JP6108240B2 - 炭素繊維不織布 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素繊維不織布に関し、とくに、それを用いて炭素繊維複合材料の成形品を作製する場合に高い流動性と機械特性を両立できるようにした炭素繊維不織布に関する。
炭素繊維と熱可塑性樹脂からなる炭素繊維複合材料は、種々の成形品の製造に用いられており、従来から、製造された成形品の高い機械特性や、製造の際の良好な流動性を目指した種々の提案がなされている。その中でも炭素繊維複合材料中の炭素繊維を不織布の形態にすることで、例えば特許文献1には、炭素繊維不織布中の特定の炭素繊維束の繊維全量に対する割合を低く抑え、その特定の炭素繊維束中の平均繊維数を特定の範囲にした炭素繊維不織布が提案されている。
しかしながら、この特許文献1に記載されているような、炭素繊維不織布中の炭素繊維束が細く、束の割合が少なく炭素繊維が開繊した炭素繊維不織布は、それを用いて製造した炭素繊維複合材料成形品の機械特性には優れるが、成形の際の流動性が低く、成形性に劣る。これは、強化繊維である炭素繊維が十分に分散しているため応力が集中しににくく、炭素繊維の補強効果が十分発揮される一方、炭素繊維同士が交差してお互いの動きを制約して動きにくくなるためである。
一方、特許文献2には、炭素繊維不織布中の上記同様の特定の炭素繊維束の繊維全量に対する割合をより高く設定し、その特定の炭素繊維束中の平均繊維数を別の特定の範囲にした複合材料が提案されている。しかしながら、この特許文献2に記載されているような、炭素繊維束が太く、束の割合が多い炭素繊維不織布は、それを用いて炭素繊維複合材料成形品を製造する際の流動性が高く成形性に優れるが、機械特性が低くばらつきも大きい。これは、炭素繊維束が太いため、束内への樹脂の含浸性が悪く、炭素繊維の端部に応力が集中しやすいが、炭素繊維がネットワークを形成していないため動きやすいためである。
特開2012−158846号公報 特開2012−158847号公報
そこで本発明の課題は、上記のような従来の炭素繊維不織布では達成できなかった、炭素繊維複合材料成形の際の高流動性と機械特性を両立でき、機械特性のばらつきも少なく、炭素繊維マットの賦形性にも優れる炭素繊維不織布を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る炭素繊維不織布は、以下の構成を有する。
(1)炭素繊維を含む炭素繊維不織布であって、炭素繊維が複数のエポキシ基を有する脂肪族化合物でサイジングされてなり、炭素繊維不織布中の炭素繊維束のうち、炭素繊維束を構成する炭素繊維の本数が90本以上の炭素繊維束(1)を構成する炭素繊維の本数の数量平均xが90〜1000本/束の範囲にあり、炭素繊維束(1)を構成する炭素繊維の本数の標準偏差σが50〜500の範囲にあることを特徴とする炭素繊維不織布。
(2)炭素繊維を含む炭素繊維不織布であって、炭素繊維がエポキシ基と芳香環との間の原子数が6以上であるエポキシ基を複数有する芳香族化合物でサイジングされてなり、炭素繊維不織布中の炭素繊維束のうち、炭素繊維束を構成する炭素繊維の本数が90本以上の炭素繊維束(1)を構成する炭素繊維の本数の数量平均xが90〜1000本/束の範囲にあり、炭素繊維束(1)を構成する炭素繊維の本数の標準偏差σが50〜500の範囲にあることを特徴とする炭素繊維不織布。
(3)上記複数のエポキシ基を有する化合物が、最長原子鎖の両末端にエポキシ基を有する化合物である、(1)または(2)に記載の炭素繊維不織布。
(4)上記複数のエポキシ基を有する化合物が、最長原子鎖の両末端にのみエポキシ基を有する化合物である、(3)に記載の炭素繊維不織布。
(5)複数のエポキシ基を有する脂肪族化合物の最長原子鎖の原子数が20〜200である(1)または(3)に記載の炭素繊維不織布。
(6)上記複数のエポキシ基を有する脂肪族化合物が、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル類、ポリプロビレングリコールジグリシジルエーテル類から選ばれる少なくとも1種の化合物である、(1)、(3)〜(5)のいずれかに記載の炭素繊維不織布。
(7)上記エポキシ基と芳香環との間の原子数が6以上であるエポキシ基を複数有する芳香族化合物が、下記化1に示される化合物である、(2)に記載の炭素繊維不織布。
Figure 0006108240

(ここで、式[I]中、Rは、下記化2であり、
Figure 0006108240

2 は、炭素数2〜30のアルキレン基、R3は、-Hあるいは-CH3 であり、m,nは2〜48の整数,m+nは4〜50である。)
(8)上記R2が、-CH2 CH2-あるいは-CH(CH3)CH2-である、(7)に記載の炭素繊維不織布。
(9)上記芳香族化合物が縮合多環芳香族化合物である、(2)に記載の炭素繊維不織布。
(10)上記縮合多環芳香族化合物の骨格が、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレンのいずれかである、(9)に記載の炭素繊維不織布。
(11)炭素繊維を含む炭素繊維不織布であって、炭素繊維に下記化3〜化5に示される化学式(III)、(IV)および(V)から選ばれた少なくとも1種の化合物を炭素繊維重量100重量%に対して0.1〜5.0重量%付着させてなり、炭素繊維不織布中の炭素繊維束のうち、炭素繊維束を構成する炭素繊維の本数が90本以上の炭素繊維束(1)を構成する炭素繊維の本数の数量平均xが90〜1000本/束の範囲にあり、炭素繊維束(1)を構成する炭素繊維の本数の標準偏差σが50〜500の範囲にあることを特徴とする炭素繊維不織布。
Figure 0006108240

Figure 0006108240

Figure 0006108240

上式中、RはH、OH、下記化6または下記化7、RはHまたはOHであり、m、nは1〜49、但しm+nは10〜50である。
Figure 0006108240

Figure 0006108240

(12)上記炭素繊維束(1)を構成する炭素繊維の本数の標準偏差σが50〜350の範囲にある、(1)〜(11)のいずれかに記載の炭素繊維不織布。
(13)上記炭素繊維束(1)の炭素繊維全体重量に対する割合が5〜80重量%の範囲にある、(1)〜(12)のいずれかに記載の炭素繊維不織布。
(14)炭素繊維不織布が、25℃におけるドレープ値(cm)/単糸曲げ剛性(Pa・cm4)が1.4×10〜4.0×10(cm/(Pa・cm4))の範囲にある炭素繊維束から形成されている、(1)〜(13)のいずれかに記載の炭素繊維不織布。
(15)炭素繊維不織布を構成する炭素繊維の単糸曲げ剛性が1.0×10-11〜2.8×10-11(Pa・m)の範囲にある、(1)〜(14)のいずれかに記載の炭素繊維不織布。
(16)炭素繊維不織布を構成する炭素繊維の繊維長Ln(数量平均繊維長)が3〜50mmの範囲、より好ましくは3〜25mmの範囲にある、(1)〜(15)のいずれかに記載の炭素繊維不織布。
このような本発明に係る炭素繊維不織布においては、上記のような本発明で特定した範囲を満たすことにより、後述の実施例の結果に示すように、それを用いた成形の際に高い流動性を得ることができるとともに、成形品の高い機械特性を実現することができ、その機械特性のばらつきも少なく、しかも優れた賦形性を発現できる。また、高い流動性と機械特性の両立をより確実に実現するために、上述の如く、好ましい化合物、炭素繊維の本数の標準偏差σ、炭素繊維束(1)の炭素繊維全体重量に対する割合の範囲、ドレープ値(cm)/単糸曲げ剛性(Pa・cm4)の範囲、炭素繊維の単糸曲げ剛性の範囲、等採用できる。
このように、本発明に係る炭素繊維不織布によれば、それを用いて炭素繊維複合材料を成形する際に、高流動性と高い機械特性を両立でき、機械特性のばらつきも少なく、細かい部位への炭素繊維追従性にも優れた炭素繊維不織布を提供することができる。
カーディング装置の一例を示す概略構成図である。 エアレイド装置の一例を示す概略構成図である。 ドレープ値の測定方法を示す測定装置の概略構成図である。
以下に、本発明について、実施例、比較例とともに詳細に説明する。
先ず、本発明において使用される炭素繊維は、特に限定されないが、高強度、高弾性率炭素繊維が使用でき、これらは1種または2種以上を併用してもよい。中でも、PAN系、ピッチ系、レーヨン系などの炭素繊維が挙げられる。得られる成形品の強度と弾性率とのバランスの観点から、PAN系炭素繊維がさらに好ましい。炭素繊維の密度は、1.65〜1.95g/cmのものが好ましく、さらには1.70〜1.85g/cmのものがより好ましい。密度が大きすぎるものは得られる炭素繊維強化プラスチックの軽量性能に劣り、小さすぎるものは、得られる炭素繊維強化プラスチックの機械特性が低くなる場合がある。
また、炭素繊維は生産性の観点から束であることが好ましく、束中の単糸数が多いものが好ましい。炭素繊維束とした場合の単糸数には、1000〜350,000本の範囲内で使用することができ、とりわけ10,000〜100,000本の範囲内で使用することが好ましい。
炭素繊維の単糸曲げ剛性は1.0×10―11〜2.8×10―11Pa・mの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは1.0×10―11〜1.5×10−11Pa・mのものが好ましい。単糸曲げ剛性が上記範囲内にあることで後述する炭素繊維不織布を製造する工程において、得られる炭素繊維不織布の品質を安定させることができる。
炭素繊維複合材料を成形する際の炭素繊維とマトリックス樹脂の接着性を向上する等の目的で炭素繊維は表面処理されていることが好ましい。表面処理の方法としては,電解処理、オゾン処理、紫外線処理等がある。
そして本発明の第1の形態に係る炭素繊維不織布においては、炭素繊維が複数のエポキシ基を有する脂肪族化合物でサイジングされている。本発明において上記脂肪族化合物とは、非環式直鎖状飽和炭化水素、分岐状飽和炭化水素、非環式直鎖状不飽和炭化水素、分岐状不飽和炭化水素、または上記炭化水素の炭素原子(CH3 ,CH2 ,CH,C)を酸素原子(O)、窒素原子(NH,N)、硫黄原子(SO3 H、SH)、カルボニル原子団(CO)に置き換えた鎖状構造の化合物をいう。
また、上記複数のエポキシ基を有する脂肪族化合物は、最長原子鎖の両末端にエポキシ基を有する化合物、中でも最長原子鎖の両末端にのみエポキシ基を有する化合物であることが好ましい。本発明では、複数のエポキシ基を有する脂肪族化合物において、2個のエポキシ基間を結ぶ鎖状構造を構成する炭素原子、複素原子(酸素原子、窒素原子等)の総数のうち最も大きい原子鎖を最長原子鎖といい、最長原子鎖を構成する原子の総数を最長原子鎖の原子数という。なお、最長原子鎖を構成する原子に結合した水素等の原子の数は総数に含めない。
側鎖の構造については特に限定するものではないが、サイジング剤化合物の分子間架橋の密度が大きくなりすぎないように抑えるために、架橋点となりにくい構造が好ましい。
サイジング剤化合物の有するエポキシ基が2つ未満であると、炭素繊維とマトリックス樹脂との橋渡しを有効に行うことができない。したがってエポキシ基の数は、炭素繊維とマトリックス樹脂との橋渡しを有効に行うために2個以上であることが必要である。
一方、エポキシ基の数が多すぎると、サイジング剤化合物の分子間架橋の密度が大きくなり、脆性なサイジング層となって結果としてコンポジットの引張強度が低下してしまうため、エポキシ基の数は好ましくは6個以下、より好ましくは4個以下、さらに好ましくは2個が良い。さらにこの2個のエポキシ基が最長原子鎖の両末端にあるのがより好ましい。すなわち最長原子鎖の両末端にエポキシ基があることにより局所的な架橋密度が高くなることを防ぐので、コンポジット引張強度にとって好ましい。
エポキシ基の構造としては反応性の高いグリシジル基が好ましい。
かかる脂肪族化合物の分子量は、樹脂粘度が低すぎる、あるいは、高すぎることにより集束剤としての取り扱い性が悪化するのを防ぐ観点から、80以上3200以下が好ましく、100以上1500以下がより好ましく、200以上1000以下がさらに好ましい。
本発明における複数エポキシ基を有する脂肪族化合物の具体例としては、例えば、ジグリシジルエーテル化合物では、エチレングリコールジグリシジルエーテル及びポリエチレングリコールジグリシジルエーテル類、プロピレングリコールジグリシジルエーテル及びポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類等が挙げられる。また、ポリグリシジルエーテル化合物では、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル類、ソルビトールポリグリシジルエーテル類、アラビトールポリグリシジルエーテル類、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル類、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル類、脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル類等が挙げられる。
好ましくは、反応性の高いグリシジル基を有する脂肪族のポリグリシジルエーテル化合物である。更に好ましくは、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル類、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、アルカンジオールジグリシジルエーテル類および下記に示す構造のものが好ましい。
Figure 0006108240
ここで、Gはグリシジル基、R1 は -CH2 CH2 - , -CH2 CH2 CH2 - , -CH(CH3 ) CH2 - 、R2 は -CH2 - 、R3 ,R4 ,R5 は少なくとも2個が-Gで、他は-Hまたは-Gであり、mは1〜25の整数,nは2〜75の整数、かつx、y、zは0または正の整数であって、x+y+zは0〜25であることが好ましい。また、これらの混合物を用いてもよい。
複数のエポキシ基を有する脂肪族化合物において、最長原子鎖の原子数が20以上であることが好ましい。すなわち、該原子数が20未満では、サイジング層内の架橋密度が高くなるために靭性の低い構造になりやすく、結果としてコンポジット引張強度が発現しにくい場合がある。それに対して最長原子鎖の原子数が大きいと、サイジング層が柔軟で靭性の高い構造になりやすいので結果としてコンポジット引張強度が向上しやすく、特に脆い樹脂での引張強度が高いという特長を有するので、より好ましくは最長原子鎖の原子数で25以上、さらに好ましくは30以上が良い。
ただし、最長原子鎖の原子数は大きいほど柔軟な構造になるが、長すぎると折れ曲がって官能基を封鎖してしまい、結果として炭素繊維と樹脂との接着力が低下してしまう場合があるので好ましくは、原子数で200以下、より好ましくは100以下がよい。
脂肪族化合物に環状脂肪族骨格を含む場合には、エポキシ基が環状骨格から十分離れていれば、具体的は、原子数で6以上あれば用いることができる。
本発明の第2の形態に係る炭素繊維不織布においては、エポキシ基と芳香環の間の原子数が6以上であるエポキシ基を複数有する芳香族化合物をサイジング剤として用いる。エポキシ基と芳香環の間の原子数とは、エポキシ基と芳香環の間を結ぶ鎖状構造を構成する炭素原子、複素原子(酸素原子、窒素原子等)、カルボニル原子団の総数をいう。
サイジング剤としてエポキシ基と芳香環との間の原子数が6に満たないと、炭素繊維とマトリックス樹脂との界面に剛直で立体的に大きな化合物を介在させることになるため、炭素繊維の最表面に存在する表面官能基との反応性が向上せず、その結果複合材料の横方向特性の向上が望めない。
具体的には次式[I](化9)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 0006108240
(ここで、式[I]中、R1 は、下記化10であり、
Figure 0006108240
2 は、炭素数2〜30のアルキレン基、R3は、-Hあるいは-CH3であり、m,nは2〜48の整数,m+nは4〜50である。)
この場合、炭素繊維複合材料における炭素繊維とマトリックス樹脂の界面に剛直で立体的に大きな化合物を介在させないように、分子鎖が直鎖状で柔軟性を有し、かつ分子量が小さいものが望ましく、そのため上記式[I]におけるm,nをそれぞれ2以上、好ましくは3以上、さらに好ましくは5以上とし、m+nを4以上、好ましくは6以上、さらに好ましくは10以上とする。m,nがそれぞれ2未満あるいはm+nが4未満の化合物では、本発明の目的であるマトリックス樹脂と炭素繊維の接着性も低下する場合がある。一方、m+nが50を超えるとマトリックス樹脂との相溶性が低下し、マトリックス樹脂と炭素繊維の接着性が低下する場合がある。また、式[I]において、R2 は、-CH2 CH2 -あるいは-CH(CH3)CH2-であることが好ましい。
ここで、上記式[I]におけるビスフェノールA部またはF部はマトリックス樹脂との相溶性を向上させる効果と耐毛羽性を向上させる効果がある。
上記において、エポキシ基と芳香環の間の原子数が6以上である複数エポキシ基を有する芳香族化合物の骨格が縮合多環芳香族化合物であってもよい。縮合多環芳香族化合物の骨格としては、例えばナフタレン、アントラセン、フェナントレン、クリセン、ピレン、ナフタセン、トリフェニレン、1,2−ベンズアントラセン、ベンゾピレン等が挙げられる。好ましくは、骨格の小さいナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレンが良い。
複数のエポキシ基を有する縮合多環芳香族化合物のエポキシ当量は、接着性の向上効果を十分なものとする観点から、150〜350、さらには200〜300の範囲にあることが好ましい。
複数のエポキシ基を有する縮合多環芳香族化合物の分子量は、樹脂粘度が高くなって集束剤としての取り扱い性が悪化するのを防ぐ観点から、400〜800、さらには400〜600の範囲にあることが好ましい。
また、上記のようなサイジング剤には“エピコート”828、“エピコート”834といった分子量の小さいビスフェノール型エポキシ化合物、直鎖状低分子量エポキシ化合物、ポリエチレングリコール、ポリウレタン、ポリエステル、乳化剤あるいは界面活性剤など他の成分を粘度調整、耐擦過性向上、耐毛羽性向上、収束性向上、高次加工性向上等の目的で加えてもよい。
さらに、ブタジエンニトリルゴム等のゴム、あるいはエポキシ末端ブタジエンニトリルゴムのようなエラストマー性のある直鎖状エポキシ変性化合物等を添加しても問題はない。
炭素繊維へのサイジング剤の付着量は、樹脂との接着性改善幅を大とし、一方、サイジング剤の消費が過大にならないようにする観点から、炭素繊維単位重量当たり0.01重量%以上10重量%以下が好ましく、0.05重量%以上5重量%以下がより好ましく、0.1重量%以上2重量%以下付与するのがさらに好ましい。
本発明においてサイジング剤は一様に被覆、コーティングされているのが好ましい。すなわち、サイジング剤層の厚みが20〜200オングストロームで、かつ厚みの最大値が最小値の2倍を超えないことが好ましい。このような均一なサイジング剤層によりカップリング効果がより有効に発現できる。
本発明の第3の形態に係る炭素繊維不織布においては、炭素繊維不織布の炭素繊維に前述した化3〜化5に示される化学式(III)、(IV)および(V)から選ばれた少なくとも1種の特定の化合物(以下、単にサイジング剤ということもある。)が炭素繊維重量100重量%に対して0.1〜5.0重量%付着される。このような化合物中のポリエチレンオキシドまたは/およびポリプロピレンオキシド部が炭素繊維に平滑性を与え、摩擦係数を低下させる効果があり、後述する炭素繊維不織布にした際に、炭素繊維同士の交絡による摩擦力を低減することができ、流動性と賦形性を向上させることができる。一方、ビスフェノールA部はマトリックス樹脂との相溶性を向上させる効果がある。上記の各成分は共重合して用いることで、各々の単一成分を混合して用いる場合に比べて樹脂との相溶性を維持し、摩擦係数を下げる効果を一層大きくすることができる。
さらに、上記サイジング剤において、前記化学式中、m+nが10未満の化合物では、摩擦係数を下げる効果が小さく、好ましくない。また、m+nが50を超えるとマトリックス樹脂との相溶性が低下し、マトリックス樹脂と炭素繊維の接着性が低下するので好ましくない。
以上のようなサイジング剤処理としては、一般的に公知の表面処理工程と水洗工程などで水に濡れた水分率20〜80重量%程度の水濡れ炭素繊維束を乾燥させた後にサイジング剤を含有する液体(サイジング液)を付着させる処理方法を適用できる。
サイジング剤の付与手段としては特に限定されるものではないが、例えばローラを介してサイジング液に浸漬する方法、サイジング液の付着したローラに接する方法、サイジング液を霧状にして吹き付ける方法などがある。また、バッチ式、連続式いずれでもよいが、生産性がよくバラツキが小さくできる連続式が好ましい。この際、炭素繊維に対するサイジング剤有効成分の付着量が適正範囲内で均一に付着するように、サイジング液濃度、温度、糸条張力などをコントロールすることが好ましい。また、サイジング剤付与時に炭素繊維を超音波で加振させることはより好ましい。
乾燥温度と乾燥時間は化合物の付着量によって調整すべきであるが、サイジング剤の付与に用いる溶媒の完全な除去、乾燥に要する時間を短くし、一方、サイジング剤の熱劣化を防止し、炭素繊維束が固くなって束の拡がり性が悪化するのを防止する観点から、乾燥温度は、130℃以上350℃以下であることが好ましく、180℃以上250℃以下であることがより好ましい。
サイジング剤に使用する溶媒としては、水、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトン等が挙げられるが、好ましくは、取扱いが容易で防災の観点から水が好ましい。従って、水に不溶、若しくは難溶の化合物をサイジング剤として用いる場合には、乳化剤、界面活性剤等を添加し水分散性にして用いるのが良い。具体的には、乳化剤、界面活性剤としては、スチレン−無水マレイン酸共重合物、オレフィン−無水マレイン酸共重合物、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリアクリル酸ソーダ等のアニオン系乳化剤、ポリエチレンイミン、ポリビニルイミダゾリン等のカチオン系乳化剤、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンエーテルエステルのコポリマー、ソルビタンエステルエチルオキサイド付加物等のノニオン系乳化剤などを用いることができるが、エポキシ基との相互作用が小さいノニオン系乳化剤が好ましい。
サイジング剤付着量は、炭素繊維のみの質量に対しては、0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上2質量%以下付与することがさらに好ましい。0.01質量%以下では接着性向上効果が現れにくい。10質量%以上では、炭素繊維不織布を炭素繊維複合材料成形品にした際の機械的物性低下させることがある。
炭素繊維束は後述する炭素繊維集合体を得るために、炭素繊維束の硬さを表す指標であるドレープ値を単糸曲げ剛性で除した、ドレープ値/単糸曲げ剛性が1.4×10〜4.0×10cm/(Pa・cm)の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.5×10〜3.0×10cm/(Pa・cm)の範囲である。ドレープ値/単糸曲げ剛性が1.4×10cm/(Pa・cm)未満であると繊維の収束性が悪く、後述するエアレイドやカーディングなどの炭素繊維不織布を得る工程において繊維が開繊しやすく、炭素繊維複合材料にした際に成形性が悪化する場合があり、4.0×10cm/(Pa・cm)を超えると、炭素繊維複合材料にした際にマトリックス樹脂との濡れ性が悪化し、力学特性が低下する可能性がある。
炭素繊維不織布を得る工程としては、カーディングやエアレイドなどが挙げられる。本発明でいうカーディングとは、不連続な繊維の集合体をくし状のもので概略同一方向に力を加えることにより、不連続な繊維の方向を揃えたり、繊維を開繊する操作のことをいう。一般的には針状の突起を表面に多数備えたロール及び/またはのこぎりの刃状の突起を有するメタリックワイヤを巻きつけたロールを有するカーディング装置を用いて行う。
かかるカーディングを実施するにあたっては、炭素繊維が折れるのを防ぐ目的で炭素繊維がカーディング装置の中に存在する時間(滞留時間)を短くすることが好ましい。具体的にはカーディング装置のシリンダーロールに巻かれたワイヤ上に存在する炭素繊維をできるだけ短時間でドッファーロールに移行させることか好ましい。従って、かかる移行を促進するためにシリンダーロールの回転数は、例えば150rpm以上といった高い回転数で回転させることが好ましい。また、同様の理由で、ドッファーロールの表面速度は例えば、10m/分以上といった速い速度が好ましい。
炭素繊維束をカーディングする工程は特に制限がなく一般的なものを用いることが出来る。例えば、図1に示すように、カーディング装置1は、シリンダーロール2と、その外周面に近接して上流側に設けられたテイクインロール3と、テイクインロール3とは反対側の下流側においてシリンダーロール2の外周面に近接して設けられたドッファーロール4と、テイクインロール3とドッファーロール4との間においてシリンダーロール2の外周面に近接して設けられた複数のワーカーロール5と、ワーカーロール5に近接して設けられたストリッパーロール6と、テイクインロール3と近接して設けられたフィードロール7及びベルトコンベアー8とから主として構成されている。
ベルトコンベアー8に不連続な炭素繊維束9が供給され、炭素繊維束9はフィードロールの外周面、次いでテイクインロール3の外周面を介してシリンダーロール2の外周面上に導入される。この段階までで炭素繊維束は解され、綿状の炭素繊維束の集合体となっている。シリンダーロール2の外周面上に導入された綿状の炭素繊維束の集合体は一部、ワーカーロール5の外周面上に巻き付くが、この炭素繊維はストリッパーロール6によって剥ぎ取られ再びシリンダーロール2の外周面上に戻される。フィードロール7、テイクイロール3、シリンダーロール2、ワーカーロール5、ストリッパーロール6のそれぞれのロールの外周面上には多数の針、突起が立った状態で存在しており、上記工程で炭素繊維束が針の作用により所定の束まで開繊され、ある程度配向される。かかる過程を経て所定の炭素繊維束まで開繊され、炭素繊維集合体の1形態であるシート状のウエブ10としてドッファーロール4の外周面上に移動する。
エアレイドとは、短繊維の不織布の製造方法であり、特に制限がなく一般的なものを用いることができる。一般的なエアレイド法としては、本州製紙法、クロイヤー法、ダンウェブ法、J&J法、KC法、スコット法などが挙げられる。
例えば、図2に示すように、エアレイド装置11は、互いに逆回転する円筒状でかつ細孔を持つドラム12と各ドラム12内に設置されたピンシリンダー13を有し、多量の空気と共に炭素繊維束単体もしくは炭素繊維束と熱可塑性樹脂繊維がドラム12に風送され、ドラム12内のピンシリンダー13によって開繊され、細孔より排出されて、その下を走行するワイヤ14上に落下する。ここで風送に用いた空気はワイヤ14下に設置されたサクションボックス15に吸引され、開繊された炭素繊維束単体もしくは開繊された炭素繊維束と熱可塑性樹脂繊維のみワイヤ14上に残り、炭素繊維不織布を形成する。
また、ここでいう炭素繊維不織布とは、上記エアレイドやカーディングによって不連続な炭素繊維束が開繊・配向された状態で繊維同士の絡み合いや摩擦により形態を保持しているものをいい、薄いシート状のウエブやウエブを積層して必要に応じて絡合や接着させて得られる不織布等を例示することができる。得られる炭素繊維不織布は炭素繊維の折れや曲がりを防ぎ、かつ繊維同士の交絡力を抑えられ炭素繊維複合材料にした際に流動性が良い観点からはエアレイドによって得られることが好ましく、不織布の均一性の観点からはカーディングによって得ることが好ましい。
炭素繊維不織布は、炭素繊維のみから構成されていてもよいが、熱可塑性樹脂繊維および/または熱可塑性樹脂粒子を含有せしめることもできる。熱可塑性樹脂繊維を添加することは、エアレイドやカーディングの工程において炭素繊維の破断を防ぐことができるので好ましい。炭素繊維は剛直で脆いため、絡まりにくく折れやすい。そのため、炭素繊維だけからなる炭素繊維不織布はその製造中に、切れやすかったり、炭素繊維が脱落しやすいという問題がある。エアレイド法では熱可塑性繊維および/または熱可塑性樹脂粒子を含有せしめることで、後工程で熱カレンダーローラーまたは熱エンボスローラー等による圧着や熱処理によって熱融着させる方法、ニードルパンチやウォータージェットニードル等で繊維を交絡させ方法によって、炭素繊維不織布のハンドリング性を向上させることが出来る。カーディング法では、柔軟で折れにくく、絡みやすい熱可塑性樹脂繊維を含むことにより、均一性が高い炭素繊維集合体を形成することができる。本発明において、炭素繊維集合体中に熱可塑性樹脂繊維を含む場合には、炭素繊維集合体中の炭素繊維の含有率は、好ましくは20〜95質量%、より好ましくは50〜95質量%、さらに好ましくは70〜95質量%である。炭素繊維の割合が低いと炭素繊維複合材料としたときに高い機械特性を得ることが困難となり、逆に、熱可塑性樹脂繊維の割合が低すぎると、上記の炭素繊維集合体の均一性を高める効果が得られない。
炭素繊維不織布中の炭素繊維束は、炭素繊維束を構成する炭素繊維の本数が90本以上の炭素繊維束(1)を構成する炭素繊維の本数の数量平均xが90〜1000本の範囲にある。後述する炭素繊維の強度利用率を向上させ、かつ炭素繊維複合材料にした際の成形品の表面外観の観点からは、束を構成する炭素繊維本数の数量平均xが90〜600本の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは90〜500本の範囲である。炭素繊維複合材料にした際の炭素繊維含有量を増加させ、高い弾性率を得る観点からは、数量平均xが300〜1000本の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは500〜1000本である。炭素繊維束の数量平均xが90本を下回ると繊維同士の交絡数が増加し、流動性が悪化する。1000本を超えると機械的特性とリブ等の細かい部位への炭素繊維追従性が悪化し、機械的特性のばらつきが大きくなる。
炭素繊維不織布中の炭素繊維束は、炭素繊維束を構成する炭素繊維の本数が90本以上の炭素繊維束(1)の、炭素繊維不織布中の全炭素繊維重量に対する割合が5重量%以上80重量%以下であることが好ましい。炭素繊維の強度利用率および成形品の表面外観を向上させる観点からは、5重量%以上50重量%以下が好ましく、更に好ましくは5重量%以上45重量%以下である。流動性を更に向上させ、炭素繊維複合材料にした際の炭素繊維含有量を増加させ、高い弾性率を得る観点からは、30重量%を超え80重量%以下が好ましく、更に好ましくは35重量%を超え80重量%以下である。炭素繊維の強度利用率および成形品の表面外観、流動性のバランスからは、30重量%を超え50重量%以下が好ましい。炭素繊維束(1)の割合が5重量%を下回ると繊維同士の交絡数が増加し、流動性が悪化する。80重量%を超えると機械的特性とリブ等の細かい部位への炭素繊維追従性が悪化し、機械的特性のばらつきが大きくなる。
炭素繊維不織布中の上記炭素繊維束(1)の、後述する炭素繊維束を構成する炭素繊維の本数xnの標準偏差σが50≦σ≦500の範囲を満たし、炭素繊維束が炭素繊維不織布中に分散して分布することで、高流動性と機械特性を両立でき、機械特性のばらつきも少なく、細かい部位への炭素繊維追従性にも優れた炭素繊維不織布を得ることができる。上記標準偏差σが50を下回ると、流動性が悪化し、上記標準偏差σが500を上回ると、機械的特性が悪化し、機械特性のばらつきが大きくなる。上記標準偏差σは、好ましくは100≦σ≦350の範囲であり、更に好ましくは、150≦σ≦350の範囲であり、より更に好ましくは150≦σ≦300の範囲である。
本発明において、炭素繊維集合体に熱可塑性樹脂繊維を含有せしめる場合、熱可塑性樹脂繊維の繊維長は炭素繊維集合体の形態保持や、炭素繊維の脱落防止という本発明の目的が達成できる範囲であれば特に限定はなく、一般的には3〜100mm程度の熱可塑性樹脂繊維を使用することができる。なお、熱可塑性樹脂繊維の繊維長は炭素繊維の繊維長に応じて相対的に決定することも可能である。
また、上記カーディング法において、熱可塑性樹脂繊維による絡み合いの効果を高める目的で熱可塑性樹脂繊維に捲縮を付与することが好ましい。捲縮の程度は、本発明の目的が達成できる範囲であれば特に限定はなく、一般的には捲縮数5〜25山/25mm程度、捲縮率3〜30%程度の熱可塑性樹脂繊維を用いることができる。
炭素繊維集合体に熱可塑性樹脂粒子を含有せしめる場合には、熱可塑性樹脂粒子は球状、細片状、ペレットのような円柱状が挙げられる。球とした場合の好ましい平均粒子径は0.01〜1000μmである。
上述したような熱可塑性樹脂繊維の材料としては特に制限は無く、炭素繊維複合材料成形品にした際に機械特性を大きく低下させない範囲で適宜選択することができる。例示するなら、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、芳香族ポリアミド等の樹脂を紡糸して得られた繊維を用いることができる。かかる熱可塑性樹脂繊維の材料はマトリックス樹脂の組み合わせにより適宜選択して用いることが好ましい。特に、マトリックス樹脂と同じ樹脂、あるいはマトリックス樹脂と相溶性のある樹脂、マトリックス樹脂と接着性の高い樹脂を用いてなる熱可塑性樹脂繊維は、炭素繊維強化プラスチックの機械特性を低下させないので好ましい。例示すると熱可塑性樹脂繊維がポリアミド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維及びフェノキシ樹脂繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種の繊維であることが好ましい。
本発明において、炭素繊維不織布にマトリックス樹脂を含浸するにあたっては、熱可塑性樹脂繊維を含有する炭素繊維不織布を作製し、炭素繊維不織布に含まれる熱可塑性樹脂繊維をそのままマトリックス樹脂として使用してもかまわないし、熱可塑性樹脂繊維を含まない炭素繊維不織布を原料として用い、炭素繊維複合材料を製造する任意の段階でマトリックス樹脂を含浸してもかまわない。また、熱可塑性樹脂繊維を含有する炭素繊維不織布を原料として用いる場合であっても、炭素繊維複合材料を製造する任意の段階でマトリックス樹脂を含浸することもできる。このような場合、熱可塑性樹脂繊維を構成する樹脂とマトリックス樹脂は同一の樹脂であってもかまわないし、異なる樹脂であってもかまわない。熱可塑性樹脂繊維を構成する樹脂とマトリックス樹脂が異なる場合は、両者は相溶性を有するか、あるいは、親和性が高い方が好ましい。
炭素繊維複合材料を製造するに際し、上記のような炭素繊維不織布にマトリックス樹脂としての熱可塑性樹脂を含浸し、炭素繊維複合材料とする含浸工程は加熱機能を有するプレス機を用いて実施することができる。プレス機としてはマトリックス樹脂の含浸に必要な温度、圧力を実現できるものであれば特に制限はなく、上下する平面状のプラテンを有する通常のプレス機や、1対のエンドレススチールベルトが走行する機構を有するいわゆるダブルベルトプレス機を用いることができる。かかる含浸工程においてはマトリックス樹脂をフィルム、不織布、織物等のシート状とした後、炭素繊維不織布と積層しその状態で上記プレス機等を用いてマトリックス樹脂を溶融・含浸することができる。また、マトリックス樹脂を用いて不連続な繊維を作製し、炭素繊維不織布を作製する工程で無機繊維と混合することにより、マトリックス樹脂と無機繊維を含む炭素繊維不織布を作製し、この炭素繊維不織布をプレス機等を用いて加熱・加圧する方法も採用することができる。
次に、本発明の実施例、比較例について説明する。
先ず、実施例、比較例で用いた特性、測定方法について説明する。
(1)繊維束の測定方法
炭素繊維不織布から100mm×100mmのサンプルを切り出し、その後、サンプルを500℃に加熱した電気炉の中で1時間程度加熱して熱可塑性樹脂繊維等の有機物を焼き飛ばした。室温まで冷却した後に残った炭素繊維不織布の質量を測定した後に、炭素繊維不織布から炭素繊維束をピンセットで全て抽出した。抽出した全ての炭素繊維束について、1/10000gまで測定が可能な天秤を用いて、個々の炭素繊維束の重量Mnと長さLnを測定する。測定後、個々の束に対して炭素繊維束を構成する炭素繊維単糸本数xn=Mn/(Ln×F)を計算する。ここでFとは炭素繊維の繊度であり、xnは炭素繊維束の構成単糸本数である。炭素繊維束の構成単糸本数xnが90本以上の炭素繊維束を炭素繊維束(1)とし、総重量をMとし、束総数をNとして、測定する。また、構成単糸本数xnが90本未満の炭素繊維束を繊維束(2)とし、炭素繊維束(2)の総重量をMとして、測定する。ピンセットで抽出することの出来ない程度に開繊した繊維束はまとめて最後に重量を測定した。また、繊維長が短く、重量の測定が困難になる場合は繊維長を0.2mm程度の間隔で分類し、分類した複数本の束をまとめて重量を測定し、平均値を用いてもよい。全て分類し、測定後、炭素繊維束(1)に対して束を構成する炭素繊維本数の数量平均x=Σ{Mn/(Ln×F)}/N、炭素繊維束を構成する炭素繊維本数xnの標準偏差σ={1/N×Σ(xn−x)21/2を計算し、束を構成する炭素繊維本数の数量平均xと炭素繊維束を構成する炭素繊維本数xnの標準偏差σを求める。なお、Nは炭素繊維束(1)の束総数である。また、炭素繊維束全体重量に対する炭素繊維束(A)の割合は、
/(M1+)×100
によって求められる。
(2)流動試験(スタンピング成形)
寸法100×100mm×2mmの炭素繊維複合材料2枚を熱可塑性樹脂の融点+40℃(例えばNy6の場合は260℃)に予熱後、2枚重ねて120℃に昇温したプレス盤に配し、20MPaで5秒間加圧した。この圧縮後の面積A2と圧縮前のシートの面積A1を測定し、A2/A1を流動性(%)とした。
(3)Vf(炭素繊維複合材料中の炭素繊維の含有率)
炭素繊維複合材料の成形品から約2gのサンプルを切り出し、その質量を測定した。その後、サンプルを550℃に加熱した電気炉の中で1時間加熱してマトリックス樹脂等の有機物を焼き飛ばした。室温まで冷却してから、残った炭素繊維の質量を測定した。炭素繊維の質量に対する、マトリックス樹脂等の有機物を焼き飛ばす前のサンプルの質量に対する比率を測定し、炭素繊維の含有率とした。
(4)曲げ試験
JIS-K7171に準拠して曲げ強度を測定した。
(5)繊維強度利用率
下記式で計算した。
繊維強度利用率=曲げ強度/Vf
(6)単糸曲げ剛性(Pa・m4
単糸曲げ剛性=E×I
にて計算した。ここで、
E:単糸弾性率
I:断面二次モーメント
である。
繊維断面を真円と仮定し、繊維直径Dから断面二次モーメントを求め、単糸引張弾性率と断面二次モーメントから曲げ剛性を求めた。
(7)ドレープ値/単糸曲げ剛性
炭素繊維束の硬さを表すドレープ値から単糸の曲げ剛性を除することで、サイジング剤(Sz剤)の収束性の指標とした。
(8)炭素繊維束のドレープ値(cm)
図3(A)に示すように、ボビンからテンションをかけずに引き出した炭素繊維束21を40cmの長さにカットし、一端を止めテープ22で固定し、もう一端に100gの重り23を吊るし、撚りおよび曲がりを矯正した後、測定温度の雰囲気中に30分間放置する。次に、重り23を取り外し、図3(B)に示すように、角が90°の水平な長方形の台24から炭素繊維束25が25cmはみ出るように置き、40cmの炭素繊維束が折れないように支えながら台上の炭素繊維部分を止めテープ26で固定した後、台からはみ出た部分の支えを取り除いて垂れ下がらせ、2秒後に始点からの水平距離Lの長さを測定し、n数3回の平均をドレープ値とした。
(9)摩擦係数
直径10mmのステンレス棒(クロムめっき、表面粗さ1〜1.5s)5本を50mm間隔で各々平行に、かつそれらの表面を炭素繊維糸条が120°の接触角で接触しながら通過し得るように棒をジグザグに配置した摩擦装置を用いた。この装置により炭素繊維糸条に1デニールあたり0.09gの入り側張力か、3m/分の糸速で通過させ、糸条入り側と出側の張力比から次式より求めた。
摩擦係数=(3/8π)ln(T2/T1)
:糸条入り側張力
:糸条出側張力
まず、本発明の実施例1〜7、比較例1〜3で用いた炭素繊維束およびサイジング剤について説明する。
[炭素繊維束(A)]
繊維径7μm、引張弾性率230GPa、単糸曲げ剛性2.71×10−11Pa・m、フィラメント数24000本の連続した炭素繊維束に対し、サイジング剤として、樹脂成分が1重量%になるようにグリセロールトリグリシジルエーテルをジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す)で希釈してサイジング剤母液を調整し、浸漬法により炭素繊維にサイジング剤を付与し、230℃で乾燥を行なった。付着量は0.4重量%であった。
[炭素繊維束(B)]
サイジング剤を、グリセロールジグリシジルエーテルに変更した以外は炭素繊維束(A)と同様とし、炭素繊維束を得た。
[炭素繊維束(C)]
サイジング剤を、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル([I]式において、R1 が -CH2CH2 - 、m=9)に変更した以外は炭素繊維束(A)と同様とし、炭素繊維束を得た。
[炭素繊維束(D)]
サイジング剤を、ジグリセロールポリグリシジルエーテルに変更した以外は炭素繊維束(A)と同様とし、炭素繊維束を得た。
[炭素繊維束(E)]
サイジング剤を、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルに変更した以外は炭素繊維束(A)と同様とし、炭素繊維束を得た。
[炭素繊維束(F)]
サイジング剤を、芳香環を有するビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、油化シェルエポキシ社製“エピコート”828(芳香環を有するエポキシ化合物)に変更した以外は炭素繊維束(A)と同様とし、炭素繊維束を得た。
[炭素繊維束(G)]
フェノールノボラック型グリシジルエーテル、油化シェルエポキシ社製“エピコート”154(芳香環を有するエポキシ化合物)に変更した以外は炭素繊維束(A)と同様とし、炭素繊維束を得た。
実施例1:
炭素繊維束(A)を繊維長15mmにカットし、カットした炭素繊維束(A)とナイロン6短繊維(短繊維繊度1.7dtex、カット長51mm、捲縮数12山/25mm、捲縮率15%)を質量比で90:10の割合で混合し、カーディング装置に投入した。出てきたウェブをクロスラップし、炭素繊維束(A)とナイロン6繊維とからなる目付100g/cmのシート状の炭素繊維不織布を形成した。炭素繊維不織布中の炭素繊維全体重量に対する炭素繊維束(1)の割合が18重量%、束を構成する炭素繊維本数の数量平均xは160本、標準偏差σは70であった。
シート状の炭素繊維不織布の巻取り方向を0°とし、炭素繊維不織布を0°/90°に積層し、さらに積層した炭素繊維不織布全体で、炭素繊維と熱可塑性樹脂の体積比が30:70となるようにナイロン樹脂フィルム(「CM1001」、ηr=2.3、東レ(株)製)を積層した後に、全体をステンレス板で挟み、260℃で90秒間予熱後、2.0MPaの圧力をかけながら180鋲間、260℃にてホットプレスした。ついで、加圧状態で50℃まで冷却し、厚さ2mmの炭素繊維複合材料の平板を得た。得られた平板の表層の0°方向に対して、0°と90°方向の曲げ強度を測定したところ、0°と90°方向の曲げ強度の平均値は485MPaであり、繊維強度利用率が16.2MPa/%、CV値が5%未満であった。
得られた平板から100mm×100mmの寸法になるようにサンプルを切り出し、流動試験を行ったところ、流動性は270%流動した良品を得ることができた。条件、測定、評価結果を表1に示す。
実施例2:
炭素繊維不織布中の炭素繊維全体重量に対する炭素繊維束(1)の割合が40重量%、束を構成する炭素繊維本数の数量平均xは320本、標準偏差σは200の炭素繊維不織布を形成した以外は実施例1と同様とした。得られた平板の0°と90°方向の曲げ強度および流動性を測定したところ、0°と90°方向の曲げ強度の平均値は480MPaであり、繊維強度利用率が16.0MPa/%、CV値が5%未満であり、流動性は290%流動した良品を得ることができた。
実施例3:
炭素繊維不織布中の炭素繊維全体重量に対する炭素繊維束(1)の割合が62重量%、束を構成する炭素繊維本数の数量平均xは615本、標準偏差σは320の炭素繊維不織布を形成した以外は実施例1と同様とした。得られた平板の0°と90°方向の曲げ強度および流動性を測定したところ、0°と90°方向の曲げ強度の平均値は463MPaであり、繊維強度利用率が15.4MPa/%、CV値が5%未満であり、流動性は313%流動した良品を得ることができた。
実施例4〜7、比較例1〜2:
実施例2に対し、表1および表2に示すように炭素繊維束(A)を炭素繊維束(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)に変更した以外、実施例2と同様にして炭素繊維不織布および炭素繊維不織布からなる炭素繊維複合材料の平板を得た。条件、測定、評価結果を表1および表2に併せて示す。
比較例3:
炭素繊維不織布中の炭素繊維全体重量に対する炭素繊維束(1)の割合が84重量%、束を構成する炭素繊維本数の数量平均xは1100本、標準偏差σは630の炭素繊維不織布を形成した以外は実施例1と同様とした。得られた平板の0°と90°方向の曲げ強度および流動性を測定したところ、0°と90°方向の曲げ強度の平均値は300MPaであり、繊維強度利用率が10.0MPa/%、CV値が5%未満であり、流動性は320%であり、流動性に優れるが、曲げ強度および繊維利用率が低く、ばらつきも大きく、機械的特性に劣る。
Figure 0006108240
Figure 0006108240
次に、本発明の実施例8〜14、比較例4〜6で用いた炭素繊維およびサイジング剤について説明する。
[炭素繊維束(A1)]
繊維径7μm、引張弾性率230GPa、単糸曲げ剛性2.71×10−11Pa・m、フィラメント数24000本の連続した炭素繊維束に対し、サイジング剤として、前述の[I]式においてR2 を -CH2 CH2 - ,R3 を -CH3 ,mを2、nを2とし、サイジング剤の樹脂成分が1重量%の水エマルジョンを浸漬法により、炭素繊維にサイジング剤を付与し、180℃で乾燥を行なった。付着量は0.8重量%であった。
[炭素繊維束(B1)]
サイジング剤として、前述の[I]式においてR2 を -CH2 CH2 - ,R3 を -CH3 ,mを5、nを5としたサイジング剤に変更した以外は炭素繊維束(A1)と同様とし、炭素繊維束を得た。
[炭素繊維束(C1)]
サイジング剤を、前述の[I]式においてR2 を -CH2 CH2 - ,R3 を -CH3 ,mを10、nを10としたサイジング剤に変更した以外は炭素繊維束(A1)と同様とし、炭素繊維束を得た。
[炭素繊維束(D1)]
サイジング剤を、前述の[I]式においてR2 を -CH2 CH2 - ,R3 を-H,mを15、nを15としたサイジング剤に変更した以外は炭素繊維束(A1)と同様とし、炭素繊維束を得た。
[炭素繊維束(E1)]
サイジング剤を、前述の[I]式においてR2 を -CH2 CH2 - ,R3 を-CH 3 ,mを30、nを30に変更した以外は炭素繊維束(A1)と同様とし、炭素繊維束を得た。
[炭素繊維束(F1)]
サイジング剤を、前述の[I]式においてR1 を-OH 、R2 を -CH2 CH2 - ,R3 を -CH3 ,mを15、nを15に変更した以外は炭素繊維束(A1)と同様とし、炭素繊維束を得た。
[炭素繊維束(G1)]
サイジング剤を、前述の[I]式においてR2 を -CH2 CH2 - ,R3 を -CH3 ,mを1、nを1に変更した以外は炭素繊維束(A1)と同様とし、炭素繊維束を得た。
実施例8:
炭素繊維束(A1)を繊維長15mmにカットし、カットした炭素繊維束(A1)とナイロン6短繊維(短繊維繊度1.7dtex、カット長51mm、捲縮数12山/25mm、捲縮率15%)を質量比で90:10の割合で混合し、カーディング装置に投入した。出てきたウェブをクロスラップし、炭素繊維束(A1)とナイロン6繊維とからなる目付100g/cmのシート状の炭素繊維不織布を形成した。炭素繊維不織布中の炭素繊維全体重量に対する炭素繊維束(1)の割合が18重量%、束を構成する炭素繊維本数の数量平均xは160本、標準偏差σは70であった。
シート状の炭素繊維不織布の巻取り方向を0°とし、炭素繊維不織布を0°/90°に積層し、さらに積層した炭素繊維不織布全体で、炭素繊維と熱可塑性樹脂の体積比が30:70となるようにナイロン樹脂フィルム(「CM1001」、ηr=2.3、東レ(株)製)を積層した後に、全体をステンレス板で挟み、260℃で90s間予熱後、2.0MPaの圧力をかけながら180s間、260℃にてホットプレスした。ついで、加圧状態で50℃まで冷却し、厚さ2mmの炭素繊維複合材料の平板を得た。得られた平板の表層の0°方向に対して、0°と90°方向の曲げ強度を測定したところ、0°と90°方向の曲げ強度の平均値は467MPaであり、繊維強度利用率が15.6MPa/%、CV値が5%未満であった。
得られた平板から100mm×100mmの寸法になるようにサンプルを切り出し、流動試験を行ったところ、流動性は275%流動した良品を得ることができた。条件、測定、評価結果を表3に示す。
実施例9:
炭素繊維不織布中の炭素繊維全体重量に対する炭素繊維束(1)の割合が40重量%、束を構成する炭素繊維本数の数量平均xは320本、標準偏差σは200の炭素繊維不織布を形成した以外は実施例8と同様とした。得られた平板の0°と90°方向の曲げ強度および流動性を測定したところ、0°と90°方向の曲げ強度の平均値は461MPaであり、繊維利用率が15.4MPa/%、CV値が5%未満であり、流動性は297%流動した良品を得ることができた。
実施例10:
炭素繊維不織布中の炭素繊維全体重量に対する炭素繊維束(1)の割合が62重量%、束を構成する炭素繊維本数の数量平均xは615本、標準偏差σは320の炭素繊維不織布を形成した以外は実施例8と同様とした。得られた平板の0°と90°方向の曲げ強度および流動性を測定したところ、0°と90°方向の曲げ強度の平均値は449MPaであり、繊維強度利用率が15.0MPa/%、CV値が5%未満であり、流動性は318%流動した良品を得ることができた。
実施例11〜14、比較例4〜5:
実施例9に対し、表3および表4に示すように炭素繊維束(A1)を炭素繊維束(B1)、(C1)、(D1)、(E1)、(F1)、(G1)に変更した以外、実施例9と同様にして炭素繊維不織布および炭素繊維不織布からなる炭素繊維複合材料の平板を得た。条件、測定、評価結果を表3および表4に併せて示す。
比較例6:
炭素繊維不織布中の炭素繊維全体重量に対する炭素繊維束(1)の割合が84重量%、束を構成する炭素繊維本数の数量平均xは1100本、標準偏差σは630の炭素繊維不織布を形成した以外は実施例8と同様とした。得られた平板の0°と90°方向の曲げ強度および流動性を測定したところ、0°と90°方向の曲げ強度の平均値は300MPaであり、繊維強度利用率が10.0MPa/%、CV値が5%未満であり、流動性は332%であり、流動性に優れるが、曲げ強度および繊維強度利用率が低く、ばらつきも大きく、機械的特性に劣る。
Figure 0006108240
Figure 0006108240
次に、本発明の実施例15〜26、比較例7〜9で用いた炭素繊維束およびサイジング剤について説明する。
[炭素繊維束(A2)]
サイジング剤として、前記化3の[III]式において、R=OH、R=H、m=15、n=15としたビスフェノールAエチレンオキサイド付加物誘導体の1重量%濃度水分散エマルションを調整した。このサイジング剤エマルションに繊維径7μm、引張弾性率230GPa、単糸曲げ剛性2.71×10−11Pa・m、フィラメント数24000本の連続した炭素繊維束をディップローラーを介して浸漬した後、熱風循環型乾燥機にて150℃、1分間乾燥を行った。サイジング剤の付着量、摩擦係数、ドレープ値を測定したところ、付着量は0.8重量%であり、摩擦係数は0.22、ドレープ値は5.3cmであった。
[炭素繊維束(B2)]
サイジング剤として、前記化3の[III]式において、Rが前述の化7に示した化学式[VII]の化合物、R=H、m=15、n=15とした1重量%濃度水分散エマルションとした以外は使用する炭素繊維、サイジング剤付着方法などは炭素繊維束(A2)と同様とした。サイジング剤の付着量、摩擦係数、ドレープ値を測定したところ、付着量は0.9重量%であり、摩擦係数は0.23、ドレープ値は5.5cmであった。
[炭素繊維束(C2)]
サイジング剤として、前記化4の[IV]式において、R=H、R=OH、m=10、n=10とした1重量%濃度水分散エマルションとした以外は使用する炭素繊維、サイジング剤付着方法などは炭素繊維束(A2)と同様とした。サイジング剤の付着量、摩擦係数、ドレープ値を測定したところ、付着量は0.6重量%であり、摩擦係数は0.21、ドレープ値は5.0cmであった。
[炭素繊維束(D2)]
ヒドロキシル価112のポリプロピレングリコール260gに2・4−/2・6−トリレンジイソシアネートの80/20異方性混合物87g、N−メチルジエタノールベンジアンモニウムクロライド34.4gを加え、窒素雰囲気中、40℃で2時間反応させイソシアネート基2.23重量%、第四級窒素0.513重量%を含有するウレタン化合物を得た。これにグリセロールジグリシジルエーテル41.3g、DMF(ジメチルホルムアミド)335.4gを加え、50℃で約3時間イソシアネート基がなくなるまで反応させた。反応生成物はオキシラン酸素0.743重量%、第四級窒素0.476重量%を含有する水分散性の良好なものであった。
得られた上記ポリウレタンにエポキシ当量が225〜280、平均分子量が約470のビスフェノールAジグリシジルエーテルタイプの液状エポキシ樹脂(シェル化学社製“エピコー”843)の30重量%のジメチルホルムアミド溶液を4対1の割合で添加し、次いで水を添加し、1重量%エマルションをサイジング剤とした以外は炭素繊維束(A2)と同様とした。サイジング剤の付着量、摩擦係数、ドレープ値を測定したところ、付着量は0.8重量%であり、摩擦係数は0.34、ドレープ値は10.5cmであった。
[炭素繊維束(E2)]
サイジング剤として、前記化3の[III]式において、R=OH、R=H、m=1、n=1とした1重量%濃度水分散エマルションとした以外は使用する炭素繊維、サイジング剤付着方法などは炭素繊維束(A2)と同様とした。サイジングの付着量、摩擦係数、ドレープ値を測定したところ、付着量は0.7重量%であり、摩擦係数は0.35、ドレープ値は6.2cmであった。
実施例15:
炭素繊維束(A2)を繊維長6mmにカットし、カットした炭素繊維束とナイロン6短繊維(短繊維繊度1.7dtex、カット長10mm)を質量比で80:20の割合で混合し、エアレイド装置に投入した。出てきた不織布を熱処理し、炭素繊維とナイロン6繊維とからなる目付200g/cmのシート状の炭素繊維不織布を形成した。できた不織布の繊維束の測定を行ったところ、炭素繊維全体重量に対する炭素繊維束(1)の割合が13重量%、束を構成する炭素繊維の本数の数量平均xは160本、標準偏差σは70であった。
シート状の炭素繊維集合体の巻取り方向を0°とし、炭素繊維集合体を同一方向に積層し、さらに積層した炭素繊維集合体全体で、炭素繊維と熱可塑性樹脂の体積比が30:70となるようにナイロン樹脂メルトブロー不織布(「CM1001」、ηr=2.3、東レ(株)製)を積層した後に、全体をステンレス板で挟み、240℃で90秒間予熱後、2.0MPaの圧力をかけながら180秒間、250℃にてホットプレスした。ついで、加圧状態で50℃まで冷却し、厚さ2mmの炭素繊維複合材料の平板を得た。得られた平板の表層の0°方向に対して、0°と90°方向の曲げ強度を測定したところ、0°と90°方向の曲げ強度の平均値は470MPaであり、繊維利用率が15.7MPa/%、CV値が5%未満であった。
得られた平板から100mm×100mmの寸法になるようにサンプルを切り出し、流動試験を行ったところ、流動性は300%流動した良品を得ることができた。条件、測定、評価結果を表5に示す。
実施例16〜26:
実施例15に対し、表5、表6に示すように条件を変更した以外、実施例15と同様にして炭素繊維不織布および炭素繊維不織布からなる炭素繊維複合材料の平板を得た。条件、測定、評価結果を表5、表6に示す。
比較例7:
炭素繊維束(D2)を繊維長15mmにカットし、カットした炭素繊維束とナイロン6不連続繊維(短繊維繊度1.7dtex、カット長10mm)を質量比で80:20の割合で混合し、炭素繊維束(1)の割合が23重量%、束を構成する炭素繊維の本数の数量平均xは250本、標準偏差σは200の炭素繊維不織布を得た以外は、実施例15と同様にして炭素繊維不織布および炭素繊維不織布からなる炭素繊維複合材料の平板を得た。条件、測定、評価結果を表7に示す。得られた炭素繊維不織布は流動性に劣る。
比較例8:
炭素繊維束(E2)を繊維長15mmにカットし、カットした炭素繊維束とナイロン6不連続繊維(短繊維繊度1.7dtex、カット長10mm)を質量比で80:20の割合で混合し、炭素繊維束(1)の割合が22重量%、束を構成する炭素繊維の本数の数量平均xは260本、標準偏差σは210の炭素繊維不織布を得た以外は、実施例15と同様にして炭素繊維不織布および炭素繊維不織布からなる炭素繊維複合材料の平板を得た。条件、測定、評価結果を表7に併せて示す。得られた炭素繊維不織布は流動性に劣る。
比較例9:
炭素繊維束(A2)を繊維長15mmにカットし、カットした炭素繊維束とナイロン6不連続繊維(短繊維繊度1.7dtex、カット長10mm)を質量比で80:20の割合で混合し、炭素繊維束(1)の割合が80重量%、束を構成する炭素繊維の本数の数量平均xは1200本、標準偏差σは630の炭素繊維不織布を得た以外は、実施例15と同様にして炭素繊維不織布および炭素繊維不織布からなる炭素繊維複合材料の平板を得た。条件、測定、評価結果を表7に併せて示す。得られた炭素繊維不織布は、流動性は良いが、繊維強度利用率も低く、物性のばらつきも大きい。
Figure 0006108240
Figure 0006108240
Figure 0006108240
本発明に係る炭素繊維不織布は、従来技術では達成できなかった、高流動性と機械特性の両立、機械特性の少ないばらつきが要求されるあらゆる炭素繊維強化成形品の製造に適用できる。
1 カーディング装置
2 シリンダーロール
3 テイクインロール
4 ドッファーロール
5 ワーカーロール
6 ストリッパーロール
7 フィードロール
8 ベルトコンベアー
9 不連続な炭素繊維
10 シート状のウエブ
11 エアレイド装置
12 ドラム
13 ピンシリンダー
14 ワイヤ
15 サクションボックス
21 炭素繊維束
22 止めテープ
23 重り
24 台
25 炭素繊維束
26 止めテープ

Claims (16)

  1. 炭素繊維を含む炭素繊維不織布であって、炭素繊維が複数のエポキシ基を有する脂肪族化合物でサイジングされてなり、炭素繊維不織布中の炭素繊維束のうち、炭素繊維束を構成する炭素繊維の本数が90本以上の炭素繊維束(1)を構成する炭素繊維の本数の数量平均xが90〜1000本/束の範囲にあり、炭素繊維束(1)を構成する炭素繊維の本数の標準偏差σが50〜500の範囲にあることを特徴とする炭素繊維不織布。
  2. 炭素繊維を含む炭素繊維不織布であって、炭素繊維がエポキシ基と芳香環との間の原子数が6以上であるエポキシ基を複数有する芳香族化合物でサイジングされてなり、炭素繊維不織布中の炭素繊維束のうち、炭素繊維束を構成する炭素繊維の本数が90本以上の炭素繊維束(1)を構成する炭素繊維の本数の数量平均xが90〜1000本/束の範囲にあり、炭素繊維束(1)を構成する炭素繊維の本数の標準偏差σが50〜500の範囲にあることを特徴とする炭素繊維不織布。
  3. 前記複数のエポキシ基を有する化合物が、最長原子鎖の両末端にエポキシ基を有する化合物である、請求項1または2に記載の炭素繊維不織布。
  4. 前記複数のエポキシ基を有する化合物が、最長原子鎖の両末端にのみエポキシ基を有する化合物である、請求項3に記載の炭素繊維不織布。
  5. 複数のエポキシ基を有する脂肪族化合物の最長原子鎖の原子数が20〜200である請求項1または3に記載の炭素繊維不織布。
  6. 前記複数のエポキシ基を有する脂肪族化合物が、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル類、ポリプロビレングリコールジグリシジルエーテル類から選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項1、3〜5のいずれかに記載の炭素繊維不織布。
  7. 前記エポキシ基と芳香環との間の原子数が6以上であるエポキシ基を複数有する芳香族化合物が、下記化1に示される化合物である、請求項2に記載の炭素繊維不織布。
    Figure 0006108240

    (ここで、式[I]中、Rは、下記化2であり、
    Figure 0006108240

    2 は、炭素数2〜30のアルキレン基、R3は、-Hあるいは-CH3 であり、m,nは2〜48の整数,m+nは4〜50である。)
  8. 前記R2が、-CH2 CH2-あるいは-CH(CH3)CH2-である、請求項7に記載の炭素繊維不織布。
  9. 前記芳香族化合物が縮合多環芳香族化合物である、請求項2に記載の炭素繊維不織布。
  10. 前記縮合多環芳香族化合物の骨格が、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレンのいずれかである、請求項9に記載の炭素繊維不織布。
  11. 炭素繊維を含む炭素繊維不織布であって、炭素繊維に下記化3〜化5に示される化学式(III)、(IV)および(V)から選ばれた少なくとも1種の化合物を炭素繊維重量100重量%に対して0.1〜5.0重量%付着させてなり、炭素繊維不織布中の炭素繊維束のうち、炭素繊維束を構成する炭素繊維の本数が90本以上の炭素繊維束(1)を構成する炭素繊維の本数の数量平均xが90〜1000本/束の範囲にあり、炭素繊維束(1)を構成する炭素繊維の本数の標準偏差σが50〜500の範囲にあることを特徴とする炭素繊維不織布。
    Figure 0006108240

    Figure 0006108240

    Figure 0006108240

    上式中、RはH、OH、下記化6または下記化7、RはHまたはOHであり、m、nは1〜49、但しm+nは10〜50である。
    Figure 0006108240

    Figure 0006108240
  12. 前記炭素繊維束(1)を構成する炭素繊維の本数の標準偏差σが50〜350の範囲にある、請求項1〜11のいずれかに記載の炭素繊維不織布。
  13. 前記炭素繊維束(1)の炭素繊維全体重量に対する割合が5〜80重量%の範囲にある、請求項1〜12のいずれかに記載の炭素繊維不織布。
  14. 炭素繊維不織布が、25℃におけるドレープ値(cm)/単糸曲げ剛性(Pa・cm4)が1.4×10〜4.0×10(cm/(Pa・cm4))の範囲にある炭素繊維束から形成されている、請求項1〜13のいずれかに記載の炭素繊維不織布。
  15. 炭素繊維不織布を構成する炭素繊維の単糸曲げ剛性が1.0×10-11〜2.8×10-11(Pa・m)の範囲にある、請求項1〜14のいずれかに記載の炭素繊維不織布。
  16. 炭素繊維不織布を構成する炭素繊維の繊維長Lnが3〜50mmの範囲にある、請求項1〜15のいずれかに記載の炭素繊維不織布。
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