JP3172581B2 - 吸水性能の優れた不織布 - Google Patents

吸水性能の優れた不織布

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JP3172581B2
JP3172581B2 JP14877292A JP14877292A JP3172581B2 JP 3172581 B2 JP3172581 B2 JP 3172581B2 JP 14877292 A JP14877292 A JP 14877292A JP 14877292 A JP14877292 A JP 14877292A JP 3172581 B2 JP3172581 B2 JP 3172581B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸水性能の要求される
フェ−シング材、ワイピングクロス芯地、衣料、ディス
ポ−ザブル手術衣等の医療用途などに使用するのに好適
な不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、繊維分野、特に不織布分野におい
てポリエチレンテレフタレ−トで代表されるポリエステ
ル繊維の使用頻度が多くなってきている。例えばベビ−
おむつ、おむつライナ−、生理用品等の衛生材料分野、
外食産業向けのカウンタ−クロス、台所用品の流し台の
水切り袋等の非衛生材料分野、シップ薬の基布や固定シ
−ト、病院用手術衣、マスク等のメディカル分野にポリ
エステル繊維製の不織布が広く使用されてきている。こ
れらの不織布製品の中で特にベビ−おむつ、生理用品等
については、従来のもの以上に耐久性のある吸水性能が
求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、吸水性能は不織
布の表面を油剤等で処理する、いわゆる後加工方法によ
り付与されていたが、この方法は初期性能はあっても、
ある程度使用した場合に不織布の表面油剤が脱落し、吸
水性能が極端に低下するという欠点を有しているので用
途に限界がある。特に、おむつの表面材や生理用パット
の表面材に使用されている湿式用不織布は、製造工程上
必ず水中での抄紙工程を経るため、繊維表面への親水化
剤のコ−ティング方法では抄紙時に親水化剤が脱落して
しまい、最終製品では十分な性能が保持されていないも
のが多い。
【0004】また、不織布の製造方法としては、スパン
レ−ス、スパンボンド、ジェット紡糸法等があるが、い
ずれも布としての形態保持のために通常何等かの繊維の
集束手段を講じているのが通常である。すなわち、例え
ば繊維間の交絡、バインダ−利用による接着、熱接着等
の手段である。なかでも高圧水流パンチング処理(ウオ
−タ−ジェットパンチング)による交絡法は簡便さも手
伝い広く実施されているが、ポリエステル繊維のような
疎水性でかつヤング率が比較的大きい繊維は、かなりの
高圧水流で処理しないと絡合が不十分である。このため
得られた不織布は強度が低く、その外観も不良なものし
か得られていないのが実情である。これに対し、レ−ヨ
ン繊維のような親水性でかつ湿潤時のヤング率が低い繊
維は、比較的低圧水流処理でも良好な絡合状態を有する
不織布が得られやすい。
【0005】本発明の目的は、高い吸水性能および保水
性能を長期にわたって発揮し、また水流絡合性に優れた
ポリエステル繊維からなる不織布を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、20℃における水中でのヤング率が40g/デ
ニ−ル以下であり、かつ20℃における水中でのヤング
率が20℃、65%RHにおける空気中でのヤング率の
80%以下である親水性ポリエステル系合成繊維を主た
る構成要素とする不織布であって、該親水性ポリエステ
ル系合成繊維が、主として、ジカルボン酸単位、ジオ−
ル単位、前記一般式(I)で示される構造単位、前記一
般式(II)で示される構造単位、および前記一般式
(III)で示される構造単位からなり、一般式(I)
および一般式(II)で示される構造単位の含有率がそ
れぞれ1〜49重量%であり、一般式(I)および一般
式(II)で示される構造単位の含有率の合計が2〜5
0重量%であり、一般式(III)で示される構造単位
の含有率が、該共重合ポリエステルを構成する全酸成分
に対して0.5〜10モル%である共重合ポリエステル
からなる不織布を提供することによって達成される。親
水性ポリエステル系合成繊維としては、上記のようなヤ
ング率を有する親水性繊維であれば特に限定されない
が、親水性モノマ−共重合ポリエステルなどのように繊
維内部から親水性である親水性繊維であってもよく、ポ
リエステル、ポリオレフィンなどの疎水性繊維に改質後
加工、例えば親水性モノマ−をグラフトにより付与する
方法、低温プラズマ処理により親水基を付与する方法、
親水化剤によるポリマ−の被覆等で繊維表面に親水性を
付与したものでもよい。
【0007】本発明においては、以下に示す親水性モノ
マ−を共重合させたポリエステルが好ましい。すなわ
ち、主として、ジカルボン酸単位、ジオ−ル単位、一般
式(I)
【化3】 [式中、xおよびyはそれぞれ0または1を表し、Zは
式−O−(R2−O)n1−R1(式中、R1は炭素数1〜
18の炭化水素基を表し、R2はアルキレン基を表し、
1は平均重合度を表す10〜100の数である)で示
される1価の基を表す]
【0008】で示される構造単位、一般式(II)
【0009】−O−(R3−O)n2
【0010】(式中、R3はアルキレン基を表し、n2
平均重合度を表す10〜100の数である)
【0011】で示される構造単位、および一般式(II
I)
【0012】
【化4】
【0013】(式中、Arは3価の芳香族基を表し、M
は金属原子を表す)
【0014】で示される構造単位からなり、一般式
(I)および一般式(II)で示される構造単位の含有
率がそれぞれ1〜49重量%であり、一般式(I)およ
び一般式(II)で示される構造単位の含有率の合計が
2〜50重量%であり、一般式(III)で示される構
造単位の含有率が、該共重合ポリエステルを構成する全
酸成分に対して0.5〜10モル%である共重合ポリエ
ステルである。
【0015】上記の共重合ポリエステルの構成単位の1
つであるジカルボン酸単位は、ジカルボン酸の分子から
2個のカルボキシル基中の2個の水酸基を除いた形の構
造単位であり、一般式
【0016】
【化5】
【0017】(式中、R4は2価の有機基を表す)
【0018】で示される。R4で表される2価の有機基
としては、例えばp−フェニレン基、m−フェニレン
基、ナフタレンジイル基、(ビフェニル)ジイル基等の
2価の芳香族炭化水素基;オクタメチレン基、テトラメ
チレン基等の2価の脂肪族炭化水素基;1,4−シクロ
ヘキシル基等の2価の脂環式炭化水素基などが挙げられ
る。
【0019】そして共重合ポリエステル中に含まれるジ
カルボン酸単位は1種のみであっても、2種以上であっ
てもよいが、繊維用途において要求される優れた機械的
性能を有する共重合ポリエステルが得られる点から、ジ
カルボン酸単位の70モル%以上がテレフタロイル基で
あることが好ましい。
【0020】上記の共重合ポリエステルの構成単位の1
つであるジオ−ル単位は、ジオ−ルの分子から2個の水
酸基中の2個の水素原子を除いた形の構造単位であり、
一般式
【0021】−0−R5−O−
【0022】(式中、R5は2価の有機基を表す)
【0023】で示される。R5で示される2価の有機基
としては、例えばエチレン基、トリメチレン基、ペンタ
メチレン基、ヘキサメチレン基、2,2−ジメチルトリ
メチレン基、3−メチルペンタメチレン基、ノナメチレ
ン基、2−メチルオクタメチレン基等の2価の脂肪族炭
化水素基;ジメチルシクロヘキサン−α,α´−ジイル
基等の2価の脂環式炭化水素基;2,2−ジフェニルプ
ロパン−4´,4´´−ジイル基、ジフェニルスルホン
−4,4´−ジイル基等の2価の芳香族基などが挙げら
れる。
【0024】そして重合ポリエステル中に含まれるジオ
−ル単位は1種のみであっても、2種以上であってもよ
いが、繊維用途において要求される優れた機械的性能を
有する共重合ポリエステルが得られる点から、ジオ−ル
単位の70モル%以上がエチレンジオキシ基、トリメチ
レンジオキシ基、テトラメチレンジオキシ基、ペンタメ
チレンジオキシ基、ヘキサメチレンジオキシ基等のごと
き、炭素数2〜6の直鎖状アルキレングリコ−ルの分子
から2個の水酸基中の2個の水素原子を除いた形の2価
の構造単位であることが好ましい。
【0025】上記の共重合ポリエステルの構造単位の1
つである一般式(I)で示される構造単位は、一般式
(I−1)
【0026】
【化6】
【0027】(式中、Zは上記定義のとおりである)
【0028】で示される構造単位、一般式(I−2)
【0029】
【化7】
【0030】(式中、Zは上記定義のとおりである)
【0031】で示される構造単位、一般式(I−3)
【0032】
【化8】
【0033】(式中、Zは上記定義のとおりである)で
示される構造単位等を包含する。一般式(I)で示され
る構造単位は通常、それら同士または上記ジカルボン酸
単位、ジオ−ル単位等の他の構造単位との間で、エステ
ル結合(−CO−O−)またはエ−テル結合(−O−)
を形成して本発明の共重合ポリエステルの主鎖中に組み
込まれ、側鎖型ポリオキシアルキレン構造をなしてい
る。基Zを表す式中のR1が示す炭化水素基としてはメ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
n−ペンチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n
−ドデシル、n−ステアリル等の炭素数1〜18のアル
キル基;シクロヘキシル等の炭素数3〜18のシクロア
ルキル基;フェニル、ノニルフェニル等の炭素数6〜1
8のアリ−ル基などが好ましい。炭化水素基R1の炭素
数が19以上である場合には、表面濡れ易さに優れ、吸
水性および保水性に優れる繊維が得られない。また基Z
を表す式中のR2が示すアルキレン基としてはエチレン
基、プロピレン基等の炭素数2〜4のアルキレン基が好
ましく、表面濡れ易さ、吸水性および保水性に優れた繊
維が得られることから、エチレン基がより好ましい。R
2としてはエチレン基とプロピレン基との組み合わせの
ように複数種のアルキレン基が同時に存在してもよい。
基Zを表す式中のn1はポリオキシアルキレン部分の平
均重合度を表す数であり、10〜100の範囲内の数で
ある。n1が10未満の数である場合には表面濡れ易
さ、吸水性および保水性に優れた繊維は得られない。一
方、n1が100を越える数である場合には、表面濡れ
易さ、吸水性、保水性等の効果は飽和に達し、むしろ繊
維に着色が生じ易くなる。表面濡れ易さ、吸水性、保水
性および着色等の点においてn1は20〜90の範囲内
の数であることが好ましい。
【0034】上記の共重合ポリエステルの構成単位の1
つである一般式(II)で示される構造単位は、通常上
記ジカルボン酸単位または一般式(III)で示される
構造単位との間でエステル結合を形成して共重合ポリエ
ステルの主鎖中に組み込まれ、主鎖型ポリアルキレン構
造を形成している。一般式(II)中のR3が示すアル
キレン基としてはエチレン基、プロピレン基等の炭素数
2〜4のアルキレン基が好ましく、表面濡れ易さ、吸水
性および保水性に優れた繊維が得られることから、エチ
レン基がより好ましい。R3としてはエチレン基とプロ
ピレン基との組み合わせのように複数種のアルキレン基
が同時に存在してもよい。一般式(II)中のn2はポ
リオキシアルキレン部分の平均重合度を表す数であり、
10〜100の範囲内の数である。n2が10未満の数
である場合には表面濡れ易さ、吸水性および保水性に優
れた繊維は得られない。一方、n2が100を越える数
である場合には、表面濡れ易さ、吸水性、保水性等の効
果は飽和に達し、むしろ繊維に着色が生じ易くなる。表
面濡れ易さ、吸水性、保水性および着色等の点において
2は20〜90の範囲内の数であることが好ましい。
【0035】共重合ポリエステルに含まれる一般式
(I)で示される構造単位および一般式(II)で示さ
れる構造単位は、それぞれ1種のみであっても、また2
種以上であってもよいが、一般式(I)で示される構造
単位および一般式(II)で示される構造単位の含有率
がそれぞれ1〜49重量%の範囲内となる量であり、か
つ一般式(I)で示される構造単位および一般式(I
I)で示される構造単位の含有率の合計が共重合ポリエ
ステルに対して2〜50重量%の範囲内であることが必
要であり、3〜40重量%の範囲内が好ましく、5〜3
0重量%の範囲内が特に好ましい。一般式(I)で示さ
れる構造単位および一般式(II)で示される構造単位
の含有率の合計が2重量%未満の場合には、得られる繊
維の表面濡れ性が不充分となることがあり、50重量%
を越える場合には、得られる繊維の強度等の機械的性能
が低下することがある。
【0036】上記の共重合ポリエステルの構造単位の1
つである一般式(III)で示される構造単位は、通常
上記ジオ−ル単位、一般式(I)で示される構造単位、
または一般式(II)で示される構造単位との間でエス
テル結合を形成して共重合ポリエステルの主鎖中に組み
込まれている。一般式(III)中のArは3価の芳香
族基を表し、1,3,5−ベンゼントリイル基、1,
2,3−ベンゼントリイル基、1,2,4−ベンゼント
リイル基等のベンゼントリイル基;1,3,6−ナフタ
レントリイル基、1,3,7−ナフタレントリイル基、
1,4,5−ナフタレントリイル基、1,4,6−ナフ
タレントリイル基等のナフタレントリイル基などが挙げ
られる。またMは金属原子を表し、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属が好ましい。
【0037】共重合ポリエステルに含まれる一般式(I
II)で示される構造単位は1種のみであっても、また
2種以上であってもよいが、一般式(III)で示され
る構造単位の含有率は、該共重合ポリエステルに含有さ
れる全酸成分の中で0.5〜10モル%の範囲内となる
量であり、1〜7モル%の範囲内の量であることが好ま
しい。一般式(III)で示される構造単位の含有率が
0.5モル%未満では得られる不織布の表面濡れ性が不
十分になる恐れがあり、また10モル%を越える場合、
一般式(III)で示される構造単位中の金属スルホネ
−ト成分のイオン間相互作用により重縮合反応中に増粘
が起こり、生成ポリエステルが所望の極限粘度を有する
ようになるまで重縮合反応を行うことが困難になること
がある。
【0038】一般式(I)で示される構造単位および一
般式(II)で示される構造単位の含有率と一般式(I
II)で示される構造単位の含有率の相対割合について
は、生成する共重合ポリステル基準での一般式(I)で
示される構造単位および一般式(II)で示される構造
単位の占める重量百分率の合計をY0(重量%)、含有
される全酸成分基準での一般式(III)で示される構
造単位の占めるモル百分率をZ0(モル%)で表す場
合、Y0/Z0の値が2〜40の範囲内であることが、表
面濡れ性および機械的性能の両方が特に高められた繊維
が得られることから好ましい。
【0039】上記の共重合ポリエステルは、主として、
上記のごときジカルボン酸単位、ジオ−ル単位、一般式
(I)で示される構造単位、一般式(II)で示される
構造単位および一般式(III)で示される構造単位か
らなるが、他の構造単位を本発明の作用・効果が失われ
ない程度の量で有していてもよい。かかる任意に有して
いてもよい構造単位としては、p−オキシ安息香酸単
位、p−(β−オキシエトキシ)安息香酸単位等のヒド
ロキシカルボン酸単位;グリセリン単位、トリメチロ−
ルプロパン単位等のトリオ−ル単位;ペンタエリスリト
−ル単位等のテトラオ−ル単位;トリメリット酸単位、
トリメシン酸単位等のトリカルボン酸単位;ピロメリッ
ト酸単位等のテトラカルボン酸単位などが挙げられる。
【0040】上記共重合ポリエステルは、フェノ−ルと
テトラクロロエタン(重量比1:1)の混合溶媒に溶解
して、30℃で測定した極限粘度が0.5dl/g以上
であることが好ましい。共重合ポリエステルの極限粘度
が0.5dl/g未満の場合、溶融紡糸時の断糸が著し
く、一方、極限粘度が大きすぎる場合、溶融粘度が大き
くなりすぎて紡糸性が不良となることがあるので、繊維
化工程上のトラブルを軽減する点から、共重合ポリエス
テルの極限粘度は0.5〜1.0dl/gの範囲内であ
ることが好ましい。
【0041】上記の共重合ポリエステルは公知の方法に
準じて製造することができる。例えば、ジカルボン酸ま
たはそのエステル形成性誘導体とジオ−ルまたはそのエ
ステル形成性誘導体とを重縮合反応させてポリエステル
を製造するに際し、さらに他のモノマ−として、側鎖型
ポリオキシアルキレン基含有コモノマ−、主鎖型ポリオ
キシアルキレン基含有コモノマ−および金属スルホネ−
ト基含有コモノマ−のそれぞれの所望量を重縮合反応が
完了するまでの任意の段階で反応系に添加し、極限粘度
が0.5dl/g以上、好ましくは0.5〜1.0dl
/g範囲内の所望の値となるまで重縮合反応を行うこと
によって製造される。
【0042】上記ジカルボン酸としてはテレフタル酸、
イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジ
カルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;セバシン
酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸などが挙げられ
る。ジカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、上
記例示のジカルボン酸ジメチルエステル、ジエチルエス
テル等の低級アルキルエステルなどが挙げられる。ま
た、上記ジオ−ルとしてはエチレングリコ−ル、1,3
−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5
−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオ
ペンチルグリコ−ル、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オ−ル、1,9−ノナンジオ−ル、2−メチル−1,8
−オクタンジオ−ル等の脂肪族ジオ−ル;1,4−シク
ロヘキサンジメタノ−ル等の脂環式ジオ−ル;2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4´−
スルホニルビスフェノ−ル等の芳香族ジオ−ルなどが挙
げられる。ジオ−ルのエステル形成性誘導体としてはエ
チレンオキシド等が挙げられる。
【0043】上記の側鎖型ポリオキシアルキレン基含有
コモノマ−は一般式(I)で示される構造単位を与える
ものであり、例えばポリオキシエチレングリコ−ル−メ
チル−グリシジルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ
−ル−メチル−2,3−ジヒドロキシプロピルエ−テ
ル、ポリオキシエチレングリコ−ル−エチル−グリシジ
ルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル−エチル−
2,3−ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエ
チレングリコ−ル−n−プロピル−グリシジルエ−テ
ル、ポリオキシエチレングリコ−ル−n−プロピル−
2,3−ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエ
チレングリコ−ル−t−ブチル−グリシジルエ−テル、
ポリオキシエチレングリコ−ル−t−ブチル−2,3−
ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレング
リコ−ル−n−オクチル−グリシジルエ−テル、ポリオ
キシエチレングリコ−ル−n−オクチル−2,3−ジヒ
ドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ
−ル−2−エチルヘキシル−グリシジルエ−テル、ポリ
オキシエチレングリコ−ル−2−エチルヘキシル−2,
3−ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレ
ングリコ−ル−n−ドデシル−グリシジルエ−テル、ポ
リオキシエチレングリコ−ル−n−ドデシル−2,3−
ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレング
リコ−ル−n−ステアリル−グリシジルエ−テル、ポリ
オキシエチレングリコ−ル−n−ステアリル−2,3−
ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレング
リコ−ル−フェニル−グリシジルエ−テル、ポリオキシ
エチレングリコ−ル−フェニル−2,3−ジヒドロキシ
プロピルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル−ノ
ニルフェニル−グリシジルエ−テル、ポリオキシエチレ
ングリコ−ル−ノニルフェニル−2,3−ジヒドロキシ
プロピルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル−シ
クロヘキシル−グリシジルエ−テル、ポリオキシエチレ
ングリコ−ル−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロキシ
プロピルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル/ポ
リオキシプロピレングリコ−ル共重合体のメチル−グリ
シジルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル/ポリ
オキシプロピレングリコ−ル共重合体のメチル−2,3
−ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレン
グリコ−ル/ポリオキシプロピレングリコ−ル共重合体
のn−プロピル−グリシジルエ−テル、ポリオキシエチ
レングリコ−ル/ポリオキシプロピレングリコ−ル共重
合体のn−プロピル−2,3−ジヒドロキシプロピルエ
−テル等から1種または2種以上を選択して使用するこ
とができる。
【0044】上記の主鎖型ポリオキシアルキレン基含有
コモノマ−は一般式(II)で示される構造単位を与え
るものであり、例えばポリオキシエチレングリコ−ル、
ポリオキシプロピレングリコ−ル、ポリオキシエチレン
グリコ−ル/ポリオキシプロピレングリコ−ル共重合体
等から1種または2種以上を選択して使用することがで
きる。
【0045】上記の金属スルホネ−ト基含有コモノマ−
は一般式(III)で示される構造単位を与えるもので
あり、例えば5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸ジエチルエステル、5−
カリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソ
フタル酸ジメチルエステル、5−カリウムスルホイソフ
タル酸ジエチルエステル、5−リチウムスルホイソフタ
ル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸ジメチルエステ
ル、2−ナトリウムスルホテレフタル酸等の金属スルホ
ン酸化されたベンゼンジカルボン酸またはその低級アル
キルエステル;4−ナトリウムスルホ−2,7−ナフタ
レンジカルボン酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、4−ナトリウムスルホ−2,6
−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、6−ナト
リウムスルホ−1,4−ナフタレンジカルボン酸、5−
ナトリウムスルホ−1,4−ナフタレンジカルボン酸等
の金属スルホン化されたナフタレンジカルボン酸または
その低級アルキルエステルなどが挙げられる。
【0046】上記の共重合ポリエステルには、通常のポ
リエステルを製造するうえで使用されている公知の触
媒、例えば酢酸亜鉛、炭酸亜鉛等の亜鉛化合物、酢酸マ
ンガン、炭酸マンガン等のマンガン化合物、酢酸カルシ
ウム、炭酸カルシウム等のカルシウム化合物、酢酸コバ
ルト、炭酸コバルト等のコバルト化合物、酢酸バリウ
ム、炭酸バリウム等のバリウム化合物などのエステル交
換触媒;酸化アンチモン等のアンチモン化合物、酢酸ゲ
ルマニウム等のゲルマニウム化合物、オルトチタン酸テ
トライソプロピル、蓚酸チタンカリウム等の重縮合触媒
などが挙げられる。
【0047】上記の共重合ポリエステルには、必要に応
じて任意の添加剤、例えば着色防止剤、耐熱剤、蛍光漂
白剤、難燃剤、酸化防止剤、艶消剤、着色剤、無機微粒
子が含まれていてもよい。
【0048】一般にポリオキシアルキレンは、空気中の
酸素により酸化され易いことが知られている。上記の共
重合ポリエステルにおいてもポリオキシアルキレン鎖部
分が重縮合反応や溶融紡糸条件下のような高温条件下に
おいて酸化されて、重合度低下や繊維の着色といった不
都合を生じるおそれがあるため、色調および機械的性能
の良好な繊維を得るために酸化防止剤を添加することが
好ましい。酸化防止剤はその作用機構から連鎖開始阻害
剤、ラジカル連鎖禁止剤、過酸化物分解剤等に分類でき
るが、効果の点でラジカル連鎖禁止剤に分類される酸化
防止剤が優れており、なかでもヒンダ−ドフェノ−ル系
酸化防止剤が適している。かかるヒンダ−ドフェノ−ル
系酸化防止剤とはそのフェノ−ル性水酸基を有する炭素
原子に隣接する2個の炭素原子の両方または一方に立体
障害性置換基を有するフェノ−ル系化合物であり、Ir
ganox1010(チバ・ガイギ−社製)、Irga
nox1330(チバ・ガイギ−社製)、Godrit
e3114(Goodrich社製)、サイアノックス
(アメリカンサイアナミッド社製)等として市販されて
いるものが使用できる。
【0049】上記ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤は
1種だけを使用しても、また2種以上を併用してもよ
い。さらに他の酸化防止剤と併用してもよく、特にトリ
フェニルホスファイト等のリン系酸化防止剤、ジラウリ
ルジチオプロピオネ−ト等の硫黄系酸化防止剤などの過
酸化物分解剤に分類される酸化防止剤を併用した場合に
は、ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤との相乗効果に
より、より高い酸化防止効果が得られることがある。
【0050】このヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤の
使用量は、一般式(I)で示される構造単位および一般
式(II)で示される構造単位の合計に対して0.2〜
20重量%の範囲内となる量であることが好ましく、
0.5〜10重量%の範囲内となる量であることがより
好ましい。ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤の使用量
が0.2重量%未満の場合、得られる繊維の酸化防止効
果が不充分となるおそれがあり、一方20重量%を越え
る場合、得られる繊維の酸化防止効果は飽和に達し、著
しい効果の向上は認められず、逆に紡糸工程での単糸切
れ等のトラブルを招くおそれがあり、得られる繊維の機
械的性能が低下するおそれがある。またヒンダ−ドフェ
ノ−ル系酸化防止剤は、上記の共重合ポリエステルの重
縮合反応が完了するまで、または完了後の任意の段階で
添加することができる。
【0051】このようにして得られた共重合ポリエステ
ル(以下単にポリマ−と称する場合がある)は、次いで
130〜150℃の範囲内の温度で、ポリマ−が膠着し
ないようにしながら結晶化処理が施され、その水分率が
50ppm以下になるように乾燥される。結晶化処理お
よび乾燥処理温度は150℃以下が好ましく、150℃
を越えるとポリマ−が着色するので、得られる繊維の白
度に問題が生じる。結晶化処理および乾燥処理されたポ
リマ−は常法により押出機で溶融押出しされ、次いで2
70〜290℃に加熱された口金から所定の速度で紡糸
され、繊維化される。得られたトウ状の繊維は水浴中で
延伸処理され熱固定される。延伸倍率は切断延伸倍率の
0.75倍程度が好ましく、90℃以上の温水中を通す
こと、120℃以上の乾熱ロ−ラ−を通すこと等で熱固
定処理が施される。熱固定処理は繊維の内部歪みを固定
し、繊維の分子構造を固定する上から必要な処理であ
り、通常実施される処理である。本発明においては、引
き続いて供給速度より引取り速度を遅くする、いわゆる
オ−バ−フィ−ドを行ないながら、さらに熱固定処理を
行なうことが好ましい。このようにして得られた共重合
ポリエステル繊維は、20℃における水中でのヤング率
が40g/デニ−ル以下であり、しかも20℃における
水中でのヤング率が、20℃、65%RHにおける空気
中でのヤング率の80%以下であり、かかる繊維を不織
布に使用すると水流絡合性が良好でかつ強度の高い不織
布が得られる。
【0052】上記の共重合ポリエステル繊維の単繊度は
5デニ−ル以下、特に3デニ−ル以下が好ましく、さら
には2デニ−ル以下が好ましい。単繊度が小さい程、ウ
オ−タ−ジェットパンチング処理による絡合が発現しや
すい。
【0053】また、上記の共重合ポリエステル繊維は、
使用する口金の形状を選択することにより円形;三葉
形、四葉形、五葉形、六葉形、七葉形、八葉形等の多葉
形やT形等の異形の任意の断面形状を有することがで
き、中実繊維に限られることなく中空繊維であってもよ
い。特に、ウオ−タ−ジェットパンチング処理効果を助
長し、絡合性を向上させることから繊維断面は偏平状で
あることが好ましい。共重合ポリエステルが有する高い
表面濡れ易さが繊維集合体における吸水性および保水性
に効果的に反映される点から、繊維の比表面積が大きい
ことが好ましい。かかる観点からも、繊維の単繊度は5
デニ−ル以下が好ましく、多葉形、T形等の凹部を有す
る断面形状であることが有利となる場合がある。また本
発明における共重合ポリエステル繊維としては、上記の
共重合ポリエステルと他の樹脂とが組み合わせて使用さ
れている、いわゆる芯鞘構造、背腹構造等の複合繊維で
あってもよく、この場合上記の共重合ポリエステルが繊
維表面の40%以上、特に60%以上を占めることが、
本発明の効果が有効に発現される点から好ましい。さら
に、上記の共重合ポリエステル繊維には吸水性に優れた
他の繊維、たとえばレ−ヨン等を混用してもよい。
【0054】本発明の不織布は上記の共重合ポリエステ
ル繊維を10重量%以上含有することが好ましい。10
重量%未満の場合、吸水性能に優れた不織布が得られな
い。本発明の不織布は、以下のようにして得られる。ま
ず、前述したように延伸、熱固定された繊維を切断し、
例えば30〜130mm長のステ−プル繊維とし、これ
をカ−ド、ランダムウエバ−に通して、ランダムウエ
ブ、パラレルウエブあるいはクロスラップウエブ等の繊
維ウエブとする。繊維ウエブには次の処理工程に移動さ
せたり、後工程での処理で変形しないだけの十分な繊維
の絡合をニ−ドルパンチ法で行なっておくことが好まし
い。ニ−ドルパンチのパンチ密度は繊維ウエブの厚さで
異なるが、一般には10〜100パンチ/cm2の範囲
のパンチ密度でよい。また、厚みのうすい繊維ウエブで
はニ−ドルパンチを施す必要がない場合もある。このよ
うにして得られた繊維シ−トの少なくとも片面に高圧噴
射流体流を当てて繊維を絡合させる。
【0055】高圧噴射流体流としては水が好ましく、常
温の水、35〜80℃程度に加温した水等が使用でき
る。また、水圧は繊維の交絡のし易さで決定するが、通
常は10〜200kg/cm2の範囲で設定される。高
圧噴射流体流による繊維の絡合処理は、流体流が接触し
た繊維シ−ト面側の層の見掛け密度が他の面側または該
繊維シ−トの中間層の見掛け密度よりも0.03g/c
3以上高くなるまで行なうことが、繊維シ−トの平滑
性、繊維シ−トに腰のある風合を付与することから好ま
しい。例えば、片面が流体流で処理された繊維シ−トの
場合、接触面側の層の見掛け密度が他の面側の層の見掛
け密度よりも0.03g/cm3以上高いことが好まし
く、また、両面が流体流で処理された繊維シ−トの場
合、両面の層が共に中間層の見掛け密度よりも0.03
g/cm3以上高いことが好ましい。このように繊維シ
−トに見掛け密度の勾配を付けるために、繊維シ−トの
見掛け密度は0.13g/cm3以上、特に0.15g
/cm3以上であることが好ましい。本発明の不織布の
目付は用途によって異なり、例えば衛生材のフェ−シン
グ材では15〜40g/m2、拭払用繊維シ−ト、ワイ
ピングクロス、芯地衣料、シ−ツ、テ−ブルクロス、メ
ディカル用ガウン、合成皮革の基布等では30〜200
g/m2、土木・工業用材料等では50〜2000g/
2などである。
【0056】また、上記の繊維シ−トの製造方法におい
て、軟化温度の比較的低いポリマ−を鞘成分とした熱バ
インダ−繊維を、不織布を基準にして5〜40重量%の
範囲で混綿して繊維間を固定しておくことも、繊維シ−
トの形態安定性が要求される用途には好ましい。
【0057】このようにして得られた不織布は、繊維が
密に交絡した面を加熱したカレンダ−に接触させて平滑
化処理を施したり、加熱してエンボス加工処理を施した
り、染色、捺染等による着色処理を施したりして製品と
される。
【0058】本発明の不織布の大きな特徴は、優れた吸
水性能が洗濯処理した後でも殆ど低下しないという耐久
性を有することである。通常、ポリエステル繊維はその
表面に種々の加工剤、処理剤、仕上剤等を被覆させるこ
とにより、吸水性能を付与させている。例えば、ポリビ
ニルアルコ−系処理剤、ポリエスルエ−テル系親水防汚
加工剤、ノニオン、アニオン、カチオン系の各種親水性
油剤、またはこれらの組み合わせの加工剤などである。
これら加工剤が被覆された繊維で構成された不織布は、
いずれも初期の吸水性能は若干あるものの、洗濯処理を
施すと極端にその性能が低下してしまう。それに対し
て、本発明の不織布は洗濯後の吸水性能がほとんど低下
しないことが確認された。
【0059】本発明の不織布は生理用ナプキン、おむ
つ、母乳パット等の衛生材のフェ−シング材、払拭用繊
維シ−ト、ワイピングクロス、芯地、中入れ綿、衣料、
ディスポ−サブル手術衣等の医療用品、シ−ツ、テ−ブ
ルクロス、カバ−、袋物、土木・工業用材料などの用途
に有用である。
【0060】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。また、実施例中の各物性値は以下の方法にしたがっ
て測定して得られた値である。
【0061】(1)共重合ポリエステルの極限粘度
[η](dl/g) フェノ−ルとテトラクロロエタンの混合溶媒(重量比
1:1)に、ポリエステルを0.25g/dl、0.5
0g/dl、1.0g/dlの各濃度で溶解させ、各溶
液について30℃の温度で測定した3種の還元粘度から
求めた。
【0062】(2)共重合ポリエステル繊維のヤング率
(g/デニ−ル) 引張試験機(オ−トグラフIM−100、島津制作所社
製)を用いて、20℃、水中下、お よび20℃、65
%RHの空気中で測定し、S−Sカ−ブから求めた。
【0063】(3)吸上長L(mm) バイレックス法により吸水長を測定した。すなわち、単
糸繊度2デニ−ル、カット長51mmの原綿をカ−ド、
ランダムウエバ−にかけ平均目付40g/m2の繊維ウ
エッブとし繊維シ−トを得る。次いで孔径0.25mm
のノズルが一列に配置された高圧水流噴射ノズルを用い
て、水圧30kg/cm2の柱状水流を噴射させ、移動
する金網支持体上の繊維シ−トの片面に処理を行ない、
風乾して、さらにオ−トドライヤ−にて150℃、1分
間の条件で熱処理したものを吸水性測定用の不織布とし
た。この測定用不織布を赤インクで着色された水中に一
部浸漬させた状態で吊し、10分後の吸上長を測定し
た。吸上長の測定は、不織布のタテ方向とヨコ方向各n
=10で実施し、タテ・ヨコ各平均値を合計した値を吸
上長とした。
【0064】(4)不織布の裂断長(kg) 不織布からタテ方向に巾2.5cm、長さ10cmの試
験片を採取し、上記の引張試験機を用いて試験片の強度
を測定した後、この強度値を試験片の目付けで徐して裂
断長を計算した。
【0065】実施例1〜6 テレフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸およ
びエチレングリコ−ルを表1に示す割合でエステル化反
応器に仕込み、230℃で2.5kg/cm2の圧力下
で3時間エステル化反応を行った。次いで得られた反応
生成物をあらかじめ230℃に加熱してある重縮合器に
移し、この系に式
【0066】
【化9】
【0067】で示される側鎖型Aポリオキシアルキレン
基含有化合物と式HO−(CH2CH2O)45−Hで示さ
れる主鎖型ポリオキシアルキレン基含有化合物を表1に
示される量だけ添加し、さらにこれらのポリオキシアル
キレン基含有化合物の合計量に対して5重量%の量の
1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ
−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジ
ン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン[ア
メリカンサイアナミッド社製、サイアノックス179
0]、ポリマ−に対して三酸化アンチモン350ppm
および亜リン酸20ppmを添加して重縮合反応系を調
整した。重縮合反応系の温度を230℃から280℃に
45分かけて昇温しつつ、徐々に0.3mmHgまで減
圧にし、以後280℃で系の溶融粘度が、極限粘度0.
60dl/gのポリエチレンテレフタレ−トの280℃
での溶融粘度にほぼ一致する時点まで重縮合反応を継続
することによって、それぞれ対応する共重合ポリエステ
ルを得、次いでこのポリエステルを150℃真空下で結
晶処理した。
【0068】得られた共重合ポリエステルを溶融して押
出し、紡糸温度285℃で紡糸して丸断面形状の繊維を
得た。この繊維を75℃の第1浴、90℃の第2浴で延
伸倍率3.0倍の水浴2段延伸を行ない、引き続き2%
のオ−バ−フィ−ドをいれながら160℃に加熱された
乾熱ロ−ラ−で熱処理を施し、次いで繊維油剤を付与
し、機械捲縮をかけて乾燥した後単糸繊度2デニ−ルの
延伸繊維を得た。得られた繊維を51mm長に切断して
ステ−プル繊維とし、カ−ド、ランダムウエバ−を経て
作製された平均目付60g/m2の繊維ウエッブを2枚
積層して繊維シ−トとし、孔径0.25mmのノズルが
一列に配置された高圧水流噴射ノズルを用いて、水圧3
0kg/cm2の柱状水流を噴射させ、移動する金網支
持体上の繊維シ−トに絡合処理を施して乾燥、120℃
での熱処理を行なって、見掛け密度0.115g/cm
3、平均目付40g/m2の不織布を得た。
【0069】得られた不織布の性能を測定し、結果を表
2に示した。表2より明らかなように、本発明の不織布
は良好な吸水性を有し、不織布化工程性も良好であっ
た。
【0070】実施例7および8 実施例1において、共重合ポリエステル繊維の横断面形
状を丸断面の代わりに偏平断面(実施例7)、U字断面
(実施例8)にする以外は同様にして紡糸し、高圧水流
にて交絡させて不織布を得た。この不織布を評価し、結
果を表2に示す。いずれも不織布化工程性が良好で、し
かも得られた不織布は良好な吸水性を有していた。
【0071】実施例9〜11 実施例1において、共重合ポリエステルを構成する側鎖
型ポリオキシアルキレン基含有化合物として、下記式で
示される対応する側鎖型ポリオキシアルキレン基含有化
合物をそれぞれ表1に示される量だけ使用した以外は同
様にしてそれぞれ対応する共重合ポリエステルを得た。 実施例9で使用したコモノマ−:
【化10】 実施例10で使用したコモノマ−:
【化11】 実施例11で使用したコモノマ−:
【化12】 得られたポリエステルを実施例1と同様にして紡糸し、
高圧水流にて交絡させて不織布を得た。この不織布を評
価し、結果を表2に示す。いずれも不織布化工程性が良
好で、しかも得られた不織布は良好な吸水性を有してい
た。
【0072】実施例12および13 実施例1において、共重合ポリエステルを構成する主鎖
型ポリオキシアルキレン基含有化合物として、下記式で
示される対応する主鎖型ポリオキシアルキレン基含有化
合物をそれぞれ表1に示される量だけ使用した以外は同
様にしてそれぞれ対応する共重合ポリエステルを得た。 実施例12で使用したコモノマ−:HO−(CH2CH2
O)20−H 実施例13で使用したコモノマ−:HO−(CH2CH2
O)70−H 得られたポリエステルを実施例1と同様にして紡糸し、
高圧水流にて交絡させて不織布を得た。この不織布を評
価し、結果を表2に示す。いずれも不織布化工程性が良
好で、しかも得られた不織布は良好な吸水性を有してい
た。
【0073】実施例14 実施例1において、熱固定時のオ−バ−フィ−ドを2%
に代えて7%にする以外は同様にして対応する共重合ポ
リエステル繊維を得た。得られたポリエステル繊維を高
圧水流にて交絡させて不織布を得た。この不織布を評価
し、結果を表2に示す。不織布化工程性が良好で、しか
も得られた不織布は良好な吸水性を有していた。
【0074】実施例15および16 実施例1において共重合ポリエステル繊維の単糸繊度を
2デニ−ルに代えて1.2デニ−ル(実施例15)、
3.0デニ−ル(実施例16)にする以外は同様にして
繊維を得た。得られたポリエステル繊維を高圧水流にて
交絡させて不織布を得た。この不織布を評価し、結果を
表2に示す。不織布化工程性が良好で、しかも得られた
不織布は良好な吸水性を有していた。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】比較例1 単糸繊度2デニ−ル、カット長51mmのポリエチレン
テレフタレ−ト単独ステ−プル繊維を用いて実施例1と
同様にして不織布を作製し吸水性能を測定したが、吸水
性はほとんどなく、強度も弱いものであった。
【0078】比較例2 実施例1において、ポリオキシアルキレン基含有化合物
を全く用いない以外は同様にして共重合ポリエステルを
得た。得られたポリエステルを実施例1と同様にして紡
糸し、高圧水流にて交絡させて不織布を得た。この不織
布を評価し、結果を表4に示す。不織布の吸水性は非常
に低いレベルであり、強度も弱いものであった。
【0079】比較例3 実施例1において、側鎖型ポリオキシアルキレン基含有
化合物を全く用いない以外は同様にして共重合ポリエス
テルを得た。得られたポリエステルを実施例1と同様に
して紡糸し、高圧水流にて交絡させて不織布を得た。こ
の不織布を評価し、結果を表4に示す。不織布の吸水性
は非常に低いレベルであり、強度も弱いものであった。
【0080】比較例4 実施例1において、主鎖型ポリオキシアルキレン基含有
化合物を全く用いない以外は同様にして共重合ポリエス
テルを得た。得られたポリエステルを実施例1と同様に
して紡糸し、高圧水流にて交絡させて不織布を得た。こ
の不織布を評価し、結果を表4に示す。不織布の吸水性
は非常に低いレベルであり、強度も弱いものであった。
【0081】比較例5 実施例1において、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
を全く用いない以外は同様にして共重合ポリエステルを
得た。得られたポリエステルを実施例1と同様にして紡
糸し、高圧水流にて交絡させて不織布を得た。この不織
布を評価し、結果を表4に示す。不織布の吸水性は非常
に低いレベルであり、強度も弱いものであった。
【0082】比較例6 実施例1の繊維の延伸処理において、75℃の第1浴で
延伸倍率2.0倍の1段延伸を行ない、90℃の第2浴
で総合延伸倍率が3.0倍になるように2段延伸を行な
い、次いでオ−バ−フィ−ドの熱固定を実施せずに単糸
繊度2デニ−ル、51mm長のステ−プル繊維を得た。
得られた繊維の水中でのヤング率は58g/デニ−ルで
あり、実施例1と同様にして高圧水流にて交絡させて得
られた不織布の強度は低いものであった。
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】
【発明の効果】本発明の不織布は、繊維集合体の形態で
高い表面濡れ性、吸水性を発揮し、しかも洗濯等の処理
を行なっても不織布強力は低下せず、初期の性能を長期
に渡って維持することができる。本発明の不織布は、ワ
イピングクロスを初め、非衣料分野における巾広い用途
展開が可能である
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/00 - 18/00 D01F 6/86 D01F 8/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 20℃における水中でのヤング率が40
    g/デニ−ル以下であり、かつ20℃における水中での
    ヤング率が20℃、65%RHにおける空気中でのヤン
    グ率の80%以下である親水性ポリエステル系合成繊維
    を主たる構成要素とする不織布であって、該親水性ポリ
    エステル系合成繊維が、主として、ジカルボン酸単位、
    ジオ−ル単位、一般式(I) 【化1】 [式中、xおよびyはそれぞれ0または1を表し、Zは
    式−O−(R 2 −O)n 1 −R 1 (式中、R 1 は炭素数1〜
    18の炭化水素基を表し、R 2 はアルキレン基を表し、
    1 は平均重合度を表す10〜100の数である)で示
    される1価の基を表す]で示される構造単位、一般式
    (II)−O−(R 3 −O)n 2 −(式中、R 3 はアルキ
    レン基を表し、n 2 は平均重合度を表す10〜100の
    数である)で示される構造単位、および一般式(II
    I) 【化2】 (式中、Arは3価の芳香族基を表し、Mは金属原子を
    表す)で示される構造単位からなり、一般式(I)およ
    び一般式(II)で示される構造単位の含有率がそれぞ
    れ1〜49重量%であり、一般式(I)および一般式
    (II)で示される構造単位の含有率の合計が2〜50
    重量%であり、一般式(III)で示される構造単位の
    含有率が、該共重合ポリエステルを構成する全酸成分に
    対して0.5〜10モル%である共重合ポリエステルか
    らなることを特徴とする不織布。
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