JP2006265755A - ゴム補強用繊維の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】撚糸工程、処理工程及び成形加工工程においてスカム等の加工トラブルがなく優れた工程通過性を有し、ゴムとの接着性に優れた柔軟な処理コードを安定して得られるゴム補強用ポリエステル繊維の製造方法を提供すること。
【解決手段】ポリエステル繊維を溶融紡糸するに際し、紡出した糸条にアミン化合物を含有する油剤を付与し熱延伸した後、エポキシ化合物を含有する処理液を付与する方法であって、該処理液が1分子中にエポキシ基を4個以上有するエポキシ化合物(A)を5〜60重量部、1分子中にエポキシ基を2〜3個有するエポキシ化合物(B)を40〜95重量部含有するものであり、糸条に対するエポキシ化合物の固形分付着量が0.01〜0.5重量%であることを特徴とする。さらには、エポキシ化合物を含有する処理液を付与した後、25〜65℃で96時間以上の加熱処理を行うことや、処理液からなる混合エポキシ樹脂の硬度が65〜85の範囲であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明はゴム補強用繊維の製造方法に関し、さらに詳しくは、優れた加工性と高いゴム接着性を有するゴム補強用ポリエステル繊維の製造方法に関する。
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びその誘導体に代表されるポリエステル繊維は、優れた機械力学特性、物理的・化学的特性を有し、低コストで工業的に大量生産され、その用途は産業資材をはじめ多岐に渡っている有用な繊維であり、タイヤ、ベルトやホース等のゴム資材の補強材として非常に好適な素材である。しかしながら、極性が低い分子構造からなるポリエステル繊維は、そのゴムとの接着性が良好ではないという欠点を有しており、従来より、ポリエステル繊維とゴムとの接着性を改良する方法が種々提案されている。
例えば、ポリエステル繊維の製造工程において紡糸油剤としてエポキシ化合物を含有した油剤を付与し、延伸工程の熱を利用して熱処理することにより、ゴムとの接着性を向上させることが試みられている(たとえば特許文献1)。しかし、糸導ガイドや延伸ローラー等にエポキシ化合物の硬化物や熱劣化物等が蓄積し、工程安定性を損なうばかりか、ポリエステル繊維の品質性能が変化したり、毛羽品位の低下を招くという問題があった。さらに、その対策のために、頻繁に操業を止めてガイドやローラー等に蓄積したエポキシ硬化物や熱劣化物等を清掃除去しなければならないという問題があった。
そこで、エポキシ化合物の開環、硬化触媒であるアミン類を付与した後にエポキシ化合物を付与することによって、接着力を向上させる方法が種々提案されている(たとえば特許文献2)。しかし、製造時の気温によって接着性や、後工程での加工性などが、大きく変化し、品質が安定しないという問題があった。
特公平1−37514号公報 特開平9−158053号公報
本発明は、上記のような問題を解決し、撚糸工程、処理工程及び成形加工工程においてスカム等の加工トラブルがなく優れた工程通過性を有し、ゴムとの接着性に優れた柔軟な処理コードを安定して得られるゴム補強用ポリエステル繊維の製造方法を提供することにある。
本発明のゴム補強用繊維の製造方法は、ポリエステル繊維を溶融紡糸するに際し、紡出した糸条にアミン化合物を含有する油剤を付与し熱延伸した後、エポキシ化合物を含有する処理液を付与する方法であって、該処理液が1分子中にエポキシ基を4個以上有するエポキシ化合物(A)を5〜60重量部、1分子中にエポキシ基を2〜3個有するエポキシ化合物(B)を40〜95重量部含有するものであり、糸条に対するエポキシ化合物の固形分付着量が0.01〜0.5重量%であることを特徴とする。
さらには、エポキシ化合物を含有する処理液を付与した後、25〜65℃で96時間以上の加熱処理を行うことや、その加熱処理後の繊維1kgあたりのエポキシ指数が1.0×10−3当量/kg以下であることが好ましい。また、処理液からなる混合エポキシ樹脂の硬度が65〜85の範囲であることが好ましい。
本発明によれば、撚糸工程、処理工程及び成形加工工程においてスカム等の加工トラブルがなく優れた工程通過性を有し、ゴムとの接着性に優れた柔軟な処理コードを安定して得られるゴム補強用ポリエステル繊維の製造方法が提供される。
本発明の製造方法は、ポリエステル繊維を溶融紡糸する際に、紡出した糸条にアミン化合物を含有する油剤を付与し、熱処理した後、エポキシ化合物を含有する処理液を付与する方法である。
ここで本発明に用いるポリエステル繊維とは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びこれらを主体とするポリエステルからなるマルチフィラメントであり、ポリエステル繊維の分子量、デニール、フィラメント数、断面形状、糸質物性、微細構造、添加剤含有の有無、末端カルボキシル基濃度等のポリマー性状は何等限定されるものではない。
本発明では、溶融紡出したポリエステル繊維の未延伸糸からなる糸条を冷却固化した後、アミン化合物を含有する紡糸油剤を付与する。
油剤に含有されるアミン化合物としては、例えば、脂肪族ポリアミン、変性脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、変性芳香族ポリアミン、脂環式ポリアミン、変性脂環式ポリアミン、ポリアミドアミン、変性ポリアミドアミン、3級アミン等が挙げられる。特には脂肪族アミン化合物のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物であることが好ましく、さらには、炭素数4〜22の脂肪族アミンにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドが2〜20モル付加したものが好ましい。脂肪族アミンのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物の具体例としては、POE(4〜20)ラウリルアミノエーテル、POE(2〜20)ステアリルアミノエーテル等が挙げられる。
また、その他の紡糸油剤構成成分は平滑剤、乳化剤、帯電防止剤等、通常のポリエステル繊維の紡糸油剤で用いられるものであるが、エポキシ化合物は含有しないことが好ましい。平滑剤としては鉱物油、脂肪酸エステル類、乳化剤としては、高級アルコール類またはエチレンオキサイド(EO)付加物、帯電防止剤としてはアニオン系、カチオン系の様々な界面活性剤などが用いられる。このような紡糸油剤の各成分の割合は、アミン化合物3〜20重量%、平滑剤30〜80重量%、乳化剤20〜70重量%、その他の添加剤適量で100重量%になるような組み合わせが特に好ましい。この範囲であれば、紡糸油剤本来の平滑性、集束性の機能が失われず、また製糸工程におけるガイドや延伸ローラー等の汚れもなく、安定して生産されると共に、接着性を向上させる効果が発揮される。
この紡糸油剤は、通常のローラー式油剤付与法やノズル式油剤付与法により、溶融紡出された未延伸糸に付与される。紡糸油剤の付与量としては、0.1〜2.0重量%、好ましくは0.3〜1.0重量%である。紡糸油剤溶液は、低粘度鉱物油等で希釈したストレート油剤の形で付与しても良いし、水性エマルジョンの形で付与しても良く、特に限定されるものではない。
本発明においては、上記の紡糸油剤が付与された未延伸ポリエステル繊維は、常法によって必要に応じ熱延伸、熱処理された後、通常のローラー式油剤付与法やノズル式油剤付与法によりエポキシ化合物を含有した処理剤を付与される。
このとき本発明では、処理剤に含有されるエポキシ化合物の組成としては、1分子中にエポキシ基を4個以上有するエポキシ化合物(A)を5〜60重量部、及び1分子中にエポキシ基を2〜3個有するエポキシ化合物(B)を40〜95重量部含有することを必須とする。さらに好ましくは処理液中の、エポキシ化合物(A)は10〜55重量部、エポキシ化合物(B)は45〜90重量部であることが好ましい。処理剤に含有されるエポキシ化合物の組成として、1分子中にエポキシ基を4個以上有するエポキシ化合物(A)が60重量%以上の場合、得られるプレコートポリエステル繊維は優れた接着品質は得られるものの、その繊維及び撚糸コードが硬く、解舒不良、撚糸むらや捲取不良等の加工トラブルを引き起こす問題がある。一方、エポキシ化合物(A)が5重量%未満では、繊維上のエポキシ皮膜が弱く、撚糸工程でのスカム発生や得られた処理コードは接着性に劣る。
本発明の製造方法では、このように多官能エポキシ化合物が最適な組み合わせであるために、繊維表面のエポキシ皮膜特性が最適となり、撚糸工程、処理工程や成形加工工程での加工性が安定かつ良好で、ゴムとの接着性に優れた柔軟な処理コードが得られるのである。
本発明で用いられるエポキシ化合物の具体例としては、次のような化合物が挙げられる。(カッコ内はナガセケムテックス株式会社から市販されている製品の商品名を示す。)1分子中にエポキシ基を4個以上有するエポキシ化合物(A)の例としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル(「デナコールEX−611」、「デナコールEX−614」)、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(「デナコールEX−512」、「デナコールEX−521」)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(「デナコールEX−411」)等が挙げられる。また、エポキシ基を2〜3個有するエポキシ化合物(B)の例としては、グリセロールポリグリシジルエーテル(「デナコールEX−313」、「デナコールEX−314」)、ジグリセロールポリグリシジルエーテル(「デナコールEX−421」)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(「デナコールEX−920」)、レゾルシンジグリシジルエーテル(「デナコールEX−201」)、エチレングリコールジグリジルエーテル(「デナコールEX−811」、「デナコールEX−821」、「デナコールEX−830」、「デナコールEX−841」)等が挙げられる。
また、本発明の製造方法では、ゴム補強用ポリエステル繊維糸条に対するエポキシ化合物の固形分付着量が0.001〜0.5重量%であることが必須である。さらにはエポキシ化合物の付着量としては、0.05〜0.4重量%であることが好ましい。エポキシ化合物の付着量が0.5重量%を超えた場合、ポリエステル繊維を構成する単糸間がエポキシで膠着することによって、得られる繊維、撚糸コード及び処理コードが硬くなり、加工性や成形性が劣化するばかりでなく、過剰のエポキシが後工程のガイドやローラー上に脱離してしまうためにスカム発生の問題が生じ、工程通過性が低下する。一方、エポキシ化合物の付着量が0.01重量%未満では、充分な接着性を得るためのポリエステル繊維の表面を被覆するエポキシ皮膜が得られず、接着性が低下する。
本発明で用いられる処理剤は、通常、水系エマルジョンの形で使用される。処理剤には、前述の紡糸油剤で用いられるような平滑剤、乳化剤、帯電防止剤やその他添加剤等を必要に応じて混合しても良い。
本発明の製造方法では、エポキシ化合物を含有する処理液を付与した後、常温で保管しても良いが、好ましくは25〜65℃で96時間以上の加熱処理を行う。さらに好ましくは30〜60℃の温度で処理することが、時間としては120時間以上であることが好ましい。低い温度ではエポキシの硬化反応速度が遅く、本発明の効果が有効に得られにくい傾向にある。一方、高い温度ではゴムとの良好な接着力は得られるものの、ポリエステル繊維の性能が変化したり、硬化したエポキシ化合物が硬くなりすぎる傾向にある。
さらに、安定した加工性やゴムとの接着性を得るためには、上記の加温処理後のポリエステル繊維1kgあたりのエポキシ指数(EI)が1.0×10−3当量/kg以下であることが好ましく、さらには0〜0.5×10−3当量/kgであることが好ましい。処理剤を付与されたポリエステル繊維の加温処理後のエポキシ指数(EI)が高すぎる場合には、未反応のエポキシ化合物が多いために、撚糸加工で粘性を帯びたスカムがガイド類に発生する傾向にあり、頻繁に操業を止めてガイド類に堆積したスカムを清掃除去する必要が生じたりそれに伴って断糸が発生するなどの加工性の低下とともに、撚斑等の製品品位の低下を招く傾向にある。
また、本発明で用いる処理液からなる混合エポキシ樹脂の硬度は65〜85の範囲であることが好ましい。ここで、混合エポキシの硬度とは、混合エポキシを含む処理液に5重量%のPOE(10)ラウリルアミノエーテルを加え50℃の温度で96時間反応させてJIS K7215にしたがって求めた硬度(HDA)である。さらには混合エポキシ硬化樹脂の硬度(HDA)は、70〜80であることが好ましい。得られる混合エポキシ硬化樹脂が硬すぎる場合には、ポリエステル繊維上に混合エポキシ化合物を付与して加温処理した場合に、繊維あるいは単糸間でエポキシ硬化物による膠着が起こりやすく、後工程での解舒不良を引き起こしてしまう傾向にある。また、得られる撚糸コードや処理コードが非常に硬く、コードの捲取不良やゴム成形品の外観不良やコードの飛び出しなどの成形加工でのトラブルを引き起こしやすい傾向にある。一方、柔らかい場合には、ポリエステル繊維上のエポキシ皮膜が弱く、接着性が低下する傾向にある。
本発明の製造方法にて得られるゴム補強用繊維は、従来公知の方法にて撚糸しまたは製織し、コードや織物の状態にて通常のRFL等のゴム繊維用接着剤で処理を施すことによって、常に安定して、撚糸工程、処理工程及び成形加工工程においてスカム等の加工トラブルが少なくない優れた工程通過性を有し、柔軟でありながらゴムとの接着性に優れたゴム補強用繊維となる。そしてこの繊維を用いて得た製品は、最終製品成型時の加工性が高いので製品の製造ロスが少なく、製品の外観品位も向上した製品となる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。尚、「部」は重量部を意味し、実施例における性能評価は、次の方法によって行った。
(1)エポキシ指数(EI)
加温処理後の該ポリエステル繊維をJIS K−7236に従ってエポキシ指数(EI:繊維1kgあたりのエポキシ当量数)を測定した。
(2)混合エポキシ樹脂の硬度(HDA)
エポキシ化合物(A)及びエポキシ化合物(B)からなる混合エポキシ樹脂を含む処理液に、混合エポキシ樹脂の固形分重量に対して5重量%のPOE(10)ラウリルアミノエーテルを加えて攪拌し、テフロン樹脂製シャーレに混合エポキシ樹脂の厚みが5mm以上となるように入れた。この混合エポキシ樹脂を50℃の温度に一定に保たれた恒温槽に96時間入れて加温処理を施した。得られた硬化した混合エポキシ樹脂をA型硬度計(古里精機製作所製)を用いてJIS K7215に従って硬度(HDA)を求めた。
(3)撚糸加工性の評価
加熱処理後の該ポリエステル繊維を常法にて撚糸する工程において、糸導ガイド類やローラー等に蓄積するスカムの発生量、あるいは原糸の解舒性や撚糸コードのチーズ形状パッケージへの捲取性を総じて撚糸捲取性として評価した。スカム発生量については、
○:糸導ガイド・ローラー等の清掃周期が7日以上、
△:前記清掃周期が2日以上7日未満、
×:前記清掃周期が2日未満、
の3段階で評価した。また、撚糸捲取性については、
○:原糸の解舒性、撚糸コードの捲取性に全く問題ない、
△:原糸の解舒性についてはまずまずだが、撚糸コードの捲取るとややバルジ状の捲姿となる、
×:原糸パッケージが硬く解舒性不良、かつ、撚糸コードの捲取性困難である、
の3段階で評価した。
(4)コード硬さ
ガーレイ式硬さ測定機(テスター産業社製)を用い、JIS L−1096−6.20に従って測定し、○:柔軟で良好、△:やや硬く、やや不良。×:非常に硬く不良、の3段階で相対評価した。
(5)剥離接着力
処理コードを自動車タイヤ用カーカス配合ゴム中に、コード密度36本/3cmになるように埋め込んだプライ2枚を重ね合せ、20kg/cmの加圧下で、150℃で30分間加硫した後、取り出し、温度25℃で、引張荷重測定器(島津製、オートグラフ)を用い、引張速度5cm/分で剥離に要する剥離強力を測定した。
[実施例1〜3、比較例1〜4]
(a)紡糸油剤の調整
グリセリントリオレート67部、POE(10)ラウリルアミノエーテル8部、POE(20)硬化ヒマシ油エーテル10部、POE(20)硬化ヒマシ油トリオレート12部、POE(8)オレイルホスフェートNa2部、酸化防止剤1部からなる油剤組成分10部を50℃に加温し、50℃の軟化水90部に添加しながら攪拌した後、室温に冷却した。
(b)処理剤の調整
各実施例において、1分子中にエポキシ基を4個以上有するエポキシ化合物(A)と、1分子中にエポキシ基を2〜3個有するエポキシ化合物(B)を下記に示す組成比としたエポキシ化合物60部、ジイソオクチルアゼレート30部、POE(8)硬化ヒマシ油エーテル8部、ジイソオクチルスルホサクシネートNa2部からなる処理剤組成分45部を40℃に加温した後、40℃に加温した軟化水55部にゆっくり添加しながら攪拌したのち、18℃に冷却し、処理剤とした。
実施例1;エポキシ化合物(A)としてポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製「デナコールEX−512」)50重量%と、エポキシ化合物(B)としてグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製「デナコールEX−314」)50重量%。
実施例2;エポキシ化合物(A)としてポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製「デナコールEX−512」)25重量%と、エポキシ化合物(B)としてグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製「デナコールEX−314」)75重量%。
実施例3;エポキシ化合物(A)としてポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製「デナコールEX−512」)25重量%と、エポキシ化合物(B)としてジグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製「デナコールEX−421」)75重量%。
比較例1;エポキシ化合物(A)としてポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製「デナコールEX−512」)75重量%と、エポキシ化合物(B)としてグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製「デナコールEX−314」)25重量%。
比較例2;エポキシ化合物(A)としてポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製「デナコールEX−512」)100重量%。
比較例3;エポキシ化合物(B)としてジグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製「デナコールEX−421」)100重量%。
比較例4;エポキシ化合物(B)としてグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製「デナコールEX−314」)100重量%。
(c)ポリエステル繊維の製造
固有粘度(35℃オルトフロロフェノール溶媒にて測定)0.75のポリエチレンテレフタレートチップを用い、溶融紡糸法により下記の要領で1100dtex/192フィラメントのポリエステル繊維を得た。紡糸口金より紡出され、冷却固化した未延伸糸に、上記の方法で調製した紡糸油剤を繊維100部に対して油剤付着分 0.3部となるようにローラー式油剤付与法で付与した後、60℃の第1ローラーで引取り、第1ローラーと120℃の第2ローラーとの間で3.5倍に第1段延伸し、さらに、第2ローラーと230℃の第3ローラーとの間で合計延伸倍率が5.8倍になるように第2段延伸し、引き続き第3ローラーと第4ローラーとの間で5%のリラックスを与えるとともに、上記の方法で調整した仕上処理剤を繊維100部に対して油剤付着分が0.2重量部となるようにローラー式油剤付与法で付与し、第4ローラーと捲取機の間でILノズルで交絡を付与したのちに3000m/分の速度で各10kgを捲取った。捲取った繊維は50℃の温度に調整された恒温槽に入れ、120時間の加温熱処理を施した。
(d)コードの処理
上記の方法で得られた1100dtex/192フィラメントのヤーン2本を下撚490回/m、上撚490回/mの撚数で撚糸し、得られた撚糸コードをチーズ形状のパッケージに200m/分の速度で捲き返しを行った。このときの撚糸加工性は前述の方法にて評価した。
次にこの撚糸コードを接着剤(RFL系接着剤)に浸透し、100℃で120秒間乾燥した後、230℃で120秒間熱処理し、処理コードとした。
得られたポリエステル繊維の加温熱処理後のエポキシ指数、加温処理後の硬化エポキシ混合樹脂の硬度、ポリエステル繊維の撚糸加工性、処理コードの硬さ及びゴムとの接着性の評価結果を表1にまとめて示す。
Figure 2006265755
表1の結果から明らかなように、実施例1〜3は撚糸加工性、処理コードの硬さ及びゴムとの接着性に優れた結果を示している。一方、比較例1、3では硬化エポキシ樹脂が硬く、撚糸工程における捲取性、コードの硬さがやや不良であり、また接着力も実施例と比較して若干劣る結果であった。比較例2は比較例1に比べてさらに硬化エポキシ樹脂が硬く、撚糸工程における捲取性、コードの硬さが不良であった。比較例4は硬化エポキシ樹脂が非常に柔らかく、撚糸工程における捲取性、コードの硬さは良好であったものの、撚糸工程において多量のスカムの発生が認められ、また接着力も実施例と比較して若干劣る結果であった。この時のエポキシ指数は1.1×10−3当量/kgと実施例に比べて高く、エポキシの硬化反応性がやや劣っている。

Claims (4)

  1. ポリエステル繊維を溶融紡糸するに際し、紡出した糸条にアミン化合物を含有する油剤を付与し熱延伸した後、エポキシ化合物を含有する処理液を付与する方法であって、該処理液が1分子中にエポキシ基を4個以上有するエポキシ化合物(A)を5〜60重量部、1分子中にエポキシ基を2〜3個有するエポキシ化合物(B)を40〜95重量部含有するものであり、糸条に対するエポキシ化合物の固形分付着量が0.01〜0.5重量%であることを特徴とするゴム補強用繊維の製造方法。
  2. エポキシ化合物を含有する処理液を付与した後、25〜65℃で96時間以上の加熱処理を行う請求項1に記載のゴム補強用繊維の製造方法。
  3. 加熱処理後の繊維1kgあたりのエポキシ指数が1.0×10−3当量/kg以下である請求項2記載のゴム補強用繊維の製造方法。
  4. 該処理液からなる混合エポキシ樹脂の硬度が65〜85の範囲である請求項1記載のゴム補強用繊維の製造方法。
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