JP3969080B2 - 無端ベルト - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フルカラー複写機,フルカラープリンター等の電子写真技術を採用した機器において、感光体上のトナー像を写し取る中間転写体等に用いられる無端ベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、フルカラー複写機,フルカラープリンター等の電子写真技術を採用した機器において、感光体上のトナー像を写し取る中間転写体等に用いられる無端ベルトは、一次転写ローラ、二次転写ローラ等の数本のローラに張架された状態で使用されているため、長期使用によって徐々にベルトが伸びて、色ずれ(位置ずれ)等が発生する。また、上記無端ベルトは、ローラに張架された状態で走行されるため、走行中にベルトに割れやひび等が発生する。このように、上記無端ベルトには、ベルトの伸びによる色ずれ(位置ずれ)等の発生防止および走行中のベルト割れ等の発生防止が要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記無端ベルトとしては、従来より、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂を使用した樹脂ベルト、もしくはゴムベルトが用いられている。しかしながら、従来の樹脂ベルトやゴムベルトには、それぞれ以下に述べるような問題がある。
【0004】
〔ポリイミド樹脂製ベルト〕
上記ポリイミド樹脂製ベルトは、屈曲性がないため、ベルト走行中に割れ等が発生しやすい。また、上記ポリイミド樹脂製ベルトは、例えば、イミドワニスに導電剤を分散した溶液を遠心成形して形成されるが、遠心力により導電剤が外側に引っ張られ内と外との間で導電剤が不均一に分布しやすく、電気抵抗の制御性が悪い。さらに、上記ポリイミド樹脂は、ジメチルホルムアミド(DMF)のような高沸点溶剤にしか溶けないため、乾燥しにくく、エネルギーコストがかかり、材料自体も高いという問題がある。
【0005】
〔ポリカーボネート樹脂製ベルト〕
上記ポリカーボネート樹脂製ベルトは、上記ポリイミド樹脂製ベルトと同様、屈曲性がないため、ベルト走行中に割れ等が発生しやすい。また、上記ポリカーボネート樹脂は溶剤に不溶なため、押出成形されるが肉厚むらや押出すじ等の押出成形むらが出やすく、電気抵抗も不均一になりやすい。加えて、成形加工設備が大掛かりなものとなり、製造コストがかかる。
【0006】
〔フッ素樹脂製ベルト〕
溶剤不溶型のフッ素樹脂の場合は、上記ポリカーボネート樹脂と同様、押出成形されるが肉厚むらや押出すじ等の押出成形むらが出やすく、電気抵抗も不均一になりやすい。加えて、成形加工設備が大掛かりなものとなり、製造コストがかかる。また、上記フッ素樹脂は材料コストが高く、ハロゲンを含有するため、廃却燃焼処理時にフッ化水素等のハロゲンを含有した有害ガスが発生するという環境上の問題もある。
【0007】
〔ゴムベルト〕
上記ゴムベルトは、ベルトの伸びによる色ずれ(位置ずれ)等が発生する。また、ゴムに帆布をいれ補強性を持たせた帆布補強ゴムベルトも提案されているが、製造工程が複雑になるため、加工コストが高くなる。さらには、上記ゴムベルトは、ゴム板を継いで無端化するため、継いだ部分で電気的不均一となり、画像不具合等が発生する。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、走行中のベルトの割れおよびベルトの伸びによる色ずれ(位置ずれ)等を防止することができ、かつ電気抵抗が均一で画像特性に優れた無端ベルトの提供をその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の無端ベルトは、表面が感光体に接するかもしくは近接した状態で周方向に駆動される無端ベルトであって、周方向に沿う多層ないし単層の構成層を備え、その層の少なくとも一層が、下記のゴム(A)と樹脂(B)(以下、単に「ゴム」,「樹脂」と略する)とが化学結合してなるブレンド結合層で形成されているという構成をとる。
(A)アクリロニトリル−ブタジエンゴムまたはウレタンゴム。
(B)ノボラック型フェノール樹脂,レゾール型フェノール樹脂,レゾール型キシレン樹脂,エポキシ樹脂およびポリビニルブチラールからなる群から選ばれた少なくとも一つ。
【0010】
すなわち、本発明者らは、走行中のベルトの割れおよびベルトの伸びによる色ずれ(位置ずれ)等を防止することができ、かつ電気抵抗が均一で画像特性に優れた無端ベルトを得るべく、鋭意研究を重ねた。その結果、ゴムと樹脂とが化学結合してなるブレンド結合層を用いて無端ベルトを構成すると、ゴムの屈曲性(柔軟性)により走行中のベルトの割れ等を防止できるとともに、樹脂の強度により張架されることによるベルトの伸び等も防止でき、しかも電気抵抗が均一で優れた画像を得ることができることを見いだし、本発明に到達した。
【0011】
また、上記ブレンド結合層中のゴムと樹脂とが化学結合していると、クリープ性が向上するためベルトの長期張架状態においても伸びが抑えられ、いっそう好ましい。なお、本発明において、ゴムと樹脂とが化学結合しているとは、ゴムと樹脂とが結合手によって結合している場合等をいい、例えば、ゴムと樹脂とが直接反応している場合、ゴムと樹脂とが架橋剤により架橋している場合等があげられる。
【0012】
そして、上記熱硬化性樹脂としてレゾール型フェノール樹脂およびレゾール型キシレン樹脂の少なくとも一方を用い、かつ、上記熱硬化性樹脂と直接反応するゴムとしてニトリル基含有量が30重量%以上のアクリロニトリル−ブタジエンゴムを用いると、レゾール型フェノール樹脂およびレゾール型キシレン樹脂のメチロール基と、アクリロニトリル−ブタジエンゴムのニトリル基とが反応し、クリープ性を向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
本発明の無端ベルトは、例えば、図1に示すように、ゴムと樹脂とが化学結合してなるブレンド結合層1により形成され構成されている。
【0015】
なお、本発明においてゴムと樹脂とが化学結合してなるブレンド結合層とは、ブレンド結合層中のゴムと樹脂が化学結合により結合していることを意味する
【0016】
上記ブレンド結合層1に用いられるゴムとしては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)またはウレタンゴム用いられる。
【0017】
上記ゴムにブレンドして用いられる樹脂としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂があげられる。
【0018】
上記熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂が用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。また、上記熱硬化性樹脂は、分子構造中に剛直性を出しやすい環状構造を有するものが好ましく、この環状構造を有する熱硬化性樹脂を用いると、同一強度を得るための樹脂添加量を少なくでき、その分ゴム添加量を多くできるため、耐屈曲性を向上させることができる。
【0019】
上記熱可塑性樹脂としては、ポリビニルブチラール(PVB)用いられる。
【0020】
上記ゴムと樹脂とのブレンド比(重量混合比)は、通常、ゴム/樹脂=95/5〜5/95の範囲に設定され、好ましくはゴム/樹脂=80/20〜20/80の範囲、特に好ましくはゴム/樹脂=70/30〜30/70の範囲である。すなわち、上記ゴムの重量混合比が95を超える(樹脂の重量混合比が5未満である)と、柔らかすぎるためベルトの伸びによる色ずれ(位置ずれ)等が発生するおそれがあり、逆にゴムの重量混合比が5未満である(樹脂の重量混合比が95を超える)と、強度(弾性率)の点では優れるが、屈曲性の点で不充分であり、ベルト走行中に割れ等が発生するおそれがあるからである。
【0021】
上記ゴムと樹脂との組み合わせは、溶剤可溶性があり、ハロゲンを含有せず、しかもゴムと樹脂とが直接反応して架橋するか、あるいは架橋剤によりゴムと樹脂とが架橋する組み合わせが好ましい。上記ゴムと樹脂とが直接反応して架橋する組み合わせとしては、例えば、NBRとレゾール型フェノール樹脂、NBRとレゾール型キシレン樹脂、カルボキシル基含有NBRとエポキシ樹脂等の組み合わせがあげられる。これらのなかでも、NBRとレゾール型フェノール樹脂、NBRとレゾール型キシレン樹脂が好適に用いられ、さらにNBRは、樹脂との相溶性、強度の点で、ニトリル基含有量(AN量)が30重量%以上が好ましく、特に好ましくは40〜60重量%の範囲である。また、架橋剤によりゴムと樹脂とが架橋する組み合わせとしては、例えば、NBRとノボラック型フェノール樹脂とメラミン架橋剤、ウレタンゴムとPVBとメラミン架橋剤、ウレタンゴムとPVBとイソシアネート架橋剤等の組み合わせがあげられる。なお、ゴムと樹脂とが直接反応して架橋する組み合わせにおいても、架橋密度の向上のため、さらに架橋剤を用いることも可能である。
【0022】
上記ゴムと樹脂とを架橋させるために用いる架橋剤としては、上記ゴムおよび樹脂の双方と架橋する共架橋剤の他、ゴムおよび樹脂のいずれか一方と架橋する架橋剤等があげられる。そして、上記ゴムと樹脂とが直接反応しない場合は、上記共架橋剤が用いられ、ゴムと樹脂とが直接反応する場合はいずれの架橋剤を用いても差し支えない。これら架橋剤としては、例えば、メラミン架橋剤、エポキシ架橋剤、イソシアネート架橋剤、樹脂架橋剤、アミン架橋剤、硫黄等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、3官能以上の多官能架橋剤が好ましい。
【0023】
上記メラミン架橋剤としては、例えば、完全アルキル型メチル化メラミン(官能基としてメトキシメチル基を有する)、メチロール基型メチル化メラミン(官能基としてメトキシメチル基およびメチロール基を有する)、イミノ基型メチル化メラミン(官能基としてメトキシメチル基およびイミノ基を有する)、完全アルキル型混合エーテル化メラミン(官能基としてアルコキシメチル基を有する)、メチロール基型混合エーテル化メラミン(官能基としてアルコキシメチル基およびメチロール基を有する)、イミノ基型混合エーテル化メラミン(官能基としてアルコキシメチル基およびイミノ基を有する)、ハイソリッド型ブチル化メラミン(官能基としてブトキシメチル基およびイミノ基を有する)等があげられる。
【0024】
上記エポキシ架橋剤としては、例えば、ビスフェノールA型グリシジルエーテル系、ビスフェノール型グリシジルエーテル系、ノボラック型グリシジルエーテル系、ポリエチレングリコール型グリシジルエーテル系、ポリプロピレングリコール型グリシジルエーテル系、グリセリン型グリシジルエーテル系、芳香族型グリシジルエーテル系、芳香族型グリシジルアミン系、フェノール型グリシジルアミン系、ハイドロフタル酸型グリシジルエステル系、ダイマー酸型グリシジルエステル系等があげられる。
【0025】
上記イソシアネート架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等や、これらイソシアネートのビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプ、トリメチロールプロパン変性タイプおよびこれらのブロックタイプ等があげられる。
【0026】
上記樹脂架橋剤としては、例えば、ハイソリッド型ベンゾグアナミン樹脂(官能基としてアルコキシメチル基を有する)、グリコールウリル樹脂、カルボキシ変性アミノ樹脂(官能基としてアルコキシメチル基およびカルボキシル基を有する)等があげられる。
【0027】
なお、上記ブレンド結合層1用材料には、必要に応じて、導電剤、帯電防止剤等を含有させてもよい。
【0028】
上記導電剤としては、アルミニウム粉末、ステンレス粉末等の金属粉末、c−ZnO、c−TiO2 、c−Fe3 4 、c−SnO2 等の導電性金属酸化物、グラファイト、カーボンブラック等の導電性粉末、四級アンモニウム塩、リン酸エステル、スルホン酸塩、脂肪族多価アルコール、脂肪族アルコールサルフェート塩等のイオン性導電剤等があげられる。これらは単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。なかでも、分散性の点から、c−TiO2 、c−SnO2 が好ましい。なお、上記「c−」とは、導電性を有するという意味である。
【0029】
前記図1に示した本発明の無端ベルトは、例えばつぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、ゴムと樹脂およびその溶剤、ならびに必要に応じて架橋剤、導電剤等をそれぞれ適宜に配合し、サンドミル等で分散することによりコーティング液を調製する。つぎに、図2に示すように、上記コーティング液を槽20に収容する。一方、金属製の軸体(例えばアルミニウム、ステンレス等)21を準備し、この軸体21を垂直に立てて、槽20に収容されているコーティング液中に繰り返し浸漬する。つぎに、所定の回数浸漬を繰り返した後、コーティング液中から軸体21を引き上げ液膜を形成する。そして、上記液膜を乾燥し溶剤を除去した後、加熱処理(例えば60〜180℃×60分間)を行い、上記軸体21を抜き取ることにより、目的とする無端ベルト(図1参照)を得ることができる。
【0030】
本発明の無端ベルトの製法は、膜厚および電気抵抗が均一で、設備も大掛かりでなくコストも安い等の点から、上述のコーティング法が好ましいが、この方法に限定されるものではなく、例えば、スプレーコーティング法、多層押出成形法、インフレーション法等の方法により作製しても差し支えない。
【0031】
このようにして得られる本発明の無端ベルトの総厚みは、通常、50〜250μmであり、好ましくは100〜200μmである。また、本発明の無端ベルトは、内周長が200〜600mmで、幅が250〜500mm程度のものが好ましい。このような寸法であると、電子写真複写機等に組み込んで用いるのに適当な大きさとなるからである。
【0032】
本発明の無端ベルトは、前記図1に示した単層構造のものに限定されるものではなく、2層以上の多層構造であっても差し支えない。ただし、無端ベルトを構成する構成層の少なくとも一層は、ゴムと樹脂とが化学結合してなるブレンド結合層でなければならない。なお、上記構成層の最外層(単層構造の場合はその層)の外周面に、トナー離型性に優れた現像剤担持層を形成しても差し支えない。
【0033】
また、本発明の無端ベルトは、主としてフルカラー複写機,フルカラープリンター等の中間転写体として用いられるが、フルカラーではない単色の電子写真複写機等の中間転写体として用いることもできる。
【0034】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0035】
まず、実施例および比較例に先立って、下記に示す材料を準備した。
【0036】
〔NBR(1)〕
日本ゼオン社製、ニポール1001(AN量:40.5重量%)
【0037】
〔NBR(2)〕
日本合成ゴム社製、N231H(AN量:34重量%)
【0038】
〔NBR(3)〕
日本ゼオン社製、ニポールDN009(AN量:50重量%)
【0039】
〔NBR(4)〕
日本合成ゴム社製、N240S(AN量:26重量%)
【0040】
〔NBR(5)〕
カルボキシル基含有NBR(日本ゼオン社製、ニポール1072J)
【0041】
〔ウレタンゴム〕
坂井化学社製、UN278
【0042】
〔ノボラック型オイル変性フェノール樹脂(1)〕
住友デュレズ社製、スミライトレジンPR−13355
【0043】
〔ノボラック型カシュー変性フェノール樹脂(2)〕
住友デュレズ社製、スミライトレジンPR−12687
【0044】
〔レゾール型フェノール樹脂(1)〕
住友デュレズ社製、スミライトレジンPR−11078
【0045】
〔レゾール型フェノール樹脂(2)〕
住友デュレズ社製、スミライトレジンPR−175
【0046】
〔レゾール型フェノール樹脂(3)〕
住友デュレズ社製、スミライトレジンPR−51141
【0047】
〔レゾール型フェノール樹脂(4)〕
昭和高分子社製、ショウノールBRS−324
【0048】
〔レゾール型フェノール樹脂(5)〕
昭和高分子社製、ショウノールBRS−330
【0049】
〔レゾール型フェノール樹脂(6)〕
昭和高分子社製、ショウノールBKS−316
【0050】
〔レゾール型フェノール樹脂(7)〕
大日本インキ化学工業社製、フェノライトTD−447
【0051】
〔レゾール型フェノール樹脂(8)〕
大日本インキ化学工業社製、フェノライト5030−40−K
【0052】
〔レゾール型キシレン樹脂〕
三菱ガス化学社製、ニカノールPR−1440
【0053】
〔エポキシ樹脂〕
ナガセケムテックス社製、デナコールEX−622
【0054】
〔ポリビニルブチラール(PVB)〕
電気化学工業社製、デンカブチラール4000−2
【0055】
〔導電剤〕
カーボンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル社製、ケッチェンブラックEC)
【0056】
〔メラミン架橋剤〕
ブチル化メラミン樹脂(大日本インキ化学工業社製、スーパーベッカミンJ−820−60)
【0057】
〔イソシアネート架橋剤〕
ブロックHDI(大日本インキ化学工業社製、バーノックD−550)
【0058】
【実施例1〜16】
後記の表1〜表3に示す各成分を同表に示す割合で配合し、これらをサンドミルで分散してコーティング液を調製し、これを槽に収容した。一方、金属製の軸体を準備し、上記槽に収容したコーティング液中に上記軸体を略垂直に立てた状態で所定の回数浸漬を繰り返した後、コーティング液中から軸体を引き上げ液膜を形成した。ついで、この液膜を乾燥し溶剤を除去した後、加熱処理(160℃×60分間)を行った。その後、上記軸体を抜き取ることにより、単層構造のブレンド結合層(厚み150μm)からなる無端ベルト(図1参照)を作製した。
【0059】
【比較例1】
ポリイミド樹脂(新日本理化社製、リカコートPN−20)100部と、導電剤であるカーボンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル社製、ケッチェンブラックEC)10部と、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)100部とを配合し、ビーズミルを用いて分散して溶液を調整した。つぎに、この溶液を円筒金型内に注入し、遠心成形した後、蓋を取り外して、厚み150μmの単層構造の無端ベルトを作製した。
【0060】
【比較例2】
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ユーピロンS−3000)100部に導電剤である導電性酸化チタン(三菱マテリアル社製、チタンブラック13M)43部を配合し、これらを樹脂混練機を用いて混練した。そして、これを押出成形して、厚み150μmの単層構造の無端ベルトを作製した。
【0061】
【比較例3】
上記ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ユーピロンS−3000)に代えて、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)〔ダイキン工業社製、ネオフロンEP−610〕を用いる以外は、比較例2と同様にして、無端ベルトを作製した。
【0062】
【比較例4】
クロロプレンゴム(電気化学工業社製、デンカクロロプレンS−40)40部と、レゾール型フェノール樹脂(日立化成工業社製、ヒタノール2181)60部と、導電剤であるカーボンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル社製、ケッチェンブラックEC)10部と、溶剤であるトルエン600部とを配合し、これらをビーズミルで分散してコーティング液を調製し、これを槽に収容した。一方、金属製の軸体を準備し、上記槽に収容したコーティング液中に上記軸体を略垂直に立てた状態で所定の回数浸漬を繰り返した後、コーティング液中から軸体を引き上げ液膜を形成した。ついで、この液膜を乾燥し溶剤を除去した後、加熱処理(160℃×60分間)を行った。その後、上記軸体を抜き取ることにより、厚み150μmの単層構造の無端ベルトを作製した。
【0063】
【比較例5】
ウレタンゴム(坂井化学社製、UN278)30部と、PVB(電気化学工業社製、デンカブチラール4000−2)70部と、溶剤であるMEK600部とを配合し、これらをビーズミルで分散してコーティング液を調製し、これを槽に収容した。一方、金属製の軸体を準備し、上記槽に収容したコーティング液中に上記軸体を略垂直に立てた状態で所定の回数浸漬を繰り返した後、コーティング液中から軸体を引き上げ液膜を形成した。ついで、この液膜を乾燥し溶剤を除去した後、加熱処理(160℃×60分間)を行った。その後、上記軸体を抜き取ることにより、厚み150μmの単層構造の無端ベルトを作製した。
【0064】
このようにして得られた実施例品および比較例品の無端ベルトを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1〜表4に併せて示した。
【0065】
〔強度〕
JIS K7127に準じて、引張り弾性率(MPa)を測定した。なお、引張り速度は毎分10±2.0mmとした。強度の評価は、引張り弾性率が400MPa以上のものを○とした。
【0066】
〔屈曲性〕
JIS P8115に準じて、屈曲性を評価した。なお、屈曲性の評価は、Folding Endurancetester MIT−D(東洋精機社製)を用いて、荷重9.8N、サンプル(無端ベルト)厚み150μmで行った。評価は、MIT試験の回数が30回未満のものを×、30回以上で1500回未満のものを△、1500回以上のものを○とした。
【0067】
〔クリープ性〕
無端ベルトから10mm幅の短冊を成形し、50mm間隔の標線を印した。本品を以下の環境下で荷重をかけた状態で吊るし、72時間放置した後、取り出し、荷重を取り除き、室温で3時間保管後、標線間の距離を測定した。その距離より、変形率(%)を計算した(保管条件35℃×85%RH、チャック間距離70mm、標線間距離50mm、荷重1.5MPa)。クリープ性の評価は、変形率が1%以下のものを◎、1%を超えて5%以下のものを○、5%を超えて10%未満のものを△、10%以上のものを×とした。
【0068】
〔電気抵抗の均一性〕
周方向に等分したベルト内周側8箇所をSRIS 2304に準じて表面電気抵抗率を測定した。その最大値と最小値のばらつきを桁で表した。印加電圧は500Vであった。評価は、ばらつきが1桁以内のものを○、ばらつきが1桁を超えるものを×とした。
【0069】
〔初期画出し評価〕
得られた無端ベルトを市販のフルカラー電子写真複写機に組み込み、80g/m2 紙によるハーフトーン、カラー画像の出力を行い、初期画出し評価を行った。評価は、色ずれ、色抜け、むら等の画像不良がなく、良好な画像が得られたものを○、色ずれ、色抜け、むら等の画像不良が発生したものを×とした。
【0070】
〔実機耐久〕
得られた無端ベルトを市販のフルカラー電子写真複写機に組み込み、80g/m2 紙でフルカラー画像5万枚出力の耐久評価を行った。画出し耐久評価中、ベルトに割れや亀裂が発生したものは評価を中止し、正常にベルトが走行し、画出しできたもののみ耐久評価を継続した。ベルト割れ等の評価は、ベルトに割れや亀裂が発生しなかったものを○、ベルトに割れや亀裂が発生したものを×とした。また、画出し評価は、色ずれ、色抜け、むら等の画像不良がなく、良好な画像が得られたものを○、色ずれ、色抜け、むら等の画像不良が発生したものを×とした。
【0071】
【表1】
Figure 0003969080
【0072】
【表2】
Figure 0003969080
【0073】
【表3】
Figure 0003969080
【0074】
【表4】
Figure 0003969080
【0075】
上記結果から、実施例品は全て、強度と屈曲性の双方のバランスに優れ、しかも電気抵抗が均一であるため、初期画出し評価に優れ、実機耐久でも走行中のベルトの割れ等が発生せず、画出し評価に優れることがわかる。なお、実施例2品は、架橋剤を配合していないが、ノボラック型カシュー変性フェノール樹脂(2)(住友デュレズ社製、スミライトレジンPR−12687)中に架橋剤成分が配合されており、これによりNBRと架橋している。
【0076】
これに対して、比較例1品は、屈曲性に劣るため、実機耐久で走行中のベルトに割れ等が発生することがわかる。比較例2品は、押出成形しているため、電気抵抗が不均一で、初期画出し評価が劣るとともに、屈曲性に劣るため、実機耐久で走行中のベルトに割れ等が発生することがわかる。比較例3品は、押出成形しているため、電気抵抗が不均一で、初期画出し評価が劣るとともに、実機耐久で画出し評価も劣ることがわかる。比較例4品,5品は、樹脂とゴムとが直接反応して架橋する組み合わせではなく、架橋剤も用いていないため、樹脂とゴムとが化学結合等により結合しておらず、クリープ性に劣ることがわかる。
【0077】
【発明の効果】
以上のように、本発明の無端ベルトは、表面が感光体に接するかもしくは近接した状態で周方向に駆動される無端ベルトであって、周方向に沿う多層ないし単層の構成層を備え、その層の少なくとも一層が、ゴムと樹脂とが化学結合してなるブレンド結合層で形成されている。そのため、ゴムの屈曲性(柔軟性)により走行中のベルトの割れ等を防止できるとともに、樹脂の強度により張架されることによるベルトの伸び等も防止でき、しかも電気抵抗が均一で優れた画像を得ることができる。
【0078】
また、上記ブレンド結合層中のゴムと樹脂とが化学結合していると、クリープ性が向上するためベルトの長期張架状態においても伸びが抑えられ、いっそう好ましい。
【0079】
そして、上記熱硬化性樹脂としてレゾール型フェノール樹脂およびレゾール型キシレン樹脂の少なくとも一方を用い、かつ、上記熱硬化性樹脂と直接反応するゴムとしてニトリル基含有量が30重量%以上のアクリロニトリル−ブタジエンゴムを用いると、レゾール型フェノール樹脂およびレゾール型キシレン樹脂のメチロール基と、アクリロニトリル−ブタジエンゴムのニトリル基とが反応し、クリープ性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の無端ベルトの一例を示す部分断面図である。
【図2】 本発明の無端ベルトの製法の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ブレンド結合層

Claims (4)

  1. 表面が感光体に接するかもしくは近接した状態で周方向に駆動される無端ベルトであって、周方向に沿う多層ないし単層の構成層を備え、その層の少なくとも一層が、下記のゴム(A)と樹脂(B)とが化学結合してなるブレンド結合層で形成されていることを特徴とする無端ベルト。
    (A)アクリロニトリル−ブタジエンゴムまたはウレタンゴム。
    (B)ノボラック型フェノール樹脂,レゾール型フェノール樹脂,レゾール型キシレン樹脂,エポキシ樹脂およびポリビニルブチラールからなる群から選ばれた少なくとも一つ。
  2. 上記ブレンド結合層、ゴム(A)と樹脂(B)との直接反応により形成されているか、もしくは架橋剤によりゴム(A)と樹脂(B)とが架橋して形成されている請求項1記載の無端ベルト。
  3. 上記ゴム(A)のアクリロニトリル−ブタジエンゴムがニトリル基含有量30重量%以上のアクリロニトリル−ブタジエンゴムである請求項1または2記載の無端ベルト。
  4. 上記架橋剤が、メラミン架橋剤またはイソシアネート架橋剤である請求項1〜3のいずれか一項に記載の無端ベルト。
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