JP5309525B2 - 光学素子、光学キット及びラベル付き印刷物 - Google Patents

光学素子、光学キット及びラベル付き印刷物 Download PDF

Info

Publication number
JP5309525B2
JP5309525B2 JP2007270499A JP2007270499A JP5309525B2 JP 5309525 B2 JP5309525 B2 JP 5309525B2 JP 2007270499 A JP2007270499 A JP 2007270499A JP 2007270499 A JP2007270499 A JP 2007270499A JP 5309525 B2 JP5309525 B2 JP 5309525B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reflection layer
layer
polarized light
polarization reflection
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007270499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009098454A (ja
Inventor
恵理 宮本
康 岸本
丈仁 大和
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2007270499A priority Critical patent/JP5309525B2/ja
Publication of JP2009098454A publication Critical patent/JP2009098454A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5309525B2 publication Critical patent/JP5309525B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Toys (AREA)
  • Printing Methods (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Description

本発明は、偽造防止効果、装飾効果及び美的効果を有する光学素子、光学キット及びラベル付き印刷物に関する。
従来、偽造防止の一方法として、潜像が利用されている。
潜像の形成には、様々な方法がある。例えば、万線モアレや凹版印刷を利用して形成することができる。
万線モアレを利用した潜像は、潜像とすべき像と、高密度に配列した多数の線とを重ねることにより得られる。この像は、肉眼で観察した場合には多数の線が識別を困難とし、それらの線を隠すことにより識別が容易になる。凹版印刷を利用した潜像は、インキ層に凹パターン及び/又は凸パターンを設けることにより得られる。凹パターン及び/又は凸パターンが形成している像は、正面から観察した場合には識別が困難であり、斜めから観察することにより可視化する。
万線モアレ又は凹版印刷を利用した潜像技術は、真偽判定が比較的容易である。しかしながら、これらの方法で形成した像は、肉眼で観察した場合に識別が不可能な訳ではない。そのため、これらの潜像はそれ自体の存在を悟られ易い。
潜像は、蛍光インキ及び赤外線吸収インキなどの特殊インキによって形成することもできる。
蛍光インキは、紫外線を照射することにより発光するインキであって、これを用いて形成した潜像は、紫外線照射により可視化する。赤外線吸収インキは、赤外線吸収率が高いインキであって、これを用いて形成した潜像は、例えば、赤外線カメラで観察することにより可視化する。
特殊インキ使用して形成した潜像は、それ自体の存在を悟られ難い。しかしながら、その可視化には紫外線ランプ又は赤外線カメラなどの装置が必要である。
一方、偽造防止の他の方法として、コレステリック液晶が利用されている。
コレステリック液晶は、それ自体が特徴的な色を呈し、また見る角度によって観察される色が変わるため、カラーコピーなどによる単純な偽造を防止する効果がある。それに加えて、右回りか左回りのどちらか一方の円偏光のみを反射するという特徴を持っており、円偏光フィルタによる検証機能を持たせることも出来るため、一つの材料で偽造防止効果の複合化が実現できる。
例えば、特許文献1は、コレステリック液晶を用いた潜像技術を提案している。このように、複数の偽造防止技術を組み合わせることは、偽造防止効果が向上するため、非常に有効である。
しかしながら、偽造技術の進歩は著しい。それゆえ、偽造防止技術には更なる進歩が望まれている。
特開2003−170649号公報
しかしながら、特許文献1の従来のコレステリック液晶を用いた潜像技術では、入射された光のうち右回転の偏光を反射する右偏光反射層と入射された光のうち左回転の偏光を反射する左偏光反射層とがそれぞれ基材上の別の領域に印刷されていた。このため、偽造防止の判定のための要素としては、右偏光反射層の判定と左偏光反射層の判定との2種類に限られていた。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、右偏光反射層と左偏光反射層とを重ねた2層構造を設けることで、偽造防止の判定のための新たな要素を取り入れ、これより、いっそうの偽造防止効果、装飾効果及び美的効果を有する光学素子、光学キット及びラベル付き印刷物を提供するにある。
上記目的を達成するため、本発明の光学素子は、基材と、前記基材上に該基材の上面の一部と重なり合う大きさの面積を有する大きさに形成され、入射された光のうち左回転の偏光を反射する、回転方向が左巻きのコレステリック液晶材料からなる左偏光反射層と、前記左偏光反射層の上面と、前記左偏光反射層と重なる部分を除く前記基材の上面とを覆うように形成され、入射された光のうち右回転の偏光を反射する、回転方向が右巻きのコレステリック液晶材料からなる右偏光反射層とを有し、前記基材上で前記左偏光反射層と前記右偏光反射層とが互いに重なる重合部分を第1の表示部とし、前記基材上で前記右偏光反射層のみの部分を第2の表示部と前記基材と前記右偏光反射層との間および前記基材と前記左偏光反射層との間に有色層が形成され、前記右偏光反射層の上に印刷パターン層が形成され、前記右偏光反射層および前記左偏光反射層はそれぞれ網点印刷により形成されていることを特徴とする。
また、本発明の光学キットは、光学素子と、右回りの円偏光を透過して前記光学素子に照射する右円偏光フィルタと、左回りの円偏光を透過して前記光学素子に照射する左円偏光フィルタとを備え、前記光学素子は、基材と、前記基材上に該基材の上面の一部と重なり合う大きさの面積を有する大きさに形成され、入射された光のうち左回転の偏光を反射する、回転方向が左巻きのコレステリック液晶材料からなる左偏光反射層と、前記左偏光反射層の上面と、前記左偏光反射層と重なる部分を除く前記基材の上面とを覆うように形成され、入射された光のうち右回転の偏光を反射する、回転方向が右巻きのコレステリック液晶材料からなる右偏光反射層とを有し、前記基材上で前記左偏光反射層と前記右偏光反射層とが互いに重なる重合部分を第1の表示部とし、前記基材上で前記右偏光反射層のみの部分を第2の表示部とし、前記基材と前記右偏光反射層との間および前記基材と前記左偏光反射層との間に有色層が形成され、前記右偏光反射層の上に印刷パターン層が形成され、前記右偏光反射層および前記左偏光反射層はそれぞれ網点印刷により形成されていることを特徴とする。
また、本発明のラベル付き印刷物は、光学素子と、前記光学素子がラベルとして貼付された印刷物とを備え、前記光学素子は、基材と、前記基材上に該基材の上面の一部と重なり合う大きさの面積を有する大きさに形成され、入射された光のうち左回転の偏光を反射する、回転方向が左巻きのコレステリック液晶材料からなる左偏光反射層と、前記左偏光反射層の上面と、前記左偏光反射層と重なる部分を除く前記基材の上面とを覆うように形成され、入射された光のうち右回転の偏光を反射する、回転方向が右巻きのコレステリック液晶材料からなる右偏光反射層とを有し、前記基材上で前記左偏光反射層と前記右偏光反射層とが互いに重なる重合部分を第1の表示部とし、前記基材上で前記右偏光反射層のみの部分を第2の表示部と前記基材と前記右偏光反射層との間および前記基材と前記左偏光反射層との間に有色層が形成され、前記右偏光反射層の上に印刷パターン層が形成され、前記右偏光反射層および前記左偏光反射層はそれぞれ網点印刷により形成されていることを特徴とする。
本発明の光学素子、光学キット及びラベル付き印刷物によれば、基材上に右偏光反射層と左偏光反射層とが形成され、これら右偏光反射層および左偏光反射層には、互いに重なる重合部分が設けられ、さらに、有色層および印刷パターン層に加えて右偏光反射層および左偏光反射層をそれぞれ網点印刷により形成する。
したがって、単層の右偏光反射層および左偏光反射層による従来の偽造防止の判定のための要素に、右偏光反射層と左偏光反射層とが重なる2層構造による偽造防止のための新たな要素を付加し、かつ有色層および印刷パターン層による偽造防止のための新たな要素を付加し、さらに網点印刷からなる右偏光反射層および左偏光反射層による偽造防止のための新たな要素が加えられる。したがって、より一層の偽造防止効果、装飾効果及び美的効果を有する光学素子、光学キット及びラベル付き印刷物を提供することができる。
以下、本発明の光学素子、光学キット及びラベル付き印刷物について図面を参照して説明する。
本発明の実施の形態の光学素子は、基材と、基材に形成され、入射された光のうち右回転の偏光を反射する右偏光反射層と、基材に形成され、入射された光のうち左回転の偏光を反射する左偏光反射層とを備え、これら右偏光反射層および前記左偏光反射層には、互いに重なる重合部分が設けられる。
図1は、本発明の実施形態の光学素子を概略的に示す平面図である。図2は、図1に示される光学素子のII-II線に沿った断面図である。
光学素子10は、真正品であることが確認されるべきものであり、図1に示すように、光学素子10をその前面から見て表示部101と表示部102とを有する。
光学素子10は、図2に示すように、基材11と、基材11の上に形成された有色層12と、有色層12の上の一部にT字状に形成された左偏光反射層14と、有色層12および左偏光反射層14の上に形成された右偏光反射層13とを備える。
光学素子10の前面は、基材11の最上層である左偏光反射層13の上面である。右偏光反射層13および左偏光反射層14には、互いに重なる重合部分102が設けられている。表示部102は、右偏光反射層13および左偏光反射層14が重ねられた重合部分102であり、表示部101は、右偏光反射層13のみが形成された部分である。
基材11は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂や紙などのシートである。
有色層12は、光学素子10の前面側から見た右偏光反射層13および左偏光反射層14の色を鮮明にするためのものであり、例えば黒色の墨インキを使用してスクリーン印刷、グラビア印刷、マイクログラビア印刷などにより形成される。
右偏光反射層13は、固化された右巻きの螺旋構造を有するコレステリック液晶材料からなる。右偏光反射層13は、流動性を有するコレステリック液晶材料を非流動化し形成される。左偏光反射層14は、固化された左巻きの螺旋構造を有するコレステリック液晶材料からなる。左偏光反射層14は、流動性を有するコレステリック液晶材料を非流動化して形成される。
右偏光反射層13及び左偏光反射層14は、典型的には、流動性を有する重合性のコレステリック液晶材料を紫外線または熱により硬化させてなる高分子コレステリック液晶層である。
コレステリック液晶は、層構造からなり、液晶分子の配向方向が膜厚方向に規則的にねじれた螺旋構造を有している。具体的には、ある面内では、液晶分子のディレクター(平均的な配向方向)nは一定方向にあるが、この面に平行な隣り合う面内では、nの方向がいくらかねじれている。nが360°回転するための面間距離がこのコレステリック液晶の螺旋ピッチPとなる。
コレステリック液晶では、その螺旋軸に沿って光の屈折率が周期的に変化する。そのときの螺旋ピッチPと、入射光の波長とがほぼ等しいときに、選択反射性と円偏光選択性という2つの光学的性質を示すことが知られている。すなわち、波長が螺旋ピッチと等しく、かつ螺旋のねじれと同じ方向の円偏光を反射するという性質を持つ。従って、螺旋構造のピッチを制御することで所望の反射色を得ることが可能であり、また、特定の波長域の成分が反射されるため、色純度の高い反射光を得ることができる。
各分子の配向は公知の方法、例えば配向層又は電界又は磁界によって制御できる。またその固定化の代表的な方法には、キラル相を有する三次元架橋性液晶物質と多官能性重合性化合物を組合せ、紫外線照射することで、三次元架橋し、螺旋構造を固定化でき、高分子コレステリック液晶が得られる。
高分子コレステリック液晶層は、例えば、以下の方法により形成することができる。
まず、光重合性を有するコレステリック液晶材料を有色層12上に塗布する。このとき、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷などの印刷法を用いてパターン状に液晶材料を塗布すると、必要な部分のみにコレステリック液晶層を形成することができる。次いで、液晶材料に紫外線を照射して、それらの重合を生じさせる。これにより、螺旋構造が固定化された高分子コレステリック液晶層である右偏光反射層13および左偏光反射層14を得ることができる。
コレステリック液晶材料は、コレステリック液晶材料そのものでも良く、コレステリック液晶材料を固化した後に粉砕し、顔料化したものを用いても良い。顔料化することで、各種の結着剤、分散剤、助剤等との混錬が可能となり、グラビア印刷用、スクリーン印刷用等の各種印刷に用いるインキとしての特性を向上させることができる。
なお、右偏光反射層13及び左偏光反射層14に用いるコレステリック液晶材料の色相は同じである方が望ましい。
次に、この光学素子10に白色光を照射し、これを肉眼で観察した場合に見える画像について説明する。なお、白色光とは、可視領域内のすべての波長の非偏光からなる光である。
図3は、図1及び図2に示す光学素子が表示する像の一例を示す平面図である。
光学素子10に白色光を照射し、これを肉眼で観察した場合、図3に示すように、表示部101及び102は互いからの判別が不可能又は困難である。これについてより詳細に説明する。
表示部101に入射した照明光としての白色光は、図2に示す右偏光反射層13によって右円偏光のみが反射される。このとき、左円偏光は右偏光反射層13を透過し、有色層12に吸収される。すなわち、表示部101では、右偏光反射層13より反射された右円偏光を観察することとなる。
表示部102に入射した照明光としての白色光は、図2に示す右偏光反射層13によって右円偏光のみが反射される。このとき、左円偏光は右偏光反射層13を透過し、左偏光反射層14に入射する。左偏光反射層14に入射した左円偏光は左偏光反射層14によって反射される。すなわち、表示部102では、右偏光反射層13より反射された右円偏光と、左偏光反射層14より反射された左円偏光を観察することとなる。
人間の目は、円偏光の回転方向の違いを認識できないため、表示部101と表示部102は同じ色、例えば、赤色に見え、互いからの判別が不可能又は困難である。
なお、表示部101と表示部102の判別をより困難にするためには、例えば、表示部102を形成している右偏光反射層13を網点印刷で設けると良い。網点印刷は、スクリーン印刷やオフセット印刷などの印刷法において、インキをドット形状で設けることを指す。網点印刷によって右偏光反射層13を設けると、左偏光反射層14との境界線がわかりにくくなり、より判別を困難にすることができる。
また、表示部101と表示部102の判別をより困難にするために、例えば、表示部101を形成する左偏光反射層14上に、さらに地紋模様等の印刷パターンを重ねることも出来る。印刷パターンを重ねることによって、右偏光反射層13と左偏光反射層14の境界線がわかりにくくなり、より判別を困難にすることが出来ると共に、さらに意匠性を向上させることができる。
図4は、図1及び図2に示す光学素子の観察方法の例を示す概念図である。
図4に示すように、図3に示す状態から観察方向をX方向に垂直な面内で傾けると、表示部101及び102の表示色が変化する。例えば、法線方向20から観察した場合に表示部101及び102は赤色に見えていたとすると、観察方向を視点21から25までX方向に垂直な面内で傾けることにより、表示部101及び102の色はオレンジ色、黄色、緑色、青緑色、青色と順次変化する。表示部101及び102で生じる色変化の理由を以下に説明する。
照明光である白色光が斜めから入射すると、螺旋ピッチが見かけ上減少し、反射光の中心波長が短波長側へシフトする(ブルーシフト)。そのシフト量は入射角に依存する。そのため、光学素子10をX方向に垂直な面内で傾けると、例えば、法線方向20から観察して赤色に見えるコレステリック液晶の反射色は、傾ける角度を大きくするにつれ、オレンジ色、黄色、緑色、青緑色、青色と順次変化する。
次に、偏光フィルタを介して光学素子10を観察した場合に見える画像について説明する。ここでは、偏光フィルタとして左円偏光フィルム50を使用することとする。左円偏光フィルム50は、左回りの円偏光を透過するように設計された偏光フィルタである。
図5は、図1及び図2に示す光学素子10と左円偏光フィルム50とを重ねた場合に観察可能な像の一例を概略的に示す平面図である。
図5では、図1及び図2に示す光学素子10と左円偏光フィルム50とを重ねている。これを正面から観察すると、図5に示すように、表示部101表示部102の互いからの判別が容易である。これについてより詳細に説明する。
表示部101に入射した照明光としての白色光は、図2に示す右偏光反射層13によって右円偏光のみが反射される。このとき、左円偏光は右偏光反射層13を透過し、有色層12に吸収される。すなわち、表示部101では、右偏光反射層13より反射される右円偏光を観察することとなる。これを左円偏光フィルム50を通して観察するとき、この右円偏光は左円偏光フィルム50を透過できないため、表示部101は黒く見える。
表示部102に入射した照明光としての白色光は、図2に示す右偏光反射層13によって右円偏光のみが反射される。このとき、左円偏光は右偏光反射層13を透過し、左偏光反射層14に入射する。左偏光反射層14に入射した左円偏光は左偏光反射層14によって反射される。すなわち、表示部102では、右偏光反射層13より反射された右円偏光と、左偏光反射層14より反射された左円偏光を観察することとなる。これを左円偏光フィルム50を通して観察するとき、左偏光反射層14より反射された左円偏光が透過し、表示部102は、例えば、赤色に見える。
このように、表示部101は黒色に見え、表示部102は着色して見える。したがって、光学素子10に偏光フィルム50を重ね、これに白色光を照射して正面から観察した場合、図5に示すように、表示部101及び102の判別が容易となる。
また、表示部102では、図4で説明したのと同様の色変化が左円偏光フィルム50を通しても観察できる。
次に、偏光フィルタを介して光学素子10を観察した場合に見える画像の別の例について説明する。ここでは、偏光フィルタとして右円偏光フィルム60を使用することとする。右円偏光フィルム60は、右回りの円偏光を透過するように設計された偏光フィルタである。
図6は、図1及び図2に示す光学素子10と直線偏光フィルム60とを重ねた場合に観察可能な像の一例を概略的に示す平面図である。
図6では、図1及び図2に示す光学素子10と右円偏光フィルム60とを重ねている。これを正面から観察すると、図6に示すように、表示部101表示部102の互いからの判別が不可能又は困難である。これについてより詳細に説明する。
表示部101に入射した照明光としての白色光は、図2に示す右偏光反射層13によって右円偏光のみが反射される。このとき、左円偏光は右偏光反射層13を透過し、有色層12に吸収される。すなわち、表示部101では、右偏光反射層13より反射される右円偏光を観察することとなる。これを右円偏光フィルム60を通して観察するとき、この右円偏光は右円偏光フィルム60を透過するため、表示部101は、例えば、赤色に見える。
表示部102に入射した照明光としての白色光は、図2に示す右偏光反射層13によって右円偏光のみが反射される。このとき、左円偏光は右偏光反射層13を透過し、左偏光反射層14に入射する。左偏光反射層14に入射した左円偏光は左偏光反射層14によって反射される。すなわち、表示部102では、右偏光反射層13より反射された右円偏光と、左偏光反射層14より反射された左円偏光を観察することとなる。これを右円偏光フィルム60を通して観察するとき、右偏光反射層13より反射された右円偏光が透過し、表示部102は、例えば、赤色に見える。
このように表示部101及び102は着色して見える。したがって、光学素子10に右円偏光フィルム60を重ね、これに白色光を照射して正面から観察した場合、図6に示すように、表示部101及び102の判別は不可能又は困難である。
また、表示部101及び102では、図4で説明したのと同様の色変化が左円偏光フィルム60を通しても観察できる。
表示部101及び102の観察をまとめると、真偽判定に有効な以下の特徴が認められる。
(1)表示部101及び102は、左円偏光フィルム50及び右円偏光フィルム60なしで法線方向から観察した場合に、互いにほぼ等しい色を表示する。
(2)表示部101及び102は、左円偏光フィルム50及び右円偏光フィルム60なしで法線方向から観察した場合と、左円偏光フィルム50及び右円偏光フィルム60なしで斜め方向から観察した場合とで同様の色変化を示す。
(3)表示部101及び102は、左円偏光フィルム50を介して法線方向から観察した場合に、互いに異なる色を表示する。
(4)表示部101及び102は、左円偏光フィルム50を介して斜め方向から観察した場合に、互いに異なる色を表示する。
(5)表示部102は、左円偏光フィルム50を介して法線方向から観察した場合と、左円偏光フィルムを介して斜め方向から観察した場合とで異なる色を表示する。
(6)表示部101及び102は、右円偏光フィルム60を介して法線方向から観察した場合に、互いにほぼ等しい色を表示する。
(7)表示部101及び102は、右円偏光フィルム60を介して斜め方向から観察した場合に、互いにほぼ等しい色を表示する。
(8)表示部102は、右円偏光フィルム60を介して法線方向から観察した場合と、右円偏光フィルムを介して斜め方向から観察した場合とで互いにほぼ等しい色を表示する。
光学素子10と、この光学素子10がラベルとして貼付された印刷物とからなるラベル付き印刷物を真正品とした場合、真正であるか否かが未知の物品が、上記の特徴の1つ以上を示さないときには、その物品は非真正品であると判断することができる。すなわち、真正であるか否かが未知の物品を真正品と非真正品との間で判別することができる。
印刷物は、例えば、有価証券、銀行券、身分証明書、クレジットカードであり、真正品であることの証明が必要なものである。ここに本発明の光学素子をラベルとして貼付することで、印刷物や美術品、ひいては様々な物品などの偽造を防止又は抑制することができる。なお、ここでは、ラベルとは、ステッカーシールや、熱圧によって貼付する転写箔など、本発明の光学素子を貼付するための加工品を指すこととする。
また、この光学素子10と右円偏光フィルム50及び左円偏光フィルム60とを含んだ光学キットは、先の真偽判定に利用可能であるのに加え、玩具、学習教材又は装飾品としても利用することができる。
光学素子10は、以下に説明する保護層や粘着層をさらに含んでいてもよい。
図7は、図1に示す光学素子の一変形例を示す断面図である。
図7に示す光学素子10は、右偏光13を被覆した保護層15をさらに含んでいること以外は、図1及び図2を参照しながら説明した光学素子10と同様の構造を有している。保護層15を設けると、右偏光反射層13などの損傷や光劣化を生じ難くすることができ、それゆえ、光学素子10が表示する像の劣化を抑制することができる。
保護層15の材料としては、例えば、耐傷性に優れたハードコート材料を使用することができる。また、保護層15の材料としては、典型的には透明性の高い材料を使用する。保護層15は無色透明であってもよく、有色透明であってもよい。
図8は、図1に示す光学素子の他の変形例を示す断面図である。
図8に示す光学素子10は、基材11の裏面を被覆した粘着層16をさらに含んでいること以外は、図7を参照しながら説明した光学素子10と同様の構造を有している。この光学素子10は、物品に貼り付けて使用する用途に適している。なお、粘着層16は、剥離紙で被覆してもよい。
本発明の実施の形態の光学素子を概略的に示す平面図である。 図1に示される光学素子のII−II線に沿った断面図である。 光学素子が表示する像の一例を示す平面図である。 光学素子の観察方法の例を示す図である。 左円偏光フィルムにより観察可能な像の一例を示す図である。 右円偏光フィルムにより観察可能な像の一例を示す図である。 光学素子の一変形例を示す断面図である。 光学素子の他の変形例を示す断面図である。
符号の説明
10…光学素子、11…基材、12…有色層、13…右偏光反射層、14…左偏光反射層、15…保護層、16…粘着層、20、21、22、23、24、25…視点、50…左円偏光フィルタ、60…右円偏光フィルタ、101…表示部、102…表示部。

Claims (3)

  1. 基材と、
    前記基材上に該基材の上面の一部と重なり合う大きさの面積を有する大きさに形成され、入射された光のうち左回転の偏光を反射する、回転方向が左巻きのコレステリック液晶材料からなる左偏光反射層と、
    前記左偏光反射層の上面と、前記左偏光反射層と重なる部分を除く前記基材の上面とを覆うように形成され、入射された光のうち右回転の偏光を反射する、回転方向が右巻きのコレステリック液晶材料からなる右偏光反射層とを有し、
    前記基材上で前記左偏光反射層と前記右偏光反射層とが互いに重なる重合部分を第1の表示部とし、
    前記基材上で前記右偏光反射層のみの部分を第2の表示部と
    前記基材と前記右偏光反射層との間および前記基材と前記左偏光反射層との間に有色層が形成され、
    前記右偏光反射層の上に印刷パターン層が形成され、
    前記右偏光反射層および前記左偏光反射層はそれぞれ網点印刷により形成されている、
    ことを特徴とする光学素子。
  2. 光学素子と、
    右回りの円偏光を透過して前記光学素子に照射する右円偏光フィルタと、
    左回りの円偏光を透過して前記光学素子に照射する左円偏光フィルタとを備え、
    前記光学素子は、
    基材と、
    前記基材上に該基材の上面の一部と重なり合う大きさの面積を有する大きさに形成され、入射された光のうち左回転の偏光を反射する、回転方向が左巻きのコレステリック液晶材料からなる左偏光反射層と、
    前記左偏光反射層の上面と、前記左偏光反射層と重なる部分を除く前記基材の上面とを覆うように形成され、入射された光のうち右回転の偏光を反射する、回転方向が右巻きのコレステリック液晶材料からなる右偏光反射層とを有し、
    前記基材上で前記左偏光反射層と前記右偏光反射層とが互いに重なる重合部分を第1の表示部とし、
    前記基材上で前記右偏光反射層のみの部分を第2の表示部とし、
    前記基材と前記右偏光反射層との間および前記基材と前記左偏光反射層との間に有色層が形成され、
    前記右偏光反射層の上に印刷パターン層が形成され、
    前記右偏光反射層および前記左偏光反射層はそれぞれ網点印刷により形成されている、
    ことを特徴とする光学キット。
  3. 光学素子と、
    前記光学素子がラベルとして貼付された印刷物とを備え、
    前記光学素子は、
    基材と、
    前記基材上に該基材の上面の一部と重なり合う大きさの面積を有する大きさに形成され、入射された光のうち左回転の偏光を反射する、回転方向が左巻きのコレステリック液晶材料からなる左偏光反射層と、
    前記左偏光反射層の上面と、前記左偏光反射層と重なる部分を除く前記基材の上面とを覆うように形成され、入射された光のうち右回転の偏光を反射する、回転方向が右巻きのコレステリック液晶材料からなる右偏光反射層とを有し、
    前記基材上で前記左偏光反射層と前記右偏光反射層とが互いに重なる重合部分を第1の表示部とし、
    前記基材上で前記右偏光反射層のみの部分を第2の表示部と
    前記基材と前記右偏光反射層との間および前記基材と前記左偏光反射層との間に有色層が形成され、
    前記右偏光反射層の上に印刷パターン層が形成され、
    前記右偏光反射層および前記左偏光反射層はそれぞれ網点印刷により形成されている、
    ことを特徴とするラベル付き印刷物。
JP2007270499A 2007-10-17 2007-10-17 光学素子、光学キット及びラベル付き印刷物 Expired - Fee Related JP5309525B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007270499A JP5309525B2 (ja) 2007-10-17 2007-10-17 光学素子、光学キット及びラベル付き印刷物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007270499A JP5309525B2 (ja) 2007-10-17 2007-10-17 光学素子、光学キット及びラベル付き印刷物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009098454A JP2009098454A (ja) 2009-05-07
JP5309525B2 true JP5309525B2 (ja) 2013-10-09

Family

ID=40701506

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007270499A Expired - Fee Related JP5309525B2 (ja) 2007-10-17 2007-10-17 光学素子、光学キット及びラベル付き印刷物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5309525B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018005119A (ja) * 2016-07-07 2018-01-11 Jxtgエネルギー株式会社 光学フィルム及び光学フィルムの製造方法
JPWO2023032644A1 (ja) * 2021-08-30 2023-03-09

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002067502A (ja) * 2000-08-24 2002-03-08 Dainippon Printing Co Ltd 感熱記録媒体
JP2003145912A (ja) * 2001-11-15 2003-05-21 Toppan Printing Co Ltd 偽造防止印刷物
JP2004163797A (ja) * 2002-11-15 2004-06-10 Toppan Printing Co Ltd 偏光性を示す偽造防止媒体およびそれを用いた真偽判定方法
JP4392826B2 (ja) * 2003-05-16 2010-01-06 日本発條株式会社 対象物の識別媒体及び識別方法
JP2005091785A (ja) * 2003-09-18 2005-04-07 Dainippon Printing Co Ltd 真偽判定用媒体、真偽判定用媒体ラベル、真偽判定用媒体転写シート、真偽判定可能なシート、および真偽判定可能な情報記録体
JP2006015498A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Konica Minolta Photo Imaging Inc 転写箔及びidカード並びにidカードの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009098454A (ja) 2009-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7943392B2 (en) Discrimination medium, discrimination method, article to be discriminated, and discrimination apparatus
AU2008327780B2 (en) Improvements in security devices
RU2386540C2 (ru) Элемент защиты, содержащий слой с переменными оптическими свойствами, и способ его изготовления
US8684415B2 (en) Substrates
MX2007001546A (es) Elemento de seguridad y metodo para su fabricacion.
WO2004102234A1 (ja) 対象物の識別媒体及び識別方法
JP2003145912A (ja) 偽造防止印刷物
JP5381023B2 (ja) 画像形成体
JP2007141117A (ja) 偽造防止媒体およびその偽造防止媒体による真偽判定方法
JP2007094625A (ja) 偽造防止媒体および真偽判定方法
JP5309525B2 (ja) 光学素子、光学キット及びラベル付き印刷物
JP2004163797A (ja) 偏光性を示す偽造防止媒体およびそれを用いた真偽判定方法
JP5811568B2 (ja) 偽造防止媒体
JP5692651B2 (ja) 真偽判別媒体
JP2005325482A (ja) 偽造防止用紙と真贋判別方法
JP2004053870A (ja) 偽造防止用スレッドと偽造防止用紙
JP2003233317A (ja) 隠蔽シール及び偽造等対策印刷物、並びにそれらを用いた偽造等への対策方法
JP2003170649A (ja) 潜像を有する偽造防止印刷物
JPH1049647A (ja) 偽造防止媒体及びその製造方法
CA2919038A1 (en) Improvements in security devices
JP2006142599A (ja) 液晶積層複合体とその製造方法
JP2006043978A (ja) Ovd媒体の偽造防止方法、偽造防止を施したovd媒体、及びovd媒体を用いたステッカー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100921

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120918

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121015

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130604

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130617

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5309525

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees