JP4457747B2 - 炭素繊維束 - Google Patents

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Description

本発明は、一方向プリプレグを製造するときに好ましく用いることができる炭素繊維束に関する。
よく知られているように、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)を成形する際、炭素繊維とB−ステージの熱硬化性樹脂とを複合してなるプリプレグが用いられる。プリプレグには多種多様なものがあるが、炭素繊維の配向の方向や量を制御しやすいことから、炭素繊維を一方向に互いに並行かつシート状に引き揃えてなる一方向プリプレグが多用されている。そのような一方向プリプレグは、通常、数十本から数百本の炭素繊維束を互いに並行かつシート状に引き揃え、ガイド等に接触させて開繊、拡幅することによって得られ
た炭素繊維シートの片面または両面にB−ステージのマトリクス樹脂を塗布した離型紙をそのマトリクス樹脂塗布面が炭素繊維シート側を向くように重ね合わせ、重ね合わせ体を加熱、加圧して炭素繊維シートに離型紙上のマトリクス樹脂を転移、含浸する、いわゆるホットメルト法によって製造されているが、近年、ゴルフクラブシャフトや釣竿等のスポーツ分野において、より一層の軽量化のために、炭素繊維の目付が30〜100g/m2といった、より薄い一方向プリプレグが要求されるようになってきている。
ところで、炭素繊維束は、集束性に乏しく、捌けやすいために、擦過されると容易に単繊維切れを起こし、毛羽が発生する。そのため、炭素繊維束には、通常、サイジング剤を付与し、集束性と耐擦過性を向上させるようにしている。しかしながら、一方で、サイジング剤を付与すると開繊、拡幅性が低下する。すなわち、毛羽の発生を防止しようとして集束性や耐擦過性を向上させることと、より薄い一方向プリプレグを得ようとして開繊、拡幅性を向上させることとは相反する関係にあり、これらを両立させることはなかなか難しい。そのため、いろいろな工夫がなされている。
たとえば、サイジング剤を付与した炭素繊維束を緊張下にホットロールに接触させて扁平化し、幅が厚みの15倍以上もあるような炭素繊維束とすることが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。しかしながら、一旦拡げた炭素繊維束の幅を維持するためには高粘度の(硬い)サイジング剤を多量に付与することが必要となることがあり、そうするとガイド等との摩擦係数が低くなりすぎて開繊、拡幅に必要な摩擦力が得られなくなる。また、単繊維同士の結着力が強くなりすぎて開繊、拡幅性が低下してくる。さらに、後のマトリクス樹脂の含浸工程において炭素繊維束の内部にマトリクス樹脂が入りにくくなるため、得られる一方向プリプレグの特性のばらつきが大きくなる。
また、耐擦過性と開繊、拡幅性の双方を向上させるために、サイジング剤としてエポキシ樹脂と水溶性ポリウレタン樹脂とを含むエマルジョンを用いることが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。しかしながら、この従来の技術は、炭素繊維束を構成する単繊維の表面が粗い場合には有効であるものの、乾湿式紡糸によるポリアクリロニトリル系繊維を耐炎化、炭化して得られる、表面が比較的平滑な単繊維で構成される炭素繊維束の場合には、ガイド等との摩擦力が高くなりすぎ、毛羽が発生して一方向プリプレグの品位が低下したり、得られる一方向プリプレグに割れが発生したりしやすい。そのため、薄い一方向プリプレグを製造する場合には向かない。
このように、従来の炭素繊維束は、耐擦過性、集束性、開繊、拡幅性といった、より薄い一方向プリプレグを製造するときに要求される特性をバランスよく備えるには至っていない。
特開平1−292038号公報 特開平1−162876号公報
本発明の目的は、従来の技術の上述した問題点を解決し、優れた耐擦過性、集束性、開繊、拡幅性を備え、特に、炭素繊維の目付が30〜100g/m2といった、より薄い一方向プリプレグを製造するときに好適な炭素繊維束を提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明は、実質的に撚りを有しない、サイジング剤が付着している炭素繊維束であって、該サイジング剤が軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂と、多環フェノール類と飽和カルボン酸との縮合物または多環式芳香族ジグリシジルエーテルへの飽和カルボン酸の付加物からなる芳香族系ジエステル(以降、多環フェノール類と飽和カルボン酸との縮合物または多環式芳香族ジグリシジルエーテルへの飽和カルボン酸の付加物からなる芳香族系ジエステルを単に芳香族系ジエステルと総称する)とを含んでおり、25℃におけるドレープ値D25が10〜20cmの範囲内にあって80℃におけるドレープ値D80との比D80/D25が0.3〜0.7の範囲内にあり、かつ、厚みが50〜150tex/mmの範囲内にあることを特徴とする炭素繊維束を提供する。炭素繊維束を構成している単繊維は、実表面積Srと投影面積Spとの比Sr/Spが1≦Sr/Sp<1.02の範囲内にあるのが好ましい。サイジング剤は、軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂と芳香族系ジエステルとを含んでいるものが好ましく、また、前者の軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂および後者の芳香族系ジエステルの含有量がそれぞれ5〜30重量%の範囲内にあるのが好ましい。その場合、サイジング剤の含有量は0.3〜1.5重量%の範囲内にあるのが好ましい。
上記において、実質的に撚りを有しない炭素繊維束とは、撚りを全く有していないか、有していても1mあたり0.5ターン以下である炭素繊維束をいう。
また、ドレープ値は、次のようにして測定する。すなわち、まず、炭素繊維束に0.04g/Texの重錘を取り付け、22±3℃、60±5%Rhの雰囲気下に30分間吊して撚りや曲がりを矯正する。次に、その炭素繊維束を30〜40cm程度の適当な長さに切断し、その一端部を、適当な柱状体の上面、たとえば四角柱の上面に、任意の一辺に対して平行になるように、かつ、四角柱の側面からの長さが25cmになるように固定し、水平になるように他端部を把持する。把持を開放すると炭素繊維束は垂れ下がるが、ドレープ値は、この垂れ下がりの程度に関連していて、四角柱の側面と垂れ下がった炭素繊維束の先端部とがなす最も近い水平距離(cm)をもってドレープ値とする。測定は、上記雰囲気下で、かつ、他端部の把持を開放してから1秒後に行い、n数は10とし、単純平均値として求める。
さらに、実表面積Srと投影面積Spとの比Sr/Spは、次のようにして測定する。すなわち、炭素繊維束を数mmの長さに切断し、単繊維を抜き出す。次に、銀ペーストを用いて単繊維をシリコンウエハ上に固定し、原子間力顕微鏡、たとえばDigital Instruments社製Nanoscope IIIa原子間力顕微鏡のDimension 3000ステージシステムを用い、3次元表面形状の像を得る。なお、走査モードはタッピングモードとし、探針には、たとえばオリンパス光学工業株式会社製Siカンチレバー一体型探針OMCL−AC120TSを用いる。また、走査速度は0.4Hz、ピクセル数は512×512、測定雰囲気は25±2℃の大気中とする。次に、得られた像について、上記原子間力顕微鏡に付属のソフトウエアNanoscope IIIバージョン4.22r2を用いてデータ処理し、1次フィルタ、Lowpassフィルタ、3次Plane Fitフィルタを用いてフィルタリングし、得られた像全体を対象にして実表面積Srと投影面積Spとを算出し、それらの比、すなわち、Sr/Spを求める。なお、投影面積は、単繊維が曲面を有していることを考慮し、曲面の曲率に近似した3次曲面への投影面積とする。そして、1個の単繊維について任意に選んだ5か所について上記測定を行い、最大値と最小値とを除いた3か所の相加平均値をもって比Sr/Spとする。n数は3とし、単純平均値として求める。
また、炭素繊維束の厚みは、次のようにして求める。すなわち、パッケージから炭素繊維束を解舒しながら、30cm解舒されるたびにパッケージ上での糸幅を測定する。n数を30とし、その単純平均値をもって糸幅W(mm)とするとともに、これと炭素繊維束の目付Ws(tex)とから、次式によって求める。
炭素繊維束の厚み(tex/mm)=Ws/W
さらに、サイジング剤の軟化点は、次のようにして測定する。すなわち、高化式フローテスタを用い、内径1mm、長さ1mmのオリフィスを使用し、荷重9.8N、昇温速度3℃/分としたときの流動開始温度を測定する。n数は3とし、単純平均値として求める。
また、サイジング剤の付着量は、次のようにして測定する。すなわち、重量W1g(約2g)の炭素繊維束を、50リットル/分の窒素ガスが流されている450℃の電気炉(容量:120cm3)に入れ、15分間放置してサイジング剤を完全に熱分解させる。次に、20リットル/分の乾燥窒素ガスが流されている容器内に移し、15分間冷却した後の重量W2gを測定し、次式から求める。
サイジング剤の付着量(%)=((W1− W2)/W1)×100
本発明の炭素繊維束は、優れた耐擦過性、集束性、開繊、拡幅性を有し、特に、炭素繊維の目付が30〜100g/m2といった、より薄い一方向プリプレグを製造するときに大変好適である。
本発明の炭素繊維束は、実質的に撚りを有しない、サイジング剤が付着している炭素繊維束であって、該サイジング剤が軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂と、多環フェノール類と飽和カルボン酸との縮合物または多環式芳香族ジグリシジルエーテルへの飽和カルボン酸の付加物からなる芳香族系ジエステル(以降、多環フェノール類と飽和カルボン酸との縮合物または多環式芳香族ジグリシジルエーテルへの飽和カルボン酸の付加物からなる芳香族系ジエステルを単に芳香族系ジエステルと総称する)とを含んでおり、25℃におけるドレープ値D25が10〜20cmの範囲内にあって80℃におけるドレープ値D80との比D80/D25が0.3〜0.7の範囲内にあり、かつ、厚みが50〜150tex/mmの範囲内にある。
炭素繊維束は、ポリアクリロニトリル系繊維、ピッチ系繊維、レーヨン系繊維等、いずれを原料繊維とするものであってもよいが、耐擦過性に優れた炭素繊維束が得られるという理由で、ポリアクリロニトリル系繊維を原料繊維とするものであるのが好ましい。なお、原料繊維は、得られる炭素繊維束の単繊維の表面をより平滑にできる乾湿式紡糸法によるものであるのが好ましい。
炭素繊維束を構成している単繊維の数は、3,000〜50,000本程度である。炭素繊維の目付が30〜100g/m2程度の薄い一方向プリプレグを得るためには、通常、ボビン上に巻かれた状態の炭素繊維束の糸幅の2倍以上に開繊、拡幅する必要がある。そのためは、6,000〜30,000本であるのが好ましい。なお、開繊、拡幅は、炭素繊維束を緊張下に金属製のガイドに接触させる方法が一般的であるが、ロール軸方向や、ロール軸方向と直交する方向に振動する振動ロールに接触させる方法によるのもよい。
炭素繊維束は、それを構成している単繊維の実表面積Srと投影面積Spとの比Sr/Spが1≦Sr/Sp<1.02の範囲内にある、それも原料繊維の製造を得られる炭素繊維束の単繊維の表面をより平滑にできる乾湿式紡糸によるものが好ましい。実表面積Srと投影面積Spは、紡糸条件を変更したり紡糸後の延伸倍率を変更したりすることによって変えることができるが、この比が低い、すなわち、横断面の形状が真円に近いほど耐擦過性が向上するので好ましい。比が1.02以上になると耐擦過性が低下して毛羽が発生しやすくなる。それゆえ、実表面積Srと投影面積Spとの比Sr/Spは1≦Sr/Sp<1.02の範囲内にあるのが好ましい。
炭素繊維束は、実質的に撚りを有しない。撚りを有していると、開繊、拡幅性が低下するからである。
炭素繊維束は、開繊、拡幅性を向上させるためには、常温においては十分な耐擦過性を有するように適度な硬さを有し、開繊、拡幅時には柔軟性を奏することが必要である。開繊、拡幅操作は、通常、炭素繊維束を加熱しながら行うため、本発明においては、指標として、25℃におけるドレープ値と、80℃におけるドレープ値とを採用している。そして、本発明の炭素繊維束は、25℃におけるドレープ値D25が10〜20cmの範囲内にあって80℃におけるドレープ値D80との比D80/D25が0.3〜0.7の範囲内にある。
25℃におけるドレープ値D25は、上述したように10〜20cmの範囲内にあるが、好ましい範囲は12〜19cmであり、さらに好ましい範囲は14〜18cmである。ドレープ値D25が10cm未満では、柔らかすぎて、一方向プリプレグを製造する際に、炭素繊維束が、パッケージから炭素繊維束を繰り出すためのガイドや、炭素繊維束を互いに並行かつシート状に引き揃えるためのコーム等に接触したとき、折れ曲がったり撚りが入ったりするようになる。折れ曲がったり撚りが入ったりすると、その部分は糸幅が小さくなり、得られる一方向プリプレグに割れができるようになる。一方、ドレープ値D25が20cmを超えると、硬くなりすぎて十分な開繊、拡幅性を得ることがが困難になる。
一方、炭素繊維束の開繊、拡幅操作は、上述したように一般に加熱しながら行うが、そのときは炭素繊維束は柔軟であるほうがよい。したがって、80℃におけるドレープ値D80は、25℃におけるそれよりも小さくする。しかしながら、柔らかくなりすぎると、耐擦過性を改善するというサイジング剤本来の作用を期待できなくなってしまう。そのため、本発明においては、そのような不都合を生じないよう、25℃におけるドレープ値D25と80℃におけるドレープ値D80との比D80/D25を0.3〜0.7の範囲内としている。比D80/D25が0.3未満であると、耐擦過性を改善するというサイジング剤本来の作用を期待できなくなる。また、0.7を超えると、炭素繊維束が硬くなりすぎて開繊、拡幅が困難となる。好ましい比D80/D25の範囲は、0.4〜0.6である。
また、炭素繊維束の開繊、拡幅をより効率よく行うためには、炭素繊維束への熱伝導が効率よく、かつ、均一に行われることが重要になる。そのためには、炭素繊維束の厚みを薄くすることが有効である。この点、炭素繊維束の厚みが150dtex/mmよりも大きくなると熱伝導の均一性が低下し、開繊、拡幅性が大きく低下してくる。一方、厚みが50dtex/mmよりも小さくなると、ガイド等との擦過で毛羽が発生しやすくなり、たとえ25℃におけるドレープ値を10〜20cmの範囲内にしても毛羽立ちを抑えることができなくなる。それゆえ、本発明においては、炭素繊維束の厚みを50〜150dtex/mmの範囲内に制限している。
さらに、開繊、拡幅を、炭素繊維束を緊張下に金属製のガイドと接触させることによって行う場合、炭素繊維束に毛羽が発生したり、得られる一方向プリプレグに割れが発生したりするのをより確実に防止するために、F/M摩擦係数が0.25〜0.45の範囲内となるようにするのが好ましい。F/M摩擦係数が0.25未満である場合には、後の開繊、拡幅が不十分になることがある。また、0.45を超えると、開繊、拡幅の際に毛羽が発生することがある。さらに好ましいF/M摩擦係数の範囲は、0.3〜0.4である。ここで、F/M摩擦係数は、次のようにして測定する。すなわち、表面温度が100℃となるように加熱した、直径が50mm、表面粗さRmaxが3μmの、表面にクロムメッキが施されている金属棒を、150mm間隔で、5本、かつ、炭素繊維束が金属棒に合計で540°の角度で接触しながら通過するよう上下方向に交互に配置する。そして、金属棒に炭素繊維束を順次掛け渡し、パッケージからの解舒張力を120gに設定し、駆動ロールで牽引して金属棒群を通過させ、下記式からF/M摩擦係数を算出する。F/M摩擦係数は、大きくなるほど金属棒との摩擦力が大きくなることを示している。
F/M摩擦係数=ln(α/β)/θ
α:金属棒群の出側における炭素繊維束の張力
β:金属棒群の入側における炭素繊維束の張力(=120g)
θ:炭素繊維束と金属棒群との合計接触角(=540°)
さて、上述したような炭素繊維束は、それに付与するサイジング剤を選択することによって得ることができる。すなわち、サイジング剤には多種多様なものがあるが、本発明においては、軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂と、芳香族系ジエステルとを含むサイジング剤を用いる
芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂は、炭素繊維束の25℃におけるドレープ値を10〜20cmの範囲内とするために有用である。用いる熱可塑性ポリエステル樹脂としては、本特許にて規定する25℃での高いドレープ値D25および80℃でのドレープ値D80を満足するためには、熱を受けた際に柔軟になりやすい芳香族系のものが用いられる。既存の、25℃では固形の、たとえばエポキシ樹脂を添加することによってもドレープ値を上述の範囲内とすることはできるが、そのような固形の熱硬化性樹脂を添加すると粘着性が増大し、特に高温にさらした際にガイド等にサイジング剤が転写、堆積することがあり、堆積したサイジング剤に単繊維が取られて毛羽立ちの原因となることがあるため熱可塑性ポリエステル樹脂を用いる。
本発明においては、上述した芳香族系熱可塑ポリエステル樹脂のなかでも、軟化点が80〜150℃の範囲内にあるものを選択、使用する。軟化点が80℃未満のものでは、炭素繊維束の25℃におけるドレープ値を10cm以上とするのは難しい。また、軟化点が150℃を超えるようなものは、開繊、拡幅時に加熱してもドレープ値が低下せず、良好な開繊、拡幅性が得られない場合がある。より好ましい軟化点の範囲は、100〜140℃である。
F/M摩擦係数を前記好ましい範囲とし、より高い拡幅性と耐擦過性とを両立させるためには、上述の芳香族熱可塑性ポリエステル樹脂に加えて、芳香族系ジエステルをサイジング剤中に配合する。
芳香族系ジエステルとしては、多環フェノール類と飽和カルボン酸との縮合物または、多環式芳香族ジグリシジルエーテルへの飽和カルボン酸の付加物が用いられる。また、これらの混合物であってもよい。ここでいう多環フェノール類としては、ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびそれぞれのアルキル置換体が挙げらる。また、多環式芳香族ジグリシジルエーテルとしては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などが挙げられる。また、ガイド等との摩擦係数を適度に向上させ、開繊、拡幅性を向上させる。かかる芳香族系ジエステルの中でも、前記飽和カルボン酸が、炭素数4〜30であることがF/M摩擦係数を好ましい範囲に制御する上で好ましい。
この芳香族系ジエステルに替えて、モノエステル体やトリエステル体を用いることも可能ではあるが、モノエステル体では、高温にした際の糸条硬さ、つまりドレープ値の低下が大きくなり、高温での耐擦過性が低下する傾向にある。また、トリエステル体以上である場合、F/M摩擦係数が高くなりすぎることがあるため、ジエステルであることが好ましい。なお、これらを複数種配合することを妨げるものではない。
上述の芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂と芳香族ジエステルを組み合わせて用いることが本発明にて規定する繊維束の硬さおよび耐擦過性を両立させ、さらにはF/M摩擦係数を調整する上で重要である。
上述した、軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂および芳香族系ジエステルの含有量は、それぞれ5〜30重量%の範囲内にあるのが好ましい。芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂の含有量が5重量%未満では、25℃における形態安定性が低下し、ガイド等への接触によって炭素繊維束が折り畳まれたり撚りが入ったりすることがあり、得られる一方向プリプレグに割れ等の欠陥を生ずることがある。また、30重量%を超えると、25℃におけるドレープ値が大きくなって開繊、拡幅性が低下し、その結果として一方向プリプレグに割れ等の欠陥を生ずることがある。一方、芳香族系ジエステルの含有量が5重量%未満では、ガイド等との摩擦が大きくなって毛羽を発生することがあり、張力が高くなって得られる一方向プリプレグに皺ができることがある。また、30重量%を超えると、摩擦係数が低くなってガイド等によるしごきが弱くなり、開繊、拡幅性が低下することがある。軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂および芳香族系ジエステルの含有量のさらに好ましい範囲は、それぞれ5〜25重量%であり、最も好ましい範囲は8〜15重量%である。
サイジング剤には、通常、基剤である、軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂および芳香族系ジエステル以外のものも含まれている。そのような基剤としては、たとえば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂がある。一方向プリプレグのマトリクス樹脂としては、一般に、エポキシ樹脂、それもビスフェノール型のエポキシ樹脂が用いられている。そのため、サイジング剤にエポ
キシ樹脂、特にビスフェノール型のエポキシ樹脂を含有させると、マトリクス樹脂との接着性が向上し、力学的特性に優れたCFRPを得ることができるようになる。これらの熱硬化性樹脂は、固形であると粘着性が増大し、ガイド等にサイジング剤が転写、堆積することがあるので、液状であるのが好ましい。また、ガイド等との摩擦係数の調整のためには、脂肪族ポリアルキレングリコール類、芳香族アルキレングリコール類、肪族系エステル化合物等を含ませておく。特に、脂肪族ポリアルキレングリコールや芳香族ポリアルキレングリコールは、サイジング剤を水溶媒系とすることができるので好ましい。
炭素繊維束にサイジング剤を付着させる方法としては、転写法、浸漬法、スプレイ法等を用いることができ、既知の方法を採ることもできる。付着量は0.3〜1.5重量%の範囲内とするのが好ましい。付着量があまり少ないと集束性や耐擦過性が不足することがあり、また、あまり多いと集束性が強くなりすぎることがある。それゆえ、サイジング剤の付着量は0.3〜1.5重量%の範囲内とするのが好ましい。より好ましい範囲は、0.4〜1重量%である。
サイジング剤の付与後は、通常、乾燥して溶媒を除去する。この乾燥によっても、炭素繊維束の25℃におけるドレープ値を変えることができる。乾燥は、あまり低い温度ではドレープ値が低くなりすぎることがあり、あまり高いと逆に高くなりすぎることがあるので、200〜250℃の範囲内の温度で3分程度以内の時間内に行うのが好ましい。なお、乾燥に先立って、炭素繊維束の厚みを調整するために、炭素繊維束を100〜180℃程度の加熱ロールに1分程度以下の時間押し付けて予備乾燥させることもできる。
本発明の炭素繊維束を開繊、拡幅するには、上述したように金属製のガイドや振動ロール等を用いる。開繊、拡幅は、炭素繊維束を70〜120℃程度の温度に予熱し、1〜10秒程度の時間内に行うのが好ましい。また、開繊、拡幅に際してパッケージから炭素繊維束を引き出すときの張力は、一定とするのが好ましいが、変動が避けられない場合でも、炭素繊維束に折れ曲がりや捻れが発生しないよう、張力変動を18%以内に抑えるようにするのが好ましい。
以下に示す実施例および比較例において、炭素繊維束の張力変動率、拡がり幅および高次加工性は、次のようにして測定する。
張力変動率:
パッケージから解舒するときの炭素繊維束の張力を、5秒に1回、1分間にわたって測定し、そのばらつきを次式、
張力変動率(%)=(標準偏差値/平均値)×100
に基づいて求める。
拡がり幅:
表面温度が80℃となるように加熱した、直径が50mm、表面粗さRmaxが3μmの、表面にクロムメッキが施された金属円筒を、150mm間隔で、5本、かつ、炭素繊維束が金属円筒に合計で540°の接触角で接触しながら通過するよう上下方向に交互に配置する。そして、金属円筒に炭素繊維束を順次掛け渡し、120gの張力下に6m/分の速度で通過させ、最終段の金属円筒上での炭素繊維束の幅をノギスを用いて5秒おきに100点測定し、その単純平均値をもって拡がり幅とする。
高次加工性:
炭素繊維束を用い、幅が600mmで、炭素繊維の目付が55g/m2の一方向プリプレグを製造し、その一方向プリプレグ100mあたりの、0.5mmを超える割れの個数と、毛羽の個数をカウントする。製造条件は次のとおりとする。すなわち、表面温度が80℃となるように加熱した、直径が50mm、表面粗さRmaxが3μmの、表面にクロムメッキが施されている金属棒を、150mm間隔で、5本、かつ、炭素繊維束が金属棒に合計で540°の角度で接触しながら通過するよう上下方向に交互に配置する。そして、互いに並行かつシート状に引き揃えた炭素繊維束を金属棒に順次掛け渡し、パッケージからの解舒張力を120gに設定し、駆動ロールで牽引して金属棒群を通過させて開繊、拡幅して炭素繊維シートとする。次に、炭素繊維シートの両面に、一面にエポキシ樹脂を主成分とするマトリクス樹脂を塗布した離型紙を樹脂塗布面が炭素繊維シート側になるように重ね合わせ、離型紙上のマトリクス樹脂を炭素繊維シートに転移、含浸して一方向プリプレグとする。
実施例1:
炭素繊維束として、乾湿式紡糸法により紡糸した前駆体繊維を焼成することにより得た、単繊維数12,000本、引張強度4,900MPa、引張弾性率230GPa、繊度800texのポリアクリロニトリル系炭素繊維束を用いた。炭素繊維束を構成する単繊維の平均単繊維径は7μmであり、実表面積と投影面積との比Sr/Spは1.01である。
サイジング剤としては、軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂として軟化点が120℃のポリエステル樹脂10重量%と、芳香族系ジエステルとしてビスフェノールA型固状エポキシ樹脂へのラウリン酸の付加物(以下、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジラウレート)10重量%と、基材としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂60重量%および芳香族系ポリエチレンエーテル20重量%との混合物を用いた。
上記炭素繊維束に、上記サイジング剤を浸漬法によって付着量が1重量%になるように付与し、温度が140℃の加熱ローラー上に押しつけて予備乾燥した後、200℃で1分間乾燥した。なお、予備乾燥時の炭素繊維束の張力は2000gとした。得られた炭素繊維およびそれを用いた一方向プリプレグの諸元を表1および表2に示す。
実施例2:
実施例1において、サイジング剤として、軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂として軟化点が140℃のポリエステル樹脂10重量%と、芳香族系ジエステルとしてビスフェノールA型固状エポキシ樹脂へのステアリン酸の付加物(以下、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジステアレート)10重量%と、基材としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂60重量%および芳香族系ポリエチレンエーテル20重量%との混合物に変えた。得られた炭素繊維およびそれを用いた一方向プリプレグの諸元を表1および表2に示す。
実施例3:
実施例1において、サイジング剤として、軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂として軟化点が100℃のポリエステル樹脂8重量%と、芳香族系ジエステルとしてビスフェノールAジグリシジルエーテルジラウレート10重量%と、基材としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂72重量%および芳香族系ポリエチレンエーテル20重量%の混合物に変えた。得られた炭素繊維およびそれを用いた一方向プリプレグの諸元を表1および表2に示す。
実施例4:
実施例1において、予備乾燥時の炭素繊維束の張力を3000gとした以外は実施例1と同様の方法で炭素繊維束およびプリプレグを製造した。得られた炭素繊維およびそれを用いた一方向プリプレグの諸元を表1および表2に示す。
実施例5:
実施例1において、サイジング剤として、軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂として軟化点100℃のポリエステル樹脂25重量%と、芳香族系ジエステルとしてビスフェノールAジグリシジルエーテルジステアレート10重量%と、基材としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂45重量%および芳香族系ポリエチレンエーテル20重量%の混合物に変えた。得られた炭素繊維およびそれを用いた一方向プリプレグの諸元を表1および表2に示す。
実施例6:
実施例1において、サイジング剤として、軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂として軟化点が100℃のポリエステル樹脂10重量%と、芳香族系ジエステルとしてビスフェノールAとステアリン酸との縮合物(以下、ビスフェノールAジステアレート)10重量%と、基剤としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂70重量%および芳香族系ポリエチレングリコールエーテル10重量%との混合物を用いた。得られた炭素繊維およびそれを用いた一方向プリプレグの諸元を表1および表2に示す。
実施例7:
実施例1において、サイジング剤を、軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂として軟化点が100℃のポリエステル樹脂15重量%と、芳香族系ジエステルとしてビスフェノールAジステアレート5重量%と、第3成分としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂60重量%と、芳香族系ポリエチレングリコールエーテル20重量%との混合物に変えた。得られた炭素繊維束およびそれを用いた一方向プリプレグの諸元を表1および表2に示す。
実施例8:
実施例1において、サイジング剤を軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂として軟化点が80℃のポリエステル樹脂45重量%と、芳香族系ジエステルとしてビスフェノールAジグリシジルエーテルジステアレート5重量%と、基材としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂30重量%および芳香族系ポリエチレングリコールエーテル20重量%との混合物に変えた。得られた炭素繊維およびそれを用いた一方向プリプレグの諸元を表1および表2に示す。
実施例9:
実施例1において、乾湿式紡糸法により紡糸した前駆体繊維を焼成することにより得た、単繊維数12,000本、引張強度3,900MPa、引張弾性率230GPa、繊度800texのポリアクリロニトリル系炭素繊維束に変更した。炭素繊維を構成する単繊維径は7μmであり、実表面積と投影面積との比Sr/Spは1.04であった。得られた炭素繊維およびそれを用いた一方向プリプレグの諸元を表1および表2に示す。Sr/Spの増加、つまり単糸表面の粗さが大きくなった影響にて、実施例1と比べて25℃のドレープ値が低下し、F/M摩擦係数も低下したものの、本特許発明の範囲であり高次加工性では良好な結果を得た。
比較例1:
実施例1において、サイジング剤を、軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂として軟化点が100℃のポリエステル樹脂40重量%と、芳香族系ジエステルとしてビスフェノールAジステアレート5重量%と、基材としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂40重量%と、芳香族系ポリエチレングリコールエーテル15重量%との混合物に変えた。得られた炭素繊維束およびそれを用いた一方向プリプレグの諸元を表1および表2に示す。芳香族系熱す組成樹脂としてのポリエステル樹脂の含有量を多くしたため、25℃におけるドレープ値が高くなりすぎ、その結果、開繊、拡幅性が低下し、得られた一方向プリプレグに割れが多発している。
比較例2:
実施例1において、サイジング剤を、軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂として軟化点が100℃のポリエステル樹脂3重量%と、芳香族系ジエステルとしてビスフェノールAジステアレート17重量%と、基材としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂60重量%と、芳香族系ポリエチレングリコールエーテル20重量%との混合物に変えた。得られた炭素繊維束およびそれを用いた一方向プリプレグの諸元を以下に示す。芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂としてのポリエステル樹脂の含有量を少なくしたため、25℃におけるドレープ値が低くなりすぎ、炭素繊維束の折れ曲がりが多発した結果、得られた一方向プリプレグに割れが多発している。
比較例3:
実施例6において、温度が140℃の加熱ロール上に押し付けて予備乾燥することなく200℃で1分間乾燥した。得られた炭素繊維束およびそれを用いた一方向プリプレグの諸元を表1および表2に示す。炭素繊維束の厚みが厚くなり、開繊、拡幅性が低下した結果、得られた一方向プリプレグに割れが多発している。
比較例4:
実施例1において、サイジング剤を、軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂として軟化点が60℃のポリエステル樹脂40重量%と、芳香族系ジエステルとしてビスフェノールAジグリシジルエーテルジステアレート10重量%と、基材としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂30重量%および芳香族系ポリエチレングリコールエーテル20重量%に変えた。得られた炭素繊維およびそれを用いた一方向プリプレグの諸元を表1および表2に示す。得られた炭素繊維の熱による軟化が大きく、ドレープ値の比D80/D25は0.19と大幅に小さいものであった。これに伴い高温時に毛羽発生と糸道規制用のガイドでの折れ畳まれが発生し割れも毛羽もひどいものとなった。
比較例5:
実施例1において、サイジング剤を、軟化点が80〜150℃の芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂として軟化点100℃のポリエステル樹脂10重量%と、芳香族系ジエステルを添加せず、さらにビスフェノールA型液状エポキシ樹脂75重量%および芳香族系ポリエチレングリコールエーテル15重量%に変えた。得られた炭素繊維およびそれを用いた一方向プリプレグの諸元を表1および表2に示す。得られた炭素繊維は高温時のドレープ値D80が高く、それに伴いドレープ値の比D80/D25が大きくなった。さらに芳香族系ジエステルを添加していないためF/M摩擦係数が高くなり、拡がり性および割れについては良好なものの、ガイド等で引き回した後の張力が高くなり過ぎたため、毛羽発生がひどく高次加工性が低くなった。
Figure 0004457747
Figure 0004457747

Claims (4)

  1. 実質的に撚りを有しない、サイジング剤が付着している炭素繊維束であって、該サイジング剤が軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性ポリエステル樹脂と、多環フェノール類と飽和カルボン酸との縮合物または多環式芳香族ジグリシジルエーテルへの飽和カルボン酸の付加物からなる芳香族系ジエステルとを含んでおり、25℃におけるドレープ値D25が10〜20cmの範囲内にあって80℃におけるドレープ値D80との比D80/D25が0.3〜0.7の範囲内にあり、かつ、厚みが50〜150tex/mmの範囲内にあることを特徴とする炭素繊維束。
  2. 単繊維の実表面積Srと投影面積Spとの比Sr/Spが1≦Sr/Sp<1.02の範囲内にある、請求項1に記載の炭素繊維束。
  3. 軟化点が80〜150℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性樹脂および芳香族系ジエステルの含有量がそれぞれ5〜30重量%の範囲内にある、請求項1または2に記載の炭素繊維束。
  4. サイジング剤の付着量が0.3〜1.5重量%の範囲内にある、請求項に記載の炭素繊維束。
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