JP2005281955A - 炭素繊維束 - Google Patents
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Abstract
【課題】
優れた耐擦過性、集束性、樹脂含浸性を有し、特に、炭素繊維の目付が300g/m2以上の厚物織物を製造するときに好適な炭素繊維束を提供する。
【解決手段】
本発明の炭素繊維束は、実質的に撚りを有さず、サイジング剤が付着している炭素繊維束であって、F/F摩擦係数が0.8以下、F/M摩擦係数が0.6以下、F/F耐毛羽度が200回以上、かつ樹脂含浸速度が40秒以下であることを特徴とする炭素繊維束である。
【選択図】なし
優れた耐擦過性、集束性、樹脂含浸性を有し、特に、炭素繊維の目付が300g/m2以上の厚物織物を製造するときに好適な炭素繊維束を提供する。
【解決手段】
本発明の炭素繊維束は、実質的に撚りを有さず、サイジング剤が付着している炭素繊維束であって、F/F摩擦係数が0.8以下、F/M摩擦係数が0.6以下、F/F耐毛羽度が200回以上、かつ樹脂含浸速度が40秒以下であることを特徴とする炭素繊維束である。
【選択図】なし
Description
本発明は、炭素繊維束に関するものであり、さらに詳しくは織物製織性がよく、複合材成形時の樹脂含浸性に優れた炭素繊維束に関する。
炭素繊維織物は高い強度を有するため、各種樹脂との複合材の形態で、スポーツ用具や航空機等の高強度が要求される分野の構造材等に利用されている。近年、高性能を有する炭素繊維束やその織物も低コスト化の要求が強くなってきている。低コスト化の技術として、炭素繊維織物の製造時に、より多くの単繊維を束ねた太い炭素繊維束を用いて炭素繊維織物を製造するほど製造コストの低減が図れる。これにより、より太い炭素繊維束を用いて、より低コストの炭素繊維織物を製造することも考えられている。
炭素繊維を織物に加工する際には、金属ガイド等にこすらせて引き揃えたり拡幅する。さらに、繊維束を交互に上下に移動させて出来た隙間に横糸を挿入させて作成するため、ガイドとの擦れや繊維束同士の擦れによる毛羽が発生しやすい。また、縦糸と横糸が交互に組み合わさっているため特に高目付織物においては糸束中への樹脂含浸不良が発生する傾向がある。
ところで、炭素繊維束は、集束性に乏しく、捌けやすいために、擦過されると容易に単繊維切れを起こし、毛羽が発生する。織物のプロセスでは特に、糸同士の擦れおよびガイドとの擦れに対して耐擦過性が求められる。そのため、炭素繊維束には、通常、サイジング剤を付与し、集束性と耐擦過性を向上させるようにしている。しかしながら、一方で、サイジング剤を付与すると樹脂含浸性が悪くなり、成形品の品質・品位が低下する場合がある。すなわち、毛羽の発生を防止しようとして集束性や耐擦過性を向上させることと、良好な樹脂含浸性を得ることとは相反する関係にあり、これらを両立させることはなかなか難しい。そのため、いろいろな工夫がなされている。
たとえば、扁平率(L/D)が30〜100、F/M摩擦係数が2.5以下で、炭素繊維束からの抽出物の50℃における粘度が100〜1000ポイズであることを特徴とする織物用炭素繊維束が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。しかしながら、上記特性とするために固形エポキシ樹脂を50〜80重量%含むサイジング剤を付与すると樹脂含浸性が低下し、300g/m2以上の高目付織物では成形品の内部にボイドが残り、品質・品位が悪くなる場合がある。
また、耐擦過性と集束性、マトリックス樹脂との相溶性の双方を向上させるために、サイジング剤としてビスフェノールAエチレンオキサイド付加物を用いることが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。しかしながら、この従来の技術では、繊維束を薄く引き揃えた低目付織物には有効であるものの、高目付つまり繊維束の幅を狭くつめた場合、炭素繊維束同士のこすれが強くなることで、単繊維切れによる飛散毛羽や、それに伴う品位悪化が発生するなどの問題があった。
このように、従来の炭素繊維束は、耐擦過性、集束性、樹脂含浸性といった、織物を製造するときに要求される特性をバランスよく備えるには至っていない。
特開2002−317382号公報
特許第2685221号公報
本発明の課題は、従来の技術の上述した問題点を解決し、優れた耐擦過性、集束性、樹脂含浸性を備えた炭素繊維束を提供することにあり、特に、炭素繊維の目付が300g/m2以上といった、より高目付織物を製造する時に好適な炭素繊維束を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明は以下の手段を採用する。すなわち、
(1)実質的に撚りを有さず、サイジング剤が付着している炭素繊維束であって、該炭素繊維束のF/F摩擦係数が0.8以下、F/M摩擦係数が0.6以下、F/F耐毛羽度が200回以上で、かつ炭素繊維束の樹脂含浸速度が40秒以下であることを特徴とする炭素繊維束。
(1)実質的に撚りを有さず、サイジング剤が付着している炭素繊維束であって、該炭素繊維束のF/F摩擦係数が0.8以下、F/M摩擦係数が0.6以下、F/F耐毛羽度が200回以上で、かつ炭素繊維束の樹脂含浸速度が40秒以下であることを特徴とする炭素繊維束。
(2)前記炭素繊維束の単繊維の実表面積Srと投影面積Spとの比Sr/Spが1≦Sr/Sp<1.05の範囲内にあることを特徴とする前記(1)に記載の炭素繊維束。
(3)前記サイジング剤が、軟化点80〜200℃の範囲内の芳香族系熱可塑性樹脂と、芳香族系ジエステルとを含むものであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の炭素繊維束。
(4)前記芳香族系熱可塑性樹脂および芳香族系ジエステルの前記サイジング剤中含有量がそれぞれ5〜30重量%の範囲内にあることを特徴とする前記(1)から(3)のいずれかに記載の炭素繊維束。
(5)サイジング剤の付着量が0.1〜2重量%の範囲内にあることを特徴とする前記(1)から(4)のいずれかに記載の炭素繊維束。
(6)前記(1)から(5)のいずれかに記載の炭素繊維束を用いたことを特徴とする織物。
(7)前記(1)から(5)のいずれかに記載の炭素繊維束を用いたことを特徴とする複合材料。
本発明の炭素繊維束は、実質的に撚りを有しない、サイジング剤が付着している炭素繊維束であって、F/F摩擦係数が0.8以下、F/M摩擦係数が0.6以下、F/F耐毛羽度が200回以上でかつ樹脂含浸速度が40秒以下であるから、実施例と比較例との対比からも明らかなように、優れた耐擦過性、集束性、樹脂含浸性を有し、特に、炭素繊維の目付が300g/m2以上の厚物織物を製造するときに大変好適である。
本発明の炭素繊維束は、実質的に撚りを有しない、サイジング剤が付着している炭素繊維束であって、F/F摩擦係数が0.8以下、F/M摩擦係数が0.6以下、F/F耐毛羽度が200回以上でかつ樹脂含浸速度が40秒以下であることを特徴とするものである。
炭素繊維束を構成している単繊維は、実表面積Srと投影面積Spとの比Sr/Spが1≦Sr/Sp<1.05の範囲内にあるのが好ましい。該炭素繊維束に付与するサイジング剤は、軟化点が80〜200℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性樹脂と芳香族系ジエステルとを含んでいるものが好ましく、また、前者の軟化点が80〜200℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性樹脂および後者の芳香族系ジエステルの含有量がそれぞれ5〜30重量%の範囲内にあるのが好ましい。その場合、サイジング剤の炭素繊維束に対する付着量は0.1〜2重量%の範囲内にあるのが好ましい。
上記において、実質的に撚りを有しない炭素繊維束とは、撚りを全く有していないか、有していても1mあたり0.5ターン以下である炭素繊維束をいう。
次に、本発明で用いた上記各特性値の測定法について説明する。
[F/F摩擦係数の測定法]
F/F摩擦係数は次のようにして測定する。すなわち、回転しないように固定されたボビン上に厚みが均一となるよう5〜10mm厚、巻密度0.9〜1.4g/cm3、ワインド比5〜15の範囲で巻き付けた炭素繊維束の表面に、巻状物と同じ炭素繊維束を接触角3π(rad)になるよう円周上に重ならないよう巻きつける。巻き付けた炭素繊維束の一方の端部に錘(T1)をつけ、反対端をばねばかりで1m/minの速度で引っ張り、巻き付けた炭素繊維束が動き出す際の張力をT2とした時、次式にて求める。
F/F摩擦係数は次のようにして測定する。すなわち、回転しないように固定されたボビン上に厚みが均一となるよう5〜10mm厚、巻密度0.9〜1.4g/cm3、ワインド比5〜15の範囲で巻き付けた炭素繊維束の表面に、巻状物と同じ炭素繊維束を接触角3π(rad)になるよう円周上に重ならないよう巻きつける。巻き付けた炭素繊維束の一方の端部に錘(T1)をつけ、反対端をばねばかりで1m/minの速度で引っ張り、巻き付けた炭素繊維束が動き出す際の張力をT2とした時、次式にて求める。
「F/F摩擦係数=ln(T2/T1)/θ」
T2:炭素繊維が動き出す際の張力(=ばねばかりの指示値)
T1:錘重量(=0.19g/tex)
θ :巻状物と巻きつけた糸との合計接触角(=3π rad)
炭素繊維の本数はn=5とし、単純平均で求める。なお、測定ボビンは測定2時間以上前に測定雰囲気温湿度条件に慣らしておく(測定条件:23±3℃/60±5%)
[F/M摩擦係数の測定法]
F/M摩擦係数は次のようにして測定する。すなわち、図1に示すように直径が50mm、表面粗度はJIS B0601(2001)で測定される算術平均高さRaで0.05以上0.08以下の、表面にクロームメッキが施されている金属棒を、150mm間隔で、5本、かつ、炭素繊維束が金属棒に合計で1.5π(rad)の角度で接触しながら通過するよう上下方向に交互に配置する。そして、金属棒に炭素繊維束を順次掛け渡し、パッケージからの解舒張力を120gに設定し、駆動ロールで糸速6m/minで牽引して金属棒群を通過させ、金属棒群の出側で30秒間張力計測した値の平均値を使用し、下記式からF/M摩擦係数を算出する。F/M摩擦係数は、大きくなるほど金属棒との摩擦力が大きくなることを示している。
T2:炭素繊維が動き出す際の張力(=ばねばかりの指示値)
T1:錘重量(=0.19g/tex)
θ :巻状物と巻きつけた糸との合計接触角(=3π rad)
炭素繊維の本数はn=5とし、単純平均で求める。なお、測定ボビンは測定2時間以上前に測定雰囲気温湿度条件に慣らしておく(測定条件:23±3℃/60±5%)
[F/M摩擦係数の測定法]
F/M摩擦係数は次のようにして測定する。すなわち、図1に示すように直径が50mm、表面粗度はJIS B0601(2001)で測定される算術平均高さRaで0.05以上0.08以下の、表面にクロームメッキが施されている金属棒を、150mm間隔で、5本、かつ、炭素繊維束が金属棒に合計で1.5π(rad)の角度で接触しながら通過するよう上下方向に交互に配置する。そして、金属棒に炭素繊維束を順次掛け渡し、パッケージからの解舒張力を120gに設定し、駆動ロールで糸速6m/minで牽引して金属棒群を通過させ、金属棒群の出側で30秒間張力計測した値の平均値を使用し、下記式からF/M摩擦係数を算出する。F/M摩擦係数は、大きくなるほど金属棒との摩擦力が大きくなることを示している。
F/M摩擦係数=ln(α/β)/θ
α:金属棒群の出側における炭素繊維束の張力
β:金属棒群の入側における炭素繊維束の張力(=120g)
θ:炭素繊維束と金属棒群との合計接触角(=1.5π rad)
なお、測定ボビンは測定2時間以上前に測定雰囲気温湿度条件にならしておく(測定条件:23±3℃/60±5%)
[F/F耐毛羽度の測定法]
F/F耐毛羽度は次のようにして測定する。すなわち、図2に示すように、30mm水平移動する角度60度上、先端R3mmの板に、移動方向と水平方向となる向きに、糸厚みが0.3〜0.4mmで均一となるように糸束を巻きつける。そこに、0.44g/texの錘を取り付けた糸を角度120度で接触させ、前記板を周波数1.7Hzで水平方向に移動させる。30秒毎に移動停止し、これを1回とし、1回終了ごとにセットした糸を目視確認し、0.5cm以上の毛羽が10本以上発生するまでの回数をF/F耐毛羽度とする。炭素繊維束の本数n=5とし、単純平均で求める。
α:金属棒群の出側における炭素繊維束の張力
β:金属棒群の入側における炭素繊維束の張力(=120g)
θ:炭素繊維束と金属棒群との合計接触角(=1.5π rad)
なお、測定ボビンは測定2時間以上前に測定雰囲気温湿度条件にならしておく(測定条件:23±3℃/60±5%)
[F/F耐毛羽度の測定法]
F/F耐毛羽度は次のようにして測定する。すなわち、図2に示すように、30mm水平移動する角度60度上、先端R3mmの板に、移動方向と水平方向となる向きに、糸厚みが0.3〜0.4mmで均一となるように糸束を巻きつける。そこに、0.44g/texの錘を取り付けた糸を角度120度で接触させ、前記板を周波数1.7Hzで水平方向に移動させる。30秒毎に移動停止し、これを1回とし、1回終了ごとにセットした糸を目視確認し、0.5cm以上の毛羽が10本以上発生するまでの回数をF/F耐毛羽度とする。炭素繊維束の本数n=5とし、単純平均で求める。
[樹脂含浸速度の測定法]
炭素繊維束の樹脂含浸速度は次のようにして測定する。すなわち、炭素繊維束を2cmにカットしたサンプルを、繊維長方向が液面と水平になるように浮かべる。その炭素繊維束が樹脂に含浸して液面から離れる(沈む)までの時間を測定する。サンプル数はn=10点とし、単純平均値として求める。使用する樹脂はエピコート(以下、Epと略す。)828およびEp1001を1:3の重量割合で混合し、MEKを溶媒として樹脂濃度35重量%に希釈する。また、樹脂温度は23℃±3℃とする。
炭素繊維束の樹脂含浸速度は次のようにして測定する。すなわち、炭素繊維束を2cmにカットしたサンプルを、繊維長方向が液面と水平になるように浮かべる。その炭素繊維束が樹脂に含浸して液面から離れる(沈む)までの時間を測定する。サンプル数はn=10点とし、単純平均値として求める。使用する樹脂はエピコート(以下、Epと略す。)828およびEp1001を1:3の重量割合で混合し、MEKを溶媒として樹脂濃度35重量%に希釈する。また、樹脂温度は23℃±3℃とする。
[実表面積Srと投影面積Spとの比Sr/Spの測定法]
実表面積Srと投影面積Spとの比Sr/Spは、次のようにして測定する。すなわち、炭素繊維束を数mmの長さに切断し、単繊維を抜き出す。次に、銀ペーストを用いて単繊維をシリコンウエハ上に固定し、原子間力顕微鏡、たとえばDigital Instruments社製Nanoscope IIIa原子間力顕微鏡のDimension 3000ステージシステムを用い、3次元表面形状の像を得る。なお、走査モードはタッピングモードとし、探針には、たとえばオリンパス光学工業株式会社製Siカンチレバー一体型探針OMCL−AC120TSを用いる。また、走査速度は0.4Hz、ピクセル数は512×512、測定雰囲気は25±2℃の大気中とする。次に、得られた像について、上記原子間力顕微鏡に付属のソフトウエアNanoscope IIIバージョン4.22r2を用いてデータ処理し、1次フィルタ、Lowpassフィルタ、3次Plane Fitフィルタを用いてフィルタリングし、得られた像全体を対象にして実表面積Srと投影面積Spとを算出し、それらの比、すなわち、Sr/Spを求める。なお、投影面積は、単繊維が曲面を有していることを考慮し、曲面の曲率に近似した3次曲面への投影面積とする。そして、1個の単繊維について任意に選んだ5か所について上記測定を行い、最大値と最小値とを除いた3か所の相加平均値をもって比Sr/Spとする。n数は3とし、単純平均値として求める。
実表面積Srと投影面積Spとの比Sr/Spは、次のようにして測定する。すなわち、炭素繊維束を数mmの長さに切断し、単繊維を抜き出す。次に、銀ペーストを用いて単繊維をシリコンウエハ上に固定し、原子間力顕微鏡、たとえばDigital Instruments社製Nanoscope IIIa原子間力顕微鏡のDimension 3000ステージシステムを用い、3次元表面形状の像を得る。なお、走査モードはタッピングモードとし、探針には、たとえばオリンパス光学工業株式会社製Siカンチレバー一体型探針OMCL−AC120TSを用いる。また、走査速度は0.4Hz、ピクセル数は512×512、測定雰囲気は25±2℃の大気中とする。次に、得られた像について、上記原子間力顕微鏡に付属のソフトウエアNanoscope IIIバージョン4.22r2を用いてデータ処理し、1次フィルタ、Lowpassフィルタ、3次Plane Fitフィルタを用いてフィルタリングし、得られた像全体を対象にして実表面積Srと投影面積Spとを算出し、それらの比、すなわち、Sr/Spを求める。なお、投影面積は、単繊維が曲面を有していることを考慮し、曲面の曲率に近似した3次曲面への投影面積とする。そして、1個の単繊維について任意に選んだ5か所について上記測定を行い、最大値と最小値とを除いた3か所の相加平均値をもって比Sr/Spとする。n数は3とし、単純平均値として求める。
[サイジング剤の軟化点の測定法]
さらに、サイジング剤の軟化点は、次のようにして測定する。すなわち、高化式フローテスタを用い、内径1mm、長さ1mmのオリフィスを使用し、荷重9.8N、昇温速度3℃/分としたときの流動開始温度を測定する。n数は3とし、単純平均値として求める。
さらに、サイジング剤の軟化点は、次のようにして測定する。すなわち、高化式フローテスタを用い、内径1mm、長さ1mmのオリフィスを使用し、荷重9.8N、昇温速度3℃/分としたときの流動開始温度を測定する。n数は3とし、単純平均値として求める。
[サイジング剤の付着量の測定法]
また、サイジング剤の付着量は、次のようにして測定する。すなわち、重量W1g(約2g)の精秤した炭素繊維束を、空気に触れないように50リットル/分の窒素ガスが流されている450℃の電気炉(容量:120cm3)に入れ、15分間放置してサイジング剤を完全に熱分解させる。次に、20リットル/分の乾燥窒素ガスが流されている容器内に移し、15分間冷却した後の重量W2gを測定し、次式から求める。
また、サイジング剤の付着量は、次のようにして測定する。すなわち、重量W1g(約2g)の精秤した炭素繊維束を、空気に触れないように50リットル/分の窒素ガスが流されている450℃の電気炉(容量:120cm3)に入れ、15分間放置してサイジング剤を完全に熱分解させる。次に、20リットル/分の乾燥窒素ガスが流されている容器内に移し、15分間冷却した後の重量W2gを測定し、次式から求める。
サイジング剤の付着量(%)=((W1− W2)/W1)×100
本発明の炭素繊維束は、ポリアクリロニトリル系繊維、ピッチ系繊維、レーヨン系繊維等、いずれを原料繊維とするものであってもよいが、耐擦過性に優れた炭素繊維束が得られるという理由で、ポリアクリロニトリル系繊維を原料繊維とするものであるのが好ましい。
本発明の炭素繊維束は、ポリアクリロニトリル系繊維、ピッチ系繊維、レーヨン系繊維等、いずれを原料繊維とするものであってもよいが、耐擦過性に優れた炭素繊維束が得られるという理由で、ポリアクリロニトリル系繊維を原料繊維とするものであるのが好ましい。
炭素繊維束は、それを構成している単繊維の実表面積Srと投影面積Spとの比Sr/Spが1≦Sr/Sp<1.05の範囲内が好ましい。実表面積Srと投影面積Spは、紡糸条件を変更したり、紡糸後の延伸倍率を変更したりすることによって変えることができるが、この比が低い、すなわち、横断面の形状が真円に近いほど耐擦過性が向上するためである。比が1.05以上になると耐擦過性が低下して毛羽が発生しやすくなる。それゆえ、実表面積Srと投影面積Spとの比Sr/Spは1≦Sr/Sp<1.05の範囲内にあるのが好ましい。
炭素繊維束を構成している単繊維の数は、3,000〜50,000本程度であることが好ましい。
炭素繊維束は、実質的に撚りを有しないことが好ましい。撚りを有していると、繊維束内部に樹脂が浸透しにくく樹脂の含浸性が低下するからである。
炭素繊維束の製織性を向上させるためには、金属ガイド等での耐毛羽性が求められるのと同様に糸同士の摩擦係数が低く、摩擦が起こっても毛羽立ちにくいことが重要である。本発明においては、前述の炭素繊維束同士の擦過による毛羽発生の指標として、F/F摩擦係数、F/M摩擦係数、およびF/F耐毛羽度が好適に反映していることを見出した。
そして、本発明の炭素繊維束は、F/F摩擦係数が0.8以下、F/M摩擦係数が0.6以下、F/F耐毛羽度が200回以上の特性を有するものである。
F/F摩擦係数は、上述したように0.8以下であるが、好ましい範囲は0.1〜0.8であり、さらに好ましい範囲は0.2〜0.7である。F/F摩擦係数は低いほど繊維束同士の相互作用が小さく毛羽立ちが少なくなり好ましい。しかし、0.1未満ではボビン状巻物を輸送する際、形態安定性が悪く巻崩れる場合があり、これ以上であることがより好ましい。反対に0.8を超える場合は糸束同士の摩擦過多となり、毛羽発生することで製品の品位を低下させる場合がある。
さらに、金属製のガイドとの接触によって炭素繊維束に毛羽が発生したり、得られる織物にガイドにたまった毛羽が混入したりするのを確実に防止するために、F/M摩擦係数が0.6以下となるようにするのが好ましい。F/M摩擦係数が0.6を超えると、毛羽量が増大することがあるため好ましくない。反対にF/M摩擦係数が0.1を下回ると、ガイド等を通過する際に糸の走行位置が安定しないため好ましくない。好ましい範囲としては0.1〜0.6であり、さらに好ましくは0.2〜0.5である。
F/F耐毛羽度は200回以上であり、より好ましくは300回以上である。F/F耐毛羽度の上限については特に規定するものでないが、1000回以上となると加工性が悪くなる場合があるため1000回より低いことが好ましい。
繊維束での樹脂との相溶性、すなわち樹脂含浸時間が早いことが良好な樹脂含浸性を得るために重要であり、前述した良好な品位の成形品を得るためには繊維束の樹脂含浸時間を40秒以下とするのがよく、好ましくは30秒以下が有効である。樹脂含浸時間を目標とするためには後述するサイジング付着量を適正範囲にするほか、極性の高い熱可塑性樹脂を用いることや樹脂との相溶性の高い芳香族系ジエステルの配合比を上げることが有効である。ただし、樹脂含浸時間が1秒以下の場合、プリプレグの樹脂フロー過多となり、樹脂量のコントロールが難しくなる場合があるため、樹脂含浸時間は1秒より高いことが好ましい。
さて、上述したような炭素繊維束は、それに付与するサイジング剤を選択することによって得ることができる。すなわち、サイジング剤には多種多様なものがあるが、本発明においては、軟化点が80〜200℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性樹脂と、芳香族系ジエステルとを含むサイジング剤を好ましく用いることができる。
芳香族系熱可塑性樹脂については、軟化点が80℃未満のものでは、炭素繊維束のF/F耐毛羽度を200回以上にするのは難しい。また、軟化点が200℃を超えるようなものは、樹脂含浸性が低く、良好な品位の成形品が得られない場合がある。好ましい軟化点の範囲は、100〜180℃であるが、一般に軟化点が高い程、樹脂含浸性に劣る傾向がある。しかし一方でF/F耐毛羽度は向上するので、例えば厚みの薄い織物や複合材料を製造する場合は、軟化点はやや高めが好ましいといえる。該当するものとしてたとえば主鎖にフェニレン基、ナフチレン基、スルホニル基、プロピリデン基などを有するウレタン樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、アクリル樹脂が好適に使用される。これらの2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、耐擦過性をも向上させることができるウレタン樹脂やエステル樹脂が好ましい。そのような熱可塑性樹脂は、炭素繊維束のF/M摩擦係数を0.6以下とするために有用である。既存の、たとえばエポキシ系サイジング剤に、25℃では固形の、たとえばエポキシ樹脂を添加することによってもF/M摩擦係数を上述の範囲内とすることはできるが、そのような固形の熱硬化性樹脂を添加すると粘着性が増大し、ガイド等にサイジング剤が転写、堆積することがあり、堆積したサイジング剤に単繊維が取られて毛羽立ちの原因となることがあるため、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
芳香族系熱可塑性樹脂の含有量としてはサイジング剤全体の5〜30重量%の範囲内にあるのが好ましい。芳香族系熱可塑性樹脂の含有量が5重量%未満では、十分な耐擦過性をえることができないことからF/F耐毛羽度が低下し、繊維束同士の接触によって毛羽が発生したり糸切れしたりすることがあり、得られる織物に品位低下の欠陥を生ずることがある。また、30重量%を超えると、樹脂含浸性が低下し、その結果として複合材の品質・品位が低下することがある。しかし一方でF/F耐毛羽度は向上するので、例えば厚みの薄い織物や複合材料を製造する場合は30重量%の範囲内でやや高めに設定することが好ましい場合がある。
芳香族系ジエステルについては、たとえば、単環または多環フェノール類のジアルキレートや、単環または多環フェノールジグリシジルエーテルのジアルキレートのようなものである。これらの混合物であってもよい。好ましい物として、レゾルシン、カテコール、ヒドロキノン、ジヒドロキシナフタレンおよびそれぞれのアルキル置換体、さらにはビスフェノールAの脂肪酸または脂肪酸とエピクロルヒドリンないしはジグリシジルエーテルジアルキレートが挙げられる。特に好ましいものとして、ビスフェノールAジアルキレートないしはビスフェノールAジグリシジルエーテルジアルキレートがある。これらの芳香族系ジエステルは、炭素繊維束を構成する単繊維の表面平滑性を向上させ、炭素繊維束の耐擦過性を向上させるために有効であり、芳香族系であることが耐擦過性の点から好ましい。ただし、ガイド等との摩擦係数を増大させる場合がある。単繊維の表面平滑性は、アルコキシ基の長さによって調整することができる。アルコキシ基は炭素数8〜20の高級脂肪酸を用いることができる。さらに飽和の脂肪酸を用いることが平滑性を高める上で好ましい。芳香族系ジエステルではなく、モノエステル体である場合、形態安定性が低下し耐擦過性が低下することがあり好ましくない。逆にトリエステル体(あるいはトリ−以上)である場合、F/M摩擦係数が高くなりすぎることがあるため、ジエステルであることが好ましい。上記の芳香族系熱可塑性樹脂と芳香族ジエステルを組み合わせて用いることで本発明にて規定する優れた耐擦過性の繊維束が得られる。また、F/M摩擦係数を調整する上でも重要である。
芳香族系ジエステルの含有量は、サイジング剤全体の5〜30重量%の範囲内にあるのが好ましい。芳香族系ジエステルの含有量が5重量%未満では、ガイド等との摩擦が大きくなって毛羽を発生することがあり、得られる織物品位が低下することがある。また、30重量%を超えると、F/F摩擦係数が低くなってボビンの巻崩れが発生することがある。軟化点が80〜200℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性樹脂、および芳香族系ジエステルの含有量のさらに好ましい範囲は5〜25重量%であり、最も好ましい範囲は10〜20重量%である。
サイジング剤には、通常、基剤である、軟化点が80〜200℃の範囲内にある芳香族系熱可塑性樹脂、および芳香族系ジエステル以外のものも含まれている。
そのような基剤としては、たとえば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂がある。織物プリプレグのマトリクス樹脂としては、一般に、エポキシ樹脂、それもビスフェノール型のエポキシ樹脂が用いられている。そのため、サイジング剤にエポキシ樹脂、特にビスフェノール型のエポキシ樹脂を含有させると、マトリクス樹脂との接着性が向上し、力学的特性に優れたCFRPを得ることができるようになる。これらの熱硬化性樹脂は、固形であると粘着性が増大し、ガイド等にサイジング剤が転写、堆積することがあるので、液状であるのが好ましい。また、ガイド等との摩擦係数の調整のためには、脂肪族ポリアルキレングリコール類、芳香族アルキレングリコール類、肪族系エステル化合物等を含ませておく。特に、脂肪族ポリアルキレングリコールや芳香族ポリアルキレングリコールは、サイジング剤を水溶媒系とすることができるので好ましい。
炭素繊維束にサイジング剤を付着させる方法としては、転写法、浸漬法、スプレイ法等、既知の方法を採ることができる。付着量は0.1〜2重量%の範囲内とするのが好ましい。付着量があまり少ないと集束性や耐擦過性が不足することがあり、また、あまり多いと樹脂含浸性が低下することがある。より好ましいサイジング剤の付着量は0.1〜1.5重量%の範囲内であり、さらに好ましい範囲は、0.2〜0.8重量%である。
以下に示す実施例および比較例において、炭素繊維織物の製織性および樹脂含浸性は、次のようにして測定する。
炭素繊維束として、乾湿式紡糸法により紡糸した前駆体繊維を耐炎化、焼成することにより得た、単繊維数12,000本、引張強度4,900MPa、引張弾性率230GPaのポリアクリロニトリル系炭素繊維束を用いた。炭素繊維束を構成する単繊維の平均単繊維径は7μmであり、実表面積と投影面積との比Sr/Spは1.01である。
上記炭素繊維束を用い、幅が1000mmで、炭素繊維の目付が500g/m2の平織り織物を製造した。その製造中に捕集した横糸の飛散毛羽を重量測定した。横糸1kgあたり0.5g以上の場合、織物品位や作業環境に悪影響を及ぼす可能性がある。製造した織物表面を目視観察し100cm2あたりの、長さ10mmを超える単繊維毛羽個数をカウントした。なお、100cm2あたり10コ以上存在すると織物の外観を損ねる可能性がある。さらに織物の両面に、一面にエポキシ樹脂を主成分とするマトリクス樹脂を塗布した離型紙を樹脂塗布面が織物側になるように重ね合わせ、離型紙上のマトリクス樹脂を織物に転移、含浸して樹脂含有率40重量%の織物プリプレグとする。
上記のようにして製造した織物プリプレグを成形後の厚みが3mmとなるように複数枚積層して金型に入れ、120℃で2時間、800Mpaの圧力で成形し、炭素繊維織物強化成形板を得た。この成形板の断面観察を行い、径10μm以上の空孔数を測定した(コ/cm2)。なお、2コ/cm2以上存在すると品質および外観で問題となる可能性が高い。
実施例1
上記炭素繊維束に、表1に記載した成分のサイジング剤を浸漬法によって付着量が0.5重量%になるように付与し、温度が140℃の加熱ロール上に押し付けて予備乾燥した後、200℃で1分間乾燥した。得られた炭素繊維束およびそれを用いた織物プリプレグの製織性および樹脂含浸性は表1のとおり良好となった。
上記炭素繊維束に、表1に記載した成分のサイジング剤を浸漬法によって付着量が0.5重量%になるように付与し、温度が140℃の加熱ロール上に押し付けて予備乾燥した後、200℃で1分間乾燥した。得られた炭素繊維束およびそれを用いた織物プリプレグの製織性および樹脂含浸性は表1のとおり良好となった。
実施例2
上記炭素繊維束に、表1に記載した成分のサイジング剤を浸漬法によって付着量が0.5重量%になるように付与し、温度が140℃の加熱ロール上に押し付けて予備乾燥した後、200℃で1分間乾燥した。得られた炭素繊維束およびそれを用いた織物プリプレグの製織性および樹脂含浸性は表1のとおり良好となった。
実施例3
上記炭素繊維束に、表1に記載した成分のサイジング剤を浸漬法によって付着量が0.5重量%になるように付与し、温度が140℃の加熱ロール上に押し付けて予備乾燥した後、200℃で1分間乾燥した。得られた炭素繊維束およびそれを用いた織物プリプレグの製織性および樹脂含浸性は表1のとおり良好となった。
実施例4
上記炭素繊維束に、表1に記載した成分のサイジング剤を浸漬法によって付着量が0.5重量%になるように付与し、温度が140℃の加熱ロール上に押し付けて予備乾燥した後、200℃で1分間乾燥した。得られた炭素繊維束およびそれを用いた織物プリプレグの製織性および樹脂含浸性は表1のとおり良好となった。
比較例1
上記炭素繊維束に、表1に記載した成分のサイジング剤を浸漬法によって付着量が0.5重量%になるように付与し、温度が140℃の加熱ロール上に押し付けて予備乾燥した後、200℃で1分間乾燥した。得られた炭素繊維束およびそれを用いた織物プリプレグはポリエステル樹脂の含有量を多くしたため、樹脂含浸性が悪化しその結果、得られた織物成形板に空孔が多発している。
比較例2
上記炭素繊維束に、表1に記載した成分のサイジング剤を浸漬法によって付着量が0.5重量%になるように付与し、温度が140℃の加熱ロール上に押し付けて予備乾燥した後、200℃で1分間乾燥した。得られた炭素繊維束およびそれを用いた織物プリプレグはポリエステル樹脂の含有量を少なくしたため集束性が低くなりすぎ、製織時の飛散毛羽および得られた織物の表面毛羽が多発している。
比較例3
上記炭素繊維束に、表1に記載した成分のサイジング剤を浸漬法によって付着量が0.5重量%になるように付与し、温度が140℃の加熱ロール上に押し付けて予備乾燥した後、200℃で1分間乾燥した。得られた炭素繊維束およびそれを用いた織物プリプレグは軟化点温度が低いため、糸の耐擦過性が低下し、その結果、得られた織物の表面毛羽が多発していた。
上記炭素繊維束に、表1に記載した成分のサイジング剤を浸漬法によって付着量が0.5重量%になるように付与し、温度が140℃の加熱ロール上に押し付けて予備乾燥した後、200℃で1分間乾燥した。得られた炭素繊維束およびそれを用いた織物プリプレグの製織性および樹脂含浸性は表1のとおり良好となった。
実施例3
上記炭素繊維束に、表1に記載した成分のサイジング剤を浸漬法によって付着量が0.5重量%になるように付与し、温度が140℃の加熱ロール上に押し付けて予備乾燥した後、200℃で1分間乾燥した。得られた炭素繊維束およびそれを用いた織物プリプレグの製織性および樹脂含浸性は表1のとおり良好となった。
実施例4
上記炭素繊維束に、表1に記載した成分のサイジング剤を浸漬法によって付着量が0.5重量%になるように付与し、温度が140℃の加熱ロール上に押し付けて予備乾燥した後、200℃で1分間乾燥した。得られた炭素繊維束およびそれを用いた織物プリプレグの製織性および樹脂含浸性は表1のとおり良好となった。
比較例1
上記炭素繊維束に、表1に記載した成分のサイジング剤を浸漬法によって付着量が0.5重量%になるように付与し、温度が140℃の加熱ロール上に押し付けて予備乾燥した後、200℃で1分間乾燥した。得られた炭素繊維束およびそれを用いた織物プリプレグはポリエステル樹脂の含有量を多くしたため、樹脂含浸性が悪化しその結果、得られた織物成形板に空孔が多発している。
比較例2
上記炭素繊維束に、表1に記載した成分のサイジング剤を浸漬法によって付着量が0.5重量%になるように付与し、温度が140℃の加熱ロール上に押し付けて予備乾燥した後、200℃で1分間乾燥した。得られた炭素繊維束およびそれを用いた織物プリプレグはポリエステル樹脂の含有量を少なくしたため集束性が低くなりすぎ、製織時の飛散毛羽および得られた織物の表面毛羽が多発している。
比較例3
上記炭素繊維束に、表1に記載した成分のサイジング剤を浸漬法によって付着量が0.5重量%になるように付与し、温度が140℃の加熱ロール上に押し付けて予備乾燥した後、200℃で1分間乾燥した。得られた炭素繊維束およびそれを用いた織物プリプレグは軟化点温度が低いため、糸の耐擦過性が低下し、その結果、得られた織物の表面毛羽が多発していた。
M:錘
CF:炭素繊維束
CF:炭素繊維束
Claims (7)
- 実質的に撚りを有さず、サイジング剤が付着している炭素繊維束であって、該炭素繊維束のF/F摩擦係数が0.8以下、F/M摩擦係数が0.6以下、F/F耐毛羽度が200回以上で、かつ炭素繊維束の樹脂含浸速度が40秒以下である炭素繊維束。
- 前記炭素繊維束の単繊維の実表面積Srと投影面積Spとの比Sr/Spが1≦Sr/Sp<1.05の範囲内にある請求項1に記載の炭素繊維束。
- 前記サイジング剤が、軟化点80〜200℃の範囲内の芳香族系熱可塑性樹脂と、芳香族系ジエステルとを含むものである請求項1または2に記載の炭素繊維束。
- 前記芳香族系熱可塑性樹脂および芳香族系ジエステルの前記サイジング剤中含有量がそれぞれ5〜30重量%の範囲内にある請求項1から3のいずれかに記載の炭素繊維束。
- サイジング剤の付着量が0.1〜2重量%の範囲内にある請求項1から4のいずれかに記載の炭素繊維束。
- 請求項1から5のいずれかに記載の炭素繊維束を用いてなる織物。
- 請求項1から5のいずれかに記載の炭素繊維束を用いてなる複合材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005059025A JP2005281955A (ja) | 2004-03-04 | 2005-03-03 | 炭素繊維束 |
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JP2004060236 | 2004-03-04 | ||
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016216367A (ja) * | 2015-05-14 | 2016-12-22 | 信越化学工業株式会社 | 有機膜材料、有機膜形成方法、パターン形成方法、及び化合物 |
-
2005
- 2005-03-03 JP JP2005059025A patent/JP2005281955A/ja active Pending
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