JP3957692B2 - リチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子、負極およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子、負極およびリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子、該複合黒鉛粒子を用いたリチウムイオン二次電池負極、および該負極を用いたリチウムイオン二次電池に関するものである。
種々ある二次電池の中で、高電圧、高エネルギー密度という優れた特性を有するリチウムイオン二次電池は、電子機器の電源として広く普及している。近年、電子機器の小型化または高性能化が急速に進み、リチウムイオン二次電池のさらなる高エネルギー密度化に対する要望はますます高まっている。
現在、リチウムイオン二次電池は、正極にLiCoO、負極に黒鉛を用いたものが一般的である。しかし、黒鉛負極は充放電の可能性に優れるものの、その放電容量はすでに層間化合物LiC6に相当する理論値372mAh/gに近い値まで到達しており、さらなる高エネルギー密度化を達成するためには、黒鉛より放電容量の大きい負極材料を開発する必要がある。
金属Liは負極材料として最高の放電容量を有するが、充電時にLiがデンドライト状に析出して負極が劣化し、充放電サイクルが短くなるという問題がある。また、デンドライト状に析出したLiがセパレータを貫通して正極に達し、短絡する可能性もある。
そのため、金属Liに代わる負極材料として、Liと合金を形成する金属または金属化合物が検討されてきた。これらの合金負極は金属Liには及ばないものの黒鉛を遥かに凌ぐ放電容量を有する。しかし、合金化に伴う体積膨張により活物質の粉化・剥離が発生し、まだ実用レベルのサイクル特性が得られていない。
前記合金負極の欠点を改善するため、金属または金属質物と黒鉛質物および/または炭素質物との複合化が検討されている。
特許文献1には、金属または金属質物と、粒子状または繊維状の黒鉛質物を、炭素質物で結合または被覆した複合材料であって、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定した複合材料の表面のDバンド1360cm-1ピーク強度IDとGバンド1580cm-1ピーク強度IGの比ID/IG(R値)が0.4以上を示す電極材料が開示されている。しかし、該電極材料における炭素質物の含有量の最適値の上限は30重量%という多量であり、特にR値が大きいことから、非晶質の炭素質物の割合が高く、炭素質物に起因する放電容量や初期充放電効率の低下が懸念される。すなわち、炭素質物は黒鉛質物に比べて、電解液の分解反応が生じにくい反面、放電容量が小さく、かつ充電されたリチウムイオンが細孔にトラップされ、放電されないことに起因して、不可逆容量が大きいという特徴がある。また、炭素質物の絶対含有量が多いと、放電容量および初期充放電効率の低下が大きくなることがある。
さらに、特許文献1の模式図に示されるように、黒鉛質物の形状が粒状または繊維状の場合には、黒鉛質物によって金属を保持することが難しいため、炭素質物で金属を複合材料中に固定する必要がある。
黒鉛質物の電解液との反応性抑制および金属の固定を果たすためには、炭素質物の絶対含有量を多くせざるを得ない。また、炭素質物は黒鉛質物や金属と充放電時の膨張収縮度が異なるため、炭素質物の割合が高い複合材料においては、繰返し充放電時に炭素質物が黒鉛質物から剥離しやすく、サイクル特性が低下することがある。
特許文献2にも同様な素材からなる負極用材料が開示されているが、やはりタールピッチに由来する炭素質物が20〜80重量%と多いため、負極に用いたときに炭素質物に起因する特許文献1に記載されたと同様な問題がある。
特許文献3には、シリコン含有粒子と炭素含有粒子とからなる多孔性粒子を炭素で被覆した負極材料が開示されている。しかし、シリコン含有量が10〜90重量%と多く、シリコンの充電膨張、放電収縮に起因するサイクル特性の低下が大きい。また多孔性粒子の外表面を炭素で均一に完全に被覆することが必須であるため、20質量%以上の炭素含有量が必要になり、炭素質物の絶対含有量が多すぎるがゆえに、前記特許文献1,2と同様な問題がある。さらに、炭素含有粒子(黒鉛質物)が1μm以下と小さく、電解液の分解反応を生じやすい。加えて、炭素被覆が負極作製時のプレスによって容易に割れるため、炭素含有粒子が直接電解液と接触することがあり、電解液の分解反応に由来する初期充放電効率の低下が顕在化する。
特開平5−286763号公報 特開平8−231273号公報 特開2002−216751号公報
本発明者は、従来の黒鉛粒子、炭素質物および金属を含有する複合黒鉛粒子を用いたリチウムイオン二次電池用負極材料においては、炭素質物の絶対含有量が多すぎること、および該各成分の形状や複合黒鉛粒子構造が金属の固定に適さないことに起因して、充放電特性が低下したものと推定した。そして、黒鉛としてR値が小さい鱗片状黒鉛を用い、かつ炭素質物の絶対含有量を少なくして調製した複合黒鉛粒子を負極材料として用いることにより、種々の問題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。したがって、本発明は、従来の黒鉛粒子、炭素質物および金属を含有する複合黒鉛粒子を用いたリチウムイオン二次電池用負極材料が有する問題を解消すること、すなわち、優れた放電容量、高い初期充放電効率、優れたサイクル特性の電池特性をバランスよく発現するリチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池負極、およびリチウムイオン二次電池を提供することが目的である。
本発明は、Liと合金化可能な金属、鱗片状黒鉛および炭素質物を含有し、該金属は該鱗片状黒鉛によって挟持され、該炭素質物が、該鱗片状黒鉛間、該鱗片状黒鉛と該金属間および/または該鱗片状黒鉛のエッジ面に分散して、付着する複合黒鉛粒子であり、かつ、該複合黒鉛粒子の外表面に該鱗片状天然黒鉛のベーサル面が露出し、該金属が該複合黒鉛粒子の内部に取込まれている複合黒鉛粒子において、該複合黒鉛粒子に対する該金属の含有量が1質量%以上、10質量%未満、該鱗片状黒鉛の含有量が70質量%以上、98質量%以下、および該炭素質物の含有量が1質量%以上、20質量%未満であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定したDバンド1360cm-1ピーク強度IDとGバンド1580cm-1ピーク強度IGの比ID/IG(R値)が0.4未満であることを特徴とするリチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子である。
本発明のリチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子は、前記複合黒鉛粒子の平均粒子径が1μm〜50μmであることが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子は、平均粒子径が1μm〜30μmである鱗片状黒鉛を用いて製造した複合黒鉛粒子であることが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子は、前記Liと合金化可能な金属が、平均粒子径が0.01μm〜5μmのSiであることが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子は、複合黒鉛粒子のX線回折における格子面間隔d002が0.3370nm以下であることが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子は、複合黒鉛質粒子の比表面積が0.5〜20m/gであることが好ましい。
本発明は、前記いずれかのリチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池負極である。
本発明は、前記のリチウムイオン二次電池負極を用いることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
本発明は、Liと合金化可能な金属、鱗片状黒鉛および炭素質物前駆体とを混合する工程と、該混合工程で得た混合物を焼成または造粒する焼成・造粒工程と、該焼成・造粒工程で得られた焼成物または造粒物に圧縮力、剪断力を付加する圧縮剪断工程と、該圧縮剪断工程で得られた複合体を600〜1500℃で焼成して、前記炭素質物前駆体を炭化する工程を設けて、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子を得ることを特徴とするリチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子の製造方法である。
本発明のリチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子の製造方法は、該圧縮剪断工程で得られた複合体に、前記炭素質物前駆体と同種または異種の炭素質物前駆体を被覆した後、焼成することが好ましい。
本発明の複合黒鉛粒子を負極材料に用いたリチウムイオン二次電池は、高い放電容量を有し、初期充放電効率、およびサイクル特性に優れ、これらの電池特性のバランスがよい。そのため、本発明のリチウムイオン二次電池は、近年の高エネルギー密度化に対する要望を満たし、搭載する電子機器の小型化および高性能化に有効である。
本発明は、リチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子とその製造方法であり、該複合黒鉛粒子を用いた負極であり、該負極を用いたリチウムイオン二次電池である。以下、それらの構成要素と作製方法について具体的に説明する。
(鱗片状黒鉛)
本発明の複合黒鉛粒子の作製に際し、黒鉛として鱗片状黒鉛が使用される。鱗片状黒鉛とは、電子顕微鏡で観察した該鱗片状黒鉛の長軸の長さとそれに直交する短軸の長さとの比(アスペクト比)が3〜100の黒鉛粒子を指すが、アスペクト比が4〜50、特に5〜30、さらに7〜20であるものが好ましい。アスペクト比が3未満の場合は、粒状・球状であり、前述した金属を固定するために炭素質物の絶対含有量が増大することによる電解液との反応性および電池特性の低下の問題が発現する。一方、アスペクト比が100超の場合は、繊維状となり、3未満の場合と同様な問題が発現する。アスペクト比は、複数(50個)の黒鉛の走査型電子顕微鏡観察により測定したアスペクト比の平均である。
使用する鱗片状黒鉛の平均粒子径は1μm〜30μm、特に1μm〜20μm、さらには3〜10μmであることが好ましい。1μm未満であると、電解液の分解反応の起点となる黒鉛エッジ面の割合が増え、負極に用いたときに初期充放電効率が低下することがある。一方、30μm超であると、複合黒鉛質粒子の内部で鱗片状黒鉛が同一方向に配向しやすくなり、負極に用いたときにサイクル特性が低下することがある。なお、平均粒子径とは、レーザー回折式粒度計で測定される累積度数が体積百分率で50%となる粒子径を意味する。
鱗片状黒鉛は放電容量を高める観点から結晶性が高いことが好ましく、X線回折における格子面間隔d002が0.3370nm以下、特に0.3360nm以下であるものが好ましい。格子面間隔d002は、X線としてCuKα線を用い、高純度シリコンを標準物質に使用して鱗片状黒鉛の(002)格子面の回折ピークを測定し、そのピークの位置から算出した。算出方法は、学振法(日本学術振興会第17委員会が定めた測定法)に従うものであり、具体的には「炭素繊維」(大谷杉朗著:733〜742頁(1986年3月)、近代編集社)などに記載された方法により測定した値である。
鱗片状黒鉛は導電性を有し、リチウムイオンを吸蔵・離脱することができるものであれば、天然黒鉛、人造黒鉛、その他の材料から得た黒鉛質材料などいかなるものであってもよい。人造黒鉛は、石油系または石炭系のタールピッチ類などの易黒鉛化性炭素材料を、最終的に1500℃以上、好ましくは2800〜3300℃で黒鉛化処理し、さらにこれを公知の方式で粉砕、分級して、所望の形状、平均粒子径、アスペクト比に調整して、使用される。黒鉛化処理の前後において、液相、気相、固相における各種化学的処理、熱処理、酸化処理、物理的処理などを施したものであってもよい。また、異種材料との混合物、造粒物、被覆物、積層物であってもよい。
(Liと合金化可能な金属)
Liと合金化可能な金属は負極の放電容量を高めるために配合される。該金属は、Al、Pb、Zn、Sn、Bi、In、Mg、Ga、Cd、Ag、Si、B、Au、Pt、Pd、Sb、GeおよびNiから選ばれる1種または2種以上であり、これら金属の2種以上の合金であってもよい。好ましい金属はSiおよびSnであり、特に好ましいのはSiである。金属は結晶質、非晶質のいずれの状態でもよい。金属は、前記金属以外の元素をさらに含有していてもよい。また、金属の一部が酸化物、窒化物、炭化物などの化合物であってもよい。
金属の形状は特に制約されないが、粒状、球状、板状、鱗片状、針状、糸状などであるが、好ましいのは粒状または球状の粒子である。また、黒鉛の表面に金属を膜状に存在させてもよい。金属の平均粒子径は0.01μm〜5μm、特に1μm以下であることが好ましい。0.01μm未満であると、分散性が不十分となる場合がある。一方、5μmを超えるとリチウムイオン二次電池のサイクル特性の向上が小さい場合がある。ここで、平均粒子径とはレーザー回折式粒度計で測定される累積度数が体積百分率で50%となる粒子径を意味する。
(炭素質物)
炭素質物は実質的に揮発分を含まず、導電性を有し、リチウムイオンを吸蔵・離脱することができるものであればいかなるものであってもよい。炭素質物は、複数の鱗片状黒鉛を固定し、金属の膨張収縮に伴う金属の脱離や複合黒鉛粒子の破壊を防止する。また、鱗片状黒鉛のエッジ面の少なくとも一部を被覆して、初期充放電効率を向上するものであることが好ましい。
炭素質物は、石油系、石炭系のタールピッチ類、樹脂類などの炭素質物の前駆体を、最終的に1500℃未満の温度で熱処理することによって製造することができる。炭素質物の前駆体としては、コールタール、タール軽油、タール中油、タール重油、ナフタリン油、アントラセン油、コールタールピッチ、ピッチ油、メソフェーズピッチ、酸素架橋石油ピッチ、ヘビーオイルなどの石油系または石炭系のタールピッチ類、また樹脂類として、ポリビニルアルコールなどの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、マレイン酸樹脂、クマロン樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。同時に放電容量の低下を抑制する観点からは、特にタールピッチ類が好ましい。
(複合黒鉛粒子)
複合黒鉛粒子は、Liと合金化可能な金属、鱗片状黒鉛および炭素質物を主要成分として構成される。該金属は複数の鱗片状黒鉛によって挟持されていることが好ましい。該金属と鱗片状黒鉛とは直接接触していてもよいし、微量の炭素質物を介して接触していてもよい。また、該金属が鱗片状黒鉛に化学的に結合していてもよいし、物理的に埋設されていてもよい。
本発明の複合黒鉛粒子において、該金属が鱗片状黒鉛に挟持されている状態は、複合黒鉛粒子の断面を電子顕微鏡により反射電子像、二次電子像を観察することにより確認することができる。
複合黒鉛粒子の質量組成は、金属/鱗片状黒鉛/炭素質物=(1%以上、10%未満)/(70%以上、98%以下)/(1%以上、20%未満)であることが好ましく、金属/鱗片状黒鉛/炭素質物=(1%以上、10%未満)/(80%以上、98%以下)/(1%以上、10%以下)であることが特に好ましい。
金属の割合が1%未満の場合には放電容量の増大が不十分であり、10%以上の場合には、金属の充電膨張、放電収縮によるサイクル特性の低下が顕著になることがある。鱗片状黒鉛の割合が70%未満の場合には、放電容量や初期充放電効率が低下したり、電位平坦性が損なわれることにより、リチウムイオン二次電池とした場合の適用電子機器の範囲が限定されるなどの問題を生じることがある。98%超の場合には、金属に由来する放電容量の増大が不十分となることがある。炭素質物の割合が1%未満の場合には複数の黒鉛を固定することができず、負極を製造するときに複合黒鉛質粒子の形状を維持することが難しくなり、20%以上の場合には、放電容量、初期充放電効率を高いレベルで両立させることが難しくなることがある。
なお、複合黒鉛粒子の質量組成は、金属については、複合黒鉛粒子を灰化したのち、発光分光法による元素分析を行って、金属としての濃度に換算した値とする。
鱗片状黒鉛と炭素質物の割合は、複合黒鉛粒子の断面を偏光顕微鏡を用いて1000倍で撮影し、任意の粒子10個について結晶性の高低に由来する外観の相違から、粒子内部の鱗片状天然黒鉛と炭素質物が占める、目視で測定した面積割合の平均値である。なお、鱗片状黒鉛と炭素質物が占める面積割合は、複合黒鉛粒子の断面の薄片を調製して透過型電子顕微鏡を用いて観察することによっても求めることができる。ここで、鱗片状黒鉛と炭素質物の面積割合を求めるが、鱗片状黒鉛と炭素質物の密度に大きな差異がないため、本発明においては前述のように求める面積割合を質量割合とみなすことにする。
複合黒鉛粒子内において、複数の鱗片状黒鉛が、ランダムに配置されていることが好ましい。同一方向に配向しているとサイクル特性が低下することがある。キャベツ状、同心円状に配列された状態であることが特に好ましい。鱗片状黒鉛のベーサル面(エッジ面と直交する面)が複合黒鉛粒子の外表面側に向いていることが好ましく、ベーサル面の一部が複合黒鉛粒子の外表面に露出していることがさらに好ましい。
金属は複合黒鉛粒子の内部に取り込まれ、外表面に介在していないことが好ましい。金属が外表面に存在すると電池の充放電に伴い複合黒鉛粒子表面から剥がれ落ち、サイクル特性が低下することがある。
炭素質物は鱗片状黒鉛のエッジ面の少なくとも一部に付着し、かつ複数の鱗片状黒鉛を固定していればよい。本発明の複合黒鉛粒子の平均アスペクト比は5以下、特に3以下であることが好ましい。平均アスペクト比が5超の場合には、複合黒鉛粒子内の鱗片状黒鉛が同一方向に配向した構造となり、充放電に伴って同一方向に膨張、収縮するため、サイクル特性の低下を引き起こすことがある。また、負極を形成した場合に、電解液が浸透しにくくなるなどの問題が生じることもある。
本発明の複合黒鉛粒子の特徴は、複合黒鉛粒子の外表面の結晶性を示すラマン分光法で測定した下記R値で定量的に表すことができる。すなわち、波長514.5nmのアルゴンレーザーを用いたラマンスペクトルにおいて、1360cm -1バンド強度(ID)と1580cm-1バンド強度(IG)の比ID/IG(R値)が0.40未満であることに特徴がある。前記の複合黒鉛粒子の好適な質量組成や複合構造を満足することによって、R値が0.40未満の複合黒鉛粒子が得られる。なお、R値のより好ましい範囲は0.15〜0.35であり、さらに好ましくは0.20〜0.30である。R値が0.40以上になると、放電容量、初期充放電効率、サイクル特性の向上が十分でない。
なお、R値が0.40以上を示すのは、例えば、炭素質物の組成割合が前記規定量よりも多い場合、鱗片状黒鉛の平均粒子径が前記規定範囲より小さい場合、および鱗片状黒鉛以外の黒鉛を用いて、黒鉛エッジ面が外表面に露出した場合などである。一方、R値が0.15未満であると、炭素質物による黒鉛の固定が不完全になることが多く、やはり放電容量、初期充放電効率、サイクル特性の向上が十分でないことがある。
複合黒鉛粒子のX線回折における格子面間隔d002は0.3370nm以下であることが好ましく、0.3365nm以下であることが特に好ましい。0.3370nm超では放電容量が小さくなることがある。
複合黒鉛質粒子の平均粒子径は1μm〜50μm、好ましくは3μm〜30μmである。1μm未満であると、負極合剤を調製する際に、粘度が不安定になったり、初期充放電効率が低下することがある。50μm超では、粒子間の接触が不足したり、負極を形成する際のプレスによって、破壊されやすくなり、サイクル特性が低下することがある。
複合黒鉛粒子の比表面積は0.5m/g〜20m/g、特に1m/g〜10m/gであることが好ましい。0.5m/g未満では、粒子間の接触が不足したり、負極を形成する際のプレスによって破壊されやすくなり、サイクル特性が低下することがある。20m/gを超えると、負極合剤ペーストの粘度調整が不安定になったり、バインダーによる粘着力が低下することがある。比表面積は窒素ガス吸着BET法により測定される。
本発明の複合黒鉛粒子は、本発明の効果を損なわない範囲において、鱗片状黒鉛以外の黒鉛質物、カーボンブラックやその他の黒鉛化物などの微粒子状または繊維状導電材、金属酸化物、金属窒化物、金属硼化物などの無機質物、イオン伝導性樹脂、界面活性剤などの有機質物のような異種材料を含むものであってもよい。なかでも、前記例示した微粒子状導電材や繊維状導電材を複合黒鉛粒子の内部および/または外表面に複合化することによって、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる。この場合の微粒子状導電材や繊維状導電材の配合量は、一般に複合黒鉛粒子全体に対して30質量%以下であり、特に10質量%以下とすることが好ましい。この範囲であると本発明の効果を損なうことがないので好ましい。
(複合黒鉛粒子の製造方法)
本発明の複合黒鉛質粒子の製造方法は、前述の複合構造、物性値が得られる方法であれば、特に制約されないが、1例を以下に示す。
炭素質物の前駆体としてのタールピッチ類や樹脂類を溶媒などに溶解し、この溶液に鱗片状黒鉛、金属またはさらに前記異種材料を加え、混合した後、溶媒を除去し、乾燥する。炭素質物の前駆体の配合量は、最終的に得られる複合黒鉛粒子に占める炭素質物の割合が20質量%未満となるように設定すればよい。溶媒の除去と乾燥を減圧下で行うと、炭素質物の前駆体と、鱗片状黒鉛および金属との密着性がよくなり好ましい。得られた複合体を熱処理し、炭素質物の前駆体を炭化させる。熱処理は一段で行ってもよいし、温度を変えて段階的に行ってもよい。最終的な熱処理温度は600〜1500℃、好ましくは800〜1300℃である。
最終的な熱処理温度が600℃未満の場合には、炭素質物の導電性が低くなり、負極としたときの放電容量やサイクル特性が低下することがある。また、炭素質物の結晶性が大きく低下し、充電により吸蔵されたリチウムイオンの一部が炭素質物の細孔に留まって放電されず、負極としたときに初期充放電効率が低下することがある。また、1500℃を超える場合には、炭素質物自体が黒鉛質に近づくことによって、負極としたとき、充電時に電解液の分解を引き起こし、初期充放電効率が低下することがある。さらに1500℃を超える場合には、ほとんどの金属が炭素質物と反応して金属炭化物を生成し、負極としたとき、金属に由来する高い放電容量が得られないといった問題が生じることもある。
なお、金属がSiの場合には、1300℃を超えると、炭素とSiが反応してSiCを生成するため、熱処理温度を1300℃以下に抑えることが好ましい。
熱処理の前後のいずれかの段階で、適宜、粉砕、篩い分け、分級による微粉除去などの粒度調整を行うことが好ましい。なお、比較的低温で熱処理し、前記複合体が柔軟性を有する状態で、複合体を転がす操作や高い剪断力を付与する操作を加えることにより、複合体が球状に近い形状となり、鱗片状黒鉛が同心円状に配置されやすくなり好ましい。このような操作が可能な装置としては、GRANUREX(フロイント産業(株)製)、ニューグラマシン((株)セイシン企業製)、アグロマスター(ホソカワミクロン(株)製)などの造粒機、ロールミル、ハイブリダイゼーションシステム((株)奈良機械製作所製)、メカノマイクロシステム((株)奈良機械製作所製)、メカノフュージョシステム(ホソカワミクロン(株))などの圧縮剪断式加工装置などを使用することができる。
さらに、最終的な熱処理を行う前に、同種または異種の炭素質物の前駆体を該複合体の外表面に複数層被覆してもよい。
他の製造方法としては、鱗片状黒鉛に炭素質物の前駆体を予め付着させておき、金属と混合後、球状化操作を行ない、熱処理する方法、鱗片状黒鉛に金属を埋設または金属を被覆した後、炭素質物の前駆体と混合後、球状化操作を行ない、熱処理する方法、鱗片状黒鉛を予め球状化した後、空隙に炭素質物の前駆体と金属の液状混合物を注入、含浸させ、熱処理する方法などが採用できる。
本発明の複合黒鉛粒子を用いて負極材料・負極を作製する際に、負極材料の作製に通常使用される導電材、改質材、添加剤などを共存させてもよい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、メソフェーズ焼成体黒鉛化物、メソフェーズ繊維体黒鉛化物などの各種黒鉛質物、さらに非晶質ハードカーボンなどの炭素質物、カーボンブラックや気相成長炭素繊維などの導電助材、フェノール樹脂などの有機物、シリコンなどの金属、酸化錫などの金属化合物を添加してもよい。これらの添加量は、一概に言えないが、複合黒鉛粒子に対し総量として0.1〜50質量%である。
(負極)
本発明のリチウムイオン二次電池の負極の作製は、従来公知の負極の作製方法に準じて実施されるが、化学的、電気化学的に安定な負極を作製できる方法であれば、何ら制限されない。負極の作製時には、本発明の複合黒鉛質粒子を含むリチウムイオン二次電池用負極材料に、結合剤を加え、予め調製した負極合剤を用いることが好ましい。
結合剤としては、電解質に対して化学的安定性、電気化学的安定性を有するものが好ましく、有機溶媒に溶解および/または分散させる有機系結合剤はもちろんのこと、水系溶媒に溶解および/または分散する水系結合剤を用いても、優れた充放電特性を発現する負極を得ることができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリビニルアルコールなどの樹脂、さらにはカルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンゴムなどのゴムなどが用いられるが、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、スチレンブタジエンゴムなどの水系結合剤を用いることが好ましい。これらを併用することもできる。結合剤は、通常、負極合剤の全量中0.5〜20質量%の割合で使用されるのが好ましい。
溶媒としては、負極合剤の調製に使用される通常の溶媒が使用される。具体的には、Nーメチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、水、アルコールなどが挙げられるが、水系溶媒の使用が環境汚染、安全性の点から好ましい。
より具体的な負極の作製方法は、まず、本発明の複合黒鉛粒子を分級などにより所望の粒度に調整し、結合剤と混合して得た混合物を溶媒に分散させ、ペースト状にして負極合剤を調製する。すなわち、本発明のリチウムイオン二次電池用負極材料と、結合剤を、水、イソプロピルアルコール、Nーメチルピロリドン、ジメチルホルムアミドなどの溶媒に混合または分散して得たスラリーを、公知の攪拌機、混合機、混練機、ニーダーなどを用いて攪拌混合してペーストを調製する。該ペーストを、集電材の片面または両面に塗布し、乾燥すれば、負極合剤層が均一かつ強固に接着した負極が得られる。負極合剤層の膜厚は10〜200μm、好ましくは20〜100μmである。
また、本発明の負極は、本発明の複合黒鉛粒子と、ポリエチレン、ポリビニルアルコールなどの樹脂粉末を、必要ならば、他の黒鉛質材料とともに乾式混合し、通常の成形方法に準じて負極を成形することができる。例えば、金型内で該混合物をホットプレス成形して負極を成形することができる。
負極合剤層を形成した後、プレス加圧などの圧着を行うと、負極合剤層と集電材との接着強度をより高めることができる。
負極に用いる集電材の形状は特に限定されないが、箔状、またはメッシュ、エキスパンドメタルなどの網状のものなどが用いられる。集電材の材質としては、銅、ステンレス、ニッケルなどが挙げられる。集電材の厚さは、箔状の場合は、5〜20μmであることが好ましい。
(リチウムイオン二次電池)
リチウムイオン二次電池は、通常、負極、正極および非水電解質を主たる電池構成要素として、正極および負極はそれぞれリチウムイオンの担持体であり、充電時にはリチウムイオンが負極に吸蔵され、放電時に負極から離脱する電池機構に拠っている。
本発明のリチウムイオン二次電池の構成要素は、負極材料として本発明の複合黒鉛粒子を用いる以外は特に限定されない。正極、電解質、セパレータなどの他の電池構成要素については一般的なリチウムイオン二次電池の構成要素に準じる。
本発明のリチウムイオン二次電池の構造は任意であり、その形状、形態について特に限定されるものではなく、用途、搭載機器、要求される充放電容量などに応じて、円筒型、角型、コイン型、ボタン型などの中から任意に選択することができる。より安全性の高い密閉型非水電解液電池を得るためには、過充電などの異常時に電池内圧上昇を感知して電流を遮断させる手段を備えたものであることが好ましい。高分子固体電解質二次電池や高分子ゲル電解質二次電池などの高分子電解質二次電池の場合には、アルミラミネートフィルムに封入した構造とすることもできる。
これらの高分子電解質二次電池は、複合黒鉛質粒子を含有する負極と、正極および高分子電解質を、例えば、負極、高分子電解質、正極の順で積層し、電池の外装内に収容することで構成される。さらに、負極と正極の外側に高分子電解質を配するようにしてもよい。
(正極)
正極は、例えば正極材料と結合剤と導電剤よりなる正極合剤を集電材の表面に塗布することにより形成される。本発明のリチウムイオン二次電池に使用される正極材料(正極活物質)は、十分量のLiを吸蔵・離脱し得るものを選択することが好ましい。正極活物質としては、リチウム含有遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物(V25、V613、V24、V38など)およびそのリチウム化合物などのリチウム含有化合物、一般式MxMo68-y(式中Mは少なくとも一種の遷移金属元素であり、Xは0≦X≦4、Yは0≦Y≦1の範囲の数である)で表されるシェブレル相化合物、活性炭、活性炭素繊維などを用いることができる。該リチウム含有遷移金属酸化物はLiと遷移金属との複合酸化物であり、Liと2種類以上の遷移金属を固溶したものであってもよい。
該リチウム含有遷移金属酸化物は、具体的には、LiM1 1-p2 p O2(式中M1およびM2は少なくとも一種の遷移金属元素であり、pは0≦p≦1の範囲の数である)、またはLiM1 2-q2 qO4(式中M1およびM2は少なくとも一種の遷移金属元素であり、qは0≦q≦2の範囲の数である)で示される。
M、M1およびM2で示される遷移金属は、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、V、Fe、Zn、Al、In、Snなどであり、好ましいのはCo、Fe、Mn、Cr、Ti、V、Alなどである。好ましい具体例はLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiNi0.9Co0.1O2、LiNi0.5Co0.5O2などである。
該リチウム含有遷移金属酸化物は、例えば、Liと遷移金属の酸化物または塩類を出発原料として、これら出発原料を所望の金属酸化物の組成に応じて混合し、酸素雰囲気下、600〜1000℃の温度で焼成することにより得ることができる。出発原料は酸化物または塩類に限定されず、水酸化物などでもよい。
本発明では、正極活物質は、前記化合物を単独で使用しても、2種類以上併用してもよい。例えば、正極材料に炭酸リチウムなどの炭酸アルカリ塩を添加することもできる。
このような正極材料によって正極を形成するには、例えば、正極活物質と結合剤および電極に導電性を付与するための導電剤よりなる正極合剤を集電材の片面または両面に塗布することで正極合剤層を形成する。結合剤としては、負極で用いたものが使用可能である。導電剤としては、黒鉛やカーボンブラックなどの炭素材料が用いられる。
正極に用いる集電材の形状は特に限定されないが、箔状、またはメッシュ、エキスパンドメタルなどの網状のものなどが用いられる。集電材の材質としては、アルミニウム、銅、ステンレス、ニッケルなどが挙げられる。集電材の厚さは、箔状の場合は、10〜40μmであることが好ましい。
正極の場合も負極の場合と同様に、正極合剤を溶剤中に分散させることでペースト状にし、このペースト状負極合剤を集電材に塗布し乾燥することによって正極合剤層を形成してよく、正極合剤層を形成した後、さらにプレス加圧などの圧着を行っても構わない。これにより、正極合剤層が均一かつ強固に集電材に接着される。
(非水電解質)
本発明のリチウムイオン二次電池は、非水電解質として液系の電解質のほかに、固体電解質またはゲル電解質などの高分子電解質を使用することができる。液系の場合は非水電解質二次電池は、いわゆるリチウムイオン二次電池として構成され、高分子系の場合は高分子固体電解質二次電池、高分子ゲル電解質二次電池などの高分子電解質二次電池として構成される。
本発明のリチウムイオン二次電池に使用される非水電解質は、通常の非水電解液に使用される電解質塩であり、具体的には、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiB(C65)、LiCl、LiBr、LiCF3SO3、LiCH3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LIN(CF3CH2OSO22、LIN(CF3CF3OSO22、LIN(HCF2CF2CH2OSO22、LIN[(CF32CHOSO22、LIB[C63(CF324、LiAlCl4、LiSiF6などのリチウム塩が挙げられる。特にLiPF6とLiBF4が酸化安定性の点から好ましい。電解液中の電解質塩の濃度は0.1〜5mol/lであることが好ましく、0.5〜3.0mol/lであることがより好ましい。
非水電解質液とするための溶媒としては、通常の非水電解液の溶媒として使用されるものが挙げられる。具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート、1,1−または1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、1.3−ジオキソフラン、4−メチルー1,3−ジオキソフラン、アニソール、ジエチルエーテルなどのエーテル、スルホラン、メチルスルホランなどのチオエーテル、アセトニトリル、クロロニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル、ホウ酸トリメチル、ケイ酸テトラメチル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、トリメチルオルトホルメート、ニトロベンゼン、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、3−メチル−2−オキサゾリドン、エチレングリコールジメチルサルファイトなどの非プロトン性有機溶媒を用いることができる。
高分子電解質を用いる場合は、マトリックス構成する高分子として可塑剤(非水電解液)でゲル化した高分子を用いる。高分子電解質とするためのマトリックスとしては、ポリエチレンオキサイドやその架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレート系高分子化合物、ポリアクリレート系高分子化合物、ポリビニリデンフルオライドやビニリデンフルオライドーヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系高分子化合物などを単独または混合して用いることができる。これらの中では、酸化還元安定性などの観点から、ポリビニリデンフルオライドやビニリデンフルオライドーヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系高分子化合物などを用いることが好ましい。
高分子電解質の場合、可塑剤が配合されるが、可塑剤としては、前記電解質塩や非水溶媒が使用される。高分子ゲル電解質の場合、可塑剤である非水電解液中の電解質塩濃度は0.1〜5mol/lであることが好ましく、0.5〜2.0mol/lであることがより好ましい。
このような高分子電解質の製造方法は特に制限されないが、例えば、マトリックスを構成する高分子化合物、リチウム塩および非水溶媒(可塑剤)を混合し、加熱して高分子化合物を溶融・溶解する方法、混合用有機溶媒に高分子化合物、リチウム化合物および非水溶媒を溶解させた後、混合用有機溶媒を蒸発させる方法、重合性モノマー、リチウム塩および非水溶媒を混合し、混合物に紫外線、電子線または分子線などを照射して重合させる方法などを挙げることができる。
前記高分子電解質中の非水溶媒の割合は10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。10質量%未満であると導電率が低くなり、90質量%を越えると機械的強度が弱くなり、成膜しにくくなる。
(セパレータ)
本発明のリチウムイオン二次電池においては、セパレータを使用することもできる。セパレータは特に限定されるものではないが、例えば、織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜などが挙げられる。合成樹脂製微多孔膜が好ましいが、なかでもポリオレフィン系製微多孔膜が厚さ、膜強度、膜抵抗などの点から好ましい。具体的には、ポリエチレンおよびポリプロピレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜などである。
本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、実施例および比較例では、図1に示す構成の評価用のボタン型二次電池を作製して評価した。実電池は、本発明の趣旨に基づき、公知の方法に準じて作製することができる。
なお、実施例および比較例において、平均粒子径はレーザー回折式粒度計により測定した粒度分布の累積度数が体積百分率で50%となる粒子径とした。
アスペクト比は粒子50個について、走査型電子顕微鏡で形状が認識できる大きさで撮影し、計測した長軸の長さとそれに直交する短軸の長さの比の平均値である。
比表面積は窒素ガス吸着によるBET法により求めた。
X線回折による格子面間隔d002は前述した方法により測定した。
ラマン分光によるR値はレーザ−ラマン分光分析装置(NR-1800:日本分光(株)製)を用い、励起光は514.5nmのアルゴンイオンレーザー、照射面積は50μmφで分析し、Dバンド1360cm-1ピークの強度をID、Gバンド1580cm-1のピーク強度をIGとしたときの比ID/IGである。
(実施例1)
(複合黒鉛粒子の作製)
平均粒子径5μm、X線回折による格子面間隔d002 が0.3355nm、アスペクト比が15の鱗片状天然黒鉛88質量部、平均粒子径0.5μmのSi粒子5質量部、コールタールピッチ(残炭率約60質量%)12質量部、およびタール中油100質量部を二軸混練機を用いて、150℃で1h混合した後、減圧にしてタール中油を除去し、乾燥した。得られた混合物を450℃で5h焼成した後、平均粒子径が17μmになるように粉砕した。粉砕生成品の外観を走査型電子顕微鏡で観察した結果、一部の鱗片状天然黒鉛のエッジ面が外表面を向き、表面の粗い塊状を呈していた。これをメカノフージョンシステム(ホソカワミクロン(株)製)内に投入して、回転ドラムの周速度20m/s、処理時間30min、回転ドラムと内部部材の距離5mmの条件で圧縮力、剪断力を繰返し付加した。これにより、得られた複合体の外観を走査型電子顕微鏡で観察した結果、外表面には鱗片状天然黒鉛のベーサル面が配置された、球状〜楕円体の複合体であることが確認された。この複合体を1000℃で10h焼成して複合黒鉛粒子を得た。
なお、残炭率はJIS K2425の固定炭素法に準拠し、800℃に加熱し、実質的に全量が炭素化されたときの残部をいい、百分率で表したものである。
得られた複合黒鉛粒子は、鱗片状天然黒鉛/Si/炭素質物の質量組成が88/5/7であった。平均粒子径は15μm、平均アスペクト比は2.0、格子面間隔d002は0.3358nm、R値は0.23および比表面積は2.8m2/gであった。
なお、複合黒鉛粒子におけるSiの割合は前述した発光分光法により求めた。鱗片状天然黒鉛と炭素質物の割合は前述した偏光顕微鏡を用いる方法により求めた。
複合黒鉛粒子の断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、その粒子内の構造を調査した。複合黒鉛粒子を構成する鱗片状黒鉛は偏平で長軸方向にほぼ同一の厚みを有している。長軸方向の側面をベーサル面と呼び、両端部をエッジ面と呼ぶ。ベーサル面は平滑な表面状態を呈し、エッジ面は鋭角な形状を呈することから、その識別は目視でも比較的容易である。複合黒鉛粒子の内部は、鱗片状天然黒鉛が湾曲し、キャベツ状に配列しており、Siが鱗片状天然黒鉛の間に挟持され、炭素質物が鱗片状天然黒鉛の間および鱗片状天然黒鉛とSiの間などに分散して付着している状況が観察された。複合黒鉛粒子の外表面には一部鱗片状天然黒鉛のベーサル面が露出していた。
(負極合剤ペーストの作製)
複合黒鉛粒子98質量部に対し、結合剤としてスチレンブタジエンゴムを1質量部、カルボキシメチルセルロースを1質量部の割合で水に加えて、プラネタリーミキサーを用いて攪拌混合し、スラリーとし、水系負極合剤ペーストを調製した。
(作用電極の作製)
前記負極合剤ペーストを、銅箔(厚み16μm)の上に塗布し、真空中90℃で水を揮発させ、乾燥した。得られた負極合剤層をハンドプレスによって加圧した。集電材銅箔と負極合剤層を直径15.5mmの円柱状に打抜いて、銅箔と該銅箔に密着した負極合剤層(厚み50μm)からなる作用電極を作製した。
(対極の作製)
Li箔(厚み0.5mm)を集電材ニッケルネットに押付け、直径15.5mmの円柱状に打抜いて、ニッケルネットに密着したLi箔からなる対極を作製した。
(電解液・セパレータの作製)
エチレンカーボネート33mol%メチルエチルカーボネート67mol%を混合してなる混合溶媒に、LiPF6を1mol/dmとなる濃度で溶解させ、非水電解液を調製した。得られた非水電解液をポリプロピレン多孔質シートに含浸させ、電解液が含浸したセパレータを作製した。
(評価電池の作製)
評価電池として、図1に示すボタン型二次電池を次の手順により作製した。
集電材7bに密着した作用電極2と集電材7aに密着した対極4との間に、電解液を含浸させたセパレータ5を挟んで、積層した。その後、作用電極2の集電材7b側が外装カップ1内に、対極4の集電材7a側から外装缶3内に収容されるように、外装カップ1と外装カップ3とを合わせた。その際、外装カップ1と外装缶3との周縁部に絶縁ガスケット6を介在させ、両周縁部をかしめて密着した。
該評価電池について、温度25℃で下記のような充放電試験を行い、充放電容量、初期充放電効率、サイクル特性を計算した。充放電特性(放電容量、初期充放電効率およびサイクル特性)を表2に示した。実施例1の負極材料を用いた評価電池は、高い放電容量を示し、かつ高い初期充放電効率を有する。さらに、優れたサイクル特性を有する。
(放電容量・初期充放電効率)
0.9mAの電流値で回路電圧が0mVになるまで定電流充電を行い、回路電圧が0mVに達した時点で定電圧充電に切換え、さらに電流値が20μAになるまで充電を続け、この間の通電量から充電容量を求めた。その後、120min間休止した。次に、0.9mAの電流値で、回路電圧が1.5mVに達するまで定電流放電を行い、この間の通電量から放電容量を求めた。これを第1サイクルとした。次式から初期充放電効率を計算した。
初期充放電効率(%)=(第1サイクルにおける放電容量/第1サイクルにおけ
る充電容量)×100
なお、この試験では、リチウムを複合黒鉛粒子へ吸蔵する過程を充電、離脱する過程を放電とした。
(サイクル特性)
別の評価電池を用いて、回路電圧が0mVに達するまで4.5mAの電流値で定電流充電を行った後、定電圧充電に切換え、電流値が20μAになるまで充電を続けた後、120min間休止した。次に、4.5mAの電流値で回路電圧が1.5Vに達するまで定電流放電を行い、この間の通電量から放電容量を求めた。この充放電を20回繰返した。得られた放電容量から次式によりサイクル特性を計算した。
サイクル特性(%)=(第20サイクルにおける放電容量/第1サイクルにおける
放電容量)×100
(実施例2)
(複合黒鉛粒子の作製)
平均粒子径3μm、X線回折による格子面間隔d002 が0.3358nm、アスペクト比が10の鱗片状人造黒鉛86質量部、平均粒子径0.3μmのSi粒子6質量部、フェノール樹脂(残炭率約40質量%)10質量部、およびエタノール200質量部を二軸混練機を用いて混合し、分散液を調製した。この分散液をアグロマスター(ホソカワミクロン(株)製)を用いてスプレー噴霧すると同時に、80℃でエタノールを除去し、機内で流動させることによって造粒した。造粒体の外観を走査型電子顕微鏡で観察した結果、一部の鱗片状人造黒鉛のエッジ面が外表面を向き、表面の粗い塊状を呈していた。
これをメカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン(株)製)内に投入して、回転ドラムの周速度20m/s、処理時間30min、回転ドラムと内部部材の距離5mmの条件で圧縮力、剪断力を繰返し付加した。これにより、得られた複合体の外観を走査型電子顕微鏡で観察した結果、外表面には鱗片状人造黒鉛のベーサル面が配置された、球状〜楕円体の複合体であることが確認された。
該複合体100質量部、コールタールピッチ(残炭率約60質量%)7質量部、タール中油100質量部を二軸混練機を用いて、150℃で1h混合した後、減圧にしてタール中油を除去し、乾燥した。この複合体を1000℃で10h焼成して複合黒鉛粒子を得た。
得られた複合黒鉛粒子は、鱗片状人造黒鉛/Si/炭素質物の質量組成が86/6/8であった。平均粒子径は15μm、平均アスペクト比は1.6、格子面間隔d002は0.3360nm、R値は0.27および比表面積は3.2m2/gであった。
複合黒鉛粒子の断面を、走査型電子顕微鏡を用いて粒子内の構造を観察した結果、図2に示す模式図のように、鱗片状人造黒鉛11が同心円状に配列しており、Si12が微量の炭素質物13を介して鱗片状人造黒鉛11の間に挟持され、炭素質物13が鱗片状人造黒鉛11のエッジ面14や、鱗片状人造黒鉛11の間などに分散して付着していた。複合黒鉛粒子の外表面には一部鱗片状人造黒鉛11のベーサル面15が露出していた。
前記複合黒鉛粒子を用いて、実施例1と同様に、負極合剤ペースト、作用電極、対極、電解液・セパレータおよび評価電池を作製した。該評価電池の充放電特性を実施例1と同様に測定した。評価結果を表2に示した。
実施例2の負極材料を用いた評価電池は、高い放電容量を示し、かつ高い初期充放電効率を有する。さらに、優れたサイクル特性を有する。
(実施例3)
実施例1において、鱗片状天然黒鉛として、平均粒子径30μm、X線回折による格子面間隔d002が0.3355nm、アスペクト比が3.5の鱗片状天然黒鉛を用いる以外は実施例1と同様に複合黒鉛粒子を調製した。該複合黒鉛粒子用いて、実施例1と同様な方法と条件で、負極合剤ペースト、作用電極、対極、電解液・セパレータおよび評価電池を作製した。該評価電池の充放電特性を実施例1と同様に測定した。評価結果を表2に示した。
実施例3の負極材料を用いた評価電池は、バランスのよい放電容量、初期充放電効率およびサイクル特性を有する。
(比較例1)
実施例1において、鱗片状天然黒鉛に代えて、塊状コークスを黒鉛化してなる人造黒鉛(平均粒子径10μm、平均アスペクト比2.5、格子面間隔d002は0.3363nm)を用いる以外は、実施例1と同様な方法と条件で、複合黒鉛粒子を作製した。引続き、実施例1と同様に、負極合剤ペースト、作用電極、対極、電解液・セパレータおよび評価電池を作製した。該評価電池の充放電特性を実施例1と同様に測定した。評価結果を表2に示した。
塊状黒鉛を用いると、鱗片状黒鉛を用いた場合に比べ、得られた複合黒鉛粒子のR値が規定値を超え、さらに、負極としたときに、高い初期充放電効率やサイクル特性が得られない。これは、塊状黒鉛のエッジ面が外表面に多く露出していたり、Siの固定力が弱く、Siの膨張収縮に対して破壊されやすい構造であったためと推定される。
(比較例2)
実施例2において、コールタールピッチの配合量を5倍に増やす以外は実施例2と同様に複合黒鉛粒子を作製した。該複合黒鉛粒子用いて、実施例1と同様な方法と条件で、負極合剤ペースト、作用電極、対極、電解液・セパレータおよび評価電池を作製した。該評価電池の充放電特性を実施例1と同様に測定した。評価結果を表2に示した。
コールタールピッチの配合量が多い比較例2では、複合黒鉛粒子に占める炭素質物の割合が好適範囲を超え、R値も規定値を超えている。負極としたときの放電容量の増加が小さく、高い初期充放電効率やサイクル特性も得られない。これは、炭素質物自体の放電容量が小さいこと、炭素質物自体の初期充放電効率が小さいことによるものと考えられる。また、炭素質物の割合が多いと、Siの膨張収縮率の差異による影響、すなわち、繰返し充放電時に炭素質物が剥離するなどの現象が顕在化するものと考えられる。さらに、炭素質物の割合が多すぎると、複合黒鉛粒子の内部が緻密になり、Siの膨張と複合黒鉛粒子内で緩衝、吸収することができず、複合黒鉛粒子の破壊を招いたものと推定される。
Figure 0003957692
Figure 0003957692
Figure 0003957692
充放電試験に用いるボタン型評価電池の構造を示す模式断面図である。 本発明の実施例2の複合黒鉛粒子の構造を示す模式図である。
符号の説明
1 外装カップ
2 作用電極
3 外装缶
4 対極
5 セパレータ
6 絶縁ガスケット
7a、7b 集電材
11 鱗片状黒鉛
12 金属
13 炭素質物
14 エッジ面
15 ベーサル面

Claims (7)

  1. Liと合金化可能な金属、鱗片状黒鉛および炭素質物を含有し、該金属は該鱗片状黒鉛によって挟持され、該炭素質物が、該鱗片状黒鉛間、該鱗片状黒鉛と該金属間および/または該鱗片状黒鉛のエッジ面に分散して、付着する複合黒鉛粒子であり、かつ、該複合黒鉛粒子の外表面に該鱗片状天然黒鉛のベーサル面が露出し、該金属が該複合黒鉛粒子の内部に取込まれている複合黒鉛粒子において、該複合黒鉛粒子に対する該金属の含有量が1質量%以上、10質量%未満、該鱗片状黒鉛の含有量が70質量%以上、98質量%以下、および該炭素質物の含有量が1質量%以上、20質量%未満であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定したDバンド1360cm-1ピーク強度IDとGバンド1580cm-1ピーク強度IGの比ID/IG(R値)が0.4未満であることを特徴とするリチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子。
  2. 前記複合黒鉛粒子の平均粒子径が1μm〜50μmである請求項1に記載のリチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子。
  3. 前記Liと合金化可能な金属は、平均粒子径が0.01μm〜5μmのSiである請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池負極。
  5. 請求項4に記載のリチウムイオン二次電池負極を用いることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  6. Liと合金化可能な金属、鱗片状黒鉛および炭素質物前駆体とを混合する工程と、該混合工程で得た混合物を焼成または造粒する焼成・造粒工程と、該焼成・造粒工程で得られた焼成物または造粒物に圧縮力、剪断力を付加する圧縮剪断工程と、該圧縮剪断工程で得られた複合体を600〜1500℃で焼成して、前記炭素質物前駆体を炭化する工程を設けて、請求項1〜3のいずれかに1項に記載のリチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子を得ることを特徴とするリチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子の製造方法。
  7. 前記圧縮剪断工程で得られた複合体に、前記炭素質物前駆体と同種または異種の炭素質物前駆体を被覆した後、焼成することを特徴とする請求項6に記載のリチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子の製造方法。
JP2004053793A 2003-09-26 2004-02-27 リチウムイオン二次電池負極材料用複合黒鉛粒子、負極およびリチウムイオン二次電池 Expired - Lifetime JP3957692B2 (ja)

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