JP3951363B2 - 非水二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高容量で保存性が改良された非水二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
非水二次電池用電極材料としては、種々の無機化合物が用いられる。負極材料はリチウム金属やリチウム合金が代表的であるが、それらを用いると充放電中にリチウム金属が樹枝状に成長し、内部ショートしたり、その樹枝状金属自体の活性が高く、発火する危険をはらんでいる。これに対して、最近、リチウムを挿入放出することができる焼成炭素質材料が実用されるようになってきた。この炭素質材料の欠点は、それ自体が導電性をもつので、過充電や急速充電の際に炭素質材料の上にリチウム金属が析出することがあり、結局、樹枝状金属を析出してしまうことになる。
他の各種無機材料においてもリチウムを挿入、放出できるものが知られている。例えばTiS2 、LiTiS2 米国特許第3,983,476)、ルチル構造の遷移金属酸化物、例えば、WO2 (米国特許第4,198,476)、LixFe(Fe2 )O4 などのスピネル化合物(特開昭58−220,362)、電気化学的に合成されたFe23 のリチウム化合物(米国特許第4,464,447)、Fe23 のリチウム化合物(特開平3−112,070)、Nb25 (特公昭62−59,412、特開平2−824,47)、酸化鉄、FeO、Fe23 、Fe34 、酸化コバルト、CoO、Co23 、Co34 (特開平3−291,862、同6−231765)、アモルファスV25 (特開平4−223061)、リチウムを挿入した低酸化数金属酸化物LixMO(MはMn、Ti、Zn 特開平6−176758)、リチウムイオンを挿入することにより結晶の基本構造を変化させた遷移金属酸化物を負極材料とする(欧州特許0567149)ことが知られている。
【0003】
この他にも2価の珪素を主体とした負極材料を用いた例(特開平6−325765、欧州特許0582173、同0615296)、SnOおよびこれを主体とした化合物を負極材料に適用した例(特開平6−275268と特開平6−338325)、特開平7−288123に開示される錫を主体とした非晶質の酸化物がある。
【0004】
一般に、金属酸化物あるいは金属カルコゲナイドなどの化合物を微粒化するためには機械的粉砕、例えばボールミル、振動ミル、ジェットミルなどによって適度な粒度を持つように調製することが有効である。結晶性の粉体を固相反応によって合成する場合には、原料の粒度あるいは混合、仮焼成、本焼成などの条件を調節することによる粒度調節が可能であるが、二次粒子の解砕時などにおいては粒子表面の特性変化に基づく電池性能変動の問題があった。一方、塊状の単結晶や非晶質の固体にあっては、微粒化のために機械的粉砕は不可欠であるが、この場合にも電池性能が変動し、安定な性能の電池を製造することが困難であった。この原因としては、(1)粉砕後の粉体粒子表面は結合の破壊が引き起こされ化学的に極めて活性な状態であり、物理的にも比表面積が大きな状況に置かれ、粒子表面が周囲の雰囲気すなわち相接する気体あるいは液体との強い相互作用により変化する。(2)粒子内部の多くの歪みの残存。(3)粉砕後に残存する微細粒子は数々の副反応を引き起こす、などが考えられるが原因を特定するには至っていない。特開平6−16423号に開示される遠心噴射装置で合成された材料が知られているが、この方法では数百μm以上の粒子サイズしか得られず、さらに機械粉砕が必要である。このように、粒子表面の制御と保存性の劣化対策は大きな問題であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高容量でかつ充放電時の保存性を改良した非水二次電池を得ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題を達成するため鋭意検討した結果、機械的粉砕工程を経ず、溶融状態から直接粉体を得る方法を採用することによって大幅な改善がなされた。すなわち、正極材料、負極材料、リチウム塩を含む非水電解質から成る非水二次電池に於いて、錫2価、錫4価、ゲルマニウム2価、ゲルマニウム4価および鉛2価から選ばれる機能元素ならびにマグネシウム、アルミニウム、硼素、リンから選ばれる非晶質化元素、およびカリウム、ルビジウム、セシウムから選ばれるアルカリ金属元素のそれぞれ少なくとも一種以上の元素を含む非晶質酸化物を溶融状態で微粒化した後、冷却固化して得られた粉末を負極用の電極材料として用いたことを特徴とする非水二次電池によって達成することができた。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について説明する。
1、正極材料、負極材料、リチウム塩を含む非水電解質から成る非水二次電池に於いて、錫2価、錫4価、ゲルマニウム2価、ゲルマニウム4価および鉛2価から選ばれる機能元素ならびにマグネシウム、アルミニウム、硼素、リンから選ばれる非晶質化元素、およびカリウム、ルビジウム、セシウムから選ばれるアルカリ金属元素のそれぞれ少なくとも一種以上の元素を含む非晶質酸化物を溶融状態で微粒化した後、冷却固化して得られた粉末を負極用の電極材料として用いたことを特徴とする非水二次電池。
2、該粉末がアトマイズ法で微粒化した粉末であることを特徴とする項1に記載の非水二次電池。
3、該粉末がガスアトマイズ法で微粒化した粉末であることを特徴とする項1〜2のいずれか1項に記載の非水二次電池。
4、該微粒化した粉末が、球状で平均粒子径が1μm以上、60μm以下であることを特徴とする項1〜3のいずれか1項に記載の非水二次電池。
【0008】
本発明の非水二次電池に用いられる正・負極は、正極合剤あるいは負極合剤を集電体上に塗設して作ることが出来る。正極あるいは負極合剤には、それぞれ正極材料あるいは負極材料のほか、それぞれに導電剤、結着剤、分散剤、フィラー、イオン導電剤、圧力増強剤や各種添加剤を含むことができる。
【0009】
本発明において用いられる電極材料の合成には、アトマイズ法が好ましく用いられる。アトマイズ法とはセラミックスプロセッシング(技報堂出版1987)217頁記載のように、例えば溶融金属をガスあるいは遠心力によって直接的に急冷固化し、球状の粉体粒子を得る方法として知られている。アトマイズには、ガスアトマイズ、水アトマイズ、遠心アトマイズ、真空アトマイズ、ローラーアトマイズなどいくつかの方法があり、対象とする材料の性質や目標とする粒子サイズなどによって選択される。本発明においてはガスアトマイズ法および遠心アトマイズ法が好ましく用いられるが、小サイズ粒子を得るには前者がさらに好ましい。ガスアトマイズに使用するガスとしては、アルゴンあるいは窒素などの不活性ガスを使用することが好ましい。必要に応じて酸素分圧の調節も行う。好ましいガス圧は14〜42×105Pa、ガス速度は50〜150m/s、含有酸素分圧は10−8〜10−14である。微粉を得るためには超音波ガスアトマイズ法が好ましい。これは流速約700m/s、振動数60〜120Hzのハルトマン衝撃波を発生させ、これを溶湯に噴きつける。粒径50μm以下の粒子が得られる。混合した原料の溶解にはヒーター式、あるいは高周波式の電気炉を使うことが一般的であるが、より高温の溶解を目的としたプラズマ溶解ガスアトマイズ法はさらに好ましく使用される。
【0010】
本発明で用いられる負極材料としては、錫を主体とした非晶質の酸化物が好ましい。非晶質を構成する元素としては、充放電に関与する機能元素および網目構造を形成する非晶質化元素に大別される。
本発明で言う機能元素とは、非晶質固体中に存在し、リチウムイオンの吸蔵、放出に伴なって価数が変化し、充放電容量に寄与のできる元素のことを示す。一般には鉄、マンガンなどの遷移金属元素が代表的なものであるが、それらにつけ加え、本発明においては錫、鉛、ゲルマニウムなどの半金属元素が優れた性能を示すものとしてあげられる。
非晶質固体中に安定して存在しうる機能元素の価数は、その元素が取りうる価数の内、比較的低価数の状態を取ることが好ましい。例えば、マンガンは2価、3価、4価の各状態をとることのできる元素であるが、好ましくは2価および3価、最も好ましくは2価の状態で固体中に存在することが好ましい。
本発明で言う機能元素とは、錫、マンガン、鉄、鉛、ゲルマニウムの各元素を示し、一種あるいは二種以上の組み合わせで用いることができる。
好ましい元素とその状態は、Sn2+、Sn4+、Mn2+、Mn3+、Fe2+、Ge2+、Ge4+、Pb2+の単独およびそれらの組み合わせである。機能元素として最も好ましい元素とその状態は、Sn2+単独あるいはSn2+とSn4+、Sn2+とGe2+、Sn2+とGe4+のそれぞれの組み合わせである。
【0011】
本発明で言う非晶質化元素とは、機能元素と共に非晶質固体を形成するものであればよく、マグネシウム、アルミニウム、硼素、珪素、リン、フッ素から選ばれる少なくとも一種の元素を挙げることが出来る。非晶質化元素を化合物に添加するには、それぞれの元素を含有する酸化物(非晶質化剤)を用いることができる。非晶質化剤の具体例としては、MgO、Al23 、B23 、H3 BO3 、P25 、BPO4 、SiO2 、Sn227 などが挙げられ、単独で、あるいは二種以上を混合し、機能元素と共に焼成して非晶質負極材料を得ることが出来る。好ましい非晶質化剤はAl23 、B23 、Sn227 、BPO4 である。
非晶質負極材料へフッ素を導入するためには、例えば、SnF2 、CaF2 、MgF2 、ZrF2 などを添加して焼成することができる。
また、アルカリ金属元素としてはナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられるが、好ましくはカリウム、ルビジウム、セシウムなど、より大きなイオン半径をもつものが良く、最も好ましいのはルビジウム、セシウムである。
【0012】
本発明で言う負極材料は電池組み込み時に主として非晶質である。ここで言う主として非晶質とはCuKα線を用いたX線回折法で2θ値で20°から40°に頂点を有するブロードな散乱帯を有する物であり、結晶性の回折線を有してもよい。好ましくは2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の500倍以下であることが好ましく、さらに好ましくは100倍以下であり、特に好ましくは5倍以下であり、最も好ましくは結晶性の回折線を有さないことである。
【0013】
本発明の非晶質負極材料は下記一般式(1)の組成物を焼成して得られたものであることが好ましい。
1 O・xM2 Op・yM3 2O 一般式(1)
式中、M1 はGe、Sn、Pb、Mn、Feから選ばれる少なくとも一種であり、好ましくはGe、Sn、Pbであり、特に好ましくはGe、Snである。M2 はMg、Al、B、Si、P、Fから選ばれる少なくとも一種であり、好ましくはAl、B、Pである。M3 はNa、K、Rb、Csから選ばれ、好ましくはRb、Csである。xは0.1〜10であり、好ましくは0.2〜5.0であり、特に好ましくは0.5〜2である。yは0〜0.5であり、好ましくは0.01〜0.2、最も好ましくは0.03〜0.1である。pは0.5〜3.0であり、好ましくは1〜2.5であり、特に好ましくは1.2〜2.5である。
【0014】
一般式(1)で示される組成物例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
SnO・SiO2 、SnO・BO1.5 、SnO・PO2.5
SnO・B0.50.52 、SnO・B0.50.52 ・0.05K2 O、
SnO・B0.50.52 ・0.05Cs2 O、
SnO・Al0.40.50.52.6 ・0.05Cs2 O、
SnO・Mg0.10.91.45SnO・Mg0.10.92.35
SnO・Mg0.20.40.41.8 、SnO・Al 0 .10.91.5
SnO・Al0.10.92.4 、SnO・Al0.20.40.41.9
SnO・B0.40.40.21.5 、GeO・PO2.5 、GeO・B0.50.52 、GeO・Al0.20.40.41.9
GeO・Al0.20.40.41.90.05Cs2 O、
MnO・B0.50.52 、MnO・Al0.20.40.41.9
FeO・PO2.5 、FeO・B0.50.52
FeO・Al0.20.40.41.9 、PbO・B0.50.52
PbO・Al0.10.92.4 、PbO・Al0.20.40.41.9
Sn0.9 Ge0.1 O・Al0.20.40.41.9 、Sn0.9 Ge0.1 O・Al0.20.40.41.9 ・0.05Cs2 O、
Sn0.8 Ge0.2 O・Al0.20.40.41.9 ・0.05Rb2 O、
Sn0.5 Ge0.5 O・Al0.20.40.41.9 ・0.05K2 O、
Sn0.5 Mn0.5 O・BO1.5 、Sn0.5 Mn0.5 O・PO2.5
Sn0.5 Mn0.5 O・B0.50.52
Sn0.5 Mn0.5 O・Al0.20.40.41.9 、Sn0.5 Fe0.5 O・Mg0.20.40.41.8 、Sn0.5 Fe0.5 O・Al0.20.40.41.9
SnO・0.5(BO1.5 )、SnO・0.5(PO2.5 )、
SnO・0.5(B0.50.52 )、
SnO・0.5(Mg0.10.91.45)、
SnO・0.5(Mg0.10.92.35)、
SnO・0.5(Mg0.20.40.41.8 )、
SnO・0.5(Al0.10.91.5 )、
SnO・0.5(Al0.10.92.4 )、
SnO・0.5(Al0.20.40.41.9 )、
SnO・0.5(Al0.20.40.41.9 )・0.05Cs2 O、
SnO・0.5(B0.40.40.21.5 )、
SnO・1.5(BO1.5 )、SnO・1.5(PO2.5 )、
SnO・1.5(B0.50.52 )、
SnO・1.5(Mg0.10.91.45)、
SnO・1.5(Mg0.10.92.35)、
SnO・1.5(Mg0.20.40.41.8 )、
SnO・1.5(Al0.10.91.5 )、
SnO・1.5(Al0.10.92.4 )、
SnO・1.5(Al0.20.40.41.9 )、
SnO・1.5(Al0.20.40.41.9 )・0.05Rb2 O、
SnO・1.5(B0.40.40.21.5 )等である。
【0015】
本発明においては、以上示した化合物を負極材料として用いることにより、より充放電サイクル特性の優れた、かつ高い放電電圧、高容量の非水二次電池を得ることができる。本発明において、特に優れた効果を得ることができるのは、Snを含有し且つSnの価数が2価で存在する非晶質化合物を負極材料として用いることである。Snの価数は化学滴定操作によって求めることができる。例えばPhysics and Chemistry of Glasses Vol.8 No.4 (1967)の165頁に記載の方法で分析することができる。また、Snの固体核磁気共鳴(NMR)測定によるナイトシフトから決定することも可能である。例えば、幅広測定において金属Sn(0価のSn)はSn(CH34 に対して7000ppm付近と極端に低磁場にピークが出現するのに対し、SnO(=2価)では100ppm付近、SnO2 (=4価)では−600ppm付近に出現する。このように同じ配位子を有する場合ナイトシフトが中心金属であるSnの価数に大きく依存するので、119Sn−NMR測定で求められたピーク位置で価数の決定が可能となる。
【0016】
本発明の負極材料に各種化合物を含ませることができる。例えば、遷移金属(Sc、Ti、V、Cr、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd)、ランタノイド系金属(Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg)や他の周期表IIa族元素(Be、Ca、Sr、Ba)、VIIb族元素(Cl、Br、I)を含ませることができる。また電子伝導性をあげる各種化合物(例えば、Sb、In、Nbの化合物)のドーパントを含んでもよい。添加する化合物の量は0〜20モル%が好ましい。
【0017】
本発明における非晶質複合酸化物の合成は、以下に示す原料を混合し、焼成して得ることができる。また溶液法により、最終組成に近い中間生成物をあらかじめ合成しておき、これを原料として焼成する方法がさらに好ましい。
Sn化合物としてはたとえばSnO、Sn23 、Sn34 、水酸化第一錫、亜錫酸、蓚酸第一錫、燐酸第一錫、オルト錫酸、メタ錫酸、パラ錫酸、弗化第一錫、塩化第一錫、臭化第一錫、沃化第一錫、セレン化錫、テルル化錫、ピロリン酸第一錫、リン化錫、硫化第一錫等を挙げることができる。
Ge化合物としてはたとえばGeO2 、GeO、四塩化ゲルマニウム、四臭化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド等のアルコキシゲルマニウム化合物等を挙げることができる。
Pb化合物としてはたとえばPbO2 、PbO、Pb23 、Pb34 、PbCl2 、塩素酸鉛、過塩素酸鉛、硝酸鉛、炭酸鉛、蟻酸鉛、酢酸鉛、四酢酸鉛、酒石酸鉛、鉛ジエトキシド、鉛ジ(イソプロポキシド)等を挙げることができる。
Mn化合物としては、例えばMnO、Mn23 、塩化マンガン、酢酸マンガン、蓚酸マンガン、炭酸マンガン、フッ化マンガン、四ホウ酸マンガン、リン酸マンガン等を挙げることができる。
Fe化合物としては、例えばFeO、Fe23 、Fe34 、塩化第一鉄、蓚酸第一鉄、臭化第一鉄、酒石酸第一鉄、炭酸鉄、フッ化第一鉄、リン酸第一鉄等を挙げることができる。
P化合物としてはたとえば五酸化リン、オキシ塩化リン、五塩化リン、三塩化リン、三臭化リン、トリメチルリン酸、トリエチルリン酸、トリプロピルリン酸、ピロリン酸第一錫、リン酸ホウ素等を挙げることができる。
B化合物としてはたとえば三二酸化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、炭化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル、リン化ホウ素、リン酸ホウ素等を挙げることができる。
Al化合物としてはたとえば酸化アルミニウム(α−アルミナ、β−アルミナ)、ケイ酸アルミニウム、アルミニウムトリ−iso−プロポキシド、亜テルル酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ホウ化アルミニウム、リン化アルミニウム、リン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ほう酸アルミニウム、硫化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ホウ化アルミニウム等を挙げることができる。
F化合物としては、例えばフッ化錫、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ化亜鉛、フッ化インジウム、フッ化珪素酸塩、フッ化ゲルマニウム、フッ化鉄、フッ化チタンなどの各種フッ素化合物が用いられる。
Mg化合物としては、例えば塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、酸化マグネシウム、蓚酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、錫酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、ホウフッ化マグネシウム、リン酸マグネシウムなどを用いることができる。
Si化合物としては、例えば二酸化珪素、四塩化珪素、珪酸ソーダなどを用いることができる。
【0018】
焼成条件としては、昇温速度として昇温速度毎分5℃以上200℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは7℃以上200℃以下である。とくに好ましくは10℃以上200℃以下である。また焼成温度としては500℃以上1500℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは600℃以上1500℃以下であり、とくに好ましくは700℃以上1500℃以下であり、かつ焼成時間としては1時間以上100時間以下であることが好ましく、さらに好ましくは1時間以上70時間以下であり、とくに好ましくは1時間以上20時間以下である。アトマイズによる冷却速度は毎分10℃以上107℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは102℃以上106℃以下であり、特に好ましくは103℃以上105℃以下である。
本発明における昇温速度とは「焼成温度(℃表示)の50%」から「焼成温度(℃表示)の80%」に達するまでの温度上昇の平均速度であり、本発明における冷却速度とは「焼成温度(℃表示)の80%」から「焼成温度(℃表示)の50%」に達するまでの温度降下の平均速度である。
焼成中に原料を供給しつつ焼成物を連続的に取り出してもよい。また焼成中に融液を攪拌することが好ましい。
【0019】
本発明で示される化合物の平均粒子サイズは1〜60μmが好ましい。さらに好ましくは粒径分布が揃っており、平均粒子サイズが5〜40μmとなるよう設定することが良い。また粒子形は球形が好ましい。所定の粒子サイズにするには、アトマイズの条件の中から溶融温度、ガス圧、ガス速度などを調節する。所望の粒径分布とするためには分級を行っても良い。分級方法としては特に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いることができる。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。
【0020】
本発明で用いられる酸化物の正極材料あるいは負極材料の表面を、用いられる正極材料や負極材料と異なる化学式を持つ酸化物で被覆することができる。この表面酸化物は、酸性にもアルカリ性にも溶解する化合物を含む酸化物が好ましい。さらに電子伝導性の高い金属酸化物が好ましい。例えば、PbO2、Fe23 、SnO2 、In23 、ZnOなどやまたはこれらの酸化物にドーパント(例えば、酸化物では原子価の異なる金属、ハロゲン元素など)を含ませることが好ましい。特に好ましくは、SiO2 、SnO2 、Fe23 、ZnO、PbO2 である。これらの表面処理に使用される金属酸化物の量は、該正極材料・負極材料当たり、0.1〜10重量%が好ましく、0.2〜5重量%が特に好ましく、0.3〜3重量%が最も好ましい。
また、このほかに、正極材料や負極材料の表面を改質することができる。例えば、調整された酸素分圧下で粉体を加熱処理する方法、金属酸化物の表面をエステル化剤により処理、キレ−ト化剤で処理、導電性高分子、ポリエチレンオキサイドなどにより処理することなどが挙げられる。
【0021】
本発明で用いられる正極材料は可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できる遷移金属酸化物が好ましく、結晶性化合物でも非晶質の化合物でも良い。本発明による、溶融状態で微粒化した後、冷却固化して得た粉末を正極の電極材料として用いる場合は、五酸化バナジウムを用いることが好ましい。五酸化バナジウムは融点が695℃であり、これ以上の温度で融解した後、前述のガスアトマイズ方式で微粒化することが好ましい。
その他にも、従来良く知られているリチウム含有遷移金属酸化物が好ましく使用される。本発明で用いられる好ましいリチウム含有遷移金属酸化物正極材料としては、リチウム含有Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Wを含む酸化物があげられる。またリチウム以外のアルカリ金属(周期律表の第IA、第IIAの元素)、及びまたはAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなどを混合してもよい。混合量は遷移金属に対して0〜30モル%が好ましい。
本発明で用いられるより好ましいリチウム含有遷移金属酸化物正極材料としては、リチウム化合物/遷移金属化合物(ここで遷移金属とは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Wから選ばれる少なくとも1種)の合計のモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成することが好ましい。
本発明で用いられる特に好ましいリチウム含有遷移金属酸化物正極材料としては、リチウム化合物/遷移金属化合物(ここで遷移金属とは、V、Cr、Mn、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1種)の合計のモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成することが好ましい。
本発明で用いられるとくに好ましいリチウム含有遷移金属酸化物正極材料とは、Lix QOy (ここでQは主として、その少なくとも一種がCo、Mn、Ni、V、Feを含む遷移金属)、x=0.2〜1.2、y=1.4〜3)であることが好ましい。Qとしては遷移金属以外にAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなどを混合してもよい。混合量は遷移金属に対して0〜30モル%が好ましい。
【0022】
本発明で用いられるさらに好ましいリチウム含有金属酸化物正極材料としては、LixCoO2 、LixNiO2 、LixMnO2 、LixCoaNi1-a 2 、LizCobV1-b Oz、LixCobFe1-b 2 、LixMn24 、LixMncCo2-c 4 、LixMncNi2-c 4 、LixMncV2-c Oz、LixMncFe2-c 4 、LixMn24 とMnO2 の混合物、Li2 xMnO3 とMnO2 の混合物、LixMn24 、Li2 xMnO3 とMnO2 の混合物(ここでx=0.2〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.8〜0.98、c=1.6〜1.96、z=2.01〜5)をあげられる。
本発明で用いられるさらに好ましいリチウム含有金属酸化物正極材料としては、LixCoO2 、LixNiO2 、LixMnO2 、LixCoaNi1-a 2 、LixCobV1-b Oz、LixCobFe1-b 2 、LixMn24 、LixMncCo2-c 4 、LixMncNi2-c 4 、LixMncV2-c 4 、LixMncFe2-c 4 (ここでx=0.7〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.8〜0.98、c=1.6〜1.96、z=2.01〜2.3)があげられる。
本発明で用いられる最も好ましいリチウム含有遷移金属酸化物正極材料としては、LixCoO2 、LixNiO2 、LixMnO2 、LixCoaNi1-a 2 、LixMn24 、LixCobV1-b Oz(ここでx=0.7〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.9〜0.98、z=2.02〜2.3)があげられる。ここで、上記のx値は、充放電開始前の値であり、充放電により増減する。
【0023】
本発明で用いられるリチウム含有遷移金属酸化物正極材料は、リチウム化合物と遷移金属化合物を混合、焼成する方法や溶液反応により合成することができるが、特に焼成法が好ましい。本発明で用いられる焼成温度は、本発明で用いられる混合された化合物の一部が分解、溶融する温度であればよく、例えば250〜2000℃が好ましく、特に350〜1500℃が好ましい。焼成に際しては250〜900℃で仮焼する事が好ましい。焼成時間としては1〜72時間が好ましく、更に好ましくは2〜20時間である。また、原料の混合法は乾式でも湿式でもよい。また、焼成後に200℃〜900℃でアニールしてもよい。
焼成ガス雰囲気は特に限定されず酸化雰囲気、還元雰囲気いずれもとることができる。たとえば空気中、あるいは酸素濃度を任意の割合に調製したガス、あるいは水素、一酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、キセノン、二酸化炭素等が挙げられる。
【0024】
本発明の正極材料の合成に際し、遷移金属酸化物に化学的にリチウムイオンを挿入する方法としては、リチウム金属、リチウム合金やブチルリチウムと遷移金属酸化物と反応させることにより合成する方法が好ましい。
本発明で用いる正極材料の平均粒子サイズは特に限定されないが、0.1〜50μmが好ましい。比表面積としては特に限定されないが、BET法で0.01〜50m2 /gが好ましい。また正極材料5gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄み液のpHとしては7以上12以下が好ましい。
所定の粒子サイズにするには、良く知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、振動ボールミル、振動ミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが用いられる。
焼成によって得られた正極材料は水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて洗浄した後使用してもよい。
【0025】
本発明に用いられる負極材料と正極材料との組み合わせは、好ましくは一般式(1)で示される化合物とLixCoO2 、LixNiO2 、LixCoaNi1-a 2 、LixMnO2 、LixMn24 、V25 、またはLixCobV1-b Oz (ここでx=0.7〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.9〜0.98、z=2.02〜2.3)の組み合わせであり、高い放電電圧、高容量で充放電サイクル特性の優れた非水二次電池を得ることができる。
【0026】
本発明の負極材料へのリチウム挿入の当量は3〜10当量になっており、この当量に合わせて正極材料との使用量比率を決める。この当量に基づいた使用量比率に、0.5〜2倍の係数をかけて用いることが好ましい。リチウム供給源が正極材料以外では(例えば、リチウム金属や合金、ブチルリチウムなど)、負極材料のリチウム放出当量に合わせて正極材料の使用量を決める。このときも、この当量に基づいた使用量比率に、0.5〜2倍の係数をかけて用いることが好ましい。
【0027】
本発明に併せて用いることができる負極材料としては、リチウム金属、リチウム合金(Al、Al−Mn(米国特許第4,820,599)、Al−Mg(特開昭57−98977)、Al−Sn(特開昭63−6,742)、Al−In、Al−Cd(特開平1−144,573)などやリチウムイオンまたはリチウム金属を吸蔵・放出できる焼成炭素質化合物(例えば、特開昭58−209,864、同61−214,417、同62−88,269、同62−216,170、同63−13,282、同63−24,555、同63−121,247、同63−121,257、同63−155,568、同63−276,873、同63−314,821、特開平1−204,361、同1−221,859、同1−274,360など)があげられる。
上記リチウム金属やリチウム合金の併用目的は、本発明で用いる負極材料にリチウムを電池内で挿入させるためのものであり、電池反応として、リチウム金属などの溶解・析出反応を利用するものではない。
【0028】
電極合剤には、導電剤や結着剤やフィラーなどを添加することができる。導電剤は、構成された電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何でもよい。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−148,554)など)粉、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体(特開昭59−20,971)などの導電性材料を1種またはこれらの混合物として含ませることができる。黒鉛とアセチレンブラックの併用がとくに好ましい。その添加量は、1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。カーボンや黒鉛では、2〜15重量%が特に好ましい。
【0029】
結着剤には、通常、でんぷん、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロース、ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム、ポリブタジエン、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシドなどの多糖類、熱可塑性樹脂、ゴム弾性を有するポリマーなどが1種またはこれらの混合物として用いられる。また、多糖類のようにリチウムと反応するような官能基を含む化合物を用いるときは、例えば、イソシアネート基のような化合物を添加してその官能基を失活させることが好ましい。その結着剤の添加量は、1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。
フィラーは、構成された電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜30重量%が好ましい。
【0030】
本発明の負極材料を非水二次電池系において使用するに当たっては、本発明の化合物を含む水分散合剤ペーストを集電体上に塗布・乾燥し、かつ該水分散合剤ペーストのpHが5以上10未満、さらには6以上9未満であることが好ましい。また、該水分散ペーストの温度を5℃以上80℃未満に保ち、かつペーストの調製後7日以内に集電体上への塗布を行うことが好ましい。
【0031】
電解質としては、有機溶媒として、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸トリエステル(特開昭60−23,973)、トリメトキシメタン(特開昭61−4,170)、ジオキソラン誘導体(特開昭62−15,771、同62−22,372、同62−108,474)、スルホラン(特開昭62−31,959)、3−メチル−2−オキサゾリジノン(特開昭62−44,961)、プロピレンカーボネート誘導体(特開昭62−290,069、同62−290,071)、テトラヒドロフラン誘導体(特開昭63−32,872)、ジエチルエーテル(特開昭63−62,166)、1,3−プロパンサルトン(特開昭63−102,173)などの非プロトン性有機溶媒の少なくとも1種以上を混合した溶媒とその溶媒に溶けるリチウム塩、例えば、LiClO4 、LiBF4 、LiPF6 、LiCF3 SO3 、LiCF3 CO2 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiB10Cl10(特開昭57−74,974)、低級脂肪族カルボン酸リチウム(特開昭60−41,773)、LiAlCl4 、LiCl、LiBr、LiI(特開昭60−247,265)、クロロボランリチウム(特開昭61−165,957)、四フェニルホウ酸リチウム(特開昭61−214,376)などの1種以上の塩から構成されている。なかでも、プロピレンカーボネートあるいはエチレンカボートと1,2−ジメトキシエタンおよび/あるいはジエチルカーボネートの混合液にLiCF3 SO3 、LiClO4 、LiBF4 および/あるいはLiPF6 を含む電解質が好ましい。
これら電解質を電池内に添加する量は、特に限定されないが、正極材料や負極材料の量や電池のサイズによって必要量用いることができる。支持電解質の濃度は、電解液1リットル当たり0.2〜3モルが好ましい。
【0032】
また、電解液の他に次の様な固体電解質も用いることができる。固体電解質としては、無機固体電解質と有機固体電解質に分けられる。無機固体電解質には、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく知られている。なかでも、Li3 N、LiI、Li5 NI2 、Li3 N−LiI−LiOH、LiSiO4 、LiSiO4 −LiI−LiOH(特開昭49−81,899)、xLi3 PO4 −(1−x)Li4 SiO4 (特開昭59−60,866)、Li2 SiS3 (特開昭60−501,731)、硫化リン化合物(特開昭62−82,665)などが有効である。
有機固体電解質では、ポリエチレンオキサイド誘導体か該誘導体を含むポリマ−(特開昭63−135,447)、ポリプロピレンオキサイド誘導体か該誘導体を含むポリマー、イオン解離基を含むポリマー(特開昭62−254,302、同62−254,303、同63−193,954)、イオン解離基を含むポリマ−と上記非プロトン性電解液の混合物(米国特許第4,792,504、同4,830,939、特開昭62−22,375、同62−22,376、同63−22,375、同63−22,776、特開平1−95,117)、リン酸エステルポリマー(特開昭61−256,573)が有効である。
さらに、ポリアクリロニトリルを電解液に添加する方法もある(特開昭62−278,774)。また、無機と有機固体電解質を併用する方法(特開昭60−1,768)も知られている。
【0033】
セパレーターとしては、大きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の薄膜が用いられる。耐有機溶剤性と疎水性からポリプレピレンなどのオレフィン系ポリマーあるいはガラス繊維あるいはポリエチレンなどからつくられたシートや不織布が用いられる。セパレーターの孔径は、一般に電池用として用いられる範囲が用いられる。例えば、0.01〜10μmが用いられる。セパレーターの厚みは、一般に電池用の範囲で用いられる。例えば、5〜300μmが用いられる。また、放電や充放電特性を改良する目的で、以下で示す化合物を電解質に添加することが知られている。例えば、ピリジン(特開昭49−108,525)、トリエチルフォスファイト(特開昭47−4,376)、トリエタノールアミン(特開昭52−72,425)、環状エーテル(特開昭57−152,684)、エチレンジアミン(特開昭58−87,777)、n−グライム(特開昭58−87,778)、ヘキサリン酸トリアミド(特開昭58−87,779)、ニトロベンゼン誘導体(特開昭58−214,281)、硫黄(特開昭59−8,280)、キノンイミン染料(特開昭59−68,184)、N−置換オキサゾリジノンとN,N’−置換イミダゾリジノン(特開昭59−154,778)、エチレングリコールジアルキルエーテル(特開昭59−205,167)、四級アンモニウム塩(特開昭60−30,065)、ポリエチレングリコール(特開昭60−41,773)、ピロール(特開昭60−79,677)、2−メトキシエタノ−ル(特開昭60−89,075)、AlCl3 (特開昭61−88,466)、導電性ポリマー電極活物質のモノマー(特開昭61−161,673)、トリエチレンホスホルアミド(特開昭61−208,758)、トリアルキルホスフィン(特開昭62−80,976)、モルフォリン(特開昭62−80,977)、カルボニル基を持つアリ−ル化合物(特開昭62−86,673)、ヘキサメチルホスホリックトリアミドと4−アルキルモルフォリン(特開昭62−217,575)、二環性の三級アミン(特開昭62−217,578)、オイル(特開昭62−287,580)、四級ホスホニウム塩(特開昭63−121,268)、三級スルホニウム塩(特開昭63−121,269)などが挙げられる。
【0034】
また、電解液を不燃性にするために含ハロゲン溶媒、例えば、四塩化炭素、三弗化塩化エチレンを電解液に含ませることができる。(特開昭48−36,632)また、高温保存に適性をもたせるために電解液に炭酸ガスを含ませることができる(特開昭59−134,567)。また、正極や負極の合剤には電解液あるいは電解質を含ませることができる。例えば、前記イオン導電性ポリマーやニトロメタン(特開昭48−36,633)、電解液(特開昭57−124,870)を含ませる方法が知られている。
【0035】
正・負極の集電体としては、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれば何でもよい。例えば、正極には、材料としてステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、炭素などの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが用いられる。特に、アルミニウムあるいはアルミニウム合金が好ましい。負極には、材料としてステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、アルミニウム、炭素などの他に、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたもの、Al−Cd合金などが用いられる。特に、銅あるいは銅合金が好ましい。これらの材料の表面を酸化することも用いられる。また、表面処理により集電体表面に凹凸を付けることが望ましい。形状は、フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが用いられる。厚みは、特に限定されないが、1〜500μmのものが用いられる。
【0036】
電池の形状はコイン、ボタン、シート、シリンダー、偏平、角などいずれにも適用できる。電池の形状がコインやボタンのときは、正極材料や負極材料の合剤はペレットの形状に圧縮されて主に用いられる。そのペレットの厚みや直径は電池の大きさにより決められる。また、電池の形状がシート、シリンダー、角のとき、正極材料や負極材料の合剤は、集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。塗布方法は、一般的な方法を用いることができる。例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及びスクイーズ法を挙げることができる。そのなかでもブレード法、ナイフ法及びエクストルージョン法が好ましい。塗布は、0.1〜100m/分の速度で実施されることが好ましい。この際、合剤の溶液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層の表面状態を得ることができる。塗布は、片面ずつ逐時でも両面同時でもよい。また、塗布は連続でも間欠でもストライプでもよい。その塗布層の厚み、長さや巾は、電池の大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚みは、ドライ後の圧縮された状態で、1〜2000μmが特に好ましい。
【0037】
ペレットやシートの乾燥又は脱水方法としては、一般に採用されている方法を利用することができる。特に、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単独あるいは組み合わせて用いることが好ましい。温度は80〜350℃の範囲が好ましく、特に100〜250℃の範囲が好ましい。含水量は、電池全体で2000ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や電解質ではそれぞれ500ppm以下にすることがサイクル性の点で好ましい。ペレットやシートのプレス法は、一般に採用されている方法を用いることができるが、特に金型プレス法やカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は、特に限定されないが、0.2〜3t/cm2 が好ましい。カレンダープレス法のプレス速度は0.1〜50m/分が好ましく、プレス温度は室温〜200℃が好ましい。正極シートに対する負極シート幅の比は、0.9〜1.1が好ましく、0.95〜1.0が特に好ましい。正極材料と負極材料の含有量比は、化合物種類や合剤処方により異なるため、限定できないが、容量、サイクル性、安全性の観点で最適な値に設定できる。
【0038】
該合剤シートとセパレーターを介して重ね合わせた後、それらのシートは、巻いたり、折ったりして缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続した後、電解液を注入し、封口板を用いて電池缶を形成する。この時、安全弁を封口板として用いることができる。安全弁の他、従来から知られている種々の安全素子を備えつけても良い。例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子などが用いられる。また、安全弁のほかに電池缶の内圧上昇の対策として、電池缶に切込を入れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封口板亀裂方法あるいはリード板との切断方法を利用することができる。また、充電器に過充電や過放電対策を組み込んだ保護回路を具備させるか、あるいは独立に接続させてもよい。
また、過充電対策として、電池内圧の上昇により電流を遮断する方式を具備することができる。このとき、内圧を上げる化合物を合剤あるいは電解質に含ませることができる。内圧を上げる為に用いられる化合物の例としては、Li2 CO3 、LiHCO3 、Na2 CO3 、NaHCO3 、CaCO3 、MgCO3 などの炭酸塩などを挙げることが出来る。
【0039】
缶やリード板は、電気伝導性をもつ金属や合金を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウムなどの金属あるいはそれらの合金が用いられる。キャップ、缶、シート、リード板の溶接法は、公知の方法(例、直流又は交流の電気溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることができる。封口用シール剤は、アスファルトなどの従来から知られている化合物や混合物を用いることができる。
【0040】
本発明の非水二次電池の用途には、特に限定されないが、例えば、電子機器に搭載する場合、カラーノートパソコン、白黒ノートパソコン、ペン入力パソコン、ポケット(パームトップ)パソコン、ノート型ワープロ、ポケットワープロ、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、電子翻訳機、自動車電話、トランシーバー、電動工具、電子手帳、電卓、メモリーカード、テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、アイロン、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
【0041】
【実施例】
以下に具体例をあげ、本発明をさらに詳しく説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0042】
合成例−1
一酸化錫67.4g、ピロリン酸錫102.8g、無水酸化ホウ素17.4g、炭酸セシウム16.3g、酸化アルミニウム(α型)5.1gを乾式混合し、アルミナ製るつぼに入れ、RQM−P−1型急冷凝固粉末製造装置(真壁技研製)にセットした。まずアルゴン雰囲気(酸素分圧は1100℃にて10−12に調節)下、15℃/分で1100℃まで昇温し、1100℃で12時間焼成、溶融した後、同じガス雰囲気中でガス量100L/sにてアトマイズした。得られた粉末は組成がSnCs0.1Al0.40.50.53.7、平均粒子サイズ10μmの球状粒子を得た(化合物1−A)。これはCuKα線を用いたX線回折法において2θ値で28°付近に頂点を有するブロードなピークを有する物であり、2θ値で40°以上70°以下には結晶性の回折線は見られなかった。同様の方法で、それぞれ化学量論量の原料を混合、焼成、溶融した後、ガスアトマイズして以下に示す化合物を合成した。
【0043】
SnK0.1Al0.40.50.53.7(1−B)、SnRb0.1Al0.30.50.53.6(1−C)、SnNa0.1Al0.20.60.43.3(1−D)、Sn1.3Cs0.15Al0.30.40.63.9(1−E)、SnMg0.1Al0.30.50.50.23.5(1−F)、Sn0.8Mn0.20.50.5(1−G)、Sn0.9Fe0.1Al0.20.50.53.3(1−H)、Sn0.9Ge0.1Cs0.05Al0.30.50.53.6(1−I)、Sn0.9Pb0.1Mg0.10.4Al0.30.60.23.6(1−J)、SnB0.4Al0.3Si0.20.43.5(1−K)、Sn0.9Ge0.1Mg0.10.1Al0.30.50.53.7(1−L)、Sn0.8Bi0.130.50.5(1−N)を得た。これらの化合物は同様にCuKα線を用いたX線回折法において2θ値で20°から40°に頂点を有するブロードな散乱帯を有する物であった。
【0044】
次に、市販の五酸化バナジウム試薬特級をルツボに量りとり、同様にRQM−P−1型急冷凝固粉末製造装置にセットした。ヘリウムガス雰囲気下、15℃/分で750℃まで昇温し溶融した後、同じガス雰囲気中でガス量100L/sにてアトマイズした。得られた粉末は平均粒子サイズ10μmの球状粒子であった(化合物1−V)。これはCuKα線を用いたX線回折法において2θ値で28°付近に頂点を有するブロードなピークを有する物であり、2θ値で40°以上70°以下には結晶性の回折線は見られなかった。
【0045】
実施例−1合剤の調整法として、負極材料では、合成例−1で合成した化合物1−Aを82重量%、導電剤として鱗片状黒鉛を8重量%、アセチレンブラックを4重量%、結着剤として、ポリ弗化ビニリデンを6重量%の混合比で混合した合剤を圧縮成形させたペレット(13mmΦ、22mg)をドライボックス(露点−40〜−70℃、乾燥空気)中で遠赤外線ヒーター(150℃ 3時間)にて乾燥後用いた。正極材料では、LiCoOあるいは試料1−Vを82重量%、導電剤として鱗片状黒鉛を8重量%、アセチレンブラックを4重量%、結着剤として、テトラフルオロエチレンを6重量%の混合比で混合した合剤を圧縮成形させた正極ペレット(13mmΦ、化合物1−Aのリチウム挿入容量に合わせた)を上記と同じドライボックス中で遠赤外線ヒーター(150℃3時間)にて乾燥後用いた。集電体には、正・負極缶ともに80μm厚のSUS316のネットをコイン缶に溶接して用いた。電解質として1mol/リットルのLiPF(溶媒はエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの2:8容量混合液)を200μl用い、更に、セパレーターとして微孔性のポリプロピレンシートとポリプロピレン不織布を用いて、その電解液を不織布に含浸させて用いた。そして、図1の様なコイン型非水二次電池を上記と同じドライボックス中で作製した。
【0046】
この非水二次電池を0.75mA/cm2 の定電流密度にて、4.2〜2.8Vの範囲で第一回目の充放電試験を行なった(試験はすべて充電から始めた)。次に第二回目の充電を4.2Vまで行った後、この電池を恒温槽に入れ、60℃一週間保存した。室温に取り出してから、第二回目の放電試験を行った。その結果を表1に示した。
尚、表1に示す略号は、(a)負極材料、(b)正極材料、(c)第1回目放電容量(負極材料1g当りmAH)、(d)第2回目放電容量、(e)容量維持率d/cをそれぞれ示す。
合成例で示した化合物1−B〜1−N、1−Vについても同様の方法でコイン型非水二次電池を作製し、充放電試験をおこなった。その結果を同様に表1に示した。
【0047】
【表1】
Figure 0003951363
【0048】
比較例−1
一酸化錫67.4g、ピロリン酸錫102.8g、無水酸化ホウ素17.4g、炭酸セシウム16.3g、酸化アルミニウム(α型)5.1gを乾式混合し、これをアルミナ製るつぼに入れ、合成例−1と同じガス雰囲気下において、10℃/分で1100℃まで昇温した。1100℃で12時間焼成したのち、8.3℃/分で室温にまで冷却し、ガラス状化合物を得た。該化合物をジェットミルで粉砕し、さらに風力分級を行って平均粒径10μmの試料2−Aを得た。
合成例1−B〜1−Nまでの組成についても同様にして、試料2−B〜2−Nを得た。市販の五酸化バナジウムをジェットミル粉砕して、粒子サイズを平均10μmに調節したものを試料2−Vとした。これらの化合物を用いる以外は実施例−1と同じ方法でコイン型非水二次電池を作製し、充放電試験をおこなった。
これらの化合物について充放電試験を行った結果を表1に併せて示した。この結果から本発明の化合物は比較化合物のいずれに対しても、充電時の保存性に優れていることがわかる。
【0049】
実施例−2
負極材料として、合成例−1で合成した化合物1−Aを用いて、それを78重量%、鱗片状黒鉛17重量%の割合で混合し、更に結着剤としてポリフッ化ビニリデンの水分散物を4重量%およびカルボキシメチルセルロース1重量%を加え、水を媒体として混練してスラリーを作製した。なお、pHは7.0に調整した。該スラリーを厚さ18μmの銅箔の両面に、エクストルージョン法により塗布し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成型し、所定の幅、長さに切断して帯状の負極シートを作製した。負極塗布層の厚みは44μmであった。正極材料として、LiCoO2 あるいは試料1−Vを92重量%、アセチレンブラック3重量%、さらに結着剤としてポリテトラフルオロエチレン水分散物3重量%とポリアクリル酸ナトリウム1重量%および重炭酸ナトリウム1重量%を加え、水を媒体として混練して得られたスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に上記と同じ方法で塗布、乾燥、プレス、切断した。そして、220μmの帯状正極シートを作製した。
上記負極シートおよび正極シートのそれぞれ端部にそれぞれニッケル、アルミニウムのリード板をスポット溶接した後、露点ー40℃以下の乾燥空気中で230℃2時間脱水乾燥した。さらに、脱水乾燥済み正極シート(8)、微多孔性ポリエチレンフィルムセパレーター、脱水乾燥済み負極シート(9)およびセパレーター(10)の順で積層し、これを巻き込み機で渦巻き状に巻回した。
【0050】
この巻回体を、負極端子を兼ねるニッケルメッキを施した鉄製の有底円筒型電池缶(11)に収納した。さらに、電解質として0.95mol/リットルのLiPF6 と0.05mol/リットルのLiBF4 (溶媒はエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの2:8容量混合液)を電池缶に注入した。正極端子を有する電池蓋(12)をガスケット(13)を介してかしめて円筒型電池を作製した。なお、正極端子(12)は正極シート(8)と、電池缶(11)は負極シート(9)とあらかじめリード端子により接続した。図2に円筒型電池の断面を示した。なお、(14)は安全弁である。充放電条件は、4.2〜2.8V、1mA/cm2 とした。その結果を、表2に示した。尚、表2に示す略号は(a)〜(e)ともに実施例−1と同じである。
合成例−1で作成した化合物1−B〜1−N、1−Vのそれぞれの本発明化合物を同様に評価した結果も併せて表2に示す。
【0051】
【表2】
Figure 0003951363
【0052】
比較例−2
実施例−2において、負極材料として比較化合物2−A〜2−Nを、正極材料として比較化合物2−Vを用いる以外は実施例−2と同じ方法で円筒型電池を作成し、充放電試験を行った。その結果を表2に示した。
【0076】
【発明の効果】
本発明のように金属酸化物または金属カルコゲナイドを溶融状態で微粒化した後、冷却固化して得られた粉末を、正極あるいは負極いずれかの電極材料として含有する電池は、高容量と優れた充放電保存特性を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に使用したコイン型電池の断面図を示したものである。
【図2】実施例に使用した円筒型電池の断面図を示したものである。
【符号の説明】
1 負極封口板
2 負極合剤ペレット
3 セパレーター
4 正極合剤ペレット
5 集電体
6 正極ケース
7 ガスケット
8 正極シート
9 負極シート
10 セパレーター
11 電池缶
12 電池蓋
13 ガスケット
14 安全弁
【図3】図3は円筒型電池の別の態様も示すもので、特に安全弁として機能する部分を示し、他の部分は省略してある。
【符号の説明】
a リチウムを主体とする金属箔
b 負極合剤が塗布された部分
F リチウム箔小片
1 ポリプロピレン製ガスケット
2 負極端子を兼ねる負極缶(電池缶)
3 負極シート
4 セパレーター
5 正極シート
6 非水電解液
7 電流遮断スイッチ(7a 第一導通体、7b 第二導通体)
8 正極端子を兼ねる正極キャップ
8aガス抜き孔
9 PTC素子
10 防爆弁体
11 中間絶縁体
12 正極リードタブ
13 溝状肉薄部
14 上部絶縁板

Claims (4)

  1. 正極材料、負極材料、リチウム塩を含む非水電解質から成る非水二次電池に於いて、錫2価、錫4価、ゲルマニウム2価、ゲルマニウム4価および鉛2価から選ばれる機能元素ならびにマグネシウム、アルミニウム、硼素、リンから選ばれる非晶質化元素、およびカリウム、ルビジウム、セシウムから選ばれるアルカリ金属元素のそれぞれ少なくとも一種以上の元素を含む非晶質酸化物を溶融状態で微粒化した後、冷却固化して得られた粉末を負極用の電極材料として用いたことを特徴とする非水二次電池。
  2. 該粉末がアトマイズ法で微粒化した粉末であることを特徴とする請求項1に記載の非水二次電池。
  3. 該粉末がガスアトマイズ法で微粒化した粉末であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の非水二次電池。
  4. 該微粒化した粉末が、球状で平均粒子径が1μm以上、60μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水二次電池。
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