JP3945868B2 - 自動二輪車用水冷式エンジンのシリンダ用カバー構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動二輪車用水冷式エンジンのシリンダ用カバー構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車に搭載されるエンジンには、空冷式エンジンと水冷式エンジンがある。
空冷式エンジンには、シリンダ部分をシュラウドで覆う構造も多い。このような空冷式エンジンとして、例えば実公平7−44741号公報「エンジンのシュラウド」の技術がある。
この技術は、その公報の第2図及び第4図によれば、パワーユニット7(符号は公報に記載されたものを引用した。以下同じ。)におけるシリンダ部10のうち、シリンダヘッドを除いた部分を、上下2分割型シュラウド14で覆い、シュラウド14内にシリンダ冷却ファン57aで外気を導入して、シリンダ部10を空冷するものである。空冷するものであるから、シュラウド14は閉塞構造である。すなわち、シュラウド14は、一端をシリンダ部10の係合突部10aに嵌合し、他端をファンカバー24に重ねてボルト止めしたものである。
一方、水冷式エンジンは、一般にラジエータとエンジンの水冷ジャケットとの間に冷却水を循環させて、エンジンを冷却する構造である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、利用者の一部には、自動二輪車に搭載されるエンジンの機能美(機能的外観性)を追及する人もいる。このような人は、空冷式エンジンであって露出したシリンダ部分を見せた方が、機能美が高まると考え、それを望んでいる。一方、水冷式エンジンを搭載した場合には、シリンダ部分の外面に冷却フィンを設ける必要がない。このような水冷式エンジンでは、空冷式エンジンのような機能美を好む利用者からみると、機能美は低下する。しかし、水冷式エンジンであっても、機能美は高い方が良い。
【0004】
そこで本発明の目的は、水冷式エンジンの機能美を高める技術を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の自動二輪車用水冷式エンジンのシリンダ用カバー構造の明では、自動二輪車用水冷式エンジンの全方向の側部を覆い、上部を開放する構造のシリンダ用カバーを取付けた自動二輪車用水冷式エンジンのシリンダ用カバーにおいて、このシリンダ用カバーは、エンジンのシリンダブロックの下端近傍まで延びてエンジンのシリンダの周囲を囲うとともに、外面に複数の疑似冷却フィンを一体に形成した小型のカバーであり、一端がシリンダの側面から所定の隙間を開けてシリンダのシリンダヘッドにステーを介して取付けられるとともに、他端がシリンダの側面から所定の隙間を開けてエンジンのクランクケースに取付けられ、シリンダヘッドに取付けられるヘッド側ステーの取付け箇所と、クランクケースに取付けられるクランクケース側取付け個所とが、シリンダの周囲でシリンダの軸線を跨ぐ方向に対向配置され、シリンダ用カバーの上部の開口から点火プラグ用のハイテンションコード、ワイヤ及び冷却ホースが通され、車体側に接続されたことを特徴とする。
水冷式エンジンのシリンダ部分は、全体がシリンダ用カバーで覆われるので、外からは見えない。シリンダ部分全体を覆ったシリンダ用カバーで、空冷式エンジンのシリンダ部分のように見せることができる。
シリンダ部分からの放熱は、シリンダ用カバーの開口から放散する。
【0006】
シリンダ用カバーに、コード、ワイヤ及び冷却水ホースを通すための別位の孔は不要である。また、シリンダ用カバーの開口は大きい。このため、シリンダ部分へのコード、ワイヤ及び冷却水ホースの取付け作業、保守・点検作業は容易である。
【0007】
シリンダ部分を覆ったシリンダ用カバーに、複数の疑似冷却フィンがあるので、シリンダ用カバーの外面は、あたかも、空冷式エンジンのシリンダ部分のような外観に見える。このため、水冷式エンジンの全体も、空冷式エンジンのような外観に見える。
【0008】
シリンダ用カバーを、シリンダ部分の側面から所定の隙間を開けてエンジンに取付けた。シリンダ部分からの放熱は、隙間を通ってシリンダ用カバーの開放端から放散する。
【0009】
シリンダ用カバーを、シリンダヘッドにステーで取付けた。シリンダ用カバーを、ステーによってシリンダヘッドに簡単に取付けることができる。
【0010】
請求項2の発明では、シリンダ用カバーを、車幅方向に分解可能な左右分割体とした。自動二輪車にエンジンを取付けたまま、シリンダ用カバーを車幅方向に分解できる。
【0011】
請求項3の発明では、エンジンを2サイクルエンジンとし、この2サイクルエンジンのシリンダ部分の側部に排気時期可変バルブ用操作部材を配置し、左右分割体のうち、排気時期可変バルブ用操作部材に臨む方の分割体を、さらに上下2分割体とした。
排気時期可変バルブ用操作部材を保守・点検する場合には、上下2分割体のうちの一方を取外すだけでよい。
【0012】
請求項4の発明では、上下2分割体のうち、排気時期可変バルブ用操作部材を保守・点検するために外す方の分割体を、他方の分割体に外方から重ね合わせる構造とした。
排気時期可変バルブ用操作部材を保守・点検する場合に、上下2分割体のうち、外方から重ね合わせた方の分割体だけを、外すことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。
なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0014】
図1は本発明に係る自動二輪車の左側面図である。
自動二輪車1は、クレードル型車体フレーム2と、車体フレーム2のヘッドパイプ3に取付けたフロントフォーク4と、フロントフォーク4に取付けた前輪5と、フロントフォーク4に連結したハンドル6と、車体フレーム2の前部上部に跨ぐように取付けた燃料タンク7と、燃料タンク7の左下方で車体フレーム2に取付けたオイルタンク8と、車体フレーム2の後部上部に取付けたシート9と、車体フレーム2のクレードルスペース内に配置した水冷式2サイクルエンジン10と、エンジン10の吸気口に直列接続したエアクリーナ11、気化器12並びに吸気管13と、吸気管13から分岐した吸気チャンバ14と、エンジン10の排気口に接続した排気管15並びにサイレンサ16と、エンジン10の前方に配置したラジエータ17と、車体フレーム2の後部に取付けたスイングアーム18と、スイングアーム18の後端部を車体フレーム2に懸架したリヤサスペンション19と、スイングアーム17に取付けた後輪20とからなる。
【0015】
また、自動二輪車1は、エンジン10のクランクケース10aの左右両側方に乗員用ステップ23,23(この図では左側の1つだけを示す。)を配置し、また、エンジン10に潤滑油を供給する潤滑油供給装置31をエンジン10の近傍に配置したものである。
図中、24はチェンジペダル、25は駆動用チェーン、26はフロントフェンダ、27はサイドカウル、28はリヤフェンダである。
【0016】
図2は本発明に係るエンジンの左側面図であり、エンジン10の吸気系統における吸気管13に潤滑油供給装置31の潤滑油流量制御装置32を取付けた構造を示し、また、エンジン10のシリンダ部分をシリンダ用カバー40で覆ったことを示す。
潤滑油供給装置31は、オイルタンク8(図1参照)内の潤滑油を、後述するオイルポンプで、潤滑油流量制御装置32を介して吸気管13へ供給するものである。潤滑油流量制御装置32は、反復開閉することにより、潤滑油の流量をエンジン10の作動状態に見合うように制御するソレノイド式三方弁である。
【0017】
図3は図2の3−3線断面図であり、水冷式2サイクルエンジン10におけるシリンダ部分10bをその先端まで、シリンダ用カバー40で覆ったことを示す。なお、エンジン10は一部のみ断面して示す。
エンジン10のシリンダ部分10bは、シリンダを形成する部分のことであり、例えば、シリンダブロック10cとシリンダヘッド10dとからなる。
【0018】
シリンダ用カバー40は、シリンダ部分10bの側面から所定の隙間Sを開け、シリンダ軸線C方向両端を開放し、下部開放端40a及び上部開放端40cとしたカバーである。下部開放端40aは、シリンダブロック10cの下端近傍まで延び、上部開放端40cは、シリンダヘッド10dを全て覆う高さまで延びる。下部開放端40aの開口40b及び上部開放端40cの開口40dは、シリンダ部分10bの径より大きい。従って、シリンダ部分10bからの放熱は隙間Sを通って、上部開放端40cの大きい開口40dから放散する。このため、シリンダ部分10bをシリンダ用カバー40で覆ったにもかかわらず、放熱性は高い。
【0019】
また、シリンダ用カバー40は、車幅方向に分解可能な左右分割体(左分割体41及び右分割体42)からなり、さらに、右分割体42は上下2分割体(右下分割体43及び右上分割体44)からなる。右上分割体44は右下分割体43に外方から重ね合わせる構造である。
左分割体41、右下分割体43及び右上分割体44は、表面にクロムメッキ処理を施したABS樹脂(アクリロニトリル・ブダジエン・スチレン樹脂)等の樹脂製カバーであり、これら樹脂製カバーは、外面に複数の疑似冷却フィン41a…(…は複数を示す。以下同じ。),43a…,44a…を一体に形成したものである。
【0020】
このようなシリンダ用カバー40は、エンジン10に着脱可能に取付けたものである。詳しくは、左分割体41はシリンダヘッド10dにステー45で取付け、右下分割体43はクランクケース10aにボルト止めする。
具体的には、ステー45は水平部45aと垂直部45bとからなる側面視上下逆L字状ステーであり、シリンダブロック10cにシリンダヘッド10dを取付けるためのボルト46を利用して水平部45aを取付け、垂直部45bに左分割体41を取付ける。
【0021】
左分割体41の取付け構造は、ステー45の垂直部45bに、クッション材47を介して左分割体41の上部2箇所(この図では1箇所のみ示す。)をボルト48で取付け、また、ステー45の垂直部45bに、クッション材47を介して左分割体41の下部1箇所を嵌合突部41bのスナップフィットで取付ける構造である。なお、ボルト止めのみ又はスナップフィットのみで取付けてもよい。
また、右下分割体43の下端部のブラケット43bは、クランクケース10aの側部から延ばしたサポート10eに、クッション材47を介してボルト48で取付ける構造である。
【0022】
図4は本発明に係るシリンダ用カバーの分解斜視図であり、シリンダ用カバー40の分割構造を示す。
左分割体41及び右分割体42は、合せ面が互いに向い合う平面視略コ字状体である。右下分割体43は、合せ部分の高さが左分割体41とほぼ同一高さであり、合せ部分の上端から右下方へ斜めに切り取った形状である。
左分割体41の合せ面と右下分割体43の合せ面とは、上下前後4箇所をビス49…で固定する構造である。しかも、右下分割体43の上部に右上分割体44を重ね合わせた部分は、左分割体41と右下分割体43と右上分割体44とをビス49…で共締めした構造である。
【0023】
また、右下分割体43と右上分割体44とは、一部をスナップフィットで取付ける構造である。具体的には、右下分割体43の下部中央に貫通孔43cを開け、この貫通孔43cに右上分割体44の嵌合突部44bをスナップフィットで取付ける。なお、右下分割体43は右上分割体44に、ボルト止めのみ又はスナップフィットのみで取付けてもよい。
【0024】
図5は本発明に係るエンジンの右側面図であり、上記図2に示すエンジン10を裏側から見た構造を示し、しかも、シリンダ用カバー40のうち右上分割体44(図3参照)を外したものである。
エンジン10は、クランクケース10aの右側面にウォータポンプ33並びにオイルポンプ34を取付けたものである。ウォータポンプ33は、上記水冷式2サイクルエンジン10の水冷ジャケットに冷却水を供給するポンプであり、オイルポンプ34は、エンジン10に潤滑油を供給するポンプであり、これらのポンプ33,34は、エンジン10のクランクシャフト10fで駆動される形式のものである。これら露出したウォータポンプ33及びオイルポンプ34は、サイドカバー59で覆ったものである。
【0025】
シリンダブロック10cは前部上部に排気口10gを形成するとともに、この排気口10gに排気時期可変バルブ(図示せず)を取付けたものである。排気時期可変バルブは、排気口10gからの排気タイミングを、エンジン10の作動状態に見合うように制御するバルブである。このバルブは、制御モータ51によって制御ケーブル52,52及び排気時期可変バルブ用操作部材53を介して制御される。
制御モータ51を、シリンダヘッド10dの上方に配置し、排気時期可変バルブ用操作部材53を、シリンダブロック10cの右側部(図手前)に配置したので、制御ケーブル52,52は上下に延びる。
【0026】
シリンダヘッド10dは上部に、エンジン10の水冷ジャケット用冷却水ホース54、点火プラグ55、エンジン10の水冷ジャケット用水温センサ56を、上向きに取付けたものである。このため、シリンダ用カバー40の開放端のうち上部開放端40cの開口40dを通じて、冷却水ホース54、点火プラグ用ハイテンションコード57、水温センサ用コード58を通すようにした。このため、シリンダ用カバー40に冷却水ホース54、制御ケーブル52等のワイヤ、点火プラグ用ハイテンションコード57等のコードを通すための別位の孔は不要である。
また、上部開放端40cの開口40dが大きいので、開口40dを通じて、シリンダ部分10bへ冷却水ホース、コード及びワイヤを取付ける作業、冷却水ホース、コード及びワイヤを保守・点検する作業が容易である。
図中、35は冷却水ホース、37はオイルポンプ制御コードである。
【0027】
図6は本発明に係るシリンダ用カバー並びにサイドカバー付きエンジンの右側面図であり、上記図5に示すエンジン10に、サイドカバー59を取付けた構造を示す。
詳しくは、エンジン10は、クランクケース10aの右側面(図の手前の面)のみをサイドカバー59で覆ったものであり、このサイドカバー59は、図5に示すウォータポンプ33、オイルポンプ34並びに冷却水ホース35の一部をも覆うことになる。
【0028】
次に、上記構成のシリンダ用カバー40の作用を、図2〜図5に基づき説明する。
図3に示すように、水冷式エンジン10のシリンダ部分10bは、全体がシリンダ用カバー40で覆われるので、外からは見えない。そして、シリンダ部分10b全体を覆ったシリンダ用カバー40で、空冷式エンジンのシリンダ部分のように見せることができる。
シリンダ用カバー40で、空冷式エンジンのシリンダ部分のように見せるには、例えば▲1▼シリンダ用カバー40の表面に、空冷式エンジンのシリンダ部分に似せた装飾、色彩、模様を施したり、▲2▼シリンダ用カバー40を、空冷式エンジンのシリンダ部分に似せた形状とする。
このようにすることで、自動二輪車用水冷式エンジン10全体としての機能美(機能的外観性)を高めることができ、この結果、水冷式エンジン10を搭載した自動二輪車としての機能美を高め、自動二輪車の商品価値を高めることができる。
【0029】
また、図2及び図3に示すように、左分割体41、右下分割体43及び右上分割体44の外面に複数の疑似冷却フィン41a…,43a…,44a…を一体に形成したので、シリンダ用カバー40をより一層、空冷式エンジンのシリンダ部分10bの外観のように見せることができる。
しかも、シリンダ用カバー40における左分割体41、右下分割体43及び右上分割体44の表面にクロムメッキ処理を施したので、シリンダ用カバー40の外観はシルバー(銀色)であり、金属質の感触を得る。このため、シリンダ用カバー40をより一層、空冷式エンジンのシリンダ部分の外観のように見せることができる。
このようなことから、水冷式エンジン10の全体が、空冷式エンジンのような外観に見えるので、エンジン全体としての機能美を一層高めることができる。
【0030】
図3及び図5に示すように、排気時期可変バルブ用操作部材53を、シリンダブロック10cの右側部に配置したので、排気時期可変バルブ用操作部材53に臨む方の右分割体42を上下2分割体43,44とし、これら上下2分割体43,44のうち、排気時期可変バルブ用操作部材53を保守・点検するために外す方の右上分割体44を、右下分割体43に外方から重ね合わせる構造とした。
右上分割体44を外すには、図4に示す上部の2個のビス49…だけを外すと共に、貫通孔から嵌合突部を外すだけでよい。このため、排気時期可変バルブ用操作部材53を保守・点検する場合に、上下2分割体43,44のうち、外方から重ね合わせた方の右上分割体44だけを、外すことができる。従って、シリンダ用カバー40のうち、必要最小限の部分だけを簡単に着脱できるので、排気時期可変バルブ用操作部材53の保守・点検作業は簡単である。
【0031】
なお、上記本発明の実施の形態において、シリンダ用カバー40の形状や材質は任意である。
【0032】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の発明では、エンジンのシリンダブロックの下端近傍まで延びてエンジンのシリンダの周囲をシリンダ用カバーで覆ったので、シリンダ用カバーで、空冷式エンジンのシリンダ部分のように見せることができる。このため、自動二輪車用水冷式エンジン全体としての機能美(機能的外観性)を高めることができ、この結果、水冷式エンジンを搭載した自動二輪車としての機能美を高めることができる。
また、シリンダ部分からの放熱は、シリンダ用カバーの開口から放散する。このため、シリンダ部分からの放熱性は高い。
【0033】
シリンダ用カバーの開口を通じて、コード、ワイヤ及び冷却水ホースを通すようにしたので、シリンダ用カバーに、コード、ワイヤ及び冷却水ホースを通すための別位の孔は不要である。
また、シリンダ部分を覆うシリンダ用カバーの開口は大きいので、この大きな開口を通じて、シリンダ部分へコード、ワイヤ及び冷却水ホースを取付ける作業、コード、ワイヤ及び冷却水ホースを保守・点検する作業は、容易である。
【0034】
シリンダ用カバーの外面に複数の疑似冷却フィンを一体に形成することにより、シリンダ用カバーをより一層、空冷式エンジンのシリンダ部分の外観のように見せることができる。このため、水冷式エンジンの全体が、空冷式エンジンのような外観に見えるので、エンジン全体としての機能美は高まる。
【0035】
シリンダ用カバーを、シリンダ部分の側面から所定の隙間を開けてエンジンに取付けたので、シリンダ部分からの放熱は、隙間を通ってシリンダ用カバーの開放端から放散する。このため、シリンダ部分をシリンダ用カバーで覆ったにもかかわらず、放熱性は一層高まる。
【0036】
シリンダヘッドにシリンダ用カバーをステーで取付けたので、シリンダ部分にはシリンダ用カバーを取付けるための特別の部材を設ける必要がない。このため、取付け構造は簡単であり、しかも、取付け作業も簡単である。
【0037】
請求項2の発明では、シリンダ用カバーを、車幅方向に分解可能な左右分割体としたので、自動二輪車の狭いスペースにエンジンを取付けた状態であっても、シリンダ用カバーを車幅方向に容易に組立・分解することができる。シリンダ用カバーを分解すれば、コード、ワイヤ及び冷却水ホースの保守・点検作業は、一層簡単である。
【0038】
請求項3の発明では、左右分割体のうち、排気時期可変バルブ用操作部材に臨む方の分割体を、さらに上下2分割体としたので、上下2分割体のうちの一方を取外すだけで、排気時期可変バルブ用操作部材を保守・点検することができる。このため、排気時期可変バルブ用操作部材の保守・点検作業は簡単である。
【0039】
請求項4の発明では、上下2分割体のうち、排気時期可変バルブ用操作部材を保守・点検するために外す方の分割体を、他方の分割体に外方から重ね合わせるようにしたので、排気時期可変バルブ用操作部材を保守・点検する際に、上下2分割体のうち、外方から重ね合わせた方の分割体だけを外せばよい。このため、シリンダ用カバーのうち、必要最小限の部分だけを簡単に着脱できるので、排気時期可変バルブ用操作部材の保守・点検作業は一層簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動二輪車の左側面図
【図2】本発明に係るエンジンの左側面図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】本発明に係るシリンダ用カバーの分解斜視図
【図5】本発明に係るエンジンの右側面図
【図6】本発明に係るシリンダ用カバー並びにサイドカバー付きエンジンの右側面図
【符号の説明】
1…自動二輪車、10…水冷式2サイクルエンジン、10b…シリンダ部分、10c…シリンダブロック、10d…シリンダヘッド、40…シリンダ用カバー、40a…下部開放端、40c…上部開放端、40b,40d…開口、41,42…左右分割体としての左分割体及び右分割体、43,44…上下2分割体としての右下分割体及び右上分割体、45…ステー、41a,43a,44a…疑似冷却フィン、51…制御モータ、52…制御ケーブル、53…排気時期可変バルブ用操作部材、54…冷却水ホース、57…点火プラグ用ハイテンションコード、58…水温センサ用コード、C…シリンダ軸線、S…隙間。
Claims (4)
- 自動二輪車用水冷式エンジンの全方向の側部を覆い、上部を開放する構造のシリンダ用カバーを取付けた自動二輪車用水冷式エンジンのシリンダ用カバーにおいて、
このシリンダ用カバーは、前記エンジンのシリンダブロックの下端近傍まで延びて前記エンジンのシリンダの周囲を囲うとともに、外面に複数の疑似冷却フィンを一体に形成した小型のカバーであり、
一端が前記シリンダの側面から所定の隙間を開けて前記シリンダのシリンダヘッドにステーを介して取付けられるとともに、他端が前記シリンダの側面から所定の隙間を開けて前記エンジンのクランクケースに取付けられ、
前記シリンダヘッドに取り付けられるヘッド側ステーの取付け箇所と、前記クランクケースに取付けられるクランクケース側取付け個所とが、前記シリンダの周囲でシリンダの軸線を跨ぐ方向に対向配置され、
前記シリンダ用カバーの上部の開口から点火プラグ用のハイテンションコード、ワイヤ及び冷却ホースが通され、車体側に接続されたことを特徴とする自動二輪車用水冷式エンジンのシリンダ用カバー構造。 - 前記シリンダ用カバーを、車幅方向に分解可能な左右分割体としたことを特徴とする請求項1記載の自動二輪車用水冷式エンジンのシリンダ用カバー構造。
- 前記エンジンを2サイクルエンジンとし、この2サイクルエンジンのシリンダ部分の側部に排気時期可変バルブ用操作部材を配置し、前記左右分割体のうち、排気時期可変バルブ用操作部材に臨む方の分割体を、さらに上下2分割体としたことを特徴とする請求項2記載の自動二輪車用水冷式エンジンのシリンダ用カバー構造。
- 前記上下2分割体のうち、前記排気時期可変バルブ用操作部材を保守・点検するために外す方の分割体を、他方の分割体に外方から重ね合わせる構造としたことを特徴とする請求項3記載の自動二輪車用水冷式エンジンのシリンダ用カバー構造。
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