JP3956084B2 - 半導体ウェーハへのダイボンドテープ貼り付け方法及び装置 - Google Patents

半導体ウェーハへのダイボンドテープ貼り付け方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体製品の製造工程において、半導体ウェーハへのダイボンドテープ貼り付け方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体製品の製造過程において、その表面に多数の回路パターン(機能素子)を形成した半導体ウェーハは、次に必要に応じて裏面研磨(バックグラインド)工程を経た後、各機能素子毎に切断(ダイシング工程)して個々の半導体チップ(ダイともいう)とし、その後、この半導体チップをリードフレーム等のダイパッド上に搭載・固着(ダイボンディング工程)した後ワイヤボンディングを行い、更にモールド樹脂による封止を行うことによって、ICやLSIの製品に完成させている。
【0003】
ところで、半導体チップをリードフレーム等に搭載・固着するには、このリードフレームのダイパッド部にディスペンサーによって銀ペースト等を予め塗布しておき、そこに半導体チップを搭載した後、銀ペーストを加熱硬化せしめることによって該半導体チップをダイパッド上に固着するようにしている。
【0004】
しかしながら、このようなディスペンサーによるペーストの塗布方式では、ペーストの塗布量や塗布形状の安定性に問題がある。すなわち、ペーストの塗布量が多すぎると、半導体チップからペーストがはみ出て半導体チップを汚染する。この結果、半導体チップに特性不良が発生して歩留りや信頼性を低下させる原因となる。また、逆に塗布量が不足すると固着強度が低くなって、それが原因で次のワイヤボンディング工程で半導体チップがリードフレームのダイパッドから剥離するといった問題が発生する。
【0005】
このような状況から、近年、ダイボンディング材としての機能を備えたダイボンドテープ(又はフィルム、シート材)が提案され、実用に供されている。
【0006】
このダイボンドテープは、例えば、熱可塑性樹脂(ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂等)と熱硬化性樹脂(エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂等)を成分とするポリマーアロイ型接着剤を用いたテープであって、通常は粘着性がなく、これを加熱(例えば、100℃〜160℃)することによって粘着性を示すように形成されている。
【0007】
このようなダイボンドテープを用いて半導体チップをリードフレームのダイパッド上に搭載・固着するために、従来から一般的に行われている方法は、最初に、裏面研磨工程を終えたダイシング工程前の半導体ウェーハを用意し、次に、この用意した半導体ウェーハの裏面全面に前述のダイボンドテープを貼り付け、その後、ダイシング工程で半導体ウェーハとダイボンドテープを一体に切断して、その裏面にダイボンドテープ付の半導体チップを形成し、これをリードフレームのダイパッド上に搭載・固着するようにしている。
【0008】
ところで、半導体ウェーハの裏面にダイボンドテープを貼り付けるには、半導体ウェーハの外径よりも大きい幅を有するダイボンドテープを用い、このダイボンドテープをリールから所定量引き出し、これを加熱した半導体ウェーハの裏面上に貼り付けた後、該半導体ウェーハの外周縁に沿ってダイボンドテープをくり貫くように切断することによって、ダイボンドテープを半導体ウェーハに貼り付けるようにしている。
【0009】
図13と図14は、従来の半導体ウェーハの裏面にダイボンドテープを貼り付ける装置の一例を示し、半導体ウェーハ1を水平に吸着支持して加熱するウェーハ載置テーブル2に対してダイボンドテープ3を、供給部4から巻取り部5に移行する途中が該ウェーハ載置テーブル2の直上を通過するように配置し、このダイボンドテープ3の移行途中に、ダイボンドテープ3から保護シート6を剥がす剥離ロール7と、保護シート6の巻取り部8と、ウェーハ載置テーブル2上に対してダイボンドテープ3の入側と出側の間を往復移動し、半導体ウェーハ1上にダイボンドテープ3を圧着させる貼付けロール9と、貼付けロール9と一体に前進動すると共に、貼付けロール9の退動後に後退動するダイボンドテープ剥がし用ロール10と、このロール10と同様に往復移動し、前進時にダイボンドテープ3を固持して引き出すテープチャック11と、ダイボンドテープ3の引き出し量によって上下動するダンサロール12と、ダンサロール12の上昇位置を検出して巻取り部5を停止させるセンサ13と、ダンサロール12の下降位置を検出して巻取り部5を駆動させるセンサ14を配置し、更に、ウェーハ載置テーブル2の直上に、昇降と回転が自在となり、下降時に回転するカッター15を備えたカッターユニット16が設けられている。
【0010】
上記ウェーハ載置テーブル2は、通気性を有する材料を用い、吸引手段による吸引によって、上面に載置した半導体ウェーハ1を吸着支持すると共に、加熱手段で半導体ウェーハ1を100℃〜160℃の温度に加熱すると共に、上面に半導体ウェーハ1の外径よりも大径となる環状の溝17を凹設して形成され、カッターユニット16のカッター15は、下降時にこの溝17内に進入して回転し、半導体ウェーハ1上に貼付けられたダイボンドテープ3を、半導体ウェーハ1の外周に沿ってくり貫くことになる。
【0011】
上記のような貼り付け装置で半導体ウェーハ1上にダイボンドテープ3を貼り付けるには、図13に示す機構状態でウェーハ載置テーブル2上に半導体ウェーハ1を載置し、この半導体ウェーハ1を吸着して加熱すると、テープチャック11がダイボンドテープ3の途中を固持し、このテープチャック11の前進移動でダイボンドテープ3を引出した後、次にロール10と貼付けロール9が待機位置から同図二点鎖線の前進位置に移動し、この移動によって供給部4から引き出したダイボンドテープ3を貼付けロール9で半導体ウェーハ1上に一定の圧力で加圧して行き、ダイボンドテープ3の半導体ウェーハ1上への重なり部分は、半導体ウェーハ1の熱で接着剤が溶融して接着する。
【0012】
貼付けロール9は、前進位置に達すると再度ダイボンドテープ3を半導体ウェーハ1上に加圧しながら待機位置に戻り、次に、カッターユニット16のカッター15が下降して回転し、ダイボンドテープ3を半導体ウェーハ1の外周に沿ってくり貫き、カッターユニット16が上昇位置に戻ると、テープチャック11がダイボンドテープ3の固持を解き、このテープチャック11とロール10が待機位置に戻ることにより、ダイボンドテープ3の余剰部分をウェーハ載置テーブル2上から剥がし、巻取り部5がダイボンドテープ3の余剰部分を所定長さ巻取ることによって、半導体ウェーハ1に対するダイボンドテープ3の貼り付け工程が終了し、ウェーハ載置テーブル2上から半導体ウェーハ1を取り出せばよい。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のウェーハ載置テーブル2は、ダイボンドテープ3のくり貫き後の余剰部分を支持する部分まで一体になった構造になっているので、半導体ウェーハ1に貼り付けたダイボンドテープ3をカッター15でくり貫くときも切り抜いた後もダイボンドテープ3の余剰部分は水平状態のままウェーハ載置テーブル2上に支持されている。
【0016】
このため、ダイボンドテープ3のくり貫き工程時において、ダイボンドテープ3のカッター15でくり貫く部分の外周もウェーハ載置テーブル2によて加熱され、当然ながら接着剤が溶融状態になり、カッター15でダイボンドテープ3をカットすると、一度カットした後に半導体ウェーハ1側のダイボンドテープ3とウェーハ載置テーブル2側の余剰ダイボンドテープ3aのカットされた部分が溶融した接着剤によって再接着してしまうことになり、余剰ダイボンドテープ3aを剥がすと、半導体ウェーハ1がウェーハ載置テーブル2上から持ち上げられ、ウェーハ載置テーブル2で吸着されている半導体ウェーハ1に力がかかり、半導体ウェーハ1に割れが発生するという問題がある。
【0017】
そこで、この発明の課題はダイボンドテープのくり貫き後のダイボンドテープの再接着の発生がなく、余剰ダイボンドテープを剥がす工程で半導体ウェーハに割れを生じさせることのない半導体ウェーハへのダイボンドテープ貼り付け方法及び装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するため、請求項1の方法の発明は、ウェーハ載置テーブルで支持されて加熱された半導体ウェーハの直上にダイボンドテープを位置させ、ダイボンドテープの長さ方向に移動する貼付けロールで半導体ウェーハ上にダイボンドテープを圧着して貼り付け、半導体ウェーハの外周に沿ってダイボンドテープをカッターでくり貫いた後、ダイボンドテープの余剰部分をウェーハ載置テーブルから剥がすようにした半導体ウェーハへのダイボンドテープ貼り付け方法において、前記ウェーハ載置テーブルを、半導体ウェーハを吸着支持して加熱する温調テーブルと、その外側周囲に間隔をおいて位置するテープサポートテーブルに分離独立させ、上記テープサポートテーブル上に吸引凹溝を温調テーブルを囲むように設けておき、カッターによるダイボンドテープのくり貫き工程時に、テープサポートテーブル上に位置する余剰ダイボンドテープのくり貫かれた部分の内周部を吸引凹溝内に吸引することにより立ち上げ、半導体ウェーハ上に貼り付けられたダイボンドテープの外周と引き離すことにより、ダイボンドテープがくり貫き部分で再接着するのを防ぐようにした構成を採用したものである。
【0021】
請求項2の装置の発明は、半導体ウェーハを水平に吸着支持して加熱するウェーハ載置テーブルに対してダイボンドテープを、供給部から巻取り部に移行する途中が該ウェーハ載置テーブルの直上を通過するように配置し、このダイボンドテープの移行途中に、ウェーハ載置テーブル上に対してダイボンドテープの入側と出側の間を往復移動し、半導体ウェーハ上にダイボンドテープを圧着させる貼付けロールと、貼付けロールと一体に前進動すると共に、貼付けロールの退動後に後退動するダイボンドテープ剥がしロールと、この剥がしロールと同様に往復移動し、前進時にダイボンドテープを固持して引き出すテープチャックを配置し、更に、ウェーハ載置テーブルの直上に、昇降と回転が自在となり、下降時に回転して半導体ウェーハの外周に沿うようダイボンドテープをくり貫くカッターを備えたカッターユニットが設けられている半導体ウェーハへのダイボンドテープ貼り付け装置において、前記ウェーハ載置テーブルを、半導体ウェーハを吸着支持して加熱する温調テーブルと、その外側周囲に間隔をおいて位置するテープサポートテーブルに分離独立させ、上記テープサポートテーブル上に2系統の吸引凹溝を、ダイボンドテープの入側と出側に分断した状態で温調テーブルを囲むように設け、カッターによるダイボンドテープのくり貫き工程時に、この吸引凹溝でテープサポートテーブル上に位置する余剰ダイボンドテープのくり貫かれた部分の内周部を吸引することにより立ち上げ、半導体ウェーハ上に貼り付けられたダイボンドテープの外周と引き離すようにした構成を採用したものである。
【0023】
また、上記テープサポートテーブルの上面で吸引凹溝の周囲の位置に、シリコンのようなテープ密着シートを敷設することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0025】
図1は、この発明に係る半導体ウェーハへのダイボンドテープ貼り付け装置の全体構造を概略的に示し、上面に供給された半導体ウェーハ1を水平に吸着して加熱するウェーハ載置テーブル21を定位置に設置し、このウェーハ載置テーブル21に対してダイボンドテープ3を、供給部22から巻取り部23に移行する途中が該ウェーハ載置テーブル21の直上を通過するよう配置している。
【0026】
上記ダイボンドテープ3の移行途中に、ダイボンドテープ3から保護シート6を剥がす剥離ロール24と、保護シート6の巻取り部25と、ウェーハ載置テーブル21上に対してダイボンドテープ3の入側と出側の間を往復移動し、半導体ウェーハ1上にダイボンドテープ3を圧着させる貼付けロール26と、剥離ロール24から貼付けロール26にダイボンドテープ3を誘導するガイドロール27と、貼付けロール26と一体に前進動すると共に、貼付けロール26の退動後に後退動するダイボンドテープ剥がし部材28と、この剥がし部材28と同様に往復移動し、前進時にダイボンドテープ3を固持して引き出すテープチャック29と、ダイボンドテープ3の引き出し量によって上下動するダンサロール30と、ダイボンドテープ3をダンサロール30に誘導するガイドロール31と、ダンサロール30の上昇位置を検出して巻取り部23を停止させるセンサ32と、ダンサロール30の下降位置を検出して巻取り部23を駆動させるセンサ33を配置し、更に、ウェーハ載置テーブル21の直上に、昇降と回転が自在となり、下降時に回転するカッター34を備えたカッターユニット35が設けられている。
【0027】
先ず、上記ウェーハ載置テーブル21は、図5乃至図8に示すように、温調テーブル36と、この温調テーブル36の外側周囲に所定の間隔をおいて位置するテープサポートテーブル37とからなり、温調テーブル36は、通気性を有する材料を用いて半導体ウェーハ1の外径よりも僅かに小径となる平面形状に形成され、吸引手段による吸引によって、上面に載置した半導体ウェーハ1を吸着支持すると共に、加熱手段で半導体ウェーハ1を100℃〜160℃の温度に加熱するようになっている。
【0028】
この温調テーブル36の外側周囲に分離独立させて配置したテープサポートテーブル37は、ダイボンドテープの幅よりも広幅となる平面矩形状で、その中央に温調テーブル36の外径よりも大径の貫通孔38が設けられ、温調テーブル36の外周と貫通孔38の内周によって形成された環状の間隔39の部分で、カッターユニット35のカッター34がダイボンドテープ3をくり貫くようになっている。
【0029】
上記テープサポートテーブル37の上面で貫通孔38の周囲に沿う位置に、ダイボンドテープ3の入側と出側の2系統に分断した断面V字状の吸引凹溝40と41を設け、両吸引凹溝40と41は、略半円形の平面形状となって温調テーブル36の外側を囲む配置となり、両吸引凹溝40と41の底部には2系統を吸引源と個々に接続するための吸引孔42がそれぞれ複数ずつ設けられている。
【0030】
このテープサポートテーブル37の上面で、両吸引凹溝40と41の外周部には、テープサポートテーブル37上に重ねられたダイボンドテープ3を粘着力で密着させるためのシリコンシート43が敷設されている。
【0031】
なお、ダイボンドテープ3の供給部22は、ロール巻きしたダイボンドテープ3のリールに対してブレーキをかけ、引き出されたダイボンドテープ3にテンションを付与することができる機構を有している。
【0032】
上記ダイボンドテープ剥がし部材28は、ウェーハ載置テーブル21の上面より所定の間隔をおいて上方に位置し、ウェーハ載置テーブル21に対してダイボンドテープ3の入側と出側の間を往復移動する回転自在の剥がしロール44と、この剥がしロール44の直上に位置して昇降動し、下降時に剥がしロール44とでダイボンドテープ3を狭持するテンションロール45とで形成され、また、テープチャック29は、ダイボンドテープ剥がし部材28の剥がしロール44と同じ高さ位置にあるロール46と、このロール46の直上に位置して昇降動し、下降時にロール46とでダイボンドテープ3を狭持するチャッキング部材47とで形成されている。
【0033】
また、貼付けロール26は、ウェーハ載置テーブル21の上面を転動する高さに配置され、図2乃至図4のように、この貼付けロール26にウェーハ載置テーブル21上での往復動を付与する往復動機構48に加圧器となるエアシリンダ49を介して上下動するよう取り付けられている。
【0034】
この往復動機構48は、ウェーハ載置テーブル21の上部両側に水平のガイドレール50と、ウェーハ載置テーブル21の一方側方にチエン等のエンドレス走行体51を、ダイボンドテープ3の移動方向と平行するようそれぞれ配置し、ガイドレール50で両端を支持した可動ブラケット52をエンドレス走行体51に結合し、可動ブラケット52の下部に複数のガイド軸53で昇降自在となるよう配置したホルダー54で貼付けロール26を回転自在に支持して形成され、上記可動ブラケット52に固定したエアシリンダ49のピストン杆をホルダー54と連結し、エアシリンダ49の作動で貼付けロール26を昇降させると共に、エンドレス走行体51の作動で貼付けロール26が一定ストロークを往復動するようになっている。
【0035】
上記エンドレス走行体51の駆動にパルスモータ(エンコーダ)55を用い、貼付けロール26の移動位置を電気的に検出する検出手段とすると共に、このパルスモータ55とエアシリンダ49の間に、パルスモータ55の出力信号を入力するマイクロコンピュータ56と、マイクロコンピュータ56の出力信号でエアシリンダ49を作動させ、貼付けロール26の半導体ウェーハ1への加圧力を調整するための電空レギュレータ(調整弁)57を用いた制御手段が設けられている。
【0036】
マイクロコンピュータ56には、貼付けロール26でダイボンドテープ3を半導体ウェーハ1上に加圧して行くとき、貼付けロール26の移動位置、即ち、半導体ウェーハ1に対する貼付けロール26の位置による接触長(加圧長)の変化と、これに対応して貼付けロール26の線圧力を変化させるためのエアシリンダ49の制御条件とを予め記憶させておき、パルスモータ55から入力される貼付けロール26の移動位置に対応した条件で電空レギュレータ57を作動させ、電空レギュレータ57がエアシリンダ49への加圧空気の供給を制御することで、半導体ウェーハ1に対する貼付けロール26の位置が変化しても、貼付けロール26の線圧力が半導体ウェーハ1のどの位置にあっても一定になるようにしている。
【0037】
即ち、貼付けロール26の位置が半導体ウェーハ1の周縁に該当する加圧始めと加圧終わりは接触長さが短く、線圧力が半導体ウェーハ1に集中するので加圧力を、例えば、1.5kg/cmと低く設定し、半導体ウェーハ1の中央部では接触長さが長くなって加圧力が分散されることになるので、例えば、3.0kg/cmと加圧力を高めるようにエアシリンダ49を制御することにより、ダイボンドテープ3を半導体ウェーハ1に対してどの位置においても一定の貼り付け条件にすることができ、これにより、線圧力の高い箇所で半導体ウェーハ1にバンプ破壊を生じさせたり、ダイボンドテープ3の部分的な伸びや貼り厚の不均一の発生を防止することになる。
【0038】
この発明の貼り付け装置は、上記のような構成であり、次に貼り付け方法を説明する。
【0039】
図1は、半導体ウェーハ1の上面にダイボンドテープ3を貼り付ける前の初期の状態を示し、ウェーハ載置テーブル21に対して、貼付けロール26とダイボンドテープ剥がし部材28及びテープチャック29が、同図右側の待機位置にあり、カッターユニット35のカッター34が上昇位置に待機し、供給部22から引き出したダイボンドテープ3は、剥離ロール24,ガイドロール27,貼付けロール26,ダイボンドテープ剥がし部材28,テープチャック29,ガイドロール31,ダンサロール30を順次通過して巻取り部23に移行し、ダイボンドテープ剥がし部材28からガイドロール31に移行する水平部分がウェーハ載置テーブル21の直上に位置している。
【0040】
この状態で、ウェーハ載置テーブル21の温調テーブル36上に半導体ウェーハ1を載置すると、この温調テーブル36の上面に作用させた吸引力で半導体ウェーハ1を温調テーブル36上に固定し、温調テーブル31に設けた加熱手段により半導体ウェーハ1を100℃〜160℃の温度に加熱する。
【0041】
このとき、ウェーハ載置テーブル21のテープサポートテーブル37は、温調テーブル36に対して間隔39の部分で切り離されているので、温調テーブル36の熱で加熱されることはない。
【0042】
テープ引出し工程
半導体ウェーハ1が加熱されると、図9の鎖線で示すように、テープチャック29のチャック部材47が下降してロール46とでダイボンドテープ3の途中を固持し、このテープチャック29が同図左側の実線で示す前進位置にまで移動し、ダイボンドテープ3の未使用の部分を所定長さだけウェーハ載置テーブル21の上部に引き出す。
【0043】
テープ貼付け工程
図10のように、ダイボンドテープ剥がし部材28のテンションロール45が下降して剥がしロール44とでダイボンドテープ3の途中を狭持し、このダイボンドテープ剥がし部材28と貼付けロール26が同図左側の実線で示す前進位置にまで転動しながら移動し、貼付けロール26がダイボンドテープ3をテープサポートテーブル37と半導体ウェーハ1の上面に押圧していく。
【0044】
この時、供給部22にブレーキを作用させてダイボンドテープ3の引出しを止め、ダイボンドテープ剥がし部材28のテンションロール45と剥がしロール44でのダイボンドテープ3の狭持と前進移動により、貼付ロール26でウェーハ載置テーブル21の上面に押圧されるダイボンドテープ3にテンションをかけるようにする。
【0045】
また、貼付けロール26でダイボンドテープ3を半導体ウェーハ1の上面に押圧すると、この半導体ウェーハ1は加熱されているので、ダイボンドテープ3の半導体ウェーハ1に重なる部分の接着剤が溶融し、半導体ウェーハ1にダイボンドテープ3が接着する。
【0046】
貼付けロール26が、半導体ウェーハ1の上面に対してダイボンドテープ3を押圧して行く時、貼付けロール26の移動位置の検出と、これに基づくエアシリンダ49の作動により、この貼付けロール26の半導体ウェーハ1に対する押圧力が、半導体ウェーハ1の周縁に該当する加圧始めは押圧力が低く設定され、半導体ウェーハ1の中央部に達した時点で押圧力が高くなり、中央部を通過すると加圧終わりに向けて押圧力が低くなっていくように制御され、これにより、貼付けロール26の線圧力が半導体ウェーハ1のどの位置にあっても一定になり、ダイボンドテープ3を半導体ウェーハ1に対してどの位置においても一定の貼り付け状態にすることができる。
【0047】
貼付けロール26は、前進位置に達すると後退動し、前進時と同じ条件で再度ダイボンドテープ3をテープサポートテーブル37と半導体ウェーハ1の上面に押圧して機構位置に戻る。
【0048】
テープ切断工程
貼付けロール26が待機位置に戻ると、図11のように、カッターユニット35のカッター34が下降すると共に回転し、温調テーブル36の外周と貫通孔38の内周によって形成された環状の間隔39の部分で、上記カッタ34がダイボンドテープ3を半導体ウェーハ1の外周縁に沿ってくり貫いて行く。
【0049】
カッター34でダイボンドテープ3をくり貫いて行く時、テープサポートテーブル37に設けた吸引凹溝40,41に吸引力を作用させると、図7と図8に示すように、テープサポートテーブル37上に位置する余剰ダイボンドテープ3aのくり貫かれた部分の内周部が吸引凹溝40,41内に吸引され、この吸引によって余剰ダイボンドテープ3aのくり貫かれた部分の内周部は吸い込まれて立ち上がり状となり、半導体ウェーハ1に貼り付けられたダイボンドテープ3の外周から引き離された状態が保持され、これにより、半導体ウェーハ1に貼り付けられたダイボンドテープ3と余剰ダイボンドテープ3aのくり貫かれた部分が再接着するのを防止する。
【0050】
テープ剥がし工程
カッターユニット35のカッター34が上昇位置に戻ると、図12に鎖線で示す前進位置にあるダイボンドテープ剥がし部材28のテンションロール45と、テープチャック29のチャック部材47が共に上昇して余剰ダイボンドテープ3aの狭持及び固持を解き、ダイボンドテープ剥がし部材28とテープチャック29は、同図実線で示す待機位置に後退移動し、この時ウェーハ載置テーブル21の上方を水平に移動する剥がしロール44がテープサポートテーブル37上から余剰ダイボンドテープ3aを剥がして行く。
【0051】
剥がしロール44が余剰ダイボンドテープ3aをテープサポートテーブル37上から剥がす時、余剰ダイボンドテープ3aのテープサポートテーブル37に設けた吸引凹溝40,41内に吸引された部分も引き離すことになるが、吸引凹溝40,41はダイボンドテープ3の入側と出側に分断された2系統になっているので、テープサポートテーブル37上から余剰ダイボンドテープ3aを剥がして行く前半の剥がし工程において、図5と図6の左側の吸引凹溝41から余剰ダイボンドテープ3aを引き離すことでこの吸引凹溝41が大気圧になっても、図5と図6の右側の吸引凹溝40は吸引力を保持しており、従って、前半の剥がし工程で余剰ダイボンドテープ3aの後半部分がテープサポートテーブル37の吸引凹溝40から剥がれるようなことがなく、これにより、剥がれた後半部分が半導体ウェーハ1上に貼り付けられたダイボンドテープ3と再接着するのを防止することができる。
【0052】
剥がしロール44がテープサポートテーブル37上から余剰ダイボンドテープ3aの後半部分を剥がして待機位置に後退すると、巻取り部23が余剰ダイボンドテープ3aを所定長さ巻き取ることによって、半導体ウェーハ1に対するダイボンドテープ3の貼り付け工程が終了し、ウェーハ載置テーブル21の温調テーブル36上から半導体ウェーハ1を取り出せば、図1の初期状態に復帰する。
【0053】
以上、貼付けロール26の使用は、半導体ウェーハ1上にダイボンドテープ3を貼り付ける場合を例に述べたが、この発明の貼付けロール26の構造は、例えば、厚みの大きな感光性液状レジストを半導体ウェーハの上にスピンコートし、この感光性液状レジストの上に感光性ドライフィルムレジストをラミネートした後、その上から加熱、加圧する加工や、厚みが均一に規定されている感光性ドライフィルムレジストを下地となるバリヤメタルに直接加圧して接着する加工にも使用することができ、感光性液状レジストの膜厚を一定化したり、感光性ドライフィルムレジストをバリヤメタルの表面全体にわたって均一に密着させることができるという利点がある。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、この発明によると、ウェーハ載置テーブルを、半導体ウェーハを吸着支持して加熱する温調テーブルと、その外側周囲に間隔をおいて位置するテープサポートテーブルに分離独立させたので、温調テーブルの熱がテープサポートテーブルに伝わらず、テープサポートテーブルに対してダイボンドテープが接着するようなことがなくなり、テープサポートテーブルからのダイボンドテープの引き剥がしが円滑に行えるようになる。
【0056】
さらに、テープサポートテーブル上に吸引凹溝を温調テーブルを囲むように設けておき、カッターによるダイボンドテープのくり貫き工程時に、テープサポートテーブル上に位置する余剰ダイボンドテープのくり貫かれた部分の内周部を吸引凹溝内に吸引することにより立ち上げ、半導体ウェーハ上に貼り付けられたダイボンドテープの外周と引き離すようにしたので、ダイボンドテープのくり貫いた部分が互いに接触することがなく、加熱により接着剤が溶融しているダイボンドテープがくり貫き部分で再接着するのを防ぐことができ、テープサポートテーブルから余剰ダイボンドテープを剥がす工程で半導体ウェーハに剥がれを生じさせることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の半導体ウェーハへのダイボンドテープ貼り付け装置の全体装置を概略的に示す側面図
【図2】同貼り付け装置における貼付けロールの構造を示す拡大した縦断正面図
【図3】同上の平面図
【図4】同上の側面図
【図5】ウェーハ載置テーブルの構成を示す平面図
【図6】ウェーハ載置テーブルの構成を示す縦断正面図
【図7】図5の矢印A−Aに沿う縦断面図
【図8】図5の矢印B−Bに沿う縦断面図
【図9】貼り付け過程でのテープ引出し工程を示す簡略正面図
【図10】貼り付け過程でのテープ貼り付け工程を示す簡略正面図
【図11】貼り付け過程でのテープ切断工程を示す簡略正面図
【図12】貼り付け過程でのテープ剥がし工程を示す簡略正面図
【図13】従来の半導体ウェーハへのダイボンドテープ貼り付け装置の全体構造を概略的に示す側面図
【図14】同上の一部省略した平面図
【符号の説明】
1 半導体ウェーハ
3 ダイボンドテープ
21 ウェーハ載置テーブル
22 供給部
23 巻取り部
24 剥離ロール
25 巻取り部
26 貼付けロール
27 ガイドロール
28 ダイボンドテープ剥がし部材
29 テープチャック
30 ダンサロール
31 ガイドロール
32 センサ
33 センサ
34 カッター
35 カッターユニット
36 温調テーブル
37 テープサポートテーブル
38 貫通孔
39 間隔
40 吸引凹
41 吸引凹溝
42 吸引孔
43 シリコンシート
44 剥がしロール
45 テンションロール
46 ロール
47 チャッキング部材
48 往復動機構
49 エアシリンダ
50 ガイドレール
51 エンドレス走行体
52 可動ブラケット
53 ガイド軸
54 ホルダー
55 パルスモータ
56 マイクロコンピュータ
57 電空レギュレータ

Claims (3)

  1. ウェーハ載置テーブルで支持されて加熱された半導体ウェーハの直上にダイボンドテープを位置させ、ダイボンドテープの長さ方向に移動する貼付けロールで半導体ウェーハ上にダイボンドテープを圧着して貼り付け、半導体ウェーハの外周に沿ってダイボンドテープをカッターでくり貫いた後、ダイボンドテープの余剰部分をウェーハ載置テーブルから剥がすようにした半導体ウェーハへのダイボンドテープ貼り付け方法において、
    前記ウェーハ載置テーブルを、半導体ウェーハを吸着支持して加熱する温調テーブルと、その外側周囲に間隔をおいて位置するテープサポートテーブルに分離独立させ、上記テープサポートテーブル上に吸引凹溝を温調テーブルを囲むように設けておき、カッターによるダイボンドテープのくり貫き工程時に、テープサポートテーブル上に位置する余剰ダイボンドテープのくり貫かれた部分の内周部を吸引凹溝内に吸引することにより立ち上げ、半導体ウェーハ上に貼り付けられたダイボンドテープの外周と引き離すことにより、ダイボンドテープがくり貫き部分で再接着するのを防ぐようにしたことを特徴とする半導体ウェーハへのダイボンドテープ貼り付け方法。
  2. 半導体ウェーハを水平に吸着支持して加熱するウェーハ載置テーブルに対してダイボンドテープを、供給部から巻取り部に移行する途中が該ウェーハ載置テーブルの直上を通過するように配置し、このダイボンドテープの移行途中に、ウェーハ載置テーブル上に対してダイボンドテープの入側と出側の間を往復移動し、半導体ウェーハ上にダイボンドテープを圧着させる貼付けロールと、貼付けロールと一体に前進動すると共に、貼付けロールの退動後に後退動するダイボンドテープ剥がしロールと、この剥がしロールと同様に往復移動し、前進時にダイボンドテープを固持して引き出すテープチャックを配置し、更に、ウェーハ載置テーブルの直上に、昇降と回転が自在となり、下降時に回転して半導体ウェーハの外周に沿うようダイボンドテープをくり貫くカッターを備えたカッターユニットが設けられている半導体ウェーハへのダイボンドテープ貼り付け装置において、
    前記ウェーハ載置テーブルを、半導体ウェーハを吸着支持して加熱する温調テーブルと、その外側周囲に間隔をおいて位置するテープサポートテーブルに分離独立させ、上記テープサポートテーブル上に2系統の吸引凹溝を、ダイボンドテープの入側と出側に分断した状態で温調テーブルを囲むように設け、カッターによるダイボンドテープのくり貫き工程時に、この吸引凹溝でテープサポートテーブル上に位置する余剰ダイボンドテープのくり貫かれた部分の内周部を吸引することにより立ち上げ、半導体ウェーハ上に貼り付けられたダイボンドテープの外周と引き離すようにしたことを特徴とする半導体ウェーハへのダイボンドテープ貼り付け装置。
  3. 前記テープサポートテーブルの上面で吸引凹溝の周囲の位置に、テープ密着シートを敷設したことを特徴とする請求項に記載の半導体ウェーハへのダイボンドテープ貼り付け装置。
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