JP6172786B2 - 消臭機能を有する不織布シート - Google Patents

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Description

本発明は、消臭機能の優れた短繊維不織布及びその製造方法に関する。
消臭機能を有する不織布はこれまでにも知られているが、酸性臭気成分、塩基性臭気成分および中性臭気成分の除去能力には不完全な部分がある。
異臭や有毒ガスを吸着する活性炭や光消臭機能を有する金属酸化物などの各種粒状粉体を充分保持した不織布が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、特許文献1の不織布は酸性臭気成分、塩基性臭気成分および中性臭気成分の全ての臭気成分に対して優れた消臭機能を発揮するものではない。一方、光消臭機能を有する金属酸化物などの各種粒状粉体では、粉体の大きさが大きいと繊維内での分散が悪く、臭気成分と接する繊維表面に効率良く配置する事が困難となるばかりか曳糸性も損なわれる。光消臭機能を有する粉体の大きさが小さいとコスト高となる。
特開2002−242065号公報
本発明は、優れた消臭機能を有する不織布構造体を提供することにある。
本発明は、ジカルボン酸成分のうち75モル%以上がテレフタル酸及び/又はそのエステル形成性誘導体であり、共重合成分として下記式(I)で表される化合物(i)さらに(ii)としてシクロヘキサンジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体、(iii)として脂肪族ジカルボン酸及/又はそのエステル形成性誘導体からなるポリエステル(A)を含む短繊維で構成されるとともに、構成繊維どうしが三次元的に交絡して形態保持されていることを特徴とする短繊維不織布に関する。
さらに本発明はポリエステルを含む短繊維をウェブ化し、その後に水流交絡加工を施して、このウェブを構成繊維どうしの三次元的交絡により形態保持させることを特徴とする短繊維不織布の製造方法に関する。
本発明によれば、消臭機能の優れた共重合ポリエステル含む短繊維で不織布が構成されるため、この不織布は、実用的な強度を備えたうえで消臭機能に優れたものとなる。また、構成繊維を加熱することなく三次元的に交絡させることで、不織布を形態保持させているために、特に柔軟性や嵩高性に優れたものとなる。
本発明の短繊維を構成するポリエステル樹脂は、共重合成分として下記化学式(I)で表されるスルホイソフタル酸の金属塩(i)を共重合成分の一つとし、さらに該スルホイソフタル酸の金属塩(i)を含有する共重合ポリエステルである。
上記式(I)で表されるスルホイソフタル酸の金属塩(i)としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、又は5−カリウムスルホイソフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸等のスルホン酸アルカリ金属塩基を有するジカルボン酸成分;5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸、5−エチルトリブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの5−テトラアルキルホスホニウムスルホイソフタル酸などを挙げることができる。
上記式(I)で表されるスルホイソフタル酸の金属塩(i)は1種類のみをポリエステル中に共重合させても、また2種以上を共重合させてもよい。
上記式(I)で表されるスルホイソフタル酸の金属塩(i)を共重合させることにより、従来のポリエステル繊維に比べて消臭性能を付与することができる。
上記式(I)で表されるスルホイソフタル酸の金属塩(i)の共重合量は1.0モル%〜3.5モル%であることが好ましい。(i)の共重合量が1.0モル%未満の場合、本発明の目的とする消臭性能が得られない場合がある。一方、(i)の共重合量が3.5モル%を超えると、ポリエステルの増粘が著しくなって紡糸が困難になる。消臭性能および紡糸性等の点から、(i)の共重合量は1.2〜3.0モル%であるのが好ましく、1.5〜2.5モル%であるのがより好ましい。
また、本発明は、短繊維において、上記(i)以外のジカルボン酸成分のうちシクロヘキサンジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体(ii)が2.0〜10.0モル%、好ましくは5.0〜10.0モル%、また脂肪族ジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体が2.0〜8.0モル%、好ましくは3.0〜6.0モル%共重合されていることが好ましい。(ii)の共重合量が2.0モル%未満の場合、不織布とした時に本発明の目的とする柔軟性や嵩高性が得られない場合がある。一方、(ii)の共重合量が10.0モル%を超えると、延伸を伴わない高速紡糸手法で製糸を行った場合、樹脂のガラス転移温度が低いことと繊維内部における非晶部位の配向度が低いことによって、安定な繊維物性や高速捲取中に自発伸長の発生により安定な高速曳糸性を得ることができない。
本発明に用いられるシクロヘキサンジカルボン酸には、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の3種類の位置異性体があるが、本発明の効果が得られる点からはどの位置異性体が共重合されていても構わないし、また複数の位置異性体が共重合されていても構わない。また、それぞれの位置異性体について、シス/トランスの異性体があるが、いずれの立体異性体を共重合しても、あるいはシス/トランス双方の位置異性体が共重合されていても構わない。シクロヘキサンジカルボン酸誘導体についても同様である。
肪族ジカルボン酸及/又はそのエステル形成性誘導体成分についてもシクロヘキンジカルボン酸成分と同様に、ポリエステル繊維の結晶構造に乱れが生じ、非晶部の配向が低下するため、得られる不織布は柔軟性や嵩高性に優れたものとなる。
ジカルボン酸成分中の脂肪族ジカルボン及び/又はエステル形成性誘導体成分の共重合量は2.0モル%〜8.0モル%であることが好ましい。共重合量が2.0モル%未満では、不織布とした時に本発明の目的とする柔軟性や嵩高性が得られない場合がある。ジカルボン酸成分中の脂肪族ジカルボン及び/又はエステル形成性誘導体成分の共重合量が8.0モル%を超えた場合、延伸を伴わない高速紡糸手法で製糸を行った場合には繊維内部における非晶部位の配向度が低くなり、安定な繊維物性や、高速捲取中での顕著な自発伸長により安定な高速紡糸性を得ることができない。より好ましくは3.0モル%〜7.0モル%である。
本発明の脂肪族ジカルボン酸成分として好ましく用いられるものとしては、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸が例示できる。これらは単独又は2種類以上を併用することもできる。
更に、本発明の短繊維を構成するポリエステル樹脂には、それぞれ、酸化チタン、硫酸バリウム、硫化亜鉛などの艶消剤、リン酸、亜リン酸などの熱安定剤、あるいは光安定剤、酸化防止剤、酸化ケイ素などの表面処理剤などが添加剤として含まれていてもよい。酸化ケイ素を用いることで、得られる繊維は、減量加工後に繊維表面に微細な凹凸を付与することができ、後に織編物にした場合に濃色化が実現される。更に、熱安定剤を用いることで加熱溶融時やその後の熱処理における熱分解を抑制できる。また、光安定剤を用いることで繊維の使用時の耐光性を高めることができ、表面処理剤を用いることで染色性を高めることも可能である。
また、A成分を構成する樹脂の固有粘度は0.55〜0.70であるのが好ましい。
また、本発明の他の態様は、上記した共重合体ポリエステル(A)と、エチレン含有量が25〜60モル%であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体(B)とからなる複合繊維であり、かつ該エチレン−ビニルアルコール系共重合体(B)が繊維表面の一部を長さ方向に連続して占めることを特徴とする複合繊維である。
得られた短繊維の単糸繊度は、1.0 〜10dtexであることが好ましい。細い繊維ほど繊維表面の表面積が大きくなり、表面積の大小によって機能が変化する様な場合は目的に応じ、これを制御する必要がある。本発明の消臭性の向上には臭気と接する繊維表面の大きさが大きい程、性能が向上する傾向にあり、細繊度の方が好ましい。しかしながら単糸繊度が1.0dtex未満であると、得られる不織布の柔軟性には優れるものの、製糸時の糸切れが多く、しかも不織ウェブを作成するに際してのカード通過性が劣り、操業性に劣ることとなる。逆に、繊度が太い場合は、不織布中に臭気が入り込み易くなり、その面では有利であるが、前述の繊維表面積や構造体の物性などの面で適する範囲がある。単糸繊度が10dtexを超えると、生産性は向上するものの、紡出糸条の冷却性などに困難が生じ易い、また、得られた不織布の風合いが硬くなり柔軟性に劣る、形態の安定性が悪くなることとなるので好ましくない。
繊維の断面形状としては、公知の各断面が利用でき、例えば、図1に示す様な公知の各種断面を用いる事が出来る。
上記共重合ポリエステル樹脂の単一樹脂からなる繊維の場合は、丸断面、三角断面、星型断面、扁平断面、中空断面 他各種の断面が利用できるが、表面積の大きな形状を選択するのが好ましい。
複合繊維として用いる場合には、繊維断面の形状が重要である。消臭機能を持つ上記変性ポリエステル樹脂の一部が繊維表面に露出している事が必要である。変性ポリエステル樹脂以外の樹脂としては、紡糸可能なものであればいずれでも良いが、特にエチレン−ビニルアルコール系共重合体(B)を選択する事が、不織布の風合いや剛性調整の面で優れる。この樹脂を湿熱で処理する事によりこれらが調整可能である。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体(B)において、エチレン単位の含有量(共重合割合)は、例えば、10〜60モル%、好ましくは20〜55モル%、さらに好ましくは30〜50モル%程度である。エチレン単位がこの範囲にあることにより、湿熱接着性を有するが、熱水溶解性はないという特異な性質が得られる。エチレン単位の割合が少なすぎると、エチレン−ビニルアルコール系共重合体が、低温の蒸気(水)で容易に膨潤又はゲル化し、水に一度濡れただけで形態が変化し易い。一方、エチレン単位の割合が多すぎると、吸湿性が低下し、湿熱による繊維融着が発現し難くなるため、実用性のある強度の確保が困難となる。エチレン単位の割合が、特に30〜50モル%の範囲にあると、シート又は板状への加工性が特に優れる。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体(B)におけるビニルアルコール単位のケン化度は、例えば、90〜99.99モル%程度であり、好ましくは95〜99.98モル%、さらに好ましくは96〜99.97モル%程度である。ケン化度が小さすぎると、熱安定性が低下し、熱分解やゲル化によって安定性が低下する。一方、ケン化度が大きすぎると、繊維自体の製造が困難となる。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体(B)の粘度平均重合度は、必要に応じて選択できるが、例えば、200〜2500、好ましくは300〜2000、さらに好ましくは400〜1500程度である。重合度がこの範囲にあると、紡糸性と湿熱接着性とのバランスに優れる。エチレン単位の含有量(共重合割合)は、例えば、10〜60モル%、好ましくは20〜55モル%、さらに好ましくは30〜50モル%程度である。エチレン単位がこの範囲にあることにより、湿熱接着性を有するが、熱水溶解性はないという特異な性質が得られる。エチレン単位の割合が少なすぎると、エチレン−ビニルアルコール系共重合体が、低温の蒸気(水)で容易に膨潤又はゲル化し、水に一度濡れただけで形態が変化し易い。一方、エチレン単位の割合が多すぎると、吸湿性が低下し、湿熱による繊維融着が発現し難くなる。エチレン単位の割合が、特に30〜50モル%の範囲にあると好適である。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体(B)におけるビニルアルコール単位のケン化度は、例えば、90〜99.99モル%程度であり、好ましくは95〜99.98モル%、さらに好ましくは96〜99.97モル%程度である。ケン化度が小さすぎると、熱安定性が低下し、熱分解やゲル化によって安定性が低下する。一方、ケン化度が大きすぎると、繊維自体の製造が困難となる。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体(B)の粘度平均重合度は、必要に応じて選択できるが、例えば、200〜2500、好ましくは300〜2000、さらに好ましくは400〜1500程度である。重合度がこの範囲にあると、紡糸性と湿熱接着性とのバランスに優れる。
そして、以上のようにして得られた短繊維からなる原綿を、カード機等を用いて開繊及び集積して繊維ウェブを得る。この繊維ウェブは、構成繊維がカード機の機械方向に配列したパラレル繊維ウェブ、構成繊維がランダムに配列したランダム繊維ウェブ、或いは両者の中程度に構成繊維が配列したセミランダム繊維ウェブ、パラレルウエッブ中の繊維方向が交叉するように積層させたクロスラップウエッブ等のいずれであっても差し支えない。
次に、得られたカードウェブに高圧液体流処理を行う事により構成繊維どうしを三次元的に交絡させる。高圧液体流処理を行う場合は、公知の方法を用いることができる。
例えば、柱状水流処理ノズルには、孔径が0.05〜1.0mm、特に0.1〜0.4mmの噴射孔を1列あるいは複数列配列した装置を用い、噴射圧力が0.5〜20MPaの高圧液体を前記噴射孔から噴射する方法がある。各ノズルの対面には、搬送ベルトを挟んで液体の吸引装置が配置される。孔の配列は、ウェブの進行方向と直交する方向に列状に配列し、これらが備わったノズルを複数列配置して処理する。処理するノズルの本数は、得たい絡合体の物性などを基準に噴射圧力などと共に調整を行う。この処理は、ウェブの片面あるいは両面のいずれに施してもよいが、特に片面処理の場合には、噴射孔を複数列に配列し噴射圧力を前段階で低く後段階で高くして処理を施すと、均一で緻密な交絡形態と均一な地合いを有する不織布を得ることができる。
高圧液体としては、水あるいは温水を用いるのが一般的である。噴射孔とウェブとの間の距離は、1〜10cmとするのがよい。この距離が1cm未満であるとウエッブが嵩高い場合などは装置にひっかかったり、流体の勢いでウェブの地合いが乱れたりする。一方、ノズル噴射面からウエッブまでの距離が10cmを超えるとノズルから噴射された液滞流が散乱してしまい、ウエッブに到達した時の衝撃力が低下し三次元的な有効な交絡が十分に起こせず、いずれも好ましくない。この高圧液体流処理は、連続工程あるいは別工程のいずれであってもよい。
高圧液体流処理を施した後、ウエブから過剰水分を除去する必要がある。除去方法としては、公知の方法を採用することができる。例えば、予備的に、バキューム装置により不織布中を気流を通過させ、残水分を吸引除去する方法や、マングルロール等の絞り装置を用いて過剰水分をある程度除去し、その後、続けて、連続的に、加熱ロール表面に接触させたり、熱風乾燥機等の乾燥装置を用いて残余の水分を乾燥除去する。
得られた不織布の目付は、30〜300(g/m)であることが好ましい。目付が低すぎると、消臭性能に劣り、またシートとしての強度も低く使用が困難である。また、目付が大きすぎると、嵩高くなり、風合いも硬くなり柔軟性を要求される用途には使用する事が困難となる。
また、得られた不織布は、嵩密度が0.05〜0.30g/cmであることが好ましい。嵩密度が0.05g/cm未満であると、不織布があまりにも嵩高くなりすぎ、しかも毛羽立ちが多くなるため、実用に耐えないものとなる。逆に、嵩密度が0.30g/cmを超えると、嵩高性が不十分であるため、また、不織布内部への臭気の進入も困難となるため、嵩高性を要求される性能の発現がし難くなり好ましくない。
次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における各種物性値の測定は以下の方法により実施した。
[目付(g/m)]
JIS L1913「一般短繊維不織布試験方法」に準じて測定した。
[厚さ(mm)、密度(g/cm
JIS L1913「一般短繊維不織布試験方法」を準拠して、不織繊維シートを押え圧;12g/cm、押え板;1.0 inchφ野測定器で厚さを測定し、この値と目付の値とから見掛け密度を算出した。
見掛け密度=目付/厚み(g/cm
[消臭性能評価]
a.初期性能
通常の白熱蛍光灯光照射下(500ルクス)、15cmに静置したテドラ−バッグ(容積3リットル)に試料3gを入れて密封し、ついでシリンジを用いて所定の濃度の臭気成分を含む空気を、全ガス量3リットルとなるようにテドラ−バッグ内に注入した。該注入ガスはアンモニア40ppm、硫化水素15ppm、酢酸40ppmであった。ガスを注入して特定時間経過後にテドラ−バッグ内のガスをマイクロシリンジでサンプリングし、硫化水素、酢酸のガス濃度をガスクロマトグラフィ(島津製作所社製GC−7A型)にて測定し、臭気成分の除去率を下記式により算出した。アンモニアはガス検知管(北川社製、アンモニア用型)を用い、直接テドラ−バッグ内のガス濃度を測定し、臭気成分の除去率を算出した。同様にして遮光下での測定も行った。
除去率(%)=[(C0 −C)/C0 ]×100
C0:初期ガス濃度
C :1時間後のガス濃度
b.繰り返し消臭性能
通常の白熱蛍光灯光照射下(500ルクス)、15cmに静置したテドラ−バッグ(容積3リットル)に試料3gを入れて密封し、ついでシリンジを用いて所定の濃度の臭気成分を含む空気を、全ガス量3リットルとなるようにテドラ−バッグ内に注入した。該注入ガスは酢酸40ppmであった。ガスを注入して1時間後のガス濃度をガスクロマトグラフィにより測定するとともに、酢酸40ppmを含む空気をテドラ−バッグ内に注入した。ガス濃度の測定と酢酸の注入を1時間ごとに繰り返し行った。
c.洗濯耐久性
洗濯50回繰り返した試料を用い、aの方法でアンモニアの消臭評価を行った。
[実施例1]
表1に示すように、ジカルボン酸成分のうち88.3モル%がテレフタル酸(TA)であり、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を1.7モル%、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)を5.0モル%、アジピン酸を5.0モル%、それぞれ含んだ全カルボン酸成分と、エチレングリコール、及び所定の添加剤とでエステル交換反応及び重縮合反応をさせて作った繊維(3dtex、51mm長、捲縮数21個/インチ、捲縮率13.5%)を準備した。
上記短繊維100質量%をセミランダムカードで目付80g/mの繊維ウェブを作製した。このウェブに水流交絡処理を施した。水流絡合処理は、孔径0.10mmのオリフィスが、0.6mm間隔で設けられたノズルを用いて、76メッシュの平織りポリエステルネットを支持体にし、ノズル2本を使用して、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を3.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧5.0MPa、5m/minの速度で行った。その後、ウェブを支持体から剥離し、表裏逆転した後、再度76メッシュの平織りポリエステルネットを支持体にし、先程水流を当てたのとは逆の面にノズル2本を使用して、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を3.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧5.0MPa、5m/minの速度で行った。
上記水流交絡処理により繊維交絡されたウエブ(不織布)を、水蒸気により加熱したシリンダー型乾燥機を用いて、140℃で乾燥させた。また、該不織布の諸性能は表2のとおりであった。
[実施例2〜8]
ポリエステル樹脂を上記化学式(I)で表される化合物、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸及びイソフタル酸(IPA)の共重合成分および共重合量を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして繊維を得た。更に、この繊維を実施例1と同様の手法で同様の方法で加工することにより不織布を得た。また、該不織布の諸性能は表2のとおりであった。
[実施例9]
実施例1で用いたポリエステル樹脂が繊維表面の一部を長さ方向に連続して占めており、他の成分がエチレン−ビニルアルコール系共重合体(エチレン含有量44モル%、ケン化度98.4モル%、芯鞘比=50/50)であり、このエチレン−ビニルアルコール系共重合体が繊維表面の一部を長さ方向に連続して占めている、図1 二 に示した断面構造を有する複合繊維のステープル(3dtex、51mm長、捲縮数21個/インチ、捲縮率13.5%)を準備した。この繊維を実施例1同と様な方法で処理し不織布を作成して、評価を行った、該不織布の諸性能は表2のとおりであった。
[実施例10]
実施例1で使用した繊維を70質量%、レーヨン繊維(1.4dtex、44mm長)を30質量%混綿した目付約80g/mのウェブを用い、実施例1と同様にして本発明の不織布を得た。また、該不織布の諸性能は表2のとおりであった。
[比較例1]
表1に示すように、ポリエチレンテレフタレート、(3dtex、51mm長、捲縮数21個/インチ、捲縮率13.5%)を準備した。
上記短繊維100質量%をセミランダムカードで目付80g/mの繊維ウェブを作製した。このウェブに水流交絡処理を施した。水流絡合処理は、孔径0.10mmのオリフィスが、0.6mm間隔で設けられたノズルを用いて、76メッシュの平織りポリエステルネットを支持体にし、ノズル2本を使用して、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を3.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧5.0MPa、5m/minの速度で行った。その後、ウェブを支持体から剥離し、表裏逆転した後、再度76メッシュの平織りポリエステルネットを支持体にし、先程水流を当てたのとは逆の面にノズル2本を使用して、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を3.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧5.0MPa、5m/minの速度で行った。
上記水流交絡処理により繊維交絡されたウエブ(不織布)を、水蒸気により加熱したシリンダー型乾燥機を用いて、140 ℃で乾燥させた。また、該不織布の諸性能は表2のとおりであった。
[比較例2]
比較例1で使用した繊維を70質量%、レーヨン繊維(1.4dtex、44mm長)を30質量%混綿した目付約80g/mのウェブを用い、実施例1と同様にして本発明の不織布を得た。また、該不織布の諸性能は表2のとおりであった。
本発明によれば、機械的強度に優れ、また柔軟性及び嵩高性に優れる消臭機能の優れた省エネカチオン可染ポリエステル含む短繊維不織布を得ることができる。本発明の不織布は、介護用シーツなどの衛生材料用素材、家庭用品(雑貨、寝具、他)として好適である。具体的には、障子、壁紙、ブラインド、不織布カーテン、各種カーペット、造花用材料、不織布テーブルクロス、座布団、クッション、ベッドマット)、工作用材料、クッション材、ワイピング材、家庭用雑貨(毛布、布団カバー、枕カバー、ベットカバー、寝具類、便座カバー)、また、自動車用フロワーカーペット、各種ペット用具、各種シーツ(病院用、介護用ほか)、衛生材料、各種フィルター(液体、エアーなど)他 各種用途に応用できる。
本発明の不織布を構成する複合繊維の横断面構造の例を示す模式図。

Claims (3)

  1. ジカルボン酸成分のうち75モル%以上がテレフタル酸及び/又はそのエステル形成性誘導体であり、共重合成分として下記式(I)で表される化合物(i)1.0モル%〜3 .5モル%、さらに(ii)としてシクロヘキサンジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体2.0モル%〜10.0モル%、(iii)として脂肪族ジカルボン酸及/又 そのエステル形成性誘導体2.0モル%〜8.0モル%からなるポリエステル(A)を含む短繊維で構成されるとともに、構成繊維どうしが三次元的に交絡して形態保持されていることを特徴とする短繊維不織布。
    [上記式中、Rは水素又は炭素数1〜10個のアルキル基又はエステル形成性官能基を表し、Xは4級ホスホニウム塩、4級アンモニウム塩又はアルカリ金属塩を表す。]
  2. ポリエステルを含む短繊維が、上記ポリエステル(A)とエチレン単位の含有量10〜60モル%であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体(B)とからなり、かつ該エチレン−ビニルアルコール系共重合体が繊維表面の一部を長さ方向に連続して占めることを特徴とする複合繊維である請求項1記載の短繊維不織布。
  3. 請求項1または2記載のポリエステルを含む短繊維をウェブ化し、その後に水流交絡加工を施して、このウェブを構成繊維どうしの三次元的交絡により形態保持させることを特徴とする短繊維不織布の製造方法。
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