JP3945945B2 - 屋根軒先の下地構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根下地材上に瓦やスレート等の屋根材が順次重ね合わされ、屋根軒先の屋根下地材上で軒先最端部に取り付けられる屋根材の勾配を形成するために屋根下地材と屋根材との間に台座部材が配置される屋根軒先の下地構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の屋根軒先の下地構造の一例として、特開平10-148017号公報(以下、「公知例1」という)に開示された技術は、図6に示すように、野地板56の上に防水シート57を設置した後、該防水シート57の上に軒先最端部に取り付けられる軒先瓦51の勾配を形成するための塩化ビニル樹脂被覆鋼板製の広小舞い52を設置し、該広小舞い52の上面から延長された水切り材53が軒樋54内に垂下されている。
【0003】
これにより、軒先瓦51の先端から落下する雨水が強風等により煽られ、鼻隠し55側に吹き付けられても水切り材53により阻止されるので雨水が屋根の軒先の裏側に入り込み、軒裏に落下するのを防止出来るとしている。
【0004】
また、実開平6-28055号公報(以下、「公知例2」という)に開示された技術は、図7に示すように、屋根下地材61の上に防水用のルーフィングシート64を設置した後、該ルーフィングシート64の上に金属製の軒先用水切板62を設置する。
【0005】
軒先用水切板62は屋根下地材61の軒先部分に当接する水平部62aと、該水平部62a先端から下方に延設された水切部62bとからなり、水平部62aの中間には軒先最端部に取り付けられる屋根材63の勾配を形成する凸部62cが形成されている。
【0006】
屋根材63は軒先用水切板62の凸部62cの上面62dにより面的に支持されるため屋根材63の割れを防止すると共に上記軒先用水切板62の形状により該軒先用水切板62と屋根材63との間に雨水が侵入しないように出来るとしている。
【0007】
また、他の従来例として、図8(a),(b)に示すように、野地板71の上に軒先の水切り板金72を設置し、該水切り板金72の上に防水シート73を設置した後、軒先最端部に取り付けられる瓦やスレート等の屋根材74の勾配を形成するための木材等からなる瓦座75を水切り板金72と屋根材74との間に設置したものがある。
【0008】
図8(b)では瓦座75の上面及び軒先側面を被覆して該瓦座75を保護するためのL字形状の板金76を瓦座75と屋根材74との間に配置したものである。また、図8(c)では野地板71の上に防水シート73を設置し、該防水シート73の上に瓦座75を設置した後、図8(b)に示す水切り板金72と板金76とを一体的に形成した水切り板金77を瓦座75と屋根材74との間に配置したものである。
【0009】
また、図8(d)では、野地板71の上に軒先最端部に取り付けられる瓦やスレート等の屋根材74の勾配を形成するための瓦座75を兼ねる水切り板金78を設置した後、該水切り板金78の上に防水シート73を設置したものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来例において、図8(a)に示す従来例では、図9(a)に示すように木材等で構成される瓦座75が軒先側面からの風雨や火災時の熱に晒されるため劣化し易いという問題があった。
【0011】
また、図6に示す公知例1の広小舞い52、図7に示す公知例2の軒先用水切板62及び図8(a)〜(c)に示す従来例の瓦座75は、防水シート57、ルーフィングシート64、防水シート73上に夫々密着して固定されるため図9(a)に示すように瓦51間或いは屋根材63,74間から吹き込み等により侵入した雨水が防水シート57、ルーフィングシート64、防水シート73上を流れて広小舞い52、軒先用水切板62の凸部62c及び瓦座75により塞き止められてしまい、木材等からなる瓦座75や野地板56、屋根下地材61及び野地板71に腐食が発生する虞があった。
【0012】
また、図6に示す公知例1の水切り材53、図7に示す公知例2の軒先用水切板62及び図8(c),(d)に示す従来例の水切り板金77,78では、該水切り材53(広小舞い52を含む)、軒先用水切板62及び水切り板金77,78の寸法形状が決まれば意匠性や雨仕舞い等の都合で瓦51や屋根材63,74の勾配角度を変化させることが出来ないという問題がある。
【0013】
即ち、図9(b)に示すように、起立部の高さHの水切り板金78を使用した場合、屋根材74の勾配角度は図9(b)の破線で示すθ1に設定され、意匠性や雨仕舞い等の都合で屋根材74の勾配角度を図9(b)の実線で示すθ2(θ2>θ1)に設定したい場合、起立部の高さがH+hの水切り板金78を別途用意しなければならないため部品の種類が増大し、部品コストや部品管理コスト等が増大するという問題がある。
【0014】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、屋根材の勾配を形成する台座部材が軒先側面からの風雨や火災時の熱に晒されるのを防止すると共に吹き込み等により侵入した雨水を台座部材により塞き止ることなく該台座部材や屋根下地材等の腐食を防止し、意匠性や雨仕舞い等の都合で屋根材の勾配角度を容易に変更することが出来る屋根軒先の下地構造を提供せんとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係る屋根軒先の下地構造は、屋根軒先の屋根下地材上で軒先最端部に取り付けられる屋根材の勾配を形成するために前記屋根下地材と前記屋根材との間に台座部材が配置される屋根軒先の下地構造において、前記台座部材の少なくとも底面と軒先側面とを被覆する被覆部材を前記屋根下地材と前記台座部材との間に設け、前記被覆部材の前記台座部材の底面を被覆する底片の下面側に該被覆部材と前記屋根下地材との間に隙間を形成するための凸部を有し、前記被覆部材と前記台座部材とを前記屋根下地材の勾配方向に沿って一体的に移動させることで前記屋根材の勾配角度を自在に変化させることを特徴とする。
【0016】
本発明は、上述の如く構成したので、台座部材の少なくとも底面と軒先側面とを被覆する被覆部材を屋根下地材と台座部材との間に設けたことで、被覆部材により台座部材が軒先側面からの風雨や火災時の熱に晒されるのを防止して台座部材の劣化を防止することが出来る。
【0017】
また、被覆部材の台座部材の底面を被覆する底片の下面側に該被覆部材と屋根下地材との間に隙間を形成するための凸部を設けたことで、吹き込み等により侵入した雨水は台座部材により塞き止められることなく、被覆部材の台座部材の底面を被覆する底片の下面側に設けられた凸部により被覆部材と屋根下地材との間に形成された隙間を介して軒先に排水することが出来、台座部材や屋根下地材等の腐食を防止することが出来る。
【0018】
また、屋根下地材上を該屋根下地材の勾配方向に沿って台座部材と被覆部材とを一体的に移動させることで屋根材の勾配角度を自在に変化させることが出来、意匠性や雨仕舞い等の都合で屋根材の勾配角度を容易に変更することが出来る。
【0019】
また、前記被覆部材をボックス形状に形成し、該被覆部材が前記台座部材を兼ねる場合には、台座部材を省略して部品点数を削減することが出来る。
【0020】
また、前記被覆部材の前記台座部材の底面を被覆する底片の下面側に設けられた凸部を、前記被覆部材の前記台座部材の底面を被覆する底片の下面側に凸部を形成した凸座部材を取り付けて構成した場合には、被覆部材と凸座部材とが別部品で構成されるため各種台座部材の形状に合わせた種々の被覆部材と、各種の高さ寸法を有する凸部や各種の凸部形状を有して形成した凸座部材とを所望する機能に応じて適宜組み合わせて使用することが出来、設計自由度が向上する。
【0021】
また、前記被覆部材と前記屋根下地材との間に一部が軒先に垂下し、軒先と反対側の端部に折り返し部を有する水切り部材が設けられる場合には、吹き込み等により侵入した雨水が水切り部材の折り返し部を超えて軒先方向に排水されても台座部材により塞き止められることがなく、被覆部材の台座部材の底面を被覆する底片の下面側に設けられた凸部により被覆部材と屋根下地材及び水切り部材との間に形成された隙間を介して軒先に排水することが出来、台座部材や屋根下地材等の腐食を防止することが出来る。
【0022】
【発明の実施の形態】
図により本発明に係る屋根軒先の下地構造の一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係る屋根軒先の下地構造の構成を示す断面説明図、図2は被覆部材及び水切り部材の構成を示す図、図3は本発明に係る屋根軒先の下地構造の作用効果を示す断面説明図、図4は各種被覆部材の構成を示す図、図5は各種被覆部材と各種凸座部材との構成を示す斜視図である。
【0023】
図1において、1は屋根下地材となる木材等で構成された野地板であり、該野地板1の上面で屋根軒先には一部が軒先に垂下する水切り部材となる金属製の水切り板金2が釘打ち等により固定されている。
【0024】
尚、水切り板金2は図示しない軒樋内部に垂下されている。また、水切り板金2は金属製以外にも合成樹脂等により構成されても良い。
【0025】
図2に示すように、水切り板金2の軒先と反対側で野地板1上に配置される側の端部には所定の折り返し高さh1を有する折り返し部2aが形成されており、水切り板金2の略中央部で90°よりも大きい所定の角度で屈曲して軒先に垂下する端部にも折り返し部が形成されている。
【0026】
野地板1の上面及び水切り板金2の上面には防水シート3が展張して固定されており、該防水シート3により木材等で構成された野地板1に対する防水性能を確保している。
【0027】
4は屋根軒先の野地板1上に設置された防水シート3上で軒先最端部に取り付けられる瓦やスレート等からなる屋根材5の勾配を形成するために該屋根材5と防水シート3との間に配置される台座部材となる瓦座である。
【0028】
瓦座4は木材等で所定の高さ及び幅及び長さを有して構成されており、該瓦座4の少なくとも底面と軒先側面とを被覆する金属製或いは合成樹脂製の被覆部材6が防水シート3と瓦座4との間に配置されている。
【0029】
図1〜図3に示す本実施形態の被覆部材6は、図2に示すように、例えば、板金を断面コ字状に形成し、瓦座4の底面と両側面を被覆する。また、瓦座4の底面を被覆する底片6aの下面側には被覆部材6と防水シート3との間に雨水を排水可能な隙間を形成するための凸部6bをエンボス加工等により形成している。
【0030】
瓦座4の底面を被覆する底片6aの下面側に設けられた凸部6bの高さh2は水切り板金2の折り返し部2aの折り返し高さh1よりも高くなるように構成されている。
【0031】
被覆部材6の内部に収容された瓦座4は、被覆部材6と一体的に防水シート3上を野地板1の勾配方向(図1の左右方向)に沿って移動させて所定の位置に配置して釘打ち等により野地板1に固定され、屋根材5の裏面を瓦座4の上面に載置することで屋根材5を所定の勾配角度に設定して設置することが出来る。
【0032】
上記構成によれば、瓦座4の少なくとも底面と軒先側面とを被覆する被覆部材6を防水シート3と瓦座4との間に設けたことで、図3(a)に示すように被覆部材6により瓦座4が軒先側面からの風雨や火災時の熱に晒されるのを防止して瓦座4の劣化を防止することが出来る。
【0033】
また、被覆部材6の瓦座4の底面を被覆する底片6aの下面側に該被覆部材6と防水シート3との間に隙間を形成するための凸部6bを設けたことで、図3(a)に示すように吹き込み等により屋根材5間等から侵入した雨水は瓦座4により塞き止められることなく、被覆部材6の瓦座4の底面を被覆する底片6aの下面側に設けられた凸部6bにより被覆部材6と防水シート3との間に形成された隙間を介して軒先に排水することが出来、瓦座4や野地板1等の腐食を防止することが出来る。
【0034】
また、被覆部材6の瓦座4の底面を被覆する底片6aの下面側に設けられた凸部6bの高さh2が、水切り板金2の軒先と反対側の折り返し部2aの折り返し高さh1よりも高いため吹き込み等により屋根材5間等から侵入した雨水が防水シート3に沿って水切り板金2の折り返し部2aを超えて軒先方向に排水されても瓦座4により塞き止められることがなく、被覆部材6の瓦座4の底面を被覆する底片6aの下面側に設けられた凸部6bにより被覆部材6と防水シート3との間に形成された隙間を介して軒先に排水することが出来、瓦座4や野地板1の腐食を防止することが出来る。
【0035】
また、瓦座4と被覆部材6とを防水シート3上を野地板1の勾配方向(図3(b)の左右方向)に沿って一体的に移動させることで屋根材5の勾配角度を例えば、図3(b)の破線で示すθ1から図3(b)の実線で示すθ2まで連続的に自在に変化させることが出来、意匠性や雨仕舞い等の都合で屋根材5の勾配角度を容易に変更することが出来る。
【0036】
従って、前述した従来例のように起立部の高さが異なる各種の水切り板金を別途用意しなくても瓦座4と被覆部材6との移動により屋根材5の勾配角度を容易に変更することが出来るので部品の種類を低減することが出来、部品コストや部品管理コスト等を低減することが出来る。
【0037】
図4は他の各種の被覆部材6の構成を示すものであり、図4(a)は、例えば、板金を断面L字状に形成して、瓦座4の底面及び軒先側面を被覆し、該瓦座4の底面を被覆する底片6aの下面側に同じく被覆部材6と防水シート3との間に隙間を形成するための凸部6bをエンボス加工等により形成したものである。
【0038】
また、図4(b)は、例えば、板金を断面コ字状に形成して、瓦座4の上面、底面及び軒先側面を被覆し、該瓦座4の底面を被覆する底片6aの下面側に同じく被覆部材6と防水シート3との間に隙間を形成するための凸部6bをエンボス加工等により形成したものである。
【0039】
また、図4(c)は、例えば、板金を断面方形状のボックス形状に形成し、その底片6aの下面側に同じく被覆部材6と防水シート3との間に隙間を形成するための凸部6bをエンボス加工等により形成したものである。
【0040】
図4(c)の場合、瓦座4を省略して被覆部材6が瓦座4を兼ねるように構成しても良い。即ち、被覆部材6の上面に屋根材5の裏面を載置して設置することで瓦座4を省略して部品点数を削減することが出来る。
【0041】
また、図5に示すように、被覆部材6の瓦座4の底面を被覆する底片6aの下面側に設けられた凸部を、被覆部材6の瓦座4の底面を被覆する底片6aの平坦面からなる下面側に、凸部7aを形成した金属製や合成樹脂製の平板状の凸座部材7を取り付けて構成しても良い。
【0042】
図5(a)は、例えば、板金を断面コ字状に形成して、瓦座4の底面及び両側面を被覆し、該瓦座4の底面を被覆する被覆部材6の底片6aの下面側に、エンボス加工等により凸部7aを形成した板金からなる凸座部材7を取り付け、該凸部7aにより凸座部材7と防水シート3との間に雨水を排水するための隙間を形成したものである。
【0043】
また、図5(b)は、例えば、板金を断面L字状に形成して、瓦座4の底面及び軒先側面を被覆し、該瓦座4の底面を被覆する被覆部材6の底片6aの下面側に、エンボス加工等により凸部7aを形成した板金からなる凸座部材7を取り付け、該凸部7aにより凸座部材7と防水シート3との間に雨水を排水するための隙間を形成したものである。
【0044】
上記構成によれば、被覆部材6と凸座部材7とが別部品で構成されるため各種瓦座4の形状に合わせた種々の被覆部材6と、各種の高さ寸法や各種の凸部形状を有する凸部7aを有して形成した凸座部材7とを所望する機能に応じて適宜組み合わせて使用することが出来、設計自由度が向上する。
【0045】
尚、図1〜図4に示す被覆部材6或いは図5に示す凸座部材7が合成樹脂で構成される場合には、被覆部材6或いは凸座部材7を成型する際に底片6aの凸部6b或いは凸部7aを一体的に成型すれば良い。
【0046】
尚、図5に示すように被覆部材6と凸座部材7とが組み合わされて使用される場合には、図1、図4、図5に示したような各種の形状の被覆部材6と、図5に示した各種の凸座部材7を適宜組み合わせれば良く、被覆部材6の底片6aの凸部6bや凸座部材7の凸部7aの凸部形状は、半球形状や針形状、或いは多角柱形状や多角錐形状、或いは円柱形状や円錐形状等の種々の形状が適用出来る。
【0047】
また、被覆部材6と凸座部材7とが組み合わされて使用される場合には、被覆部材6の底片6aと凸座部材7との間で図示しない係合手段により係合可能に構成することでも良く、被覆部材6の底片6aが平坦面以外の曲面や階段状の面で凸座部材7と係合する構成でも良い。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、台座部材の少なくとも底面と軒先側面とを被覆する被覆部材を屋根下地材と台座部材との間に設けたことで、被覆部材により台座部材が軒先側面からの風雨や火災時の熱に晒されるのを防止して台座部材の劣化を防止することが出来る。
【0049】
また、被覆部材の台座部材の底面を被覆する底片の下面側に該被覆部材と屋根下地材との間に隙間を形成するための凸部を設け、前記被覆部材と前記台座部材とを前記屋根下地材の勾配方向に沿って一体的に移動させることで前記屋根材の勾配角度を自在に変化させることで、吹き込み等により侵入した雨水は台座部材により塞き止められることなく、被覆部材の台座部材の底面を被覆する底片の下面側に設けられた凸部により被覆部材と屋根下地材との間に形成された隙間を介して軒先に排水することが出来、台座部材や屋根下地材等の腐食を防止することが出来る。
【0050】
また、屋根下地材上を該屋根下地材の勾配方向に沿って台座部材と被覆部材とを一体的に移動させることで屋根材の勾配角度を自在に変化させることが出来、意匠性や雨仕舞い等の都合で屋根材の勾配角度を容易に変更することが出来る。
【0051】
また、前記被覆部材をボックス形状に形成し、該被覆部材が前記台座部材を兼ねる場合には、台座部材を省略して部品点数を削減することが出来る。
【0052】
また、前記被覆部材の前記台座部材の底面を被覆する底片の下面側に設けられた凸部を、前記被覆部材の前記台座部材の底面を被覆する底片の下面側に凸部を形成した凸座部材を取り付けて構成した場合には、被覆部材と凸座部材とが別部品で構成されるため各種台座部材の形状に合わせた種々の被覆部材と、各種の高さ寸法を有する凸部や各種の凸部形状を有して形成した凸座部材とを所望する機能に応じて適宜組み合わせて使用することが出来、設計自由度が向上する。
【0053】
また、前記被覆部材と前記屋根下地材との間に一部が軒先に垂下し、軒先と反対側の端部に折り返し部を有する水切り部材が設けられた場合には、軒先の屋根材の先端から落下する雨水が強風等により煽られて被覆部材と水切り部材との間に吹き付けられても該折り返し部により侵入が阻止される。
【0054】
また、前記被覆部材の前記台座部材の底面を被覆する底片の下面側に設けられた凸部の高さが前記水切り部材の軒先と反対側の折り返し部の折り返し高さよりも高くなるように構成した場合には、吹き込み等により侵入した雨水が水切り部材の折り返し部を超えて軒先方向に排水されても台座部材により塞き止められることがなく、被覆部材の台座部材の底面を被覆する底片の下面側に設けられた凸部により被覆部材と屋根下地材及び水切り部材との間に形成された隙間を介して軒先に排水することが出来、台座部材や屋根下地材等の腐食を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る屋根軒先の下地構造の構成を示す断面説明図である。
【図2】 被覆部材及び水切り部材の構成を示す図である。
【図3】 本発明に係る屋根軒先の下地構造の作用効果を示す断面説明図である。
【図4】 各種被覆部材の構成を示す図である。
【図5】 各種被覆部材と各種凸座部材との構成を示す斜視図である。
【図6】 公知例1を説明する図である。
【図7】 公知例2を説明する図である。
【図8】 従来例を説明する図である。
【図9】 従来例の課題を説明する図である。
【符号の説明】
1…野地板
2…水切り板金
2a…折り返し部
3…防水シート
4…瓦座
5…屋根材
6…被覆部材
6a…底片
6b…凸部
7…凸座部材
7a…凸部
Claims (4)
- 屋根軒先の屋根下地材上で軒先最端部に取り付けられる屋根材の勾配を形成するために前記屋根下地材と前記屋根材との間に台座部材が配置される屋根軒先の下地構造において、
前記台座部材の少なくとも底面と軒先側面とを被覆する被覆部材を前記屋根下地材と前記台座部材との間に設け、前記被覆部材の前記台座部材の底面を被覆する底片の下面側に該被覆部材と前記屋根下地材との間に隙間を形成するための凸部を有し、前記被覆部材と前記台座部材とを前記屋根下地材の勾配方向に沿って一体的に移動させることで前記屋根材の勾配角度を自在に変化させることを特徴とする屋根軒先の下地構造。 - 前記被覆部材をボックス形状に形成し、該被覆部材が前記台座部材を兼ねることを特徴とする請求項1に記載の屋根軒先の下地構造。
- 前記被覆部材の前記台座部材の底面を被覆する底片の下面側に設けられた凸部は、前記被覆部材の前記台座部材の底面を被覆する底片の下面側に凸部を形成した凸座部材を取り付けて構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の屋根軒先の下地構造。
- 前記被覆部材と前記屋根下地材との間に一部が軒先に垂下し、軒先と反対側の端部に折り返し部を有する水切り部材が設けられたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の屋根軒先の下地構造。
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