておく
ことが特に好ましい。未反応フェノールが1.0重量以
下となるための方法としては、例えば、フェノールとホ
ルムアルデヒド水溶液との反応液を、200℃迄常圧状
態で蒸留を行い、更に減圧蒸留を行い、得られたノボラ
ック樹脂中の残留フェノール量が1.0重量以下、好ま
しくは0.1重量%以下となるまでフェノールを除去す
る。
【0008】ここで、アルデヒド類とフェノール類との
反応割合は、〔アルデヒド類〕/〔フェノール類〕=
0.2〜0.6〔モル比〕である。本発明に用いるノボ
ラック樹脂の分子量としては、GPCで測定した数平均
分子量500〜800が好ましい。
【0009】前記フェノール類としては、特に限定され
るものではなく、例えば、フェノール、あるいはクレゾ
ール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノ
ール、オクチルフェノールなどのアルキルフェノール
類、レゾルシン、カテコールなどの多価フェノール類、
ハロゲン化フェノール、フェニルフェノール、アミノフ
ェノールなどが挙げられる。またこれらのフェノール類
は、その使用にあたって1種類のみに限定されるもので
はなく、2種以上の併用も可能である。ここで製品とし
て水溶性のレゾール樹脂を得るためにはレゾルシン及び
通常のフェノールモノマーが好ましいが、安価な製品を
得るためには、フェノールモノマーがより好ましい。
【0010】前記アルデヒド類としてはフェノール樹脂
製造の際に一般的に良く用いられるホルムアルデヒド、
パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド等が有効であり、ウロトロピン
も用いることが出来る。
【0011】前記反応で触媒として用いる酸類として
は、ノボラック樹脂の製造の際に一般的に用いられる酸
が使用可能であり、例えば、蓚酸、塩酸、燐酸、硫酸、
パラトルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸やハイ
オルソノボラック樹脂の触媒である酢酸亜鉛、オクチル
酸亜鉛等が用いられる。
【0012】また、前記ノボラック樹脂(A)として
は、ノボラック樹脂の合成過程でフェノールと例えばエ
ポキシ樹脂、トリアジン類等を任意の割合で反応させた
いわゆる変性ノボラック樹脂も用いることが出来る。こ
れらで変性されたノボラック樹脂をレゾール樹脂製造の
際の原料として用いると、前記の手法で製造されたレゾ
ール樹脂に更に耐水性や、耐熱性を付与することも可能
である。
【0013】次いで、前記ノボラック樹脂(A)を原料
とした、遊離フェノールモノマーを含まないレゾール樹
脂の製造方法について説明する。上記ノボラック樹脂
(A)とアルデヒド類とをアルカリ金属触媒、アルカリ
土類金属の酸化物やアミン類、アンモニア、或いは酢酸
亜鉛等を用いて反応させることによって得ることが出来
る。これらの触媒は1種或いは2種類の併用で反応させ
ても良い。更に触媒を中和する目的で、硫酸、塩酸、燐
酸、パラトルエンスルホン酸等を用いても良い。
【0014】前記ノボラック樹脂(A)とアルデヒド類
の比率はC−13NMRで測定される樹脂の結合モル比
として、〔アルデヒド類〕/〔ノボラック樹脂(A)〕
が、未反応のノボラック樹脂成分が残留せずに、硬化性
など物性が好ましくなる点から0.5以上が好ましく、
また、未反応ホルムアルデヒドが残留せずに、環境対策
上好ましい点から4.0以下が好ましい。更に、〔アル
デヒド類〕/〔ノボラック樹脂(A)〕=1.0〜2.
5(モル比)が特に好ましい。
【0015】触媒として用いるアルカリ類やアルカリ金
属類の量は、反応が円滑に進む点から、原料として用い
るノボラック樹脂(A)のモル数に対し触媒0.01倍
モル以上が好ましく、また、反応の制御が容易で、触媒
による製品の貯蔵安定性の悪化がない点、或いは、得ら
れた樹脂が脆くならないことら1.0倍モル以下が好ま
しい。
【0016】次いで、前記ノボラック樹脂(A)とホル
ムアルデヒド(例えば、37重量%濃度のホルムアルデ
ヒド水溶液)の混合物に触媒として、水酸化ナトリウム
水溶液(例えば、48重量%)を添加し、50〜80℃
の温度で1〜5時間反応して、得られたレゾール樹脂中
の遊離フェノール量が1.0重量%(好ましくは、0.
1重量%)以下のレゾール樹脂(例えば、水溶液)を得
る。
【0017】本発明の繊維処理剤には、上記の製造方法
で得られるレゾール型樹脂の形態としては、次の各種の
ものが使用可能である。1.レゾール樹脂水溶液:上記
の反応で得られたもの。2.水分散型レゾール樹脂:ノ
ボラック樹脂(A)とアルデヒド類とを、又は、ノボラ
ック樹脂(A)、アルデヒド類とフェノールとを触媒存
在下それぞれ反応させる際に、例えば、ポリビニルアル
コールの様なフェノール樹脂の分散に適した分散剤を用
いて得られたもの。3.前記1及び2に記載された形態
のレゾール樹脂のさらに、後述する有機溶媒を添加した
もの。
【0018】本発明の繊維処理剤の分散媒としては、と
くに限定されるものではなく、水、或いは必要に応じて
有機溶媒が使用可能である。有機溶媒としては、例え
ば、タノール、エタノール、n−プロパノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t
ert−ブタノール、イソブタノール、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセ
ロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、
メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテ
ート、その他、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ダ
イアセトンアルコール、酢酸エチル、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらの有
機溶媒は、単独でも、2種以上併用してもよく、また、
必要に応じて、水と併用してもよい。これらの分散媒と
しては、水がとくに好ましい。
【0019】本発明の繊維処理剤には、更に、増粘剤、
界面活性剤、消泡剤等の添加剤を加えることができる。
増粘剤としては、親水性ポリマー或いは水溶性ポリマー
類、例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸類の共重合
体、マレイン酸の共重合体、マレイン酸モノエステル共
重合体、アクリロイルプロパンスルホン酸共重合体、ア
ルギン酸、ペクチン酸等のナトリウム塩或いはアンモニ
ウム塩、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメ
チルセルロース、ヒドキシプロポキシルメチルセルロー
ス、カルボキシメチルでんぷん、ポバール、澱粉等の有
機増粘剤、或いはベントナイト等の無機系増粘剤が挙げ
られ。これらは、単独でも、2種以上併用してもよい。
【0020】また、界面活性剤としては、例えば、アル
キルアリルエーテル系、アルキルエーテル系、アルキル
エステル系、アルキルアミン系、ソルビタン系界面活性
剤等のノニオン系界面活性剤、脂肪酸塩、高級アルコー
ル硫酸エステル類、脂肪酸アミン・脂肪族アミドの硫酸
塩、脂肪族アルコールのリン酸エステル、二塩基性脂肪
酸エステルのスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸
塩ホルマリン縮合物、ナフタレンスルホン酸塩、トリイ
ソプロピルナフタレンスルホン酸塩等のアニオン系界面
活性剤、カチオン系界面活性剤、或いはベタイン、アラ
ニン、イミダゾリン系両性界面活性剤等が挙げられる。
これらの界面活性剤は、単独、或いは複数併用してもよ
い。また、消泡剤としては、例えば、シリコーン系、鉱
油系、アルコール系、エチレンオキシド−プロピレンオ
キシド系が挙げられる。
【0021】前述の添加剤類の選択及び添加量は、作業
性、安定性、更に加工適性、塗付量等を考慮して、適宜
決定すればよい。添加する場合は、例えば、繊維処理剤
100重量部あたり、それぞれ0.001重量部から1
0重量部の範囲で添加することが好ましい。
【0022】本発明の繊維処理剤には、前記レゾール樹
脂中の遊離フェノール量が0.1重量%以下のレゾール
樹脂以外に、必要に応じて、各種エマルジョン、ディス
パージョン、或いは水性樹脂等を加えて使用できる。前
記各種エマルジョン、ディスパージョン、或いは水性樹
脂としては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、アク
リルスチレン樹脂エマルジョン、スチレン樹脂エマルジ
ョン、合成ゴムラテックス、ウレタン樹脂エマルジョ
ン、ポリエステル樹脂エマルジョン、エポキシ樹脂エマ
ルジョン、フェノール樹脂エマルジョン、フッ素樹脂エ
マルジョン、塩化ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニリ
デン樹脂エマルジョン、これらのハイブリッド樹脂エマ
ルジョン、水溶性アルキッド樹脂、水溶性アクリル樹
脂、水溶性ポリエステル樹脂等或いは自己水分散性アク
リル化芳香族エポキシ樹脂を加えることができる。
【0023】なお、前記自己水分散性アクリル化芳香族
エポキシ樹脂とは、例えば、下記の(I)〜(III)
の方法で得られる樹脂を意味する。
【0024】(I)芳香族エポキシ樹脂と、(メタ)ア
クリル酸を含有するエチレン性不飽和カルボン酸類と、
他の共重合性不飽和単量体類とを有機溶媒中で重合させ
て得られるカルボキシル基含有アクリル系樹脂(B)と
を、エポキシ基に対してカルボキシル基が過剰となる反
応基濃度(当量比)で、塩基性化合物の存在下でエステ
ル化反応させる方法。(II)芳香族エポキシ樹脂と、
(メタ)アクリル酸を含有するエチレン性不飽和カルボ
ン酸類と、他の共重合性不飽和単量体類とを、エポキシ
基に対してカルボキシル基が過剰となる反応基濃度(当
量比)で、重合開始剤の存在下、有機溶媒中で重合させ
てカルボキシル基含有アクリル化芳香族エポキシ樹脂を
得た後、塩基性化合物でカルボキシル基の一部乃至全部
を中和する方法。(III)無水(メタ)アクリル酸を
用いて芳香族エポキシ樹脂にアクリロイル基を導入して
得られた変性芳香族エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル
酸を含有するエチレン性不飽和カルボン酸と、他の共重
合性不飽和単量体とを、エポキシ基に対してカルボキシ
ル基が過剰となる反応基濃度(当量比)で、重合開始剤
の存在下で、有機溶媒中で重合させてカルボキシル基含
有アクリル化芳香族エポキシ樹脂を得た後、塩基性化合
物でカルボキシル基の一部乃至全部を中和する方法。
【0025】これらの樹脂類は、作業性、安定性、更に
加工適性、塗付量等を考慮して、適宜決定すればよい。
添加する場合は、例えば、繊維処理剤100重量部あた
り、それぞれ10重量部から500重量部の範囲で添加
することが好ましい。
【0026】繊維処理剤を非パルプペーパーに塗布する
方法は、とくに限定されず、たとえば繊維処理剤で充た
された槽の中に非パルプペーパーを浸漬し、過剰分を除
去した後、必要により乾燥させるいわゆる浸漬法による
ことができる。
【0027】次いで、繊維処理剤について説明する。本
発明の繊維処理剤の固形分濃度は、繊維への付着が良好
であることから5重量%以上が好ましく、繊維への付着
量のコントロールが容易で、均一に付着することから2
0重量%以下が好ましい。
【0028】本発明の繊維処理剤で処理する非パルプペ
ーパーとしては、とくに限定されるものではないが、例
えば、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、
PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊
維、ポリアリレート樹脂、ポリイミド繊維、ポリパラフ
ェニレンサルファイト樹脂、炭素繊維、炭化珪素繊維か
らなる非パルプペーパーなどが挙げられる。中でも、ガ
ラス繊維、アラミド繊維が好ましい。
【0029】本発明の繊維処理剤で、非パルプペーパー
を処理する場合、繊維処理剤の付着率は、処理後の乾燥
した非パルプペーパーの全重量に対して、処理剤が非パ
ルプペーパー表面を万遍に行き渡り易くなることから、
固形分で5重量%以上が好ましく、付着率のコントロー
ルが容易で、処理剤が非パルプペーパーに均一に付着し
することから易くなることから30重量%以下が好まし
い。更に、10〜20重量%の範囲が特に好ましい。
【0030】
【実施例】以下に合成例及び実施例をあげて本発明を説
明する。なお例中の部および重量%はすべて重量基準と
する。また、数平均分子量とは、GPC(ゲルパーミネ
イションクロマトグラフィー)により、分子量既知のポ
リスチレンに換算した数平均分子量を示す。残留フェノ
ールの測定は、ガスクロマトグラフィーでの測定に依っ
た。なお本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0031】合成例1 2リットルの4つ口フラスコに攪拌機、温度計をセット
し、フェノール941g、37.2重量%ホルマリン4
0.3g、蓚酸2水和物8.82gを仕込み、還流温度
(100℃)に昇温した後、更に37.2重量%ホルマ
リン362.9gを1時間かけて滴下した(ホルムアル
デヒド/フェノール=0.5モル比)。還流温度で3時
間反応した後、蒸留を開始し180℃迄昇温した。その
後温度を220℃まで上げ50torr(6.65kPa)
で減圧蒸留を1時間行い、残留フェノール量が0.3重
量%、数平均分子量が780であるノボラック樹脂(A
1)を得た。該ノボラック樹脂を固形分80重量%にな
るようにメタノールで希釈し、ノボラック樹脂(A1)
のメタノール溶液131.3gと37重量%ホルマリン
60.8gを良く混合し、これに48重量%水酸化ナト
リウム10.5gを添加し、70℃迄昇温した。70℃
で4時間反応した後、冷却し、レゾール樹脂(B1)水
溶液を得た。この樹脂の135℃に於ける不揮発分は5
0.8重量%、ガスクロマトグラフィーを用いて測定し
た遊離フェノール量は0.02重量%、C13−NMR
で測定した結合モル比は1.49、水との混和性(測定
方法;25℃において樹脂10gに対して水を添加した
際に濁りを生じる添加量を樹脂10gを100重量%と
した場合の重量%で表示する。以下同じ)は320重量
%であった。
【0032】合成例2 2リットルの4つ口フラスコに攪拌機、温度計をセット
しフェノール941gと37.2重量%ホルマリン40.
3gを仕込み、蓚酸2水和物8.82gを添加し、還流
温度100℃に昇温した後、更に37重量%ホルマリン
202.7gを1時間かけて滴下した(ホルムアルデヒ
ド/フェノール=0.3モル比)。還流温度で5時間反
応した後、蒸留を開始し180℃迄昇温した。その後温
度を220℃まで上げ50torr(6.65kPas)で
減圧蒸留を1時間行い、残留フェノール量が0.1重量
%、数平均分子量が610であるノボラック樹脂(A
2)を得た。ノボラック樹脂(A2)をメタノールで固
形分80重量%に希釈し、ノボラック樹脂(A2)のメ
タノール溶液131.3gと37重量%ホルマリン36.
5gを良く混合し、これに48重量%水酸化ナトリウム
10gを添加し、70℃迄昇温した。70℃で4時間反
応した後、常温まで冷却し、レゾール樹脂(B2)水溶
液を得た。この樹脂の135℃に於ける不揮発分は68
重量%、遊離フェノールは0.01重量%、C13−N
MRで測定した結合モル比は1.20、水との混和性は
250重量%であった。
【0033】実施例1〜2及び比較例 表1に示すごとく各合成例で得られた繊維処理剤を用い
て、ガラスペーパーを作成した。
【0034】市販の坪量60g/m2 ガラスペーパー
を電気炉にてバインダーを消去し、接着剤をガラスペー
パーに対して8重量%(固形分)含浸させ、160℃で
10分乾燥硬化せしめた。得られたガラスペーパーの1
5mm幅の引張強度を測定した。
【0035】
【表1】
【0036】表1中の強度は、下記の方法で測定した。
耐溶剤強度はアセトンに5分間浸漬したのち、直ちに引
張強度を測定した。また、耐熱強度は120℃の雰囲気
中で引張強度を測定した。
【0037】
【発明の効果】本発明の繊維処理剤は、遊離フェノール
の少ない水性レゾール樹脂からなるので、廃水問題も少
なく、耐溶剤性、耐熱性に優れる非パルプペーパーを与
えるものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊離フェノールの含有率が0.1重量%
    以下である水性レゾール樹脂を必須成分として含有する
    ことを特徴とする繊維処理剤。
  2. 【請求項2】 水性レゾール樹脂がアルデヒド類とフェ
    ノール類とを、〔アルデヒド類〕/〔フェノール類〕=
    0.2〜0.6〔モル比〕となる割合で反応させて得ら
    れたノボラック樹脂(A)とアルデヒド類とを反応させ
    て得られた水性レゾール樹脂である請求項1記載の繊維
    処理剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の繊維処理剤によ
    り、合成樹脂繊維または無機繊維間を接着してなること
    を特徴とする非パルプペーパー。
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