JP3969063B2 - 偽造防止印刷物 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機などによる複製を利用した偽造を極めて困難にした偽造防止印刷物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真技術を利用した複写機が普及し、これを利用して誰でもが簡単に紙などに印刷された文字や画像を複写することができるようになった。特に、最近のカラーデジタル複写機によれば、原稿か複写物かの見分けが極めて困難な複写物でさえも容易に作成することができる。
【0003】
一般的なカラーデジタル複写機の原理は以下のようである。
すなわち、まず原稿に光を照射し、反射光をCCDラインセンサで検知する。CCDラインセンサでは、反射光の強度に応じたデジタル信号を生成し、複写機内のメモリに送信する。この読み取り過程をレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3色について行い、それぞれの場合のデジタル信号をメモリに格納する。次に格納されたデジタル信号に基づいて、レーザ光を感光体ドラムの表面に照射し、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)のトナーを感光体ドラムの上に順次静電吸着させ、これらのトナーを順次紙などのシート上に転写して定着させる。
これにより、カラーの画像が形成された精巧な複写物を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
係るカラー複写は便利である反面、株券、債券、約束手形、小切手などの有価証券や、入場券、搭乗券などの印刷物などの不正な複写が容易に行われてしまうという問題が増加しつつある。このため、容易に複写できないように印刷物に複製防止対策を施す提案が種々なされている。
【0005】
その一つとして、カラー複写による複写物の色が原稿の色と異なるように再現させようとする技術が提案されている。これは、例えば原稿とされうる有価証券などの一部を非常に淡い色で着色すると、複写物では淡い色の部分が正確に再現できないという現象を利用した偽造防止技術である。また、原稿に大きさの異なる網点を形成しておくことにより複写しても小さい網点の再現性が悪化し、原稿の網点が正確に再現ができないようにした技術の提案もある。さらにはカラー複写機のトナーには無い緑、紫、橙、金、銀等の色相のインキで一部のパターンを印刷しておくことで複写物の色再現性が悪化するようにした技術や、人間の視認度が低い領域例えば380nm〜450nmおよび650〜780nmあたりの波長域に特徴をもたせた2種類のインキを用いて印刷を施すことで見た目には原稿上では同色に認識されるが、カラー複写により得られる複写物上では異なる色に再現されてしまうようにした技術等もある。
【0006】
しかし、カラー複写機では、3色に分解されてメモリに格納されたデジタルデータを変更することによって、出力する色を補正することが可能である。また、カラー複写機と同様の原理を利用してカラースキャナーで読み込んだデジタルデータをコンピュータで補正し、カラープリンタまたはカラー複写機で出力するようなデジタルプレスにおいても出力する色を補正することが可能である。従って、現在多少の手間をかければ、これらの装置を利用して原稿の色を精巧に再現することが可能であり、上記のような技術では偽造を完全に防止することはできない。
【0007】
また、カラー複写機では再現不可能な特殊部分を有価証券などに設けておく技術も提案されている。この中、ホログラム箔などのOVD箔を有価証券などの表面上に設ける技術はすでに実用化されている。これによれば、有価証券などに設けたホログラムの銀面が光を鏡面反射するため、CCDラインセンサに反射光が入射せず、原稿で銀面だった部分が複写物では黒色に再現されることになる。また、屈折率の異なるセラミックを適当な膜厚を持つ複数層に積層することにより、見る角度によって色が変化する特殊な光学薄膜が形成されるが、これを有価証券などの表面に設けるようにした技術もある。この光学薄膜は複写物では得ることができないので、容易に真偽判定が可能となる。さらに、この方法で形成された積層薄膜を細かく砕き、破片をインキに混入して印刷を行う方法も提案されている。
【0008】
しかしながら、これらの技術では、ホログラム箔やセラミック膜を蒸着やスパッタリングのようなドライコーティングで形成する必要があり、工程が複雑化する上、製造コストが極めて高いという問題がある。
【0009】
さらに、可視光線の下では識別できない部分を有価証券などに設けておく技術も提案されている。例えば、赤外線吸収色素を含有するインキで原稿の一部に印刷しておくことにより、市販されている複写機およびプリンタのトナーには赤外線吸収能力はないので、複写物では原稿の赤外線吸収機能までもは再現することができないようにした技術である。このようなものの真偽判断は赤外線を利用した検証機によって可能である。また、紫外線の照射によって蛍光を発する蛍光体を含有するインキで原稿の一部に印刷しておいた場合にも、市販されている複写機およびプリンタではそのような蛍光機能を再現できず、従ってブラックライトを照射すると、本物は発光するが、偽造品は発光せず、容易に真偽判断が可能となる。このほかにも様々な提案がされている。
【0010】
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、市販のカラー複写機などでは偽造が極めて困難であり、かつ廉価で製造する事が可能であり、真正品と偽造品を明確に判別することができる偽造防止印刷物を提供する事を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされ、請求項1に記載の発明は、少なくとも基材の片面上にサーモクロミック層および黒もしくは濃色の着色層と、それらを覆うパール顔料またはコレステリック液晶顔料を含有するインキからなる光学干渉層が設けられており、サーモクロミック層は加温または冷却によって変色するサーモクロミックインキで構成されていて、さらに非加温時または非冷却時においてはサーモクロミック層と着色層のそれぞれが判別不可能な状態になっていることを特徴とする偽造防止印刷物である。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の偽造防止印刷物において、サーモクロミック層およびそのサーモクロミック層が形作るパターンとは逆版の関係になるパターン状の着色層が毛抜き合わせで同一面状に位置するように設けられ、さらにサーモクロミック層はある温度以上になると消色するサーモクロミックインキで、着色層は消色前のサーモクロミックインキと同色のインキでそれぞれ構成されており、さらにそれらを覆うように光学干渉層が設けられていることを特徴とする。
【0013】
さらにまた、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の偽造防止印刷物において、少なくとも基材の片面上にサーモクロミック層とパターン状の着色層がこの順序で設けられ、さらにそれらを覆うように光学干渉層が設けられていることを特徴とする。
【0014】
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の偽造防止印刷物において、少なくとも基材の片面上にパターン状の着色層とサーモクロミック層がこの順序で設けられ、さらにそれらを覆うように光学干渉層が設けられていることを特徴とする。
【0015】
さらにまた、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の偽造防止印刷物において、光学干渉層がパール顔料を含有するインキからなることを特徴とする。
【0016】
さらにまた、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の偽造防止印刷物において、光学干渉層がコレステリック液晶顔料を含有するインキからなることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によって図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の偽造防止印刷物の一実施形態を示す概略平面説明図であり、図2は図1の偽造防止印刷物をある温度Tの環境下においた場合の見え方を示す概略平面説明図であり、図3は図1と図2に示す偽造防止印刷物のX−X’線における概略断面構成説明図である。また、図4、図5は本発明の偽造防止印刷物の他の実施形態を示す概略断面構成説明図である。図4、図5はそれぞれの層構成は異なるが、平面上で見た場合はいずれも図1や図2のように見えるようになっている。
【0019】
図1に示す偽造防止印刷物1は、通常の環境下では基材11および光学干渉層12が見え、光学干渉層12は目視角度により色が変化するようになっている。また、加温時あるいは冷却時において偽造防止印刷物1は、図2に示したように着色層14が形作るパターンが出現し、目視角度を変化させることにより着色層14の部分における顕著な色変化が観察される。
【0020】
基材11は、紙、プラスチック、木材、ガラスまたは樹脂などがからなり、偽造防止印刷物1の用途に応じてこれらから任意に選択される。
【0021】
一方、光学干渉層12は、パール顔料を含有するインキもしくはコレステリック液晶顔料を含有するインキで構成されており、後述する構成の着色層14やサーモクロミック層13を覆うように設けられている。
【0022】
パール顔料としては、例えば、雲母に反射性(高虹彩反射)を与える材料として、可視域に透明で屈折率が2.0以上ある金属酸化物などを被覆したものが使用できる。雲母に反射性を与える材料としては、Sb23、Fe23、PbO、ZnSe、CdS、Bi23、TiO2、PbCl2、CeO2、Ta25、ZnS、ZnO、CdO、Nd23、Sb23、SiOおよびInO3の金属酸化物や金属硫化物などが挙げられ、これらを単層もしくは複層の状態で雲母上に被覆する。
【0023】
雲母と金属酸化膜などが組み合わされた時、その屈折率の差が0.4より大きいことから、入射した白色光の反射量が多く、また同時に雲母と金属酸化膜などとの界面で複屈折を起こすことから、得られるパール顔料は高虹彩反射性となり、変色効果をより効果的に助長する働きをする。
【0024】
この時、雲母を被覆する金属酸化膜などの膜厚を制御することで任意の色調の高虹彩反射性を持ったパール顔料とすることができるが、膜厚は、1〜1000nm、望ましくは20〜200nmの範囲に設定した時が可視域に対して高虹彩反射性となるので望ましい。
【0025】
また、光学干渉層12を構成するインキに含有させるコレステリック液晶顔料は、分子軸に垂直な方向に螺旋周期構造を持ち、その螺旋構造のピッチが光と相互関係を構築しているものである。すなわち、コレステリック液晶顔料は螺旋軸に沿って光の屈折率が周期的に変動するため、螺旋ピッチに対応した波長の光を選択的に反射するのである。従って、何らかの方法で螺旋ピッチを制御し、可視光部の中の希望する光の色を反射する螺旋ピッチが得られたところで、その螺旋構造を固定化できれば、思い通りのコレステリック螺旋反射色を作り出すことができる。固定化のための代表的な例として、高分子液晶形成化合物と多官能性エネルギー線重合性化合物の組み合わせになる組成物を、紫外線照射により重合させることによりコレステリック液晶顔料の螺旋構造を固定化する方法が例示できる。この時、螺旋ピッチの制御は温度にて行う。
【0026】
また、コレステリック液晶顔料の螺旋はその化学構造により右回転および左回転になり得て、同様に温度制御により螺旋ピッチの制御ができ、また紫外線照射により螺旋構造の固定が図れる。
【0027】
コレステリック高分子液晶の出発物質としては、紫外線から赤外線の光の波長に等しいピッチを有するねじれ構造を持つ全てのコレステリック液晶物質が好ましい。即ち、キラル相を有する液晶物質はネマチック、スメクチックまたはディスコチック構造にキラル物質を加えることで製造できる。キラル物質の種類及び分子量がねじれ構造のピッチ、延いては反射光の波長を決定する。ねじれ構造のねじれ方向は左向きでも右向きでもよい。さらに、出発物質は重合性基、重縮合性基または重付加に有効な基を有し、これらの基の内、少なくとも一部は二官能性、三官能性及び多官能性を有し、例えば、メタクリルオキシ基、アクリルオキシ基等を有することが好ましく、三次元架橋液晶ポリオルガノシロキサンが適当である。
【0028】
コレステリック高分子液晶顔料の製造に際しては、例えば、まず三次元架橋性液晶ポリオルガノシロキサンと光重合開始剤の混合液を、金属支持体、プラスチック支持体またはガラス支持体等の支持体上に加温しながらドクターを用いて剪断力を加えながら塗布し、液晶分子を配列させ、液晶層を形成する。次に、液晶層に紫外線を照射し、三次元架橋させる。そして、三次元架橋した液晶層を支持体から剥離し、万能ミル等で粉砕し、フレーク状の液晶顔料を得る。この顔料の大きさは5μm〜50mmの粒度を有し、1〜100μm、好ましくは5〜50μmの厚さを有するものがよい。また、前記支持体は場合により、例えばポリイミド又はポリビニルアルコールからなる配向層が形成されているものでもよい。また、液晶分子の配向は、2枚のシート間で剪断力を加えて行う方法も可能であり、ポリエチレンフタレートのシートを使用して配向する方法が好ましい。
【0029】
一方、サーモクロミック層13は、ある温度を境に発色もしくは消色する可逆性のサーモクロミック材料からなり、色素体としての染料中間体と染料中間体と結合して発色させる酸性物質およびこの酸性物質を結合させたり引き離したりする温度制御剤の3成分から構成されており、これらの3成分をマイクロカプセル化してインキ化したものである。
【0030】
染料中間体としては主にロイコ染料が使用され、酸性物質として顕色剤が使用され、また温度制御剤としてある温度で溶解する溶媒が使用される。
ロイコ染料と顕色剤は、接触すると互いの電子の授受により発色する。そこに温度制御剤である溶媒が介入され温度が上昇すると、この溶媒が溶けて発色体の中の顕色剤をロイコ染料から引き離してしまい、色素体はもとの無色の染料中間体に戻ってしまう。また、ある温度以下になると溶媒が固体となり、顕色剤の電子を抱え込んでいる力がなくなり、顕色剤は電子受容体として、ロイコ染料は電子供与体に働いて再び発色する。このように温度制御体である溶媒が温度の昇降により、液体になったり固体になったりすることで、可逆的に色が発色および消色する。
【0031】
この温度制御体である溶媒には高級アルコール系化合物、高級脂肪酸エステル類、リン酸エステル類があり、具体的にはジブチルケトン(−59℃:変色温度)、n−オクチルアルコール(−40℃)、n−デシルアルコール(−13℃)、ミルスチン酸ブチル(−3℃)、リン酸ジフェニル2エチルヘキシル(4℃)、ミリスチン酸メチル(10℃)、n−ラウリルアルコール(16℃)、n−ドデシルアルコール(20℃)、n−ミリスチルアルコール(35℃)、n−セチルアルコール(45℃)、ステアリルアルコール(53℃)、n−ドコシルアルコール(70℃)などがある。
【0032】
他方、着色層14は、通常使用される印刷用インキで設ければよく色相を黒もしくは濃色のものなので光学干渉層12の色変化が大きくなり、偽造防止効果がより高くな
これらのサーモトロピック層13並びに着色層14は基材11の片面上に設けられている。これらの層は、図3に示すように、サーモトロピック層13およびこのサーモトロピック層13が形作るパターンとは逆版の関係になるパターン状の着色層14を毛抜き合わせで見当良好に設けてもよいし、図4に示すように、サーモトロピック層15とパターン状の着色層16をこの順序で設けても、あるいは図5に示すように、パターン状の着色層16とサーモトロピック層15をこの順序で設けるようにしてもよい。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を具体的な実施例を挙げた詳細に説明する。
<実施例1>
連量90kgの上質紙にスクリーン印刷用プロセス墨インキを使用してスクリーン印刷法により約2μmのインキ膜厚にて、パターン状の着色層を印刷して、さらに下記[サーモクロミックインキの組成]からなるインキを使用してスクリーン印刷法により約5μmのインキ膜厚にて、前記墨インキを印刷した上に毛抜きで重なるようにパターン状のサーモクロミック層を印刷した。続いて、サーモトロピック層の上に下記[パールインキの組成]からなるインキを使用してスクリーン印刷法により約5μmのインキ膜厚にて、着色層およびサーモクロミック層の部分が隠れるように光学干渉層を印刷し、最後に通常のオフセット印刷法にて光学干渉層上に絵柄を印刷し、偽造防止印刷物を得た。
[サーモクロミックインキの組成]
サーモクロミック材料 40重量部
(サーマルカラーOR−30ブラック 記録素材総合研究所社製)
スクリーンインキメジウム 60重量部
(アクアQL 帝国インキ製造社製)
[パールインキの組成]
パール顔料(PC2000−RB 日本光研工業社製) 20重量部
スクリーンインキメジウム 70重量部
(SS NSAメジウム 東洋インキ製造社製)
【0034】
得られた偽造防止印刷物を見ると、印刷物の一部分が虹彩色に見え、更に虹彩色の部分を手のひらで暖めると、サーモクロミック層の色が消色し、文字パターンが出現してその文字パターン部分のみが虹彩色に見えることより、より一層の偽造防止効果を奏することが確認された。
【0035】
<実施例2>
連量90kgの上質紙にスクリーン印刷用プロセス墨インキを使用してスクリーン印刷法により約2μmのインキ膜厚にて、パターン状の着色層を印刷して、さらに上記[サーモクロミックインキの組成]からなるインキを使用してスクリーン印刷法により約5μmのインキ膜厚にて、パターン状の着色層に対して毛抜きで重なるようにパターン状のサーモクロミック層を印刷した。続いてサーモクロミック層の上に下記[コレステリック液晶インキの組成]からなるインキを使用してスクリーン印刷法により約5μmのインキ膜厚にて、着色層およびサーモクロミック層の部分全体が隠れるように光学干渉層を印刷し、最後に通常のオフセット印刷法にて絵柄を光学干渉層上に印刷し、偽造防止印刷物を得た。
[コレステリック液晶インキの組成]
コレステリック液晶顔料(ワッカーケミカル社製) 20重量部
スクリーンインキメジウム 80重量部
(SS NSAメジウム 東洋インキ製造社製)
【0036】
得られた偽造防止印刷物を観察すると、印刷物の一部分が虹彩色に見え、また角度を違えて観察することによって色相が変わって見えた。さらに虹彩色の部分を手のひらで暖めると、サーモクロミック層の色が消色し、文字パターンが出現してその文字パターン部分のみが虹彩色に見えた。以上のことにより、得られた印刷物がより一層の偽造防止効果を奏することが確認された。
【0037】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は光学干渉層の下層に加温または冷却によって変化するサーモクロミック層を設けた構成の虹彩色性反射性を付加した偽造防止印刷物であるのと同時に、加温または冷却時にはサーモクロミック層が変色することで、文字パターン等が出現するようにした、より一層の偽造防止効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偽造防止印刷物の一実施形態を示す概略平面説明図である。
【図2】本発明の偽造防止印刷物におけるパターン出現の状況を示す概略平面説明図である。
【図3】図1に示す偽造防止印刷物のX−X’線における概略断面構成説明図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る偽造防止印刷物の概略断面構成説明図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態に係る偽造防止印刷物の概略断面構成説明図である。
【符号の説明】
1、21、22・・偽造防止印刷物
11・・基材
12・・光学干渉層
13、15・・サーモクロミック層
14、16・・着色層

Claims (6)

  1. 少なくとも基材の片面上にサーモクロミック層および黒もしくは濃色の着色層と、それらを覆うパール顔料またはコレステリック液晶顔料を含有するインキからなる光学干渉層が設けられており、サーモクロミック層は加温または冷却によって変色するサーモクロミックインキで構成されていて、さらに非加温時または非冷却時においてはサーモクロミック層と着色層のそれぞれが判別不可能な状態になっていることを特徴とする偽造防止印刷物。
  2. サーモクロミック層およびそのサーモクロミック層が形作るパターンとは逆版の関係になるパターン状の着色層が毛抜き合わせで設けられ、さらにサーモクロミック層はある温度以上になると消色するサーモクロミックインキで、着色層は消色前のサーモクロミックインキと同色のインキでそれぞれ構成されており、さらにそれらを覆うように光学干渉層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止印刷物。
  3. 少なくとも基材の片面上にサーモクロミック層とパターン状の着色層がこの順序で設けられ、さらにそれらを覆うように光学干渉層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止印刷物。
  4. 少なくとも基材の片面上にパターン状の着色層とサーモクロミック層がこの順序で設けられ、さらにそれらを覆うように光学干渉層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止印刷物。
  5. 光学干渉層がパール顔料を含有するインキからなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の偽造防止印刷物。
  6. 光学干渉層がコレステリック液晶顔料を含有するインキからなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の偽造防止印刷物。
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