JP3944410B2 - テレビジョンチューナの入力回路 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ＶＨＦ帯のテレビジョン信号又はＵＨＦ帯のテレビジョン信号を受信するテレビジョンチューナの入力回路に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来のテレビジョンチューナの入力回路（単に入力回路という）を図５に示す。ＶＨＦ帯及びＵＨＦ帯のテレビジョン信号が入力される入力端子４１にはＶＨＦ同調回路４２が結合される。ＶＨＦ同調回路４２はＶＨＦ帯の低域又は高域の各チャンネルに同調するように切り替えられる帯域切替型の同調回路で構成される。その構成のために、直列接続された四つのインダクタンス素子４２ａ〜４２ｄと、これら全体に並列に接続された同調用バラクタダイオード４２ｅと、インダクタンス素子４２ａ〜４２ｄのうちの中間の二つのインダクタンス素子４２ｂ、４２ｃの全体に並列に接続されたスイッチダイオード４２ｆとを有する。
【０００３】
四つのインダクタンス素子４２ａ〜４２ｄのうちの中間の二つのインダクタンス素子４２ｂと４２ｃとの接続点が入力端子４１に接続され、スイッチダイオード４２ｆのアノードにはインダクタンス素子４２ａ〜４２ｃを介して電圧Ｂが印加され、カソードはスイッチトランジスタ４３のコレクタに接続される。エミッタは接地される。スイッチトランジスタ４３のベースにはハイレベル又はローレベルの切替電圧Ｖｓが印加される。また、同調用バラクタダイオード４２ｅのアノードは接地され、カソードには同調電圧Ｖｔが印加される。同調用バラクタダイオード４２ｅのカソードには結合用バラクタダイオード４４のカソードが接続され、そのアノードがバイアス抵抗４５によって接地されると共にＶＨＦ高周波増幅器４６に結合される。
【０００４】
また、入力端子４１にはＵＨＦ同調回路４７が結合される。ＵＨＦ同調回路４７はＵＨＦ帯のチャンネルに同調し、インダクタンス素子４７ａと、カソード同士が互いに接続されてインダクタンス素子４７ａに並列接続された二つの同調用バラクタダイオード４７ｂ、４７ｃとからなる。そしてカソードには同調電圧Ｖｔが印加される。またカソードはＵＨＦ高周波増幅器４８に結合される。
【０００５】
以上の構成において、ＶＨＦ帯の低域（ＶＨＦ／Ｌｏ）又は高域（ＶＨＦ／Ｈｉ）又はＵＨＦ帯（ＵＨＦ）のテレビジョン信号を受信するときには、スイッチダイオード４２ｆ（Ｄ１）を図６に示すようにオン又はオフとする。スイッチダイオード４２ｆをオフにするときにはスイッチトランジスタ４３のベースにローレベルの切替電圧を印加し、オンにするときにはハイレベルの切替電圧Ｖｓを印加する。また、ＶＨＦ帯のテレビジョン信号を受信するときにはＶＨＦ高周波増幅器４６が動作し、ＵＨＦ高周波増幅器４８は動作しない。一方、ＵＨＦ帯のテレビジョン信号を受信するときはＶＨＦ高周波増幅器４６は動作せず、ＵＨＦ高周波増幅器４８が動作する。
【０００６】
従って、ＶＨＦ帯の低域のテレビジョン信号を受信するときには、スイッチダイオード４２ｆがオフとなり、インダクタンス素子４２ａ〜４２ｄと同調用バラクタダイオード４２ｅとによって同調周波数が設定され、高域のテレビジョン信号を受信するときにはスイッチダイオード４２ｆがオンとなってインダクタンス素子４２ｂと４２ｃとが並列接続されると共にインダクタンス素子４２ａと４２ｄとが直列に接続され、インダクタンス素子４２ａ、４２ｄと同調用バラクタダイオード４２ｅによって同調周波数が設定される。
ＵＨＦ帯のテレビジョン信号を受信するときにはスイッチダイオード４２ｆはオフとなる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
従来の構成ではＶＨＦ帯の低域のテレビジョン信号を受信するときは入力回路は図７に示すような等価回路となり、ＶＨＦ同調回路４２におけるインダクタンス素子４２ａ、４２ｂに対してＵＨＦ同調回路４７におけるインダクタンス素子４７ａが並列に接続される。そして、ＵＨＦ同調回路４７のインダクタンス素子４７ａのインダクタンス値はＶＨＦ同調回路４２のインダクタンス素子４２ａ、４２ｂの各インダクタンス値の和に対して十分に小さいので、ＶＨＦ同調回路４２の同調周波数が高い方にズレると共に損失が増大し、特に低域の最低周波数近くのテレビジョン信号を受信するときに利得の低下とＮＦ（雑音指数）の悪化とを招いていた。
【０００８】
また、ＵＨＦ帯のテレビジョン信号を受信するときはオフとなったスイッチダイオード４２ｆが小容量を持つので、ＶＨＦ同調回路４２におけるインダクタンス素子４２ｂ、４２ｃとスイッチダイオード４２ｆとによって共振回路を構成する。そして、その共振周波数がＵＨＦ帯の中に入るので、ＵＨＦ同調回路４７の同調特性に悪影響を及ぼし、上記共振周波数近くでの利得低下とＮＦの悪化を招いていた。
【０００９】
そこで、本発明ではＶＨＦ同調回路とＵＨＦ同調回路との互いの影響を無くし、それぞれの同調回路が本来の特性を発揮できるようにすることを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、ＶＨＦ帯及びＵＨＦ帯のテレビジョン信号が入力される入力端子と、前記入力端子に結合され、前記ＶＨＦ帯の低域又は高域に同調するように切り替えられるＶＨＦ同調回路と、前記入力端子に結合され、前記ＵＨＦ帯に同調するＵＨＦ同調回路とを備え、前記ＶＨＦ同調回路は、互いに直列接続されてその接続点が前記入力端子に結合された二つの同調インダクタンス素子と、前記二つのインダクタンス素子の全体に対して並列接続されると共に前記低域に同調するときにオフとなり前記高域に同調するときにオンとなる第一のスイッチダイオードとを有し、前記ＵＨＦ同調回路は、前記ＵＨＦ帯のテレビジョン信号の受信時にオンとなる第二のスイッチダイオードを介して前記入力端子に結合し、前記ＵＨＦ同調回路を前記入力端子に結合する為の結合インダクタンス素子を前記第二のスイッチダイオードに直列に介挿し、前記第一のスイッチダイオードを前記ＵＨＦ帯のテレビジョン信号の受信時にオンとし、前記第二のスイッチダイオードを前記ＶＨＦ帯の低域のテレビジョン信号の受信時にオフとする一方で、前記ＶＨＦ帯の高域のテレビジョン信号の受信時にオンとすることとした。
【００１３】
また、前記第一のスイッチダイオードと前記第二のスイッチダイオードとの各アノードにハイレベルの電圧を印加し、各カソードにコレクタが接続され、エミッタが接地されたスイッチトランジスタを設け、前記スイッチトランジスタを、前記高域及び前記ＵＨＦ帯のテレビジョン信号の受信時にオンとし、前記低域のテレビジョン信号の受信時にオフとした。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下図１によって本発明のテレビジョンチューナの入力回路（単に入力回路という）の構成を説明する。ＶＨＦ帯及びＵＨＦ帯のテレビジョン信号が入力される入力端子１にはＶＨＦ同調回路２が結合される。ＶＨＦ同調回路２はＶＨＦ帯の低域又は高域の各チャンネルに同調するように切り替えられる帯域切替型の同調回路で構成され、従来のＶＨＦ同調回路４２と同じ構成である。即ち、直列接続された四つのインダクタンス素子２ａ〜２ｄと、これら全体に並列に接続された同調用バラクタダイオード２ｅと、インダクタンス素子２ａ〜２ｄのうちの中間の二つのインダクタンス素子２ｂ、２ｃの全体に並列に接続された第一のスイッチダイオード２ｆとを有する。
【００１５】
四つのインダクタンス素子２ａから２ｄのうちの中間の二つのインダクタンス素子２ｂと２ｃとの接続点が入力端子１に接続され、第一のスイッチダイオード４ｆのアノードにはインダクタンス素子２ａ〜２ｃを介して電圧Ｂが印加され、カソードはスイッチトランジスタ３のコレクタに接続される。エミッタは接地される。スイッチトランジスタ３のベースにはハイレベル又はローレベルの切替電圧Ｖｓが印加される。また、同調用バラクタダイオード２ｅのアノードは接地され、カソードには同調電圧Ｖｔが印加される。同調用バラクタダイオード２ｅのカソードには結合用バラクタダイオード４のカソードが接続され、そのアノードがバイアス抵抗５によって接地されると共に、ＶＨＦ高周波増幅器６に結合される。
【００１６】
また、入力端子１には第二のスイッチダイオード７、結合用インダクタンス素子８を直列に介してＵＨＦ同調回路９が結合される。第二のスイッチダイオード７のアノードには電圧Ｂが印加され、カソードはスイッチトランジスタ３のコレクタに接続される。ＵＨＦ同調回路９はＵＨＦ帯のチャンネルに同調し、その構成は従来のＵＨＦ同調回路４７と同じである。ＵＨＦ同調回路９はインダクタンス素子９ａと、カソード同士が互いに接続されてインダクタンス素子９ａに並列接続された二つの同調用バラクタダイオード９ｂ、９ｃとからなる。そしてカソードには同調電圧Ｖｔが印加される。またカソードはＵＨＦ高周波増幅器１０に結合される。
【００１７】
以上の構成において、ＶＨＦ帯の低域（ＶＨＦ／Ｌｏ）又は高域（ＶＨＦ／Ｈｉ）又はＵＨＦ帯（ＵＨＦ）のテレビジョン信号を受信するときには、第一のスイッチダイオード２ｆ（Ｄ１）及び第二のスイッチダイオード（Ｄ２）を図２に示すように共にオン又はオフとする。第一のスイッチダイオード２ｆ及び第二のスイッチダイオード７をオフにするときにはスイッチトランジスタ３のベースにローレベルの切替電圧Ｖｓを印加し、オンにするときにはハイレベルの切替電圧Ｖｓを印加する。また、ＶＨＦ帯のテレビジョン信号を受信するときにはＶＨＦ高周波増幅器６が動作し、ＵＨＦ高周波増幅器１０は動作しない。一方、ＵＨＦ帯のテレビジョン信号を受信するときはＶＨＦ高周波増幅器６は動作せず、ＵＨＦ高周波増幅器１０が動作する。
【００１８】
従って、ＶＨＦ帯の低域のテレビジョン信号を受信するときには、第一のスイッチダイオード２ｆと第二のスイッチダイオード７とがオフとなって入力回路は図３に示すような等価回路となる。そして、ＶＨＦ同調回路２におけるインダクタンス素子２ａ〜２ｄと同調用バラクタダイオード２ｅとによって同調周波数が設定される。従って、ＶＨＦ同調回路２がＵＨＦ同調回路９から切り離され、ＶＨＦ同調回路２はＵＨＦ同調回路９の影響を受けることなく本来の特性が発揮される。
【００１９】
また、高域のテレビジョン信号を受信するときには第一のスイッチダイオード２ｆと第二のスイッチダイオード７とがオンとなって入力回路は図４に示されるような等価回路となる。そして、インダクタンス素子２ｂと２ｃとが並列接続されると共にインダクタンス素子２ａと２ｄとが直列に接続され、インダクタンス素子２ａ、２ｄと同調用バラクタダイオード２ｅによって同調周波数が設定される。この場合において、直列接続された結合用インダクタンス素子８及びＵＨＦ同調回路９のインダクタンス素子９ａとの全体とＶＨＦ同調回路２における並列接続されたインダクタンス素子２ｂ及び２ｃとによって入力端子１側の信号源インピーダンスがステップアップされてＶＨＦ同調回路２（この場合はインダクタンス素子２ａ、２ｄと同調用バラクタダイオード２ｅとによって構成される）に結合されるので、同調の選択度が高くなる。
【００２０】
一方、ＵＨＦ帯のテレビジョン信号を受信するときも第一のスイッチダイオード２ｆと第二のスイッチダイオード７とがオンとなって入力回路は図４の等価回路となる。この場合は、第一のスイッチダイオード２ｆがオンであることからＶＨＦ同調回路２内には不要な共振回路が構成されず、ＵＨＦ同調回路９はＶＨＦ同調回路２の影響を受けない。
【００２１】
【発明の効果】
以上説明したように、ＶＨＦ同調回路は互いに直列接続され、その接続点が入力端子に結合された二つの同調インダクタンス素子と、二つのインダクタンス素子の全体に対して並列接続されると共に少なくともＶＨＦ帯の低域に同調するときにオフとなり高域に同調するときにオンとなる第一のスイッチダイオードとを有し、ＵＨＦ同調回路を少なくともＵＨＦ帯のテレビジョン信号の受信時にオンとなる第二のスイッチダイオードを介して入力端子に結合し、低域のテレビジョン信号の受信時には第二のスイッチダイオードをオフとしたので、ＶＨＦ同調回路はＵＨＦ同調回路から切り離され、ＵＨＦ同調回路の影響を受けることなく本来の特性が発揮される。
【００２２】
また、第一のスイッチダイオードをＵＨＦ帯のテレビジョン信号の受信時にオンとしたのでＶＨＦ同調回路内には不要な共振回路が構成されず、ＵＨＦ同調回路はＶＨＦ同調回路の影響を受けない。
【００２３】
また、ＵＨＦ同調回路を入力端子に結合する為の結合インダクタンス素子を第二のスイッチダイオードに直列に介挿し、第二のスイッチダイオードをＶＨＦ帯の高域のテレビジョン信号の受信時にオンとしたので、ＶＨＦ同調回路における二つのインダクタンス素子が並列接続され、これらと、直列接続された結合用インダクタンス素子及びＵＨＦ同調回路のインダクタンス素子の全体とによって入力端子側の信号源インピーダンスがステップアップされてＶＨＦ同調回路に結合されるので、ＶＨＦ同調回路の選択度が高くなる。
【００２４】
また、第一のスイッチダイオードと第二のスイッチダイオードとの各アノードにハイレベルの電圧を印加し、各カソードにコレクタが接続され、エミッタが接地されたスイッチトランジスタを設け、スイッチトランジスタを、高域及びＵＨＦ帯のテレビジョン信号の受信時にオンとし、低域のテレビジョン信号の受信時にオフとしたので、第一及び第二のスイッチダイオードをＶＨＦ帯の低域のテレビジョン信号受信時に共にオフとし、ＶＨＦ帯の高域及びＵＨＦ帯のテレビジョン信号の受信時に共にオンとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のテレビジョンチューナの入力回路の構成を示す回路図である。
【図２】本発明のテレビジョンチューナの入力回路における受信帯域とスイッチダイオードのオン／オフ状態との関係図である。
【図３】本発明のテレビジョンチューナの入力回路におけるＶＨＦ帯の低域のテレビジョン信号受信時の等価回路図である。
【図４】本発明のテレビジョンチューナの入力回路におけるＶＨＦ帯の高域及びＵＨＦ帯のテレビジョン信号受信時の等価回路図である。
【図５】従来のテレビジョンチューナの入力回路の構成を示す回路図である。
【図６】従来のテレビジョンチューナの入力回路における受信帯域とスイッチダイオードのオン／オフ状態との関係図である。
【図７】従来のテレビジョンチューナの入力回路におけるＶＨＦ帯の低域及びＵＨＦ帯のテレビジョン信号受信時の等価回路図である。
【符号の説明】
１ 入力端子
２ ＶＨＦ同調回路
２ａ〜２ｄ インダクタンス素子
２ｅ 同調用バラクタダイオード
２ｆ 第一のスイッチダイオード
３ スイッチトランジスタ
４ 結合用バラクタダイオード
５ バイアス抵抗
６ ＶＨＦ高周波増幅器
７ 第二のスイッチダイオード
８ 結合用インダクタンス素子
９ ＵＨＦ同調回路
９ａ インダクタンス素子
９ｂ、９ｃ 同調用バラクタダイオード
１０ ＵＨＦ高周波増幅器
【発明の属する技術分野】
この発明は、ＶＨＦ帯のテレビジョン信号又はＵＨＦ帯のテレビジョン信号を受信するテレビジョンチューナの入力回路に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来のテレビジョンチューナの入力回路（単に入力回路という）を図５に示す。ＶＨＦ帯及びＵＨＦ帯のテレビジョン信号が入力される入力端子４１にはＶＨＦ同調回路４２が結合される。ＶＨＦ同調回路４２はＶＨＦ帯の低域又は高域の各チャンネルに同調するように切り替えられる帯域切替型の同調回路で構成される。その構成のために、直列接続された四つのインダクタンス素子４２ａ〜４２ｄと、これら全体に並列に接続された同調用バラクタダイオード４２ｅと、インダクタンス素子４２ａ〜４２ｄのうちの中間の二つのインダクタンス素子４２ｂ、４２ｃの全体に並列に接続されたスイッチダイオード４２ｆとを有する。
【０００３】
四つのインダクタンス素子４２ａ〜４２ｄのうちの中間の二つのインダクタンス素子４２ｂと４２ｃとの接続点が入力端子４１に接続され、スイッチダイオード４２ｆのアノードにはインダクタンス素子４２ａ〜４２ｃを介して電圧Ｂが印加され、カソードはスイッチトランジスタ４３のコレクタに接続される。エミッタは接地される。スイッチトランジスタ４３のベースにはハイレベル又はローレベルの切替電圧Ｖｓが印加される。また、同調用バラクタダイオード４２ｅのアノードは接地され、カソードには同調電圧Ｖｔが印加される。同調用バラクタダイオード４２ｅのカソードには結合用バラクタダイオード４４のカソードが接続され、そのアノードがバイアス抵抗４５によって接地されると共にＶＨＦ高周波増幅器４６に結合される。
【０００４】
また、入力端子４１にはＵＨＦ同調回路４７が結合される。ＵＨＦ同調回路４７はＵＨＦ帯のチャンネルに同調し、インダクタンス素子４７ａと、カソード同士が互いに接続されてインダクタンス素子４７ａに並列接続された二つの同調用バラクタダイオード４７ｂ、４７ｃとからなる。そしてカソードには同調電圧Ｖｔが印加される。またカソードはＵＨＦ高周波増幅器４８に結合される。
【０００５】
以上の構成において、ＶＨＦ帯の低域（ＶＨＦ／Ｌｏ）又は高域（ＶＨＦ／Ｈｉ）又はＵＨＦ帯（ＵＨＦ）のテレビジョン信号を受信するときには、スイッチダイオード４２ｆ（Ｄ１）を図６に示すようにオン又はオフとする。スイッチダイオード４２ｆをオフにするときにはスイッチトランジスタ４３のベースにローレベルの切替電圧を印加し、オンにするときにはハイレベルの切替電圧Ｖｓを印加する。また、ＶＨＦ帯のテレビジョン信号を受信するときにはＶＨＦ高周波増幅器４６が動作し、ＵＨＦ高周波増幅器４８は動作しない。一方、ＵＨＦ帯のテレビジョン信号を受信するときはＶＨＦ高周波増幅器４６は動作せず、ＵＨＦ高周波増幅器４８が動作する。
【０００６】
従って、ＶＨＦ帯の低域のテレビジョン信号を受信するときには、スイッチダイオード４２ｆがオフとなり、インダクタンス素子４２ａ〜４２ｄと同調用バラクタダイオード４２ｅとによって同調周波数が設定され、高域のテレビジョン信号を受信するときにはスイッチダイオード４２ｆがオンとなってインダクタンス素子４２ｂと４２ｃとが並列接続されると共にインダクタンス素子４２ａと４２ｄとが直列に接続され、インダクタンス素子４２ａ、４２ｄと同調用バラクタダイオード４２ｅによって同調周波数が設定される。
ＵＨＦ帯のテレビジョン信号を受信するときにはスイッチダイオード４２ｆはオフとなる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
従来の構成ではＶＨＦ帯の低域のテレビジョン信号を受信するときは入力回路は図７に示すような等価回路となり、ＶＨＦ同調回路４２におけるインダクタンス素子４２ａ、４２ｂに対してＵＨＦ同調回路４７におけるインダクタンス素子４７ａが並列に接続される。そして、ＵＨＦ同調回路４７のインダクタンス素子４７ａのインダクタンス値はＶＨＦ同調回路４２のインダクタンス素子４２ａ、４２ｂの各インダクタンス値の和に対して十分に小さいので、ＶＨＦ同調回路４２の同調周波数が高い方にズレると共に損失が増大し、特に低域の最低周波数近くのテレビジョン信号を受信するときに利得の低下とＮＦ（雑音指数）の悪化とを招いていた。
【０００８】
また、ＵＨＦ帯のテレビジョン信号を受信するときはオフとなったスイッチダイオード４２ｆが小容量を持つので、ＶＨＦ同調回路４２におけるインダクタンス素子４２ｂ、４２ｃとスイッチダイオード４２ｆとによって共振回路を構成する。そして、その共振周波数がＵＨＦ帯の中に入るので、ＵＨＦ同調回路４７の同調特性に悪影響を及ぼし、上記共振周波数近くでの利得低下とＮＦの悪化を招いていた。
【０００９】
そこで、本発明ではＶＨＦ同調回路とＵＨＦ同調回路との互いの影響を無くし、それぞれの同調回路が本来の特性を発揮できるようにすることを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、ＶＨＦ帯及びＵＨＦ帯のテレビジョン信号が入力される入力端子と、前記入力端子に結合され、前記ＶＨＦ帯の低域又は高域に同調するように切り替えられるＶＨＦ同調回路と、前記入力端子に結合され、前記ＵＨＦ帯に同調するＵＨＦ同調回路とを備え、前記ＶＨＦ同調回路は、互いに直列接続されてその接続点が前記入力端子に結合された二つの同調インダクタンス素子と、前記二つのインダクタンス素子の全体に対して並列接続されると共に前記低域に同調するときにオフとなり前記高域に同調するときにオンとなる第一のスイッチダイオードとを有し、前記ＵＨＦ同調回路は、前記ＵＨＦ帯のテレビジョン信号の受信時にオンとなる第二のスイッチダイオードを介して前記入力端子に結合し、前記ＵＨＦ同調回路を前記入力端子に結合する為の結合インダクタンス素子を前記第二のスイッチダイオードに直列に介挿し、前記第一のスイッチダイオードを前記ＵＨＦ帯のテレビジョン信号の受信時にオンとし、前記第二のスイッチダイオードを前記ＶＨＦ帯の低域のテレビジョン信号の受信時にオフとする一方で、前記ＶＨＦ帯の高域のテレビジョン信号の受信時にオンとすることとした。
【００１３】
また、前記第一のスイッチダイオードと前記第二のスイッチダイオードとの各アノードにハイレベルの電圧を印加し、各カソードにコレクタが接続され、エミッタが接地されたスイッチトランジスタを設け、前記スイッチトランジスタを、前記高域及び前記ＵＨＦ帯のテレビジョン信号の受信時にオンとし、前記低域のテレビジョン信号の受信時にオフとした。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下図１によって本発明のテレビジョンチューナの入力回路（単に入力回路という）の構成を説明する。ＶＨＦ帯及びＵＨＦ帯のテレビジョン信号が入力される入力端子１にはＶＨＦ同調回路２が結合される。ＶＨＦ同調回路２はＶＨＦ帯の低域又は高域の各チャンネルに同調するように切り替えられる帯域切替型の同調回路で構成され、従来のＶＨＦ同調回路４２と同じ構成である。即ち、直列接続された四つのインダクタンス素子２ａ〜２ｄと、これら全体に並列に接続された同調用バラクタダイオード２ｅと、インダクタンス素子２ａ〜２ｄのうちの中間の二つのインダクタンス素子２ｂ、２ｃの全体に並列に接続された第一のスイッチダイオード２ｆとを有する。
【００１５】
四つのインダクタンス素子２ａから２ｄのうちの中間の二つのインダクタンス素子２ｂと２ｃとの接続点が入力端子１に接続され、第一のスイッチダイオード４ｆのアノードにはインダクタンス素子２ａ〜２ｃを介して電圧Ｂが印加され、カソードはスイッチトランジスタ３のコレクタに接続される。エミッタは接地される。スイッチトランジスタ３のベースにはハイレベル又はローレベルの切替電圧Ｖｓが印加される。また、同調用バラクタダイオード２ｅのアノードは接地され、カソードには同調電圧Ｖｔが印加される。同調用バラクタダイオード２ｅのカソードには結合用バラクタダイオード４のカソードが接続され、そのアノードがバイアス抵抗５によって接地されると共に、ＶＨＦ高周波増幅器６に結合される。
【００１６】
また、入力端子１には第二のスイッチダイオード７、結合用インダクタンス素子８を直列に介してＵＨＦ同調回路９が結合される。第二のスイッチダイオード７のアノードには電圧Ｂが印加され、カソードはスイッチトランジスタ３のコレクタに接続される。ＵＨＦ同調回路９はＵＨＦ帯のチャンネルに同調し、その構成は従来のＵＨＦ同調回路４７と同じである。ＵＨＦ同調回路９はインダクタンス素子９ａと、カソード同士が互いに接続されてインダクタンス素子９ａに並列接続された二つの同調用バラクタダイオード９ｂ、９ｃとからなる。そしてカソードには同調電圧Ｖｔが印加される。またカソードはＵＨＦ高周波増幅器１０に結合される。
【００１７】
以上の構成において、ＶＨＦ帯の低域（ＶＨＦ／Ｌｏ）又は高域（ＶＨＦ／Ｈｉ）又はＵＨＦ帯（ＵＨＦ）のテレビジョン信号を受信するときには、第一のスイッチダイオード２ｆ（Ｄ１）及び第二のスイッチダイオード（Ｄ２）を図２に示すように共にオン又はオフとする。第一のスイッチダイオード２ｆ及び第二のスイッチダイオード７をオフにするときにはスイッチトランジスタ３のベースにローレベルの切替電圧Ｖｓを印加し、オンにするときにはハイレベルの切替電圧Ｖｓを印加する。また、ＶＨＦ帯のテレビジョン信号を受信するときにはＶＨＦ高周波増幅器６が動作し、ＵＨＦ高周波増幅器１０は動作しない。一方、ＵＨＦ帯のテレビジョン信号を受信するときはＶＨＦ高周波増幅器６は動作せず、ＵＨＦ高周波増幅器１０が動作する。
【００１８】
従って、ＶＨＦ帯の低域のテレビジョン信号を受信するときには、第一のスイッチダイオード２ｆと第二のスイッチダイオード７とがオフとなって入力回路は図３に示すような等価回路となる。そして、ＶＨＦ同調回路２におけるインダクタンス素子２ａ〜２ｄと同調用バラクタダイオード２ｅとによって同調周波数が設定される。従って、ＶＨＦ同調回路２がＵＨＦ同調回路９から切り離され、ＶＨＦ同調回路２はＵＨＦ同調回路９の影響を受けることなく本来の特性が発揮される。
【００１９】
また、高域のテレビジョン信号を受信するときには第一のスイッチダイオード２ｆと第二のスイッチダイオード７とがオンとなって入力回路は図４に示されるような等価回路となる。そして、インダクタンス素子２ｂと２ｃとが並列接続されると共にインダクタンス素子２ａと２ｄとが直列に接続され、インダクタンス素子２ａ、２ｄと同調用バラクタダイオード２ｅによって同調周波数が設定される。この場合において、直列接続された結合用インダクタンス素子８及びＵＨＦ同調回路９のインダクタンス素子９ａとの全体とＶＨＦ同調回路２における並列接続されたインダクタンス素子２ｂ及び２ｃとによって入力端子１側の信号源インピーダンスがステップアップされてＶＨＦ同調回路２（この場合はインダクタンス素子２ａ、２ｄと同調用バラクタダイオード２ｅとによって構成される）に結合されるので、同調の選択度が高くなる。
【００２０】
一方、ＵＨＦ帯のテレビジョン信号を受信するときも第一のスイッチダイオード２ｆと第二のスイッチダイオード７とがオンとなって入力回路は図４の等価回路となる。この場合は、第一のスイッチダイオード２ｆがオンであることからＶＨＦ同調回路２内には不要な共振回路が構成されず、ＵＨＦ同調回路９はＶＨＦ同調回路２の影響を受けない。
【００２１】
【発明の効果】
以上説明したように、ＶＨＦ同調回路は互いに直列接続され、その接続点が入力端子に結合された二つの同調インダクタンス素子と、二つのインダクタンス素子の全体に対して並列接続されると共に少なくともＶＨＦ帯の低域に同調するときにオフとなり高域に同調するときにオンとなる第一のスイッチダイオードとを有し、ＵＨＦ同調回路を少なくともＵＨＦ帯のテレビジョン信号の受信時にオンとなる第二のスイッチダイオードを介して入力端子に結合し、低域のテレビジョン信号の受信時には第二のスイッチダイオードをオフとしたので、ＶＨＦ同調回路はＵＨＦ同調回路から切り離され、ＵＨＦ同調回路の影響を受けることなく本来の特性が発揮される。
【００２２】
また、第一のスイッチダイオードをＵＨＦ帯のテレビジョン信号の受信時にオンとしたのでＶＨＦ同調回路内には不要な共振回路が構成されず、ＵＨＦ同調回路はＶＨＦ同調回路の影響を受けない。
【００２３】
また、ＵＨＦ同調回路を入力端子に結合する為の結合インダクタンス素子を第二のスイッチダイオードに直列に介挿し、第二のスイッチダイオードをＶＨＦ帯の高域のテレビジョン信号の受信時にオンとしたので、ＶＨＦ同調回路における二つのインダクタンス素子が並列接続され、これらと、直列接続された結合用インダクタンス素子及びＵＨＦ同調回路のインダクタンス素子の全体とによって入力端子側の信号源インピーダンスがステップアップされてＶＨＦ同調回路に結合されるので、ＶＨＦ同調回路の選択度が高くなる。
【００２４】
また、第一のスイッチダイオードと第二のスイッチダイオードとの各アノードにハイレベルの電圧を印加し、各カソードにコレクタが接続され、エミッタが接地されたスイッチトランジスタを設け、スイッチトランジスタを、高域及びＵＨＦ帯のテレビジョン信号の受信時にオンとし、低域のテレビジョン信号の受信時にオフとしたので、第一及び第二のスイッチダイオードをＶＨＦ帯の低域のテレビジョン信号受信時に共にオフとし、ＶＨＦ帯の高域及びＵＨＦ帯のテレビジョン信号の受信時に共にオンとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のテレビジョンチューナの入力回路の構成を示す回路図である。
【図２】本発明のテレビジョンチューナの入力回路における受信帯域とスイッチダイオードのオン／オフ状態との関係図である。
【図３】本発明のテレビジョンチューナの入力回路におけるＶＨＦ帯の低域のテレビジョン信号受信時の等価回路図である。
【図４】本発明のテレビジョンチューナの入力回路におけるＶＨＦ帯の高域及びＵＨＦ帯のテレビジョン信号受信時の等価回路図である。
【図５】従来のテレビジョンチューナの入力回路の構成を示す回路図である。
【図６】従来のテレビジョンチューナの入力回路における受信帯域とスイッチダイオードのオン／オフ状態との関係図である。
【図７】従来のテレビジョンチューナの入力回路におけるＶＨＦ帯の低域及びＵＨＦ帯のテレビジョン信号受信時の等価回路図である。
【符号の説明】
１ 入力端子
２ ＶＨＦ同調回路
２ａ〜２ｄ インダクタンス素子
２ｅ 同調用バラクタダイオード
２ｆ 第一のスイッチダイオード
３ スイッチトランジスタ
４ 結合用バラクタダイオード
５ バイアス抵抗
６ ＶＨＦ高周波増幅器
７ 第二のスイッチダイオード
８ 結合用インダクタンス素子
９ ＵＨＦ同調回路
９ａ インダクタンス素子
９ｂ、９ｃ 同調用バラクタダイオード
１０ ＵＨＦ高周波増幅器
Claims (2)
- ＶＨＦ帯及びＵＨＦ帯のテレビジョン信号が入力される入力端子と、前記入力端子に結合され、前記ＶＨＦ帯の低域又は高域に同調するように切り替えられるＶＨＦ同調回路と、前記入力端子に結合され、前記ＵＨＦ帯に同調するＵＨＦ同調回路とを備え、
前記ＶＨＦ同調回路は、互いに直列接続されてその接続点が前記入力端子に結合された二つの同調インダクタンス素子と、前記二つのインダクタンス素子の全体に対して並列接続されると共に前記低域に同調するときにオフとなり前記高域に同調するときにオンとなる第一のスイッチダイオードとを有し、
前記ＵＨＦ同調回路は、前記ＵＨＦ帯のテレビジョン信号の受信時にオンとなる第二のスイッチダイオードを介して前記入力端子に結合し、前記ＵＨＦ同調回路を前記入力端子に結合する為の結合インダクタンス素子を前記第二のスイッチダイオードに直列に介挿し、
前記第一のスイッチダイオードを前記ＵＨＦ帯のテレビジョン信号の受信時にオンとし、前記第二のスイッチダイオードを前記ＶＨＦ帯の低域のテレビジョン信号の受信時にオフとする一方で、前記ＶＨＦ帯の高域のテレビジョン信号の受信時にオンとすることを特徴とするテレビジョンチューナの入力回路。 - 前記第一のスイッチダイオードと前記第二のスイッチダイオードとの各アノードにハイレベルの電圧を印加し、各カソードにコレクタが接続され、エミッタが接地されたスイッチトランジスタを設け、前記スイッチトランジスタを、前記高域及び前記ＵＨＦ帯のテレビジョン信号の受信時にオンとし、前記低域のテレビジョン信号の受信時にオフとしたことを特徴とする請求項１に記載のテレビジョンチューナの入力回路。
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