JP3651199B2 - 中間転写体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター、ファックスなどのフルカラー画像形成装置等において、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を一旦受け取り(一次転写)、これを第2の画像担持体上に再転写させる(二次転写)、中間転写体に関する。
【0002】
【従来の技術】
中間転写体を使用した画像形成装置はカラー画像情報や多色画像情報の複数の成分色画像を順次積層転写してカラー画像や多色画像を再現した画像形成物を出力するカラー画像形成装置や多色画像形成装置、またはカラー画像形成機能や多色画像形成機能を具備した画像形成装置として有効である。
中間転写体を用いる画像形成装置の一例の概略図を図1に示す。図1において1はOPC感光体ドラム、2は一次帯電器、3は画像露光、4は給紙カセット、5はOPCクリーナー、6は定着器、7は中間転写体、8は転写ローラー、91ないし94はそれぞれマゼンタトナー用、シアントナー用、イエロートナー用及びブラックトナー用現像装置である。
【0003】
中間転写体を使用する画像形成装置は、感光ドラムから直接最終支持体に転写を行う場合に比較して、中抜け、色ずれ(多色トナーの重ね合わせずれ)が少なく、また最終支持体をグリッパーで挟む、吸着する、曲率をもたせるなどの処置を必要とせず、最終支持体として様々なものを使用することができる等の利点を有しているため、最近中間転写体を用いる画像形成装置が種々提案されている。
例えば、特開平8−262881号公報には、転写効率が高く中抜けのない画像を得、かつ中間転写体の耐久性を改善するために、金属ロールの上に溶融成形、注入成形、プレス成形、押し出し成形、浸漬塗工、スプレー塗工等により成形して設けた弾性層と、その上に同様の成形方法により成形したポリエステルポリウレタン及びエポキシ樹脂を含む被覆層を有する中間転写体が提案されている。また特開平8−320621号公報には、同様の目的のために、溶融成形、注入成形、浸漬塗工、スプレー塗工等により成形して設けた弾性層の上に、フッ素樹脂、シリコーン樹脂又はポリオレフィン樹脂を30重量%以上含有し、かつ添加による滑り抵抗の増加率が50%以下である高潤滑導電性フィラーを含有する被覆層を同様の方法で設けた中間転写体が提案されている。さらに、特開平8−160760号公報には、中間転写体のフィルミングを低減し、長期の感光体との接触においても中間転写体の歪みに起因する画像欠陥の少ない画像形成装置を提供することを目的として、ASKER−C硬度計による硬度が10°〜70°の範囲のスポンジ層からなる弾性層を溶融成形、注入成形、浸漬塗工、スプレー塗工等により成形して設け、またこの弾性層の上に同様の成形方法により設けた、マイクロゴム硬度計による硬度が10°〜70°の範囲の被覆層を有する中間転写体が提案されている。
【0004】
しかしながら、中間転写体機能を発現させるために多くの場合弾性体層としてゴム、エラストマー、樹脂等を用い、その上に被覆層を設けるために、各層の研磨、各層間の接着、表面処理等が必要となり、高コスト化しやすく、さらに離型性塗料を塗布してその摩擦抵抗及びトナー付着性の調整を行う必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、煩雑な多数の工程を必要とせずに低コストで作製でき、かつ、中間転写体に必要とされる特性、すなわち、転写効率が高くかつ安定しており、中抜け、色ずれ、色むらのない中間転写体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的は、中間転写体の構成を、少なくとも、高分子材料にカーボンブラックや導電性金属酸化物等の導電性粉を分散させた導電層と、イオン導電剤を含有せしめた半導電性発泡層とを含み、該導電層の抵抗がその厚み方向において、転写表面側がより小さくなるように構成すること、或いは、少なくとも、導電性粉を分散させた導電性離型層と、高分子材料に導電性粉を分散させた導電層と、イオン導電剤を含有せしめた半導電性発泡層とを含み、該導電性離型層及び該導電層の抵抗がその厚み方向において、転写表面側がより小さくなるように構成すること、或いは、少なくとも、導電性粉を分散させた導電性離型層と、高分子材料に導電性粉を分散させた導電層と、イオン導電剤を含有せしめた半導電性発泡層とを含み、該導電層の抵抗がその厚み方向において、転写表面側がより小さくなるように構成することによって解決される。特に、導電層が導電性粉とイオン導電剤を含む中間転写体は、イオン導電剤含有の発泡層、導電層に比較し、環境による抵抗の変動が小さいため好ましい。また、導電性離型層は遠心成形あるいは塗工処理等により形成される。
【0007】
このような構成の中間転写体は、たとえば(1)同軸遠心成形方法を利用して、高分子材料に導電性粉を分散させた導電層、及びイオン導電剤を含有せしめた半導電性発泡層を含む積層体を作製する工程を含む中間転写体の製造方法、(2)同軸遠心成形方法を利用して、導電性離型層、高分子材料に導電性粉を分散させた導電層、及びイオン導電剤を含有せしめた半導電性発泡層をこの順序で含む積層体を作製する工程を含む、中間転写体の製造方法、(3)同軸遠心成形方法を利用して、高分子材料に導電性粉を分散せしめた導電層及びイオン導電剤を含有せしめた半導電性発泡層を含む積層体を作製した後、前記導電層の上に導電性離型層を形成する導電性塗料を塗布する工程を含む、中間転写体の製造方法、などを用いて作製される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の中間転写体は特許請求の範囲第1項に記載したように、少なくとも、導電性粉を分散させた導電層、及びイオン導電剤を含有せしめた半導電性発泡層を含み、導電層の抵抗がその厚み方向において転写表面側がより小さくなっている、すなわち導電層の中の導電性粉が外側の方により多く偏在するように含まれていることを特徴とする。このように導電性粉が外側の方により多く偏在することにより、抵抗均一性、絶縁耐圧、ピンホールリーク性、低硬化調整、少量の導電性粉添加による抵抗調整及び抵抗層形成能等に優れ、中間転写体に要求される特性の、抵抗ムラに基づく色ムラ、色ズレ等が改善される。
【0009】
本発明において上記のように、導電層の抵抗がその厚み方向において転写表面側がより小さくなっている、すなわち導電層の中の導電性粉が外側の方により多く偏在するように含まれている中間転写体は、例えば、円筒状の金型内に、導電層、半導電性発泡層を構成する材料を順次遠心成形する、一体成形を利用することによりにより作製することができる。遠心成形の条件(回転数、液温度、液量、注入速度、発泡剤量など)を適宜選択することにより、成形膜厚、発泡状態などを制御することが可能である。
【0010】
以下に、遠心成形法を利用した、本発明の中間転写体の製造方法の一例を図を用いて説明する。図2は、半導電性発泡層、導電層及び導電性離型層とも遠心成形法を用いて作製する、ドラム状の中間転写体を製造する工程を説明するためのフロー図である。
先ず、離型性導電塗料を、温度調節をしておいた金型に注型し加熱固化させ、その後ポリオール成分からなるA液とイソシアネート成分からなるB液を混合・攪拌し、ついで導電性粉を添加して更に攪拌し、ポリウレタンエラストマー導電層用の注型材料を調製する。この注型材料を金型の前記塗料層の上に注型し、遠心成形を行った後キュア(硬化)を行う。次に、ポリオール成分からなるA液とイソシアネート成分からなるB液を混合・攪拌し、ついでイオン導電剤を添加してさらに混合攪拌し、ポリウレタン半導電性発泡層を形成するためのウレタン発泡材料を調製する。この発泡材料を先のキュアを行ったポリウレタンエラストマー導電層の上に注型し、遠心成形し、同時に発泡・硬化させる。発泡層の形成の前後に金型の温度調節を行ってもよい。遠心成形により形成された、導電性離型層、導電層、半導電性発泡層の3層からなる積層体を金型から脱型し、その後更に加熱を行って反応(硬化)を完結(熟成)させる。熟成後ドラムを挿入しトリミングを行って製品の中間転写体とする。
【0011】
本発明においては、表面の導電性離型層から半導電性発泡層にいたるまで異種のゴム、エラストマー、樹脂等の材料を用いても、同軸遠心成形を用いることにより、特に、液状ポリマー、又はモノマー状態のものからの積層が可能であるため、特に接着剤を使用しなくても、これらの層からなる積層体を得ることが可能であるが、場合により相溶性のよくない各層間の接着力を高めるための処理を行うことが好ましい。 本発明においては、導電性離型層、導電層及び半導電性発泡層においてすべて同種の例えばポリウレタン樹脂を用いると、特別な接着処理を行わなくても各層の界面における接着力が大きいので特に好ましい。
また、最終的にポリウレタン樹脂の熟成を行うことによりブリードを抑制することが可能である。140℃以上の高温では分解が促進されるため長期保管時の感材への汚染が発生しやすいので、120℃程度の温度で熟成を行い、反応を完結させ、歪みなどを少なくさせることが望ましい。
【0012】
また、本発明においては、導電性離型層も導電層及び発泡層と同時に遠心成形することができるが、この場合は、導電性離型層に含まれているテフロン、PMMA粉、ポリアミド粉の離型剤は導電性離型層の厚さ方向に外側に向かって離型剤が多く偏在することになり、未転写トナーの残留が少なく高転写率が得られる。
さらに、本発明の同軸遠心成形は真円度に優れた回転成形体を作製することができるため、後の外径調整や鏡面仕上げのための研磨加工などの工程を省くことが可能で、製作の低コスト化を図ることができる。
以上、ドラム状の中間転写体を説明したが、本発明はドラム状に限らず、ローラー状、ベルト状等の中間転写体を含み、ローラー状及びベルト状の中間転写体も同様に前記遠心成形により作製することができる。ただ、ドラム状の中間転写体と異なりベルト状のものは導電層としてより硬質のものを用いてベルト張架時の伸び等を抑制することが必要となる。
【0013】
本発明においては、多色画像の重ね合わせの際の色ズレ、色抜け、繰り返し使用に対する耐久性を考慮すると、より好ましい形状はドラム形状である。図3においてドラム形状の中間転写体を示す。10は剛体である円筒状金属支持体、20は半導電性発泡層(0.1〜1cm)、30は導電層(1〜100μm)、40は導電性離型層(10〜100μm)である。円筒状金属支持体とてはアルミニウム、鉄、銅、ステンレス等の金属や合金、導電性カーボンブラックや金属酸化物粒子等を分散した導電性樹脂等を用いることができる。
【0014】
次に本発明の中間転写体を構成する各層について説明する。
半導電性発泡層
本発明の中間転写体の半導電性発泡層を構成するマトリックスに用いられる高分子材料としては特に限定はないが、ポリウレタン発泡体或いはシリコーン樹脂発泡体、液状ポリブタジエンゴム発泡体が好ましいマトリックスである。
ポリウレタン発泡体のポリオール成分のポリエーテルポリオールモノマーとしては例えば、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシブチレングリコール、ポリオキシテトラメチレンギリコール等のポリオキシアルキレングリコール類、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレントリオール、ポリオキシブリレントリオール等のポリオキシアルキレントリオール類、エチレンジアミン、ペンタエリスルトール、ソルビトール、スクロース、スターチ等を開始剤としたポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンポリオール等のポリ(オキシアルキレン)ポリオール等が挙げられる。またポリオール成分のポリエステルポリオール化合物モノマーとしては、ポリ炭酸エステルポリオール、ポリカプロラクトンエステルポリオール、又はエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,3−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のグリコールの1種又2種以上の混合物と、アジピン酸等の炭素数2〜6のジカルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール等が挙げられるが、ポリオール成分としては上記のものに限定されない。
【0015】
またポリウレタン発泡体のイソシアネート成分としてはトリレンジイソソアネート(TDI)、メタキシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、プレポリマー変性イソシアネート、及びこれらのイソシアネート化合物をフェノール、芳香族2級アミン、3級アルコール、アミド、ラクタム、複素環化合物、亜硫酸塩等でブロックしたブロックイソシアネートをINDEX=0.80〜1.20に調整し、好ましくは0.98〜1.09に調整したものなどが挙げられる。
【0016】
発泡層のマトリックスとしては特にウレタン発泡体を用いることが好ましく、ウレタン発泡体を用いることにより、安定した発泡状態を維持でき、その結果画像均一性が得られる。発泡剤としては水を用いる発泡方式、窒素、空気などの混合による機械発泡方式を用いることにより発熱を抑え破泡、連泡化を少なくし、また歪みも小さく、さらに低硬度化が得られる。発泡硬度(アスカーC硬度)は3度〜60度、さらには5〜20度にすることが好ましい。またウレタン発泡体は永久歪みが少なく繰り返しの使用によってへこみ、歪み、変形等が少なく、寸法精度が安定であり、したがって中間転写体の交換頻度を少なくすることができる。
【0017】
半導電性発泡層に加えられるイオン導電剤において、好ましいイオン導電剤としては金属塩及び4級アンモニウム塩が挙げられる。金属塩としてはI族、II族の金属塩が挙げられ、Li、Na、Kの塩が好ましい。
金属塩を構成するアニオンとしてはハロゲン(F、Cl、Br、I)、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン及びフルオロホウ酸イオン、リン酸イオン等である。
また4級アンモニウム塩としてはカルボン酸(アジピン酸、フタル酸、アゼライン酸等)、リン酸、ホウ酸、スルホン酸(アリールスルホン酸等)、ホウフッ化水素酸、過塩素酸等のアンモニウム塩が挙げられる。
半導電性発泡層には、イオン導電剤が0.001〜10%、好ましくは0.003〜2%添加され、6〜12logohmcmの抵抗調整が可能である。また、抵抗を103 〜106 ohm・cmに調整する際には、さらに抵抗制御剤の添加も可能である。
中間転写体の発泡層は0.5mm〜100mm、さらにポリウレタン注入量の調整により5〜10mmにすることが好ましい。
【0018】
導電層
本発明の導電層は導電性粉を含むことが必要であり、導電層を形成する基質材料としては高分子材料が用いられる。
そのような高分子材料は、導電層としての機能を損なわない限り特に制限はなく、公知の高分子化合物、すなわち、樹脂、プラスチックス、エラストマー、ゴムなどと称されているものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、SBR、BUR、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、NBR、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンビム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエステル系、フッ素樹脂系)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ピニリデン、アイオノマー樹脂、ポリエーテルウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
【0019】
中間転写体の導電層に使用されるゴム材、エラストマー、樹脂類としては上記のものに限定されないが、特に遠心成形可能な、液状高分子材料、または適当な有機溶剤に溶解した高分子材料が好ましい。
また、導電性粉としては、電子伝導体として用いられているものの中から適宜選択することができるが例えば好ましい電子伝導体の例として導電性カーボンブラック、導電性金属酸化物、グラファイト、金属(銅、Al、Ni、銀等)及び導電性高分子(ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセン、ポリアズレン、ポリジフェニルベンジジン、ポリビニルカルバゾール、ポリ3−アルキルチオフェン等)が挙げられる。
導電層における導電性粉の添加量は高分子材料固形分に対して1〜200wt%、好ましくは3〜100wt%であり、5〜10logohmcmに抵抗調整が可能である。
本発明においては特に遠心成形により、型面側にこれらの導電性粉体が偏在しやすく、主には薄膜の導電層に用いることによりイオン導電性の発泡層の抵抗変動(環境による抵抗変動)を抑えることができ、高温・高湿から低温・低湿まで安定した転写電流を供給可能である。
【0020】
導電層には導電性粉(電子伝導体)及びイオン導電剤の両方を含ませることが好ましい。その理由は発泡層からのイオンの移動を円滑にし、かつ表面導電層の電子伝達を有効にでき、かつ電気抵抗の環境変動を1桁以下に抑制することが可能になるからである。イオン導電剤の添加量は、高分子材料固形分に対し0.001〜10wt%、好ましくは0.003〜2wt%であり、6〜12logohmの抵抗調整が可能である。
【0021】
導電層の膜厚は下層の発泡体層の柔軟性をその上層あるいは感光体表面に伝えるために薄肉にすることが好ましく、表面硬度をその膜厚により制御し、均一なニップを得ることができ、10〜1000μm、さらには300〜600μmが好ましい。
【0022】
導電性離型層
導電層の上には導電性離型層を設けることが好ましい。導電性離型層としては、離型性を付与する例えば、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)の微粉末を含有する導電性塗料を用いることが好ましい。特に少なくとも最表面層にPVdF、PTFE、テフロン等の微粉末を含有する導電性離型層を有する中間転写体を用いた場合には、より高い2次転写効率が得られる。これは最表面層がPTFEの微粉末を含有することにより、該中間転写体の表面エネルギーが低下し、トナーの離型性が向上するためと考えられる。
表面の導電性離型層に使用される高離型性樹脂としてはシリコーン樹脂、フッ素樹脂、フルオロシリコーン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアセタール樹脂、及びポリフェニレンスルフィド樹脂等を用いることができる。また他の熱硬化性樹脂(ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等)に前記高離型性樹脂の微粉末を混合、分散し高離型性樹脂として用いてもよい。
【0023】
また、導電性を付与するために添加される導電性粉としてはケッチェンブラック、アセチレンブラック、酸化亜鉛、アンチモンドープ酸化スズ、酸化チタン、カーボン繊維等が用いられる。 これらの抵抗制御剤(導電性粉)を導電性離型層形成用塗料中に添加する場合、塗料の樹脂固形分に対して1〜200wt%、好ましくは3〜100wt%添加し、5〜10logohmに抵抗調整がされる。
さらに、本発明における導電性離型層は、1〜100μm、好ましくは20〜40μmの厚さに形成される。
【0024】
本発明の導電性離型層を得るための方法としては、中間転写体の導電層を形成する前に前もって遠心成形により導電性離型層を形成しておき、この下に順次導電層、発泡層を形成してゆく同時成形法か、或いは、遠心成形により導電層及び発泡層を形成した後、スプレー塗工、静電塗工、浸漬塗工、ロールコーター塗工、カーテンフロー塗工等を用いて導電性離型層を形成する方法などがある。同時成形による場合には、最表面層に離型性フィラーが偏在することとなり、転写残トナーが少なく高転写率が得られる。
【0025】
本発明に用いる中間転写体の体積抵抗は101-13ohmcmであることが好ましく、特に106-10ohmcmであることが好ましい。また少なくても表面層の体積抵抗率はこれらの範囲内であることが好ましい。
【0026】
製造方法
本発明の中間転写体ドラムは例えば以下のようにして製造される。
液状ポリエーテルウレタンにMDI及びテトラブチルアンモニウム過塩素塩を0.01%、導電性カーボンブラックを2%含有した塗工液をAl円筒状金型に回転(3000rpm)させながら注型し加熱硬化した後、同組成のイオン導電性(4級塩のみ添加)ウレタン化合物に水添加し同型に注型し遠心形成させながら加熱硬化(130℃×30分)及び水発泡させる。硬化終了後脱型させ、2次キュア(120℃×12時間)による未反応モノマーを最終硬化させ、円筒状導電性支持Alドラムを圧入させる。端部を所定寸法にカットし導電性塗料を静電塗工させ、1〜100μm、好ましくは20〜40μmの膜厚に調整し導電性塗膜を設ける。
【0027】
【実施例】
以下に実施例を示す。実施例中「部」は重量部を意味する。
実施例1
下記に示すA液とB液を室温で攪拌混合し、その後アセチレンブラック3部及びテトラブチルアンモニウム過塩素酸0.03部を加えて更に攪拌混合した。
Figure 0003651199
この混合物を内直径110mm径、長さ500mm、厚み5mmのAl製円筒状ドラム型に注型し、3000rpmで遠心成形した後、130℃×30分加熱硬化させ、ウレタンエラストマーをマトリックスとする膜厚300μmの導電層を得た。
【0028】
次に下層の半導電性発泡層を得るために、下記に示すウレタン発泡材料であるA液とB液を室温で攪拌混合し、その後テトラブチルアンモニウム過塩素酸0.03部を加え更に攪拌混合した。
A液
ポリエチレンアジペート(大日本インキ化学工業(株)製ODX102)
50部
B液
ポリウレタンプレポリマー(武田薬品工業(株)製タケネートL1290)
100部
TDI 3部
この混合物を上記で得たウレタンエラストマー導電層の上に注型し、窒素ガスで機械充填し、加熱(130℃×30分)硬化接着させ、導電層上に膜厚10mmの半導電性発泡層を得た。
Al型から脱型させ、さらに120℃×12時間、熟成させ、外径90mmのAlドラムに圧入させ長さ250mmにカットした。得られた中間転写体のニップ抵抗値は107.5 ohmで、硬度13度であった。
【0029】
実施例2
実施例1と同様にして中間転写体を作製した。
次にこの中間転写体の上に導電性離型層を形成するために下記処方のものをサンドミルを用いて混合分散させ導電性塗料を得た。
直鎖ポリエステル樹脂(バイロン30 SS 東洋紡製) 80部
メラミン樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、スーパーベッカミン
G821−60) 20部
導電性カーボンブラックFW200(デグサ製) 4部
フッ素樹脂粉ルブロンL−5(ダイキン工業) 10部
キシレン 100部
MEK 50部
この導電性塗料を上記中間転写体のウレタンエラストマー導電層の上に、ベル型静電塗装機を用いて、塗工し、130℃×30分乾燥させて、膜厚40μmの導電性離型層を得た。
得られた中間転写体の抵抗値は109.5 ohmで硬度は15度であった。
この中間転写体を図1に示されるフルカラー電子写真装置に装着し、感光体としてOPC感光ドラムを用いてフルカラープリントした結果、良好な画像を得た。
【0030】
実施例3
導電性離型層を得るために予め100mm型内に下記処方による導電塗料を遠心成形ドラム内に流し込み100℃×2時間キュアさせ、膜厚20μmの導電性離型層を得た。
1液性シリコーン変成ポリウレタン(信越化学工業製X−22−2956)
100部
シリコーン樹脂粉末(5μm)(信越化学工業製KMP−594)
200部
導電性カーボンブラツクFW200 10部
ジメチルホルムアミド 500部
次に、上記実施例1におけると同じ方法で導電層、半導電性発泡層を順次積層して中間転写体を得た。得られた中間転写体の抵抗値は108.3 ohm、硬度は12度であった。良好なフルカラー画像が図1のフルカラー電子写真装置を用いることにより得られた。
【0031】
実施例4
導電性離型層を得るために予め100mm型内に下記処方による導電塗料を遠心成形ドラム内に流し込み100℃×2時間キュアさせ、膜厚20μmの導電性離型層を得た。
1液性シリコーンゴム(KE1800信越化学(株)製) 100部
シリカ微粉末(15〜20μm)(エアロシル) 200部
導電性カーボンブラツクFW200 10部
ジメチルホルムアミド 500部
次に、上記実施例1におけると同じ方法で導電層、半導電性発泡層を順次積層して中間転写体を得た。得られた中間転写体の抵抗値は107.6 ohm、硬度は20度であった。良好なフルカラー画像が図1のフルカラー電子写真装置を用いることにより得られた。
【0032】
比較例1
実施例1の導電層のみの中間転写体ではトナーフィルミングが発生し、良好な2次転写性が得られず、文字の中央部が抜けた不良画像であった。
【0033】
【発明の効果】
本発明の中間転写体は、少なくとも、高分子材料に導電性粉を分散させた導電層と、イオン導電剤を含有せしめた半導電性発泡層とを含み、該導電層の抵抗がその厚み方向において、転写表面側がより小さくなっていることを特徴としており、また本発明は前記中間転写体の導電層の上にさらに導電性離型層を有していることを特徴としている。またこのような中間転写体は導電層及び半導電性発泡層、あるいはさらに導電性離型層をも同一金型内で遠心成形することにより作製される。本発明のこのような構成により以下のような効果が得られる。
(1)導電性粉が層の厚さ方向に偏在することとなり、電気抵抗が厚み方向に不均一となる。そのため抵抗バラツキが少なく常に安定した特性が再現可能となる。
(2)中抜け画像の発生もなく高品位な画像をえることができる。
(3)導電層に導電性粉(電子伝導体)とイオン導電剤を併用(ハイブリッド導電層)することにより抵抗変動(環境変動、印加電圧変化)の少ない積層中間転写体を得ることができる。
(4)同軸遠心成形のため各層の真円度が優れ各層の厚さが一定となり、その後の研磨加工を省くことができる。
(5)下層との一体成形のため層間剥離がなく繰り返し耐久性に優れた良好な画像をえることができる。
(6)表面層から発泡層まで異種のゴム、エラストマー、樹脂材料が積層可能で接着層などを必要とせず耐久性に優れた中間転写体が得られる。
(7)抵抗制御性がカーボンブラックなど導電性微粉を用いることにより遠心成形による回転数、樹脂粘度、離型性フィラーの添加量などにより制御可能となりウレタン材料のカーボンブラックによる加工性不良を抑えることができる。
(8)中間転写体を作製する際、導電層、半導電性発泡層及び導電性離型層を共に遠心成形する方法を採用すると、最表面層に離型性フィラーが偏在することにより、離型効果が大きくなり転写残トナーが少なく高転写効率が得られる。
(8)得られる中間転写体の形状がドラム、ローラー、ベルトなど種々の形状の中間転写体とすることができる。(後処理によりSUSシャフト、Alドラムの圧入が可能であり、ローラー成形により小サイズ化にも対応できる。)
【図面の簡単な説明】
【図1】中間転写体を用いるフルカラー画像形成装置の概略図である。
【図2】中間転写体を作製する工程を示すフロー図である。
【図3】中間転写体の概略断面図である。
【符号の説明】
1 OPC感光体ドラム。
2 1次帯電器
3 画像露光
4 給紙カセット
5 OPCクリーナー
6 定着器
7 中間転写体
8 転写ローラー
91〜94 各色現像装置
10 円筒状アルミニウム金属支持体
20 半導電性発泡層
30 導電層
40 導電性離型層

Claims (10)

  1. 少なくとも、高分子材料に導電性粉を分散させた導電層と、イオン導電剤を含有せしめた半導電性発泡層とを含み、該導電層の抵抗がその厚み方向において、転写表面側がより小さくなっていることを特徴とする中間転写体。
  2. 導電層が導電性粉とイオン導電剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
  3. 前記半導電性発泡層が4級アンモニウム塩またはアルカリ金属塩を添加したイオン導電性ウレタン発泡体からなることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
  4. 前記中間転写体がドラム状であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
  5. 前記中間転写体がベルト状であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
  6. 少なくとも、導電性粉を分散させた導電性離型層と、高分子材料に導電性粉を分散させた導電層と、イオン導電剤を含有せしめた半導電性発泡層とを含み、該導電性離型層及び該導電層の抵抗がその厚み方向において、転写表面側がより小さくなっていることを特徴とする中間転写体。
  7. 同軸遠心成形方法を利用して、高分子材料に導電性粉を分散させた導電層、及びイオン導電剤を含有せしめた半導電性発泡層を含む積層体を作製する工程を含む、請求項1に記載の中間転写体の製造方法。
  8. 同軸遠心成形方法を利用して、導電性離型層、高分子材料に導電性粉を分散させた導電層、及びイオン導電剤を含有せしめた半導電性発泡層をこの順序で含む積層体を作製する工程を含む、請求項6に記載の中間転写体の製造方法。
  9. 少なくとも、導電性粉を分散させた導電性離型層と、高分子材料に導電性粉を分散させた導電層と、イオン導電剤を含有せしめた半導電性発泡層とを含み、該導電層の抵抗がその厚み方向において、転写表面側がより小さくなっていることを特徴とする中間転写体。
  10. 同軸遠心成形方法を利用して、高分子材料に導電性粉を分散させた導電層及びイオン導電剤を含有せしめた半導電性発泡層を含む積層体を作製した後、前記導電層の上に導電性離型層を形成する導電性塗料を塗布する工程を含む、請求項9に記載の中間転写体の製造方法。
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