JP2017040871A - 画像形成装置用積層ベルト及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐ローラー癖性、耐クラック性、耐傷性に優れ、かつトナークリーニング性に優れた表面平滑性を有する高画質及び高耐久性の画像形成装置用積層エンドレスベルトを提供する。【解決手段】基材層とコート層とを備える積層エンドレスベルトであって、コート層を構成する材料の主成分(第1成分)は導電性フィラーであり、第2成分は活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂であり、コート層の表面微小硬度が250N/mm2以上、700N/mm2以下である画像形成装置用積層エンドレスベルト。【選択図】図1

Description

本発明は、耐ローラー癖性、耐クラック性、耐傷性に優れ、かつトナークリーニング性に優れた表面平滑性を有する高画質及び高耐久性の画像形成装置用積層エンドレスベルト(無端ベルト)と、この画像形成装置用積層エンドレスベルトを含む画像形成装置に関する。
従来、OA機器等などの画像形成装置として、感光体、トナーを用いた電子写真方式やインクを用いた画像形成装置が考案され上市されている。これらの装置には、感光体ベルト、中間転写ベルト、紙搬送転写ベルト、転写分離ベルト、帯電チューブ、現像スリーブ、定着用ベルト等の、導電性、半導電性、又は絶縁性の各種電気抵抗に制御した、継ぎ目あり(シームありベルト)又は継ぎ目なし(シームレスベルト)のエンドレスベルトが用いられている。
例えば、電子写真方式に用いられる中間転写装置は、中間転写体上にトナー像を一旦形成し、次に紙等へトナーを転写させるように構成されている。この中間転写体の表層におけるトナーへの帯電、除電のためにシームレスベルトよりなるエンドレスベルトが用いられている。このエンドレスベルトは、マシーンの機種毎に異なった表面電気抵抗や厚み方向電気抵抗(以下「体積電気抵抗」という)に設定され、導電、半導電、又は絶縁性に調整されている。
また、紙搬送転写装置は、紙を一旦搬送転写体上に保持した上で感光体からのトナーを搬送転写体上に保持した紙上へ転写させ、更に除電により紙を搬送転写体より離すように構成されている。この搬送転写体表層においては紙への帯電、除電のためにシーム有り、無しのエンドレスベルトが用いられている。このエンドレスベルトは、上記中間転写ベルトと同様にマシーン機種毎に異なった表面電気抵抗や体積電気抵抗に設定されている。
図1は従来の一般的な中間転写装置の側面図である。図中、1は感光ドラム、6は導電性エンドレスベルトである。1の感光ドラムの周囲には、帯電器2、半導体レーザー等を光源とする露光光学系3、トナーが収納されている現像器4及び残留トナーを除去するためのクリーナー5よりなる電子写真プロセスユニットが配置されている。導電性エンドレスベルト6は、搬送ローラー7,8,9に掛け渡されて、矢印方向に回転する感光ドラムと同調して矢印方向に移動するようになっている。
次に、動作について説明する。まず矢印A方向に回転する感光ドラム1の表面を帯電器2により一様に帯電する。次に、光学系3により図示しない画像読み取り装置等で得られた画像に対応する静電潜像を感光ドラム1上に形成する。静電潜像は現像器4でトナー像に現像される。このトナー像を、静電転写機10により導電性エンドレスベルト6へ静電転写し、搬送ローラー9と押圧ローラー12の間で記録紙11に転写する。
ところで、電子写真式複写機、プリンタ等の画像形成装置に用いられる導電性エンドレスベルトの場合には、機能上2本以上のロールにより高張力で高電圧にて長時間駆動されるため、十分な機械的耐久性が要求される。
特に、中間転写装置等に使用される中間転写ベルトの場合は、ベルト上でトナーによる画像を形成して紙へ転写するため、駆動中にベルトが弛んだり、伸びたり、蛇行したりすると、画像ズレの原因となるため、高寸法精度(ベルト幅方向の周長差が少ないことと厚みが均一であること)、高弾性率(ベルト周方向の引張弾性率が高いこと)、高耐屈曲性(割れにくいこと)といった機械特性に優れたものが望まれている。
また、近年カラーレーザプリンタやカラーLEDプリンタ等の電子写真式画像形成装置は、低価格なインクジェット方式の画像形成装置との競争が一層激しくなっている。そのため、電子写真式画像形成装置は、高速での印刷技術でインクジェット方式との差異化を狙い、感光体を4つ並べたタンデム型の紙搬送転写、中間転写方式により高速で印刷する画像形成装置が商品化されてきた。このため、画像形成装置用エンドレスベルトには、より一層の耐久性の向上と耐摩耗性の向上といった耐久性にも優れたものが必要となっている。
さらに、高画質化への要求も高まってきており、特に、広範囲な温度湿度環境において、高画質な画像が得られること、カラープリンタ用の特殊な紙だけではなく、上質紙、再生紙、裏紙、OHPフィルムといった様々な用紙においても高画質を得ることが必要となっている。
ところで、画像形成装置用エンドレスベルトにあっては、トナーが付着するため、トナーの進歩に合わせてエンドレスベルトへの要求特性が変化していく。
近年の高画質に対するトナーの取り組みとして、粒子径が小さく、平均粒径として4〜6μmの小粒径で粒径ばらつきの少ない球形トナーとして重合トナーが商品化されており、また、外添材として酸化ケイ素や酸化チタン等の硬質の球形又は針状の微粒子が大量に添着してあるものが用いられるようになってきている。
この外添材は、時にはエンドレスベルトの表層を傷つけ、その傷跡が起点となって外添材がベルト上に堆積し、フィルム状にベルト表面を覆う所謂トナーフィルミングが発生することがある。このフィルミングが発生すると、表層の光沢性(グロス)が低下し、装置の中に組み込まれる各種トナー濃度センサーにおいて誤作動を引き起こすばかりか、表面の平滑性が損なわれ、エンドレスベルト上に転写されずに残存したトナーをゴムブレードで掻き取るクリーニング機構においては、トナー粒子が掻き取られずにベルト上に残る所謂トナークリーニング不良の問題が発生する。
また、最近では益々小型化しているカラープリンタ、複写機は、転写ベルトと定着熱源との配置位置が近く、このため、転写ベルトはローラーに張架された状態で定着熱源の高熱にさらされやすいため、転写ベルト表面にローラーの跡が残り、画像へ悪影響を起こしやすいことから、エンドレスベルト素材の耐熱性と硬度のバランスをとる必要がある。
さらに、画像形成装置に用いられるエンドレスベルトの中でも特に、中間転写装置等に使用される転写ベルトの場合は、高画質画像に対するエンドレスベルトへの要求は高く、感光体上のトナーを静電気力にて直接転写ベルト上に転写(一次転写)し、転写ベルト上でカラー画像を合成した後トナーを紙へ静電力で転写(二次転写)させるため、転写ベルトの表面方向の表面電気抵抗や厚み方向の体積電気抵抗特性といった電気抵抗特性が重要であると共に、表面物理特性、表面化学特性、耐摩耗性の何れにおいても性能向上への要求が益々高くなってきている。
以上のように、画像形成装置用エンドレスベルト、とりわけ転写ベルトに関しては、高画質化のためのトナー転写性とトナー非固着性の両立、トナーの外添材や紙質の変化等に対するエンドレスベルトの高耐摩耗性への要求、トナーの小粒径化に対するクリーニング性を考慮した表面平滑性への要求等々に対して、各種表層をコーティングした各種積層ベルトが提案されている。
例えば、特許第3608806号公報では、トナーが転写ベルト上に付着堆積したフィルミング現象を防止する目的で、厚み1〜100μmのフッ素系ポリマーコーティング層を設けた中間転写用シームレスベルトが開示されている。しかし、この中間転写用シームレスベルトでは、導電性の基層に絶縁性の表層をコートすることで、低電圧印加時と高電圧印加時の電気抵抗において差が生じ、環境変動があった場合に画像の乱れが発生するといった問題があった。また、フッ素ポリマーは柔らかいために傷がつきやすく、耐久性にも問題があった。
特開2007−11117号公報、特開2007−11118号公報では、中間転写ベルトから紙が剥離する際の剥離放電によるトナー画像の数ミリレベルの転写不良(所謂白抜け)と呼ばれる現象を解決するため、平均粒子径0.5〜25μmの導電性粒子の凝集体をシリコーン樹脂に配合し、約100μm厚みにスプレー塗布した中間転写ベルトが開示されている。しかし、この中間転写ベルトでは、表層が柔らかいために耐摩耗性にも問題があり、さらにシリコーン樹脂と基材層との接着性も悪く、公報中に記載されるように、表層との剥離を防止するために中間層を設ける必要があり、コストが高い上に、電気抵抗値の制御が難しい問題もあった。
特開2008−46463号公報では、基材層にガラス転移温度180℃以下の樹脂を用いかつ表面層の主要成分が活性光線を照射することによって硬化する樹脂であることを特徴とする中間転写体が開示されている。しかし、コート層の表面硬度に関する記述はない。
特開2012−128171号公報では、コート層の表面電気抵抗値、電気抵抗値の電圧依存性を制御した積層ベルトが開示されている。この積層ベルトでは、画質向上には効果があったが、コート層の表面電気抵抗値を半導電領域で制御することが非常に難しく、生産性に問題があった。また、ここでもコート層の表面硬度についての検討がなされていない。
特許第3608806号公報 特開2007−11117号公報 特開2007−11118号公報 特開2008−46463号公報 特開2012−128171号公報
上述のように、従来、画像形成装置用積層ベルトは各種提案されているものの、何れの文献の積層ベルトも、表面平滑性、耐摩耗性、高画質、機械特性さらには耐熱性(耐ローラー癖性)、その他画像形成装置用積層ベルトに要求される特性を十分に満足させるものではなかった。
即ち、例えば、積層ベルトの耐傷性を高めるために、高硬度のハードコート材を主成分とした材料を用いると、クラックが入りやすく、ソフトなコート材を主成分とした材料を用いると、耐クラック性は良好となるが、耐傷性が悪化する。
さらに、トナー転写性においては、ハードコート材の使用で、転写ベルトから紙への二次転写性は向上するが、感光体から転写ベルトへの一次転写性は互いに硬い表面を有すもの同士の接触により、トナーが凝集破壊してしまうことから、悪化する傾向がある。一方で、ソフトコート材を用いると、逆に一次転写性は良好なるものの、二次転写性が悪化する。
また、コート層の導電性フィラーの構成を考慮せずにコート層を形成すると、コート層の電気抵抗率と基材層の電気抵抗率の差や厚みの差により積層ベルトの電気抵抗値が不安定になり、その結果、積層ベルトの表面電気抵抗率が制御しにくくなり、画像異常を引き起こす原因となりうる。
以上より、基材層にコート層を形成してなる積層ベルトにおいては、コート層の硬さの程度や、電気抵抗を適正化させることが難しく、このため、従来において、表面平滑性、耐摩耗性、高画質、機械特性さらには耐熱性(耐ローラー癖性)、その他画像形成装置用積層ベルトに要求される特性を十分に満足した上で、生産性にも優れる画像形成装置用積層ベルトは提供されていないのが実状である。
本発明は、上記課題を解決したものであり、本発明の目的は、耐ローラー癖性、耐クラック性、耐傷性に優れ、かつトナークリーニング性に優れた表面平滑性を有する高画質及び高耐久性の画像形成装置用積層エンドレスベルトと、この画像形成装置用積層エンドレスベルトを含む画像形成装置を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、コート層を、導電性フィラーを主成分とし、特定の結着樹脂を副成分として構成された特定の表面微小硬度のものとすることで、コート層の電気抵抗値に関わらず、積層ベルトの表面電気抵抗率の電圧依存性が少なくかつ安定的に高画質を得ることができ、かつ、耐クラック性及び耐傷性と一次転写性及び二次転写性を共に満足し、画質耐久性に優れた積層エンドレスベルトを得ることができることを見出した。
さらには、基材層に耐ローラー癖性に極めて優れた特定の高弾性熱可塑性樹脂を用いることにより、機械強度と耐ローラー癖性にも優れたエンドレスベルトを得ることができることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とするものである。
[1] 画像形成装置に用いられる、少なくとも基材層と、該基材層上に形成されたコート層とを備える積層エンドレスベルトであって、該コート層が、主成分としての導電性フィラーと、活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂とを含み、該コート層の表面微小硬度が250N/mm以上、700N/mm以下であることを特徴とする画像形成装置用積層エンドレスベルト。
[2] [1]において、前記導電性フィラーが、平均一次粒子径40nm以下の金属フィラーを含み、前記活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂が、多官能アクリレートモノマー、多官能アクリレートオリゴマー及び多分岐アクリレートポリマーより選ばれる1種以上を架橋させた樹脂であることを特徴とする画像形成装置用積層エンドレスベルト。
[3] [1]又は[2]において、前記コート層における導電性フィラーと活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂との含有割合が、導電性フィラー/(活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂)の重量比で、50/50以上、80/20以下であることを特徴とする画像形成装置用積層エンドレスベルト。
[4] [1]乃至[3]のいずれかにおいて、前記導電性フィラーは、平均一次粒子径の異なる2種以上の導電性フィラーを含むことを特徴とする画像形成装置用積層エンドレスベルト。
[5] [1]乃至[4]のいずれかにおいて、前記基材層はポリエーテルエーテルケトン及び/又はポリアルキレンテレフタレートを主成分とする熱可塑性樹脂と導電性フィラーとを含むシームレスベルトであることを特徴とする画像形成装置用積層エンドレスベルト。
[6] [1]乃至[5]のいずれかに記載の画像形成装置用積層エンドレスベルトを含むことを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、表面平滑性、耐摩耗性、高画質、機械特性さらには耐熱性(耐ローラー癖性)を満足させることができるため、トナークリーニング性、耐傷性に優れ、耐クラック性、かつトナー転写性がいずれも良好で、高耐久性で高品質の画像を安定して得ることができる画像形成装置用積層エンドレスベルトと、この画像形成装置用積層エンドレスベルトを含む画像形成装置を提供することができる。
一般的な中間転写装置の側面図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、本発明において、「主成分」とは複数の成分を配合してなる材料において、当該配合材料中で最も多く含まれている成分をさす。
[積層構成]
本発明の積層エンドレスベルトは、少なくとも基材層と表面層としてのコート層を有するものであればよく、基材層とコート層との間に中間層があっても良いし、両層の接着性を高めるために、基材層にプライマー処理、プラズマ処理、コロナ処理等の各種表面処理(下地処理ともいう)を施したものであってもかまわない。少なくとも、各種処理を含めた表面層のコート層に導電性フィラーが主成分であることが重要である。
本発明において、好ましい積層構成は、基材層にそのままコート層を設けたものが、製造工程が少なく、コストの点で好ましいが、接着性に問題があれば、プライマー層を介して基材層上にコート層を設けるか、基材層にプイラズマ処理を施した上にコート層を設けるか、あるいは、プラズマ処理した基材層にプライマー層を形成した上にコート層を設けたものが、基材層とコート層との接着力が向上し、耐クラック性の向上、コート層の剥離防止において好ましい。
尚、プライマー処理としては、アクリル系のプライマーが接着性の観点で好適である。また、プラズマ処理としては、リモートタイプのプラズマ処理装置が簡便で好適である。
[コート層]
本発明の画像形成装置用積層ベルトのコート層(以下、「本発明のコート層」と称す場合がある。)は、導電性フィラーを主成分として含み、これを活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂で結着させてなるものである。即ち、本発明では、基材層の表面のコート層に、導電性フィラーが高密度に分散され、この高密度に分散された導電性フィラーを結着させるためのバインダー樹脂としての活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂が副成分として存在するものであり、従来のハードコート層とは全く異なるものである。
本発明のコート層の形成方法は特に制限はないが、後述の導電性フィラーを含む架橋性液状物を、活性エネルギー線及び/又は熱架橋により硬化させて形成することが好ましい。
<導電性フィラー>
本発明の積層エンドレスベルトにおいて、コート層は、画質を向上させる必要があるため、導電性フィラーを主成分とする必要がある。コート層が導電性フィラーを主成分とすることにより、ベルト表面に分散する導電性フィラーが、紙との剥離時に発生する放電、紙とベルトとの摩擦による帯電を防止して、除電することができ、高画質を得ることが得切る。
コート層に使用し得る導電性成分としては、カーボンブラックやカーボンファイバー、グラファイトなどのカーボン系フィラーや金属フィラーなどの導電性フィラーの他に、ポリエーテルエステルアミドといった高分子タイプの帯電防止剤や、イオン導電性物質、例えば四級アンモニウム塩等もあるが、本発明においては、導電性成分として、電気抵抗値の湿度依存性が少なく、ブリードアウトのしにくい導電性フィラーを用いる。導電性フィラーとしては、特に金属フィラー、とりわけストラクチャーが発達していない小粒径の金属フィラーを用いることが、抵抗値の湿度依存性が少ない点、ブリード物が少ない点で好ましい。
金属フィラーとしては、銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、鉄などの粉末や、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化インジウム等の金属酸化物フィラーや、アルミドープ酸化亜鉛、アンチモンドープ酸化スズ、リンドープ酸化スズ、スズドープ酸化インジウムといった導電性金属酸化物フィラーの粒状のものが好適に用いられる。即ち、本発明において、「金属フィラー」とは、金属よりなる金属フィラーに限らず、広く金属元素を含むフィラーをさす。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この中でも、金属フィラーとしては、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン等の金属酸化物フィラーや、アルミドープ酸化亜鉛、アンチモンドープ酸化スズ、リンドープ酸化スズ、スズドープ酸化インジウムといった導電性金属酸化物フィラーが好ましく、特に好ましいのは、その粉末の体積抵抗が1〜10Ω・cmと半導電領域に近い導電性フィラーである金属酸化物フィラーや導電性金属酸化物フィラーであり、その粉末の体積抵抗が10〜10Ω・cmを示すリンドープ酸化スズ(リンをドープした酸化スズ)は、コート層の表面電気抵抗率を半導電レベルに安定的に制御できるため最も好ましい。
コート層に用いる金属フィラーは、平均一次粒子径が40nm以下、特に7〜30nm、とりわけ5〜25nmであることが好ましい。この金属フィラーの平均一次粒子径が大き過ぎると低電圧下での表面電気抵抗率の均一性が得られにくい。金属フィラーの平均一次粒子径は小さ過ぎても金属フィラーが凝集しやすくなり、表面電気抵抗率の均一性が得られにくいことから、上記下限以上であることが好ましい。
なお、ここで、金属フィラーの平均一次粒子径とは、コート層の断面方向において切削した厚み100nmの超薄切片を透過型電子顕微鏡を用いて50万倍又は100万倍で観察し、金属フィラーの粒子径を20個計測した平均の値である。後述の付加成分としてのフィラーの平均一次粒子径についても同様である。
本発明のコート層には、平均一次粒子径の異なる2種類以上の導電性フィラーを配合しても良い。好ましくは平均一次粒子径7nm以上40nm以下の前述の導電性フィラーを第1の導電性フィラーとして用い、平均一次粒子径40nmを超え200nm以下の第2の導電性フィラーを併用して配合することにより、ベルト表面に適度な凹凸を付与することができ、トナークリーニング用ブレードとの摩擦を低減させることができ、好ましい。さらには、画像形成装置に組み込まれるトナー濃度を検知するセンサーに対し、効率よく反射させるためにも、粒子径の大きな第2の導電性フィラーを少量配合することが好ましい。
かかる目的で併用する好ましい第2の導電性フィラーとしては、必ずしも高い導電性は必要とせず、任意のフィラーから選択すれば良いが、チタン系のフィラーが好ましく、特に、体積抵抗が0.1〜100Ω・cmの導電性を有する酸窒化チタンが、高画質、クリーニング性、トナー濃度センサーへの高反射が得られるために特に好ましい。
このように、平均一次粒子径の異なる2種以上の導電性フィラーを併用する場合、粒子径の小さい方の第1の導電性フィラーを主成分とし、粒子径の大きい方の第2の導電性フィラーを少量成分となるような配合割合として、小粒子径導電性フィラーで分散性つまり電気抵抗値の均一性を得、大粒子径導電性フィラーで表面凹凸の付与とトナー濃度を検知するセンサーに対する効率的な反射を担うようにすることが好ましい。
好ましくは、平均一次粒子径の小さい方の第1の導電性フィラー/平均一次粒子径の大きい方の第2の導電性フィラーの比は、重量比で99/1〜60/40であり、より好ましくは、95/5〜80/20である。
本発明のコート層としては、上述のような導電性フィラーを主成分とし、導電性フィラーと後述の活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂とを重量比で導電性フィラー/(活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂)=50/50以上、80/20以下含むことが好ましい。導電性フィラー/(活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂)(重量比)は、より好ましくは52/48以上、70/30以下である。
また、導電性フィラーは、本発明のコート層及び本発明のコート層を形成するための後述の架橋性液状物中の全固形分に対して50重量%以上、特に52〜70重量%、とりわけ54〜65重量%含まれることが好ましい。
本発明のコート層に含まれる導電性フィラーの量が上記範囲よりも少ないと、導電性フィラーの分散状態が粗くなり、紙との剥離放電を減少させる効果が乏しくなり、電気抵抗率がばらつきやすく、また、電極と積層ベルトとの接触部での電気抵抗が温度湿度環境に大きく左右されるようになり、画像形成装置に搭載した場合、温度湿度環境によっては画像異常を発生させる場合がある。また、本発明では、導電性フィラーを上記下限以上用い、コート層の主成分を導電性フィラーとすることで、後述のハードコート用の活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂を用いても、コート層が硬くなり過ぎることがなく、表面クラックを防止することができる。一方、上記範囲よりも導電性フィラーの含有量が多すぎると積層エンドレスベルトの剛性が上がり、コート層の耐久性が損なわれたり、コート層を形成する際の後述の架橋性液状物塗布時の吐出均一性が損なわれたりするため好ましくない上に、表面電気抵抗率が低くなりすぎ、帯電したトナーが転写ベルト上に静電気的に付着した後、紙へ転写される間にベルト上に付着しつづけることができず、画像異常を引き起こす問題が発生する。
なお、本発明のコート層は、導電性成分として、導電性フィラー以外の他の導電性成分を含んでもよい。例えば、ポリエーテルエステルアミドといった高分子タイプの帯電防止剤や、イオン導電性物質、例えば四級アンモニウム塩等が含んでいてもよいが、あくまでも主成分として導電性フィラーを含むことが重要である。
<活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂>
コート層は、活性エネルギー線及び/又は熱により架橋硬化させて形成されることが生産性の観点から好ましいことから、本発明においては、コート層の導電性フィラーを結着するためのバインダー樹脂として活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂を用いる。
ここで、活性エネルギー放射線とは、必要とする架橋反応を開始し得る化学種を発生させる働きを有する電磁波(ガンマ線、エックス線、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波等)又は粒子線(電子線、α線、中性子線、各種原子線等)であり、好ましくは紫外線又は電子線が用いられる。
特に、コート層は、以下に詳述する架橋性液状物を架橋硬化させてなることが好ましい。
架橋性液状物(活性エネルギー線及び/又は熱を付与することにより架橋硬化可能な液状物)とは、例えば、メラミン系、ウレタン系、アルキッド系、フッ素樹脂系、アクリルラジカル系、光カチオン系等の有機系のもの;無機微粒子分散アクリルラジカル系、無機微粒子分散有機高分子系、無機微粒子分散オルガノアルコキシシラン系、有機高分子分散シリカ系、アクリルシリコーン系、オルガノアルコキシシシラン系、オルガノアルコキシシラン・アルコキシジルコニウム系、含フッ素樹脂・オルガノアルコキシシラン系、ケイ酸塩・有機高分子系等の有機無機ハイブリッド系のもの;アルコキシシラン・アルコキシジルコニウム系、ケイ酸塩系等の無機系のもの;等の熱硬化タイプや、紫外線硬化タイプ、電子線硬化タイプの所謂ハードコート材であり、本発明のコート層を形成する架橋性液状物は、これらのハードコート材中に前述の導電性フィラーを少なくとも含むものである。これらは耐摩耗性向上の点で好ましい。
これらのハードコート材は公知のものが挙げられるが、中でも多官能アクリレートモノマー、多官能アクリレートオリゴマー、多分岐アクリレートポリマー、ポリシロキサン系、アクリルシリコーン系が好ましく、多官能アクリレートモノマー、多官能アクリレートオリゴマー、多分岐アクリレートポリマーといったアクリレート系ハードコート材が、導電性フィラーとの分散性の観点において好ましい。
多官能アクリレートモノマーとしては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等が挙げられる。
また、多官能アクリレートオリゴマーとしては、分子量300〜1500程度の、ノボラック型、ビスフェノール型エポキシ樹脂をアクリレート変性したエポキシアクリレートオリゴマー、ポリイソシアネートとポリオールを反応させて得られるウレタン化合物のアクリレート変性物であるウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステル樹脂をアクリレート変性したポリエステルアクリレートオリゴマー等が挙げられる。
多分岐アクリレートポリマーとしては、分子量1500〜50000程度の、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。ここでいう多分岐アクリレートポリマーは、コアを中心に放射状に高分子鎖が伸びている構造をもつデンドリマー型多官能アクリレートポリマーを指す。デンドリマー型多官能アクリレートポリマーは、分子間のユニット間距離が短く硬化速度が速く、硬化後の収縮率が小さくなる特徴がある。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
特に、上記のアクリレート系ハードコート材には、上記のアクリレート系材料の2種以上を併用することが好ましく、例えば、多官能アクリレートモノマーと多官能アクリレートオリゴマーとを所定の割合で併用することで、コート材の粘度やコート層の硬度を調整することができ好ましい。この場合、多官能アクリレートモノマーと多官能アクリレートオリゴマーの使用割合は、これらの合計100重量%に対して多官能アクリレートモノマーを60〜90重量%、多官能アクリレートオリゴマーを40〜10重量%とすることが、ハードコート層に適度な柔軟性を得るために好ましい。また、多官能アクリレートオリゴマーと多分岐アクリレートポリマーとを所定の割合で併用することでもハードコート層でありながら適度な柔軟性を付与することができ好ましい。この場合、多官能アクリレートオリゴマーと多分岐アクリレートポリマーの使用割合は、これらの合計100重量%に対して多官能アクリレートオリゴマーを40〜10重量%、多分岐アクリレートポリマーを60〜90重量%とすることが、適度な柔軟性の付与で耐クラック性が向上し好ましい。
本発明のコート層は、これらのハードコート材を用いても、導電性フィラーを主成分としているため、コート層が硬くなり過ぎることはなく、表面クラックを発生しにくくすることができる。
これらの多官能アクリレートモノマー・オリゴマー、多分岐アクリレートポリマーには、光重合開始剤、増感剤、界面活性剤、防汚成分等の各種添加剤、更には希釈溶媒等を配合して用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系等が挙げられ、アセトフェノン系光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等が挙げられる。
ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
チオキサントン系光重合開始剤としては、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。例えば、低波長の光で硬化するタイプと長波長の光で硬化するタイプを併用し用いてもよい。
これらの中でもアセトフェノン系光重合開始剤が、硬化速度が速いため好ましく、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンや2−メチル−2−モルフォリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オンが特に好ましい。
本発明のコート層には、このような光重合開始剤に由来する成分が通常より多く、0.3〜13重量%、特に3〜7重量%含まれることが好ましい。即ち、本発明のコート層を形成する後述の架橋性液状物には、その固形分中に、光重合開始剤を0.3〜13重量%、特に3〜7重量%含まれることが好ましい。光重合開始剤の含有量が上記下限以上であることによりハードコート材である架橋性液状物の架橋が短時間で完了し、上記上限以下であることにより架橋密度増加に伴う耐クラック性の低下が抑えられ、好ましい。
また、コート層を形成するための架橋性液状物は、活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂の希釈溶媒を含むことが好ましく、この希釈溶媒としては、各種有機溶媒を用いることができるが、架橋性液状物の中の導電性フィラーの分散安定性の点とスプレー塗布の場合において架橋性液状物の固形分の基材層上への付着率を高めるためにも、高沸点の溶媒、具体的には、沸点121℃のプロピレングリコールモノメチルエーテル、沸点132℃のプロピレングリコールモノエチルエーテル、沸点145℃のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル系溶媒を主成分とすることが好ましく、溶媒の蒸発温度領域を広げることでも同様の効果があるために、これらの混合溶媒を用いることがより好ましく、更に沸点80℃のメチルエチルケトン、沸点118℃のメチルイソブチルケトン、沸点156℃のシクロヘキサン等の異なる沸点を有する溶媒を配合しても良い。好ましい希釈溶媒は、沸点100℃以上の溶媒を2種以上混合した溶媒である。
希釈溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルとプロピレングリコールモノエチルエーテルとを併用する場合、その使用割合は、重量比でプロピレングリコールモノメチルエーテル:プロピレングリコールモノエチルエーテル=1:0.5〜5、特に1:1〜3とすることが好ましい。また、希釈溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとを併用する場合、その使用割合は、重量比でプロピレングリコールモノメチルエーテル:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=1:0.03〜0.5、特に1:0.05〜0.3とすることが好ましい。
コート層形成用架橋性液状物における固形分と希釈溶媒の好ましい配合量は、固形分100重量部に対し、希釈溶媒は50〜500重量部であり、好ましくは固形分100重量部に対し、希釈溶媒は100〜400重量部である。
<その他の成分>
本発明のコート層は、その表面のクリーニング性を持続させるために、コート層表面に適度に滑性を付与し低摩擦特性を持続させるべく、非導電性フィラー等の付加的成分を含んでいてもよい。
付加的成分として用いられる非導電性フィラーとしては、平均一次粒子径5nm以上1000nm以下の、シリコーン微粒子、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)微粒子、アモルファスシリカ微粒子等が好ましい。この中でも平均一次粒子径5nm以上100nm以下のアモルファスシリカ微粒子が、外観を損うことなく滑性を付与することができるため好ましい。アモルファスシリカ微粒子の中でも、その表面にアクリル基を有するものは、粒子間の結合力も強いため、トナークリーニング性の持続性に優れ好ましい。
このような、コート層表面に滑性を付与するためのフィラーの配合量としては、コート層中に、即ち、架橋性液状物の固形分に対して0.5〜10重量%、特に1.0〜8.0重量%とすることが好ましい。この割合が上記下限以上であることによりクリーニングブレードに対する滑性を付与することができ、上記上限以下であることにより耐クラック性の悪化を防ぐことができる。
また、フィラー以外で滑性を付与するものとして、特に制限がないが、ポリジメチルシロキサン系、シリコーン系フッ素系、及びそれらの変性体等を配合しても良い。
その中でも、アクリル基含有ポリジメチルシロキサン系、アクリル基含有変性ポリジメチルシロキサン系、シリコーンアクリレート、シリコーンポリエーテルアクリレート、ポリエーテル変性シリコーン、シリコーンウレタンアクリレート材料が、安価で少量の配合で摩擦係数を下げることができ好ましい。特に、アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、アクリル基含有変性ポリジメチルシロキサン、シリコーンウレタンアクリレートが各種アクリレートとの混和性の観点より好ましい。
このような、コート層表面に滑性を付与するための非フィラー成分(防汚成分)の配合量としては、コート層中に、全固形分に対して0.05〜5重量%、特に0.1〜1重量%とすることが好ましい。この割合が上記下限以上であることによりクリーニングブレードに対する滑性を付与することができ、上記上限以下であることにより耐クラック性の悪化を防ぐことができる。
<塗布方法>
本発明のコート層は、好ましくは、上述のような導電性フィラーを含む架橋性液状物(ハードコート材)を基材層上に塗布して塗布膜を形成した後、加熱及び/又は活性エネルギー線照射により架橋硬化させて形成される。
基材層に上述の架橋性液状物(ハードコート材)を塗布する方法としては、デッピングングコーテイング法、スプレーコーティング法、リングコーティング法、ロールコーティング法や、その他ブレードコーター、ナイフコーター、ダイコーター、グラビアコーター等公知の塗布装置を用いる方法を採用することができるが、デッピングコーティング法又はスプレーコーティング法が好ましく、特に好ましいのは、スプレーコーティング法であり、その場合、架橋性液状物は、吐出量2g/min以上、30g/min以下で吐出させることが、表面平滑なコート層が得られるため好ましい。
架橋性液状物の吐出量が多過ぎる場合には、架橋性液状物が基材層に付着する際の衝撃が強くなり、薄膜コート層を形成する場合には架橋性液状物が付着していない状態所謂ピンホールが発生したり、表面凹凸が発生したりする。また、反対に架橋性液状物の吐出量が少な過ぎる場合には、架橋性液状物が基材層に届くまでに乾燥してしまい、基材層の表面で架橋性液状物がレベリングしなくなり表面にピンホールや表面凹凸が発生したりする。また、いずれの場合も、このようにピンホールや凹凸がコート層表面に形成されることにより、コート層の電気抵抗値が不安定になり、本発明の目的を達成し得るコート層が得られにくくなる。
特に好ましい架橋性液状物の吐出量は5g/min以上、20g/min以下で、より好ましくは5g/min以上、15g/min以下であり、このような通常より低い吐出量であれば、厚み2μm未満の薄膜のコート層であっても、良好な表面平滑性が得られ、気泡も少なく、均一な電気抵抗率分布を有したエンドレスベルトが得られ好ましい。
本発明においては、特にコート層は基材層の成形方法と異なる成形方法で形成することが好ましく、特に基材層は押出成形にて、コート層は基材層を回転させながらコート層形成用の架橋性液状物をスプレーコーティング法にて塗布して形成すると、各層の導電性成分の配向方向が異なるものとなり、即ち基材層の押出成形では導電性成分はエンドレルベルト幅方向に配向し、コート層のスプレーコーティングではエンドレスベルト円周方向に導電性フィラーが配向し、得られる積層エンドレスベルトの面内の微小領域での電気抵抗の欠陥が画像上現れにくくなるため、好ましい。
また、架橋性液状物を塗布する際の基材の移動方法としては、2本以上のローラーにて基材層を張架させ、ローラーの回転で基材層を移動させ、その上に架橋性液状物をスプレーコートする方法、または円筒状の支持体の外側に基材層をかぶせ、この円筒状の支持体を回転駆動させることにより基材層を移動させつつ、架橋性液状物をスプレーコートする方法等公知の方法を用いることができる。好ましくは、円筒状の支持体の外側に基材層をかぶせ、この円筒状の支持体を回転駆動させることにより基材層を移動させつつ、架橋性液状物をスプレーコートする方法である。
<架橋硬化>
上述のようにして、基材層に架橋性液状物を塗布して形成した塗布膜の架橋硬化は、活性エネルギー線及び/又は加熱により行われる。
なお、架橋硬化に先立ち、塗布膜の溶媒を除去する目的で乾燥を行ってもよく、この場合の加熱乾燥条件としては、50〜180℃で10秒〜15分程度が好ましい。
(紫外線)
紫外線による架橋硬化を行う場合、公知の紫外線照射装置を用いることができる。例えば、水銀ランプ法、メタルハライドランプ法によるハイキュアランプや低圧水銀ランプを使用することができ、紫外線としては、波長200nm〜500nmの範囲において相対エネルギーのピークを持つものが好ましく用いられる。
また、反射板方式としては、アルミミラー方式、コールドミラー方式、メタルコールドミラー方式、コールドフィルター方式、水冷ジャケット方式、ダブルミラー方式等の公知のものが用いることができ、中でも冷却機構を備えた、コールドミラー方式、メタルコールドミラー方式、コールドフィルター方式が、紫外線を照射している際に、塗布膜及び基材が異常に加熱されることを防ぐことができるため好ましい。
紫外線照射における積算照射エネルギーとしては、100mJ/cm以上、1500mJ/cm以下が好ましく、特に300〜1300mJ/cmであれば、コート材が十分架橋されるため好ましい。
(電子線)
電子線による架橋硬化を行う場合、公知の電子線照射装置を用いることができる。例えば電子線照射線量として50kGy以上、1500kGy以下で照射できる能力を備えた電子線照射装置が好ましく用いられる。
(赤外線)
赤外線による架橋硬化を行う場合、公知の赤外線照射装置を用いることができる。例えば、波長0.75μm〜4μmの近赤外線照射装置、波長4μm〜25μmの遠赤外線照射装置、波長25μm〜1000μmの超遠赤外線照射装置が好ましく用いられる。
(熱線)
熱による架橋硬化を行う場合、公知のヒーター、オーブン等を用いて50℃以上、180℃以下で加熱する方法を用いることができる。
尚、加熱とは、熱架橋の目的以外にも、溶媒の除去を促進させる目的、さらには、基材層の結晶性を促進させたり、非結晶部を緻密化させたりすることによる耐ローラー癖特性を向上させる目的も含まれ、本発明においては重要である。
好ましい加熱の温度と時間は、加熱温度60℃以上、150℃以下であり、加熱時間は15秒以上、30分以下、好ましくは30秒以上、15分以下である。
尚、紫外線、電子線、赤外線照射の際に発生する熱を利用する方が短時間で架橋を進行させ、製造工程を増やす必要がなくなるため好ましい。
[基材層]
<基材層の材料>
本発明の積層エンドレスベルトにおいて、基材層の構成材料は、後述の基材層及び積層エンドレスベルトの好適な物性や特性を満たす基材層を実現することができるものであればよく、特に制限がないが、生産性の観点から押し出し成形の可能な熱可塑性樹脂を主成分とし導電性成分を含むことが好ましい。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、熱可塑性結晶性樹脂であっても熱可塑性非晶性樹脂であってもよく、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)、ポリアセタール(POM)、ポリアリレート(Par)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリアルキレンテレフタレート(PAT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフェニレンオキシド(PPE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリメチルペンテン(TPX)、ポリオキシベンジレン(POB)、液晶性ポリエステル、ポリサルフォン(PSF)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニルサルフォン(PPSU)、ポリビスアミドトリアゾール、ポリアミノビスマレイミド、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリル、ポリフッ素化ビニリデン(PVDF)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、アクリル酸アルキルエステル共重合体、ポリエステルエステル共重合体、ポリエーテルエステル共重合体、ポリエーテルアミド共重合体、ポリウレタン共重合体等が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合物として用いてもよい。
これらのうち、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリアルキレンテレフタレート(PAT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニルサルフォン(PPSU)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)、ポリフッ素化ビニリデン(PVDF)、ポリエステルエステル共重合体、ポリエーテルエステル共重合体が好ましく、特にPET、PBT等のPAT、PC、PEEK、PEI、PPSU、PVDF、PES、PPSは基材の剛性があり特に好ましい。チューブ状での押し出し成形安定性の観点から、PET、PBT等のPAT、PEEKが好ましく、最も好ましいのは、靱性及び耐熱性に優れたPEEKである。
<導電性成分>
基材層には、導電性フィラー或いは帯電防止剤、イオン導電性物質等の導電性を発現する物質の必要量を配合することにより、所望の導電性を得ることができる。
基材層に含まれる導電性成分としては、用途に要求される性能を満たすものであれば特に制限はなく、各種のものを用いることができ、具体的には、導電性フィラーとして、カーボンブラックやカーボンファイバー、グラファイトなどのカーボン系フィラー、金属系導電性フィラー、金属酸化物系導電性フィラーなどの金属フィラーが用いられ、導電性フィラーの他には、ポリエーテルエステルアミドといった高分子ポリマータイプの帯電防止剤や、イオン導電性物質、例えば四級アンモニウム塩等であっても良く、これらを併用して使用しても良い。
本発明における積層エンドレスベルトの基材層に用いられる導電性成分の選択は、得られる基材層の機械特性、電気特性、寸法特性、化学特性を考慮する必要があり、この点から、導電性成分としては、カーボンブラックの粉体品、もしくは粒状品を主成分とした導電性フィラーであることが好ましい。
勿論、カーボンブラックを主成分とし、帯電防止剤等の非導電性フィラー系のものを副成分としたものであっても良いし、導電性金属フィラーとの複合であってもかまわない。
基材層の導電性成分としてカーボンブラックを使用すると、基材層に表面凹凸が形成されてしまうが、表層にコート層を付与する場合には、基材層との密着性を高めるために、適度な凹凸があるほうが好ましい。また、表面エネルギーが高いものであることが好ましいことから、導電性成分としてはカーボンブラックのみを用いることが好ましい。
導電性成分の配合量は用いる導電性成分の種類によっても異なり、例えばカーボンブラックであれば熱可塑性樹脂とカーボンブラックとの合計100重量%に対して5〜25重量%とすることが好ましい。この範囲よりも少ないと導電性が発現されなかったり、カーボンブラックの分散状態が粗くなり電気抵抗率がばらつきやすくなり、また、接触抵抗が大きく環境に左右されるようになり、画像形成装置にエンドレスベルトとして搭載した場合、環境によっては画像異常を発生させる場合がある。また、この範囲よりも多すぎると基材層の凹凸が大きくなりすぎ、コート層を付与しても平滑性が得られなかったり、平滑性を得るためにコート層の厚みを厚くしなければならなくなり、そのために耐久性が損なわれたり、成形性が損なわれたりするため好ましくない。
カーボンブラックの種類としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどが好適に使用でき、この中でもカリウム、カルシウム、ナトリウムなどの灰分とよばれる不純物が少なく外観不良を発生しにくいアセチレンブラックが特に好適に使用でき、その平均一次粒子径は25〜45nm程度であることが好ましい。また、樹脂を被覆したカーボンブラックや、加熱処理したカーボンブラックや黒鉛化処理したカーボンブラック等の公知の後処理工程を施したカーボンブラックを、本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
更に、分散性を向上させる目的、ガス発生を抑制させる目的でシラン系、アルミネート系、チタネート系、及びジルコネート系等のカップリング剤で処理したカーボンブラックを用いても良い。
カーボンブラック系以外の導電性成分の中では、導電フィラー、例えば、銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、鉄などの粉末やアルミドープ酸化亜鉛、アンチモンドープ酸化スズ、リンドープ酸化スズ、スズドープ酸化インジウム等の所謂導電性金属酸化物フィラーの粒状、繊維状、フレーク状のものが好適に用いられる。
これらの導電性フィラーの中でも、アルミドープ酸化亜鉛、アンチモンドープ酸化スズ、リンドープ酸化スズ、スズドープ酸化インジウム所謂導電性金属酸化物フィラーで粒状のものが好ましく、平均粒子径として5μm以下のものが、形成される基材層の表面平滑性が維持できるため好ましい。
また、非フィラー系の導電性成分としては、非イオン系、アニオン系、カチオン系、両性の帯電防止剤が用いられ、耐熱性の観点より、アニオン系、非イオン系、両性、カチオン系の順で好ましい。
高分子型の帯電防止剤としては、非イオン系としては、ポリエーテルエステルアミド型、エチレンオキシド−エピクロルヒドリン型、ポリエーテルエステル型が用いられ、アニオン型としては、ポリスチレンスルホン酸型、カチオン系としては、第四級アンモニウム塩基含有アクリレート重合体型などが好ましく、この中でもポリエーテルエステルアミド型、ポリエーテルエステル型が、耐熱性に優れ、また、熱可塑性樹脂の分解を低減できるため好ましい。
<付加的配合材;任意成分>
本発明の積層エンドレスベルトの基材層には、各種目的に応じて任意の配合成分を配合することができる。
具体的には、酸化防止剤、熱安定剤、各種可塑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、難燃剤、分散剤、ワックス等の各種添加剤を添加することができる。
更に、基材層の構成材料には、本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、第2,第3成分として各種熱可塑性樹脂、各種エラストマー、熱硬化性樹脂、フィラー等の配合材を配合することができる。
<加熱混練方法>
基材層の成形に先立って前述の熱可塑性樹脂と導電性フィラー等を加熱混練する手段には特に制限はなく、公知の技術を用いることができる。例えば、熱可塑性樹脂、導電性フィラー、及び必要に応じて配合されるその他の添加成分を加熱混練して樹脂組成物とするのであれば、一軸押出機、二軸混練押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、プラストグラフ、ニーダーなどを用いることができる。特に、これらを二軸混練押出機により混合し、ペレット化した後にエンドレスベルト状となるように成形する手法が好ましく用いられる。
<成形方法>
本発明において、基材層の成形方法については特に限定されるものではなく、連続溶融押出成形法、射出成形法、ブロー成形法、或いはインフレーション成形法、遠心成形法、ゴム押出成形法等の公知の方法を採用して得ることができるが、特に好ましい方法は、連続溶融押出成形法である。特に、環状ダイより押し出した溶融チューブを、冷却又は冷却固化しつつ引き取る押出成形法が好ましく、特にチューブの内径を高精度で制御可能な下方押出方式の内部冷却マンドレル方式或いはバキュームサイジング方式が好ましい。特に、内部冷却マンドレル方式がシームレスベルト状の基材層を容易に得ることができるため画像形成装置用ベルトの成形法としては最も好ましい。この場合、環状ダイとしては、その円周方向に複数の温度調節機構が設けられているものが好ましい。また、溶融チューブの冷却は、80〜150℃の範囲に温度調節した金型を、その内側又は外側に接触させて行うことが好ましく、このようにして、溶融チューブを円筒形状を保持したまま引き取ることが好ましい。
また、インフレーション成形法により一旦折り目有りのフィルムを作製した後、後加工にて折り目を見かけ状無くした状態でエンドレスベルト状の基材層としてもよく、帯状のシートを一旦加工した後、つないでシーム有りの基材層としても良い。
基材層の成形方法として、押出成形法は、コストの点で有利ではあるが、一般に電気抵抗値の印加電圧依存性の良好な基材層を作製しにくい。しかしながら、用いる熱可塑性樹脂や導電性フィラーの種類の選定、或いは以下のような成形条件の設定により、電気抵抗値の印加電圧依存性を小さくすることができるため好ましい。
特に、(a)押出成形時の溶融チューブを冷却した後にエンドレスチューブを連続的に引き取る際の引き取り速度を1.0m/min以上、2m/minの中速で引き取り、これにより、厚み方向の全域に導電性成分を高配向させるか、又は、(b)基材層の厚みをダイス金型のリップクリアランスに対し0.12以下となるようにして、導電性成分を分散させた成形材料を極端に低配向で押し出すか、又は(c)基材層を120μm以下の薄膜にすることにより表層と中央の配向差を少なくさせた基材層であれば、電気抵抗値の印加電圧依存性の小さい基材層を容易かつ安価に製造することができ、かつ成形された基材層の表面に導電性成分が析出することにより基材層表面が僅かに荒れて、コート層の接着性が上がる利点もあり好ましい。
<熱処理>
上述のようにして成形された基材層は、コート層の形成に先立ち熱処理を行ってもよく、これにより、より物性の向上した基材層とすることが可能となり、特に、耐屈曲性、引張弾性率や耐ローラー癖性の改善が見られる。
この場合、熱処理条件は用いる熱可塑性樹脂にもよるが、通常50〜100℃、好ましくは60〜90℃の温度で15分〜5時間であり、好ましくは1時間〜3時間程度である。
基材層の熱処理は、エンドレスベルト状の基材層を2本以上のローラーに張架させて駆動させながら熱をかけて行っても良いし、円筒状の型に基材層を装着して行っても良い。更には、基材層を円筒状のそのままの状態で熱処理を施しても良い。
[積層エンドレスベルトの物性及び特性]
以下に、本発明の積層エンドレスベルトの好適な物性及び特性を挙げる。
<厚み>
(コート層厚み)
本発明の積層エンドレスベルトのコート層の厚みは、0.2μm以上、5.0μm未満が好ましい。コート層の厚みはより好ましくは、0.4μm以上、1.0μm未満であり、このような厚み範囲であれば、ブレードとの摩擦による摩耗に対し長時間耐え得ることができるため好ましい。また、このような厚み範囲であれば、積層エンドレスベルトの表面電気抵抗率は、基材層の電気抵抗率が支配的となり、基材層の電気抵抗率の制御にあっては、既に技術的に確立されているため、コート層を付与した積層エンドレスベルトの表面電気抵抗率は基材層で決められるため、表面電気抵抗値の制御がしやすくなり好ましい。
コート層の厚みが0.2μmより薄いと、僅かな傷によりコート層が剥がれ、基材層が表面に出てくることがあり、画像欠陥となり好ましくない。また、通電による絶縁破壊が発生する可能性もあり好ましくない。さらには、印加電圧による表面電気抵抗率の変化が大きく、紙の種類やトナーの帯電量の変化、転写ローラー、帯電ローラー等の画像形成装置における積層エンドレスベルト周辺部品の温度、湿度による電気抵抗値の変化に対し、積層エンドレスベルト上のトナーへの電界強度不足或いは過剰へ変動しやすくなり、画像異常を発生させることとなり好ましくない。
コート層の厚みが5.0μm以上であると、ローラー張架時の積層エンドレスベルトの変形による歪が積層エンドレスベルト最外層であるコート層で最も大きくなるため、コート層表面よりクラックが発生しやすくなるといった問題が発生すると共に、積層エンドレスベルトの表面電気抵抗率は、コート層の表面電気抵抗率の方が支配的となるため積層エンドレスベルトの表面電気抵抗率を制御することが難しくなり好ましくない。
コート層の厚みは、好ましくは、0.3μmより大きく2.0μm未満であり、更に0.4μmより大きく1.5μm未満であるのが、耐クラック性の観点と積層エンドレスベルトの表面電気抵抗率制御の観点より好ましく、また積層エンドレスベルトの印加電圧依存性も小さくでき好ましい。
(基材層厚み)
本発明の積層エンドレスベルトの基材層の厚みは、その基材層の弾性率(ここで、弾性率とは後述の「引張弾性率」である。)にも関係してくるが、弾性率が2000MPa以上であれば40μm以上、160μm以下が好ましく、弾性率が2000MPaより低ければ、80μm以上、180μm以下が好ましい。特に注意すべき点としては、厚みが厚すぎると厚み偏差が大きくなるため、ベルトの周速が変わり、画像ズレが起こる可能性があるという点と、厚みが厚い場合、基材層における表層と中央部(厚み方向の中央部分)の配向差が大きくなりすぎ、導電性フィラー等の分散の差が大きく、電気抵抗値の差が大きくなるため好ましくない。基材層の好ましい厚みは60〜140μmであり、とりわけ70〜125μm以下であることが、厚み偏差が少なく、また、チューブ状への押し出し成形安定性が得られるため好ましい。
(コート層と基材層の厚み比)
本発明の積層エンドレスベルトのコート層の厚みと基材層の厚みの差(比率)は、コート層の厚み/基材層の厚みで1/750以上、1/100以下であることが好ましい。本発明においてコート層は基本的には基材層より硬いため、コート層を薄く、基材層を厚くすることが好ましいが、コート層の耐摩耗性を重視しつつ、コート層の表面電気抵抗率と基材層の表面電気抵抗率が適度に干渉する厚み比として、1/750以上、1/100以下が好ましい。
この比率より基材層が厚すぎると基材層の電気抵抗値のコート層への影響が大きく、電気抵抗値の調整が難しくなる。反対にコート層が厚すぎると、コート層の電気抵抗値が積層エンドレスベルトの電気抵抗値として支配的になるため、電気抵抗値が調整しにくくなる。より好ましい厚み比は1/500以上、1/70以下であり、特に好ましくは1/300以上、1/50以下である。
<硬度>
(コート層の表面微小硬度)
本発明のコート層の硬さは、HUpl(ユニバーサル硬度の塑性硬さ)において250N/mm以上、700N/mm以下であることが重要である。
コート層の表面微小硬度が700N/mmより硬いと、基材層の弾性率が高い場合には、エンドレスベルトと感光体との間でニップを確保できなくなり、感光体上のトナーをエンドレスベルトへ転写されにくくなるばかりか、感光体を傷つけてしまう可能性があるため好ましくない。
また、コート層の表面微小硬度が250N/mmより低いと、トナーの外添材、とりわけチタンやシリカによりエンドレスベルトの表面が削られ摩耗しやすくなり、表面が荒れやすく、クリーニング性の耐久性が悪化するため好ましくない。
本発明のコート層の表面微小硬度は、好ましくは350N/mm以上、650N/mm以下である。
尚、表面微小硬度は、コート層表面の約1μm±0.5μmの深さの微小硬度を示すものであり、具体的には、後述の実施例の項に示される方法で測定される。
本発明では、基材層として耐熱性のあるガラス転移点温度(Tg)が60℃以上と高く、弾性率が2200MPa以上のものを用いる場合には、基材層の剛性が高いため、コート層の硬度は低い方が好ましい。ただし低すぎると傷がつきやすくなるため、コート層の厚みを出来る限り薄くしつつも、適度な硬度を保つようにすることが、高弾性な耐熱性のある基材に対して高画質、耐傷性を得るために有効である。
コート層の表面微小硬度は、コート層の導電性フィラーの配合量を調整することにより調整することができる。更に、導電性フィラーのバインダーとしての活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂成分の多官能アクリレートモノマー、多分岐アクリレートポリマーと多官能アクリレートオリゴマーの配合割合を調整することでも表面微小硬度を調整することができる。
例えば、導電性フィラーの配合量がバインダーよりも多い場合、導電性フィラーの配合量を増やすと硬度は低下するが、過多に配合するとフィラー自体は硬いためコート層は硬くなる。一方、導電性フィラーの配合量がバインダーよりも少ない場合、導電性フィラーの配合量を少なくすると、バインダー樹脂自体の硬さの影響を受けるため、コート層は硬くなる。従って、導電性フィラーを主成分としたコート層においては、導電性フィラーの配合量によりコート層の表面微小硬度を調整することができる。
(コート層と基材層の硬度構成)
コート層の硬度(上記表面微小硬度)と基材層の硬度(基材層の表面微小硬度の硬度:単位N/mm)の差(比率)は、あまり大きすぎると、エンドレスベルトが高速でローラー張架されつつ駆動した場合に、ローラー部にて伸縮し、コート層と基材層との間での剥がれが発生しやすくなるため、その比率は、コート層の硬度/基材層の硬度で1/2以上、3以下であることが好ましい。
<摩擦係数>
(コート層の摩擦係数)
本発明の積層エンドレスベルトのコート層の摩擦係数(この値は、積層エンドレスベルトの摩擦係数となる。)は0.05以上、0.4以下が好ましい。コート層の摩擦係数が0.4より大きいと、クリーニングブレードによるクリーニング効果が悪化し、ブレードとベルト間でステックスリップが発生し、トナー、インクのすり抜けが発生するため好ましくない。コート層の摩擦係数が0.05より小さい場合は、感光体上のトナー像を積層エンドレスベルトへ転写させる際にスリップを発生させ、トナー画像の乱れが発生するため好ましくない。コート層の摩擦係数は、より好ましくは0.1〜0.35である。
なお、摩擦係数は、後述の実施例の項に示される方法で測定される。
<引張弾性率>
(基材層の引張弾性率)
本発明の積層エンドレスベルトの基材層の引張弾性率は、300MPa以上、4500MPa以下であることが好ましい。基材層の引張弾性率が低いと、コート層との弾性率との差が大きくなりすぎるため、積層エンドレスベルトのローラー張架時の伸縮により基材層とコート層との界面での剥離が発生しやすくなるため好ましくない。また、例えば中間転写ベルトとして画像形成装置に用いる場合に、張力により少し伸びが発生してしまい、色ズレなどの不具合を発生することがある。逆に、引張弾性率が高すぎる場合は、積層エンドレスベルトを駆動する際にモータ負荷がかかるため、厚み設定を薄くする必要が生じ、一旦ローラーとベルト間にゴミが入り込んだり、感光体との摩擦による傷等が入るとクラックが入り易く、信頼性に問題があるため好ましくない。また、一次転写におけるトナーの転写効率を向上させるためには、ベルトが伸びない程度の引張弾性率が必要であり、かつエンドレスベルトが硬くならない程度の引張弾性率が必要である。基材層のより好ましい引張弾性率の範囲は1500MPa以上、3500MPa以下、特に1800MPa以上、3300MPa以下である。
(積層エンドレスベルトの引張弾性率)
上記と同様な理由から、積層エンドレスベルトの引張弾性率は好ましくは1300MPa以上、4500MPa以下、より好ましくは1600〜3500MPa、特に好ましくは1700〜3300MPaである。
本発明の積層エンドレスベルト及び基材層の引張弾性率は、具体的には、後述の実施例の項に示される方法で測定される。
<表面粗さ(Ra)>
(基材層の表面粗さ(Ra))
本発明の積層エンドレスベルトの基材層の表面粗さ(Ra)は0.02μm以上、0.5μm以下であることが好ましい。基材層の表面粗さ(Ra)が0.02μm未満であると、コート層との積層の際に積層界面の面積が少なくなるため接着力に問題が発生する場合があるため好ましくない。ただし、その場合は、プライマー処理、プラズマ処理等で接着力を高める公知の手段を採用して対応することもできる。
また、基材層の表面粗さ(Ra)が0.5μmを超えるとコート層を形成して得られる積層エンドレスベルトに基材層の表面粗さの影響がでるため好ましくない。特に好ましい基層の表面粗さ(Ra)は0.02μm以上、0.15μm以下、特に0.03μm以上、0.12μm以下であることが好ましい。
(積層エンドレスベルトの表面粗さ(Ra))
基材層にコート層を形成した後の本発明の積層エンドレスベルトの表面粗さ(Ra)は、0.02μm以上、0.3μm以下が好ましい。特に、コート材に防汚成分を含まなければ、表面粗さ(Ra)は0.02μm以上、0.1μm以下が好ましく、防汚成分を含んでいる場合は表面の凹凸が大きくても、低摩擦係数であるが故にブレードクリーニングしやすくなるため、許容範囲が広くなる。積層エンドレスベルトの表面粗さ(Ra)は特に好ましくは0.02μm以上、0.08μm以下である。
積層エンドレスベルトの表面粗さ(Ra)は、後述の実施例の項に示される方法で測定される。
<水との接触角>
(基材層の水との接触角)
本発明の積層エンドレスベルトの基材層の水との接触角は小さい方が好ましく、95°以下であることがコート層の接着力が高くなる点で好ましい。基材層の水との接触角は特に80°以下、とりわけ75°以下であることが好ましい。
(コート層の水との接触角)
本発明の積層エンドレスベルトのコート層の水との接触角(コート層の水との接触角とは、積層エンドレスベルトの水との接触角である。)は基材層よりも大きい方が好ましく、80°以上であればトナー非固着性向上の点で好ましく、特に90°以上であれば、クリーニング性、トナー固着性何れも問題がなくなるため好ましい。
尚、コート層の水との接触角の上限は120°以下であり、これより大きすぎると、感光体との摩擦が小さくなりすぎ、トナーの一次転写効率が悪くなり好ましくない。コート層の水との接触角は90°以上、105°以下であることが最も好ましい。
尚、コート層の表面粗さ(Ra)が小さく、表面が平滑であれば、水との接触角が比較的大きくても、トナークリーニング性、トナー転写性は良好であり、言い換えると表面粗さが粗い場合には、水との接触角を小さくするとクリーニングしやすくなる。
水との接触角は、後述の実施例の項に示される方法で測定される。
<耐屈曲性(耐折回数)>
本発明の積層エンドレスベルトを例えば中間転写ベルトとして画像形成装置に用いる場合には、耐屈曲性が悪いとクラックが発生して画像が得られなくなるので耐屈曲性の良好な積層エンドレスベルトが好ましい。
耐屈曲性の程度は、JIS P−8115の耐折回数の測定方法に従うことで定量的に評価でき、耐折回数の大きいエンドレスベルトほどクラックが入りにくく、耐屈曲性に優れていると判断することができる。
具体的な数値としては,治具先端のRが2mmの治具で折り曲げた場合に、破断回数が5万回を超えていればエンドレスベルトとして優れた機能を発揮して使用することができるが、実用的には10万回以上が好ましく、20万回以上であれば更に好ましい。高弾性ベルトの場合、JIS規格通りの治具先端R0.38mmでは、屈曲が強すぎて、正確な耐久性が読み取れない。
なお、上記積層エンドレスベルトの耐屈曲性を得る上で、積層エンドレスベルトの基材層の耐屈曲性としては、上記耐折回数として8000回以上、特に10000回以上であることが好ましい。
<表面電気抵抗率・体積電気抵抗率>
印加電圧100V,10秒にて測定した表面電気抵抗率をSR(100V)、印加電圧1000V,10秒にて測定した表面電気抵抗率をSR(1000V)、印加電圧100V,10秒にて測定した体積電気抵抗率をVR(100V)と表記した場合、本発明の積層エンドレスベルトの基材層のSR(100V)は特に制限がないが、中間転写ベルトとしては、1×10〜1×1012Ω/□であることが好ましく、1×10〜1×1011Ω/□であることがより好ましい。また、基材層のSR(1000V)は1×10〜1×1012Ω/□であることが好ましく、1×10Ω〜1×1010Ω/□であることがより好ましい。また、SR(100V)/SR(1000V)の比は100以下であることが好ましく、10以下であることが、印加電圧の振れによる電気抵抗値変化が少なく、感光体から中間転写ベルトへのトナーの転写(一次転写)と中間転写ベルトから紙へのトナーの転写(二次転写)が安定して行われるため好ましい。
また、コート層のSR(1000V)は中間転写ベルトとしては、1×10Ω以上〜1×1014Ω/□であることが好ましく、1×10Ω〜5×1013Ω/□であることがより好ましい。本発明では、コート層に導電性フィラーを多く配合しているので、コート層が薄く、電気抵抗値が高くなったとしても紙の剥離放電によるトナーの飛散を低減できるため好ましい。
また、本発明の積層エンドレスベルトのSR(100V)は特に制限はないが、中間転写ベルトとしては1×10〜1×1012Ω/□であることが好ましく、1×10〜1×1011Ω/□であることがより好ましい。また、積層エンドレスベルトのSR(1000V)は1×10〜1×1011Ω/□であることが好ましく、1×10〜1×1010Ω/□であることがより好ましい。また、SR(100V)/SR(1000V)の比は100以下であることが好ましく、10以下であることが好ましい。これらの特性値は、トナーの一次転写、二次転写性のバランスにより、適宜調整すれば良い。
また、積層エンドレスベルトのVR(100V)は特に制限はないが、中間転写ベルトの場合には1×10〜1×1012Ω・cmであることが好ましく、1×10〜1×1011Ω・cmであることがより好ましい。
尚、SR(100V)/VR(100V)は特に制限されるものではないが、0.01以上100以下が好ましく、特に0.1以上50未満が特に好ましい。SR(100V)/VR(100V)比が100以上の場合には、厚み方向に電流が流れやすくなり、リークしてしまう恐れがある。また、SR(100V)/VR(100V)比が0.01以下の場合には、通電により体積抵抗値が上昇し変化する恐れがある。
なお、本発明において、表面電気抵抗率や体積電気抵抗率は例えばダイヤインスツルメンツ(株)製商品名「ハイレスタUP」のURプローブ又はUR100プローブで計測することが好ましいが、表面電気抵抗率が1×1013Ω以上の場合は、(株)アドバンテスト社製デジタル超高抵抗微少電流計商品名「R8340A」に、JISの電極をつないで測定するなど公知の方法で測定しても良い。
基材層の表面電気抵抗率は、コート層を設けていない基材層のみの状態において、その表面から測定される。この場合、積層エンドレスベルトを構成する基材層が単層であれば、表面電気抵抗率はその裏面から測定しても表面(コート層形成側)から測定してもよい。また、コート層の表面電気抵抗率は、コート層単層の表面電気抵抗率として、例えば、絶縁性の基材、具体的にはポリエステル(PET)フィルムなどの基材上へ、コート層の形成材料(後述のハードコート材など)を塗布した後硬化させてコート層を形成し、その表面電気抵抗率を測定することにより求めることができる。
また、積層エンドレスベルトの表面電気抵抗率は、基材層にコート層を形成してなる積層エンドレスベルトの表面(コート層表面)に対して測定される。
[画像形成装置用積層エンドレスベルトの用途]
本発明の画像形成装置用積層エンドレスベルトの用途に特に制限はないが、寸法精度、耐屈曲性、引張弾性率など要求物性の厳しいOA機器分野、特に機能部材に好適に用いることができる。この積層エンドレスベルトをシームレスベルト形状とした場合、割れ、伸びなど不具合が少ないので好適である。
本発明の画像形成装置用積層エンドレスベルトは、電子写真式複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ機等の画像形成装置の、特に中間転写ベルト、搬送転写ベルト、転写定着ベルト、定着ベルト、感光体ベルト、現像スリープ、とりわけ中間転写ベルト、搬送転写ベルト、感光体ベルトなどとして好適に用いることができる。
本発明の積層エンドレスベルトはそのままベルトとして使用しても良いし、ドラム或いはロール等に巻き付けて使用しても良い。
また、端面補強等の目的のために、この積層エンドレスベルトの外側及び/又は内側に、必要に応じて側縁に沿って耐熱テープ等の補強テープを貼り合わせても良い。
また、積層エンドレスベルトの蛇行防止目的で、エンドレスベルトの側縁に、ウレタンゴムやシリコンゴム等のゴム製のシート(蛇行防止ガイド)を接着剤にて張り合わせても良い。
更には、上記補強テープと組み合わせて、補強テープを積層エンドレスベルトに貼り合わせた上で蛇行防止ガイドを貼り合わせた方がベルト耐クラック発生防止効果とベルト蛇行防止効果があるため好ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
[使用材料]
{基材層の形成材料}
基材層の形成材料は下記のものを用いた。
<熱可塑性樹脂>
(PEEK)
ビクトレックス社製 ポリエーテルエーテルケトン「381G」
(PBT)
三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ポリブチレンテレフタレート「5050CS」
(カーボンブラック)
電気化学(株)製 アセチレンブラック「デンカブラック」
DBP吸油量:180ml/100g
比表面積:65m/g
揮発分:0%
平均一次粒径:39nm
pH:9
{コート層の形成材料}
コート層を形成するための架橋性液状物(コート材)は、以下の材料を用いて以下のようにして調製した。
<コート材の調製材料>
三菱マテリアル社製「EPSPDL−2」:平均一次粒子径10nm、粉末の体積抵抗10〜10Ω・cmの酸化リンドープ酸化スズ
三菱マテリアル社製「13M−C」:平均一次粒子径75nm、粉末の体積抵抗2Ω・cmの酸窒化チタン
新中村化学社製「NKエステル A―DPH」:多官能アクリレートモノマー(分子量578)
大阪有機化学工業社製「STAR501」:多分岐アクリレートポリマー(分子量15000〜21000)
新中村化学社製「UA−122P」:ウレタンアクリレートオリゴマー(分子量1100)
BASFジャパン社製「IRGACURE184」:光重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
ビックケミージャパン社製「BYK−UV3570」:滑性付与成分としてのアクリル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン
<コート材1>
コート材1の各成分の配合組成は、以下の通りである。
(固形分)
酸化リンドープ酸化スズ 44重量%
酸窒化チタン 8重量%
多官能アクリレートモノマー 36重量%
ウレタンアクリレートオリゴマー 8重量%
アクリル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン 0.5重量%
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 3.5重量%
(希釈溶媒分)
上記固形分100重量部に対し、
プロピレングリコールモノメチルエーテル 200重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20重量部
<コート材2>
コート材2の各成分の配合組成は、以下の通りである。
(固形分)
リンドープ酸化スズ 47重量%
酸窒化チタン 10重量%
多分岐アクリレートポリマー 32重量%
ウレタンアクリレートオリゴマー 8重量%
アクリル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン 0.3重量%
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 2.7重量%
(希釈溶媒分)
上記固形分100重量部に対し、
プロピレングリコールモノメチルエーテル 300重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20重量部
<コート材3>
コート材3の各成分の配合組成は、以下の通りである。
(固形分)
リンドープ酸化スズ 54.5重量%
酸窒化チタン 7重量%
多分岐アクリレートポリマー 25重量%
ウレタンアクリレートオリゴマー 11重量%
アクリル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン 0.5重量%
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 2.0重量%
(希釈溶媒分)
上記固形分100重量部に対し、
プロピレングリコールモノメチルエーテル 200重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20重量部
<コート材4>
コート材4の各成分の配合組成は、以下の通りである。
(固形分)
リンドープ酸化スズ 22重量%
多官能アクリレートモノマー 75重量%
アクリル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン 0.3重量%
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 2.7重量%
(希釈溶媒分)
上記固形分100重量部に対し、
プロピレングリコールモノメチルエーテル 300重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20重量部
[評価]
得られた積層エンドレスベルト及びその構成層について次のような評価を行った。
<表面電気抵抗率・体積電気抵抗率>
ダイヤインスツルメンツ(株)製 商品名「ハイレスタ(URプローブ)」を使用し印加電圧100V,1000V 各10秒の条件にて測定した。印加電圧100Vのときの表面電気抵抗率を「SR(100V)」、印加電圧1000Vのときの表面電気抵抗率を「SR(1000V)」と記載する。
基材層の表面電気抵抗率は、押出成形により得られた基材層の外表面に対して測定した値を採用した。
コート層の表面電気抵抗率は、コート層を形成する前の基材層に100μm厚さのPETフィルムを巻き付け、このPETフィルム上に、各コート材を、基材層上にコート層を作製する条件と同一条件で塗布、硬化させてコート層を形成し、このコート層に対して印加電圧1000Vで測定した表面抵抗率をコート材の表面電気抵抗率とした。
積層ベルトの表面電気抵抗率は、基材層にコート層を形成して得られた積層エンドレスベルトの外表面(コート層表面)に対して測定した値を採用した。
積層エンドレスベルトの体積電気抵抗率は、基材層にコート層を形成して得られた積層エンドレスベルトの外表面(コート層表面)に対して印加電圧100Vで測定した値を採用した。この体積電気抵抗率を「VR(100V)」と記載する。
<表面微小硬度>
コート層の表面微小硬度は、コート層を形成する前の基材層に厚さ1mmのスライドガラスを巻き付け、このスライドガラス上に、各コート材を、基材層上にコート層を作製する条件と同一条件で塗布、硬化させてコート層を形成し、このコート層に対してフィッシャースコープ社製の微小硬度計「HM2000」を用いて、最大押込み荷重0.8mN、押し込み時間27秒の条件で測定し、HUpl(ユニバーサル硬度の塑性硬さ)を求めた。基材層の表面微小硬度は、作製された基材層について、上記と同様に求めた。尚、微小硬度は、ベルト表面約1μm±0.5μmの深さの微小硬度を示すものである。
<表面粗さRa>
積層エンドレスベルトについて、約50mm×50mmの大きさの試験片を切り出し、そのコート層表面を、(株)キーエンス製超深度形状測定顕微鏡「VK8500」を用い、レンズ100倍、ピッチ0.01μm、シャッタースピードAUTO、ゲイン835の測定条件にて40μm×40μmのエリアの表面粗さRaを4点測定し、その平均値を表面粗さの測定値とした。基材層の表面粗さRaは、作製された基材層について、上記と同様に求めた。
<ローラー癖復元率>
本発明の積層エンドレスベルトを例えば中間転写ベルトとして画像形成装置に用いる場合には、プリンタ内でローラーに張架された状態で60℃以上程度の高温下にさらされた際に、エンドレスベルトにローラーの跡(ローラー癖)が付くと、画像に影響を及ぼすため好ましくない。エンドレスベルトの耐ローラー癖性は以下の方法で評価した。
温度23℃、湿度50%の条件で24時間以上状態調整したエンドレスベルトを15mm幅、44mm長さに切り取り、この試験片を、直径14mmのローラーに、試験片長さ方向がローラーの周方向となるようにセロハンテープ等で固定し、温度60℃湿度95%の恒温恒湿層に2時間放置後、温度23℃、湿度50%の環境下に24時間放置した後、試験片をローラーから開放し、温度23℃湿度50%で2時間放置した際の試験片の開口幅L(ローラーにより断面略C字形に癖付けされた試験片の開口部の幅)から以下の式で求めた値を、ローラー癖復元率(%)とする。この値は40%以上であることが、耐ローラー癖性に優れ好ましい。
ローラー癖復元率(%)={開口幅L(mm)/試験片長44(mm)}×100
<水との接触角>
積層エンドレスベルトについて、コート層表面に水を一滴たらし、エルマー製ゴニオメーター「G−1」を用いて1分後の水の接触角を測定した。
<摩擦係数>
積層エンドレスベルトのコート層表面について、新東化学(株)製「HEIDON トライホギアμ TYPE94i」を用い黄銅にハードクロムメッキした板との静摩擦係数を測定した。
<引張弾性率>
ISO R1184−1970に準拠し、基材層及び積層エンドレスベルトから、それぞれ幅15mm、長さ150mmの大きさの試験片を切り取り、この試験片に対して引張速度1mm/min、つかみ具間距離100mmとして測定した。
<耐屈曲性(耐折回数)>
JIS P−8115に準拠し、基材層及び積層エンドレスベルトから、それぞれ幅15mm、長さ100mmの大きさの試験片を切断し、この試験片に対して、MIT試験機にて折り曲げ速度175回/分、回転角度135°左右、引張荷重1.0kgfの条件にて、先端部の曲率半径R=0.38mmと2mmの折り曲げ治具を用い、それぞれの破壊に至る折り曲げ回数を測定した。数値は3点の平均値を用いた。
<耐久性>
積層エンドレスベルトをφ25mmローラー2本にテンション4kgにて張架させて回転駆動させ、3万回回転させたときにエンドレスベルトにクラックが発生するかを評価し、3万回でクラックを発生しないものを「○」、1万回以上3万回未満でクラック発生したものを「△」、1万回未満でクラックが発生するものを「×」とした。
なお、「△1」は基材からクラックが発生したものであり、「△2」はコート層表面からクラックが発生したものである。
<クリーニング性>
リコー社製中間転写タンデム機「Ipsio SP C220」の転写ベルトユニットに、積層エンドレスベルトを装着し、クリーニングブレードをつけ、トナーをベルト表面に接触するような状態にてから回し試験を実施し、ベルト10回転後にトナーがブレードにクリーニングされずにスジ状に残る本数を数え、3箇所以下であれば「○」とし、3箇所を超え10箇所以下であれば「△」とし、10箇所を超える場合は「×」とした。
<画像評価>
リコー社製中間転写タンデム機「IPSiO SP C220」の転写ベルトユニットに、積層エンドレスベルトを装着し、4cm×5cmの黒ベタ画像をプリントした。ベタ画像の白抜け度を目視で確認し、購入時のプリンタ画像より向上していれば「○」とし、向上していなければ「×」とした。
[実施例及び比較例]
<実施例1>
PEEK84.5重量%に、アセチレンブラックを15.5重量%配合し、二軸混練押出機(池貝(株)製「PCM45」)を用いてペレット化した。混練条件は、シリンダー温度380℃を基本とした。
次に上記で得られた基材層用の成形材料のペレットを150℃で乾燥し、直径φ210mmの6条スパイラル型環状ダイ付き40mmφの押出機により、環状ダイ下方に溶融チューブ状態で押し出し、押し出した溶融チューブを、環状ダイと同一軸線上に支持棒を介して装着した外径207mmの冷却マンドレルの外表面(温度120℃)に接しめて除冷し冷却固化させつつ、次に、溶融チューブの中に設置されている円筒形の中子と外側に設置されている引取機により、シームレスベルト状の基材層を円筒形を保持した状態で引き取りつつ、長さ300mmに輪切りにした。シリンダー、ダイス温度をいずれも380℃を基本条件とし、ダイス金型条件は、ダイス金型リップクリアランスは2.0mm、引き取り速度は1.3m/minとした。基材層の平均厚みが80μmとなるよう、押出量と押出温度、冷却温度を調整しつつ、内径207mm、表面粗さ(Ra)0.09μmの基材層を得た。
この基材層を、外径207mmの円筒型のドラムの外側に装着し、基材層の回転速度が800rpmとなるよう、このドラムを回転させ、スプレー式コーティング装置を用いて、吐出量10g/minにてコート材1を基材層の外表面に厚み0.63μmのコート層が形成されるように回転速度、吐出量、スプレーノズル移動速度を調整し塗布した。
スプレーノズルは一軸ロボットに装着し、基材層幅方向(軸方向)に30mm/secの移動速度で移動させた。
次に、コート材が塗布された基材層を、回転速度10rpmでドラムを回転させつつ、60℃の熱風乾燥機で1分乾燥し、その後、積算照射エネルギーが400mJ/cmとなるように紫外線を3分間照射して、コート材塗布膜を架橋硬化させることによりコート層を形成し、積層エンドレスベルトを得た。
得られた積層エンドレスベルトの評価結果を表1に示す。
表1に示されるように、得られた積層エンドレスベルトのSR(100V)は6.0×10Ωであった。このコート層の表面微小硬度は510N/mmで、表面粗さRa=0.04μmと平滑であり、厚み0.63μm、SR(1000V)8.0×1013Ωの半導電性コート層を形成した積層エンドレスベルトのため、表面電気抵抗率の印加電圧依存性が少ないものとすることができ、良好な画像が得られた。
また、表面平滑性に優れ、適度に表面硬度も高く、トナークリーニング性に優れたエンドレスベルトであり、耐クラック性、耐ローラー癖性も良好であった。
<実施例2>
コート層の形成にコート材2を使用した以外は実施例1と同様に積層エンドレスベルトを得た。
得られた積層ベルトの評価結果を表1に示す。
表1に示されるように、得られた積層エンドレスベルトのSR(100V)は8.0×10Ωであった。このコート層の表面微小硬度は450N/mmで、表面粗さRa=0.04μmと平滑で、厚み0.63μm、SR(1000V)6.0×1013Ωの半導電性コート層であり、積層エンドレスベルトの表面電気抵抗率の印加電圧依存性が少ないものとすることができ、良好な画像が得られた。
また、表面平滑性に優れ、適度に表面硬度も高く、トナークリーニング性に優れたエンドレスベルトであった。また、耐クラック性、画像も良好であった。
<実施例3>
コート層の形成にコート材3を使用した以外は実施例1と同様に積層エンドレスベルトを得た。
得られた積層ベルトの評価結果を表1に示す。
表1に示されるように、得られた積層エンドレスベルトのSR(100V)は4.0×10Ωであった。このコート層の表面微小硬度は260N/mmで、表面粗さRa=0.04μmと平滑で、厚み0.63μm、SR(1000V)6.0×1013Ωの半導電性コート層であり、積層エンドレスベルトの表面電気抵抗率の印加電圧依存性が少ないものとすることができ、良好な画像が得られた。
また、表面平滑性に優れ、適度に表面硬度も高く、トナークリーニング性に優れたエンドレスベルトであった。また、耐クラック性、画像も良好であった。
<実施例4>
PBT86重量%に、アセチレンブラックを14重量%配合し、二軸混練押出機(池貝(株)製「PCM45」)を用いてペレット化した。混練条件は、シリンダー温度260℃を基本とした。
次に上記で得られた基材層用の成形材料のペレットを130℃で乾燥し、直径φ210mmの6条スパイラル型環状ダイ付き40mmφの押出機により、環状ダイ下方に溶融チューブ状態で押し出し、押し出した溶融チューブを、環状ダイと同一軸線上に支持棒を介して装着した外径207mmの冷却マンドレルの外表面(温度120℃)に接しめて冷却固化させつつ、次に、溶融チューブの中に設置されている円筒形の中子と外側に設置されている引取機により、シームレスベルト状の基材層を円筒形を保持した状態で引き取りつつ、長さ300mmに輪切りにした。シリンダー、ダイス温度をいずれも250℃を基本条件とし、ダイス金型条件は、ダイス金型リップクリアランスは2.0mm、引き取り速度は1.3m/minとした。基材層の平均厚み120μmとなるよう、押出量と押出温度、冷却温度を調整しつつ、内径207mm、表面粗さ(Ra)0.07μmの基材層を得た。
コート層の形成にコート材1を使用し、実施例1と同様にコート材塗布膜を架橋硬化させることによりコート層を形成し、積層エンドレスベルトを得た。
得られた積層ベルトの評価結果を表1に示す。
表1に示されるように、得られた積層エンドレスベルトのSR(100V)は7.0×10Ωであった。このコート層の、表面微小硬度は510N/mmで、表面粗さRa=0.04μmと平滑で、厚み0.63μm、SR(1000V)1.0×1013Ωの半導電性コート層であり、積層エンドレスベルトの表面電気抵抗率の印加電圧依存性が少ないものとすることができ、良好な画像が得られた。
また、表面平滑性に優れ、適度に表面硬度も高く、トナークリーニング性に優れたエンドレスベルトであった。
また、基材がPBT樹脂のため、耐クラック性、耐ローラー癖性はPEEK樹脂より劣るが、ベルト端部に補強テープを貼ることにより使用できるレベルであった。
<比較例1>
コート層の形成にコート材4を使用した以外は実施例1と同様に積層エンドレスベルトを得た。
得られた積層ベルトの評価結果を表1に示す。
表1に示されるように、得られた積層エンドレスベルトのSR(100V)は8.0×10Ωであった。この積層エンドレスベルトは、表面微小硬度が780N/mmで、表面粗さRa=0.03μmと平滑であり、厚み0.63μm、SR(1000V)1.0×1014Ω<の半導電性コート層であり、積層エンドレスベルトの表面電気抵抗率の印加電圧依存性が大きいものであった。
また、表面平滑性に優れ、適度に表面硬度も高く、トナークリーニング性に優れたエンドレスベルトであったが、表面が硬く、クラックが入りやすかった。
比較例1の積層エンドレスベルトは、導電性フィラーの配合量が少なく、薄膜層にしたときのコート層の表面電気抵抗値が大きいためか、積層エンドレスベルトの表面電気抵抗率の印加電圧依存性が大きくなってしまい、電気抵抗値が不安定のため、画像異常が発生した。これは、紙とエンドレスベルトとの間で発生する放電に起因するものと推察される。
Figure 2017040871
1 感光ドラム
2 帯電器
3 露光光学系
4 現像器
5 クリーナー
6 導電性エンドレスベルト
7,8,9 搬送ローラー
10 静電転写機
11 記録紙
12 押圧ローラー

Claims (6)

  1. 画像形成装置に用いられる、少なくとも基材層と、該基材層上に形成されたコート層とを備える積層エンドレスベルトであって、
    該コート層が、主成分としての導電性フィラーと、活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂とを含み、該コート層の表面微小硬度が250N/mm以上、700N/mm以下であることを特徴とする画像形成装置用積層エンドレスベルト。
  2. 請求項1において、前記導電性フィラーが、平均一次粒子径40nm以下の金属フィラーを含み、前記活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂が、多官能アクリレートモノマー、多官能アクリレートオリゴマー及び多分岐アクリレートポリマーより選ばれる1種以上を架橋させた樹脂であることを特徴とする画像形成装置用積層エンドレスベルト。
  3. 請求項1又は2において、前記コート層における導電性フィラーと活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂との含有割合が、導電性フィラー/(活性エネルギー線及び/又は熱架橋樹脂)の重量比で、50/50以上、80/20以下であることを特徴とする画像形成装置用積層エンドレスベルト。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、前記導電性フィラーは、平均一次粒子径の異なる2種以上の導電性フィラーを含むことを特徴とする画像形成装置用積層エンドレスベルト。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において、前記基材層はポリエーテルエーテルケトン及び/又はポリアルキレンテレフタレートを主成分とする熱可塑性樹脂と導電性フィラーとを含むシームレスベルトであることを特徴とする画像形成装置用積層エンドレスベルト。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置用積層エンドレスベルトを含むことを特徴とする画像形成装置。
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