JP2695557B2 - 共重合ポリエステル、その製造方法および該共重合ポリエステルの用途 - Google Patents

共重合ポリエステル、その製造方法および該共重合ポリエステルの用途

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な共重合ポリエステ
ル、該共重合ポリエステルの製造方法、該共重合ポリエ
ステルからなる繊維および該繊維よりなる布帛に関す
る。
【0002】本発明の共重合ポリエステルは、高い表面
濡れ易さを有する。本発明の共重合ポリエステルからな
る繊維は、該共重合ポリエステルが有する高い表面濡れ
易さに由来して、不織布などの布帛のごとき集合体の形
態で高い吸水性および保水性を発揮し、しかも洗濯など
の処理にかかわらず高い吸水性および保水性を長期にわ
たって維持することができる。
【0003】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート繊維に代表
されるポリエステル繊維は、イージーケア性をはじめ多
くの優れた特性を有しており、種々の用途に広く用いら
れているが、一方で疎水性であるため、木綿をはじめと
する天然繊維と比較して吸水性が著しく劣り、吸水性が
要求される分野での利用が大きく制限されている。
【0004】従来より、この問題を解決するためにポリ
エステル繊維に親水性または吸水性を付与しようとする
試みがなされてきたが、大部分は繊維形状の工夫や後加
工によるものである。例えば高い吸水性と保水性が要求
される不織布用途においては、繊維表面への親水化剤の
コーティングや、ポリオキシアルキレングリコール、ス
ルホン酸金属塩誘導体などの親水化剤を紡糸時にポリエ
ステル中に練り込むことが行われている。その中には効
果の認められるものもあるが、添加工程および使用時に
これらの親水化剤の脱落や溶出のおそれがあり、長期に
わたっての効果は期待できない。また脱落や溶出した親
水化剤の人体に対する安全性も未知の部分があるため、
実用上、用途がかなり限定される。
【0005】一方、親水性が付与されたポリエステルを
得る目的におけるポリマー自身の改質方法としては、ポ
リオキシエチレングリコールを共重合することが知られ
ているが、その効果は比較的小さいものにとどまってい
る。ポリマー自身の改質によってポリエステルの欠点を
改良する他の方法として、グラフト状構造を有する重合
体、即ち側鎖にポリオキシアルキレングリコール構造を
有する共重合ポリエステルについて報告がなされてい
る。
【0006】例えば、特公昭48−8270号公報およ
び特公昭49−12915号公報によれば、式
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R1はアルキレン基を表し、R2
よびR3はそれぞれアルキル基または芳香族基を表し、
m1およびm2はそれぞれ1〜200の整数を表す)
【0009】で示されるコモノマーを用いることによっ
て、吸湿性の改良された改質ポリエステルが得られると
されている。
【0010】また特開昭64−9263号公報によれ
ば、式
【0011】
【化5】
【0012】(式中、A1は芳香族基を表し、R4および
5はそれぞれエステル形成性基を表し、M1は金属原子
を表す)
【0013】で示される金属スルホネート基含有化合物
と、式
【0014】
【化6】
【0015】または式
【0016】
【化7】
【0017】(式中、A2、A3およびA4はそれぞれ脂
肪族または芳香族炭化水素基を表し、P1、P2およびP
3はそれぞれ式 [(OC24a(OC36bm4 (式中、a、bおよびm4はそれぞれ1≦a≦200、
0≦b<aおよび1≦m4を満足する整数を表す)で示
されるポリオキシアルキレン基を表し、R6、R8および
9はそれぞれ炭化水素基を表し、R7はアルキレン基を
表し、m3は1以上の整数を表す)
【0018】で示される側鎖状ポリアルキレングリコー
ル誘導体とを主成分とする分子量2000〜10000
の変性ポリエステル縮合体を、主としてアルキレンテレ
フタレート単位よりなるポリエステルに配合することに
より得られるポリエステル組成物は、制電性に優れると
され、また比較的高い吸湿性データを示している。
【0019】また特開平1−234420号公報および
特開平1−236236号公報によれば、式
【0020】
【化8】
【0021】(式中、R10は炭化水素基を表し、R11
アルキレン基を表し、m5は30〜140の整数を表
す)
【0022】で示されるコモノマーまたは式
【0023】
【化9】
【0024】(式中、R10、R11およびm5は前記定義
のとおりである)で示されるコモノマーを用いて得られ
た共重合ポリエステルが吸湿性および熱伝導性に優れ、
繊維になした際に大きな冷涼感を呈するとされている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らが、不織布
などの布帛のごとき繊維集合体における吸水性および保
水性の観点から、上記各種のポリオキシアルキレン型側
鎖含有共重合ポリエステルの性能を評価したところ、特
公昭48−8270号公報および特公昭49−1291
5号公報に記載された改質ポリエステルでは、コモノマ
ーが有する2個の水酸基がいずれも反応性に乏しいとさ
れる2級水酸基であるためか、改質ポリエステルの製造
において使用したコモノマーの多くがポリエステル分子
中に組み込まれることなく、ポリエステル樹脂中に分散
して存在していることが判明した。従って、該改質ポリ
エステルからなる繊維の集合体では、洗濯または使用に
伴って樹脂中に分散しているコモノマーが溶出するもの
と予想され、吸水性の長期にわたる保持は期待されな
い。さらに、特開昭64−9263号公報に具体的に記
載されたポリエステル組成物では吸湿率の改善がある程
度認められるものの、十分な吸水性および保水性が達成
されないことが判明した。また特開平1−234420
号公報および特開平1−236236号公報に具体的に
記載された共重合ポリエステルでも、いずれも必ずしも
十分な吸水性および保水性を発揮しえないことが判明し
た。
【0026】しかして本発明の目的の1つは、布帛のご
とき繊維集合体の形態で高い吸水性および保水性を発揮
しうる、新規な共重合ポリエステルを提供することにあ
る。本発明の他の目的は、該新規な共重合ポリエステル
の製造方法を提供することにある。本発明の他の目的
は、集合体の形態で高い吸水性および保水性を洗濯また
は使用にかかわらず長期にわたって発揮しうる、新規な
繊維を提供することにある。また本発明のさらに他の目
的は、高い吸水性および保水性を長期にわたって発揮し
うる、新規な布帛を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のコモノマー
を共重合させたポリエステルが上記の目的を達成しうる
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0028】上記の本発明の目的の一つは、主としてジ
カルボン酸単位、ジオール単位、一般式
【0029】
【化10】
【0030】[式中、xおよびyはそれぞれ0または1
を表し、Zは式 −O−(R2−O)n1−R1 (式中、R1は炭素数1〜18の炭化水素基を表し、R2
はアルキレン基を表し、n1は平均重合度を表す10〜
100の数である)で示される1価の基を表す]
【0031】で示される構造単位、一般式
【0032】 −O−(R3−O)n2− (II)
【0033】(式中、R3はアルキレン基を表し、n2
は平均重合度を表す10〜100の数である)
【0034】で示される構造単位、および一般式
【0035】
【化11】
【0036】(式中、Arは3価の芳香族基を表し、M
は金属原子を表す)
【0037】で示される構造単位からなり、一般式
(I)で示される構造単位および一般式(II)で示され
る構造単位の含有率がそれぞれ1〜49重量%であり、
一般式(I)で示される構造単位および一般式(II)で
示される構造単位の含有率の合計が2〜50重量%であ
り、一般式(III)で示される構造単位の含有率が、該共
重合ポリエステルを構成する全酸成分に対して0.5〜
10モル%であり、かつフェノールとテトラクロロエタ
ンの等重量混合溶媒中での30℃における極限粘度が
0.5dl/g以上である共重合ポリエステル(以下、
かかる共重合ポリエステルを共重合ポリエステル(P)
と称する場合がある)を提供することにより達成され
る。上記の本発明の他の目的は、ジカルボン酸またはそ
のエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル
形成性誘導体とを反応させてポリエステルを製造するに
際し、他のモノマーとして、一般式
【0038】 Z−A (IV)
【0039】(式中、Aはエステル形成性官能基を有す
る有機基を表し、Zは前記定義のとおりである)
【0040】で示される側鎖型ポリオキシアルキレン基
含有コモノマー、一般式
【0041】 HO−(R3−O)n2−H (V)
【0042】(式中、R3およびn2は前記定義のとお
りである)
【0043】で示される主鎖型ポリオキシアルキレン基
含有コモノマーおよび一般式
【0044】
【化12】
【0045】(式中、R4およびR5はそれぞれ水素原子
または低級アルキル基を表し、ArおよびMは前記定義
のとおりである)
【0046】で示される金属スルホネート基含有コモノ
マーを反応させ、かつフェノールとテトラクロロエタン
の等重量混合溶媒中での30℃における生成ポリエステ
ルの極限粘度が0.5dl/g以上となるまで重縮合反
応を行うことを特徴とする共重合ポリエステル(かかる
共重合ポリエステルは上記共重合ポリエステル(P)を
包含する)の製造方法を提供することにより達成され
る。上記の本発明の他の目的は、該共重合ポリエステル
(P)からなる繊維を提供することにより達成される。
また上記の本発明のさらに他の目的は、該繊維からなる
布帛を提供することにより達成される。
【0047】本発明の共重合ポリエステル(P)の必須
の構造単位の1つであるジカルボン酸単位は、ジカルボ
ン酸の分子から2個のカルボキシル基中の2個の水酸基
を除いた形の構造単位であり、一般式
【0048】
【化13】
【0049】(式中、R4は2価の有機基を表す)
【0050】で示される。R4で表される2価の有機基
としては、例えばp−フェニレン基、m−フェニレン
基、ナフタレンジイル基、(ビフェニル)ジイル基など
の2価の芳香族炭化水素基;オクタメチレン基、テトラ
メチレン基などの2価の脂肪族炭化水素基;1,4−シ
クロヘキシル基などの2価の脂環式炭化水素基などの2
価の炭化水素基などが挙げられる。本発明の共重合ポリ
エステル(P)中に含まれるジカルボン酸単位は、1種
のみであっても、また2種以上であってもよいが、繊維
用途において要求される優れた機械的性能を有する共重
合ポリエステルが得られる点から、ジカルボン酸単位の
70モル%以上はテレフタロイル基であることが望まし
い。
【0051】本発明の共重合ポリエステル(P)の必須
の構造単位の1つであるジオール単位は、ジオールの分
子から2個の水酸基中の2個の水素原子を除いた形の構
造単位であり、一般式
【0052】−O−R5−O−
【0053】(式中、R5は2価の有機基を表す)
【0054】で示される。R5で示される2価の有機基
としては、例えばエチレン基、トリメチレン基、ペンタ
メチレン基、ヘキサメチレン基、2,2−ジメチルトリ
メチレン基、3−メチルペンタメチレン基、ノナメチレ
ン基、2−メチルオクタメチレン基などの2価の脂肪族
炭化水素基;ジメチルシクロヘキサン−α,α’−ジイ
ル基などの2価の脂環式炭化水素基;2,2−ジフェニ
ルプロパン−4’,4”−ジイル基、ジフェニルスルホ
ン−4,4’−ジイル基などの2価の芳香族基などが挙
げられる。本発明の共重合ポリエステル(P)中に含ま
れるジオール単位は1種のみであっても、また2種以上
であってもよいが、繊維用途において要求される優れた
機械的性能を有する共重合ポリエステルが得られる点か
ら、ジオール単位の70モル%以上は、エチレンジオキ
シ基、トリメチレンジオキシ基、テトラメチレンジオキ
シ基、ペンタメチレンジオキシ基、およびヘキサメチレ
ンジオキシ基のごとき、炭素数2〜6の直鎖状アルキレ
ングリコールの分子から2個の水酸基中の2個の水素原
子を除いた形の2価の構造単位であることが望ましい。
【0055】本発明の共重合ポリエステル(P)の必須
の構造単位の1つである一般式(I)で示される構造単位
は、一般式
【0056】
【化14】
【0057】(式中、Zは前記定義のとおりである)
【0058】で示される構造単位、一般式
【0059】
【化15】
【0060】(式中、Zは前記定義のとおりである)
【0061】で示される構造単位、一般式
【0062】
【化16】
【0063】(式中、Zは前記定義のとおりである)
【0064】で示される構造単位などを包含する。一般
式(I)で示される構造単位は通常、それら同士または
前記ジカルボン酸単位、ジオール単位等の他の構造単位
との間で、エステル結合(−CO−O−)またはエーテ
ル結合(−O−)を形成して本発明の共重合ポリエステ
ル(P)の主鎖中に組み込まれ、側鎖型ポリオキシアル
キレン構造をなしている。基Zを表す一般式中のR1
表す炭素数1〜18の炭化水素基としては、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
n−ペンチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n
−ドデシル、n−ステアリルなどの炭素数1〜18のア
ルキル基;シクロヘキシルなどの炭素数3〜18のシク
ロアルキル基;フェニル、ノニルフェニルなどの炭素数
6〜18のアリール基などが好ましい。炭化水素基R1
の炭素数が19以上である場合には、表面濡れ易さに優
れ、吸水性および保水性に優れる繊維集合体を与える共
重合ポリエステルが得られない。また基Zを表す一般式
中のR2が表すアルキレン基としてはエチレン基、プロ
ピレン基等の炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、
得られる共重合ポリエステルの表面濡れ易さならびにそ
れから得られる繊維集合体の吸水性および保水性の高さ
の点から、エチレン基がより好ましい。R2としてエチ
レン基とプロピレン基との組合せのように複数種のアル
キレン基が同時に存在してもよい。基Zを表す一般式中
のn1はポリオキシアルキレン部分の平均重合度を表す
数であり、10〜100の範囲内の数である。n1が1
0未満の数である場合には表面濡れ易さに優れ、吸水性
および保水性に優れる繊維集合体を与える共重合ポリエ
ステルが得られない。またn1が100を越える数であ
る場合には、n1が10〜100の範囲内の数である場
合に達成される効果以上の効果はもはや達成されず、む
しろ得られる共重合ポリエステルに着色が生じ易くなる
ので好ましくない。表面濡れ易さにとくに優れ、吸水性
および保水性にとくに優れる繊維集合体を与える共重合
ポリエステルが、着色などの不都合を極力抑制して取得
されることからn1の値は20〜90の範囲内の数であ
ることが望ましい。
【0065】本発明の共重合ポリエステル(P)の必須
の構造単位の1つである一般式(II)で示される構造単
位は、通常前記ジカルボン酸単位または一般式(III)で
示される構造単位との間でエステル結合を形成して本発
明の共重合ポリエステル(P)の主鎖中に組み込まれ、
主鎖型ポリオキシアルキレン構造をなしている。一般式
(II)中のR3が表すアルキレン基としてはエチレン基、
プロピレン基等の炭素数2〜4のアルキレン基が好まし
く、得られる共重合ポリエステルの表面濡れ易さならび
にそれから得られる繊維集合体の吸水性および保水性の
高さの点から、エチレン基がより好ましい。R3として
エチレン基とプロピレン基との組合せのように複数種の
アルキレン基が同時に存在してもよい。一般式(II)中
のn2はポリオキシアルキレン部分の平均重合度を表す
数であり、10〜100の範囲内の数である。n2が1
00を超える数である場合には、n2が10〜100の
範囲内の数である場合に達成される表面濡れ易さの向上
効果以上の効果はもはや達成されず、むしろ得られる共
重合ポリエステルに着色が生じ易くなるので好ましくな
い。表面濡れ易さにとくに優れ、吸水性および保水性に
とくに優れる繊維集合体を与える共重合ポリエステルが
着色などの不都合を極力抑制して取得されることから、
n2の値は20〜90の範囲内の数であることが望まし
い。
【0066】本発明の共重合ポリエステル(P)に含ま
れる一般式(I)で示される構造単位および一般式(I
I)で示される構造単位は、それぞれ1種のみであって
も、また2種以上であってもよいが、一般式(I)で示
される構造単位および(II)で示される構造単位の含有
率がそれぞれ1〜49重量%の範囲内となる量であり、
かつ一般式(I)で示される構造単位および一般式(I
I)で示される構造単位の含有率の合計が共重合ポリエス
テルに対して2〜50重量%の範囲内であることが必要
であり、3〜40重量%の範囲内が好ましく、なかでも
5〜30重量%の範囲内が特に好ましい。含有率の合計
が2重量%未満の場合には、得られる共重合ポリエステ
ルの表面濡れ性が不十分となるおそれがあり、また50
重量%を超える場合には、得られる共重合ポリエステル
の強度などの機械的性能が低下するおそれがある。
【0067】本発明の共重合ポリエステルの必須の構造
単位の1つである一般式(III)で示される構造単位
は、通常前記ジオール単位、一般式(I)で示される構
造単位または一般式(II)で示される構造単位との間で
エステル結合を形成して本発明の共重合ポリエステルの
主鎖中に組み込まれている。一般式(III)中のArは
3価の芳香族基を表し、1,3,5−ベンゼントリイル
基、1,2,3−ベンゼントリイル基、1,2,4−ベ
ンゼントリイル基などのベンゼントリイル基;1,3,
6−ナフタレントリイル基、1,3,7−ナフタレント
リイル基、1,4,5−ナフタレントリイル基、1,
4,6−ナフタレントリイル基などのナフタレントリイ
ル基などが挙げられる。またMは金属原子を表し、リチ
ウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属が好ま
しい。
【0068】本発明の共重合ポリエステル(P)に含ま
れる一般式(III)で示される構造単位はそれぞれ1種の
みであっても、また2種以上であってもよいが、一般式
(III)で示される構造単位の含有率は該共重合ポリエ
ステルに含有される全酸成分[すなわち、主として上記
ジカルボン酸単位および一般式(III)で示される構造
単位]の中で0.5〜10モル%の範囲内となる量であ
ることが必要であり、1〜7モル%の範囲内となる量が
好ましい。一般式(III)で示される構造単位の含有率が
0.5モル%未満では、得られる共重合ポリエステルの
表面濡れ性が不十分になるおそれがあり、また10モル
%を越える場合には、一般式(III)で示される構造単
位中の金属スルホネート成分のイオン間相互作用により
重縮合反応中に増粘が起こり、生成ポリエステルが所望
の極限粘度を有するようになるまで重縮合反応を継続す
ることが困難になるおそれがある。
【0069】一般式(I)で示される構造単位および一
般式(II)で示される構造単位の含有率と一般式(II
I)示される構造単位の含有率の相対割合については、
生成する共重合ポリエステル基準での一般式(I)で示
される構造単位および一般式(II)で示される構造単位
の占める重量百分率の合計をY0(重量%)で表し、含
有される全酸成分基準での一般式(III)で示される構
造単位の占めるモル百分率をZ0(モル%)で表す場
合、Y0/Z0の値が2〜30の範囲内であることが、表
面濡れ性および機械的特性の両方が特に高められた共重
合ポリエステルが得られることから好ましい。
【0070】本発明の共重合ポリエステル(P)は、主
として、上記のごときジカルボン酸単位、ジオール単
位、一般式(I)で示される構造単位、一般式(II)で
示される構造単位および一般式(III)で示される構造
単位からなるが、他の構造単位を、本発明の作用・効果
が失われない程度の少量で有していてもよい。かかる任
意に有してもよい構造単位としては、式
【0071】
【化17】
【0072】で示されるp−オキシ安息香酸単位、式
【0073】
【化18】
【0074】で示されるp−(β−オキシエトキシ)安
息香酸単位などの、ヒドロキシカルボン酸の分子からカ
ルボキシル基中の水酸基およびフェノール性またはアル
コール性の水酸基中の水素原子を除いた形の2価の構造
単位であるヒドロキシカルボン酸単位;式
【0075】
【化19】
【0076】で示されるグリセリン単位;式
【0077】
【化20】
【0078】で示されるトリメチロールプロパン単位な
どの、トリオールの分子から3個の水酸基中の3個の水
素原子を除いた形の3価の構造単位であるトリオール単
位;式
【0079】
【化21】
【0080】で示されるペンタエリスリトール単位など
の、テトラオールの分子から4個の水酸基中の4個の水
素原子を除いた形の4価の構造単位であるテトラオール
単位;式
【0081】
【化22】
【0082】で示されるトリメリット酸単位;式
【0083】
【化23】
【0084】で示されるトリメシン酸単位などの、トリ
カルボン酸の分子から3個のカルボキシル基中の3個の
水酸基を除いた形の3価の構造単位であるトリカルボン
酸単位;式
【0085】
【化24】
【0086】で示されるピロメリット酸単位などの、テ
トラカルボン酸の分子から4個のカルボキシル基中の4
個の水酸基を除いた形の4価の構造単位であるテトラカ
ルボン酸単位などが例示される。
【0087】本発明の共重合ポリエステル(P)におい
ては、フェノールとテトラクロロエタンの等重量混合溶
媒中、30℃で測定した極限粘度が0.5dl/g以上
である。極限粘度が0.5dl/g未満の共重合ポリエ
ステルでは、強度などの機械的性能が不十分となり、ま
た溶融紡糸に付した場合における断糸が著しくなる。一
方、極限粘度が大き過ぎる共重合ポリエステルでは、溶
融粘度が大きくなり過ぎて紡糸性が不良となるおそれが
あるので、機械的性能が特に良好となり、また繊維化工
程上のトラブルを少なくしうる点から、共重合ポリエス
テルの極限粘度は0.55〜1.5dl/gの範囲内、
とりわけ0.6〜1.0dl/gの範囲内であることが
好ましい。
【0088】本発明の共重合ポリエステル(P)は、例
えば特公昭43−19037号公報、特開平1−234
420号公報、特開平1−236236号公報などに記
載されている公知の方法に準じてジカルボン酸またはそ
のエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル
形成性誘導体とを反応させてポリエステルを製造するに
際し、さらに他のモノマーとして、前記一般式(IV)で
示される側鎖型ポリオキシアルキレン基含有コモノマ
ー、前記一般式(V)で示される主鎖型ポリオキシアル
キレン基含有コモノマーおよび前記一般式(VI)で示され
る金属スルホネート基含有コモノマーのそれぞれの所望
量を反応させ、かつフェノールとテトラクロロエタンの
等重量混合溶媒中の30℃における生成ポリエステルの
極限粘度が0.5dl/g以上の所望の値となるまで重
縮合反応を行うことによって製造される。
【0089】上記ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ
ルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;
セバシン酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸など
が挙げられる。ジカルボン酸のエステル形成性誘導体と
しては、上記例示のジカルボン酸のジメチルエステル、
ジエチルエステルなどの低級アルキルエステルなどが挙
げられる。また上記ジオールとしては、エチレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ−ル、1,
9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジ
オールなどの脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサン
ジメタノ−ルなどの脂環式ジオール;2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4´−スルホニ
ルビスフェノ−ルなどの芳香族ジオールなどが挙げられ
る。ジオールのエステル形成性誘導体としては、エチレ
ンオキシドなどが挙げられる。
【0090】上記一般式(IV)中のAで表されるエステ
ル形成性官能基を有する有機基の好ましい例として次の
ような構造の有機基が挙げられる。
【0091】グリシジル基:
【0092】
【化25】
【0093】2,3−ジヒドロキシプロピル基:
【0094】
【化26】
【0095】かかる一般式(IV)で示されるコモノマー
としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール−メ
チル−グリシジルエーテル、ポリオキシエチレングリコ
ール−メチル−2,3−ジヒドロキシプロピルエーテ
ル、ポリオキシエチレングリコール−エチル−グリシジ
ルエーテル、ポリオキシエチレングリコール−エチル−
2,3−ジヒドロキシプロピルエーテル、ポリオキシエ
チレングリコール−n−プロピル−グリシジルエーテ
ル、ポリオキシエチレングリコール−n−プロピル−
2,3−ジヒドロキシプロピルエーテル、ポリオキシエ
チレングリコール−t−ブチル−グリシジルエーテル、
ポリオキシエチレングリコール−t−ブチル−2,3−
ジヒドロキシプロピルエーテル、ポリオキシエチレング
リコール−n−オクチル−グリシジルエーテル、ポリオ
キシエチレングリコール−n−オクチル−2,3ージヒ
ドロキシプロピルエーテル、ポリオキシエチレングリコ
ール−2−エチルヘキシル−グリシジルエーテル、ポリ
オキシエチレングリコール−2−エチルヘキシル−2,
3−ジヒドロキシプロピルエーテル、ポリオキシエチレ
ングリコール−n−ドデシル−グリシジルエーテル、ポ
リオキシエチレングリコール−n−ドデシル−2,3−
ジヒドロキシプロピルエーテル、ポリオキシエチレング
リコール−n−ステアリルーグリシジルエーテル、ポリ
オキシエチレングリコール−n−ステアリル−2,3−
ジヒドロキシプロピルエーテル、ポリオキシエチレング
リコール−フェニル−グリシジルエーテル、ポリオキシ
エチレングリコール−フェニル−2,3−ジヒドロキシ
プロピルエーテル、ポリオキシエチレングリコール−ノ
ニルフェニル−グリシジルエーテル、ポリオキシエチレ
ングリコール−ノニルフェニル−2,3−ジヒドロキシ
プロピルエーテル、ポリオキシエチレングリコール−シ
クロヘキシル−グリシジルエーテル、ポリオキシエチレ
ングリコール−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロキシ
プロピルエ−テル、ポリオキシエチレングリコール/ポ
リオキシプロピレングリコール共重合体のメチル−グリ
シジルエーテル、ポリオキシエチレングリコール/ポリ
オキシプロピレングリコール共重合体のメチル−2,3
−ジヒドロキシプロピルエーテル、ポリオキシエチレン
グリコール/ポリオキシプロピレングリコール共重合体
のn−プロピル−グリシジルエーテル、ポリオキシエチ
レングリコール/ポリオキシプロピレングリコール共重
合体のn−プロピル−2,3−ジヒドロキシプロピルエ
ーテルなどから1種または2種以上を選択して使用する
ことができる。
【0096】上記一般式(V)で示されるコモノマーと
しては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリ
オキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリ
コール/ポリオキシプロピレングリコール共重合体など
から1種または2種以上を選択して使用することができ
る。
【0097】上記一般式(VI)中のR4およびR5でそれ
ぞれ表されることのある低級アルキル基としては、メチ
ル基、エチル基などが好ましい。かかる一般式(VI)で
示されるコモノマーとしては、例えば、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸ジメチルエステル、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸ジエチルエステル、5−カリウムスルホイソフタル
酸、5−カリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステ
ル、5−カリウムスルホイソフタル酸ジエチルエステ
ル、5−リチウムスルホイソフタル酸、5−リチウムス
ルホイソフタル酸ジメチルエステル、2−ナトリウムス
ルホテレフタル酸などの金属スルホン酸化されたベンゼ
ンジカルボン酸またはその低級アルキルエステル;4−
ナトリウムスルホ−2,7−ナフタレンジカルボン酸、
4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン
酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカル
ボン酸ジメチルエステル、6−ナトリウムスルホ−1,
4−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホ−
1,4−ナフタレンジカルボン酸などの金属スルホン酸
化されたナフタレンジカルボン酸またはその低級アルキ
ルエステルなどが挙げられる。
【0098】上記一般式(IV)で示されるコモノマー、
一般式(V)で示されるコモノマーおよび一般式(VI)
で示されるコモノマーは、それぞれ本発明の共重合ポリ
エステル(P)の分子中における一般式(I)で示され
る構造単位、一般式(II)で示される構造単位および一
般式(III)で示される構造単位を与える。
【0099】上記本発明の製造方法に従う共重合ポリエ
ステルの製造は、テレフタル酸などの所望のジカルボン
酸単位に対応するジカルボン酸と、エチレングリコール
などの所望のジオール単位に対応するジオールとを直接
エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルなどの
テレフタル酸の低級アルキルエステルのごとき所望のジ
カルボン酸単位に対応するジカルボン酸のエステル形成
性誘導体と、所望のジオール単位に対応するジオールと
をエステル交換反応させるか、または所望のジカルボン
酸単位に対応するジカルボン酸と、エチレンオキシドな
どのアルキレンオキシドとを反応させることからなる、
ジカルボン酸とジオールとのエステルまたはその低重合
体を生成させる第一段の反応と、次いでかかる生成物を
減圧下に加熱して所望の重合度になるまで重縮合させる
ことからなる第二段の反応において、一般式(IV)で示
されるコモノマー、一般式(V)で示されるコモノマー
および一般式(VI)で示されるコモノマーの所望量をそ
れぞれ、重縮合反応が完了するまでの任意の段階で、例
えば第一段階の反応開始前、反応中、反応終了後、第二
段階の反応中などの任意の段階で反応系に添加し、反応
させることによって行うことができる。
【0100】上記反応において、他のコモノマーを少量
添加してもよい。かかるコモノマーとしては、p−オキ
シ安息香酸、p−(β−オキシエトキシ)安息香酸など
のヒドロキシカルボン酸またはそのエステル形成性誘導
体;グリセリン、トリメチロールプロパンなどのトリオ
ール;ペンタエリスリトールなどのテトラオール;トリ
メリット酸、トリメシン酸などのトリカルボン酸または
そのエステル形成性誘導体;ピロメリット酸などのテト
ラカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体などが例
示される。また上記反応において、通常のポリエステル
を製造するうえで使用しうることが公知の触媒を用いる
ことが可能である。かかる触媒の例としては酢酸亜鉛、
炭酸亜鉛などの亜鉛化合物、酢酸マンガン、炭酸マンガ
ンなどのマンガン化合物、酢酸カルシウム、炭酸カルシ
ウムなどのカルシウム化合物、酢酸コバルト、炭酸コバ
ルトなどのコバルト化合物、酢酸バリウム、炭酸バリウ
ムなどのバリウム化合物などのエステル交換触媒;酸化
アンチモンなどのアンチモン化合物、酸化ゲルマニウム
などのゲルマニウム化合物、オルトチタン酸テトライソ
プロピル、蓚酸チタンカリウムなどの重縮合触媒などが
挙げられる。
【0101】本発明の共重合ポリエステル(P)には、
必要に応じて任意の添加剤、例えば着色防止剤、耐熱
剤、蛍光漂白剤、難燃剤、酸化防止剤、艶消剤、着色
剤、無機微粒子などが含まれていてもよい。
【0102】一般にポリオキシアルキレンは、空気中の
酸素により酸化され易いことが知られている。本発明の
共重合ポリエステル(P)においても、ポリオキシアル
キレン鎖部分が重縮合反応や溶融紡糸条件下のような高
温条件下において酸化されて、重合度低下や着色といっ
た不都合を生じるおそれがあるため、色調および機械的
性能の良好な共重合ポリエステルまたは繊維等の成形品
を得る目的においては、酸化防止剤の添加が好ましい。
酸化防止剤はその作用機構から連鎖開始阻害剤、ラジカ
ル連鎖禁止剤、過酸化物分解剤などに分類できるが、本
発明の共重合ポリエステル(P)に対しては、ラジカル
連鎖禁止剤に分類される酸化防止剤が効果の点で優れて
おり、中でもヒンダードフェノール系酸化防止剤が適し
ている。
【0103】ここでいうヒンダードフェノール系酸化防
止剤とは、そのフェノール性水酸基を有する炭素原子に
隣接する2個の炭素原子の両方または一方に立体障害性
置換基を有するフェノール系化合物である。ここでいう
立体障害性置換基としては、tert−ブチル基などの
第3アルキル基が最も好ましい。上記ヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤の好ましい具体例として、下記のごと
きヒンダードフェノール系化合物を挙げることができ
る。
【0104】
【化27】
【0105】
【化28】
【0106】
【化29】
【0107】
【化30】
【0108】
【化31】
【0109】上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤は
1種だけを用いても、また2種以上を併用してもよい。
さらに、上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤とほか
の酸化防止剤を併用してもよい。特にトリフェニルホス
ファイトなどのリン系酸化防止剤、ジラウリルチオジプ
ロピオネートなどの硫黄系酸化防止剤などの過酸化物分
解剤に分類される酸化防止剤などを併用した場合には、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤との相乗作用によ
り、より高い酸化防止効果が得られることがある。
【0110】この際、該ヒンダードフェノール系化合物
の使用量は、一般式(I)で示される構造単位および一
般式(II)で示される構造単位の合計に対して0.2〜
20重量%の範囲内となる量であることが好ましく、
0.5〜10重量%の範囲内となる量であることがより
好ましい。ヒンダードフェノール系化合物の添加量が
0.2重量%未満では得られる酸化防止効果が不十分と
なるおそれがあり、20重量%を越える場合には、もは
や得られる酸化防止効果の著しい向上は認められず、逆
に紡糸工程での単糸切れなどのトラブルを招くおそれが
あり、さらには得られる繊維の機械的性能が低下するお
それがある。
【0111】かかるヒンダードフェノール系化合物を前
記の共重合ポリエステル中に配合するには、前述した重
縮合反応が完了するまでまたは完了後の任意の段階で、
例えば第一段階の反応開始前、反応中、反応終了後、第
二段階の反応開始前、反応中、反応終了後などの任意の
段階で該ヒンダードフェノール系化合物を添加すればよ
い。
【0112】本発明の共重合ポリエステル(P)は、そ
のままで、または所望により上記のごときヒンダードフ
ェノール系酸化防止剤等の添加剤を配合した状態で、成
形に供することができる。本発明の共重合ポリエステル
(P)の成形法としては、格別の方法を採用する必要は
なく、通常のポリエステルと同様に溶融成形法が任意に
採用され、繊維、フィルム、シートなどの任意の形状の
成形物を得ることができる。例えば繊維になす場合、溶
融紡糸法を採用することができる。本発明の共重合ポリ
エステルからなる繊維は、使用するノズルの形状を選択
することによって円形;または三葉形、四葉形、五葉
形、六葉形、七葉形、八葉形などの多葉形やT形などの
異形の任意の断面形状を有することができ、中実繊維に
限られることなく中空繊維であってもよい。本発明の共
重合ポリエステル(P)からなる繊維は、紡糸原糸およ
びそれを延伸して得られる延伸糸を包含するが、延伸糸
を熱処理、捲縮、切断などの所望の後処理に付して得ら
れた繊維をも包含する。
【0113】本発明の共重合ポリエステルが有する高い
表面濡れ易さが繊維集合体における吸水性および保水性
に効果的に反映される点からは、繊維の比表面積が大き
いことが望ましい。かかる観点から、単繊維デニールは
5デニール以下であることが望ましく、また断面形状と
しては多葉形、T形などの凹部を有する断面形状である
ことが有利となる場合がある。また本発明の共重合ポリ
エステルからなる繊維としては、本発明の共重合ポリエ
ステルと他の樹脂とが組み合わせて使用されている、い
わゆる芯鞘構造または背腹構造の複合繊維であってもよ
いが、この場合本発明の共重合ポリエステルが繊維表面
の20%以上、とりわけ40%以上を占めることが本発
明の効果が有効に発現される点から好ましい。
【0114】本発明の共重合ポリエステル(P)からな
る繊維は、それ単独で不織布などの布帛のごとき繊維製
品とすることができるが、本発明の効果が失われない範
囲内であれば、他の繊維と混合して布帛のごとき繊維製
品としてもよい。
【0115】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。また、実施例中の各物性値は次の方法にしたがって
測定して得られた値である。
【0116】(1)ポリマーの極限粘度[η] フェノ−ルとテトラクロロエタンの等重量混合溶媒を用
い、対象となるポリマーの0.25g/dl、0.50
g/dlおよび1.0g/dlの3種の濃度の溶液につ
いて30℃の温度において測定した3種の還元粘度から
求めた。
【0117】(2)ポリマーの融点Tm メトラー社製TA−3000型DSC(示差走査熱量
計)を用いて、急冷非晶状態の試料に対し10℃/分の
昇温速度にて測定した。
【0118】(3)ポリマーの表面濡れ性 ポリマーの表面濡れ性は、ポリマーフィルムと水の接触
角により評価した。まず、試験片として使用するポリマ
ーフィルムの調製法は次のとおりである。すなわち、対
象となるポリマーのチップを120℃で12時間減圧乾
燥した後、280℃で5分間加熱溶解し、厚さ1mmの
ステンレス板、厚さ0.3mmのテフロン製シート、厚
さ0.2mmのテフロン製スペーサー、厚さ0.3mm
のテフロン製シートおよび厚さ1mmのステンレス板を
この順序で積層させてなる支持具の2枚のテフロン製シ
ートの間に挟んだ状態で、280℃で1分間プレスした
後、ただちに水冷式の冷却プレスを用いて1分間プレス
することによりポリマーフィルムを作製した。試験方法
は、ポリマーフィルムの試験片をアセトンで洗浄した後
風乾し、このフィルムを平面上に水平に置いて、フィル
ム上に接触径が約3mm以下になるように水を落とすこ
とによって形成された水滴のフィルムとの接触角を、協
和界面科学(株)製CA−DT型接触角計により測定し
た。
【0119】(4)吸水性 吸水性はポリマーを繊維化し、さらに不織布にした後、
水に対する吸液率と繰り返し吸液速度を求めることで評
価した。ポリマーを285℃にて円形ノズルで紡糸し、
75℃の温水中で延伸し熱固定した後機械捲縮をかけ、
ステアリルホスフェートのエチレンオキサイド付加物を
主成分とする油剤を0.1重量%になるように付与し、
150℃で10分間弛緩熱処理し、次いで51mmの長
さに切断して単糸デニール2.0の原綿を得た。次いで
かかる原綿に熱融着性繊維(鞘成分がポリエチレン成分
から形成されている(株)クラレ製ソフィットN−710
タイプ、2デニール、51mmのもの)を20重量%混
綿し、その後カードを通して目付約40g/m2のウェ
ブを作製し、その後5m/min.の速度で水流が30
kg/cm2の条件で水流絡合させた後風乾し、さらに
オートドライヤーにて150℃、1分間の条件で熱処理
することによって不織布を得た。このようにして得られ
た不織布を吸水性(初期性能)測定用試料とした。
【0120】吸水性測定用試料の洗濯処理は、JISL
0217に規定された洗い方における番号103法にし
たがって実施した。すなわち、40℃の水1リットルに
2gの割合で衣料用合成洗剤を添加、溶解し洗濯液とす
る。この洗濯液に浴比が1対30になるように試料およ
び必要に応じて負荷布を投入して家庭用洗濯機の運転を
開始する。5分間処理した後運転を止め、試料および負
荷布を遠心式脱水機で脱水し、次に洗濯液を常温の新し
い水に替えて同一の浴比で2分間濯ぎ洗いをした後脱水
する。再び2分間濯ぎ洗いを行い風乾させる。以上の操
作を合計10回繰り返すことによって10回洗濯後の吸
水性測定用試料を得た。
【0121】試験方法について説明すると、赤インクで
着色された水0.2gをプラスチック製の皿上に滴下
し、その上に5cm×5cmの吸水性測定用試料を置
き、1秒後に除去したときの試料が吸収した液の重量を
測定した。吸液率は、吸液した試料の重量(W)と吸液
前の試料の重量(W1)から下記式によって求めた。こ
の測定を10回繰り返して行い、これらの測定値の算術
平均値を吸液率とした。 吸液率(%)=[(W−W1)/W1]×100
【0122】また繰り返し吸液速度の測定は、5cm×
5cmの吸水性測定用試料を水面に落としたときに水が
試料全面に広がるまでの時間を測定して吸液速度とし
た。測定に供した試料を十分に乾燥し、その後同様の測
定および乾燥を繰り返し、合計10回行って得られた吸
液速度の値の算術平均値を繰り返し吸液速度とした。
【0123】実施例1〜5 テレフタル酸971.9g、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸40.2gおよびエチレングリコール750g
をエステル化反応器に仕込み、230℃で2.5kg/
cm2の圧力下で2時間エステル化反応を行った。次い
で得られた反応生成物をあらかじめ230℃に加熱して
ある重縮合器に移し、この系に式
【0124】
【化32】
【0125】で示される側鎖型ポリオキシアルキレン基
含有化合物と式 HO(CH2CH2O)45H で示される主鎖型ポリオキシアルキレン基含有化合物を
表1に示される量だけ添加し、さらにこれらのポリオキ
シアルキレン基含有化合物の合計量に対して5重量%の
量の1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロ
キシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリ
アジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン
(アメリカンサイアナミッド社製、サイアノックス17
90)、三酸化アンチモン0.4gおよび亜リン酸0.
12gを添加して重縮合反応系を調製した。重縮合反応
系の温度を230℃から280℃に45分かけて昇温し
つつ、徐々に0.1mmHgまで減圧にし、以後280
℃で系の溶融粘度が、極限粘度0.70dl/gのポリ
エチレンテレフタレートの280℃での溶融粘度にほぼ
一致する時点まで重縮合反応を継続することによって、
それぞれ対応する共重合ポリエステルを得た。得られた
各共重合ポリエステルについて、ポリマー物性、ポリマ
ーフィルムの表面濡れ性評価結果および不織布の吸水性
評価結果を表2に示す。
【0126】実施例6 実施例1において、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
40.2gの代わりに5−ナトリウムスルホイソフタル
酸ジメチル44.4gを用い、かつ1,3,5−トリス
(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル
ベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−
(1H,3H,5H)−トリオン(アメリカンサイアナ
ミッド社製、サイアノックス1790)の代わりにそれ
と同重量のペンタエリスチリル−テトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート](チバ・ガイギー社製、イルガノック
ス1010)を用いた以外は同様にして対応する共重合
ポリエステルを得た。得られた共重合ポリエステルにつ
いて、ポリマー物性、ポリマーフィルムの表面濡れ性評
価結果および不織布の吸水性評価結果を表2に示す。
【0127】実施例7〜14 実施例1において側鎖型ポリオキシアルキレン基含有化
合物として下記式で示される対応する側鎖型ポリオキシ
アルキレン基含有化合物をそれぞれ表1に示される量だ
け使用した以外は同様にしてそれぞれ対応する共重合ポ
リエステルを得た。 実施例7で使用したコモノマー:
【化33】 実施例8で使用したコモノマー:
【化34】 実施例9で使用したコモノマー:
【化35】 実施例10で使用したコモノマー:
【化36】 実施例11で使用したコモノマー:
【化37】 実施例12で使用したコモノマー:
【化38】 実施例13で使用したコモノマー:
【化39】 実施例14で使用したコモノマー:
【化40】 得られた各共重合ポリエステルについて、ポリマー物
性、ポリマーフィルムの表面濡れ性評価結果および不織
布の吸水性評価結果を表2に示す。
【0128】実施例15、16 実施例1において、主鎖型ポリオキシアルキレン基含有
化合物として下記式で示される対応する主鎖型ポリオキ
シアルキレン基含有化合物をそれぞれ表1に示される量
だけ使用した以外は同様にしてそれぞれ対応する共重合
ポリエステルを得た。 実施例15で使用したコモノマー:HO−(CH2CH2
O)20−H 実施例16で使用したコモノマー:HO−(CH2CH2
O)70−H 得られた各共重合ポリエステルについて、ポリマー物
性、ポリマーフィルムの表面濡れ性評価結果および不織
布の吸水性評価結果を表2に示す。
【0129】実施例17 実施例1においてテレフタル酸971.9gおよび5−
ナトリウムスルホイソフタル酸40.2gの代わりにそ
れぞれテレフタル酸986.8gおよび5−ナトリウム
スルホイソフタル酸16.1gを使用した以外は同様に
して対応する共重合ポリエステルを得た。得られた共重
合ポリエステルについて、ポリマー物性、ポリマーフィ
ルムの表面濡れ性評価結果および不織布の吸水性評価結
果を表2に示す。
【0130】実施例18 実施例1においてテレフタル酸971.9gおよび5−
ナトリウムスルホイソフタル酸40.2gの代わりにそ
れぞれテレフタル酸947.0gおよび5−ナトリウム
スルホイソフタル酸80.41gを使用した以外は同様
にして対応する共重合ポリエステルを得た。得られた共
重合ポリエステルについて、ポリマー物性、ポリマーフ
ィルムの表面濡れ性評価結果および不織布の吸水性評価
結果を表2に示す。
【0131】実施例19 実施例1において、側鎖型ポリオキシアルキレン基含有
化合物として、オキシエチレン単位およびオキシプロピ
レン単位の平均重合度がそれぞれ35および5であるポ
リオキシエチレングリコール/ポリオキシプロピレング
リコール共重合体のn−ブチル−グルシジルエーテル
を、得られるポリマーに対して10重量%となる量で用
いた以外は同様にして対応する共重合ポリエステルを得
た。得られた共重合ポリエステルについて、ポリマー物
性、ポリマーフィルムの表面濡れ性評価結果および不織
布の吸水性評価結果を表2に示す。
【0132】実施例20 実施例1において、主鎖型ポリオキシアルキレン基含有
化合物として、オキシエチレン単位およびオキシプロピ
レン単位の平均重合度がそれぞれ45および5であるポ
リオキシエチレングリコール/ポリオキシプロピレング
リコール共重合体を、得られるポリマーに対して10重
量%となる量で用いた以外は同様にして対応する共重合
ポリエステルを得た。得られた共重合ポリエステルにつ
いて、ポリマー物性、ポリマーフィルムの表面濡れ性評
価結果および不織布の吸水性評価結果を表2に示す。
【0133】実施例21 実施例1において、テレフタル酸971.9gの代わり
にテレフタル酸923.3gとイソフタル酸48.6g
の混合物を使用した以外は同様にして対応する共重合ポ
リエステルを得た。得られた共重合ポリエステルについ
て、ポリマー物性、ポリマーフィルムの表面濡れ性評価
結果および不織布の吸水性評価結果を表2に示す。
【0134】実施例22 実施例1において、エチレングリコール750gの代わ
りにエチレングリコール712.5gと1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール43.4gの混合物を使用した以
外は同様にして対応する共重合ポリエステルを得た。得
られた共重合ポリエステルについて、ポリマー物性、ポ
リマーフィルムの表面濡れ性評価結果および不織布の吸
水性評価結果を表2に示す。
【0135】
【表1】
【0136】
【表2】
【0137】比較例1 実施例1において、コモノマーを全く用いない以外は同
様にしてポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)
を得た。得られたポリエステルについて、ポリマー物
性、ポリマーフィルムの表面濡れ性評価結果および不織
布の吸水性評価結果を表4に示す。
【0138】比較例2 実施例1において、ポリオキシアルキレン基含有化合物
を全く用いない以外は同様にして共重合ポリエステルを
得た。得られた共重合ポリエステルについて、ポリマー
物性、ポリマーフィルムの表面濡れ性評価結果および不
織布の吸水性評価結果を表4に示す。
【0139】比較例3 実施例1において、側鎖型ポリオキシアルキレン基含有
化合物を用いない以外は同様にして共重合ポリエステル
を得た。得られた共重合ポリエステルについて、ポリマ
ー物性、ポリマーフィルムの表面濡れ性評価結果および
不織布の吸水性評価結果を表4に示す。
【0140】比較例4 実施例1において、主鎖型ポリオキシアルキレン基含有
化合物を用いない以外は同様にして共重合ポリエステル
を得た。得られた共重合ポリエステルについて、ポリマ
ー物性、ポリマーフィルムの表面濡れ性評価結果および
不織布の吸水性評価結果を表4に示す。
【0141】比較例5 実施例1において、テレフタル酸971.9gおよび5
−ナトリウムスルホイソフタル酸40.2gの代わりに
テレフタル酸996.8gのみを用いた以外は同様にし
て対応する共重合ポリエステルを得た。得られた共重合
ポリエステルについて、ポリマー物性、ポリマーフィル
ムの表面濡れ性評価結果および不織布の吸水性評価結果
を表4に示す。
【0142】比較例6、7 実施例1において側鎖型ポリオキシアルキレン基含有化
合物として下記式で示される側鎖型ポリオキシアルキレ
ン基含有化合物を表3に示される量だけ使用した以外は
同様にしてそれぞれ対応する共重合ポリエステルを得
た。 比較例6で使用したコモノマー:
【化41】 比較例7で使用したコモノマー:
【化42】 得られた各共重合ポリエステルについて、ポリマー物
性、ポリマーフィルムの表面濡れ性評価結果および不織
布の吸水性評価結果を表4に示す。なお比較例7では、
得られた共重合ポリエステルの着色が著しかった。
【0143】比較例8、9 実施例1において、主鎖型ポリオキシアルキレン基含有
化合物として下記式で示される主鎖型ポリオキシアルキ
レン基含有化合物を表3に示される量だけ使用した以外
は同様にしてそれぞれ対応する共重合ポリエステルを得
た。 比較例8で使用したコモノマ−:HO−(CH2CH
2O)5−H 比較例9で使用したコモノマー: HO−(CH2CH2O)200−H 得られた各共重合ポリエステルについて、ポリマー物
性、ポリマーフィルムの表面濡れ性評価結果および不織
布の吸水性評価結果を表4に示す。なお比較例9では、
得られた共重合ポリエステルの着色が著しかった。
【0144】
【表3】
【0145】
【表4】
【0146】比較例10 実施例1においてテレフタル酸971.9gおよび5−
ナトリウムスルホイソフタル酸40.2gの代わりにそ
れぞれテレフタル酸917.1gおよび5−ナトリウム
スルホイソフタル酸128.7gを使用した以外は同様
にして対応する共重合ポリエステルを得た。得られた共
重合ポリエステルの[η]は0.41dl/gであっ
た。この共重合ポリエステルの繊維化を行ったところ、
紡糸時において繊維の切断が多発し、さらに得られた紡
糸原糸の延伸性も不良であったので、不織布としての評
価に至らなかった。
【0147】
【発明の効果】本発明により提供される共重合ポリエス
テルは高い表面濡れ易さを有し、繊維になした際に不織
布などの布帛のごとき繊維集合体の形態で、優れた吸水
性および保水性を発揮し、しかも洗濯などの処理にもか
かわらずこれらの吸水性および保水性を長期にわたって
維持することができる。また本発明の製造方法によれ
ば、かかる優れた性能を有する共重合ポリエステルを製
造することが可能である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として、ジカルボン酸単位、ジオール
    単位、一般式 【化1】 [式中、xおよびyはそれぞれ0または1を表し、Zは
    式 −O−(R2−O)n1−R1 (式中、R1は炭素数1〜18の炭化水素基を表し、R2
    はアルキレン基を表し、n1は平均重合度を表す10〜
    100の数である)で示される1価の基を表す]で示さ
    れる構造単位、一般式 −O−(R3−O)n2− (II) (式中、R3はアルキレン基を表し、n2は平均重合度
    を表す10〜100の数である)で示される構造単位、
    および一般式 【化2】 (式中、Arは3価の芳香族基を表し、Mは金属原子を
    表す)で示される構造単位からなり、一般式(I)で示
    される構造単位および一般式(II)で示される構造単位
    の含有率がそれぞれ1〜49重量%であり、一般式
    (I)で示される構造単位および一般式(II)で示され
    る構造単位の含有率の合計が2〜50重量%であり、一
    般式(III)で示される構造単位の含有率が、該共重合
    ポリエステルを構成する全酸成分に対して0.5〜10
    モル%であり、かつフェノールとテトラクロロエタンの
    等重量混合溶媒中での30℃における極限粘度が0.5
    dl/g以上である共重合ポリエステル。
  2. 【請求項2】 ジカルボン酸またはそのエステル形成性
    誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを
    反応させてポリエステルを製造するに際し、他のモノマ
    ーとして、一般式 Z−A (IV) [式中、Aはエステル形成性官能基を有する有機基を表
    し、Zは式 −O−(R2−O)n1−R1 (式中、R1は炭素数1〜18の炭化水素基を表し、R2
    はアルキレン基を表し、n1は平均重合度を表す10〜
    100の数である)で示される1価の基を表す]で示さ
    れる側鎖型ポリオキシアルキレン基含有コモノマー、一
    般式 HO−(R3−O)n2−H (V) (式中、R3はアルキレン基を表し、n2は平均重合度
    を表す10〜100の数である)で示される主鎖型ポリ
    オキシアルキレン基含有コモノマーおよび一般式 【化3】 (式中、R4およびR5はそれぞれ水素原子または低級ア
    ルキル基を表し、Arは3価の芳香族基を表し、Mは金
    属原子を表す)で示される金属スルホネート基含有コモ
    ノマーを反応させ、かつフェノールとテトラクロロエタ
    ンの等重量混合溶媒中での30℃における生成ポリエス
    テルの極限粘度が0.5dl/g以上となるまで重縮合
    反応を行うことを特徴とする共重合ポリエステルの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の共重合ポリエステルから
    なる繊維。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の繊維からなる布帛。
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