JP3130370B2 - ガラス繊維集束剤 - Google Patents

ガラス繊維集束剤

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JP3130370B2 JP04133271A JP13327192A JP3130370B2 JP 3130370 B2 JP3130370 B2 JP 3130370B2 JP 04133271 A JP04133271 A JP 04133271A JP 13327192 A JP13327192 A JP 13327192A JP 3130370 B2 JP3130370 B2 JP 3130370B2
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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス繊維の集束剤に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維は本質的に脆いため、傷がつ
くと簡単に切断されてしまう。特に摩擦には弱いため、
単繊維どうしが直接接触することを避ける必要がある。
そのため、従来より各種のガラス繊維集束剤が使用され
ている。
【0003】従来より使用されているガラス繊維集束剤
には、澱粉系、樹脂エマルジョン系等のものがある。樹
脂エマルジョン系集束剤には、ポリ酢酸ビニル、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリウレタン樹脂等が
用いられている。
【0004】これらのガラス繊維集束剤は、ガラス繊維
の製造工程における巻返、撚糸、管巻、製織の際に摩耗
からガラス繊維を保護し、ケバ立ち、糸切れ等を防ぐ役
割を果たしている。
【0005】ガラス繊維のもう一つの欠点として、帯電
し易いことが挙げられる。この帯電性により、ガラス繊
維は紡糸及び加工工程で静電荷に起因するトラブルを発
生させる。このトラブルの発生を防ぐため、ガラス繊維
には前記集束剤と共に帯電防止剤が広く用いられる。帯
電防止剤には無機物と有機物のものがあり、無機物の帯
電防止剤には塩化リチウム、塩化アルミニウム等の塩化
物があり、有機物の帯電防止剤にはトリエタノールアミ
ンのカルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル、リン
酸エステル、アルキルアミンの酸化エチレン付加体、イ
ミダゾリン、高級脂肪酸と低級ポリアミンから得られる
アミンアミドとその塩、アルキルトリメチルアンモニウ
ム塩のような第四級アンモニウム塩等がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに集束剤と同時に帯電防止剤を併用すると、該帯電防
止剤が集束剤のガラス繊維への吸着を阻害したり、集束
剤自身が有する潤滑性能を阻害するという問題点があ
る。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決するため
に為されたものであり、本発明の目的は、十分な集束作
用と帯電防止能と潤滑性能とを兼ね備えたガラス繊維集
束剤を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のガラス繊維集束剤は、分子内に、一般式化
4で表されるエチレン構造単位( I) を65〜99モル
%と、一般式化5で表されるアクリルアミド構造単位(I
II) を1〜35モル%とを含有し、重量平均分子量が
1,000〜50,000で線状のカチオン性共重合体
の分散物を含有することを特徴とする。各構造単位は規
則的に配列している場合、不規則に配列している場合の
何れでもよい。
【0009】
【化4】
【0010】
【化5】
【0011】(但し、化5に於いて、R2 は炭素数2〜
8のアルキレン基を表し、R3 及びR4 は各々独立に炭
素数1〜4のアルキル基を表し、R5 は炭素数1〜12
のアルキル基、炭素数6〜12のアリールアルキル基又
は炭素数6〜12の脂環式アルキル基を表し、X- はハ
ロゲンイオン、CH3 OSO3 - 又はCH3 CH2 OS
3 - を表し、R2 〜R5 及びX- はそれぞれ構造単位
毎に同一であっても異なってもよい。)また、本発明の
ガラス繊維集束剤において、前記カチオン性共重合体
が、更に一般式化6で表されるアクリレート構造単位(I
I)を15モル%以下で含有する構成としてもよい。
【0012】
【化6】
【0013】(但し、化6に於いて、R1 は炭素数1〜
4のアルキル基を表し、R1 は構造単位毎に同一であっ
ても異なってもよい。)なお、本明細書に於いて、分散
物とは、水に前記カチオン性共重合体を乳化させたも
の、可溶化させたもの、分散させたもの等、巨視的に均
一な系を包含する概念である。
【0014】本発明のガラス繊維集束剤において用いら
れるカチオン性共重合体の構成について、以下にさらに
詳しく説明する。
【0015】上記カチオン性共重合体において、一般式
化4で表されるエチレン構造単位(I) は、分子内に6
5〜99モル%で含有されているが、この含有割合が6
5モル%未満であれば前記カチオン性共重合体の軟化点
が低下し、得られる集束剤の高温下又は高湿下での潤滑
性が低下する。また、エチレン構造単位( I) の含有量
が99モル%を越えると、アクリルアミド構造単位(II
I) の含有量が小さくなり、アクリルアミド構造単位(II
I) による十分な帯電防止の効果が得られなくなる。潤
滑性と帯電防止能との観点から、エチレン構造単位(
I) は85〜97モル%含有されているのが更に好まし
い。
【0016】また、本発明のガラス繊維集束剤に用いる
カチオン性共重合体において、一般式化5で表されるア
クリルアミド構造単位(III) は、第四級アンモニウム塩
を有するカチオン性のアクリルアミド構造単位であり、
分子内に1〜35モル%で含有されている。この含有割
合が1モル%未満の場合には十分な帯電防止能を付与す
ることができず、この含有割合が35モル%を超える場
合には、前記カチオン性共重合体に吸湿性が生じて帯電
防止能の湿度依存性が大きくなり、更にはタックに基づ
く粘着性さえ生じるようになる。帯電防止能及びその湿
度依存性と粘着性との観点から、アクリルアミド構造単
位(III) の含有割合は3〜15モル%が更に好ましい。
【0017】一般式化5のアクリルアミド構造単位(II
I) に於いて、R2 は炭素数2〜8のアルキレン基を表
している。R2 の具体例として、エチレン基、プロピレ
ン基、ヘキサメチレン基及びネオペンチレン基を挙げる
ことができる。これらのアルキレン基は1分子中に混在
していてもよい。これらのアルキレン基の中では、製造
の容易さ及び経済性の観点から、エチレン基及びプロピ
レン基が好ましく、特にプロピレン基が好ましい。
【0018】アクリルアミド構造単位(III) のR3 及び
4 は、各々独立に炭素数1〜4のアルキル基を表して
いる。これらのアルキル基は1分子中に混在していても
よい。R3 及びR4 の具体例として、メチル基、エチル
基、プロピル基及びブチル基を挙げることができる。こ
れらのアルキル基の中では、帯電防止の効果の観点か
ら、メチル基及びエチル基が好ましい。
【0019】アクリルアミド構造単位(III) のR5 は、
炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリー
ルアルキル基又は炭素数6〜12の脂環式アルキル基を
表す。これらのアルキル基は1分子中に混在していても
よい。アルキル基の具体例として、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、n−オクチル基、n−ラウリル
基等を挙げることができる。アリールアルキル基の具体
例としては、ベンジル基、4−メチルベンジル基等を挙
げることができる。脂環式アルキル基の具体例として
は、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基等を挙
げることができる。これらの中では、粘着性の観点か
ら、R5 として直鎖状アルキル基及びアリールアルキル
基が好ましく、また、帯電防止能の観点から低級アルキ
ル基が好ましい。これらのうち、特にメチル基及びエチ
ル基がR5 として好ましい。
【0020】アクリルアミド構造単位(III) におけるX
- は、Cl- ,Br- ,I- などのハロゲンイオン、C
3 OSO3 - 又はCH3 CH2 OSO3 - を表し、こ
れらの陰イオンは1分子中に混在していてもよい。これ
らの陰イオンの中で、経済性の観点から、Cl- 、CH
3 OSO3 - 及びCH3 CH2 OSO3 - が好ましい。
【0021】更に、本発明のガラス繊維集束剤に用いる
カチオン性共重合体には、一般式化6で表されるアクリ
レート構造単位(II)が、分子内に15モル%以下で含有
されていてもよい。アクリレート構造単位(II)が含有さ
れていると、被膜形成能が増大すると共にガラス繊維へ
の接着性が増大するので好ましい。アクリレート構造単
位(II)の含有割合が15モル%を超える場合には、カチ
オン性共重合体の軟化点が低下し、潤滑性に劣ることと
なる。好ましいアクリレート構造単位(II)の含有割合は
1〜15モル%、なかんずく3〜7モル%である。
【0022】一般式化6のアクリレート構造単位(II)に
於いて、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を表してい
る。R1 の具体例としては、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、is
o−ブチル基を挙げることができる。これらのアルキル
基は1分子中に混在していてもよい。これらのアルキル
基の中でメチル基及びエチル基が、潤滑性への弊害をも
たらさないという観点から好ましい。
【0023】本発明のガラス繊維集束剤に用いるカチオ
ン性共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミュエーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)によって測定され、
ポリスチレン換算の重量平均分子量として超高温GPC
法(絹川,高分子論文集第44巻2号,139〜141
頁,1987)に準じて測定される。測定の結果によれ
ば、好ましい重量平均分子量の範囲は1,000〜5
0,000である。重量平均分子量が1,000未満の
場合には、分子量が小さすぎて集束剤としての被膜形成
能に劣り、本発明の目的であるガラス繊維集束剤として
の機能が十分に発揮できない。そのため、ガラス繊維の
ケバ立ちの発生が著しくなる。また、カチオン性共重合
体の重量平均分子量が50,000を超える場合には、
分散物としたときの粘度が大きくなりすぎ、作業性が低
下する。カチオン性共重合体の好ましい重量平均分子量
の範囲は3,000〜30,000である。
【0024】本発明のガラス繊維集束剤に用いるカチオ
ン性共重合体は、例えば次のようにして製造することが
できる。即ち、エチレンとアクリル酸エステルとを高圧
重合法により共重合させて得られるエチレン−アクリル
酸エステル共重合体を、特開昭60−79008号公報
に記載の方法により加水分解と同時に熱減成して所望の
分子量とする。この加水分解反応を部分的に行うことに
より、エチレン−アクリル酸エステル共重合体からエチ
レン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体が得ら
れる。さらに、得られたエチレン−アクリル酸エステル
−アクリル酸共重合体をN,N−ジアルキルアミノアル
キルアミン等でアミド化してアクリルアミド系共重合体
を得た後、これをハロゲン化アルキル、ジアルキル硫酸
などの四級化剤でカチオン変性して単離することによ
り、上記カチオン性共重合体を得ることができる。な
お、上述のエチレン−アクリル酸エステル共重合体を完
全に加水分解することにより、アクリレート構造単位(I
I)を含有しないカチオン性共重合体が得られる。
【0025】本発明のガラス繊維集束剤は、上述のカチ
オン性共重合体を水に分散させることにより得られる。
例えば、高圧乳化法によって上述のカチオン性共重合体
を水に乳化させることにより得られる。高圧乳化法で
は、カチオン性共重合体を水と共にオートクレーブに仕
込み、110〜140℃の温度で加圧下に攪拌すること
により、乳化物としてガラス繊維集束剤を得ることがで
きる。なお、上記カチオン性共重合体は特に界面活性剤
を用いなくても分散物とすることができるが、乳化、可
溶化、分散に際して界面活性剤を加えてもよい。
【0026】本発明のガラス繊維集束剤は、上記カチオ
ン性共重合体の分散物を含有するものであるが、該分散
物を単独で用いても十分な効果が得られる。しかし、ガ
ラス表面のガラス繊維集束剤との接着性を高めるため、
公知のシランカップリング剤でガラス繊維の表面の処理
を行ってもよい。シランカップリング剤として、例え
ば、ビニルトリクロロシラン,ビニルトリス−β−メト
キシエトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン等のビ
ニル系シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
等のアミノ系シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等のメタクリロキシ系シラン、β−3,
4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラ
ン,γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等の
エポキシ系シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン等のメルカプト系シラン等を用いることができ
る。
【0027】また、本発明のガラス繊維集束剤は、脂肪
族炭化水素、脂肪族アルコール、脂肪族アミド、高級脂
肪酸エステル等の公知の潤滑剤を含んでいてもよい。例
えば、上記脂肪族炭化水素としてパラフィンワックスを
挙げることができ、上記脂肪族アルコールとしてラウリ
ルアルコール,ステアリルアルコール等を挙げることが
でき、上記脂肪族アミドとしてパルミチン酸アミド,ス
テアリン酸アミド等を挙げることができる。また、上記
高級脂肪酸エステルとして、例えば、飽和若しくは不飽
和の高級モノカルボン酸,ジカルボン酸又はオキシカル
ボン酸と、ブタノール,オクタノール等の一価アルコー
ル,又はエチレングリコール,グリセリン,ペンタエリ
スリトール,ソルビトール等の多価アルコールとの組み
合わせによるものを挙げることができる。
【0028】本発明のガラス繊維集束剤は、一般的な塗
布工程において従来のガラス繊維集束剤と同様に用いる
ことができる。即ち、紡糸直後のガラス繊維にローラー
コーターを用いてガラス繊維集束剤を塗布し、ガラス繊
維ストランドとして巻取った後、所定の乾燥条件にて乾
燥を行う。ガラス繊維に付着するガラス繊維集束剤の量
は、ガラス繊維の重量に対して0.1〜2%であるのが
好ましい。
【0029】
【作用】本発明のガラス繊維集束剤は、エチレン構造単
位を主成分とするカチオン性共重合体を含有し、このエ
チレン構造単位が被膜形成に寄与し、ガラス繊維への接
着性と適度な潤滑性とを与えるものと考えられる。ま
た、カチオン性共重合体はアミド基を介して結合してい
る第四級アルキルアンモニウム塩を有しており、この第
四級アルキルアンモニウム塩の部分が帯電防止能に寄与
しているものと考えられる。その結果、本発明のガラス
繊維集束剤は、ガラス繊維集束機能、潤滑性及び帯電防
止能のバランスに優れたものとなる。
【0030】
【発明の効果】本発明のガラス繊維集束剤は、ガラス繊
維集束機能、潤滑性、帯電防止能のバランスに優れてい
るので、ガラス繊維の製造工程における巻返、撚糸、管
巻、製織の際の摩耗からガラス繊維を保護し、ケバ立
ち、糸切れ等を防ぐ役割を果たすと共に、ガラス繊維の
帯電に起因するトラブルを防止することができる。
【0031】
【実施例】本発明のガラス繊維集束剤の実施例について
説明する。まず、本発明のガラス繊維集束剤に用いられ
るカチオン性共重合体の具体的な製造例について説明す
る。
【0032】<製造例1> (カチオン性共重合体の調製)温度計、攪拌機、滴下ロ
ート及びディーン・スターク分水器を備えた1リットル
の4つ口フラスコに、キシレン400ml、エチレン・ア
クリル酸エチル・アクリル酸共重合体(エチレン/アク
リル酸エチル/アクリル酸=93/3/4)150g及
びパラトルエンスルホン酸1.0gを仕込んだ。
【0033】次に、N,N−ジメチルアミノプロピルア
ミン21.1gを仕込み、オイルバスを用いて140℃
に加熱し、生成した水をキシレンとの共沸により連続的
に除去し、さらに、140℃で17時間反応し、水が生
成しなくなり水の共沸が認められなくなるまでアミド化
反応を継続した。
【0034】得られた反応物458gを80℃まで冷却
し、その反応混合物に滴下ロートからヨウ化メチル2
8.7gを1時間かけて徐々に滴下した。この間、発熱
が認められたが、冷却することにより反応温度を90℃
に維持した。滴下終了後、100℃で4時間熟成反応を
行った。このようにして得られた反応物を多量のメタノ
ール中へ投入し、生成した沈澱物を回収、乾燥してカチ
オン性共重合体を得た。
【0035】このカチオン性共重合体の重量平均分子量
を測定したところ、19,400であった。
【0036】<製造例2〜9>製造例1と同様に、特願
平2−331082号公報に記載の方法に従い、表1の
製造例2〜9に示すカチオン性共重合体を調製した。製
造例2〜9における使用原料は、以下のように製造例1
と異なっている。
【0037】製造例8及び9では原料共重合体のエチレ
ン・アクリル酸エチル・アクリル酸共重合体におけるR
1 がそれぞれn−プロピル基及びn−ブチル基であり、
製造例5及び7では原料共重合体としてエチレン・アク
リル酸共重合体を用いた。製造例4及び8ではアミノ化
剤としてN,N−ジメチルアミノエチルアミンを用い、
製造例6ではアミノ化剤としてN,N−ジメチルアミノ
ネオペンチルアミンを用い、製造例7ではアミノ化剤と
してN,N−ジエチルアミノプロピルアミンを用い、製
造例9ではアミノ化剤としてN,N−ジエチルアミノエ
チルアミンを用いた。また、製造例2,5,6及び8で
は四級化剤としてジエチル硫酸を用い、製造例4及び9
では四級化剤としてベンジルクロライドを用い、製造例
3では四級化剤としてp−メチルベンジルクロライドを
用いた。
【0038】表1に製造例1〜9のカチオン性共重合体
の各構造単位におけるR1 〜R5 及びX- 、そのモル比
並びに重量平均分子量を示した。
【0039】
【表1】
【0040】次に、本発明のガラス繊維集束剤の具体的
な実施例と、それらと比較対照するための具体的な比較
例について説明する。 <実施例1〜9> (ガラス繊維集束剤の調製)製造例1で製造したカチオ
ン性共重合体を用い、実施例1のガラス繊維集束剤を調
製した。このガラス繊維集束剤は、製造例1のカチオン
性共重合体を、固形分20%となるように水と共にオー
トクレーブに仕込み、120℃、2〜2.5kg/cm 2
高温高圧下で2時間攪拌することにより得られる。同様
に、製造例2〜9のカチオン性共重合体を固形分20%
で用い、上記と同様の方法で実施例2〜9のガラス繊維
集束剤を得た。
【0041】<比較例>カチオン性帯電防止剤を含まな
い従来より公知の酢酸ビニル系ガラス繊維集束剤(市販
品)を用いた場合を比較例1とした。また、カチオン性
帯電防止剤を含んだ従来より公知の酢酸ビニル系ガラス
繊維集束剤(市販品)を用いた場合を比較例2とした。
【0042】<ガラス繊維集束剤の性能評価試験>実施
例1〜9のガラス繊維集束剤を水で5倍に希釈し、固形
分4重量%のガラス繊維集束剤として使用した場合の帯
電量、ケバ立ち及び耐摩耗性について評価した。帯電
量、ケバ立ち及び耐摩耗性は、それぞれ帯電防止能、接
着性及び潤滑性の評価基準となるものである。各評価結
果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】各評価試験の詳細は以下のとおりである。 (1)帯電量の測定 繊維化されつつある10μm・200フィラメントのガ
ラス繊維に、上述のように希釈したガラス繊維集束剤を
ロールコーターで塗布し、集束後、ストランドとしてコ
レットに巻取り、重量2Kgのケーキとした。このケー
キを120℃で8時間熱処理し、次いで60個のケーキ
を並べて合糸し、ロービングを作製した。これをカッタ
ーで切断し、25mm長のチョップストランドとした。
この際、静電気は発生せず、カッターへのガラス繊維の
付着は見られなかった。このチョップストランド推積部
の帯電量を、20℃、60%RHの条件下で、静電圧検
知器を用いて測定した。その測定結果を表2に示す。
【0045】(2)ケバ立ちの評価 上記(1)の帯電量の測定の場合と同様にガラス繊維に
ロールコーターでガラス繊維集束剤を塗布した後、20
0本を合糸してヤーンとした。このヤーンについて、整
経ケバ発生頻度及び管捲きケバ数を評価した。整経ケバ
発生頻度は、所定の荷重をテンサーにかけて所定速度で
走行した場合の1ボビンの1分間当たりのケバ玉発生頻
度を表している。管捲きケバ数は、管捲きした間の表面
のケバ本数である。これらの評価結果を表2に示す。
【0046】(3)耐摩耗指数 上記(2)と同じヤーンを用いて耐摩耗指数を測定し
た。耐摩耗指数は、所定の系を本発明者の試作した試験
機によって評価したもので、この数値が高いほど耐摩耗
性が高いことを示している。この試験機は、系に所定の
テンションをかけておき、これを皿型のコンペンセータ
の間に挟みつつ前後に繰り返し動かす方式のもので、耐
摩耗指数はコンペンセータによりしごかれた部分にケバ
が出始めるまでの回数を指数化したものである。
【0047】表2の結果から、各実施例のガラス繊維集
束剤で処理したガラス繊維は、比較例1及び2のものに
比較して帯電量が非常に低くなっていることが分かる。
また、整経ケバ発生頻度及び管捲きケバ数も比較例1及
び2に比較して低くなっている。更に、各実施例の耐摩
耗指数は、比較例1及び2のそれらに比べて大きく、耐
摩耗性に優れていることが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D06M 15/285 D06M 15/285 // D06M 101:00 D06M 15/285 (56)参考文献 特開 昭47−6497(JP,A) 特開 昭50−30967(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 25/10 C08F 210/02 C08F 220/60 C08J 5/08 D01F 11/04 D06M 15/285 D06M 101:00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に、 一般式化1で表されるエチレン構造単位( I) を65〜
    99モル%と、 一般式化2で表されるアクリルアミド構造単位(III) を
    1〜35モル%とを含有し、重量平均分子量が1,00
    0〜50,000で線状のカチオン性共重合体の分散物
    を含有することを特徴とするガラス繊維集束剤。 【化1】 【化2】 (但し、化2に於いて、R2 は炭素数2〜8のアルキレ
    ン基を表し、R3 及びR4 は各々独立に炭素数1〜4の
    アルキル基を表し、R5 は炭素数1〜12のアルキル
    基、炭素数6〜12のアリールアルキル基又は炭素数6
    〜12の脂環式アルキル基を表し、X- はハロゲンイオ
    ン、CH3 OSO3 - 又はCH3 CH2 OSO3 - を表
    し、R2 〜R5 及びX- はそれぞれ構造単位毎に同一で
    あっても異なってもよい。)
  2. 【請求項2】 前記カチオン性共重合体は、更に一般式
    化3で表されるアクリレート構造単位(II)を15モル%
    以下で含有することを特徴とする請求項1記載のガラス
    繊維集束剤。 【化3】 (但し、化3に於いて、R1 は炭素数1〜4のアルキル
    基を表し、R1 は構造単位毎に同一であっても異なって
    もよい。)
JP04133271A 1992-05-26 1992-05-26 ガラス繊維集束剤 Expired - Fee Related JP3130370B2 (ja)

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