JP3183703B2 - 改質炭素繊維および炭素繊維用改質剤 - Google Patents

改質炭素繊維および炭素繊維用改質剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた分散性、集束性
を有し、加工工程で取扱いやすい改質炭素繊維、および
その様な改質炭素繊維を製造するための炭素繊維表面処
理用改質剤に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、短繊維、長繊維(以下、単に短繊
維、または長繊維という場合には、炭素繊維についての
ことをいう)を問わず、炭素繊維の利用範囲は益々多岐
に亘り、マットに加工してフェノール樹脂を含浸、焼成
し、燃料電池の極板に加工したり、コンクリートの補強
材に利用したりしている。利用のための加工技術も進展
し、一例を挙げれば、特開平3−150241号公報
や、特開平3−150242号公報にはシラン化合物を
カップリング剤として適用し、炭素繊維とコンクリート
との接着力を向上させ、補強効果を向上する方法が述べ
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】炭素繊維の利用範囲の
増大にともなって、炭素繊維を使用し、加工するのに必
要な特性もまた、従来に増して重要になってきた。例え
ば、短繊維をマットに加工したり、コンクリート補強用
繊維として使用するには、通常、炭素繊維を水に分散さ
せる必要がある。炭素繊維のもつ強度や弾性率を十分に
利用するには、炭素繊維が完全に、できれば単繊維レベ
ルにまで分散していることが望ましい。しかし、従来の
炭素繊維は疎水性を有し、繊維表面が水に濡れにくいの
で、水中に十二分に分散させることは困難であった。一
方、集束性に欠ける炭素繊維は、毛羽立ちやすく、製品
の品質を劣化するのみならず、環境衛生にも悪影響を及
ぼす。また、長繊維を巻いたり、切断加工する際の加工
作業性が良くない。炭素繊維の持つ極めて魅力的な力学
的特性を発揮させ、利用を容易にするには、水への分散
性が重要であるが、加工工程では集束性が要求される。
本発明は、このような一見、相反する特性を有する改質
炭素繊維の提供を課題に研究し、炭素繊維を改質するた
めの炭素繊維表面処理用改質剤とともに完成されたもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、第1の発明として、繊維表面にジカルボン酸また
はそのエステル形成性誘導体(a)と、アルキレングリ
コール(b)と、ポリアルキレングリコールまたはその
モノエーテル(c)とのポリエステル共重合体が付着し
ていることを特徴とする改質炭素繊維を提供する。
【0005】さらに、第2の発明として、ジカルボン酸
またはそのエステル形成性誘導体(a)とアルキレング
リコール(b)とポリアルキレングリコールまたはその
モノエーテル(c)とのポリエステル共重合体からな
り、かつ重量平均分子量が1,000〜100,000
であることを特徴とする炭素繊維表面処理用改質剤を提
供する。
【0006】上記の炭素繊維表面処理用改質剤の中で
も、(1)前記ポリエステル共重合体中において、ジカ
ルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(a)単位と
ポリアルキレングリコールまたはそのモノエーテル
(c)単位とのモル比が、1:0.05〜1:0.8で
ある炭素繊維表面処理用改質剤、(2)前記ポリアルキ
レングリコールまたはそのモノエーテル(c)の重量平
均分子量が、300〜20,000である炭素繊維表面
処理用改質剤、(3)前記ジカルボン酸またはそのエス
テル形成性誘導体(a)が、芳香族ジカルボン酸または
そのエステル形成性誘導体である炭素繊維表面処理用改
質剤、および(4)前記ポリエステル共重合体が、水に
分散、または有機溶媒に溶解されている炭素繊維表面処
用改質剤が好ましい。上記の好ましい条件は重複して
もよい。
【0007】
【実施態様】さらに、本発明を詳細、かつ具体的に説明
する。まず、第1の発明の改質炭素繊維に付着させる物
質、および第2の発明の炭素繊維表面処理用改質剤(以
下、炭素繊維用改質剤と略称する)を構成する物質につ
いて説明する。
【0008】ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘
導体(a)のうち、ジカルボン酸としては、脂肪族ジカ
ルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸など)、芳
香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、1−
スルホニル−3,5−イソフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸など)などがあげられる。また、ジカルボン酸の
エステル形成性誘導体としては、これらの酸無水物やC
1 〜C4 のアルキルエステルがあげられる。このうち、
好ましいものとして、芳香族ジカルボン酸およびそのエ
ステル形成性誘導体が挙げられる。
【0009】アルキレングリコール(b)としては、一
般的に炭素数が2〜10の、たとえば、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、デカメチレングリコールなどがあげられる。これら
のうち好ましいのは、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、テトラメチレングリコールであり、またこ
れらのうちの2種以上を併用することもできる。
【0010】ポリアルキレングリコールまたはそのモノ
エーテル(c)のうち、ポリアルキレングリコールとし
ては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリ
コール、ポリオキシエチレン・ポリオキシテトラメチレ
ングリコールなどがあげられる。ポリアルキレングリコ
ールモノエーテルとしては、上記に例示したポリアルキ
レングリコールのモノメチルエーテル、モノエチルエー
テル、モノフェニルエーテルなどがあげられる。これら
を2種類以上併用してもよい。これらのうち好ましいも
のは、ポリエチレングリコールとポリエチレングリコー
ルモノメチルエーテルである。また、使用するポリアル
キレングリコールまたはそのモノエーテル(c)の重量
平均分子量は、通常、300〜20,000であるが、
中でも1,000〜6,000のものが好ましい。
【0011】上記の化合物からなるポリエステル共重合
体の例としては、アジピン酸−アルキレングリコール−
ポリアルキレングリコール、アゼライン酸−アルキレン
グリコール−ポリアルキレングリコール、テレフタル酸
−アルキレングリコール−ポリアルキレングリコール、
テレフタル酸−イソフタル酸−アルキレングリコール−
ポリアルキレングリコール、テレフタル酸−アルキレン
グリコール−ポリアルキレングリコールモノメチルエー
テル、テレフタル酸−イソフタル酸−アルキレングリコ
ール−ポリアルキレングリコールモノメチルエーテルな
どの共重合体があげられる。使用するポリエステル共重
合体の重量平均分子量の範囲は、1,000〜100,
000であり、中でも1,500〜30,000のもの
が好ましい。1,000未満では炭素繊維の集束性や分
散促進性が不十分になり、100,000を越えると水
や有機溶媒への溶解性が低下するので好ましくない。
【0012】炭素繊維の集束性や分散性を促進するに
は、ポリエステル共重合体を構成する化合物、すなわ
ち、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体
(a):アルキレングリコール(b):ポリアルキレン
グリコールまたはそのモノエーテル(c)のモル比を、
通常、1:(0.8〜1.3):(0.05〜0.8)
にするが、好ましくは、1:(0.85〜1.2):
(0.08〜0.5)がよい。とくに、ジカルボン酸ま
たはそのエステル形成性誘導体(a)単位とポリアルキ
レングリコールまたはそのモノエーテル(c)単位との
モル比を、1:0.05〜1:0.8の範囲に維持する
ことが好ましい。
【0013】ポリエステル共重合体は、公知の重合方法
で製造することができる。すなわち、ジカルボン酸また
はそのエステル形成性誘導体(a)、アルキレングリコ
ール(b)、ポリアルキレングリコールまたはそのモノ
エーテル(c)を同時に仕込んで、三酸化アンチモンな
どの触媒を加え、減圧下に150〜250℃でエステル
化する方法、あるいは、まず、ジカルボン酸またはその
エステル形成性誘導体(a)とアルキレングリコール
(b)とを仕込み、常圧下に120〜200℃でエステ
ル化した後、ポリアルキレングリコールまたはそのモノ
エーテル(c)、および触媒を加え、減圧下、150〜
250℃でさらにエステル化する方法などで共重合でき
る。
【0014】つぎに、第2の発明の炭素繊維用改質剤の
製造方法について説明する。上記のポリエステル共重合
体そのもの、またはこれに添加剤を加えたものを本炭素
繊維用改質剤とすることができる。しかし、使用上は、
前記のポリエステル共重合体を、通常は水に分散もしく
は有機溶媒に溶解させたものが便利である。水に分散さ
せる場合には、公知の方法、たとえばポリエステル共重
合体に非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤な
どの界面活性剤を配合し、さらに場合によっては、少量
の溶媒を添加し、また加熱溶融した後、水または温水、
および必要があれば有機溶媒を徐々に加えて乳化分散さ
せ、水性エマルジョン型の炭素繊維用改質剤にする。
【0015】上記非イオン系界面活性剤としては、高級
アルコールのアルキレンオキサイド付加物、アルキルフ
ェノール類のアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アル
キレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステ
ルアルキレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンア
ルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドアルキレンオ
キサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオ
キサイド付加物などがあげられる。また、アニオン界面
活性剤としては、高級アルコール硫酸エステル塩、高級
アルコールアルキレンオキサイド付加物硫酸エステル
塩、アルキルフェノール類のアルキレンオキサイド付加
物硫酸エステル塩、硫酸化脂肪酸エステル、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコールア
ルキレンオキサイド付加物燐酸エステル塩などがあげら
れる。安定した水性エマルジョンと改質剤の水分散性能
を得るために、これらの界面活性剤の使用量は、ポリエ
ステル共重合体に対して通常5〜100重量%、好まし
くは10〜60重量%の範囲にする。
【0016】また、本炭素繊維用改質剤の溶解に用いる
ことのできる有機溶媒としては、トルエン、キシレン、
n−ヘキサン、ヘプタン、テトラハイドロフラン、ジオ
キサン、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、ジ
メチルホルムアミドなどがあげられる。有機溶媒に溶解
する場合のポリエステル共重合体の濃度は、通常10〜
80重量%でよいが、、好ましくは15〜60重量%で
ある。水あるいは温水を加えて乳化分散する場合に、前
記の、必要があれば加える有機溶媒としては、トルエ
ン、キシレン、n−ヘキサン、ヘプタン、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢
酸エチル、ジメチルホルムアミドなどがあげられる。ま
た、水エマルジョンの中に、他の親水性付与剤(ポリビ
ニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、アルギ
ン酸ソーダ、ポリエチレングリコール、ポリエチレング
リコール鎖含有シリコーン、デンプン、ポリアクリル酸
ソーダ、第4級アンモニウム塩含有アクリル系ポリマー
など)を含有してもよい。
【0017】さて、第1の発明の改質炭素繊維の製造方
法を、第2の発明の炭素繊維用改質剤の使用法とともに
説明する。本改質炭素繊維は、公知の方法で製造され、
あるいは市中で入手できる原炭素繊維を改質して製造す
ることができるので、とくに限定されない。例えば、原
炭素繊維の原料物質がレーヨン、ポリアクリロニトリ
ル、ピッチなどいずれでもよい。また、原炭素繊維また
は本改質炭素繊維の表面にその他の改質または処理、例
えば、樹脂との親和性改良処理、サイジング処理などが
施されていても差支えない。また長繊維、短繊維を問わ
ないが、長繊維の状態で改質する方が容易であり、また
短繊維に切断加工しやすい。本改質炭素繊維は、パイ
ル、抄造シート、織物、編物、不織布などの形態のもの
を含む。
【0018】前記のポリエステル共重合体を原炭素繊維
に付着するには、付着させやすくするために、第2の発
明の炭素繊維用改質剤に調合して使用することが好まし
い。これをローラコート法、スプレー法、含浸法、浸漬
法などを用いて原炭素繊維に付着させる。炭素繊維用改
質剤は、希釈せずに付与してもよいし、また適当な溶媒
で希釈して付与してもよい。希釈溶媒には水が好まし
い。短繊維を製造するには、炭素繊維用改質剤を連続炭
素繊維の状態で付着させ、必要に応じて乾燥処理した
後、所要の繊維長に切断加工するのが普通である。例え
ば、マット状物に成形する場合には、カット長を3mm
〜24mmにする。本改質炭素繊維のポリエステル共重
合物の付着量は、炭素繊維重量に対し、0.05〜5重
量%の範囲が適当である。少ないと、集束効果や分散促
進効果が小さくなり、あまり多いと集束効果は増大する
が、分散性に、かえって弊害の発生することがある。本
炭素繊維用改質剤を炭素繊維に付着させた後は、ポリエ
ステル共重合体が熱分解しない温度で乾燥する。
【0019】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。実施例中の部
は重量部、%は重量%を示す。なお以下の実施例に適用
した取扱い性、分散性の評価方法は次の通りである。 (1)集束性の評価方法 表面が平滑な直径10mmのステンレス棒5本を、炭素
繊維(長繊維)が120°の角度で擦過するように、5
0mm間隔で平行、かつジグザグに配置した。擦過する
炭素繊維に対して直角方向からレーザー光線を照射し、
測定装置にした。この装置に、本実施例の炭素繊維を、
初期張力300gを付加しながら3m/分の速度で通過
させ、照射したレーザー光線を遮蔽する回数から、炭素
繊維に発生した毛羽個数をカウントし、1m当たりの毛
羽個数を集束性のメジャーとして表示した。なお、本測
定法においては、毛羽個数が50個/m以下であると実
用上好ましいレベルである。 (2)分散性の評価方法 ポリビニルアルコール0.5gを溶解した水1リットル
に、長さ6mmにカットした炭素繊維3gを投入し、家
庭用ミキサーで4分間攪拌した。これをあらかじめ15
リットルの水を仕込んだ抄紙試験機(30cm角)(愛
新化学社製)に入れ、備付の攪拌板で上下に10回撹拌
した。これを濾紙上に濾過し、得られたマット状物をア
イロンで乾燥した。これを発光部、受光部をもつ光透過
型厚み計でスキャニングさせ、1cmごとの光透過度の
変動率を測定し、分散の均一性のメジャーにした。
【0020】実施例1〜実施例15、および比較例 (ポリエステル共重合体の製造)ジメチルテレフタレー
ト150部、エチレングリコール120部、およびポリ
エチレングリコール(重量平均分子量4,000)50
0部を混合し、触媒(三酸化アンチモン)0.2部を添
加して、常圧下180〜200℃で3時間反応させ、ほ
ぼ理論量のメタノールを留去してエステル交換反応を完
了させた。さらに、200〜220℃、10mmHgの
減圧下で8時間反応させ、環球法で測定した軟化点が1
43℃のポリエステル共重合体(A1)を得た。
【0021】ジメチルテレフタレート100部、ジメチ
ルイソフタレート50部、エチレングリコール120
部、およびポリエチレングリコール(重量平均分子量
3,000)375部を混合し、触媒(三酸化アンチモ
ン)0.2部を添加して、常圧下180〜200℃で3
時間反応させ、ほぼ理論量のメタノールを留去して、エ
ステル交換反応を完了させた。さらに200〜220
℃、10mmHgの減圧下で8時間反応させ、環球法で
測定した軟化点が150℃のポリエステル共重合体(A
2)を得た。
【0022】アジピン酸112部、エチレングリコール
120部、およびポリエチレングリコール(重量平均分
子量4,000)500部を混合し、触媒(三酸化アン
チモン)0.2部を添加して、常圧下180〜200℃
で3時間反応させ、さらに200〜220℃、10mm
Hgの減圧下で8時間反応させ、環球法で測定した軟化
点が85℃のポリエステル共重合体(A3)を得た。
【0023】(本発明の炭素繊維用改質剤の作成)上記
のポリエステル共重合体(A1)、(A2)、(A3)
各200部に、ノニルフェノールエチレンオキサイド1
5モル付加物40部とノニルフェノールエチレンオキサ
イド8モル付加物の硫酸エステルナトリウム塩20部お
よびジメチルホルムアミド30部を加えて均一に溶解
し、さらに60〜80℃の温水710部を徐々に加えて
乳化分散し、それぞれ本発明の炭素繊維用改質剤
(1)、(2)、(3)を作成した。
【0024】(本発明の改質炭素繊維の製造とその評
価)上記の炭素繊維用改質剤(1)、(2)、(3)を
それぞれ水で希釈して、濃度の異なった水溶液を準備
し、これを含浸法を用いて炭素繊維(トレカ(登録商
標)T300(フィラメント数:12000、平均単糸
径:7μm、東レ株式会社製)に付与し、200℃2分
間乾燥処理後、ボビンに巻き取り、本発明の改質炭素繊
維を製造した。これらの改質炭素繊維の他、比較例とし
て原炭素繊維の集束性を評価し、その評価結果を表1に
示した。さらに、これを12mmの長さに切断し、上記
各炭素繊維の分散性の評価を行ない、評価結果を表1に
示した。
【0025】 表1 実施例 改質剤 共重合体濃度 付着量 集束性 分散性 (比較例) % % コ/m % 1 (1) 0.3 0.1 35 11 2 〃 1.5 0.5 10 8 3 〃 3.0 1.0 8 7 4 〃 6.0 2.0 6 10 5 〃 12.0 4.0 5 14 6 (2) 0.3 0.1 44 12 7 〃 1.5 0.5 21 9 8 〃 3.0 1.0 12 6 9 〃 6.0 2.0 8 8 10 〃 12.0 4.0 7 15 11 (3) 0.3 0.1 38 13 12 〃 1.5 0.5 15 9 13 〃 3.0 1.0 9 6 14 〃 6.0 2.0 5 8 15 〃 12.0 4.0 6 16 比較例 なし − 0 120 28
【0026】
【発明の効果】本発明の改質炭素繊維は集束性がよいの
で、従来の炭素繊維に較べ耐擦過性が高く、加工作業中
に毛羽立つことがない。したがって、加工工程で炭素繊
維が損傷を受けることなく、扱いやすい。切断加工にお
いても、繊維の微粉の発生が押さえられ、労働環境上も
好ましい効果がある。切断したり、織物、編物、不織布
などに加工するのに好都合である。また、水に対する分
散性が良いので、例えば、短繊維は水性媒体中で速やか
に、かつ単繊維にまで分散する。したがって、炭素繊維
マットを製造して炭素繊維強化プラスチックにしたり、
コンクリートに混入し複合材料として使用するのに好適
である。とくに、長繊維を切断して単繊維とし、これを
抄造して炭素繊維マットを製造するのに優れた材料であ
る。本改質炭素繊維を使用して製造したマットは、炭素
繊維強化プラスチックに加工すると、均一で高い力学的
特性を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // D06M 101:40 (72)発明者 伊藤 隆一 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の 1 三洋化成工業株式会社内 (72)発明者 長谷川 博史 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の 1 三洋化成工業株式会社内 (72)発明者 斎藤 学 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の 1 三洋化成工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−234824(JP,A) 特開 昭49−87892(JP,A) 特開 平5−44113(JP,A) 特開 昭63−270863(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 15/00 - 15/715

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素繊維の表面に、ジカルボン酸またはそ
    のエステル形成性誘導体(a)と、アルキレングリコー
    ル(b)と、ポリアルキレングリコールまたはそのモノ
    エーテル(c)とのポリエステル共重合体を0.05〜
    5重量%付着せしめたことを特徴とする改質炭素繊維。
  2. 【請求項2】ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘
    導体(a)と、アルキレングリコール(b)と、ポリア
    ルキレングリコールまたはそのモノエーテル(c)との
    ポリエステル共重合体からなり、かつ、重量平均分子量
    が1,000〜100,000であることを特徴とする
    炭素繊維表面処理用改質剤。
  3. 【請求項3】前記ポリエステル共重合体中において、ジ
    カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(a)単位
    とポリアルキレングリコールまたはそのモノエーテル
    (c)単位とのモル比が、1:0.05〜1:0.8で
    あることを特徴とする請求項2に記載の炭素繊維表面処
    用改質剤。
  4. 【請求項4】前記ポリアルキレングリコールまたはその
    モノエーテル(c)の重量平均分子量が、300〜2
    0,000であることを特徴とする請求項2または請求
    項3に記載の炭素繊維表面処理用改質剤。
  5. 【請求項5】前記ジカルボン酸またはそのエステル形成
    性誘導体(a)が、芳香族ジカルボン酸またはそのエス
    テル形成性誘導体であることを特徴とする請求項2、請
    求項3または請求項4に記載の炭素繊維表面処理用改質
    剤。
  6. 【請求項6】前記ポリエステル共重合体が、水に分散ま
    たは有機溶媒に溶解されていることを特徴とする請求項
    2、請求項3、請求項4または請求項5に記載の炭素繊
    表面処理用改質剤。
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