JPH09109291A - ローラの製造方法 - Google Patents

ローラの製造方法

Info

Publication number
JPH09109291A
JPH09109291A JP27313495A JP27313495A JPH09109291A JP H09109291 A JPH09109291 A JP H09109291A JP 27313495 A JP27313495 A JP 27313495A JP 27313495 A JP27313495 A JP 27313495A JP H09109291 A JPH09109291 A JP H09109291A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foam
acrylic resin
urethane
roller
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27313495A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Satoyoshi
実 里吉
Hiroto Makiguchi
啓人 巻口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP27313495A priority Critical patent/JPH09109291A/ja
Publication of JPH09109291A publication Critical patent/JPH09109291A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Cleaning In Electrography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、表面が平滑で、硬度が低く、被接触
部品とのミクロな部分で密着して長期にわたり静電気的
なコントロールを可能とする表面平滑な薄膜を有し、膜
強度の向上を図った種々の帯電特性(抵抗値のバラツ
キ、感光体への汚染等)が優れるローラの製造方法を提
供することを目的とする。 【解決手段】筒状内周面に割線を持たない円筒状のモー
ルドの内周面にアクリル樹脂成分が5〜80重量%含有
されたウレタン変性アクリル樹脂又は水系樹脂を含む塗
膜を形成して硬化させる工程と、2個以上の活性水素を
含有する化合物と2個以上のイソシアネート基を有する
化合物及び触媒や整泡剤等の添加物を含む混合物を機械
的攪拌によって泡立てて発泡体を形成する工程と、前記
モールドに発泡体を注入し、前記塗膜と発泡体を一体化
する工程と、硬化された発泡体をモールドから取り出す
工程と、からなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録等のプリンターにおけるトナー搬送用ローラ、帯電ロ
ーラ、転写ローラ、現像ローラ、クリーニングローラ等
の静電気的に対象物をコントロールする目的で用いられ
る導電性ローラに使用されるローラの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来カートリッジに用意されているトナ
ーを静電潜像が形成されている感光体に供給し、用紙に
転写、定着させる電子写真プロセスは、一般に帯電、
感光、現像、転写、定着、除電の各機構から
なり、各機構とも静電気を精密にコントロールするため
の各種のローラが使用され、近年ますますそのローラ素
材に対する要求特性は厳しくなっている。特にトナー搬
送用のローラ等を含む現像機構に用いられるローラ、帯
電ローラ、転写ローラ、現像ローラ、またクリーニング
機構に用いられるローラ等は静電気的に非接触物をコン
トロールする為ローラを構成する素材の導電性は非帯電
のレベルで狭い範囲(5℃〜45℃において1桁、例え
ば1×109 Ω・cm〜1×1010Ω・cmの範囲)に
コントロールされていることが要求されている。また、
これらのローラは感光ドラム等精密部品との接触で相手
に傷つけないこと、あるいはローラの接触面積を増して
グリップ性を正確にする目的から導電性弾性体が用いら
れているが、特に圧縮硬度を低減出来る事から発泡体を
用いることが検討されている。
【0003】しかしながら、発泡体で構成されたローラ
は一般的にブロック状の発泡体に芯金をセットし、ロー
ラ表面を研磨して形状を出す為に最終製品の表面はポー
ラスとなり、帯電ローラの如くミクロな部分で静電気を
コントロールする必要がある場合には表面に露出した発
泡体のセルの粗さに問題があった。このような問題を解
決する為、従来技術としては特開昭61−150370
号公報に、円筒状の成形型の中心にシャフトを配置し、
このシャフトの周囲にポリオール、イソシアネート、発
泡剤等の混合物を注入後発泡させて皮革状のスキンと弾
性フォームを同時に成形する所謂インテグラルスキンフ
ォームの技術を用いることが提案されている。別の解決
手段としては、ポーラスな表面を持つローラに塗装する
方法やポーラスな表面を持つローラを制作した後にチュ
ーブ状の表面層を被せて接着させる方法及びシュリンク
チューブを被せる方法などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】インテグラルスキンフ
ォームの技術を用いた方法では、表面のスキンは内部の
フォーム部との境が明確でなく、ローラ径の小さいプリ
ンター用のローラにおいては特に所望のローラ表面を得
る為には全体が高密度のスキン状態になり、前述の硬度
低下の効果が期待できない。またこのようなインテグラ
ルスキンフォーム技術は型内に液状の発泡性混合物を注
入して発泡し、型温度と型内圧力でスキンを形成する
為、シャフトのセットされたモールドのシール性等生産
技術の難しさ(不良が多くなる)、又エアの巻き込みを
防ぐ為に縦型発泡した場合には上と下とで密度差(硬度
差)が生じる不都合があった。
【0005】また、ポーラスな表面を持つローラに塗装
する方法では、従来、カーボン等の導電性粒子を分散し
たローラにナイロン等を被覆したローラがあった。
【0006】しかし、このようなナイロン等を被覆した
ローラは、感光体の汚染は防止できるものの、環境によ
る抵抗の変化が大きく、例えば低温、低湿下では均一に
帯電できないため、反転現像で黒ポチやカブリが発生す
る場合がある。更に、このような表面層の抵抗を導電性
材料の添加でコントロールする場合には、添加量によ
り、抵抗値が大きく変化するため、製造上所望の抵抗値
が得られにくく、帯電性能のばらつきが生じ易いという
問題もある。
【0007】更に、チューブを被せる方法では、ローラ
径に合わせた径のチューブを作成する煩雑さに加えて、
被覆、接着の工程が増えることによるコストアップ、更
に発泡体の硬度を損なわない様なチューブ状素材の材
質、厚みの選定が難しいという難点があった。
【0008】そこで、本発明は、表面が平滑で、硬度が
低く、被接触部品とのミクロな部分で密着して長期にわ
たり静電気的なコントロールを可能とする表面平滑な薄
膜を有し、膜強度の向上を図った種々の帯電特性(抵抗
値のバラツキ、感光体への汚染等)が優れるローラの製
造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の如く、筒
状内周面に割線を持たない円筒状のモールドの内周面に
アクリル樹脂成分が5〜80重量%含有されたウレタン
変性アクリル樹脂又は水系樹脂を含む樹脂塗膜を形成し
て硬化させる工程と、2個以上の活性水素を含有する化
合物と2個以上のイソシアネート基を有する化合物及び
触媒や整泡剤等の添加物を含む混合物を機械的攪拌によ
って泡立てて発泡体を形成する工程と、前記モールドに
発泡体を注入し、前記塗膜と発泡体を一体化する工程
と、硬化された発泡体をモールドから取り出す工程とか
らなることを特徴とする。さらに、請求項2の如く、上
記ウレタン変性アクリル樹脂がシリコーン成分を1〜5
0重量%含有することを特徴とする。さらに、請求項3
の如く、上記ウレタン変性アクリル樹脂が硬化剤を含有
することを特徴とする。さらに、請求項4、5の如く、
上記ウレタン変性アクリル樹脂が導電性材料を含有する
こと、及び上記ウレタン変性アクリル樹脂がシリカを含
有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、低密度を保ったまま
表面に平滑な薄いスキン(膜)を形成させることが出
来、しかも塗膜を設けることで長期使用における摩耗防
止や膜強度向上も図れる。又、平滑なスキンの表面に塗
膜が一体に形成されるので、ローラ表面が平滑となる。
【0011】また、発泡体の表面にアクリル樹脂成分が
5〜80重量%含有されたウレタン変性アクリル樹脂又
は水系樹脂を含む塗膜を形成することにより、環境によ
る抵抗変化が少なく、表面粗度の良い帯電環境安定性に
優れたローラを得ることができ、しかも導電性材料の添
加により表面抵抗を調節する場合には添加量に応じて比
較的緩徐に抵抗値が変化し、このため所望の抵抗値に確
実に調節することができ、しかも、このローラを用いた
画像形成装置において、トナー融着等の発生のない高品
位な画像が得られる。
【0012】以下、本発明につき図面を用いて詳細に説
明する。図1及び図2は、本発明の製造方法の一工程に
使用する円筒部及びモールドの一例を示す断面図であ
る。
【0013】本発明の製造方法としては、発泡体導入口
5及びエア抜き口6を有し、後に発泡体硬化用として使
用するモールドのうち、先ず、円筒部4のみを単独で使
用し、この円筒部4の内周面に塗膜3を形成して硬化さ
せる。この場合、使用する円筒部4としては、図1に示
すように、後に上部枠部7の穴に嵌合すべき勘合凸部4
Aとなる部位を除く内周面全体領域に塗膜3を形成させ
る為に凹部4Bが形成されているとともに、内周面に割
線を持たない円筒状のものが使用されている。
【0014】なお、この上部枠部7は略円板状のもので
あって、エア抜き口6を有する。このエア抜き口6によ
ってモールドの円筒部4内で発泡体がエアとスムーズに
置換して成形品にボイド等の不良発生を防止することが
出来る。このエア抜き口6の位置、大きさ、数、形状等
は特に制限はないが、一般に、下部枠部8のキャビティ
ーへの発泡体導入口5と反対側、即ち発泡体が最後に充
填する位置に設けることが好ましく、又上部枠部7のエ
ア抜き口6の穴の形状は円形、四角形等適宜な形状を採
用し得るが、1個の穴の面積は一般に0.5〜2mm2
の範囲とすることが好ましい。更にこの円筒部4は、シ
ャフト1と一体成形後に引き抜き脱型する為に、図2で
示す如く円筒部を挟持する上部及び下部の枠部7、8と
は分離できる(着脱可能)構造とする。なお、表面平滑
性を向上させ、表面のピンホール等の欠陥の発生を防止
する為、円筒部4内周面をテフロン加工すると一層好ま
しい。
【0015】次に、このモールドの内周面に予めウレタ
ン変性アクリル樹脂又は水系樹脂を含む塗料を浸漬コー
トした後乾燥し、塗膜3を形成しておく。
【0016】2個以上の活性水素を含有する化合物、2
個以上のイソシアネート基を有する化合物、触媒その他
の添加剤を含む混合物を機械攪拌により泡立てて発泡体
を形成するものであるが、この発泡体の形成は公知の方
法によって混合物に不活性ガスを均一に分散させること
によって行うことができる。なお、ここで使用する不活
性ガスとしては空気、CO2 ガス、N2 ガス等が挙げら
れる。
【0017】本発明においては、このようにして得られ
た発泡体を、エア抜き口6を有するモールド(円筒部4
に上下各部の枠部7、8を挟時して組み立てたもの)内
に発泡体導入口から圧入し、このモールド内の発泡体を
先に形成してある塗膜3と一体に硬化させてローラを形
成するものである。この場合、細長い筒状体ローラの形
成に好適に採用し得、特に長さ100〜300mm程
度、外径5〜30mmのものをボイド等の不良を防止し
て形成し得る。
【0018】ここで、モールド内に発泡体を圧入すると
きの圧力は大気圧以上、好ましくは2〜5atmとする
もので、大気圧未満の圧力では細長い筒状体を形成した
場合、ボイド状の不良が生じてしまう。また、圧入する
方法としては、特に制限はないが、ポンプによる圧送や
かき混ぜ機の吐出圧力を利用してホース等でモールド内
に圧入することができる。
【0019】また、加熱硬化も通常の条件を採用するこ
とができ、例えば50〜120℃の温度で5〜20分加
熱する条件が採用し得る。
【0020】このようにして得られる発泡体は、発泡体
形成時に泡量を選定することにより、種々密度のフォー
ムが得られるが、特に本発明では0.2〜0.8g/c
3の密度の発泡体を得る場合に好適に採用される。
【0021】このようにして製造されたローラの断面図
を図3に示す。シャフト1の周囲に硬化された発泡体か
らなる円筒体2、その表面には自己被膜、すなわち薄い
スキン2Aが形成され、最外層に塗膜3が形成されてい
る。
【0022】次に本発明の製造方法に用いられる材料に
ついて詳しく述べる。本発明の塗膜3に用いられるウレ
タン変性アクリル樹脂としては、相溶性、液安定性、膜
柔軟性等の観点から、ウレタン樹脂とアクリル樹脂成分
を化学的に結合することがより効果的である。具体的な
方法としては、β−ヒドロキシエチルメタクリレート等
により、アクリル重合体に水酸基を導入したポリマーと
分子末端にイソシアネート基をもつウレタンプレポリマ
ーとの反応又は下記のような分子末端に(片末端又は両
末端)に水酸基をもつアクリル成分とウレタンプレポリ
マーとの反応により、合成される(A:アクリル酸、ア
クリル酸エステルモノマーあるいはオリゴマー)。こう
して得られる重合体において、ウレタン鎖とアクリル鎖
は互いにブロック型で結合していてもよく又グラフト型
で結合していてもよい。
【化1】
【0023】また、このウレタン変性アクリル樹脂は、
上述の方法に限定されるものではなく、その他にもアク
リルジオール混合系にジイソシアネートを添加する方
法、アクリルモノマーに両末端イソシアネートポリエス
テル、ポリエーテル等を付加し、そのウレタンアクリレ
ートを重合する方法等によっても得ることができる。ま
た、これらの合成に用いられるアクリル樹脂成分として
は、ポリマーとしてのガラス転移温度Tg が室温から約
80℃までのものが好ましく、上記β−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートの他に、例えば、エチルメタクリレー
ト、イソブチルメタクリレート、グリシジルメタクリレ
ートなどを含むものが用いられる。この際のウレタン変
性アクリル樹脂中におけるアクリル樹脂成分の組成とし
ては5〜80重量%、特に10〜60重量%であること
が好ましく、更に20〜50重量%であることがより好
ましい。
【0024】更に、感光体との密着性改良の観点から、
ウレタン変性アクリル樹脂中にシリコ−ン成分を含むこ
ともできる。具体的には、例えばシリコ−ン鎖を含むポ
リオ−ルを原料として用いたウレタンプレポリマ−とア
クリル成分との反応により合成する等の方法が考えられ
る。この場合、ウレタンプレポリマ−中におけるシリコ
−ン成分の組成としては2〜80重量%、特に5〜50
重量%であることが好ましい。又、反応後のウレタン変
性アクリル樹脂中におけるシリコ−ン成分の組成として
は1〜50重量%、特に3〜30重量%であることが望
ましい。
【0025】なお、ウレタン変性アクリル樹脂は、帯電
部材の表面層に単独で含有されても、2種以上が含有さ
れても差し支えなく、他の樹脂を混合して用いてもよ
い。この場合、ウレタン変性アクリル樹脂以外の樹脂と
しては、ポリエステル、フェノール樹脂、ポリアミド、
エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂又はメラミン樹
脂等が挙げられる。
【0026】また、更にウレタン変性アクリル樹脂に
は、その塗膜の強さを増大させるため、硬化剤を用いて
架橋させても良い。架橋は、主剤と硬化剤に水酸基とイ
ソシアネート基のような反応基を含有させて行なうこと
が出来る。硬化剤には、例えば2官能のジイソシアネー
ト類、或はそれ以上の官能基を有するポリイソシアネー
ト等を用い、硬化剤に柔軟性を与える基を導入する等に
より、強伸度を容易にアップさせ、塗膜の耐久性を改良
すること等ができる。また、硬化剤には密着性をより改
善する等で、硬化剤にシリコーン成分を含有しても良
い。
【0027】また、本発明の塗膜3に用いられる水系樹
脂としては、水を溶媒とするものであればいずれのタイ
プでも良く、水溶性タイプ、エマレジョンタイプ、サス
ペンジョンタイプ等がある。例示すると、バイロナール
(東洋紡)等のポリエステル系、ダイヤナール(三菱レ
ーヨン)等のアクリル系、ボンコート(大日本イン
キ)、エコロエース(中国塗研)等のウレタン系、ポリ
ジオキソラン(日本触媒)等の温水可溶性系、等が挙げ
られるが、なかでもバイロナール等のポリエステル系、
フッ素系等が好ましい。また、できれば、乾燥後は水に
再溶解しにくい樹脂が好ましい。
【0028】また、導電性材料としては、導電性を付与
できる物であれば、いずれでも良い。例示すると、カー
ボン、グラファイト、金属酸化物、イオン性物質、導電
性高分子等が挙げられるが、なかでもカーボンが好まし
い。とりわけ、水系樹脂の場合には酸素含有量が6%以
上、好ましくはpHが5以上のカーボンが最適であり、
例えばSMP−4(オリエント化学)が挙げられる。さ
らに、増粘剤、チクソトロピー性付与剤、構造粘性付与
剤等を適時加えても良い。それらは、無機系、有機系い
ずれでも良く、例示するとシリカ(日本シリカ)、アエ
ロジル(日本アエロジル)、ラポナイト(日本シリ
カ)、シックナー(サンノブコ)等が挙げられる。水性
樹脂は、粘度の低いものが多いために、塗膜の厚膜化に
苦慮しやすいが、これら増粘剤、チクソトロピー性付与
剤、構造粘性付与剤等を添加することにより、所望とす
る厚みの塗膜を容易に形成できるようになる。
【0029】更に、カーボンブラック等で全体の抵抗を
調節した塗膜3に、部分的なピンホールリークや、感光
ドラムとの密着性改良のために、いわゆるシリカ(ホワ
イトカーボン)を添加しても良い。シリカは微粒子珪酸
及び珪酸塩であり、通常カーボンブラックに次ぐ補強性
を有し、ゴム等の強伸度、硬度、耐摩耗性等を改良し、
透明ないし鮮明な製品に使用されるもので、これらは一
般に10〜50μmの超微粒なかさ高い白色粉末で、天
然産の珪酸や珪酸塩の粉砕品とは製法、性質が異なる。
シリカを製法上から分類すれば、乾式法による無水珪酸
(デグッサ製アエロジル等)、湿式法による含水珪酸
(バイエル製ブルカシル等)及び合成珪酸塩(珪酸マグ
ネシウムなど)等が挙げられる。
【0030】なお、塗膜3の厚さ200μmとすること
が好ましく、また、上記塗膜3には上述したウレタン変
性アクリル樹脂からなる塗膜を公知の塗装方法により、
少なくとも1層以上積層してもよい。
【0031】発泡体2としては、例えばカーボンブラッ
クをポリウレタンプレポリマー中に配合し、このプレポ
リマーを架橋反応させる方法、ポリオールに導電性材料
を配合し、このポリオールをワンショット法によりポリ
イソシアネートと反応させる方法等の方法で得ることが
できる。
【0032】2個以上の活性水素を含有する化合物(ポ
リヒドロキシル化合物)としては、一般の軟質ポリウレ
タンフォームやウレタンエラストマー製造に用いられる
ポリオール、例えば、末端にポリヒドロキシル基を有す
るポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及
び両者の共重合物であるポリエーテルポリオールが挙げ
られるほか、ポリブタジエンポリオールやポリイソプレ
ンポリオール等のポリオレフィンポリオール、ポリオー
ル中でエチレン性不飽和単量体を重合させて得られる所
謂ポリマーポリオール等の一般的なポリオールが使用で
きる。また、2個以上のイソシアネート基を有する化合
物(ポリイソシアネート化合物)としては、同様に一般
的な軟質ポリウレタンフォームやウレタンエラストマー
製造に使用されるポリイソシアネート、即ち、トリレン
ジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製M
DI、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭
素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート及びこれらポ
リイソシアネートの混合物や変性物、例えば、部分的に
ポリオール類と反応させて得られるプレポリマー等が用
いられる。
【0033】これらのポリウレタンに配合する導電性材
料としては、まず粉体について例示すればケッチェンブ
ラックEC、アセチレンブラック等の導電性カーボン、
SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、
FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラ
ー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラフ
ァイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化
錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマ
ニウム等の金属及び金属酸化物、ポリアニリン、ポリピ
ロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等が挙げら
れる。その配合量は、全ゴム成分100重量部に対して
3〜100重量部、特に5〜50重量部とすることがで
き、これにより塗膜3の体積固有抵抗を102 〜1010
Ω・cmに調整することができる。
【0034】次に、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリ
ウム等の無機イオン物質や、4級アンモニウム塩等の有
機イオン物質からなるイオン性導電材、陽イオン性界面
活性剤、負イオン性界面活性剤、各種ベタイン等の両性
イオン界面活性剤、親水性のポリエーテルやポリエステ
ル等の非イオン性帯電防止剤を併用してもよい。また、
ウレタンの場合にはポリオール成分を予めイソシアネー
トによりプレポリマー化しておくことも好ましい。その
配合量は、ウレタン100重量部に対して0.5〜50
重量部、特に1〜30重量部とすることができ、これに
より導電層3の体積固有抵抗を102 〜1010Ω・cm
に調整することができる。なお、その他の導電材ではテ
トラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、ベン
ゾキノン、クロルアニル、アントラキノン、アントラセ
ン、ジシクロジシアノベンゾキノン、フェロセン、フタ
ロシアニン等の電荷移動錯体を形成し得る電子受容物質
を配合することもでき、その場合の配合量は、ウレタン
100重量部に対して0.001〜20重量部、特に
0.01〜1重量部とすることができる。
【0035】このモールド内に発泡体を圧入することに
より、モールド内の空気と発泡体との置換がスムーズに
行われ、モールド内が発泡体で満たされた後、この泡体
を80℃、10分で硬化させることにより、ボイドのな
い微細セルを有する細長い発泡体の表面に平滑なスキン
2A及び塗膜3を有する形で成形出来た。この平滑なス
キン2Aを取り巻く格好で柔軟性のあるウレタンの塗料
の滲み込みもほとんどなく、自己形成スキン2Aと一体
化した平滑な塗膜3を形成することができると共に強度
も向上した。
【0036】
【実施例】
(実施例1)内周面に割線を持たない円筒状のものが使
用された円筒部4を使用し、まずこの円筒部4の内周面
に塗料を塗布する。この後、加熱硬化を行い塗膜3を形
成するのであるが、図1における円筒部4は内径を12
mm、長さを23cm、図2におけるシャフト1は直径
6mm、長さ25cmのものを使用した。この実施例で
の塗膜3は、トルエン−メチルエチルケトン混合液を溶
媒として溶解させたウレタン変性アクリル樹脂(EAU
−80B.亜細亜工業社製、アクリル樹脂成分50重量
%)中にカーボンブラック2400B(三菱化成社製)
を20phr添加し、レッドデビルで混合したものであ
る。この塗料を円筒部4内周面に塗布し、120℃、5
Hrキュアーして塗膜3を形成した。塗膜の厚みは12
0μmであった。
【0037】次に発泡体としては、グリセリンにプロピ
レンオキサイドとエチレンオキサイドを付加して分子量
5000としたポリエーテルポリオールを100重量
部、ウレタン変性MDIを25重量部、1,4ブタンジ
オールを2.5重量部、シリコン界面活性剤を1.5部
重量部、ジブチルチンジラウレートを0.01重量部、
カーボンを10重量部調合し、泡立機で攪拌し、この発
泡体を、図2に示したモールドを用いて円筒状のローラ
を成形した。
【0038】この帯電部材の表皮層の体積抵抗率を測定
すると共に、帯電性能、表面性を評価した。結果を表1
に示す。
【表1】 なお、この場合、抵抗率の測定及び帯電性能試験は、温
度23℃、湿度55%の場合と、温度15℃、湿度10
%の場合において行い、抵抗率の測定はアルミニウムシ
ート上に上記と同様の表皮層を形成して行い、また、帯
電性能試験は、図3において帯電部材として上記ローラ
を用い、帯電部材、感光体両者を回転させながら、両者
間に−0.75kVの直流に1.5kVの交流を重畳し
た電圧を印加して、現像の位置での感光体の帯電電位を
測定することにより行った。また、トナー融着、トナー
付着むら、トナー付着量に関しては、図3の画像形成装
置を用い、それぞれ高温高湿(温度33℃、湿度85
%)及び低温低湿(温度10℃、湿度15%)環境下に
おいて連続画像出しテストを行い、5000プリント後
の画像、感光体の表面状態を観察し評価した。
【0039】また、作成したローラに対して感光ドラム
にピンホールをあけ、図3の画像形成装置を用いてピン
ホールリークテストを行った。また、感光ドラムに上記
ローラを両端に500gの荷重をかけ当接し、60℃×
3日の密着性テストを行った。
【0040】(実施例2)実施例1において、ウレタン
変性アクリル樹脂をEAU−80B(亜細亜工業社製、
アクリル樹脂成分50重量%)とし、更にSS20(日
本シリカ工業社製)を30phr追加した以外は実施例
1と同様に帯電ローラを作成し、同様の評価を行った。
【0041】(実施例3)実施例1において、ウレタン
変性アクリル樹脂をEAU−37B(側鎖に水酸基を持
たせたタイプ。亜細亜工業社製、アクリル樹脂成分40
重量%、シリコ−ン成分含有5%)とし、更にSS20
(日本シリカ工業社製)を30phr追加し、レッドデ
ビルで混合して分散液を得た。これに末端にイソシアネ
ート基を持った硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネー
ト3量体)を添加して分散液を得た。この分散液を実施
例1と同様に帯電ロ−ラを作成し、同様の評価を行っ
た。
【0042】(実施例4)実施例1において、塗膜を形
成する分散液を2種類とした。すなわち、円筒部の外層
に実施例3で使用した分散液を用い、10μmの塗膜を
形成させ、更にその上に実施例2で使用した分散液を用
い120μmの塗膜を形成した。後は実施例1と同様の
ローラを作成し、同様の評価を行った。
【0043】(実施例5)実施例4において、内筒部の
外層に「EAU37B」の代替えとして「EAU21
B」(側鎖に水酸基を持たせ、更にシリコーン成分を7
%含有させたタイプ。亜細亜工業社製、アクリル樹脂4
0重量%)とし、更にSS20(日本シリカ工業社製)
を30phr追加し、レッドデビルで混合した後、硬化
剤(ヘキサメチレンジイソシアネート3量体)を添加し
た分散液を使用し、実施例4と同等のローラを作成し、
実施例1と同様の評価を行った。
【0044】(実施例6)実施例5において、内筒部の
内層に「EAU80B」の代替えとしてポリエステル系
樹脂「バイオナール」(東洋紡製、バイオナール・MD
1930)に、カーボン「SMP4」(オリエント化学
社製)40phrをレッドデビルにて混合した分散液を
用い、実施例5と同様のローラを作成し、実施例1と同
様の評価を行った。
【0045】(比較例1)実施例1において、先に発泡
体を形成後、実施例1で用いた分散液をディッピングに
より塗膜を形成したローラを作製し実施例1と同様の評
価を行った。
【0046】(比較例2)実施例1において、先に発泡
体を形成後、実施例1で用いた分散液をコーター方式に
より塗膜を形成したローラを作製し実施例1と同様の評
価を行った。
【0047】(比較例3)実施例1において、先に発泡
体を形成後、実施例1で用いた分散液をスプレー方式に
より塗膜を形成したローラを作製し実施例1と同様の評
価を行った。
【0048】(比較例4)実施例5において、先に発泡
体を形成後、実施例4で用いた分散液をディッピング方
式により塗膜を形成したローラを作製し、同様の評価を
行った。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
自己形成される平滑で薄いスキンが形成されたポーラス
な表面ではない硬化された発泡体の表面に塗膜を形成す
ることで、低密度を保った発泡体の成形が容易であり、
表面が平滑で表層の強度が向上し、種々の帯電特性(抵
抗値のバラツキ、感光体への汚染等)が優れたローラの
製造を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の一工程に使用する円筒部の
一例を示す断面図である。
【図2】本発明の製造方法の一工程に使用するモールド
の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の製造方法により得られたローラの一例
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シャフト 2 発泡体 2A スキン 3 塗膜 4 円筒部 7 上部枠部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // F16C 13/00 G03G 21/00 312 B29K 33:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状内周面に割線を持たない円筒状のモ
    ールドの内周面にアクリル樹脂成分が5〜80重量%含
    有されたウレタン変性アクリル樹脂又は水系樹脂を含む
    塗膜を形成して硬化させる工程と、 2個以上の活性水素を含有する化合物と2個以上のイソ
    シアネート基を有する化合物及び触媒や整泡剤等の添加
    物を含む混合物を機械的攪拌によって泡立てて発泡体を
    形成する工程と、 前記モールドに発泡体を注入し、前記塗膜と発泡体を一
    体化する工程と、 硬化された発泡体をモールドから取り出す工程とからな
    ることを特徴とするローラの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記ウレタン変性アクリル樹脂がシリコ
    ーン成分を1〜50重量%含有することを特徴とする請
    求項1記載のローラの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記ウレタン変性アクリル樹脂が硬化剤
    を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のロー
    ラの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記ウレタン変性アクリル樹脂が導電性
    材料を含有することを特徴とする請求項1乃至3及びい
    ずれか1項記載のローラの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記ウレタン変性アクリル樹脂がシリカ
    を含有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1
    項記載のローラの製造方法。
JP27313495A 1995-10-20 1995-10-20 ローラの製造方法 Pending JPH09109291A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27313495A JPH09109291A (ja) 1995-10-20 1995-10-20 ローラの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27313495A JPH09109291A (ja) 1995-10-20 1995-10-20 ローラの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09109291A true JPH09109291A (ja) 1997-04-28

Family

ID=17523601

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27313495A Pending JPH09109291A (ja) 1995-10-20 1995-10-20 ローラの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09109291A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001092964A1 (fr) * 2000-05-31 2001-12-06 Bridgestone Corporation Procede de production de cylindres d'imageur, cylindres d'imageur, et imageur
JP2002361652A (ja) * 2001-06-11 2002-12-18 Bridgestone Corp ウレタンローラの製造方法およびウレタンローラ
JP2005195709A (ja) * 2003-12-31 2005-07-21 Fuji Enterprise Kk クリーニングローラ、その製造方法及びその製造に使用するモールド
JP2011097994A (ja) * 2009-11-04 2011-05-19 Tsuchiya Tsco Co Ltd 回転体

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001092964A1 (fr) * 2000-05-31 2001-12-06 Bridgestone Corporation Procede de production de cylindres d'imageur, cylindres d'imageur, et imageur
JP2002361652A (ja) * 2001-06-11 2002-12-18 Bridgestone Corp ウレタンローラの製造方法およびウレタンローラ
JP2005195709A (ja) * 2003-12-31 2005-07-21 Fuji Enterprise Kk クリーニングローラ、その製造方法及びその製造に使用するモールド
JP2011097994A (ja) * 2009-11-04 2011-05-19 Tsuchiya Tsco Co Ltd 回転体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5599024B2 (ja) 現像ローラとその製造方法、プロセスカートリッジ、電子写真装置
JP5204951B2 (ja) 現像ローラ及びそれを備えた画像形成装置
JP4730766B2 (ja) 導電性ロール及びその製造方法
JP3149085B2 (ja) 複写機用ローラーの表面被覆方法
JP4313988B2 (ja) 現像ローラの製造方法
JPH09109291A (ja) ローラの製造方法
JP5022686B2 (ja) 現像ローラの製造方法
JP3617349B2 (ja) 導電性ロール
JP2743294B2 (ja) ローラー用発泡体の製造方法
JP3873488B2 (ja) 低硬度導電性ロールの製法
JP3651199B2 (ja) 中間転写体及びその製造方法
JP3620592B2 (ja) 転写ローラ及び転写装置
JP2003195597A (ja) 導電性ローラ、その製造方法及び該ローラを用いた画像形成装置
JPH0844149A (ja) 導電性ローラ及びこれを用いた装置
JP5361342B2 (ja) 現像ローラ、現像ローラの製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真用画像形成装置
JP4865318B2 (ja) 現像ローラ、その製造方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JPH09171309A (ja) 転写ローラ及び転写装置
JP2885200B2 (ja) 現像ローラ及び現像装置
JP4966581B2 (ja) 現像ローラおよびそれを備えた画像形成装置
JP3870466B2 (ja) 半導電性ロール
JP3451738B2 (ja) 帯電部材及び帯電装置
JP4481375B2 (ja) 導電性部材
JP2956503B2 (ja) 現像ローラ及び現像装置
JPH11352770A (ja) トナー担持体及び画像形成装置
JPH05188774A (ja) 事務機器用現像ロール

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040903

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050201