JP3137829B2 - セメント補強用全芳香族ポリアミド繊維 - Google Patents

セメント補強用全芳香族ポリアミド繊維

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    • C04B20/00Use of materials as fillers for mortars, concrete or artificial stone according to more than one of groups C04B14/00 - C04B18/00 and characterised by shape or grain distribution; Treatment of materials according to more than one of the groups C04B14/00 - C04B18/00 specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone; Expanding or defibrillating materials
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セメント補強用として
好適な全芳香族ポリアミド繊維(以下アラミド繊維と称
することがある)に関する。さらに詳しくは、集束性が
良好で加工工程での取扱い性及び加工安定性に優れ、且
つセメント中への分散性が良好で優れた補強効果が得ら
れるセメント補強用全芳香族ポリアミド繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築あるいは土木等の分野におい
て、セメント成型体(セメント構造物)の脆性特性を改
善し、さらには軽量化、薄肉化等の目的で、セメント成
型体に補強用アラミド繊維を混入することは良く知られ
ており、その利用のための加工技術も種々提案されてい
る。例えば、特開昭62―158149号公報には、ア
ルキルチタネート又はチタンキレート化合物からなる被
覆層を形成してアラミド繊維とセメントとの接着性を向
上させる方法、また特開昭63―55142号公報に
は、繊維表面をプラズマ処理し、官能基を形成して接着
性を向上させる方法が開示されている。
【0003】しかしこれらの方法で得られる繊維は、セ
メント補強用繊維として使用するには通常短繊維となす
必要があるが、その製造時の集束性に劣るため、毛羽立
ちしやすく製品の品質を低下させるという問題、また、
アラミド繊維は卓越した力学的特性を有するために切断
加工する際の加工安定性に乏しく、短繊維が絡んでセメ
ント中への分散性が低下するという問題がある。さらに
は、セメント中に分散させる際、同時に多量の空気を捲
き込みやすいため、繊維表面がセメントに濡れ難くなっ
て補強効果が低下するという問題もある。
【0004】このような短繊維に由来する問題を解消す
る方法としては、例えば特開昭60―215559号公
報には、マルチフィラメント糸を撚糸した後さらに疎水
性樹脂で集束する方法、特開昭62―138347号公
報には、マルチフィラメント糸を熱硬化性樹脂で集束す
る方法、さらには特開昭63―303837号公報には
単繊維繊度が極めて大きい偏平モノフィラメントを用い
る方法が開示されている。しかしこれらの方法では、添
加重量が同一の下ではセメント中の繊維本数が大きく低
下するため、アラミド繊維のもつ強度や弾性率を有効に
利用できないという問題がある。また、ここで用いられ
る疎水性樹脂や熱硬化性樹脂は、有機溶剤に溶解させて
使用する必要があるため作業環境を悪化させるという問
題、及び被覆処理時にローラーや糸導ガイドに粘着性ス
カムが発生し易いという問題がある。
【0005】一方特開平5―295663号公報には、
炭素繊維の表面にジカルボン酸/アルキレングリコール
/ポリオキシアルキレングリコールからなるポリエーテ
ルエステル共重合体を0.05〜5重量%付着させて、
製糸時の毛羽立ち性、切断加工時の加工作業性及びセメ
ント中に分散させる際の分散性を同時に満足させる方法
が提案されている。しかし我々の検討によれば、この方
法をアラミド繊維にそのまま適用しても、アラミド繊維
は炭素繊維と比較すると脆性が小さくて切断し難いた
め、集束性が不足して切断時に一部単繊維までバラケて
しまい、セメント中への分散が困難となって補強効果が
不充分になることが判明した。かかる集束性不足は、前
記ポリエーテルエステル共重合体の付着量を増加させる
ことによって解消することは可能であるが、かかる処理
剤を多量に付着させるとスカムが発生し易くなるだけで
なく、セメント中への分散性も低下するといった問題が
発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかるセメ
ント配合物の製造工程での欠点に鑑み、切断加工するま
では充分に集束されていて加工作業性が良好で品質の低
下がなく、一方セメントマトリックス中に分散させる際
にはその分散性が良好で優れた補強効果の得られる、セ
メント補強用全芳香族ポリアミド繊維を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、全
芳香族ポリアミド繊維表面に、下記(A)及び(B)を
満足する処理剤が、繊維重量を基準として10〜30重
量%付着していることを特徴とするセメント補強用全芳
香族ポリアミド繊維により達成される。 (A)芳香族ジカルボン酸、アルキレングリコール、並
びにSO3 M基(Mは金属を表わす)を有するジカルボ
ン酸及び/又はポリオキシアルキレングリコールを共重
合した水溶性共重合ポリエステルの含有量が60〜85
重量%、(B)融点が50〜110℃であるワックスの
含有量が10〜30重量%、本発明が対象とする全芳香
族ポリアミド繊維とは、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジ
アミン、又は芳香族アミノカルボン酸から構成されるポ
リアミド、及びこれらの共重合ポリアミドからなる繊維
であるが、特に強度及び弾性率に優れていて補強効果が
高いことから、ポリ―p―フェニレンテレフタルアミド
繊維、コポリ―p―フェニレン―(3,4′―オキシジ
フェニル)テレフタルアミド繊維(テクノーラ:帝人
(株)製)等のパラ配向型アラミド繊維が好ましい。
【0008】かかるアラミド繊維の単繊維繊度は、小さ
すぎると製造上のトラブルが発生し易く、また補強効果
も不充分となり易い。一方、アラミド繊維は一般に湿式
紡糸されるために、太繊度のものは安定に製造すること
が困難となる。したがって、通常は0.5〜5デニー
ル、好ましくは1〜3デニールの範囲とする。一方アラ
ミド繊維の総繊度は特に限定されるものではないが、小
さすぎると単繊維を集束させる効果が小さくなり、逆に
大きくなりすぎると単繊維の引きそろえ斑が発生し易く
なるので、500〜3000デニール、特に1000〜
2000デニール程度が好ましい。
【0009】本発明においては、上記の全芳香族ポリア
ミド繊維に、(A)水溶性共重合ポリエステル及び
(B)ワックスを含有する処理剤、好ましくは、さらに
(C)ポリシロキサンを含有する処理剤を付着すること
が肝要である。
【0010】ここで、水溶性ポリエステル(A)は、芳
香族ジカルボン酸、アルキレングリコール並びにSO3
M基(Mは金属イオン)を有するジカルボン酸及び/又
はポリオキシアルキレングリコールからなるものである
が、本発明の目的を損わない範囲で他の共重合成分を少
量含有してもよい。
【0011】芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、4,4′―オキシ安息香酸などあげられるが、なか
でもテレフタル酸、イソフタル酸が、繊維の集束性を高
めると共にセメント中の分散性を高めるうえで好まし
い。特にテレフタル酸/イソフタル酸のモル比は、65
/5〜50/50の範囲内にあることが望ましい。
【0012】アルキレングリコールとしては、炭素数が
2〜6の、例えばエチレングリコール、プロピレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール等、及びジエチレングリコールがあげられる。
なかでもエチレングリコール、ジエチレングリコールが
望ましい。
【0013】またSO3 M基(Mは金属)を有するジカ
ルボン酸としては、スルホテレフタル酸、5―スルホイ
ソフタル酸、4―スルホフタル酸、4―スルホナフタレ
ン―2,7―ジカルボン酸などのスルホン酸の金属塩を
あげることができ、金属塩としては、ナトリウム、カリ
ウム、リチウム等のアルカリ金属塩をあげることができ
る。このうち、特に好ましいものは、5―ナトリウムス
ルホイソフタル酸である。かかるSO3 M基を有するジ
カルボン酸の共重合割合は、共重合ポリエステルの全ジ
カルボン酸成分を基準として40モル%以下、好ましく
は5〜20モル%を占めていることが望ましく、40モ
ル%を越えると溶融粘度が飛躍的に増大するため、溶融
重合法で所望の重合度のポリマーを得ることが困難とな
るので好ましくない。
【0014】さらにポリオキシアルキレングリコールと
しては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプ
ロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール・
ポリオキシプロピレングリコール共重合体などがあげら
れ、なかでもポリオキシエチレングリコールが好適であ
る。なおこれらのポリオキシアルキレングリコールは、
一方の水酸基がエーテル結合で封鎖されていてもよく、
例えばモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノ
フェニルエーテルを用いることができる。上記ポリオキ
シアルキレングリコールの平均分子量は、通常500〜
12000であるが、特に1000〜6000のものが
好ましい。また共重合量は、生成共重合ポリエテルの重
量を基準として20〜90重量%、好ましくは30〜8
0重量%が望ましく、共重合量が少ないと水溶性が低下
して得られる繊維のセメント中への分散性が低下する傾
向があり、逆に多いと処理剤の凝集力が低下して集束性
が不足し易くなる。
【0015】なお、共重合ポリエスステルの固有粘度
(o―クロロフェノール中25℃で測定)は、大きくな
りすぎると処理剤の粘度が高くなりすぎて、処理剤付着
時の工程安定性が低下するので望ましくなく、一方小さ
すぎると処理剤皮膜の凝集力が低下して本発明の目的を
達成し難くなるので、0.2〜0.55の範囲が好まし
い。また、本発明でいう水溶性とは、完全に水溶性であ
るものに限定されず、水中に微分散し得るものであれば
良い。
【0016】本発明で用いられる処理剤のもう一つの成
分であるワックス(B)は、融点が50〜110℃の範
囲内にあれば任意のものを用いることができるが、なか
でも非水溶性のものが好ましく、具体的にはカルナバワ
ックス、綿ロウ、木ロウ、ミツロウ、羊毛ロウ、モンタ
ンワックス、パラフィンワックス、ミクロクリスタルワ
ックスなどの天然ワックス及びポリエチレンワックスな
どの合成ワックスなどが例示される。さらにこれらのワ
ックスは酸化処理されていてもよく、酸化ポリエチレン
ワックス、酸化ミクロクリスタンワックスなども用いる
ことができる。これらのワックスの融点が50℃未満の
場合には、処理剤の粘着性が大きくなると共に平滑効果
も低下するため毛羽発生の要因となるため好ましくな
い。一方110℃を超える場合には、処理剤皮膜の脆性
が増大してカイド類との擦過によりスカムを発生し易く
なり、また短繊維への切断時の集束性も低下して繊維の
バラケが発生するため好ましくない。
【0017】上記A成分及びB成分に加えて併用するこ
とが好ましいポリシロキサン(C)は、25℃における
粘度が5〜100センチストークスであれば任意のもの
を用いることができるが、なかでもポリジメチルシロキ
サンまたはこれを変性した変性ポリシロキサン、例えば
フェニル変性ポリシロキサン、アミノアルキル変性ポリ
シロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、ポリオキシ
アルキレン変性ポリシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキ
サンが好ましく用いられる。ここで粘度が5センチスト
ークス未満のものを使用したのでは、ポリシロキサン併
用の効果は得難く、逆に100センチトークスを越える
ものを使用したのでは、処理剤の粘度が高くなって毛羽
抑制効果が低減する傾向がある。
【0018】以上の成分を組み合わせることによって、
本発明の所期の効果を得るためには、A成分が処理剤の
主体成分であることが大切であって、その含有量は60
〜85重量%好ましくは60〜80重量%である必要が
あり、一方B成分の含有量は10〜30重量%好ましく
は15〜25重量%である必要がある。A成分の含有量
が60重量%未満の場合には、処理剤皮膜の力学的特性
が低下するため、短繊維に切断する際の集束性が不充分
となる。一方85重量%を越える場合には、セメント中
に分散する際の分散性が不充分となるので好ましくな
い。
【0019】一方B成分の含有量が10重量%未満の場
合には、セメント中に分散する際の分散性が不充分とな
るだけでなく、処理剤を繊維に付着させる際に毛羽やス
カムが発生し易くなる。逆に、30重量%を越える場合
には、処理剤皮膜の力学的特性が不充分となって、短繊
維切断時の集束性が不充分となる。
【0020】次に上記A成分及びB成分に加えて併用す
ることが好ましいC成分の含有量は、5〜10重量%の
範囲内であることが望ましい。ポリシロキサンの含有量
をこの範囲で選ぶことによって、処理剤付与時のスカム
及び毛羽発生の抑制効果が向上し、セメント補強効果が
向上する。
【0021】本発明の処理剤中には、本発明の目的を損
わない範囲で他の成分、例えば乳化剤、制電剤、抗酸化
剤、相溶化剤、安定性向上剤等を適宜配合することがで
きる。しかしながら、これらの成分は、必要最小限に留
めることが好ましい。
【0022】以上に説明した処理剤をアラミド繊維に付
着せしめるには、水に乳化させたエマルジョンを、従来
公知の方法で付着すれば良い。すなわち、例えばポリ―
パラフェニレン―(3,4′―オキシジフェニレン)テ
レフタルアミド繊維の場合には、延伸時あるいはそれ以
降のいづれかの工程で、ローラー方式、スプレー方式、
浸漬方式等によって付着すれば良く、通常は延伸工程に
引続いて、ローラー式給油法が採用される。
【0023】処理剤のアラミド繊維への付着量は、繊維
重量を基準として10〜30重量%好ましくは15〜2
5重量%の範囲内にすることが重要である。アラミド繊
維はその力学的特性が極めて良好なため、付着量が10
重量%未満の場合には、セメント補強用として繊維長3
〜12mmに切断する際に集束効果が不足して、得られ
る短繊維に絡みが発生するため、充分な補強効果が得ら
れなくなる。一方30重量%を越えると、過剰の処理剤
が糸導を汚染することになり、またセメント中への分散
性も低下して充分な補強効果が得られなくなるので好ま
しくない。
【0024】処理剤を付着したアラミド繊維は、乾燥し
た後巻きとられるが、乾燥方式は熱板方式、熱ローラー
方式、赤外線方式等任意の方法を採用することができ
る。なお、本発明の処理剤は乾燥途上でもローラー等の
金属面に付着し難くなっているので、接触型の乾燥方式
が、効率良く乾燥できる点で好ましい方式であり、乾燥
温度(ローラー温度)は120〜200℃程度が好まし
い。
【0025】
【発明の作用・効果】本発明の全芳香族ポリアミド繊維
は、前記の水溶性ポリエステルを主体成分とする処理剤
が付着していて充分な集束性を有しているため、セメン
ト補強用として短繊維となす工程までは工程安定性が良
好で取り扱い易く、また得られる短繊維も毛羽立ちがな
く単繊維間の絡みもない。しかも、切断して得られる短
繊維は、水溶性ポリエステルで集束されているので、セ
メント中に分散させる際の作業性が良好であるばかりで
なく、セメント中に容易に分散させることが可能とな
る。また処理剤中には、水溶性ポリエステルに加えてワ
ックスが配合されているので、その詳細な理由は不明で
あるが、全芳香族ポリアミド繊維を集束し得る程度まで
処理剤の付着量を増加させても、セメント中に分散させ
る際には単繊維レベルまでの分散可能となり、充分な補
強効果が達成されるのである。
【0026】また本発明にかかる処理剤は、乾燥時の粘
着性が低い上に摩擦抵抗も小さいためと推定され、製造
工程でも糸導やローラーにスカムが堆積し難くなり、巻
取パッケージからの繊維の解舒性も良好となる結果、極
めて品質の良好な製品を安定して製造することができる
といった特徴をも有する。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例における各評価項目は、下記方法にし
たがって測定した。 (1)スカム 処理剤付与開始2時間後、170℃に加熱された加熱ロ
ーラーに付着したスカムを目視判定し、下記基準により
評価した。 ○:スカムの発生ほとんどなく良好である。△:ローラ
ー表面がやや白っぽくなり、スカムとして判断される程
度。×:粘着ないし白粉状のものが多量に認められる。
【0028】(2)毛羽 原糸を10本巻取り、夫々から長さ104 mの毛羽数を
カウントし、下記基準により評価した。 ○:毛羽個数0〜3個/105 m、△:4〜9個/10
5 m、×:10個/10 5 m以上
【0029】(3)集束性 処理剤を付与した1500デニール/1000フィラメ
ントのアラミド繊維を、ギロチンカッターで繊維長6m
mに切断し、得られた短繊維集束体切断端面の最大幅
(mm)を測定した。なお、20個のサンプルを測定し
その平均値を求めた。
【0030】(4)分散性 ポルトランドセメント(徳山曹達(株)製)100重量
部に対して、処理剤を付着したカット長6mmのアラミ
ド繊維2重量部、メチルセルロース1重量部及び水30
重量部の割合で、オムニミキサーを用いて5分間混合し
た。得られたセメント配合物を50g採取して50メッ
シュ金網上に2〜3cmの厚さに拡げた後上部に50メ
ッシュの金網を置き、次いでシャワー水を散布してセメ
ントを流出させ、金網上に残存した繊維の状態を目視評
価した。 ○:繊維の塊や開繊不良部がほとんどなし。 △:繊維の塊や開繊不良部が一部認められる。 ×:繊維の塊や開繊不良部が多量に認められる。
【0031】(5)補強効果(曲げ強力) 上記方法で得たセメント混合物を4cm×4cm×16
cmのモールドに入れ、室温において24時間放置し供
試サンプルを得た。このサンプルを4週間室温下に放置
して養生した後、スパン長10cm、中央載荷方式で破
壊強度(kg/cm2 )を測定した。
【0032】[参考例]テレフタル酸ジメチル(DM
T)16.1重量部、イソフタル酸ジメチル(DMI)
2.0重量部、エチレングリコール(EG)17.2重
量部、およびエステル交換反応触媒として酢酸カルシウ
ム0.0002重量部を攪拌機、精留塔及びメタノール
留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み140℃から
230℃に加熱し、反応の結果生成するメタノールを系
外に留出させながらエステル交換反応せしめた後、正リ
ン酸0.0001重量部、三酸化アンチモン0.000
2重量部、5―ナトリウムスルホイソフタル酸グリコー
ルエステル(SI)3.7重量部および平均分子量30
00のポリエチレングリコール(PEG)49.0重量
部を加えて230℃から275℃に徐々に昇温すると共
に常圧から0.5mmHgの高真空に圧力を下げながら
重縮合反応せしめた。全重縮合反応時間100分で反応
を完結し、反応器より取出した後、冷却固化させて、白
色の水溶性共重合ポリエステル(I)を得た。
【0033】[実施例1]ジカルボン酸成分がテレフタ
ル酸で、ジアミン成分がパラフェニレンジアミンと3,
4′―ジアミノジフェニルエーテル(モル比1/1)で
ある全芳香族ポリアミドを紡糸・延伸して得た1500
デニール/1000フィラメント、強度29.5g/
d、伸度4.47%、弾性率660g/dの糸条に、表
1に記載する処理剤の25重量%水系エマルジョンを、
繊維重量を基準として処理剤有効成分が15重量%とな
るようローラー法により付着させ、次いで170℃に加
熱された径20mmの加熱ローラーに20回巻回させて
乾燥させ、400m/分の速度で巻取った。得られた繊
維の評価結果を表2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】[実施例2]実施例1のNo.1及び2の
油剤を用い、その付着量を表3の如く変更する以外は実
施例1同様に行なった。結果は表3に示す。
【0037】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−112425(JP,A) 特開 平5−295663(JP,A) 特開 平2−216276(JP,A) 特開 昭58−180676(JP,A) 特開 昭63−243330(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 13/00 - 15/72

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全芳香族ポリアミド繊維表面に、下記
    (A)及び(B)を満足する処理剤が、繊維重量を基準
    として10〜30重量%付着していることを特徴とする
    セメント補強用全芳香族ポリアミド繊維。 (A)芳香族ジカルボン酸、アルキレングリコール、並
    びにSO3 M基(Mは金属を表わす)を有するジカルボ
    ン酸及び/又はポリオキシアルキレングリコールを共重
    合した水溶性共重合ポリエステルの含有量が60〜85
    重量% (B)融点が50〜110℃であるワックスの含有量が
    10〜30重量%
  2. 【請求項2】 処理剤が、下記(C)を満足する請求項
    1記載のセメント補強用全芳香族ポリアミド繊維。 (C)25℃における粘度が3〜100センチストーク
    スであるポリシロキサンの含有量が5〜10重量%
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