JP6179748B2 - ガラス繊維、ガラスペーパーの製造方法及びガラスペーパー - Google Patents

ガラス繊維、ガラスペーパーの製造方法及びガラスペーパー Download PDF

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Description

本発明は、主にガラスペーパーの製造のために使用されるガラス繊維と、該ガラス繊維を用いたガラスペーパーの製造方法、及び該ガラス繊維を含有するガラスペーパーに関する。
ガラス繊維は、経済性、入手容易性、補強特性に優れている、などの観点から、様々な用途で用いられている。ガラス原料を溶融した溶融ガラスを、ガラス繊維製造装置に設けられた白金製の紡糸装置(ブッシング)より引出し、引出された数百〜数千本のガラス繊維モノフィラメントを引き揃えた後に、回転するコレットに綾を掛けながら巻き取ることで回巻体とされる。その後、回巻体に巻かれたガラス繊維は、用途や目的に応じて様々な形状に加工された後に使用される。例えば、ガラス繊維を、ガラス繊維強化樹脂(FRP、FRTP)の補強材として使用する場合は、回巻体から引出したガラス繊維を、切断刃によって所定の長さに切断してガラスチョップドストランドの形状とした後に使用され、ガラス繊維を、自動車用天井材の材料として使用する場合は、ガラスチョップドストランド及びバインダーをネットコンベア上に均一に分散させ、加熱することでバインダーを融着してガラスチョップドストランドどうしを結合させて、ガラスマットの形状とした後に使用される。
また、ガラス繊維を、内装建材の基布等の建築用途や、電気二重層キャパシタのセパレータ等の電子材料としての用途として使用する場合は、パルプ紙の製造と同様に、ガラスチョップドストランドを抄紙し、ガラスペーパーの形状とした後に使用される。ガラスペーパーは、強度や寸法安定性に優れているため、今後も様々な用途に使用される可能性がある。
ガラスペーパーは、具体的には以下の工程により製造される。まず始めに、ブッシングから引出された、直径が数μm〜数十μmのガラス繊維モノフィラメントに、処理剤を付着し、その表面を処理する。次に、表面処理がなされた数十〜数千本のガラス繊維モノフィラメントを、ギャザリングシューを用いて、ガラス繊維ストランドに集束する。次に、このガラス繊維ストランドをコレットに巻き取ることにより、ケーキを作製する。次に、ケーキからガラス繊維ストランドを解舒しながら、例えば3〜50mmの長さに切断してガラスチョッドストランドを作製する。そして、水溶性高分子、界面活性剤などが溶解している白水中に、ガラスチョップドストランドを投入し、プロペラ羽根等を用いてガラスチョップドストランドを攪拌することで、ガラスチョップドストランドをガラス繊維モノフィラメントに開繊させ、パルプから紙を製造する場合と同様の方法により、開繊したガラス繊維モノフィラメントをメッシュコンベアー上で抄紙し、乾燥させることによってガラスペーパーが製造される。
ガラスペーパーを製造する上で重要となっている点は、白水中へガラスチョップドストランドを投入した際に、数十〜数千本のガラス繊維モノフィラメントからなるガラスチョップドストランドが、速やかにガラス繊維モノフィラメントに開繊されること、及び開繊したガラス繊維モノフィラメントが、白水中で再び凝集しないことである。ガラスチョップドストランドが、速やかにガラス繊維モノフィラメント開繊しない場合、ガラスペーパーの厚さが均一とならず、また、抄紙の際に、ガラス繊維モノフィラメントが凝集した場合、凝集したガラス繊維モノフィラメントが塊状のダマとなって表面上に残存してしまうため、品質の良いガラスペーパーを製造することが困難となる。ガラスチョップドストランドの開繊性や、ガラス繊維モノフィラメントの凝集性に影響を与える要素としては、ガラス繊維モノフィラメントの処理に使用した処理剤が挙げられる。処理剤は、ガラス繊維モノフィラメントどうしを集束させ、ガラス繊維モノフィラメントの表面状態を調整する役割を果たしており、処理剤に含まれる成分によって集束性や表面状態が変化する。表面状態により、ガラス繊維モノフィラメントの表面には静電気が発生し、ガラス繊維モノフィラメントどうしが静電気力等により凝集しやすくなる。
例えば、特許文献1には、ガラスロービングを回巻体から高速で解舒しても糸ガイドにおいて毛羽が発生しにくく、しかも白水中でモノフィラメントに素早く開繊し、抄造速度を高速化しても均一な厚さのガラスペーパーを作製できる切断直接投入法に適したガラスロービングとして、3500mの乾燥状態のガラスロービングを、3本の真鍮棒の表面に接触させて通過させた際の毛羽の発生量が100mg以下であり、白水中での開繊時間が60秒以内であることを特徴とするガラスロービングが開示されており、このガラスロービングには、数平均分子量が10000〜1000000である水溶性高分子と界面活性剤とを含有する集束剤が塗布されてなり、この水溶性高分子の付着量が0.005〜0.5質量%である。
また、特許文献2には、中性抄紙法において、地合が良好であり、かつバインダーを付与させ、乾燥する時にバインダーマイグレーションのない層間強度の良好なエアーフィルター用のガラス繊維シートを提供することを目的として、平均繊維径が6〜20μmのチョップドストランドガラス繊維と平均繊維径が0.3〜4μmの極細ガラス繊維を主原料成分とし、ベタイン性両性界面活性剤を使用して分散させた後、アニオン性界面活性剤を添加して、更にアニオン性のポリアクリルイミド系粘剤を添加して中性で湿式抄紙した後、湿紙にカチオン基を有する水溶性紙力剤を含有するバインダー塗液を付与させ、乾燥することを特徴とする方法が開示されている。
特開2004−315345号公報 特開平04−298208号公報
特許文献1に開示されたガラスロービングは、毛羽が発生しにくく、また、集束剤が白水中に容易に溶解するために、白水中での開繊が容易ではあるが、開繊後におけるガラス繊維モノフィラメントが再び凝集するか否かについては検討していない。そのため、水溶性高分子と界面活性剤の特性によっては、開繊後にガラス繊維モノフィラメント再び凝集するおそれがあり、品質の良いガラスペーパーを製造することが困難となる。
特許文献2に開示されたガラス繊維シートの製造方法は、厚さが均一であり、層間強度の良好なエアーフィルター用のガラス繊維シートを製造することが可能となるものの、製造のための薬剤の添付プロセスが複雑となるために、コスト面で問題となる。
本発明は上述した問題点を解消し、白水中でのガラスチョップドストランドの開繊が容易に起こり、かつ複雑なプロセスを経なくても、ガラス繊維モノフィラメントが再び凝集することがなく、厚さが均一であり、かつダマが表面に残存しないガラスペーパーを製造することが可能となるガラス繊維、該ガラス繊維を用いたガラスペーパーの製造方法、及びこのガラス繊維を含有するガラスペーパーを提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、所定の両性界面活性剤及びカチオン界面活性剤を含有する処理剤でガラス繊維を処理することにより、白水中のガラスチョップドストランドの開繊が容易となり、且つ開繊後にガラス繊維モノフィラメントが再び凝集することがないことを見出し、ここにその内容を提示するものである。
すなわち、本発明のガラス繊維は、炭素数8〜22のアルキル基を含む両性界面活性剤と、カチオン界面活性剤を含有する処理剤により処理されてなり、粘度5cPの白水中に浸漬させ、350rpmで攪拌した際において、開繊時間が、攪拌開始から10〜60秒であり、凝集開始時間が、攪拌開始から10分以上であることを特徴とするものである。
また、本発明のガラス繊維は、粘度1cPの白水中に浸漬させ、350rpmで攪拌した際において、開繊時間が、攪拌開始から5〜30秒であり、凝集開始時間が、攪拌開始から5分以上であることが好ましい。
また、本発明のガラス繊維は、カチオン界面活性剤は、両性界面活性剤の含有量100質量部に対して5〜40質量部前記処理剤に含有されてなることが好ましい。
また、本発明のガラス繊維は、強熱減量が0.01〜0.3質量%であることが好ましい。
本発明のガラスペーパーの製造方法は、前記に記載のガラス繊維を用い、粘度0.1〜5cPの白水で抄紙することを特徴とするものである。
本発明のガラスペーパーは、前記いずれかに記載のガラス繊維を含有することを特徴とするものである。
本発明により、白水中でのガラスチョップドストランドの開繊が容易に起こり、かつ複雑なプロセスを経なくても、ガラス繊維モノフィラメントが再び凝集することがないガラス繊維を提供することが可能となる。また、本発明のガラス繊維を用いたガラスペーパーの製造方法により、厚さが均一であり、かつダマが表面に残存しない品質の高いガラスペーパーを製造することが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
本発明のガラス繊維は、炭素数8〜22のアルキル基を含む両性界面活性剤と、カチオン界面活性剤を含有する処理剤により処理されてなり、粘度5cPの白水中に浸漬させ、350rpmで攪拌した際において、開繊時間が、攪拌開始から10〜60秒であり、凝集開始時間が、攪拌開始から10分以上であることを特徴とするものである。以下、その詳細について説明する。
本発明のガラス繊維は、炭素数8〜22のアルキル基を含む両性界面活性剤を含有する処理剤により処理されてなることを必須とするものである。両性界面活性剤とは、一つの分子内にアニオンとカチオンの両方の基を併せ持った界面活性剤をいい、水に溶けたとき、アルカリ性領域ではアニオン界面活性剤の性質を、酸性領域ではカチオン界面活性剤の性質を示す。両性界面活性剤として、イミダゾリン型両性界面活性剤、アミドプロピルベタイン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤、アミドアミンオキシド型両性界面活性剤、カルボベタイン型両性界面活性剤、などが挙げられる。そして、両性界面活性剤は、炭素数が8〜22のアルキル基を含んでいる。アルキル基は疎水基であり、アルキル基の鎖長が、両性界面活性剤の親水/疎水性を決定する要因の一つとなる。つまり、アルキル基の炭素鎖が短いとHLB値が高くなり(親水性となり)、両性界面活性剤はガラス繊維表面に残らずに開繊したガラス繊維モノフィラメントが凝集し易くなり、一方で、アルキル基の炭素鎖が長いとHLB値が低くなり(疎水性となり)、ガラスチョップドストランドの開繊性が悪くなるため、本発明の両性界面活性剤は、これらのバランスを考慮して、アルキル基の炭素数を8〜22としている。アルキル基の炭素数が7以下であると、耐凝集性が劣る、すなわちガラス繊維モノフィラメントが再び凝集してしまうため好ましくない。また、アルキル基の炭素数が23以上であると、ガラスチョップドストランドの開繊が遅延するおそれがあるため好ましくない。より好ましいアルキル基の炭素数は、10〜16である。また、炭素数が8〜22のアルキル基は、両性界面活性剤中に少なくとも1つ含んでいれば良く、2以上含んでいても良い。ただし、炭素数が8〜22のアルキル基の数は、両性界面活性剤中に1つであるほうが、ガラス繊維モノフィラメントの白水中での分散性が安定するため好ましい。また、アルキル基は、直鎖状であっても、また分岐を有するものであってもよい。ただし、炭素数が8〜22のアルキル基は直鎖状であるほうが、ガラス繊維モノフィラメントの分散性が良好となるため好ましい。
炭素数が8〜22のアルキル基としては、N−オクチル基、N−デシル基、N−ドデシル基、N−テトラデシル基、N−ヘキサデシル基、などの直鎖状のアルキル基や、tert−オクチル基やtert−デシル基やイソオクチル基やイソデシル基などの分岐を有するアルキル基が挙げられる。
炭素数8〜22のアルキル基を含む両性界面活性剤としては、2−アルキル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩、などのイミダゾリン型両性界面活性剤、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、ステアリン酸アミドプロピルベタイン、オレイン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルベタイン、イソステアリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルベタイン、などのアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸ヒドロキシスルホベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルスルホベタイン、ココスルホベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、N−アシルアミドプロピル−N,N’−ジメチル−N’−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニオベタイン、などのスルホベタイン型両性界面活性剤、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシドなどのアミドアミンオキシド型両性界面活性剤、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン、などのカルボベタイン型両性界面活性剤、が挙げられる。これらの両性界面活性剤は一種のみを使用しても良く、また二種以上を併用しても良い。
炭素数8〜22のアルキル基を含む両性界面活性剤の含有量は、処理剤全量に対して0.2〜3.0質量%含有されてなることが好ましい。炭素数8〜22のアルキル基を含む両性界面活性剤の含有量は、処理剤全量に対して0.2質量%未満であると、含有量が少ない為に本発明の効果を十分に発揮できないおそれがある。一方、炭素数8〜22のアルキル基を含む両性界面活性剤の含有量は、処理剤全量に対して3.0質量%より大きいと、ガラス繊維の滑性が強くなりすぎるため、回巻体の形状維持が困難となり好ましくない。より好ましい炭素数8〜22のアルキル基を含む両性界面活性剤の含有量は、処理剤全量に対して0.5〜2.5質量%である。
本発明のガラス繊維は、カチオン界面活性剤を含有する処理剤により処理されてなることを必須とするものである。カチオン界面活性剤とは、水中(白水中)で電離して有機陽イオンとなる界面活性剤をいい、任意のカチオン界面活性剤を適用することが可能である。カチオン界面活性剤としては、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、ベヘントリモニウムメトサルフェート、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、などのモノ長鎖アルキルアンモニウム類、塩化ステアリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム、塩化3−ドコシルオキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム、塩化ドコシルオキシプロピルトリメチルアンモニウム、などのモノ長鎖アルキルオキシアルキルアンモニウム類、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、などのジ長鎖アルキルアンモニウム類、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキシド、などのアルキルアミンオキシド類、N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、などのヤシ油脂肪酸エステル類、カチオン系脂肪酸アミド、などが挙げられる。これらのカチオン界面活性剤は一種のみを使用しても良く、また二種以上を併用しても良い。
本発明のガラス繊維は、粘度5cPの白水中に浸漬させ、350rpmで攪拌した際において、開繊時間が、攪拌開始から10〜60秒であり、凝集開始時間が、攪拌開始から10分以上である。
白水とは、ガラス繊維や合成繊維、パルプを抄紙する抄紙工程において一般に使用される白水であり、粘度は5cPである。白水の粘度は、公知の方法で測定することが可能であり、JIS Z8803(2011)に記載された毛細管粘度計、落球粘度計、回転粘度計等により測定することが可能である。本発明においては、B型回転粘度計(東京計器株式会社製)により粘度を測定した。そして、粘度が5cPである白水をビーカーに入れ、350rpmで攪拌しておき、そのビーカーの中にガラスチョップドストランドを投入する。ガラスチョップドストランドの投入量としては、白水500mlに対して、ガラスチョップドストランドが2〜5gであることが好ましい。また、ガラスチョップドストランドは、長さが3〜50mmであることが好ましい。ガラスチョップドストランドの長さが3mmよりも短い場合、ガラスチョップドストランドの開繊状況を目視することが困難であるため好ましくない。また、ガラスチョップドストランドの長さが50mmよりも長いと、ガラスチョップドストランドが攪拌棒に絡み、正確な開繊時間を測定できなくなるおそれがあるため好ましくない。なお、「攪拌開始からx秒」とは、予め攪拌しているビーカーにガラスチョップドストランドを投入した場合において、ガラスチョップドストランドが白水中に投入され、浸水した時点からの秒数を言う。なお、ガラスチョップドストランドが投入されてから攪拌を開始する場合、攪拌前の浸水時間により、開繊時間が変動し、正確な開繊時間を測定することが困難となるおそれがある。ガラスチョップドストランドが開繊したか否かの判断は、目視により行われる。具体的には、ビーカーの位置を中心として、観測者から対称となる位置に対象物を置き、ガラスチョップドストランドが開繊することにより、ビーカー内の白水が白濁し、観測者から対象物が見えなくなった時間を開繊時間とする。凝集開始時間についても、開繊時間と同様に、目視により行われる。具体的には、先記のようにガラスチョップドストランドが開繊することで、白水が白濁し、対象物が見えなくなるが、開繊したガラス繊維モノフィラメントが凝集することで、白水の透明度が再び増してくる。そして再び対象物を観測することが可能となる。対象物を観測可能となった時間を凝集開始時間とする。
ガラス繊維の開繊時間が、攪拌開始から10秒未満である場合、抄紙工程において、ガラスチョップドストランドの投入直後に開繊してしまうため、ガラス繊維モノフィラメントが全体に広がらず、均一な厚さのガラスペーパーを製造できなくなり、好ましくない。一方、開繊時間が攪拌開始から60秒よりも大きいと、一部のガラスチョップドストランドが開繊しない状態として残存してしまい、抄紙したガラスペーパーの表面に、塊状のガラス繊維がダマとして残存するため好ましくない。より好ましい開繊時間は、攪拌開始から10〜40秒である。
また、凝集開始時間が、攪拌開始から10分未満である場合、抄紙工程中に開繊したガラス繊維モノフィラメントが再び凝集してしまい、抄紙の際に、ガラスペーパーの表面に、ダマとして残存するため好ましくない。より好ましい凝集開始時間は、攪拌開始から20分以上である。
ガラス表面はマイナス電荷であるため、カチオン界面活性剤を含有する処理剤で処理されたガラス繊維モノフィラメント表面には、カチオンのプラス電荷により中和されカチオン界面活性剤が安定して付着すると考えられる。ただし、疎水基が外向となるように、規則的に並ぶため、ガラス繊維ストランドへの白水の浸透性は悪くなり、開繊時間が遅くなる。そこで、両性界面活性剤も処理剤に含有させることにより、白水中におけるガラス表面のマイナス電荷と両性界面活性剤のカチオンとアニオンとの間で動的平衡状態となり、白水の浸透性を良好に保ちつつ、ガラス繊維モノフィラメントの凝集を抑制する事が可能になるものと考えられる。
また、粘度1cPの白水中に浸漬させ、350rpmで攪拌した際において、開繊時間が、攪拌開始から5〜30秒であり、凝集開始時間が攪拌開始から5分以上であれば、低粘度の白水を用いた場合でも、適切な時間でガラスチョップドストランドが開繊するとともに、短時間でガラス繊維モノフィラメントが凝集するおそれがなくなり、様々な種類の白水に対しても対応することが可能となるため更に好ましい。
また、本発明は、カチオン界面活性剤が、両性界面活性剤の含有量100質量部に対して5〜40質量部処理剤に含有されてなることが好ましい。
先記のように、カチオン界面活性剤と両性界面活性剤が処理剤に含有されてなることにより、開繊性と凝集抑制の両方を図ることが可能となる。カチオン界面活性剤と両性界面活性剤の含有量が、両性界面活性剤の含有量100質量部に対してカチオン界面活性剤5〜40質量部処理剤に含有されてなることにより、両性界面活性剤過多によるガラスチョップドストランドの開繊性の悪化や、カチオン界面活性剤過多によるガラス繊維モノフィラメントの凝集を効率的に抑制できるため好ましい。両性界面活性剤の含有量100質量部に対してカチオン界面活性剤が5質量部未満である場合、カチオン界面活性剤のガラス表面への付着が少なく、ガラス表面はマイナス電荷を帯びており、ガラス繊維モノフィラメントが再び凝集しやすくなるおそれがあり好ましくない。一方で、両性界面活性剤の含有量100質量部に対してカチオン界面活性剤が40質量部より大きい場合、白水に溶け難いカチオン界面活性剤が過多となるため、ガラスチョップドストランドが開繊しにくくなるおそれがあり好ましくない。より好ましいカチオン界面活性剤と両性界面活性剤の含有量は、両性界面活性剤の含有量100質量部に対して、カチオン界面活性剤が10〜30質量部、更に好ましくは、両性界面活性剤の含有量100質量部に対して、カチオン界面活性剤が15〜25質量部である。
また、処理剤には、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤以外にも、ガラス繊維表面を保護することを目的として、シランカップリング剤を含有させることが好ましい。シランカップリング剤としては、アミノシラン、エポキシシラン、ビニルシラン、アクリルシラン、クロルシラン、メルカプトシラン、ウレイドシランが使用できる。これらの中でも、煮沸特性を向上させ、添加したとしてもガラス繊維への着色が少ないγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−N’ −β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであることが好ましい。これらのシランカップリング剤は一種のみを使用しても良く、また二種以上を併用しても良い。
また、他にも、ウレタン樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型2官能エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフトール―クレゾール共縮合ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール― フェノール共縮合ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン―フェノール付加反応型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、などのエポキシ樹脂、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、などのアクリル樹脂、などの他の結合剤、脂肪酸アミド、及び第4級アンモニウム塩、などの潤滑剤、合成アルコール系、天然アルコール系、脂肪酸エステル系、などノニオン系の界面活性剤、アンモニア、水酸化ナトリウム、などの中和剤、及び帯電防止剤などの各成分を適量含むことができ、それぞれの成分の配合比は、必要に応じて決定すればよい。
また、両性界面活性剤やカチオン界面活性剤などは、溶媒に溶解させることで、ガラス繊維に塗布しやすくなるため好ましい。溶媒としては、水、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、フェニルエーテル誘導体、テトラヒドロフラン(THF)などが挙げられるが、揮発し難く、且つ引火しにくい水であることが好ましい。
本発明のガラス繊維は、以下の製造方法によって製造される。まず溶融ガラスを、数百〜数千本の耐熱性ノズルを有するブッシングより引き出した後、冷却することでガラス繊維モノフィラメントを得る。次に、ガラス繊維モノフィラメントに対してアプリケーターなどの塗布装置で処理剤を塗布し、数百〜数千本のガラス繊維モノフィラメントを引き揃えてガラス繊維ストランドとした後、ガラス繊維ストランドを回転するコレットに綾を掛けながら巻き取ることで回巻体とする。
そして、回巻体とした後に、回巻体からガラス繊維ストランドを引出して所定の長さに切断したガラスチョップドストランドとする。なお、ガラス繊維に付着した水分を乾燥させる乾燥工程を有していても良く、また、複数本のガラス繊維ストランドを合糸したガラス繊維ストランド合糸体を巻き取ってロービングを作製し、ロービングから引出したガラス繊維ストランド合糸体を切断したガラスチョップドストランドとしても構わない。乾燥工程としては、各種の乾燥手段を用いてよく、必要に応じて複数の乾燥手段の併用も可能である。このような乾燥手段として、誘電加熱、熱風加熱、放射加熱、などが挙げられる。
ガラス繊維の性質はガラス組成によっても決まり、本発明のガラス繊維のガラス組成としては、Eガラス(アルカリ含有率2.0%以下)、Aガラス(含アルカリガラス)ARガラス(耐アルカリ性ガラス組成)、Cガラス(耐酸性のアルカリ石灰含有ガラス組成)、Dガラス(低誘電率を実現する組成)、Sガラス(高強度、高弾性率を実現する組成)、Tガラス(高強度、高弾性率を実現する組成)、NEガラス(低誘電率、低誘電正接を実現する組成)、Hガラス(高誘電率を実現する組成)を適用することができる。
本発明のガラス繊維は、長手方向に直交する糸断面形態が、円、楕円、矩形、マユ形状、多角形及びサークル状、星状、などの様々な異形断面形態になるようにしてもよい。このような異形断面形態とするには紡糸時の耐熱性ノズルの形状などを適宜変形させたガラス繊維を冷却すればよい。
本発明のガラス繊維は、強熱減量が0.01〜0.3質量%であることが好ましい。
強熱減量の測定は、JIS R 3420(2006)に従い測定を行うことができる。強熱減量が0.01質量%未満である場合、ガラス繊維モノフィラメントどうしを1本のガラス繊維ストランドに集束することが困難となり、ガラス繊維の取り扱い性が悪化するおそれがあるため好ましくない。一方、強熱減量が0.3質量%よりも大きい場合、集束性が良好となるものの、ガラス繊維の滑性が強くなりすぎるため、回巻体の形状維持が困難となり、取り扱い上好ましくない。より好ましい強熱減量は、0.04〜0.25質量%、更に好ましくは0.06〜0.1質量%である。
本発明のガラスペーパーの製造方法は、前記のガラス繊維を用い、粘度1〜10cPの白水で抄紙することを特徴とするものである。
具体的には、前記のガラス繊維を3〜50mmに切断したガラスチョップドストランドを、白水中に分散せしめた後、抄紙機で抄紙し、抄紙したガラスペーパーを乾燥させることにより製造される。そして、粘度が1〜10cPの白水を抄紙に使用することにより、ガラスチョップドストランドの開繊時間が適切な範囲となり、かつガラス繊維モノフィラメントの凝集開始時間が十分に長くなる。そのことにより、厚さが均一であり、ダマの発生の少ないガラスペーパーを製造することが可能となる。
なお、乾燥硬化工程は、通常、熱風乾燥機、或いはドラムドライヤー等で100〜250℃、より好ましくは150〜200℃で数秒〜数分間かけて行われるが、赤外線、遠赤外線、或いは高周波加熱によって、またはそれらの組み合わせによって実施することが可能である。
本発明のガラスペーパーは、前記のガラス繊維を含有することを特徴とするものである。
前記のガラス繊維を含有させることにより、厚さが均一であり、ダマの発生の少ないガラスペーパーが得られる。
また、本発明のガラスペーパーは、本発明の性能が損なわれない範囲で、本発明以外のガラス繊維、合成繊維、炭素繊維、パルプ等を適量含有してもよい。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[処理剤の作製]
(実施例1)
実施例1の処理剤は、カチオン界面活性剤であるカチオン系脂肪酸アミド(ステアリン酸テトラエチレンペンタミン縮合物 ソフノンHG−180(東邦化学工業株式会社製))が0.24質量%、両性界面活性剤であるラウリルアミドプロピルベタイン(マーポビスターLAP(松本油脂製薬株式会社製))が0.83質量%、シランカップリング剤である3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(SH6040(東レ・ダウコーニング株式会社製))が0.23質量%となるように、イオン交換水に均質混合して調製したものである。なお、カチオン界面活性剤/両性界面活性剤×100は、28.9%である。
(実施例2)
実施例2の処理剤は、ラウリルアミドプロピルベタインの代わりにステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(マーポビスターMS(松本油脂製薬株式会社製))を使用したこと以外は、実施例1と同様である。
(実施例3)
実施例3の処理剤は、カチオン系脂肪酸アミドが0.48質量%、ラウリルアミドプロピルベタインが1.66質量%、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが0質量%である以外は、実施例1と同様である。
(実施例4)
実施例4の処理剤は、ラウリルアミドプロピルベタインの代わりにステアリルジメチルアミノ酢酸ベタインを使用したこと以外は、実施例3と同様である。
(実施例5)
実施例5の処理剤は、実施例2と同じ処理剤である。
(実施例6)
実施例6の処理剤は、カチオン系脂肪酸アミドが0.12質量%、ノニオン界面活性剤であるポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル スコアロール100(花王株式会社製))が0.12質量%、ラウリルアミドプロピルベタインが0.83質量%、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが0.23質量%となるように、イオン交換水に均質混合して調製したものである。なお、カチオン界面活性剤/両性界面活性剤×100は、14.5%である。
(実施例7)
実施例7の処理剤は、ラウリルアミドプロピルベタインの代わりにステアリルジメチルアミノ酢酸ベタインを使用したこと以外は、実施例6と同様である。
(実施例8)
実施例8の処理剤は、カチオン系脂肪酸アミドが0.24質量%、ラウリルアミドプロピルベタインが0.4質量%、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが0質量%であり、カチオン界面活性剤/両性界面活性剤×100が、60%である以外は、実施例6と同様である。
(実施例9)
実施例9の処理剤は、実施例6と同じ処理剤である。
(実施例10)
実施例10の処理剤は、実施例8と同じ処理剤である。
(比較例1)
比較例1の処理剤は、カチオン系脂肪酸アミドが0.61質量%、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤が0.46質量%、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが0.23質量%となるように、イオン交換水に均質混合して調製したものである。
(比較例2)
比較例2の処理剤は、カチオン系脂肪酸アミドが0.2質量%、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤が0.87質量%である以外は、比較例1と同様である。
(比較例3)
比較例3の処理剤は、カチオン系脂肪酸アミドが0.92質量%、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤が0.15質量%である以外は、比較例1と同様である。
(比較例4)
比較例4の処理剤は、カチオン系脂肪酸アミドが0.05質量%、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤が0.04質量%、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが0.02質量%となるように、イオン交換水に均質混合して調製したものである。
(比較例5)
比較例5の処理剤は、ラウリルアミドプロピルベタインが0.1質量%、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが0.02質量%となるように、イオン交換水に均質混合して調製したものである。なお、カチオン界面活性剤/両性界面活性剤×100は、0%である。
[ガラスチョップドストランドの作製]
ガラス溶融炉で均質に熔融されたEガラス組成を有する溶融ガラスを、数十〜数千本のノズルを有する耐熱性ブッシングから連続的に引き出し、得られた平均直径10μmのガラス繊維モノフィラメントの表面に上述の処理剤を、後述の表1、2に記載の強熱減量となるように、アプリケーターのローラーの回転速度を変えながら塗布した。その後、ギャザリングシューにより処理剤が塗布された5000本のガラス繊維モノフィラメントを集束させてガラス繊維ストランドとし、紙管上に巻き取って回巻体とした。次いで、この回巻体からガラス繊維ストランドを引き出して、ガラス繊維切断装置によって13mmの長さとなるように切断装置を使用して切断することによってガラスチョップドストランドを得た。
[開繊時間、凝集開始時間の測定]
ビーカー中に白水500gを投入し、羽根の直径が70mmのプロペラ型の羽根を用いて350rpmで白水を攪拌し、その中に3gのガラスチョップドストランドを投入した。先記のように、浸水した時点からの時間を開繊時間とした。なお、白水には分散剤の他に実施例1〜4、6〜8、比較例1〜5は、増粘剤を加えることで、粘度を5cPに調整した。この白水を用いて開繊時間、凝集開始時間の測定を行った。実施例5、9、10は、粘度が約1cPである白水を用いて開繊時間、凝集開始時間の測定を行った。
[ガラスペーパーの厚さの均等性]
ガラスチョップドストランドを抄紙して30mm×30mmのガラスペーパーを作製し、作製後におけるガラスペーパーの厚さを目視により確認した。目視により、最厚部と最薄部の差が1mm以上であった場合は×と評価し、最厚部と最薄部の差が1mm以下であった場合は○と評価した。なお、抄紙の際に用いた白水の粘度条件は、先記の開繊時間、凝集開始時間の測定に用いた時と同じとした。
[ガラスペーパーのダマの有無]
先記した30mm×30mmのガラスペーパーの表面を目視により確認した。ガラス繊維モノフィラメントが凝集し、周辺よりも白く見える部分が存在しており、その部分の径が3mm以上である場合は×と評価し、ガラス繊維モノフィラメントが凝集し、周辺よりも白く見える部分が存在しなかった場合、または存在していても、その部分の径が3mm未満である場合は○と評価した。
表1、2は、各実施例、及び比較例における処理剤の処理剤組成、白水粘度、強熱減量、開繊時間、凝集開始時間、ガラスペーパーの厚さの均等性、ガラスペーパーのダマの有無について記載している。
表1及び表2からも明らかなように、実施例1〜10においては、厚さが均一であり、かつダマのないガラスペーパーが得られた。一方、比較例1、2は、凝集が容易に起こり、多くのダマが発生した。比較例3は、ガラス繊維が開繊しないため、厚さが不均一となるとともに、ガラスペーパーに多数の穴空きが見られた。また、開繊しないガラス繊維がダマとなって存在していた。比較例4、5は、開繊が早すぎるために、全体にガラス繊維が広がらず、また凝集が容易に起こり、多くのダマが発生した。

Claims (8)

  1. 炭素数8〜22のアルキル基を含む両性界面活性剤と、カチオン界面活性剤を含有する処理剤により処理されてなり、粘度5cPの白水中に浸漬させ、350rpmで攪拌した際において、開繊時間が、攪拌開始から10〜60秒であり、凝集開始時間が、攪拌開始から10分以上であることを特徴とするガラスチョップドストランド
  2. 粘度1cPの白水中に浸漬させ、350rpmで攪拌した際において、開繊時間が、攪拌開始から5〜30秒であり、凝集開始時間が、攪拌開始から5 分以上であることを特徴とする請求項1に記載のガラスチョップドストランド
  3. 前記カチオン界面活性剤は、前記両性界面活性剤の含有量100質量部に対して5〜40質量部前記処理剤に含有されてなることを特徴とする請求項1または2に記載のガラスチョップドストランド
  4. 強熱減量が0.01〜0.3質量%であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のガラスチョップドストランド
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のガラスチョップドストランドを用いたガラスペーパーの製造方法であって、
    粘度1〜10cPの白水で抄紙することを特徴とするガラスペーパーの製造方法。
  6. 請求項1から4いずれか一項に記載のガラスチョップドストランドを含有することを特徴とするガラスペーパー。
  7. 繊維として、ガラスチョップドストランドのみを含有することを特徴とする請求項6に記載のガラスペーパー。
  8. 白水中で抄紙することで作製されるガラスペーパーの製造に用いられるガラスチョップドストランドの製造方法であって、
    ガラス繊維モノフィラメントに、処理剤を塗布する工程と、
    前記ガラス繊維モノフィラメントを引き揃えてガラス繊維ストランドとする工程と、
    前記ガラス繊維ストランドを切断する工程とを有し、 前記処理剤は、炭素数8〜22のアルキル基を含む両性界面活性剤と、カチオン界面活性剤を含有してなり、
    前記ガラスチョップドストランドは、粘度5cPの白水中に浸漬させ、350rpmで攪拌した際において、開繊時間が、攪拌開始から10〜60秒であり、凝集開始時間が、攪拌開始から10分以上であることを特徴とするガラスチョップドストランドの製造方法。
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