JPH072836B2 - 水分散性ポリエステル - Google Patents
水分散性ポリエステルInfo
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- JPH072836B2 JPH072836B2 JP20343287A JP20343287A JPH072836B2 JP H072836 B2 JPH072836 B2 JP H072836B2 JP 20343287 A JP20343287 A JP 20343287A JP 20343287 A JP20343287 A JP 20343287A JP H072836 B2 JPH072836 B2 JP H072836B2
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- polyester
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- mol
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は水分散性ポリエステルに関し、更に詳しくは、
成形品、特にポリエステル成形物に優れた耐久性を有す
る制電制,吸水性,防汚性等を付与することができる水
分散性ポリエステルに関する。
成形品、特にポリエステル成形物に優れた耐久性を有す
る制電制,吸水性,防汚性等を付与することができる水
分散性ポリエステルに関する。
(従来技術) 従来、ポリエステル繊維等の成形物は優れた特性を持つ
事から衣料その他の用途に広く用いられているが、その
疎水性の為に吸水性,制電性,防汚性等が劣り、その用
途が限定されている。
事から衣料その他の用途に広く用いられているが、その
疎水性の為に吸水性,制電性,防汚性等が劣り、その用
途が限定されている。
この疎水性を改良し吸水性,制電性等を付与する為に各
種の表面処理法が検討されてきたが、一般的にこれらの
表面処理法は耐久性に問題があり、例えば洗濯を繰返す
と効果が極度に低下する等の問題があった(例えば特公
昭61-58092号公報等)。
種の表面処理法が検討されてきたが、一般的にこれらの
表面処理法は耐久性に問題があり、例えば洗濯を繰返す
と効果が極度に低下する等の問題があった(例えば特公
昭61-58092号公報等)。
かかる問題点を解決すべく、本発明者の1人は、先に特
願昭61-699号明細書において、共重合ポリエステルから
成る親水性重合体,エポキシ化合物,及びアミノシラン
化合物を付与せしめた合成繊維を加熱処理する処理方法
を提案した。
願昭61-699号明細書において、共重合ポリエステルから
成る親水性重合体,エポキシ化合物,及びアミノシラン
化合物を付与せしめた合成繊維を加熱処理する処理方法
を提案した。
この方法によれば、加熱処理によってエポキシ化合物と
アミノシラン化合物とが架橋反応し、繊維上で三次元構
造の高分子膜が形成され、その際に親水性重合体が高分
子膜中に捕捉される結果、合成繊維に洗濯耐久性の優れ
た制電性,吸水性等の親水性を付与することができる。
アミノシラン化合物とが架橋反応し、繊維上で三次元構
造の高分子膜が形成され、その際に親水性重合体が高分
子膜中に捕捉される結果、合成繊維に洗濯耐久性の優れ
た制電性,吸水性等の親水性を付与することができる。
確かに、この方法によって得られる親水性合成繊維の洗
濯耐久性は従来の親水性合成繊維よりも著しく向上させ
ることができるが、エポキシ化合物及びアミノシラン化
合物等の架橋剤を親水性重合体と併用することを要する
ため、親水性付与処理のより一層の簡素化が要求されて
いる。
濯耐久性は従来の親水性合成繊維よりも著しく向上させ
ることができるが、エポキシ化合物及びアミノシラン化
合物等の架橋剤を親水性重合体と併用することを要する
ため、親水性付与処理のより一層の簡素化が要求されて
いる。
(発明の目的) 本発明の目的は、親水性付与処理を簡素化することがで
き、且つ優れた制電性能,吸水性能と洗濯耐久性とを有
する親水性成形物を得ることができる水分散性ポリエス
テルを提供することにある。
き、且つ優れた制電性能,吸水性能と洗濯耐久性とを有
する親水性成形物を得ることができる水分散性ポリエス
テルを提供することにある。
(構成) 本発明者は、前記目的を達成するためには、親水性重合
体中に架橋成分を導入することが有効ではないかと考え
て検討した結果、フマル酸成分を導入した親水性重合体
を用いることによって、親水性付与処理を簡素化できる
ことを見い出し、本発明に到達した。
体中に架橋成分を導入することが有効ではないかと考え
て検討した結果、フマル酸成分を導入した親水性重合体
を用いることによって、親水性付与処理を簡素化できる
ことを見い出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、下記(a)〜(c)の構成成分から成
る固有粘度0.2以上0.76以下のポリエステルであって、
その10gが60℃のテトラヒドロフラン10g中に完全溶解す
る易溶解特性を有することを特徴とする水分散性ポリエ
ステルである。
る固有粘度0.2以上0.76以下のポリエステルであって、
その10gが60℃のテトラヒドロフラン10g中に完全溶解す
る易溶解特性を有することを特徴とする水分散性ポリエ
ステルである。
(a)全酸成分の95〜60モル%が芳香族ジカルボン酸成
分、及び5〜40モル%がフマル酸及び/又はマレイン酸
成分、 (b)ジオール成分が炭素数2〜6の脂肪族グリコール
成分、 (c)ポリエステルの重量を基準として分子量400〜600
0のポリエチレングリコール成分が30〜80重量%含有さ
れている。
分、及び5〜40モル%がフマル酸及び/又はマレイン酸
成分、 (b)ジオール成分が炭素数2〜6の脂肪族グリコール
成分、 (c)ポリエステルの重量を基準として分子量400〜600
0のポリエチレングリコール成分が30〜80重量%含有さ
れている。
ここで、芳香族ジカルボン酸成分とは、テレフタル酸,
イソフタル酸等のベンゼンジカルボン酸類,ナフタレン
−2,6−ジカルボン酸,ナフタレン−2,7−ジカルボン酸
等のナフタレンジカルボン酸類,4,4′−ジフェニルジカ
ルボン酸等のジフェニルジカルボン酸類,フェノキシエ
タンジカルボン酸類等の芳香環に直接カルボキシル基の
付いたジカルボン酸のエステル残基を言う。これらは核
置換されたものでもよいが、原料の入手の容易性から一
般的には置換されていないものが用いられる。
イソフタル酸等のベンゼンジカルボン酸類,ナフタレン
−2,6−ジカルボン酸,ナフタレン−2,7−ジカルボン酸
等のナフタレンジカルボン酸類,4,4′−ジフェニルジカ
ルボン酸等のジフェニルジカルボン酸類,フェノキシエ
タンジカルボン酸類等の芳香環に直接カルボキシル基の
付いたジカルボン酸のエステル残基を言う。これらは核
置換されたものでもよいが、原料の入手の容易性から一
般的には置換されていないものが用いられる。
かかる芳香族ジカルボン酸成分は、ポリエステルを構成
する全酸成分の95〜60モル%であることが大切である。
芳香族ジカルボン酸成分が全酸成分の95モル%を越えて
いる場合は、最終的に得られる親水性成形物の洗濯耐久
性が劣り、60モル%未満では後述するフマル酸及び/又
はマレイン酸成分が多くなるため、ポリエステルの製造
工程で架橋反応が発生しゲル化し易くなる。
する全酸成分の95〜60モル%であることが大切である。
芳香族ジカルボン酸成分が全酸成分の95モル%を越えて
いる場合は、最終的に得られる親水性成形物の洗濯耐久
性が劣り、60モル%未満では後述するフマル酸及び/又
はマレイン酸成分が多くなるため、ポリエステルの製造
工程で架橋反応が発生しゲル化し易くなる。
尚、本発明のポリエステルにおいて、5−スルホイソフ
タル酸の金属塩成分を全酸成分の20モル%未満共重合す
ることは、ポリエステルの親水性向上のため好ましい。
タル酸の金属塩成分を全酸成分の20モル%未満共重合す
ることは、ポリエステルの親水性向上のため好ましい。
この様な芳香族ジカルボン酸成分としては、本発明のポ
リエステルを付与する成形物がポリエステルから成るも
のであるときは、テレフタル酸成分を主たる成分とする
ことが好ましい。
リエステルを付与する成形物がポリエステルから成るも
のであるときは、テレフタル酸成分を主たる成分とする
ことが好ましい。
更に、本発明のポリエステルでは、全酸成分の5〜40モ
ル%、好ましくは10〜30モル%がフマル酸及び/又はマ
レイン酸成分であることが必要である。
ル%、好ましくは10〜30モル%がフマル酸及び/又はマ
レイン酸成分であることが必要である。
ここで、フマル酸及び/又はマレイン酸成分が全酸成分
の5モル%未満であれば、最終的に得られる親水性成形
物の洗濯耐久性が劣り、逆に40モル%を越えると、ポリ
エステルの製造工程でゲル化し易くなる。
の5モル%未満であれば、最終的に得られる親水性成形
物の洗濯耐久性が劣り、逆に40モル%を越えると、ポリ
エステルの製造工程でゲル化し易くなる。
この様な酸成分から成る本発明のポリエステルを構成す
るジオール成分は、ポリエチレングリコール成分と炭素
数2〜6の脂肪族グリコール成分とから成る。
るジオール成分は、ポリエチレングリコール成分と炭素
数2〜6の脂肪族グリコール成分とから成る。
かかる脂肪族グリコールとしては、エチレングリコー
ル,テトラメチレングリコール,ヘキサメチレングリコ
ール等があげられ、特にエチレングリコールが好まし
い。
ル,テトラメチレングリコール,ヘキサメチレングリコ
ール等があげられ、特にエチレングリコールが好まし
い。
また、本発明のポリエチレングリコール成分として用い
られるものは、分子量400〜6000,好ましくは800〜4000
のポリエチレングリコールである。
られるものは、分子量400〜6000,好ましくは800〜4000
のポリエチレングリコールである。
かかるポリエチレングリコール(以下、PEGと称するこ
とがある)としては、ポリエステルの原料と相溶性を有
するものである限り、出来るだけ高分子量のものを用い
ることが好ましい。但し、分子量が6000を越えるPEGで
は、ポリエステルの原料と相溶性がないために共重合さ
れ難くなり、分子量が400未満のPEGでは前記相溶性は良
好となるものの、ポリエステルの親水性が劣るものとな
る。
とがある)としては、ポリエステルの原料と相溶性を有
するものである限り、出来るだけ高分子量のものを用い
ることが好ましい。但し、分子量が6000を越えるPEGで
は、ポリエステルの原料と相溶性がないために共重合さ
れ難くなり、分子量が400未満のPEGでは前記相溶性は良
好となるものの、ポリエステルの親水性が劣るものとな
る。
本発明のポリエステルは、前記PEGがポリエステルの重
量を基準として30〜80重量%共重合されているものであ
る。
量を基準として30〜80重量%共重合されているものであ
る。
ここで、PEGの共重合量が30重量%未満の場合には、最
終的に得られる親水性成形物の制電性能,吸水性能が劣
り、80重量%を越える場合には、洗濯耐久性に劣るもの
となる。
終的に得られる親水性成形物の制電性能,吸水性能が劣
り、80重量%を越える場合には、洗濯耐久性に劣るもの
となる。
本発明のポリエステルにおいては、前述の構成成分から
成り、固有粘度が0.2以上0.76以下(好ましくは0.4以上
0.76以下で且つ実質的にゲル化されていないことが必要
である。
成り、固有粘度が0.2以上0.76以下(好ましくは0.4以上
0.76以下で且つ実質的にゲル化されていないことが必要
である。
ここで、「実質的にゲル化されていない」とは、ポリエ
ステル10gが60℃のテトラヒドロフラン10g中に完全に溶
解することを言う。前記テトラヒドロフラン中に不溶な
ポリエステル,即ち実質的にゲル化しているポリエステ
ルでは、もはや洗濯耐久性を有する親水性を成形物に付
与することができず、ポリエステルの固有粘度が0.2未
満の場合も、同様である。
ステル10gが60℃のテトラヒドロフラン10g中に完全に溶
解することを言う。前記テトラヒドロフラン中に不溶な
ポリエステル,即ち実質的にゲル化しているポリエステ
ルでは、もはや洗濯耐久性を有する親水性を成形物に付
与することができず、ポリエステルの固有粘度が0.2未
満の場合も、同様である。
以上、述べてきた本発明のポリエステルは、芳香族ジカ
ルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とポリエチレン
グリコール及び過剰の脂肪族グリコールを触媒の存在下
又は非存在下に加熱し常法によりポリエステル前駆体と
した後、フマル酸及び/又はマレイン酸又はそのエステ
ル形成性誘導体及びヒンダードフェノール等のラジカル
安定剤を添加し、250℃以下、好ましくは240℃以下で減
圧下に反応させる方法で得ることができる。この際、反
応温度を250℃を越えて高くするとゲル化し易くなる。
また、マレイン酸よりもフマル酸を用いる方がゲル化し
難い傾向があるため好ましい。反応時間はフマル酸等を
添加してから3時間以下にする事が好ましい。
ルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とポリエチレン
グリコール及び過剰の脂肪族グリコールを触媒の存在下
又は非存在下に加熱し常法によりポリエステル前駆体と
した後、フマル酸及び/又はマレイン酸又はそのエステ
ル形成性誘導体及びヒンダードフェノール等のラジカル
安定剤を添加し、250℃以下、好ましくは240℃以下で減
圧下に反応させる方法で得ることができる。この際、反
応温度を250℃を越えて高くするとゲル化し易くなる。
また、マレイン酸よりもフマル酸を用いる方がゲル化し
難い傾向があるため好ましい。反応時間はフマル酸等を
添加してから3時間以下にする事が好ましい。
かくして得られた本発明のポリエステルを用いる親水処
理は、前記ポリエステルを水分散液にして行う。
理は、前記ポリエステルを水分散液にして行う。
かかる水分散液は、テトラヒドロフランの如く水可溶性
溶液にポリエステルを溶解した後、アニオン系,カチオ
ン系,ノニオン系等の乳化剤と共に水に分散し、次いで
前記溶媒を除去することで得ることができる。
溶液にポリエステルを溶解した後、アニオン系,カチオ
ン系,ノニオン系等の乳化剤と共に水に分散し、次いで
前記溶媒を除去することで得ることができる。
この様にして調整された水分散液が成形物の処理に用い
られ、成形物としては、高分子成形物,就中、ポリエス
テル成形物、例えば織物,編物,不織布,繊維,糸条,
詰綿,合成紙,敷物,リボン,テープ,フイルム等が例
示される。また、セラミックス,カーボン,ガラス等の
無機繊維製品の処理剤としても用いることができる。
られ、成形物としては、高分子成形物,就中、ポリエス
テル成形物、例えば織物,編物,不織布,繊維,糸条,
詰綿,合成紙,敷物,リボン,テープ,フイルム等が例
示される。また、セラミックス,カーボン,ガラス等の
無機繊維製品の処理剤としても用いることができる。
かかる水分散液を用いる処理方法としては、水分散液を
スプレー,浸漬,パッド,コーティング,転写等の手段
により成形物に付与した後、乾燥,熱処理する方法が採
用される。付与量は処理の目的、対象となる成形物の形
状,種類等によっても異なるが、通常、成形物に対して
0.01〜5.0重量%とすることが好ましい。熱処理条件と
しては、処理の目的によっても異なるが、通常、105〜2
20℃で30秒〜50分間とすることがポリマーを架橋させ耐
久性を向上させることができ好ましい。
スプレー,浸漬,パッド,コーティング,転写等の手段
により成形物に付与した後、乾燥,熱処理する方法が採
用される。付与量は処理の目的、対象となる成形物の形
状,種類等によっても異なるが、通常、成形物に対して
0.01〜5.0重量%とすることが好ましい。熱処理条件と
しては、処理の目的によっても異なるが、通常、105〜2
20℃で30秒〜50分間とすることがポリマーを架橋させ耐
久性を向上させることができ好ましい。
かかる処理において、成形物がポリエステル繊維製品又
はポリエステル繊維含有製品の場合には、処理前に成形
物をアルカリ処理することにより処理剤の耐久性、即ち
親水性能の耐久性を一層向上させることができ好まし
い。
はポリエステル繊維含有製品の場合には、処理前に成形
物をアルカリ処理することにより処理剤の耐久性、即ち
親水性能の耐久性を一層向上させることができ好まし
い。
この様な処理法は、繊維製造段階での処理に適用するこ
とが効果的であるが、染色前、染色中、或いは染色後の
いずれの工程で適用してもよい。
とが効果的であるが、染色前、染色中、或いは染色後の
いずれの工程で適用してもよい。
また、前記処理方法に代えて、水分散液中に成形物を浸
漬して加熱、塩折等により分散安定性を破壊し、処理剤
を成形品に吸尽させた後、乾燥、熱処理する方法、或い
は水分散液を付与してから重金属塩や濃厚中性塩の溶液
等により湿式凝固させた後、乾燥,熱処理する方法等も
採用することができる。
漬して加熱、塩折等により分散安定性を破壊し、処理剤
を成形品に吸尽させた後、乾燥、熱処理する方法、或い
は水分散液を付与してから重金属塩や濃厚中性塩の溶液
等により湿式凝固させた後、乾燥,熱処理する方法等も
採用することができる。
尚、かかる処理の際に、本発明のポリエステルと成形物
に対して親和性の乏しい剤,例えば抗菌剤,防炎剤,ガ
ス吸着剤,香料等とを併用してもよい。
に対して親和性の乏しい剤,例えば抗菌剤,防炎剤,ガ
ス吸着剤,香料等とを併用してもよい。
(作用) 本発明のポリエステルは、実質的にゲル化していないポ
リエステル、即ち実質的に線状のポリエステルであるた
め、ポリエステルを構成するフマル酸及び/又はマレイ
ン酸成分中の二重結合が残留しているものと推察され
る。
リエステル、即ち実質的に線状のポリエステルであるた
め、ポリエステルを構成するフマル酸及び/又はマレイ
ン酸成分中の二重結合が残留しているものと推察され
る。
このため、かかるポリエステルを成形物に付与してから
熱処理することによって、前記二重結合部分で架橋反応
が発生し親水成分を有する分子鎖が二次元構造を形成す
る結果、架橋剤を添加することなく洗濯耐久性を有する
親水性を成形物に付与することができるのである。
熱処理することによって、前記二重結合部分で架橋反応
が発生し親水成分を有する分子鎖が二次元構造を形成す
る結果、架橋剤を添加することなく洗濯耐久性を有する
親水性を成形物に付与することができるのである。
(発明の効果) 本発明のポリエステルが付与されて得られる親水性成形
物、特に親水性繊維製品は、衣料用,詰綿用,インテリ
ア用,サインペン芯材用,シーツ用,衛生材料用,不織
布用,人工皮革用,人工ファー用等の各分野に用いるこ
とができる。
物、特に親水性繊維製品は、衣料用,詰綿用,インテリ
ア用,サインペン芯材用,シーツ用,衛生材料用,不織
布用,人工皮革用,人工ファー用等の各分野に用いるこ
とができる。
(実施例) 以下、実施例により本発明を更に説明する。
実施例中の吸水性(吸水速度又はウイッキング性)、制
電性及び洗濯耐久性の評価方法は次に示す方法で行なっ
た。
電性及び洗濯耐久性の評価方法は次に示す方法で行なっ
た。
[吸水性(吸水速度又はウイッキング性)] 原綿を1g開綿して約4cm直径の球状となし、水面から2cm
の高さから落とした時から球状綿塊が水没するまでの時
間(秒)を測定した。水没時間が短いほど吸水性が高
い。
の高さから落とした時から球状綿塊が水没するまでの時
間(秒)を測定した。水没時間が短いほど吸水性が高
い。
[制電性] 原綿を25℃,相対湿度65%で一昼夜放置した後の比抵抗
値を測定した。比抵抗値が小さいほど制電性は良好であ
る。
値を測定した。比抵抗値が小さいほど制電性は良好であ
る。
[洗濯耐久性] 中性洗剤1g/を含んだ40℃の洗濯液を用い家庭洗濯機
で、原綿球状塊を目の細かい洗濯ネットに入れて洗濯
し、これを10回繰り返した後、上記吸水性,制電性を評
価した。
で、原綿球状塊を目の細かい洗濯ネットに入れて洗濯
し、これを10回繰り返した後、上記吸水性,制電性を評
価した。
実施例1 ジメチルテレフタレート46.6部(80モル%),エチレン
グリコール47.5部,分子量2000のポリエチレングリコー
ル134部(生成ポリマー中の割合55重量%),チタニウ
ムテトラブトキサイド0.10部を常圧下で加熱しつつ理論
量のメタノールを留去させた後、ヒンダードフェノール
(チバガイギー社製イルガノックス1035)3部,フマル
酸7.0部(20モル%)を添加し、30分常圧でエチレング
リコールを留出させた後、徐々に減圧にし、230℃で85
分間反応させた。最終的に系内は0.2mmHgの圧力となっ
た。得られたポリマーは固有粘度(o−クロルフェノー
ル中35℃で測定)は0.76であった。
グリコール47.5部,分子量2000のポリエチレングリコー
ル134部(生成ポリマー中の割合55重量%),チタニウ
ムテトラブトキサイド0.10部を常圧下で加熱しつつ理論
量のメタノールを留去させた後、ヒンダードフェノール
(チバガイギー社製イルガノックス1035)3部,フマル
酸7.0部(20モル%)を添加し、30分常圧でエチレング
リコールを留出させた後、徐々に減圧にし、230℃で85
分間反応させた。最終的に系内は0.2mmHgの圧力となっ
た。得られたポリマーは固有粘度(o−クロルフェノー
ル中35℃で測定)は0.76であった。
得られたポリマー10部を60℃に加温したテトラヒドロフ
ラン10部に溶解した後、トリエタノールアミンの0.3%
水溶液の90部中に攪拌しつつ投入し、次いで減圧下でテ
トラヒドロフランを除去して、水分散体を得た。
ラン10部に溶解した後、トリエタノールアミンの0.3%
水溶液の90部中に攪拌しつつ投入し、次いで減圧下でテ
トラヒドロフランを除去して、水分散体を得た。
一方、常法によって、ポリエチレンテレフタレートを溶
融紡糸、延伸して得た単糸デニール1.5de,全デニール40
万deのトウを、水で稀釈して固形分が3重量%となした
上記水分散体に浸漬し、次いで押込クリンパーにて絞
り、130℃で30分間熱処理した後38mmの長さに切断して
短繊維となした。該短繊維は捲縮数13山/25mm,捲縮度15
%,処理剤付着率は0.5%であった。
融紡糸、延伸して得た単糸デニール1.5de,全デニール40
万deのトウを、水で稀釈して固形分が3重量%となした
上記水分散体に浸漬し、次いで押込クリンパーにて絞
り、130℃で30分間熱処理した後38mmの長さに切断して
短繊維となした。該短繊維は捲縮数13山/25mm,捲縮度15
%,処理剤付着率は0.5%であった。
得られた繊維の吸水性,制電性及びその洗濯耐久性を評
価し、第1表に示した。
価し、第1表に示した。
尚、比較として、市販のポリエチレングリコール/ポリ
エステル共重合体を主成分とする親水処理剤で処理した
他は、実施例1と同様に行ない、その結果を第1表に併
記した。本発明によるものは、吸水性,制電性及び洗濯
耐久性は良好であった。
エステル共重合体を主成分とする親水処理剤で処理した
他は、実施例1と同様に行ない、その結果を第1表に併
記した。本発明によるものは、吸水性,制電性及び洗濯
耐久性は良好であった。
実施例2 実施例1に於て反応初期に5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸ジメチル2.0部を添加する以外は実施例1と同様
にし、後期の反応時間を75分として固有粘度0.58のポリ
エステルを得た。
タル酸ジメチル2.0部を添加する以外は実施例1と同様
にし、後期の反応時間を75分として固有粘度0.58のポリ
エステルを得た。
得られたポリエステルを実施例1と同様にして水分散体
を得、次いで該水分散体を処理した繊維を得た。この繊
維の吸水性,制電性及びその洗濯耐久性を第2表に示し
た。いずれの特性も良好であった。
を得、次いで該水分散体を処理した繊維を得た。この繊
維の吸水性,制電性及びその洗濯耐久性を第2表に示し
た。いずれの特性も良好であった。
実施例3〜6,比較例2〜7 実施例1において、ジメチルテレフタレート(DMT),
ジメチルイソフタレート(DMI),フマル酸,マレイン
酸,PEG量を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエ
ステルを得、次いで夫々のポリエステルから成る水分散
体で処理した繊維を得た。
ジメチルイソフタレート(DMI),フマル酸,マレイン
酸,PEG量を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエ
ステルを得、次いで夫々のポリエステルから成る水分散
体で処理した繊維を得た。
これらの繊維の吸水性,制電性及びその洗濯耐久性を第
3表に示した。
3表に示した。
本発明の範囲内の組成のものは、良好な結果が得られ
た。
た。
Claims (1)
- 【請求項1】下記(a)〜(c)の構成成分から成る固
有粘度0.2以上0.76以下のポリエステルであって、その1
0gが60℃のテトラヒドロフラン10g中に完全溶解する易
溶解特性を有することを特徴とする水分散性ポリエステ
ル。 (a)全酸成分の95〜60モル%が芳香族ジカルボン酸成
分、及び5〜40モル%がフマル酸及び/又はマレイン酸
成分、 (b)ジオール成分が炭素数2〜6の脂肪族グリコール
成分、 (c)ポリエステルの重量を基準として分子量400〜600
0のポリエチレングリコール成分が30〜80重量%含有さ
れている。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20343287A JPH072836B2 (ja) | 1987-08-18 | 1987-08-18 | 水分散性ポリエステル |
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JP20343287A JPH072836B2 (ja) | 1987-08-18 | 1987-08-18 | 水分散性ポリエステル |
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Family Applications (1)
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JP20343287A Expired - Fee Related JPH072836B2 (ja) | 1987-08-18 | 1987-08-18 | 水分散性ポリエステル |
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-
1987
- 1987-08-18 JP JP20343287A patent/JPH072836B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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