JP3960508B2 - スチレン類の重合抑制方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スチレン類の製造あるいは精製工程において、スチレン類あるいはこれを含有するプロセス流体の重合を抑制する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スチレン類、特にスチレンはポリスチレン、合成ゴム、ABS樹脂などの原料として産業上非常に重要な化合物であり、工業的に多量に生産されている。スチレン類は極めて重合しやすく、その製造あるいは精製工程において、熱が加わるなどの要因により重合物を生じ、目的物であるスチレン類モノマーの収率を低下させるばかりでなく、関連設備の中で重合物が堆積してファウリング(汚れ)となり運転上支障を来すなどの問題がある。この対策として、該プロセス流中に各種の重合抑制剤を添加して重合を抑制する方法が提案され、実用に供されている。重合抑制剤としては、 例えば、酸素の存在下でのフェノール類[tert−ブチルカテコール(TBC)]とフェノチアジン類の併用(特開昭61−9291号公報)、ニトロソアミン類(例えば、特公昭52−39016号公報)、ニトロソフェノール類(例えば、特公昭55−37974号公報)、ニトロフェノール類(例えば、特公昭61−9927号)、ニトロソフェノール類と芳香族ニトロ類の併用(例えば、特開昭63−316745号公報)、ピペリジン−1−オキシル類(例えば、特開平1−165534号公報)、ピペリジン−1−オキシル類と芳香族ニトロ類の併用(例えば、特開平6−166636号公報)、酸素の存在下にピペリジン−1−オキシル類を添加する方法(特表平10−504317号公報)などが提案されている。
【0003】
しかしながら、スチレン類の製造工程、精製工程は一般に温度が高い(80〜130℃)ことから、そのような条件下ではTBC、ハイドロキノン等のフェノール類は、70℃以上の高温で重合抑制効果が急速に低下し十分な効果を発揮することができない。また、フェノチアジン類は難溶性であるために事実上、使用が困難である。また、ニトロフェノール類は重合抑制効果が弱く、高濃度(例えば、500ppm以上)で使用する必要があった。ニトロソフェノール類やピペリジン−1−オキシル類は、初期の重合抑制効果は高いが、時間が経過すると急速にその効果がなくなり、一旦重合が始まると急激に重合が進行するといった欠点を有していた。また、酸素の存在下にピペリジン−1−オキシル類を添加する方法においても同様、限られた時間内では効果が大きいが、それ以後は急激に重合が進行する欠点は改善されなかった。このため装置の安定運転という観点からは添加量を厳格に管理する必要があった。
【0004】
この改良として、ニトロソフェノール類と芳香族ニトロ類の併用、ピペリジン−1−オキシル類と芳香族ニトロ類の併用が提案されたが、安定的な相乗効果を得るために、芳香族ニトロ類を多量に使用する必要があり高濃度(例えば、300ppm以上)の添加が必要であるなど経済的に問題であり、さらに芳香族ニトロ類は比較的高い毒性を有しており取り扱う作業者の健康衛生上の問題を残していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、かかるスチレン類の製造あるいは精製工程における高温条件下において、少ない添加濃度で優れた重合抑制効果を有し、その効果が長く持続性し、関連装置の安全運転を可能にする方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、スチレン類の重合特性について、鋭意研究を行った結果、酸素の存在下に、ピペリジン−1−オキシル類と1個のベンゼン環にヒドロキシル基を2個あるいは3個有するフェノール類の組み合わせて用いることにより極めて効果的にスチレン類の重合が抑制されることを見いだし、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0007】
すなわち、本請求項1に係る発明は、スチレン類の製造あるいは精製工程において、酸素の存在下に、(A)ピペリジン−1−オキシル類及び(B)1個のベンゼン環にヒドロキシル基を2個あるいは3個有するフェノール類を(A)成分:(B)成分=2:8〜8:2 ( 重量比 ) 添加することを特徴とするスチレン類の重合抑制方法であり、本請求項2に係る発明は、(A)成分のピペリジン−1−オキシル類が、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)セバケート及びトリス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)ホスファイトから選ばれる一種以上であり、そして(B)成分の1個のベンゼン環にヒドロキシル基を2個あるいは3個有するフェノール類がハイドロキノン、2,4−ジ゛−tert−ブチルハイドロキノン、2,4−ジ−tert−アミルハイドロキノン及び4−tert−ブチルカテコールから選ばれる一種以上である請求項1記載のスチレン類の重合抑制方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明におけるスチレン類は、スチレン、置換スチレン(例えばメチルスチレン、エチルスチレンなど)、ジビニルベンゼンなど芳香族ビニル化合物である。
【0009】
(A)成分のピペリジン−1−オキシル類は、具体的には、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−エトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−カルボキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)コハク酸エステル、ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)アジピン酸エステル、ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)セバケート、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−1−オキシル)−1,6−ヘキサンジアミン、トリス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)ホスファイト等が挙げられる。これら化合物のうち、工業的に入手し易いとの見地から特に、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)セバケート及びトリス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)ホスファイトが好ましい。本発明においては、これらピペリジン−1−オキシル類の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】
(B)成分の1個のベンゼン環にヒドロキシル基を2個あるいは3個有するフェノール類(以下「多価フェノール類」と略す)は、具体的には、ハイドロキノン、2,4−ジ゛−tert−ブチルハイドロキノン、2,4−ジ−tert−アミルハイドロキノン、1,4−ジヒドロキシアントラキノン、カテコール、4−tert−ブチルカテコール、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシルベンゾフェノン、レゾルシン、2,4−ジ−ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−ヒドロキシルベンゾフェノン、2,4,5−トリヒドロキシルブチロフェノン、2,4,5−トリヒドロキシルベンゾフェノン、3,4,5−トリヒドロキシベンゾイックアッシド、メチル−3,4,5−トリヒドロキシベンゾエート、エチル−3,4,5−トリヒドロキシベンゾエート、プロピル−3,4,5−トリヒドロキシベンゾエート、オクチル−3,4,5−トリヒドロキシベンゾエート、ラウリル−3,4,5−トリヒドロキシベンゾエート、セチル−3,4,5−トリヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。これら化合物のうち、工業的に入手し易いとの見地から特に、ハイドロキノン、2,4−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,4−ジ−tert−アミルハイドロキノン及び4−tert−ブチルカテコールが好ましい。本発明においては、これら多価フェノール類の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0011】
(A)成分のピペリジン−1−オキシル類と(B)成分の多価フェノール類は、それぞれ単独でも酸素の存在下においてもそれなりの重合抑制能がある。後記実施例から明らかなように多価フェノール類がピペリジン−1−オキシル類との組み合わせによって重合抑制能に於いて良好な相乗効果を示し、2,6−tert−ブチルクレゾール、p−メトキシフェノール、2,4−ジニトロフェノール等の1価フェノール類から多価フェノール類に置き換え、ピペリジン−1−オキシル類と併用した場合には重合抑制効果は2倍、さらにピペリジン−1−オキシル類単独使用に比べて5倍になった。このような多価フェノール類とピペリジン−1−オキシル類との組合わせによる重合抑制効果の特異性は本発明者によって初めて究明されたものである。本発明の相乗効果を達成するには、(A)成分のピペリジン−1−オキシル類と(B)成分の多価フェノール類の配合割合は2:8〜8:2より好ましくは2:8〜5:5(重量比)である。この範囲でピペリジン−1−オキシル類と多価フェノール類を組み合わせることにより、それぞれ単独の場合より遥かに効果が大きく相乗効果が認められる。
【0012】
ピペリジン−1−オキシル類と多価フェノール類の添加量は、使用条件、重合抑制の必要度、ピペリジン−1−オキシル類と多価フェノール類の混合比などにより決められるもので、一律に定められるものではないが、一般的には対象とするスチレン類に対しピペリジン−1−オキシル類と多価フェノール類の合計量で1〜1,000ppm、好ましくは5〜500ppm、さらに好ましくは10〜250ppmである。この添加量は、対象とするスチレン類の重合抑止効果を達成する上で適当な範囲として見いだされたものであり、この範囲より小さいと重合抑止効果が充分でなく、またこの範囲より多いと効果は充分にあるが、添加量の割に効果は大きくならず、経済的見地から好ましくないことがある。
【0013】
酸素の濃度は、工程条件、重合抑制の必要度などにより決められるが、一般的には対象とするスチレン類に対し、0.1ppm以上、好ましくは1〜10ppmである。この添加量は、対象とするスチレン類の重合抑止効果を達成する上で適当な範囲として見いだされたものであり、この範囲より小さいと重合抑止効果が充分でないことが多く、またこの範囲より多いと重合抑制の見地からの効果は大きいが、装置の安全運転、装置の腐食等の障害を招く可能性があり好ましくないことがある。プロセスへの酸素添加は、酸素をそのまま、あるいは窒素などで希釈して用いても良いが、最も好ましくは空気を用いることである。
【0014】
供給される酸素の量は、例えば対象とするプロセスから液を抜き出して液中の酸素濃度測定する、あるいはプロセスの配管中に酸素測定センサーを設置して常時酸素濃度を測定し、該酸素濃度を参照しつつ供給量を制御するのがよい。
【0015】
ピペリジン−1−オキシル類、多価フェノール類及び酸素の添加場所は、スチレン類が重合しファウリングとして問題化する箇所よりプロセス上流部に添加する。例えばスチレンは一般にエチルベンゼンの脱水素反応によって製造されるが、この場合生成したスチレンと未反応のエチルベンゼンは蒸留操作にてエチルベンゼンと粗スチレンに分離され、更に蒸留操作を加えて高純度スチレンとして回収しており、そのエチルベンゼン脱水素後の蒸留塔群に供給するのがよい。ピペリジン−1−オキシル類と多価フェノール類は、予め両者を適正な混合比で混合し、そのプロセス流体と同じもの、例えばスチレンの場合にはエチルベンゼンや粗スチレンに溶解して添加するのが実際上便利である。各成分を別々に溶解し添加し、装置内で適正混合比に保つことも可能である。添加に際して、ある箇所に一括添加する、あるいはいくつかの箇所に分けて分散添加するなどの方法がとられる。酸素の添加も、添加場所はピペリジン−1−オキシル類と多価フェノール類と同様であり、例えば蒸留塔の原料供給ラインもしくは蒸留塔の塔底部から連続的あるいは間欠的に供給することができる。これら添加方法は工程の状況、必要度などから任意に選ばれるものである。
【0016】
本発明において、ピペリジン−1−オキシル類と多価フェノール類以外に、公知の他の重合抑制剤を併せて用いることになんら制限を加えるものではない。
【0017】
【実施例】
以下に本発明の方法を実施例でさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0018】
〔ピペリジン−1−オキシル類〕
A−1:4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル
A−2:2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−1−オキシル
A−3:4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−1−オキシル
A−4:ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)セバケート
A−5:トリス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)ホスファイト
【0019】
〔多価フェノール類〕
B−1:ハイドロキノン
B−2:4−tert−ブチルカテコール
B−3:2,4−ジ−tert−ブチルハイドロキノン
B−4:2,4−ジ−tert−アミルハイドロキノン
【0020】
〔比較に用いた化合物〕
C−1:2,6−tert−ブチルクレゾール
C−2:p−メトキシフェノール
C−3:2,4−ジニトロフェノール
【0021】
〔実施例1〕
還流冷却器を備えた4口セパラブルフラスコに、予め蒸留精製したスチレンモノマー500gを入れ、重合抑制剤を所定量添加し、空気と高純度窒素ガスの混合ガスを流量計にて流量制御しつつ流入し、液中の酸素量を調節した。このフラスコを110℃の恒温槽に浸漬して、10分毎に内容物の一部を採取し、重合物の有無を確認した。重合物の有無は、サンプリングした試料液に9倍量(容量)のメタノールを加えると、重合物が生成しているときは重合物が懸濁状態で析出して白濁することから確認した。重合物の生成が始まる時間をもって重合開始時間として記録した。また、酸素濃度の測定は、フラスコよりサイホンを用いて内容物の一部を高純度窒素気流下においたビーカーに取り出して、ポーラロ方式の溶存酸素計〔セントラル科学(株)製「UC−12−SOL型」〕にて測定した。
【0022】
比較に用いた酸素が存在しない場合については、同様にして高純度窒素ガスのみを流入して行った。
得られた結果を、表1に示す。
【0023】
【表1】
Figure 0003960508
【0024】
本発明の酸素存在下におけるピペリジン−1−オキシル類と多価フェノール類の組み合わせにより、長時間重合が抑制された。一方、酸素、ピペリジン−1−オキシル類、多価フェノールの一つ要素が欠けると、重合開始時間が早くなることがわかる。また、比較例に示したように、多価フェノール類の代りに一価フェノール類を置き換えて同様にピペリジン−1−オキシル類および酸素と組み合わせた場合、相乗効果がない、あるいは極めて小さいことが理解できる。このことから本発明のピペリジン−1−オキシル類と多価フェノール類との組み合わせが驚異的な相乗効果を有していることを示唆するものである。
【0025】
〔実施例2〕
実施例1と同様の操作で重合抑止試験を行った。110℃の恒温槽に浸漬してから180分後、240分後、360分後についての重合体濃度を下記の方法で測定した。
【0026】
重合体濃度測定方法:試験容器より内容物の一部を採取し、これに9倍量(容量)のメタノールを加えた。この液を孔径1μmのガラスフィルターでろ過して懸濁状態で析出した重合体分別し、フィルターの重量測定より重合体量を測定し、重合体濃度で表記した。
この結果を表2に示した。
【0027】
【表2】
Figure 0003960508
【0028】
この結果から、本発明の組み合わせにより、相乗効果が発現し、重合が効率よく抑制されていることがわかる。
【0029】
〔実施例3〕
実施例2と同様の操作で、酸素濃度を5ppmに調整して、A−1(ピペリジン−1−オキシル類)とB−1(多価フェノール類)の合計添加量を50ppmとして、その組成比を種々変えて重合抑止試験を行った。110℃の恒温槽に浸漬してから180分後、240分後、360分後の重合体濃度を測定した。
結果を表3に示した。
【0030】
【表3】
Figure 0003960508
【0031】
この結果から、本発明のピペリジン−1−オキシル類と多価フェノール類の添加割合比で、相乗効果が発現し、重合の開始が大幅に遅れるのみならず重合開始後も重合が効率よく抑制されていることがわかる。比較例に示したように、それぞれ単独に使用すると本発明と同じ効果を得ようとすると非常に多量の重合抑止剤を必要とすることがわかる。
【0032】
【発明の効果】
スチレン類の製造あるいは精製工程において、スチレン類あるいはこれを含有するプロセス流体の重合を効率よく抑制し、且つその効果が長く持続させることができ、関連装置の運転の効率化に大きく寄与する。

Claims (2)

  1. スチレン類の製造あるいは精製工程において、酸素の存在下に、(A)ピペリジン−1−オキシル類及び(B)1個のベンゼン環にヒドロキシル基を2個あるいは3個有するフェノール類を(A)成分:(B)成分=2:8〜8:2 ( 重量比 ) 添加することを特徴とするスチレン類の重合抑制方法。
  2. (A)成分のピペリジン−1−オキシル類が、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)セバケート及びトリス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)ホスファイトから選ばれる一種以上であり、そして(B)成分の1個のベンゼン環にヒドロキシル基を2個あるいは3個有するフェノール類がハイドロキノン、2,4−ジ゛−tert−ブチルハイドロキノン、2,4−ジ−tert−アミルハイドロキノン及び4−tert−ブチルカテコールから選ばれる一種以上である請求項1記載のスチレン類の重合抑制方法。
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