【発明の詳細な説明】
発明の名称
耐久性の親水性ポリマーコーティング
発明の分野
本発明はある種のポリマー組成物、ならびにポリエステル、ポリプロピレンお
よびポリエチレンの織布および不織布または繊維に耐久性の親水性コーティング
を与えるためのその使用に関する。
発明の背景
ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリエチレンの織布および不織布は多く
の用途があるが、それには、これら布の疎水特性は好ましくない。用途としては
おむつ、成人用の失禁パッド、造園またはマルチングのための農事用布や、ある
種の濾過装置のように水を通す能力の高い用途;ある種の衣服およびスポーツウ
ェアーのためのような快適性のために水分を逃がすのが望ましい用途;および接
着を一層良くし、またはセメント混合物または紙パルプのような水を含む組成物
中に一層容易に混ぜるために繊維の表面の吸湿性をより大きくするのが望ましい
用途があげられる。
1989年9月5日に発行されたBorcherらの米国特許第4,863,619号は、ファブリ
ック処理用製品特に泥剥離ポリマーを製造する際に粘度低下剤として有用な有機
物質を開示している。
ポリプロピレンまたはポリエチレンは乳児のおむつおよび成人用失禁パッドに
ライナー(被覆材料(coverstock))としして広く使用されており、またこれらの
用途ではライナーは着用者の皮膚に隣りあう。設計により、水分はポリプロピレ
ンまたはポリエチレンの層を通って下方の吸収性層へと入らねばならない。ポリ
プロピレンまたはポリエチレンは本
来疎水性であるので、これらは水分がおむつまたはパッドを急速に通過しそして
おむつまたはパッドの表面から流れ出ないように処理されねばならない。
米国でのおむつの製造においては、上記のライナーは、ポリプロピレンまたは
ポリエチレンの層を通過する水分の移動を改善するように、少量の界面活性湿潤
剤例えばアルコールエトキシレートで一般に処理される。アルコールエトキシレ
ートは通常水溶性であるので、溶解して水の表面張力を減少する。このため水分
がポリプロピレンまたはポリエチレンを湿潤しそして一層迅速に通過するように
なる。しかしながらアルコールエトキシレートの使用には二つの重大な欠点があ
る。アルコールエトキシレートは溶解してしまうので、次なるまたはその後続い
ての水分への曝露を改善するのにほとんど残らない。吸収層の吸収性は毛細管作
用に基づいており、そしてこの作用はアルコールエトキシレートの吸収により悪
影響を受けるので、吸収層の能力もまた低下する。
水分がポリプロピレンまたはポリエチレンのライナーを急速に通過するが、容
易には流れ出ないことを可能にするコーティングが必要とされる。本発明はこの
ようなコーティングおよびこれを適用する方法を提供する。
医療用、外科用、実験室用などの衣服のような保護用衣服に使用する不織布を
作製するのにもポリプロピレン、ポリエチレンまたはポリエステルが一般的に使
用される。このような衣服は手触りが劣りまた水分が移動しないので快適ではあ
り得ない。不織の布または繊維を軟化しそして水分を逃散させて快適さを増すコ
ーティングまたは処理が必要である。本発明はこのようなコーティングまたは処
理を提供する。従って本発明の組成物、方法、布および繊維は、ポリエステル、
ポリプロピレンまた
はポリエチレンの織布または不織布を通過する改善された水分の吸上または水分
移動が重要である衣服およびその他の用途に有用である。
発明の概要
本発明は以下の組成物からなる:
A.1)反復するポリオキシエチレンジエステルおよびポリアルキレンジエス
テルの部分を有する親水性コポリエステルと、2)4つより多くのプロピレンオ
キサイド単位を有し平均分子量が少なくとも約300である、一端または両端がア
ルキル基またはエステル基でキャップされているポリプロピレンオキサイドポリ
マーとの水性分散液からなる組成物;
B.1)有機溶媒、2)反復するポリオキシエチレンジエステルおよびポリア
ルキレンジエステルの部分を有する親水性コポリエステルおよび3)4つより多
くのプロピレンオキサイド単位を有し平均分子量が少なくとも約300である、一
端または両端がアルキル基またはエステル基でキャップされているポリプロピレ
ンオキサイドポリマーからなる混合物;
C.1)反復するポリオキシエチレンジエステルおよびポリアルキレンジエス
テルの部分を有する親水性コポリエステルと、2)平均分子量が1100より大きい
ポリプロピレングリコールの水性分散液からからなる組成物;または
D.1)有機溶媒、2)反復するポリオキシエチレンジエステルおよびポリア
ルキレンジエステルの部分を有する親水性コポリエステルおよび3)平均分子量
が1100より大きいポリプロピレングリコールの混合物からなる組成物。
本発明はさらに、少なくとも3つのヒドロキシ基を含む少なくとも1
つのポリオール、または少なくとも1つのポリオキシエチレングリコール、ある
いはこれらを混合物との反応により親水性コポリエステルが変性されて、後反応
体の反復単位を1〜約40重量%有するコポリエステルが生成される、上記の分散
液または混合物を包含する。
本発明はさらに、上述した本発明の組成物A、B、CもしくはDの少なくとも
1つ、または上述のように変性された親水性コポリエステルを含有するこれらの
組成物の有効量を、ポリエステル、ポリプロピレンまたはポリエチレンの布また
は繊維の表面に適用することからなる、これらの布または繊維に耐久性の親水性
コーティングを付与する方法を包含する。
本発明はさらに、ポリエステル、ポリプロピレンまたはポリエチレンの布また
は繊維の表面に、1)有機溶媒と、反復するポリオキシエチレンジエステルおよ
びポリアルキレンジエステルの部分を有する親水性コポリエステルとの混合物;
2)4つより多くのプロピレンオキサイド単位を有し平均分子量が少なくとも約
300である、一端または両端がアルキル基またはエステル基でキャップされてい
るポリプロピレンオキサイドポリマー、その水性分散液またはその有機溶媒との
混合物;3)平均分子量が1100より大きいポリプロピレングリコール、これの水
性分散液またはこれの有機溶媒との混合物;4)ポリビニルアルコールと、4つ
より多くのプロピレンオキサイド単位を有し平均分子量が少なくとも約300であ
る、一端または両端がアルキル基またはエステル基でキャップされているポリプ
ロピレンオキサイドポリマーとの水性分散液;5)ポリアクリルアミドと、4つ
より多くのポリプロピレンオキサイド単位を有し平均分子量が少なくとも約300
である、一端または両端がアルキル基またはエステル基でキャップされているポ
リプロピレンオキサイドポ
リマーとの水性分散液;6)ポリビニルアルコールと平均分子量が1100より大き
いポリプロピレングリコールとの混合物、そして7)ポリアクリルアミドと平均
分子量が1100より大きいポリプロピレングリコールとの混合物、から選択される
少なくとも1つの組成物の有効量を適用することからなる、ポリエステル、ポリ
プロピレンまたはポリエチレンの布または繊維に耐久性の親水性コーティングを
付与する方法をさらに包含する。
本発明はさらに、上述した本発明の組成物A、B、CもしくはDの少なくとも
1つ、または上述のように変性された親水性コポリエステルを含有するこれらの
組成物の有効量が表面上に適用されているポリエステル、ポリプロピレンまたは
ポリエチレンの織布または不織布または繊維を包含する。
本発明はさらに、1)有機溶媒と、反復するポリオキシエチレンジエステルお
よびポリアルキレンジエステルの部分を有する親水性コポリエステルとの混合物
;2)4つより多くのプロピレンオキサイド単位を有し平均分子量が少なくとも
約300である、一端または両端がアルキル基またはエステル基でキャップされて
いるポリプロピレンオキサイドポリマー、その水性分散液またはその有機溶媒と
の混合物:3)平均分子量が1100より大きいポリプロピレングリコール、その水
性分散液またはその有機溶媒との混合物;4)ポリビニルアルコールと、4つよ
り多くのプロピレンオキサイド単位を有し平均分子量が少なくとも約300である
、一端または両端がアルキル基またはエステル基でキャップされているポリプロ
ピレンオキサイドポリマーとの水性分散液;5)ポリアクリルアミドと、4つよ
り多くのポリプロピレンオキサイド単位を有し平均分子量が少なくとも約300で
ある、一端または両端がアルキル基またはエス
テル基でキャップされているポリプロピレンオキサイドポリマーとの水性分散液
;6)ポリビニルアルコールと平均分子量が1100より大きいポリプロピレングリ
コールとの混合物;そして7)ポリアクリルアミドと平均分子量が1100より大き
いポリプロピレングリコールとの混合物からなる群から選択される少なくとも1
つの組成物の有効量が表面上に適用されているポリエステル、ポリエチレンまた
はポリプロピレンの織物または不織布または繊維もさらに包含する。
発明の詳述
本発明はポリエステル、ポリプロピレンまたはポリエチレンの布または繊維に
適用すると、耐久性の親水性コーティングを付与する組成物を包含する。本発明
はさらに、上述した組成物を適用することからなる、ポリエステル、ポリプロピ
レンおよびポリエチレンの布または繊維に耐久性の親水性コーティングを付与す
る方法を包含する。本発明はさらに、このようなコーティングが表面に施されて
いる、織られたあるいは不織の形のポリエステル、ポリプロピレンまたはポリエ
チレンの布または繊維も包含する。
「有機溶媒」という用語は強力な水素結合の三次元ネットワークを形成するこ
とができない有機溶媒を意味する。好適な溶媒の例には二塩基酸エステル、エス
テル(例えば酢酸エチル)、ケトン(例えばアセトン)、エーテル(例えばテト
ラヒドロフラン)および第3級アミド(例えばジメチルホルムアミドまたはジメ
チルアセトアミド)がある。
「親水性コポリエステル」という用語は、ポリオキシエチレンジエステル部分
とアルキレンジエステル部分の両方を含むコポリエステルを意味するために用い
られる。これは単純なコポリエステルであってよい。つまりそれはポオキシエチ
レンジエステル部分とポリアルキレンジエス
テル部分のみを含有してよく、このコポリエステルは単一のポリエチレンオキサ
イド、ジエステルおよびグリコールから誘導される。このコポリマーのための最
も一般的な原料は、主として費用や入手の可能性のゆえに、いろいろな分子量の
ポリエチレンオキサイドやジメチルテレフタレートおよびエチレングリコールで
ある。この単純な親水性コポリエステルを製造するのに使用されるコモノマーに
ついては多くの変種がありうる。プロピレングリコールおよびブチレングリコー
ルのような他のアルキレングリコールはエチレングリコールの全部または一部と
代替するのに好適であり、あるいはこれらを使用するポリエチレンオキサイド中
に少量含めることができる。ジエチレングリコールのような単純なエーテルグリ
コール、および1,4−シクロヘキサンジメタノールのような脂環式ジオールもま
たベースとなるコポリエステルのためのコモノマーとして好適である。ジメチル
テレフタレートの全部または一部と代替するために使用されてよい他のジエステ
ルのうちには、アジピン酸およびセバシン酸のような脂肪族の二酸のジエステル
、ならびにイソフタル酸およびスルホン化イソフタル酸のような芳香族二酸のジ
エステルがある。ベースとなるコポリマーは、1つまたはそれ以上の別な成分、
例えば酸性基、塩基性基、イオン化性塩の基、酸化防止性の基、紫外戦を吸収す
る基、染料基および、ヒドロキシ基またはアミド基のいずれかを複数含むポリマ
ー基を追加的に含んでよく、以上の基はすべてMcIntyreらによって米国特許第3,
416,952号;第3,557,039号および第3,619,269号中に開示されている。
親水性コポリエステルは減圧下で比較的高い温度で縮合することにより製造さ
れる。一般に約200〜280℃あるいはもっと高い温度と約35mmHg以下の圧力が用い
られる。副生するアルコールおよびもともと装入され
ていた低分子量グリコールの一部は縮合工程で蒸留により除去される。工程の進
行とともにコポリエステルの粘度は増大する。
好ましい親水性コポリエステルは、平均分子量が約300〜約6,000のポリオキシ
エチレングリコールから誘導される、10〜50重量%のポリオキシエチレンテレフ
タレート単位を含むエチレンフタレート単位の反復する部分を有するポリエステ
ルコポリマーであり、エチレンテレフタレート単位とポリオキシエチレンテレフ
タレート単位とのモル比は2:1〜6:1である。一層好ましいコポリマーはポ
リオキシエチレンテレフタレート単位が、平均分子量約1,000〜約4,000を有する
ポリオキシエチレングリコールから誘導されるコポリマーである。これらのコポ
リマーは米国特許第3,416,952号中に開示されている。これらのコポリマーの例
には、市販の「ZELCON」4780(デラウエア州、WilmingtonのE.I.du Pont de Nem
ours and Companyから入手可)および「MILEASE」T(英国、ロンドンのImperial
Chemical Industries,Limitedから入手可)であり;これらはともにChemical A
bstracts Service Registry No.9016-88-0を有する。「ZELCON」4780および「M
ILEASE」Tはともに85%までの水を含有する水性分散液の形態で販売されている
。過剰の水分の取り込みをさけるために脱水されたポリマーを使用して分散液を
つくるのが好ましい。脱水されたポリマーは上述した市販の分散液を乾燥するこ
とによって得られるか、あるいは製造者から濃厚形態で得ることができる。後者
の例は「ZELCON」PG、濃厚な形態の「ZELCON」5126であり、デラウエア州、Wilm
ington E.I. du Pont de Nemours and Companyから得ることができる。
加えて、これらの親水性ポリエステルは生成の後に、米国特許第5,239,019号
中に開示されているように、3つまたはそれ以上のヒドロ
キシ基を含む1つまたはそれ以上のポリオール、1つまたはそれ以上のポリオキ
シエチレングリコール、あるいはこのようなポリオールの1つまたはそれ以上と
このようなグリコールの1つまたはそれ以上との混合物、との反応によってさら
に変性されてよい。変性されたコポリエステルの性質は親水性である。これは3
つまたはそれ以上のヒドロキシ基を含むポリオールとポリオキシエチレングリコ
ールとからなる。このポリオールは例えばエステル基およびエーテル基のような
他の官能基もまた含んでよい。コポリエステルを変性するのに好適なポリオール
の例には、グリセリン、ペンタエリスリトールおよびソルビトールのような単純
なポリオール、ジグリセタールならびにジペンタエリスリトールおよびトリペン
タエリスリトールのような単純なポリオールから誘導される低分子量のエーテル
ポリオール、ならびに部分的に加水分解されたポリビニルアセテートおよびセル
ロースの部分的にエステル化された誘導体のような重合体ポリオールがある。上
記ポリオールのエチレンオキサイド付加物も適している。ポリオキシエチレング
リコールは用途によって分子量が約300〜6,000と変化してよい。約600〜3,000の
分子量が好ましく、800〜1,600が最も好ましい。ポリエチレングリコールは、ヒ
ドロキシ部分およびエーテル部分の他に、場合によりアミノ基および第4級化ア
ミノ基のような別な官能基を含むことができる。
ポリエステルと追加的な親水性物質との後反応はベースのコポリエステルを合
成するのに用いた条件より緩い条件下に実施される。ほとんどは約150℃以上の
温度で大気圧下で実施されるが、180〜200℃の温度が好ましい。真空が適用され
る場合もあるが、全般的な条件はベースのコポリエステルの製造におけるより緩
やかである。さらに、後反応体が加熱されたベースコポリマーに装入される場合
、最初に粘度の低下が起き
るであろうが、これはポリマーの平均分子量の低下を示す。後反応が進行するに
つれ、全体の粘度が増加するであろう。しかし、後反応工程は、取扱い不能な物
質が生成するほどの長時間実施されずあるいは苛酷な条件下で実施されない。
本発明で使用するのに好適なポリプロピレンオキサイドポリマーには、4つよ
り多くのプロピレンオキサイド単位を有し平均分子量が少なくとも300である、
一端または両端がアルキル基またはエステル基でキャップされいてるポリプロピ
レンオキサイドのポリマーが含まれる。ブチルで末端がキャップされている好適
なポリプロピレンオキサイドポリマーはUnion Carbide Chemicals and Plastics
Companyから商品名「UCON」LBというシリーズの製品として入手できる。これら
は様々な特殊な応用および別な用途のための水不溶性潤滑剤として市販されてい
る。「UCON」LB-65、LB-385、LB-525、LB-625、LB-1145およびLB-1715はそれぞ
れ、340、1200、1420、1550、2080および2490の平均分子量を有する。末端のキ
ャップされた好適な他のポリプロピレンポリマーはペンシルバニア州、Newton S
quareのARCO Chemical Companyから、商品名「ARCOL」R−シリーズとして得る
ことができる。「ARCOL」R-2085およびR-2150は、平均分子量が110〜1200のプロ
ポキシル化された分枝状脂肪アルコールである。R-2150は約2%のエチレンオキ
サイドも含有する。「ARCOL」R-2151はプロポキシル化された線状脂肪アルコー
ルである。本発明で使用するのに好適な別なポリプロピレンオキサイドポリマー
には平均分子量が1100より大きいポリプロピレングリコールが含まれる。ポリプ
ロピレンオキサイドポリマーは末端がキャップされているのが好ましい。
本発明の上記に規定したあるいは本発明で使用される組成物は場合により、分
散剤、界面活性剤、湿潤剤、増粘剤、静電気防止剤、着色剤、
繊維潤滑剤、柔軟剤、別な界面活性剤および親水性化剤の少なくとも1つ、特定
の応用のために好ましい特性を付与するその他の成分あるいはこれらの混合物を
含有する。
上記に規定した本発明の水をベースとする組成物は、分散を助けるために湿潤
剤または分散剤を優先的に含有する。湿潤剤または分散剤はエチレンオキサイド
部分と疎水性の部分とを有する非イオン界面活性剤であるのが一層好ましい。こ
れらの物質の好例には、ニュージャージー州、CranburyのRhone-Poulenc Inc.に
より発売の「IGEPAL」非イオン界面活性剤、例えば「IGEPAL」CO-970; 南カロラ
イナ州、GreenvilleのEthox Chemicals Inc.から入手できる「ETHAL」LA50のよ
うな約50のエチレンオキサイド部分でエトキシル化されたラウリルアルコール;
およびデラウエア州、WilmimgtonのE.I.du Pont de Nemours and Companyから
入手できる「MERPOL」SEのような分枝状脂肪アルコールエトキシレートのような
エトキシル化されたアルキルフェノールがある。さらに一層好ましくは、非イオ
ン界面活性剤は、約2〜13のエトキシ基を有する分枝アルコールエトキシレート
の混合物をナトリウムキシレンスルホネートのような可溶化剤とともに含有する
エトキシル化分枝鎖アルコール例えば「POLYWET」AまたはBであり、これはジョ
ージア州、RomeのPeach State Labs Inc.から入手できる。
好適な湿潤剤または分散剤または界面活性剤には、陽イオン界面活性剤、例え
ばイリノイ州、ChicagoのAkzo Nobel Chemicalsから入手できる「ARQUAD」12/5
0(水中のドデシルトリメチルアンモニウムクロライド)または16/50(水中の
ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド);デラウエア州、Wilmimgton
のE.I.du Pont de Nemoursから入手できる「ALKANOL」XCのようなナトリウムア
ルキルナフタレンスルホ
ネート塩および「MERPOL」SEのような分枝脂肪アルコールエトキシレート;ニュ
ージャージー州、CranburyのRhone-Poulenc Surfactants and Specialtiesから
入手できる「RHODASURF」DA-530のようなポリオキシエチル化(4)イソデシル
アルコール;およびイリノイ州、NorthfieldのStephan Companyから入手できる
「BIOSOFT」D-40のような水中のナトリウムアルキルベンゼンスルホネートもま
た含まれる。
本発明の分散液組成物の好ましい例は、デラウエア州、WilmimgtonのE.I.du
Pont de Nemours and Companyから入手できる「ZELCON」PGのようなポリオキシ
エチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートとのブロックコポリマー
の水中の分散液;ブチルで末端がキャップされているポリプロピレンオキサイド
、例えばUnion Carbide Chemicals and Plastics Companyから入手できる「UCON
」LB−シリーズの流動性ポリマー、およびPeach State Labs,Inc.から入手でき
る「POLYWET」AまたはBである。
本発明はさらに、ポリエステル、ポリプロピレンまたはポリエチレンの布また
は繊維の表面に上記に規定した本発明の組成物の有効量を適用することからなる
、布または繊維に耐久性の親水性コーティングを付与するための方法を包含する
。
あるいは別に、本発明は、ポリエステル、ポリプロピレンまたはポリエチレン
の布または繊維の表面に、1)有機溶媒と、反復するポリオキシエチレンジエス
テルおよびポリアルキレンジエステルの部分を有する親水性コポリエステルとの
混合物;2)4つより多くのプロピレンオキサイド単位を有し平均分子量が少な
くとも約300である、一端または両端がアルキル基またはエステル基でキャップ
されているポリプロピレンオキサイドポリマー、その水性分散液またはその有機
溶媒との混合物;
3)平均分子量が1100より大きいポリプロピレングリコール、その水性分散液ま
たはその有機溶媒との混合物;4)ポリビニルアルコールと、4つより多くのプ
ロピレンオキサイド単位を有し平均分子量が少なくとも約300である、一端また
は両端がアルキル基またはエステル基でキャップされているポリプロピレンオキ
サイドポリマーとの水性分散液;5)ポリアクリルアミドと、4つより多くのポ
リプロピレンオキサイド単位を有し平均分子量が少なくとも約300である、一端
または両端がアルキル基またはエステル基でキャップされているポリプロピレン
オキサイドポリマーとの水性分散液;6)ポリビニルアルコールと平均分子量が
1100より大きいポリプロピレングリコールとの混合物、そして7)ポリアクリル
アミドと平均分子量が1100より大きいポリプロピレングリコールとの混合物から
選択される少なくとも1つの組成物の有効量を適用をすることからなる、ポリエ
ステル、ポリプロピレンまたはポリエチレンの布または繊維に耐久性の親水性コ
ーティングを付与する方法も包含する。
これらの組成物およびすでに述べた本発明の組成物A、B、CおよびDは、ワ
イピング、ペインティング、浸漬、発泡、ローラーの間隙への供給、噴霧または
その他の好適な任意の方法によって布または繊維に適用できる水濡れ性および耐
久性を達成するために、本組成物は繊維を基準に少なくとも0.48重量%の固形分
という最低量で、望ましくは繊維を基準に少なくとも0.7重量%の固形分、そし
て最も好ましくは繊維を基準に1.25重量%またはそれ以上の固形で典型的に適用
される。適用量が少ないと親水性は改善されるであろう。溶媒を乾燥あるいは除
去した後、耐久性の親水性コーティングが布または繊維上に残る。このコーティ
ングにより表面上におかれた水は布を急速に濡らしそして布の層を通過す
る。
本発明はさらに上記の本発明の組成物のいずれかを表面に適用したあるいは上
記した本発明の方法のいずれかによって処理したポリエステル、ポリエチレンま
たはポリプロピレンの織布または不織布または繊維をさらに包含する。
本発明の組成物および方法は、織られたあるいは不織布の形態のポリエステル
、ポリプロピレンまたはポリエチレンの布または繊維に耐久性のある親水性を付
与する。このような耐久性はいわゆる「インサルト(insult)試験」と称される
ものによって業界では測定され、また反復的な水分への曝露あるいは水洗浄が「
インサルト」と呼ばれる。以下に述べる、ポリプロピレンに関する「インサルト
試験」においては、本発明の組成物および本発明の方法で使用する組成物は、耐
久性を伴う親水特性を示した。ポリオキシエチレンテレフタレートとポリエチレ
ンテレフタレートとのブロックコポリマーを末端がブチルでキャップされたポリ
(プロピレンオキサイド)ポリマーと一緒にしそしてポリオキシエチル化された
分枝脂肪アルコールとナトリウムキシレンスルホネートとの混合物を含有する湿
潤剤を含む水性分散液から適用することによって、耐久性を強化した(15回また
はそれ以上までの水洗浄)コーティングを得るのが好ましい。好ましい組成物は
20%の「UCON」と混合された「ZELCON」PG、および他の「ZELCON」ポリマーと「
UCON」との組み合わせである。ポリプロピレンオキサイドモノエーテルは試験し
たポリプロピレンオキサイドグリコールまたはポリブチレンオキサイドポリマー
のいずれよりも優れた性能を示す。
本発明の組成物、方法、布および繊維は、おむつ、失禁用パッド、造園または
マルチングのための農事用布、および布を通過して水を移動さ
せる能力が望まれる濾過装置で有用である。本発明は水分の吸上が好ましい衣服
およびスポーツウェアにも役立つ。特に本発明によって処理される不織の保護用
衣服は一層快適である。また、本発明の組成物はポリプロピレンまたはポリエチ
レンに対する柔軟剤の作用もする。本発明の組成物はまた、繊維を、セメント混
合物または紙パルプのような水を担持する組成物によりよく接着させたりあるい
はこれに含ませ易くするためにその表面を一層親水性にすることが好ましい応用
においてもまた有用である。
以下の実施例で使用する商品名は次のように定義される。
「ZELCON」PGポリマーはポリオキシエチレンテレフタレートとポリエチレンテ
レフタレートとのブロックコポリマーであり、「ZELCON」5126を脱水することに
よってつくられる。
「ALKANOL」XCはナトリウムアルキルナフタレンスルホン酸塩である。「MERPO
L」SHおよび「MERPOL」SEは平均分子量が約350〜650である分枝脂肪アルコール
エトキシレートである。「MERPOL」Aはオクチルアルコールホスフェートエステ
ル混合物である。
「AVITEX」DNは第4級メチルスルホニウムポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)
オクタデシルアンモニウム塩である。
「ELVANOL」90-50は完全に加水分解されたポリ(ビニルアセテートであり:固
形物4%水溶はHoepplerの落球法により測定すると20℃で12〜15cPの粘度を示す
。「ZELCON」5126、「ZELCON」PG、「ALKANO」XC、「MERPOL」SH、「MERPOL」SE
、「MERPOL」A、「AVITEX」DNおよび「ELVANOL」90-50はE.I.du Pont de Nemo
urs and Companyから入手できる。
「MILEASE」Tはポリオキシエチレンテレフタレートとポリエチレンテ
レフタレートとのブロックコポリマーである。これは英国、ロンドンのImperial
Chemical Industries Limitedから入手できる。
「UCON」LB−シリーズおよび「UCON」50-HBシリーズの潤滑剤は米国、25303、
ウエストバージニア州、South Charleston,のUnion Carbide Chemicals and Pla
stics Companyから入手できる。
「ARCOL」R-2085およびR-2150は1100〜1200の分子量を有するプロポキシル化
された分枝脂肪アルコールである。R-2150は約2%のエチレンオキサイドも含有
する。「ARCOL」R-2151はプロポキシル化された線状の脂肪アルコールである。
これらは米国、19073、ペンシルバニア州、Newton Square,ARCO Chemical Comp
anyから入手できる。
「WITCONOL」APS、F-26-46およびAPMは、コネチカット州、GreenwhichのWitco
Corporationから入手できるプロポキシル化された脂肪アルコールである。
「PLURACOLS」1010および2010は、分子量がそれぞれ1050および2000のポリプ
ロピレングリコールであり、米国、48192、ミシガン州、WyandotteのBASF Wyand
otte Corporationから入手できる。
「POLYWET」AおよびBはともに、ポリオキシエチル化された分枝脂肪アルコ
ール(イソデシル)とナトリウムキシレンスルホネートとの混合物であり、米国
、30162、ジョージア州、RomeのPeach State Labs,Inc.から入手できる。
「ARQUAD」12/50または16/50はそれぞれ米国、60606、イリノイ州、Chicago
のAkzo Nobel Chemicals,Inc.から入手できる陽イオン界面活性剤である。「A
RQUAD」12/50は水中のドデシルトリメチルアンモニウムクロライドの溶液であ
る。「ARQUAD」16/50はヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライドの水溶
液である。
「MONAZOLINE」Oは1−ヒドロキシエチル−2−オレイルイミダゾリンであり
、米国、07544、ニュージャージー州、PatersonのMona Industries,Inc.から
入手できる陽イオン界面活性剤である。
「RHODASURF」DA-530はポリエチル化(4)イソデシルアルコールである。「IGE
PAL」CO-970はポリオキシエチル化(50)ニルフェノールである。ともに米国、085
12、ニュージャージー州、CranburyのRbone-Poulenc Inc.から入手できる。
「ETHAL」LA-50は米国、29606、サウスカロライナ州、GreenvilleのEthox Che
micals,Inc.から入手できるポリオキシエチル化(50)ラウリルアルコールであ
る。
「BIOSOFT」D-40は米国、60093、イリノイ州、NorthfieldのStepan Companyか
ら入手できるナトリウムアルキルベンゼンスルホネートの40%水溶液である。
実施例 1
以下の成分を使用して分散液を調製した。
丸底フラスコに撹拌機、熱電対、窒素配管を装備し、そして「ZELCON」PGポリ
マーを装入した。フラスコを窒素で十分に掃気し、次いで180℃に加熱した。十
分に融解するまで撹拌した。それが融解しつつある間に、急速に撹拌される混合
機内で水と「POLYWET」Aとの混合物に「UCON」
LB-625を分散した。次に溶融した「ZELCON」PGポリマーを添加しそして混合物を
3〜5分あるいは十分に混合されるまで撹拌した。必要に応じ粘度を低下するた
めに希釈を行った後、混合物を超音波処理あるいは均質化して分散プロセスを完
了した。
上記した「ZELCON」PGの重量はその初期重量であった。溶融後、2〜3gと推
定される少量がフラスコの側面に粘着しそしして移し替え中に失われた。
実施例 2〜19
実施例1の手順を用いて以下の組成物を調製した。すべての処方物は水性であ
った。最初の分散液を固形物5〜25%の濃度にした後、さらに水を添加して性能
試験のために使用するパッド浴に用いるために分散液を希釈した。これによって
布への物質の所望の吸収量を調節することができた。布による水溶液吸収量(含
浸量)は一般に布の重量の66〜82%の範囲内にあった。これにより布に適用した
固体物質を算出することができた。使用した式は、
浴の固体の濃度(%)×含浸量(%)/100
=繊維に適用された固形分(%)
注1.これは、炭素原子13個のアルキル基で末端がキャップされたポリプロピレ
ンオキサイドポリマーである「ARCOL」R-2085である。
注2.これは、炭素原子13個のアルキル基で末端がキャップされ、そして約2%
のエチレンオキサイドを含むポリプロピレンオキサイドポリマーである「ARCOL
」R-2150である。
注3.これは、炭素原子12〜16個のアルキル基で末端がキャップされたポリプロ
ピレンオキサイドポリマーである「ARCOL」R-2151である。
上述のように組成物を希釈して200gの浴をつくり、次いで試験用のポリプロ
ピレン繊維に適用した。以下の試験では繊維は付織(spunbond)のポリプロピレン
シートであった。溶液を適用した後、布を235°F(113℃)で2分間乾燥しそし
て試験した。標準的な撥水性試験に基づく変法を使用した。純粋な一滴の水が布
に完全に浸潤する場合、布を「水で濡れる」を示す、w/wと評価した。そうでな
い場合は、イソプロピルアルコール(IPA)を増量した試験用水溶液を使用した。
純粋な水の浸透に抵抗するが、2%IPA水溶液を吸収するウェブには評点1を与
え、評点2は5%のIPAに、評点3は10%のIPAそして評点4は20%のIPAに相当
する。布を濡らした最初の溶液を書とめ、次いで布にはこの数字をつけた。この
試験においては未処理のポリプロピレンは「4」と評価しまた4より低い数値は
濡れ性の改良を示した。
w/wと評価される処理された布は耐久性を試験するために「インサルト」され
次いで再度評価された。インサルト試験は、処理した布から円形片を切り出し、
この円をガラスでフリットされた漏斗の上におき、次いで円形の布を通じて100m
lの蒸留水を急速に吸引することからなった。次に円形の布を再び乾燥しそして
水濡れについて再び試験した。完全な水濡れが残っている「インサルト」のサイ
クルがより多いほど、一層良い(下記の表でこれらは「成功した」と評価されて
いる。数字の後にあるプラス(+)記号は失敗する前に性能試験を中断したこと
を示す)。性能試験の結果を表2に示す。
上記の実施例5は劣悪な耐久性を示したが、実施例10のように、処方が同じく
らいの他の試験は満足なものであった。
上記の試験は、分子量1050を有する末端がキャップされていないである「PLUR
ACOL」1010は耐久性がほとんどないことを示した。分子量約
2000を有する「PLURACOL」2010は「POLYWET」Bと併用するとき満足な耐久性を
有した。「ZELCON」PGと「UCON」LB-625との混合物は「ZELCON」と「UCON」との
比が5/1〜20/1の範囲にある場合、満足な耐久性を有した。「ZELCON」PGと
「UCON」LB-1715および「UCON」LB-1145との混合物は「POLYWET」Bと併用する
とやはり満足な耐久性を有した。
実施例 20〜22
実施例1の手順を用いて以下の組成物を調製しそして実施例2に記載したよう
に試験した。
* 各々の場合、最初の分散液を添加した後、0.3gの「POLYWET」Aを100gの
浴に添加した。
「UCON」50-HB-55は等重量のオキシエチレン基とオキシプロピレン基とを含む
、末端がアルキルでキャップされたポリマーである。
これらの実施例は「UCON」LBシリーズはうまく機能し、LB-625はLB-65より一
層良いが、「UCON」50-HB-55は耐久性をほとんど与えないことを示す。
実施例 23〜27
実施例1の手順を用いて以下の組成物を調製しそして実施例2に記載したよう
に試験した。
注:SOD.XYL.SULFはナトリウムキシレンスルホネートであり、可溶化剤である
。
上記の試験から、本発明の組成物は「POLYWET」AまたはB以外のいろいろの
界面活性剤を使用すると、満足な耐久性を有することがわかる。
実施例 28〜36
実施例1の手順を用いて以下の組成物を調製、そして実施例2に記載のように
試験した。
* これらの場合、最初の分散液を添加した後、0.3gの「POLYWET」Aを100g
の浴に添加した。
注1 これは「WITCONOL」APSであり、約11個のプロピレンオキサイド基を有し
そして炭素原子18個のアルキル基で末端がキャップされているポリプロピレンオ
キサイドポリマーである。
注2 これは「WITCONOL」F26-46であり、炭素原子18個のアルケニル(オ
レイル)基で末端がキャップされているポリプロピレンオキサイドである。
注3 これは「WITCONOL」APMであり、約3個のプロピレンオキサイド基を有し
そして炭素原子14個のアルキル基で末端がキャップされているポリプロピレンオ
キサイドポリマーである。
上記の試験は種々のアルキル/アルケニル基で末端がキャップされている種々
のプロピレンオキサイドポリマーで満足な結果が得られるが、鎖中のプロピレン
オキサイド基の数が唯の3である場合は不満足な結果が得られることを示した。
プロピレンオキサイドポリマーの代わりにトリデシルアルコールまたはオレイル
アルコールが置き換えられると結果はやはり不満足なものであった。
実施例 37〜41
実施例1の手順を用いて以下の組成物を調製し、そして実施例2に
記載したように試験した。この一連の試験では、成分の添加について異なる二つ
の順序を試験した。表10のA欄において添加の順序は実施例1と同じであった。
表10のB欄においては、親水性コポリエステルとプロピレンオキサイドポリマー
とを最初に一緒に混合し次いで表面活性剤中に分散させた。
* 各々の例において、最初の分散液を添加した後、0.3gの「POLYWET」Aを10
0gの浴に添加した。
注1:このポリマーは「ZELCON」PGに相当するが、ただし10モル%のジメチルテ
レフタレートを2−ドデセニル−1−コハク酸無水物で置き換えた。
注2:このポリマーは「ZELCON」PGに相当するが、ただし2モル%のジメチルテ
レフタレートを2−ドデセニル−1−コハク酸無水物で置き換えた。
注3:このポリマーは「ZELCON」PGに相当するが、ただしペンタエリス
リトールをトリエタノールアミンで置き換えた。
注4:このポリマーは「ZELCON」PGに相当するが、ただしすべてのジメチルテレ
フタレートを95モル%のジエチルセバケートと5モル%の2−ドデセニル−1−
コハク酸無水物との混合物で置き換えた。
注5:このポリマーは「ZELCON」PGと10wt%の「AVITEX」DNの後反応によりつく
った。
試験した各々の親水性コポリエステルでも、またいずれの添加順序でも結果は
満足であった。
実施例 42〜52
実施例1および2の手順を用いて以下の組成物を調製し、また実施例2に記載
のように試験した。
* これらの場合、最初の分散液を添加の後、0.3gの「POLYWET」Aを100gの
浴に添加した。
注1:このポリマーは「ZELCON」PGに相当するが、ただし2モル%のジメチルテ
レフタレートを2−ドデセニル−1−コハク酸無水物で置き換えた。
注2:このポリマーは「ZELCON」PGに相当するが、ただし10モル%のジメチルテ
レフタレートを2−ドデセニル−1−コハク酸無水物で置き換えた。
注3:このポリマーは「ZELCON」PGに相当するが、ただし25モル%のジメチルテ
レフタレートを2−ドデセニル−1−コハク酸無水物で置き換えた。
注4:ポリアクリルアミドAF2545を使用した。これは5%加水分解され、約500,
000の分子量を有している。これは6717S.61st W.Ave,Tulsa,OK74131,USA
のDowell Schlumbergerから入手した。
上記の一連の結果は、「UCON」LB 625は分散剤と「POLYWET」Aと一緒ではあ
る程度の耐久性を有するが、「ZELCON」PGを添加すると一層良い耐久性が得られ
ることを示した。
上記の試験は、ポリプロピレンオキサイドポリマーが存在しないと「ZELCON」
PGが有効でないことも示した。2%または10%のジメチルテレフタレートが2−
ドデセニル−1−コハク酸無水物で置き換えられている「ZELCON」PGは満足なも
のであったが、25%が置き換えられた試料は浴で用いられた濃度では満足なもの
でなかった。
「ELVANOL」90-50は、単に「POLYWET」Bとともに使用される場合は不満足な
性能を有したが、「POLYWET」および「UCON」LB-625とともに使用される場合は
満足な耐久性を有した。
ポリアクリルアミドAF 2545は、単に「POLYWET」Bとともに使用される場合は
不満足な性能を有したが、「POLYWET」および「UCON」LB-625とともに使用され
る場合は満足な耐久性を示した。
実施例 53〜56
実施例1の手順を用いて以下の組成物を調製し、そして実施例2に記載のよう
に試験した。
* 各々の場合、最初の分散液を添加した後、0.3gの「POLYWET」Aを100gの
浴に添加した。
これらの実施例からわかるように、実施例53および54におけるように陽イオン
/非イオンの混合分散剤とともに使用されようとあるいは実施例55および56にお
けるように非イオン分散剤とともに使用されようとも、「ZELCON」に「UCON」を
加えたものは耐久性コーティングを与えた。
実施例 57〜61
実施例1の手順を用いて以下の組成物を調製し、そして実施例2に記載のよう
に試験した。
* 各々の場合、最初の分散液を添加した後、0.3gの「POLYWET」Aを100gの
浴に添加した。
このデータから、平均分子量が2000のポリプロピレングリコールは有効である
が、平均分子量が1000のものは有効性がより低いことがわかる。また「UCON」38
5は平均分子量が2000のポリプロピレングリコールより性能が良いこともわかる
。
実施例 62〜66
実施例1および2の手順を用いて以下の組成物を調製し、そして実施例2に記
載のように試験した。下記の適用試験においては異なる2つの適用量を試験した
。表18のA欄では使用した処理浴は1.25%の固形物を含有した。表18のB欄では
使用した処理浴は2.5%の固形物を含有した。
注1 このポリマーは「ZELCON」PGに相当するが、ただし成分10モル%をポリ
エチレングリコールメチルエーテル(分子量950)で置き換えた。
上記の表は施用浴中の装填量を増加することによる効果を示した。実施例63は
非イオン界面活性剤(「MERPOL」SEおよびA)および陰イオン界面活性剤(「AL
KANOL」XC)を含有する界面活性剤混合物を用いた結果が満足なことを示した。
実施例65および66では、分子量(MW)のより小
さいポリプロピレンオキサイドポリマー(「UCON」LB 625の分子量が1550であるの
に対して平均分子量がそれぞれ1420および1200である)を使用すると結果が満足
であることが示された。
実施例 67
実施例1の手順を用いて以下の組成物を調製し、そして実施例2に記載のよう
に試験した。
上記の試料は、実施例67の組成物が使用されない対照試験に対して、スパンレ
ースト(span-laced)ポリエステル/木材パルプ複合布(デラウエア州、Wilmin
gtonのE.I.du Pont de Nemours & Co.から入手できる「SONTARA」)の吸上速度
を速くする薬剤として試験した。試験用布の巾1インチ(2.54cm)の細片の下端
を水中に浸漬しそして水が布に沿って垂直に上昇する時間を測定した。下記の結
果はそれぞれ2回の試験の平均である。
上記の試験から、本発明の組成物がポリエステル/木材パルプ複合布上の吸上
速度がほとんど2倍であることがわかった。
実施例 68〜72
実施例1の手順を用いて実施例68〜72の組成物を調製し、次いで下記に示すよ
うに水中に希釈しそして織られたポリエステル布にバッド処理した。試験に先立
ち、ポリエステル布を熱水(90℃)で清浄にし、乾燥し、次いで高温のジクロロ
メタンでさらに清浄にして仕上用化学物質をすべて除去した。実施例71〜72のも
のはエチルアセテート溶媒中に表示のポリマーを溶解してつくった。次にそれぞ
れをポリプロピレン布にパッド処理し、そして放置して周囲温度で乾燥してから
試験した。
上記の試験から、本発明の組成物がいろいろな布に対して有効でありまた有機
溶媒系からの適用が有効であることがわかった。
実施例 73〜78
実施例1の手順を用いて以下の組成物を調製した。実施例73〜74の組成物を下
記に示したように水中に希釈しそしてポリプロピレン布にパッド処理しそして試
験に先立って235°Fで2分間乾燥した。
注1:このポリマーは「ZELCON」PGに相当するが、ただし10モル%のポリエチ
レングリコールをポリエチレングリコールメチルエーテル(分子量950)によっ
て置き換えた。
パッド処理操作でのこの布の測定された水分含浸量が約82%であることに基づ
くと、浴の固形物の濃度が0.36%であるのは.、布の重量に基づき0.30%の固形
物を適用したことに相当する。これにより親水特性が改善されてはいるが水濡れ
性が完全でない布が得られた。浴の濃度が0.72%(布の重量に基づく適用水準0.
59%に相当する)またはそれ以上であると、水濡れ性のある表面が得られた。適
用量をさらに増加すると一層大きい耐久性が得られた。適用上限は実行可能性に
基づくことになる。
実施例 79
実施例1の手順を用いて以下の組成物を調製した。実施例番号のものを下記す
るように水中に希釈しそしてフラッシュスパン(flash spun)ポリエチレン布(
E.I.du Pont de Nemours and Companyの製品、「TYVEK」)にパッド処理しそし
て試験に先立って200°F(93℃)で乾燥した。
パッド処理操作でのこの布の測定された水分含浸量が33〜50%であることに基
づくと、浴の固形物の濃度が3.6%であるのは、布の重量に基づき1.8%の固形物
を適用したことに相当した。これにより水濡れ性はあるが、急速には濡れない布
が得られた。さらに水洗いした後、少量の物質が除去され、その結果、布には水
濡れ性がなかったが、それでもなお親水性の改善が示された。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年6月30日
【補正内容】
請求の範囲
1.1)反復するポリオキシエチレンジエステルおよびポリアルキレンジエステ
ルの部分を有する親水性コポリエステルと、2)4つより多くのプロピレンオキ
サイド単位を有し平均分子量が少なくとも約300である、一端または両端がアル
キル基またはエステル基でキャップされているポリプロピレンオキサイドポリマ
ーとの水性分散液からなる組成物。
2.1)有機溶媒、2)反復するポリオキシエチレンジエステルおよびポリアル
キレンジエステルの部分を有する親水性コポリエステルおよび3)4つより多く
のプロピレンオキサイド単位を有し平均分子量が少なくとも約300である、一端
または両端がアルキル基またはエステル基でキャップされているポリプロピレン
オキサイドポリマーの混合物からなる組成物。
3.1)反復するポリオキシエチレンジエステルおよびポリアルキレンジエステ
ルの部分を有する親水性コポリエステルと、2)平均分子量が1100より大きいポ
リプロピレングリコールとの水性分散液からからなる請求項1記載の組成物。
4.1)有機溶媒、2)反復するポリオキシエチレンジエステルおよびポリアル
キレンジエステルの部分を有する親水性コポリエステルおよび3)平均分子量が
1100より大きいポリプロピレングリコールの混合物からなる請求項2記載の組成
物。
5.濡らし剤、分散剤、界面活性剤またはこれらの混合物をさらに含む請求項1
、2、3または4に記載の組成物。
6.親水性コポリエステルが、少なくとも3つのヒドロキシ基を含む少なくとも
1つのポリオール、または少なくとも1つのポリオキシエチ
レングリコールあるいはこれらの混合物との反応により、変性されていて、後反
応体の反復単位を1〜40重量%有するコポリエステルが生成される、請求項1、
2、3または4に記載の組成物。
7.ポリエステル、ポリプロピレンまたはポリエチレンの布または繊維の表面に
、請求項1、2、3または4に記載の組成物の有効量を適用することからなる、
これらの布または繊維に耐久性の親水性コーティングを付与する方法。
8.ポリエステル、ポリプロピレンまたはポリエチレンの布または繊維の表面に
、請求項6記載の組成物の有効量を適用することからなる、これらの布または繊
維に耐久性の親水性コーティングを付与する方法。
9.ポリエステル、ポリプロピレンまたはポリエチレンの布または繊維の表面に
、1)ポリビニルアルコールと、4つより多くのプロピレンオキサイド単位を有
し平均分子量が少なくとも約300である、一端または両端がアルキル基またはエ
ステル基でキャップされているポリプロピレンオキサイドポリマーとの水性分散
液、2)ポリアクリルアミドと、4つより多くのポリプロピレンオキサイド単位
を有し平均分子量が少なくとも約300である、一端または両端がアルキル基また
はエステル基でキャップされているポリプロピレンオキサイドポリマーとの水性
分散液、3)ポリビニルアルコールと平均分子量が1100より大きいポリプロピレ
ングリコールとの混合物、そして4)ポリアクリルアミドと平均分子量が1100よ
り大きいポリプロピレングリコールとの混合物からなる群から選択される少なく
とも1つの組成物の有効量を適用することからなる、これらの布または繊維に耐
久性の親水性コーティングを付与する方法。
10.請求項1、2、3または4に記載の組成物を表面に適用した、ポリエステル
、ポリエチレンまたはポリプロピレンの織布または不織布または繊維。
11.請求項6に記載の組成物を表面に適用した、ポリエステル、ポリエチレンま
たはポリプロピレンの織布または不織布または繊維。
12.1)ポリビニルアルコールと、4つより多くのプロピレンオキサイド単位を
有し平均分子量が少なくとも約300である、一端または両端がアルキル基または
エステル基でキャップされているポリプロピレンオキサイドポリマーとの水性分
散液、2)ポリアクリルアミドと、4つより多くのポリプロピレンオキサイド単
位を有し平均分子量が少なくとも約300である、一端または両端がアルキル基ま
たはエステル基でキャップされているポリプロピレンオキサイドポリマーとの水
性分散液、3)ポリビニルアルコールと平均分子量が1100より大きいポリプロピ
レングリコールとの混合物、そして4)ポリアクリルアミドと平均分子量が1100
より大きいポリプロピレングリコールとの混合物からなる群から選択される少な
くとも1つの組成物を表面に適用した、ポリエステル、ポリエチレンまたはポリ
プロピレンの織布または不織布または繊維。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C08G 65/08