JP2002285061A - 偽造防止用インキおよび偽造防止印刷物 - Google Patents
偽造防止用インキおよび偽造防止印刷物Info
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- JP2002285061A JP2002285061A JP2001087542A JP2001087542A JP2002285061A JP 2002285061 A JP2002285061 A JP 2002285061A JP 2001087542 A JP2001087542 A JP 2001087542A JP 2001087542 A JP2001087542 A JP 2001087542A JP 2002285061 A JP2002285061 A JP 2002285061A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】市販のカラー複写機などでは偽造が極めて困難
であり、かつ廉価で製造する事が可能であり、真正品と
偽造品を簡単な装置を用いて明確に判別することができ
る偽造防止印刷物を提供する。 【解決手段】印刷箇所の少なくとも一部がパール顔料及
び蛍光顔料を含む偽造防止用インキ１３で印刷されてお
り、同時に偽造防止用インキで使用されているパール顔
料１２によるインキにて少なくとも一部が印刷されてい
る偽造防止印刷物。
であり、かつ廉価で製造する事が可能であり、真正品と
偽造品を簡単な装置を用いて明確に判別することができ
る偽造防止印刷物を提供する。 【解決手段】印刷箇所の少なくとも一部がパール顔料及
び蛍光顔料を含む偽造防止用インキ１３で印刷されてお
り、同時に偽造防止用インキで使用されているパール顔
料１２によるインキにて少なくとも一部が印刷されてい
る偽造防止印刷物。
Description
【０００１】
【発明の属する分野】本発明は、複写機などによる複製
を防止するための偽造防止用インキおよびこのインキを
用いて印刷した印刷物に関するものである。
を防止するための偽造防止用インキおよびこのインキを
用いて印刷した印刷物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、電子写真技術を利用した複写機が
普及し、これを利用して誰でも簡単に紙などに印刷され
た文字や画像を複写することができるようになった。特
に、最近のカラーデジタル複写機によれば、原稿か複写
物か見分けが極めて困難な複写物でさえも容易に作成す
ることができる。
普及し、これを利用して誰でも簡単に紙などに印刷され
た文字や画像を複写することができるようになった。特
に、最近のカラーデジタル複写機によれば、原稿か複写
物か見分けが極めて困難な複写物でさえも容易に作成す
ることができる。
【０００３】一般的なカラーデジタル複写機の原理は、
原稿に光を照射し、反射光をＣＣＤラインセンサで検知
する。ＣＣＤラインセンサでは、反射光の強度に応じた
デジタル信号を生成し、複写機内のメモリに送信する。
この読み取り過程をレッド（Ｒ）、グリーン（Ｇ）、ブ
ルー（Ｂ）の３色について行い、それぞれの場合のデジ
タル信号をメモリに格納する。次に格納されたデジタル
信号に基づいて、レーザ光を感光体ドラムの表面に照射
し、イエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）、
ブラック（Ｂｋ）のトナーを感光体ドラムの上に順次静
電吸着し、これらのトナーを順次紙などのシート上に転
写して定着させる。これにより、カラーの画像が形成さ
れた精巧な複写物を得ることができる。
原稿に光を照射し、反射光をＣＣＤラインセンサで検知
する。ＣＣＤラインセンサでは、反射光の強度に応じた
デジタル信号を生成し、複写機内のメモリに送信する。
この読み取り過程をレッド（Ｒ）、グリーン（Ｇ）、ブ
ルー（Ｂ）の３色について行い、それぞれの場合のデジ
タル信号をメモリに格納する。次に格納されたデジタル
信号に基づいて、レーザ光を感光体ドラムの表面に照射
し、イエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）、
ブラック（Ｂｋ）のトナーを感光体ドラムの上に順次静
電吸着し、これらのトナーを順次紙などのシート上に転
写して定着させる。これにより、カラーの画像が形成さ
れた精巧な複写物を得ることができる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】かかるカラー複写は便
利である反面、このために株券、債券、約束手形、小切
手などの有価証券や、入場券、搭乗券などの印刷物など
が容易に偽造されるという問題が増加しつつある。この
ため、容易に複写できないように印刷物に複製防止対策
を施す提案が種々なされている。
利である反面、このために株券、債券、約束手形、小切
手などの有価証券や、入場券、搭乗券などの印刷物など
が容易に偽造されるという問題が増加しつつある。この
ため、容易に複写できないように印刷物に複製防止対策
を施す提案が種々なされている。
【０００５】カラー複写による複写物の色が原稿の色と
異なるようにする技術が提案されている。例えば原稿と
されうる有価証券などに非常に淡い色で着色すると、複
写物では淡い色の部分が正確に再現できない。また、原
稿に大きさの異なる網点を形成しておくと複写しても小
さい網点の再現性が悪化する。さらにカラー複写機のト
ナーにない色である緑、紫、橙、金、銀等を印刷するこ
とで複写物の色の再現性が悪化する。また、人間の視認
度が低い領域例えば３８０ｎｍ〜４５０ｎｍおよび６５
０〜７８０ｎｍあたりの波長域に特徴をもたせた２種類
のインキを用いることで見た目には同色であるが、カラ
ー複写機での複写物は異なる色に再現する。
異なるようにする技術が提案されている。例えば原稿と
されうる有価証券などに非常に淡い色で着色すると、複
写物では淡い色の部分が正確に再現できない。また、原
稿に大きさの異なる網点を形成しておくと複写しても小
さい網点の再現性が悪化する。さらにカラー複写機のト
ナーにない色である緑、紫、橙、金、銀等を印刷するこ
とで複写物の色の再現性が悪化する。また、人間の視認
度が低い領域例えば３８０ｎｍ〜４５０ｎｍおよび６５
０〜７８０ｎｍあたりの波長域に特徴をもたせた２種類
のインキを用いることで見た目には同色であるが、カラ
ー複写機での複写物は異なる色に再現する。
【０００６】しかし、カラー複写機では、３色に分解さ
れてメモリに格納されたデジタルデータを変更すること
によって、出力する色を補正することが可能である。ま
た、カラー複写機と同様の原理を利用してカラースキャ
ナーで読み込んだデジタルデータをコンピュータで補正
し、カラープリンタまたはカラー複写機で出力するよう
なデジタルプレスが普及しつつある。従って、現在多少
の手間をかければ、原稿の色を精巧に再現することが可
能であり、上記のような技術では偽造を完全に防止する
ことはできない。
れてメモリに格納されたデジタルデータを変更すること
によって、出力する色を補正することが可能である。ま
た、カラー複写機と同様の原理を利用してカラースキャ
ナーで読み込んだデジタルデータをコンピュータで補正
し、カラープリンタまたはカラー複写機で出力するよう
なデジタルプレスが普及しつつある。従って、現在多少
の手間をかければ、原稿の色を精巧に再現することが可
能であり、上記のような技術では偽造を完全に防止する
ことはできない。
【０００７】また、カラー複写機では再現不可能な特殊
部分を有価証券などに設けておく技術も提案されてい
る。このうち、ホログラム箔などのＯＶＤ箔を有価証券
などの表面上に設ける技術はすでに実用化されている。
これによれば、ホログラムの銀面が光を鏡面反射するた
め、ＣＣＤラインセンサに反射光が入射せず、原稿で銀
面だった部分が複写物では黒色に再現される。また、屈
折率の異なるセラミックを適当な膜厚を持つ複数層に積
層すると、見る角度によって色が変化する特殊な光学薄
膜が形成される。かかる性質は、複写物では得ることが
できないので、容易に真偽判定が可能である。さらに、
この方法で形成された薄膜を細かく砕き、破片をインキ
に混入して印刷を行う方法も提案されている。
部分を有価証券などに設けておく技術も提案されてい
る。このうち、ホログラム箔などのＯＶＤ箔を有価証券
などの表面上に設ける技術はすでに実用化されている。
これによれば、ホログラムの銀面が光を鏡面反射するた
め、ＣＣＤラインセンサに反射光が入射せず、原稿で銀
面だった部分が複写物では黒色に再現される。また、屈
折率の異なるセラミックを適当な膜厚を持つ複数層に積
層すると、見る角度によって色が変化する特殊な光学薄
膜が形成される。かかる性質は、複写物では得ることが
できないので、容易に真偽判定が可能である。さらに、
この方法で形成された薄膜を細かく砕き、破片をインキ
に混入して印刷を行う方法も提案されている。
【０００８】しかしながら、これらの技術では、ホログ
ラム箔やセラミック膜を蒸着やスパッタリングのような
ドライコーティングで形成する必要がある、工程が複雑
化する上、製造コストが極めて高いという問題がある。
ラム箔やセラミック膜を蒸着やスパッタリングのような
ドライコーティングで形成する必要がある、工程が複雑
化する上、製造コストが極めて高いという問題がある。
【０００９】さらに、可視光線の下では識別できない部
分を有価証券などに設けておく技術も提案されている。
例えば、赤外線吸収色素を原稿に印刷しておくと、市販
されている複写機およびプリンタのトナーには赤外線吸
収能力はないので、複写物はその印刷を再現することは
できない。従って赤外線を利用した検証機によって真偽
判断が可能である。また、紫外線の照射によって蛍光を
発する蛍光体で原稿に印刷して置いた場合にも、市販さ
れている複写機およびプリンタではそのような蛍光機能
を再現できない。従ってブラックライトを照射すると、
本物は発光するが、偽造品は発光せず、容易に真偽判断
が可能である。このほかにも様々な提案がされている。
分を有価証券などに設けておく技術も提案されている。
例えば、赤外線吸収色素を原稿に印刷しておくと、市販
されている複写機およびプリンタのトナーには赤外線吸
収能力はないので、複写物はその印刷を再現することは
できない。従って赤外線を利用した検証機によって真偽
判断が可能である。また、紫外線の照射によって蛍光を
発する蛍光体で原稿に印刷して置いた場合にも、市販さ
れている複写機およびプリンタではそのような蛍光機能
を再現できない。従ってブラックライトを照射すると、
本物は発光するが、偽造品は発光せず、容易に真偽判断
が可能である。このほかにも様々な提案がされている。
【００１０】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
であり、市販のカラー複写機などでは偽造が極めて困難
であり、かつ廉価で製造する事が可能であり、真正品と
偽造品を簡単な装置を用いて明確に判別することができ
る偽造防止用インキおよび偽造防止印刷物を提供する事
を目的とする。
であり、市販のカラー複写機などでは偽造が極めて困難
であり、かつ廉価で製造する事が可能であり、真正品と
偽造品を簡単な装置を用いて明確に判別することができ
る偽造防止用インキおよび偽造防止印刷物を提供する事
を目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた本発明は、請求項１記載の発明は、少なくと
もパール顔料および蛍光顔料を含むことを特徴とする偽
造防止用インキである。
になされた本発明は、請求項１記載の発明は、少なくと
もパール顔料および蛍光顔料を含むことを特徴とする偽
造防止用インキである。
【００１２】請求項２記載の発明は、請求項１記載の偽
造防止用インキにおいて、前記蛍光顔料は、紫外線照射
により色調が変化する蛍光体であることを特徴とする。
造防止用インキにおいて、前記蛍光顔料は、紫外線照射
により色調が変化する蛍光体であることを特徴とする。
【００１３】請求項３記載の発明は、請求項１記載の偽
造防止用インキにおいて、前記蛍光顔料は、赤外線照射
により色調が変化する蛍光体であることを特徴とする。
造防止用インキにおいて、前記蛍光顔料は、赤外線照射
により色調が変化する蛍光体であることを特徴とする。
【００１４】請求項４記載の発明は、請求項１、２、３
記載の偽造防止用インキにおいて、前記パール顔料は、
雲母を金属酸化物で被覆され、さらに外層に有色透明な
材料が被覆されていることを特徴とする。
記載の偽造防止用インキにおいて、前記パール顔料は、
雲母を金属酸化物で被覆され、さらに外層に有色透明な
材料が被覆されていることを特徴とする。
【００１５】請求項５記載の発明は、印刷箇所の少なく
とも一部分が請求項１〜４記載の偽造防止用インキで単
独あるいは複数色以上印刷されていることを特徴とする
偽造防止印刷物である。
とも一部分が請求項１〜４記載の偽造防止用インキで単
独あるいは複数色以上印刷されていることを特徴とする
偽造防止印刷物である。
【００１６】請求項６記載の発明は、印刷箇所の少なく
とも一部が請求項１〜４記載の偽造防止用インキで印刷
されており、同時に請求項１〜４記載の偽造防止用イン
キで使用されているパール顔料によるインキにて少なく
とも一部が印刷されていることを特徴とする偽造防止印
刷物である。
とも一部が請求項１〜４記載の偽造防止用インキで印刷
されており、同時に請求項１〜４記載の偽造防止用イン
キで使用されているパール顔料によるインキにて少なく
とも一部が印刷されていることを特徴とする偽造防止印
刷物である。
【００１７】請求項７記載の発明は、請求項４記載のパ
ール顔料において、金属酸化物の被覆層の厚みが異なる
少なくとも２種類のパール顔料からなる偽造防止用イン
キにて印刷箇所の少なくとも一部が印刷されていること
を特徴とする偽造防止印刷物である。
ール顔料において、金属酸化物の被覆層の厚みが異なる
少なくとも２種類のパール顔料からなる偽造防止用イン
キにて印刷箇所の少なくとも一部が印刷されていること
を特徴とする偽造防止印刷物である。
【００１８】請求項８記載の発明は、印刷箇所の少なく
とも一部が請求項７記載の偽造防止用インキで印刷され
ており、同時に請求項７記載の偽造防止用インキで使用
されているパール顔料によるインキにて少なくとも一部
が印刷されていることを特徴とする偽造防止印刷物であ
る。
とも一部が請求項７記載の偽造防止用インキで印刷され
ており、同時に請求項７記載の偽造防止用インキで使用
されているパール顔料によるインキにて少なくとも一部
が印刷されていることを特徴とする偽造防止印刷物であ
る。
【００１９】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態によっ
て図面を参照して詳細に説明する。
て図面を参照して詳細に説明する。
【００２０】図１は本発明の偽造防止印刷物の一実施例
を示す平面図であり、図２は図１の偽造防止印刷物にプ
ラックライトを照射した場合の見え方を示した概略図で
ある。また、図３は本発明の偽造防止印刷物の一実施例
を示す平面図である。
を示す平面図であり、図２は図１の偽造防止印刷物にプ
ラックライトを照射した場合の見え方を示した概略図で
ある。また、図３は本発明の偽造防止印刷物の一実施例
を示す平面図である。
【００２１】図１に示した偽造防止印刷物１は、基材１
１、印刷部（パールインキ）１２、印刷部（パール＋蛍
光インキ）１３から構成されており、本偽造防止印刷物
１にブラックライト１４を照射すると、図２に示したよ
うに印刷部（パール＋蛍光インキ）１３’が発光する。
１、印刷部（パールインキ）１２、印刷部（パール＋蛍
光インキ）１３から構成されており、本偽造防止印刷物
１にブラックライト１４を照射すると、図２に示したよ
うに印刷部（パール＋蛍光インキ）１３’が発光する。
【００２２】また、図３に示した偽造防止印刷物２は、
基材、印刷部（有色パールインキ）２２、印刷部（有色
パール＋蛍光インキ）２３から構成されており、本偽造
防止印刷物２を正面から見た場合、印刷部（有色パール
インキ）２２と印刷部（有色パール＋蛍光インキ）２３
との色が同じに見えるため、両者の区別がつかないが、
偽造防止印刷物２を斜めから見た場合、印刷部（有色パ
ールインキ）２２と印刷部（有色パール＋蛍光インキ）
２３が異なる色に見えるため、両者の区別がわかる。さ
らに、偽造防止印刷物２にブラックライトを照射すると
（図示せず）、印刷部（有色パール＋蛍光インキ）２３
が発光する。
基材、印刷部（有色パールインキ）２２、印刷部（有色
パール＋蛍光インキ）２３から構成されており、本偽造
防止印刷物２を正面から見た場合、印刷部（有色パール
インキ）２２と印刷部（有色パール＋蛍光インキ）２３
との色が同じに見えるため、両者の区別がつかないが、
偽造防止印刷物２を斜めから見た場合、印刷部（有色パ
ールインキ）２２と印刷部（有色パール＋蛍光インキ）
２３が異なる色に見えるため、両者の区別がわかる。さ
らに、偽造防止印刷物２にブラックライトを照射すると
（図示せず）、印刷部（有色パール＋蛍光インキ）２３
が発光する。
【００２３】本発明に用いる偽造防止用インキ中のパー
ル顔料としては、雲母に反射性（高虹彩反射）を与える
金属酸化物として、可視域に透明で屈折率が２．０以上
ある金属酸化物を被覆したもので、例えば、Ｓｂ2Ｓ3、
Ｆｅ2Ｏ3、ＰｂＯ、ＺｎＳｅ、ＣｄＳ、Ｂｉ2Ｏ3、Ｔｉ
Ｏ2、ＰｂＣｌ2、ＣｅＯ2、Ｔａ2Ｏ5、ＺｎＳ、Ｚｎ
Ｏ、ＣｄＯ、Ｎｄ2Ｏ3、Ｓｂ2Ｏ3、ＳｉＯおよびＩｎＯ
3の単層の被覆もしくは２層に被覆する事により形成さ
れる。
ル顔料としては、雲母に反射性（高虹彩反射）を与える
金属酸化物として、可視域に透明で屈折率が２．０以上
ある金属酸化物を被覆したもので、例えば、Ｓｂ2Ｓ3、
Ｆｅ2Ｏ3、ＰｂＯ、ＺｎＳｅ、ＣｄＳ、Ｂｉ2Ｏ3、Ｔｉ
Ｏ2、ＰｂＣｌ2、ＣｅＯ2、Ｔａ2Ｏ5、ＺｎＳ、Ｚｎ
Ｏ、ＣｄＯ、Ｎｄ2Ｏ3、Ｓｂ2Ｏ3、ＳｉＯおよびＩｎＯ
3の単層の被覆もしくは２層に被覆する事により形成さ
れる。
【００２４】雲母と金属酸化膜が組み合わされた時、そ
の屈折率の差が０．４より大きいことから、入射した白
色光の反射量が多く、また同時に雲母と金属酸化膜の界
面で副屈折を起こすことから、高虹彩反射性となり、変
色効果をより効果的に助長する働きをする。
の屈折率の差が０．４より大きいことから、入射した白
色光の反射量が多く、また同時に雲母と金属酸化膜の界
面で副屈折を起こすことから、高虹彩反射性となり、変
色効果をより効果的に助長する働きをする。
【００２５】この時、雲母を被覆する金属酸化膜の膜厚
を制御することで任意の色調の高虹彩反射性を持ったパ
ール顔料とすることができる膜厚は、１〜１０００ｎ
ｍ、望ましくは２０〜２００ｎｍの範囲の膜厚が可視域
に対して高制裁反射性となるので望ましい。
を制御することで任意の色調の高虹彩反射性を持ったパ
ール顔料とすることができる膜厚は、１〜１０００ｎ
ｍ、望ましくは２０〜２００ｎｍの範囲の膜厚が可視域
に対して高制裁反射性となるので望ましい。
【００２６】本発明に用いる偽造防止用インキ中の蛍光
顔料として使用される無機蛍光体に用いられる材料は、
紫外線発光蛍光体または赤外線発光蛍光体があり、印刷
インキ中に添加混合される。まず、紫外線発光蛍光体は
紫外線により励起され、それよりも低いエネルギー準位
に戻るときに発するスペクトルのピークが青、緑、赤等
の波長域にあるもので、例えばＣａ2Ｂ5Ｏ9Ｃｌ：Ｅｕ
2+、ＣａＷＯ4、ＺｎＯ：Ｚｎ2ＳｉＯ4：Ｍｎ、Ｙ2Ｏ
2Ｓ：Ｅｕ、ＺｎＳ：Ａｇ、ＹＶＯ4：Ｅｕ、Ｙ2Ｏ 3：Ｅ
ｕ、Ｇｄ2Ｏ2Ｓ：Ｔｂ，Ｌａ2Ｏ2Ｓ：Ｔｂ、Ｙ3Ａｌ5Ｏ
12：Ｃｅ等があり、単体又はこれらから数種を選択し混
合して使用する。その蛍光スペクトルはピークを青、
赤、緑の波長域以外に持つものである。インキ中の紫外
線発光蛍光体の添加量は検出器の受光素子の蛍光の検知
が可能となるようにすることが望ましい。
顔料として使用される無機蛍光体に用いられる材料は、
紫外線発光蛍光体または赤外線発光蛍光体があり、印刷
インキ中に添加混合される。まず、紫外線発光蛍光体は
紫外線により励起され、それよりも低いエネルギー準位
に戻るときに発するスペクトルのピークが青、緑、赤等
の波長域にあるもので、例えばＣａ2Ｂ5Ｏ9Ｃｌ：Ｅｕ
2+、ＣａＷＯ4、ＺｎＯ：Ｚｎ2ＳｉＯ4：Ｍｎ、Ｙ2Ｏ
2Ｓ：Ｅｕ、ＺｎＳ：Ａｇ、ＹＶＯ4：Ｅｕ、Ｙ2Ｏ 3：Ｅ
ｕ、Ｇｄ2Ｏ2Ｓ：Ｔｂ，Ｌａ2Ｏ2Ｓ：Ｔｂ、Ｙ3Ａｌ5Ｏ
12：Ｃｅ等があり、単体又はこれらから数種を選択し混
合して使用する。その蛍光スペクトルはピークを青、
赤、緑の波長域以外に持つものである。インキ中の紫外
線発光蛍光体の添加量は検出器の受光素子の蛍光の検知
が可能となるようにすることが望ましい。
【００２７】また赤外線発光蛍光体は波長λ1の励起光
を受けて、波長λ2の可視光を発光する特性を示し、λ1
≠λ2かつλ1＞λ2なる性質を有するものとして、その
組成は例えば、ＹＦ3：Ｅｒ＋Ｙｂ、Ｙ3ＯＣｌ7：Ｅｒ
＋Ｙｂ、ＮａＬｎＦ4：Ｅｒ＋Ｙｂ（Ｌｎ＝Ｙ，Ｇｄ，
Ｌａ）、ＢａＹ2Ｆ8：Ｅｒ＋Ｙｂ、（ＰｂＦ2−Ｇｅ
Ｏ2）：Ｅｒ＋Ｙｂ、（ＰｂＦ2−ＧｅＯ2）：Ｔｍ＋Ｙ
ｂ等があり、いずれも励起光（λ1）８００〜１０００
ｎｍの赤外線を受けて４５０ｎｍ〜６５０ｎｍに発光ス
ペクトルの顕のピークを有する可視光線（λ2）を発光
するものである。インキ中の赤外線発光蛍光体の添加量
は検出器の受光素子の蛍光の検知が可能となるようにす
ることが望ましい。
を受けて、波長λ2の可視光を発光する特性を示し、λ1
≠λ2かつλ1＞λ2なる性質を有するものとして、その
組成は例えば、ＹＦ3：Ｅｒ＋Ｙｂ、Ｙ3ＯＣｌ7：Ｅｒ
＋Ｙｂ、ＮａＬｎＦ4：Ｅｒ＋Ｙｂ（Ｌｎ＝Ｙ，Ｇｄ，
Ｌａ）、ＢａＹ2Ｆ8：Ｅｒ＋Ｙｂ、（ＰｂＦ2−Ｇｅ
Ｏ2）：Ｅｒ＋Ｙｂ、（ＰｂＦ2−ＧｅＯ2）：Ｔｍ＋Ｙ
ｂ等があり、いずれも励起光（λ1）８００〜１０００
ｎｍの赤外線を受けて４５０ｎｍ〜６５０ｎｍに発光ス
ペクトルの顕のピークを有する可視光線（λ2）を発光
するものである。インキ中の赤外線発光蛍光体の添加量
は検出器の受光素子の蛍光の検知が可能となるようにす
ることが望ましい。
【００２８】上記偽造防止用インキは、その結着剤、分
散剤および助剤の種類によりグラビア印刷用、スクリー
ン印刷用等の各印刷方法用のインキにすることができ
る。上記パール顔料および蛍光顔料の配合比は、偽造防
止印刷物１の基材１１の色または種類および偽造防止印
刷物１の印刷デザインにもよるが、おおよそ１：１〜
３：１の割合で行うのが望ましい。また、これらの顔料
を２０〜５０重量％含んだインキであることが望まし
い。
散剤および助剤の種類によりグラビア印刷用、スクリー
ン印刷用等の各印刷方法用のインキにすることができ
る。上記パール顔料および蛍光顔料の配合比は、偽造防
止印刷物１の基材１１の色または種類および偽造防止印
刷物１の印刷デザインにもよるが、おおよそ１：１〜
３：１の割合で行うのが望ましい。また、これらの顔料
を２０〜５０重量％含んだインキであることが望まし
い。
【００２９】偽造防止印刷物２におけるパール顔料は、
雲母に上記金属酸化物を単層もしくは２層被覆した上に
有色透明材料を被覆したものである。これにより、通常
の状態においてその最外層の色がみることができ、さら
に目視角度を変えることでパール顔料の雲母と金属酸化
物の間で光の干渉が起こりその干渉色と最外層の有色色
素が重なって別な色を呈する。本パール顔料において通
常のパール顔料と異なり、光の反射による色の発光を見
ているのではなく、ＯＶＩ（Optical Variable Ink）
同様、顔料の色として見ることができる。
雲母に上記金属酸化物を単層もしくは２層被覆した上に
有色透明材料を被覆したものである。これにより、通常
の状態においてその最外層の色がみることができ、さら
に目視角度を変えることでパール顔料の雲母と金属酸化
物の間で光の干渉が起こりその干渉色と最外層の有色色
素が重なって別な色を呈する。本パール顔料において通
常のパール顔料と異なり、光の反射による色の発光を見
ているのではなく、ＯＶＩ（Optical Variable Ink）
同様、顔料の色として見ることができる。
【００３０】さらに上記パール顔料の金属酸化物の膜厚
を変化させることで、膜厚を変化させた２種類のパール
顔料を見比べると、通常の状態（正面から見た状態）で
は最外層の色が見えるが、目視角度を変えるとそれぞれ
が異なった色として見ることができる。
を変化させることで、膜厚を変化させた２種類のパール
顔料を見比べると、通常の状態（正面から見た状態）で
は最外層の色が見えるが、目視角度を変えるとそれぞれ
が異なった色として見ることができる。
【００３１】
【実施例】本発明を、具体的な実施例をあげて詳細に説
明する。 ＜実施例１＞９０ｋｇベースの上質紙に下記［偽造防止
用インキの組成１］からなる偽造防止インキをスクリー
ン印刷法にて約５μｍ、パターン状に印刷して、さらに
下記［パールインキの組成１］からなるインキをスクリ
ーン印刷法にて約５μｍ、上記偽造防止インキと逆のパ
ターンにて帯状に印刷して、さらにプロセスカラーイン
キにてオフセット印刷法を用いて文字・絵柄を印刷し、
偽造防止印刷物を得た。 ［偽造防止用インキの組成１］ パール顔料（イリオジン２２１ メルクジャパン社製） ２０重量部 蛍光顔料（ＵＶＩＴＥＸ ＯＢ ＣＩＢＡ−ＧＥＩＧＹ社製） １０重量部 スクリーンインキメジウム ７０重量部 （ＳＳ ＮＳＡメジウム 東洋インキ製造社製） ［パールインキの組成１］ パール顔料（イリオジン２２１ メルクジャパン社製） ２０重量部 スクリーンインキメジウム ８０重量部 （ＳＳ ＮＳＡメジウム 東洋インキ製造社製）
明する。 ＜実施例１＞９０ｋｇベースの上質紙に下記［偽造防止
用インキの組成１］からなる偽造防止インキをスクリー
ン印刷法にて約５μｍ、パターン状に印刷して、さらに
下記［パールインキの組成１］からなるインキをスクリ
ーン印刷法にて約５μｍ、上記偽造防止インキと逆のパ
ターンにて帯状に印刷して、さらにプロセスカラーイン
キにてオフセット印刷法を用いて文字・絵柄を印刷し、
偽造防止印刷物を得た。 ［偽造防止用インキの組成１］ パール顔料（イリオジン２２１ メルクジャパン社製） ２０重量部 蛍光顔料（ＵＶＩＴＥＸ ＯＢ ＣＩＢＡ−ＧＥＩＧＹ社製） １０重量部 スクリーンインキメジウム ７０重量部 （ＳＳ ＮＳＡメジウム 東洋インキ製造社製） ［パールインキの組成１］ パール顔料（イリオジン２２１ メルクジャパン社製） ２０重量部 スクリーンインキメジウム ８０重量部 （ＳＳ ＮＳＡメジウム 東洋インキ製造社製）
【００３２】得られた偽造防止印刷物を見ると、帯状に
パールインキが印刷されており、パールインキが虹彩色
に見えることより偽造防止効果があるが、さらにブラッ
クライトを照射すると帯状のパールインキ部分の一部が
パターン状に発光することよりさらに偽造防止効果が高
まった。
パールインキが印刷されており、パールインキが虹彩色
に見えることより偽造防止効果があるが、さらにブラッ
クライトを照射すると帯状のパールインキ部分の一部が
パターン状に発光することよりさらに偽造防止効果が高
まった。
【００３３】＜実施例２＞９０ｋｇベースの上質紙に下
記［偽造防止用インキの組成２］からなる偽造防止イン
キをスクリーン印刷法にて約５μｍ、パターン状に印刷
して、さらに下記［パールインキの組成２］からなるイ
ンキをスクリーン印刷法にて約５μｍ、上記偽造防止イ
ンキと逆のパターンにて帯状に印刷して、さらにプロセ
スカラーインキにてオフセット印刷法を用いて文字・絵
柄を印刷し、偽造防止印刷物を得た。 ［偽造防止用インキの組成２］ パール顔料（試作パール顔料グリーン２ 日本光研工業社製） ２０重量部 蛍光顔料（ＵＶＩＴＥＸ ＯＢ ＣＩＢＡ−ＧＥＩＧＹ社製） １０重量部 スクリーンインキメジウム ７０重量部 （ＳＳ ＮＳＡメジウム 東洋インキ製造社製） ［パールインキの組成２］ パール顔料（試作パール顔料レッドブルー２ 日本光研工業社製）２０重量部 スクリーンインキメジウム ７０重量部 （ＳＳ ＮＳＡメジウム 東洋インキ製造社製）
記［偽造防止用インキの組成２］からなる偽造防止イン
キをスクリーン印刷法にて約５μｍ、パターン状に印刷
して、さらに下記［パールインキの組成２］からなるイ
ンキをスクリーン印刷法にて約５μｍ、上記偽造防止イ
ンキと逆のパターンにて帯状に印刷して、さらにプロセ
スカラーインキにてオフセット印刷法を用いて文字・絵
柄を印刷し、偽造防止印刷物を得た。 ［偽造防止用インキの組成２］ パール顔料（試作パール顔料グリーン２ 日本光研工業社製） ２０重量部 蛍光顔料（ＵＶＩＴＥＸ ＯＢ ＣＩＢＡ−ＧＥＩＧＹ社製） １０重量部 スクリーンインキメジウム ７０重量部 （ＳＳ ＮＳＡメジウム 東洋インキ製造社製） ［パールインキの組成２］ パール顔料（試作パール顔料レッドブルー２ 日本光研工業社製）２０重量部 スクリーンインキメジウム ７０重量部 （ＳＳ ＮＳＡメジウム 東洋インキ製造社製）
【００３４】得られた偽造防止印刷物を正面から見る
と、帯状にパールインキが印刷されており、パールイン
キが虹彩色に見える。さらに偽造防止印刷物を斜めから
見ると帯状のパールインキの色が変化しパターン状の色
変化を呈する。さらにブラックライトを照射すると帯状
のパールインキ部分ｌの一部がパターン状に発光するこ
とによりさらに偽造防止効果が高まった。
と、帯状にパールインキが印刷されており、パールイン
キが虹彩色に見える。さらに偽造防止印刷物を斜めから
見ると帯状のパールインキの色が変化しパターン状の色
変化を呈する。さらにブラックライトを照射すると帯状
のパールインキ部分ｌの一部がパターン状に発光するこ
とによりさらに偽造防止効果が高まった。
【００３５】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、パールイ
ンキ中に蛍光顔料を入れることにより、通常ではパール
インキの虹彩色による真偽判定が可能であるが、さらに
ブラックライトによる真偽判定が可能となることより、
より一層の偽造防止が見込まれる。さらに、パール顔料
の最外層に有色透明層を設けることにより、通常は有色
顔料に見えるが、角度を変えると色が変化するＯＶＩと
似たような特性を示すことより、さらなる偽造防止効果
が期待できる。
ンキ中に蛍光顔料を入れることにより、通常ではパール
インキの虹彩色による真偽判定が可能であるが、さらに
ブラックライトによる真偽判定が可能となることより、
より一層の偽造防止が見込まれる。さらに、パール顔料
の最外層に有色透明層を設けることにより、通常は有色
顔料に見えるが、角度を変えると色が変化するＯＶＩと
似たような特性を示すことより、さらなる偽造防止効果
が期待できる。
【図１】本発明の偽造防止印刷物の一実施例を示す平面
図。
図。
【図２】図１の偽造防止印刷物にプラックライトを照射
した場合の見え方を示した概略図。
した場合の見え方を示した概略図。
【図３】本発明の偽造防止印刷物の一実施例を示す平面
図である。
図である。
１、２…偽造防止印刷物 １１、２１…基材 １２…印刷部（パールインキ） １３…印刷部（パール＋蛍光インキ） １３’…印刷部（パール＋蛍光インキ）発光状態 １４…ブラックライト ２２…印刷部（有色パールインキ） ２３…印刷部（有色パール＋蛍光インキ）
フロントページの続き Ｆターム(参考） 2C005 HA04 HB10 HB13 JB14 KA40 LB16 2H113 AA03 AA06 BA10 BB22 BC09 CA37 CA39 DA07 4J037 AA26 CA05 CA09 CA19 CA24 EE03 EE04 FF02 FF09 4J039 BA13 BA18 BA21 BA22 BA24 BA26 BA30 BA31 BA32 BA34 BA35 BA36 BA37 BA39 BE01 EA28 GA03 GA10 GA12 GA13
Claims (8)
- 【請求項１】少なくともパール顔料および蛍光顔料を含
むことを特徴とする偽造防止用インキ。 - 【請求項２】前記蛍光顔料は、紫外線照射により色調が
変化する蛍光体であることを特徴とする請求項１記載の
偽造防止用インキ。 - 【請求項３】前記蛍光顔料は、赤外線照射により色調が
変化する蛍光体であることを特徴とする請求項１記載の
偽造防止用インキ。 - 【請求項４】前記パール顔料は、雲母を金属酸化物で被
覆され、さらに外層に有色透明な材料が被覆されている
ことを特徴とする請求項１、２、３記載の偽造防止用イ
ンキ。 - 【請求項５】印刷箇所の少なくとも一部分が請求項１〜
４記載の偽造防止用インキで単独あるいは複数色以上印
刷されていることを特徴とする偽造防止印刷物。 - 【請求項６】印刷箇所の少なくとも一部が請求項１〜４
記載の偽造防止用インキで印刷されており、同時に請求
項１〜４記載の偽造防止用インキで使用されているパー
ル顔料によるインキにて少なくとも一部が印刷されてい
ることを特徴とする偽造防止印刷物。 - 【請求項７】請求項４記載のパール顔料において、金属
酸化物の被覆層の厚みが異なる少なくとも２種類のパー
ル顔料からなる偽造防止用インキにて印刷箇所の少なく
とも一部が印刷されていることを特徴とする偽造防止印
刷物。 - 【請求項８】印刷箇所の少なくとも一部が請求項７記載
の偽造防止用インキで印刷されており、同時に請求項７
記載の偽造防止用インキで使用されているパール顔料に
よるインキにて少なくとも一部が印刷されていることを
特徴とする偽造防止印刷物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001087542A JP2002285061A (ja) | 2001-03-26 | 2001-03-26 | 偽造防止用インキおよび偽造防止印刷物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001087542A JP2002285061A (ja) | 2001-03-26 | 2001-03-26 | 偽造防止用インキおよび偽造防止印刷物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002285061A true JP2002285061A (ja) | 2002-10-03 |
Family
ID=18942775
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001087542A Pending JP2002285061A (ja) | 2001-03-26 | 2001-03-26 | 偽造防止用インキおよび偽造防止印刷物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002285061A (ja) |
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2001
- 2001-03-26 JP JP2001087542A patent/JP2002285061A/ja active Pending
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