JP3944314B2 - 高所作業車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、梯子型ブームを備える消防用梯子車等の高所作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】
上下に重ねられる複数の単位ブームを、ブーム長手方向に相対移動可能に連結することで構成される伸縮ブームと、その伸縮ブームを最下段の単位ブームを介して前端が上下するように後端側を揺動可能に支持する車体と、最上段の単位ブームの前端側に、その伸縮ブームの長手方向が車体の前後方向に沿う時に左右方向に沿う揺動軸回りに揺動可能に取り付けられるバスケットと、その最上段の単位ブームを、長手方向が車体の前後方向に沿う時に左右方向に沿う屈折軸回りに屈折駆動可能な屈折機構と、そのバスケットを前記揺動軸回りに揺動駆動可能な揺動機構とを備える高所作業車が従来から用いられている。
【0003】
そのような高所作業車においては、その伸縮ブームが最も縮小され、ブーム長手方向が車体の前後方向に沿い、ブーム前端側が車体により支持され、前記バスケットが収納位置に配置された状態が待機状態とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
その待機状態におけるバスケットは、高所作業車の運転室の屋根の近傍に配置される。そのため、そのバスケットに作業者を搭乗させるために、その伸縮ブームを上下方向軸回りに旋回させた後に、先端が下降するように揺動させることで、バスケットを車体の側方において地面近傍に配置させていた。しかし、狭い路地等で車体側方にバスケットを配置するスペースがない場合、そのバスケットに搭乗するために作業者は車体上に登る必要があり、安全で迅速な作業を行うことができなかった。
【0005】
また、最上段の単位ブームのみを伸縮させる第1伸縮機構と、最上段以外の単位ブームのみを互いに対してブーム長手方向に沿って伸縮駆動可能な第2伸縮機構とを備える場合、その第1伸縮機構の油圧シリンダ等の駆動系は上から2段目の単位ブームに設けられていた。これは、第2伸縮機構により最上段以外の単位ブームのみを互いに対してブーム長手方向に沿って伸縮駆動する際に、伸長状態にある最上段の単位ブームと、上から2段目の単位ブームとのブーム長手方向相対位置が変化するのを阻止するためである。しかし、その駆動系を上から2段目の単位ブームに設けた場合、車体に作用する転倒モーメントがより大きくなるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決することのできる高所作業車を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の高所作業車は、上下に重ねられる複数の単位ブームを、ブーム長手方向に相対移動可能に連結することで構成される伸縮ブームと、その伸縮ブームを最下段の単位ブームを介して前端が上下するように後端側を揺動可能に支持する車体と、最上段の単位ブームの前端側に、その伸縮ブームの長手方向が車体の前後方向に沿う時に左右方向に沿う揺動軸回りに揺動可能に取り付けられるバスケットと、全単位ブームの中の最上段の単位ブームのみを、最上段以外の単位ブームに対してブーム長手方向に沿って伸縮駆動可能な第1伸縮機構と、その最上段の単位ブームを、前方部分と後方部分とに2分割し、長手方向が車体の前後方向に沿う時に左右方向に沿う屈折軸回りに前記前方部分を前記後方部分に対して屈折駆動可能な屈折機構と、そのバスケットを前記揺動軸回りに揺動駆動可能な揺動機構とを備え、そのバスケットは前記揺動軸回りの揺動により、その伸縮ブームの前方に配置される使用位置と、その伸縮ブームに前後方向に関して重なる部分を有するように上方から被せた状態となる収納位置とに配置可能とされ、前記伸縮ブームが最も縮小され、ブーム長手方向が車体の前後方向に沿い、ブーム前端側が車体により支持され、前記バスケットが収納位置に配置された状態が待機状態とされる。
本発明は、その高所作業車において、バスケット乗降準備用操作体と制御装置とが設けられる。その制御装置は、そのバスケット乗降準備用操作体を前記待機状態において操作することにより前記第1伸縮機構に伸長信号を出力し、前記屈折機構に屈折信号を出力し、前記揺動機構に揺動信号を出力する。その最上段の単位ブームは、その伸長信号の出力により前端が下方に向かうように屈折可能な位置まで伸長駆動され、その屈折信号の出力により前端が下方に向かうように屈折され、そのバスケットは、その揺動信号の出力により使用位置であって高所作業車の接地面から乗降可能な位置に配置される。
本発明の構成によれば、待機状態においてバスケット乗降準備用操作体を操作するだけで、最上段の単位ブームを最上段以外の単位ブームに対して前端が下方に向かうように屈折可能な位置まで伸長し、しかる後に最上段の単位ブームを前端が下方に向かうように屈折し、収納位置のバスケットを使用位置であって高所作業車の接地面から乗降可能な位置に配置できる。これにより、車体側方にスペースがない場合でも、作業者は車体の前方の地上からバスケットに搭乗でき、安全で迅速な作業を行うことができる。
【0008】
前記単位ブームの数は4以上の偶数とされ、全単位ブームの中の最上段以外の単位ブームのみを、互いに対してブーム長手方向に沿って伸縮駆動可能な第2伸縮機構を備え、前記第1伸縮機構は、伸長用ワイヤと、縮小用ワイヤと、最下段単位ブームの後端側に設けられる巻取りドラムとを有し、その伸長用ワイヤは、一端が最上段の単位ブームの後端側に連結され、他端が前記巻取りドラムに連結され、最下段単位ブームを一段目単位ブームとして、両端間が奇数段目の単位ブームの前端側と最上段の単位ブーム以外の偶数段目の単位ブームの後端側とに巻き掛けられ、その縮小用ワイヤは、一端が最上段の単位ブームの後端側に連結され、他端が前記巻取りドラムに連結され、両端間が最下段の単位ブーム以外の奇数段目の単位ブームの後端側と最上段の単位ブーム以外の偶数段目の単位ブームの前端側とに巻き掛けられ、その巻取りドラムの正転による伸長用ワイヤの巻き取りと縮小用ワイヤの繰り出しにより最上段の単位ブームが伸長され、その巻取りドラムの逆転による伸長用ワイヤの繰り出しと縮小用ワイヤの巻取りにより最上段の単位ブームが縮小されるのが好ましい。
この構成によれば、第1伸縮機構の巻取りドラムの回転により最上段の単位ブームのみを、最上段以外の単位ブームに対してブーム長手方向に沿って伸縮駆動できる。また、第2伸縮機構により最上段以外の単位ブームを互いに対してブーム長手方向に沿って伸縮駆動する際、その最上段以外の単位ブームにおける伸長用ワイヤと縮小用ワイヤの巻き掛け部位の相対配置が変化するので、最上段の単位ブームと、上から2段目の単位ブームとの間における伸長用ワイヤと縮小用ワイヤの長さが変化するのを阻止できる。すなわち、最上段の単位ブームを伸縮させる第1伸縮機構の駆動系を上から2段目の単位ブームに設けることなく、第2伸縮機構により最上段以外の単位ブームのみを互いに対してブーム長手方向に沿って伸縮駆動する際に、伸長状態にある最上段の単位ブームと、上から2段目の単位ブームとのブーム長手方向相対位置が変化するのを阻止できる。これにより、第1伸縮機構の巻取りドラムを最下段ブームに設け、車体に作用する転倒モーメントを小さくできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、高所作業車の一例として消防用梯子車1を示す。この梯子車1は、車体2と、この車体2により支持される梯子型伸縮ブーム3とを備える。その車体2は前後車輪4、5により支持され、前部に運転室を覆うキャビン6が取り付けられ、後部に縦軸中心に旋回駆動可能なターンテーブル7を有する。そのターンテーブル7の駆動用モータ29の駆動制御機構は従来公知のものを用いることができる。その車体2の左右側壁の前後にアウトリガー28が設けられている。各アウトリガー28は上下に伸縮駆動される支持脚28′を有し、その支持脚28′を接地することで車体2を支持する。各アウトリガー28の駆動制御機構は従来公知のものを用いることができる。なお、梯子車1の接地面が傾斜している場合に、その傾斜を矯正する機構を設けるようにしてもよく、その傾斜矯正機構としては、傾斜に応じて各アウトリガーの支持脚の伸縮寸法を変更したり、傾斜に応じてターンテーブル7を傾斜させる従来公知の機構を用いることができる。
【0010】
図2に示すように、そのブーム3は、上下に重ねられる4つの単位ブーム3a、3b、3c、3dを、ブーム長手方向に相対移動可能に連結することで構成され、長手方向が前後方向とされている。最上段の単位ブーム3dは、最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cそれぞれよりも軽量とされている。各単位ブーム3a、3b、3c、3dは、矩形フレーム状の底部3Aと、この底部3Aの両側から上方に延びる矩形フレーム状の側部3Bとを有し、ローラ3Cとガイド3Dとを介して互いに相対摺動可能とされている。
【0011】
図1に示すように、そのブーム3は、最下段の単位ブーム3aを介して前端が上下するように後端側が揺動可能に上記車体2により支持されている。すなわち、その最下段の単位ブーム3aは、上記ターンテーブル7上に固定される支持部材21に横軸22中心に揺動可能に取り付けられる受け部材27を有する。その支持部材21に、複動油圧シリンダ23のチューブが横軸24中心に揺動可能に連結され、その油圧シリンダ23の伸縮ロッドは受け部材27に横軸25中心に揺動可能に連結されている。これにより、その油圧シリンダ23の伸縮駆動によりブーム3は上下揺動される。このブーム3の揺動中心となる横軸22は、ブーム3の長手方向が車体の前後方向に沿う時に左右方向に沿う。その上下揺動範囲は、ブーム3の前端が後端よりも上方と下方の何れにも配置可能なように設定されている。図1に示す後述の待機状態において、このブーム3の前端側は支柱41を介して車体2により支持される。その油圧シリンダ23の駆動制御機構は従来公知のものを用いることができる。
【0012】
図3に示すように、全単位ブーム3a、3b、3c、3dの中の最上段の単位ブーム3dのみを、最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cに対してブーム長手方向に沿って伸縮駆動可能な第1伸縮機構9が設けられている。
【0013】
すなわち、その第1伸縮機構9は、図3において2点鎖線で示す伸長用ワイヤ61と、1点鎖線で示す縮小用ワイヤ71とを左右一対ずつ有し、また、最下段の単位ブーム3aの後端側に設けられる巻取りドラム60と、図12に示すように、その巻取りドラム60を回転駆動する往復回転可能な油圧モータ91と、この油圧モータ91に接続される電磁比例バルブ92とを有する。その電磁比例バルブ92は公知のものを用いることができ、コンピュータにより構成される制御装置90に接続され、その制御装置90からの信号に応じてポンプ93から吐出される圧油を油圧モータ91に供給すると共に油圧モータ91から排出される油をタンク94に還流することで、その油圧モータ91を制御装置90からの信号に応じた速度と方向で駆動する。
【0014】
その伸長用ワイヤ61の一端は最上段の単位ブーム3dの後端側に連結され、他端は上記巻取りドラム60に連結される。また、この伸長用ワイヤ61の両端間は、最下段の単位ブーム3aを一段目単位ブームとして、奇数段目の単位ブームである最下段の一段目単位ブーム3aと三段目単位ブーム3cの前端側にプーリ62、63を介して巻き掛けられると共に、最上段の単位ブーム3d以外の偶数段目の単位ブームである二段目単位ブーム3bの後端側にプーリ64を介して巻き掛けられる。
【0015】
その縮小用ワイヤ71は、一端が最上段の単位ブーム3dの後端側に連結され、他端は上記巻取りドラム60に連結される。また、この縮小用ワイヤ71の両端間は、最下段の単位ブーム3a以外の奇数段目の単位ブームである三段目単位ブーム3cの後端側にプーリ72を介して巻き掛けられると共に、最上段の単位ブーム3d以外の偶数段目の単位ブームである二段目単位ブーム3bの前端側にプーリ73を介して巻き掛けられる。
【0016】
その巻取りドラム60は油圧モータ91により横軸中心に正逆回転駆動可能とされ、その回転軸はブーム3が車体2の前後方向に沿う時に左右方向に沿う。その巻取りドラム60が、図3において矢印A方向で示す方向に正転することによる伸長用ワイヤ61の巻取りと縮小用ワイヤ71の繰り出しにより、全単位ブーム3a、3b、3c、3dの中で最上段の単位ブーム3dのみが最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cに対してブーム長手方向に沿って伸長され、矢印B方向で示す方向に逆転することによる伸長用ワイヤ61の繰り出しと縮小用ワイヤ71の巻取りにより、全単位ブーム3a、3b、3c、3dの中で最上段の単位ブーム3dのみが最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cに対してブーム長手方向に沿って縮小される。
【0017】
図4、図5に示すように、全単位ブーム3a、3b、3c、3dの中の最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cのみを、互いに対してブーム長手方向に沿って伸縮駆動可能な第2伸縮機構10が設けられている。
【0018】
その第2伸縮機構10は、実線で示す第1伸長用ワイヤ11と、2点鎖線で示す第2伸長用ワイヤ12と、破線で示す第1縮小用ワイヤ13と、1点鎖線で示す第2縮小用ワイヤ14と、複動油圧シリンダ15とを左右一対ずつ有し、また、図12に示すように、その油圧シリンダ15に接続される電磁比例バルブ95を有する。その電磁比例バルブ95は公知のものを用いることができ、その制御装置90からの信号に応じてポンプ93から吐出される圧油を油圧シリンダ15に供給すると共に油圧シリンダ15から排出される油をタンク94に還流することで、その油圧シリンダ15を制御装置90からの信号に応じた速度と方向で駆動する。
【0019】
その第1伸長用ワイヤ11は、一端が三段目の単位ブーム3cの後端側に連結され、他端は最下段の単位ブーム3aの前端側に連結され、両端間は二段目の単位ブーム3bの前端側にプーリ16を介して巻き掛けられる。その第2伸長用ワイヤ12は、一端が二段目の単位ブーム3bの後端側に連結され、他端は最下段の単位ブーム3aの前後端間に連結され、両端間は最下段の単位ブーム3aの前端側と、最下段の単位ブーム3aの後端側と、油圧シリンダ15の伸縮ロッドとに、一端側から順次プーリ17、18、19を介して巻き掛けられる。その第1縮小用ワイヤ13は、一端が三段目の単位ブーム3cの後端側に連結され、他端は最下段の単位ブーム3aの前端側に連結され、両端間は二段目の単位ブーム3bの後端側にプーリ20を介して巻き掛けられる。その第2縮小用ワイヤ14は、一端が二段目の単位ブーム3cの前端側に連結され、他端は油圧シリンダ15の伸縮ロッドに連結される。
【0020】
その油圧シリンダ15のシリンダチューブは最下段の単位ブーム3aに固定され、伸縮ロッドはブーム長手方向に伸縮可能とされている。その油圧シリンダ15の伸縮により、全単位ブーム3a、3b、3c、3dの中の最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cのみが互いに対してブーム長手方向に沿って伸縮され、最下段の単位ブーム3aに対して二、三段目の単位ブーム3b、3cを伸縮させることができる。
【0021】
また、その制御装置90に、単一のレバー状ブーム伸縮用操作体86aを有する伸縮用入力装置86が接続されている。そのブーム伸縮用操作体86aは、揺動操作されることで、伸長位置と、縮小位置と、中立位置との間で位置変更可能とされ、例えば車体2上に設けられる座席87に着座する作業者や後述のバスケット30に搭乗する作業者により操作可能な位置に配置される。
【0022】
そのブーム伸縮用操作体86aが伸長位置に位置するように操作されると、その入力装置86は制御装置90に伸長操作信号を出力する。その伸長操作信号が入力されると、その制御装置90は上記第1伸縮機構9の電磁比例バルブ92に伸長信号を出力した後に上記第2伸縮機構10の電磁比例バルブ95に伸長信号を出力する。この伸長信号の出力時は、ブーム3は各伸縮機構9、10により伸長駆動される。すなわち、図13の(1)に示すようにブーム3が最も縮小した状態でブーム伸縮用操作体86aを伸長位置に変位させると、まず、油圧モータ91の回転により図13の(2)に示すように最上段の単位ブーム3dが伸長を開始し、次に油圧シリンダ15の伸長により最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cが伸長を開始し、しかる後に図13の(3)に示すようにブーム3が最も伸長した状態になる。また、そのブーム3の伸長途中でブーム伸縮用操作体86aを中立位置に復帰させるとブーム3の伸長は停止する。
【0023】
その制御装置90による各伸縮機構9、10の制御によりブーム3を伸長させる場合、先ず、図14の(1)において一点鎖線で示すように、最上段の単位ブーム3dの伸長速度は当初は全速状態とされ、その後に漸次減速されて最伸長状態で零になる。その最上段の単位ブーム3dの伸長速度が零になる前に全速状態から漸次減速される時(図においてt1とt2との間において)、図14の(1)において2点鎖線で示すように、最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cの伸長速度は零から漸次増速される。しかる後に、最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cは全速状態になった後に漸次減速され、時間t3で速度零になって最伸長状態になる。本実施形態では、その減速時の最上段の単位ブーム3dの伸長速度と増速時の最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cの伸長速度の和は、最上段の単位ブーム3d及び最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cの全速時の速度Vに等しくされている。
【0024】
また、そのブーム伸縮用操作体86aが縮小位置に位置するように操作されると、その入力装置86は制御装置90に縮小操作信号を出力する。その縮小操作信号が入力されると、その制御装置90は上記第2伸縮機構10の電磁比例バルブ95に縮小信号を出力した後に上記第1伸縮機構9の電磁比例バルブ92に縮小信号を出力する。この縮小信号の出力時は、ブーム3は各伸縮機構9、10により縮小駆動される。すなわち、図13の(3)に示すようにブーム3が最も伸長した状態でブーム伸縮用操作体86aを縮小位置に変位させると、まず、油圧シリンダ15の縮小により最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cが縮小を開始し、次に、油圧モータ91の回転により図13の(2)に示すように最上段の単位ブーム3dが縮小を開始し、しかる後に図13の(1)に示すようにブーム3が最も縮小した状態になる。また、そのブーム3の伸長途中でブーム伸縮用操作体86aを中立位置に復帰させるとブーム3の縮小は停止する。
【0025】
その制御装置90による各伸縮機構9、10の制御によりブーム3を縮小させる場合、先ず、図14の(2)において2点鎖線で示すように、最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cの縮小速度は当初は全速状態とされ、その後に漸次減速されて最縮小状態で零になる。その最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cの縮小速度が零になる前に全速状態から漸次減速される時(図においてt4とt5との間において)、図14の(2)において1点鎖線で示すように、最上段の単位ブーム3dの縮小速度は零から漸次増速される。しかる後に、最上段の単位ブーム3dは全速状態になった後に漸次減速され、時間t6で速度零になって最縮小状態になる。本実施形態では、その減速時の最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cの縮小速度と増速時の最上段の単位ブーム3dの縮小速度の和は、最上段の単位ブーム3dおよび最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cの全速時の速度Vに等しくされている。
【0026】
なお、その制御装置90に、最上段の単位ブーム3dの伸縮量の検知センサ155と、最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cの伸縮量の検知センサ156とが接続される。各センサ155、156により検知される伸縮量が予め定めた量になる時(上記時間t1、t2、t4、t5)にブーム3の伸縮速度が上記のように変化し、ブーム3が最も伸長、縮小した時(上記時間t3、t6)にブーム3の伸縮が停止するように、各伸縮機構9、10が制御される。各センサ155、156は、例えば油圧モータ91の回転量と油圧シリンダ15の伸縮量を検知するポテンショメータにより構成できる。
【0027】
図6、図7に示すように、その最上段の単位ブーム3dは屈折軸80中心に屈折可能とされ、その屈折軸80は最上段の単位ブーム3dの長手方向が車体2の前後方向に沿う時に左右方向に沿う。すなわち、その最上段の単位ブーム3dは、前後間の中央よりも前端寄りの位置において前後に2分割され、その前方部分3dAと後方部分3dBは接続シャフトにより相対揺動可能に接続され、その接続シャフトの中心が屈折軸80とされている。
【0028】
また、その最上段の単位ブーム3dを屈折軸80回りに屈折駆動可能な屈折機構81が設けられている。その屈折機構81は複動油圧シリンダ81aを有し、また、図12に示すように、その油圧シリンダ81aに接続される電磁比例バルブ102を有する。そのバルブ102は公知のものを用いることができ、制御装置90に接続される。その制御装置90に接続される入力装置141に例えばレバー状の屈折用操作体141aが、真直位置と屈曲位置との間で往復揺動操作可能に設けられる。その操作体141aは、例えば車体2上に設けられる座席87に着座する作業者や後述のバスケット30に搭乗する作業者により操作可能な位置に配置される。その操作体141aの操作位置に応じて入力装置141から制御装置90に出力される信号に応じて、その制御装置90からバルブ102に信号が出力される。これによりバルブ102は、ポンプ93から吐出される圧油を油圧シリンダ81aに供給すると共に油圧シリンダ81aから排出される油をタンク94に還流することで、その油圧シリンダ81aを伸縮駆動する。その油圧シリンダ81aは、最上段の単位ブーム3dの後方部分3dBに屈折軸80と平行な軸81a′中心に揺動可能に連結されるシリンダチューブと、最上段の単位ブーム3dの前方部分3dAに屈折軸80と平行な軸81a″中心に揺動可能に連結される伸縮ロッドとを有する。これにより、その最上段の単位ブーム3dは、屈折用操作体141aが屈曲位置に向かい揺動されて油圧シリンダ81aが伸長されるに伴い前端が下方に向かうように屈折駆動され、屈折用操作体141aが真直位置に向かい揺動されて油圧シリンダ81aが縮小されるに伴い前端が上方に向かうように屈折駆動されて真直状態に戻り、その屈折用操作体141aの操作停止位置に応じた屈曲角度で駆動停止される。
【0029】
その最上段の単位ブーム3dの前端側に、バスケット30が連結部材51を介して揺動軸31回りに揺動可能に取り付けられる。その揺動軸31は、上記ブーム3の長手方向が車体2の前後方向に沿う時に左右方向に沿う。
【0030】
すなわち、図8、図9に示すように、そのバスケット30は、底板30aと、この底板30aの上方を囲む柵30bとを有し、その底板30aの上面が床面とされている。その柵30bの前方一部は、バスケット30への作業者の乗降のため図9において2点鎖線で示すようにヒンジを介して開閉可能とされている。
【0031】
上記最上段の単位ブーム3dの前端部分は、フレーム状のバスケット支持部3d′とされている。その連結部材51は、そのバスケット支持部3d′の前端左右に支持シャフト52を介して相対回転可能に連結される受け部51aと、この受け部51aから前方に突出するに従い左右幅が漸次小さくなる突出部51bとを有する。その支持シャフト52の軸心が上記揺動軸31とされている。
【0032】
そのバスケット30の柵30bの後部に、上記連結部材51の突出部51bの上下に配置される上下ブラケット53a、53bが固定されている。その突出部51bと上下ブラケット53a、53bとが、連結シャフト54を介して相対回転可能に連結されている。その連結シャフト54の軸心が首振り軸55とされている。これにより、そのバスケット30は最上段の単位ブーム3dの前端側に、上記連結部材51を介して揺動軸31回りに揺動可能かつ首振り軸55回りに揺動可能に取り付けられている。その首振り軸55は、そのバスケット30の床面が水平に沿う時に上下方向に沿い、揺動軸31の前方に配置される。
【0033】
そのバスケット30を、その揺動軸31回りに揺動駆動可能な揺動機構65と、首振り軸55回りに揺動駆動可能な首振り機構66とが設けられている。
【0034】
その揺動機構65は、バスケット揺動用複動油圧シリンダ65aと、第1連結ロッド65bと、第2連結ロッド65cとを左右一対ずつ有し、また、図12に示すように、その油圧シリンダ65aに接続される電磁比例バルブ97を有する。その電磁比例バルブ97は公知のものを用いることができ、制御装置90からの信号に応じてポンプ93から吐出される圧油を油圧シリンダ65aに供給すると共に油圧シリンダ65aから排出される油をタンク94に還流することで、その油圧シリンダ65aを制御装置90からの信号に応じた速度と方向で駆動する。
【0035】
その揺動機構65の油圧シリンダ65aは、上記バスケット支持部3d′に揺動軸31と平行な軸65a′中心に揺動可能に連結されるシリンダチューブと、その第1連結ロッド65bの一端と第2連結ロッド65cの一端とに揺動軸31と平行な軸65a″中心に揺動可能に連結される伸縮ロッドを有する。その第1連結ロッド65bの他端は、バスケット支持部3d′に揺動軸31と平行な軸65b′中心に揺動可能に連結される。その第2連結ロッド65cの他端は、上記連結部材51に揺動軸31と平行な軸65c′中心に揺動可能に連結される。これにより、その油圧シリンダ65aの伸縮により揺動軸31回りのモーメントがバスケット30に作用する。
【0036】
そのバスケット30は揺動軸31回りの揺動により、図8に示すようにブーム3の前方に配置される使用位置と、図10に示すようにブーム3に前後方向に関して重なる部分を有するように上方から被せた状態となる収納位置とに配置可能とされている。最上段の単位ブーム3dの前端から前方へのバスケット30の突出寸法は、その収納位置では使用位置よりも小さくされ、これにより、梯子車1の全長はバスケット30が収納位置にある待機状態の時の方が、その待機状態からバスケット30が使用位置に変位した時よりも短くされる。なお、そのバスケット30の柵30bの後部は、後方に突出するローラ30cを有し、バスケット30が収納位置に変位する時、そのローラ30cを介してバスケット支持部3d′に押されることでヒンジを介して揺動可能とされ、バスケット30が使用位置に変位するとバネ(図示省略)の弾力により元の位置に復帰するものとされている。
【0037】
その使用位置でのバスケット30の床面の水平保持機構が設けられている。すなわち、そのバスケット30の床面の水平からの傾きを検出するセンサ171が制御装置90に接続され、その傾きに応じて制御装置90が揺動機構65の電磁比例バルブ97に信号を送ることで、その床面が水平になるように揺動機構65の油圧シリンダ65aが伸縮される。
【0038】
図9、図11の(2)に示すように、その首振り機構66は複動油圧シリンダ66aを有し、また、図12に示すように、その油圧シリンダ66aに接続される3位置電磁切り換えバルブ98を有する。その切り換えバルブ98は公知のものを用いることができ、制御装置90に接続される。その制御装置90に接続される入力装置131に例えばレバー状の首振り用操作体131aが、中立位置と右首振り位置と左首振り位置との間で揺動可能に設けられる。その操作体131aは、例えば車体2上に設けられる座席87に着座する作業者や後述のバスケット30に搭乗する作業者により操作可能な位置に配置される。その操作体131aの操作位置に応じて入力装置131から制御装置90に出力される信号に応じて、その制御装置90からバルブ98に信号が出力される。これによりバルブ98は、ポンプ93から吐出される圧油を油圧シリンダ66aに供給すると共に油圧シリンダ66aから排出される油をタンク94に還流することで、その油圧シリンダ66aを制御装置90からの信号に応じて伸長駆動する位置と、縮小駆動する位置と、伸縮停止させる位置とに位置変更される。その油圧シリンダ66aは、上記連結部材51の突出部51bにブラケット67を介して首振り軸55と平行な軸66a′中心に揺動可能に連結されるシリンダチューブと、バスケット30の柵30bにブラケット68を介して首振り軸55と平行な軸66a″中心に揺動可能に連結される伸縮ロッドとを有する。これにより、その油圧シリンダ66aの伸縮によりバスケット30は首振り軸55回りに揺動駆動される。
【0039】
そのバスケット30は、その首振り軸55回りの揺動により、図9において実線で示す正面位置と、図9において2点鎖線Rで示す右首振り位置と、2点鎖線Lで示す左首振り位置とに配置可能とされている。その正面位置から右首振り位置までの揺動角度と左首振りまでの揺動角度は互いに等しくされている。
【0040】
図11の(1)、(2)に示すように、そのバスケット30が上記正面位置に配置されているか否かとバスケット30の首振り方向とを検出可能なセンサ75が設けられている。そのセンサ75は、上記連結部材51の突出部51bに上記連結シャフト54の周囲に沿って並列するように取り付けられる第1〜第3近接スイッチ75a、75b、75cにより構成され、制御装置90に接続される。
また、バスケット30の柵30bに固定された上記ブラケット53bに検知プレート76が固定される。そのバスケット30が正面位置にある時は第1〜第3近接スイッチ75a、75b、75cの全てが検知プレート76の検出信号を制御装置90に出力し、そのバスケット30が正面位置になく右方向への首振り状態である時は第1近接スイッチ75aが検知プレート76の検出信号を出力することはなく、そのバスケット30が正面位置になく左方向への首振り状態である時は第3近接スイッチ75cが検知プレート76の検出信号を出力することはないものとされている。さらに、そのバスケット30が右首振り位置にある時は第1検出スイッチ75a、第2検出スイッチ75bが検知プレート76の検出信号を出力することはなく、左首振り位置にある時は第2検出スイッチ75b、第3検出スイッチ75cが検知プレート76の検出信号を出力することはないものとされている。これにより、制御装置90はセンサ75からの信号に基づきバスケット30が正面位置に配置されているか否かとバスケット30の首振り方向とを判断できる。さらに、制御装置90は左右首振り範囲の限界である左右首振り位置に配置されているか否かを判断でき、油圧シリンダ66aを伸縮量が過大になるように駆動することがないものとされている。
【0041】
また、バスケット収納用操作体96aを有する入力装置96が制御装置90に接続されている。このバスケット収納用操作体96aは、例えば押し釦スイッチにより構成され、例えば車体2上に設けられる座席87に着座する作業者により操作可能な位置に配置される。このバスケット収納用操作体96aが操作されると、その入力装置96は制御装置90に収納操作信号を出力する。
【0042】
その制御装置90は、その入力装置96から収納操作信号が入力されると、上記センサ75からの信号に基づき判断されるバスケット30の位置が正面位置である時は、上記揺動機構65の電磁比例バルブ97に収納信号を出力し、そのセンサ75からの信号に基づき判断されるバスケット30の位置が正面位置でない時は、センサ75により検知されるバスケット30の首振り方向に基づき前記首振り機構66の3位置電磁切り換えバルブ98に復帰信号を出力した後に揺動機構65の電磁比例バルブ97に収納信号を出力する。
【0043】
その復帰信号の出力によりバスケット30は上記上面位置に復帰するように首振り機構66により駆動される。すなわち、制御装置90は、バスケット30の首振り方向が正面位置よりも右方である時は油圧シリンダ66aを伸長する復帰信号を出力し、バスケット30が正面位置よりも左方に配置されている時は油圧シリンダ66aを縮小する復帰信号を出力し、センサ75により正面位置に復帰したことが検出されると復帰信号の出力を解除して油圧シリンダ66aの伸縮を停止させる。また、その収納信号の出力により油圧シリンダ65aが伸長されることでバスケット30は上記収納位置に配置されるように揺動機構65により駆動される。なお、そのバスケット30が収納位置に配置されると作動するセンサ151が制御装置90に設けられ、そのセンサ151の作動によりバスケット30を収納位置に配置させるための油圧シリンダ65aの伸長が停止される。
【0044】
図1に示すように、バスケット30が収納位置に配置され、また、ブーム3が最も縮小され、ブーム3の長手方向が車体2の前後方向に沿い、ブーム3の前端側が車体2により支柱41を介して支持される時、梯子車1は待機状態とされる。
【0045】
また、バスケット乗降準備用操作体101aを有する入力装置101が制御装置90に接続されている。このバスケット乗降準備用操作体101aは、例えば押し釦スイッチにより構成され、例えば車体2上に設けられる座席87に着座する作業者により操作可能な位置に配置される。このバスケット乗降準備用操作体101aが上記待機状態において操作されると、その入力装置101は制御装置90に乗降準備信号を出力する。
【0046】
その制御装置90は、待機状態において入力装置101から乗降準備信号が入力されると、上記第1伸縮機構9の電磁比例バルブ92に伸長信号を出力し、上記屈折機構81の電磁比例バルブ102に屈折信号を出力し、上記揺動機構65の電磁比例バルブ97に揺動信号を出力する。この際、制御装置90は、梯子車1が待機状態か否かを判断するため、センサ151からの信号によりバスケット30が収納位置に配置されているか否かを判断し、単位ブーム3a、3b、3c、3dの伸縮量の検知センサ155、156からの信号によりブーム3が最も縮小されているか否かを判断し、ターンテーブル7の旋回位置の検知センサ191とブーム3の上下揺動角度の検知センサ192からの信号によりブーム3の長手方向が車体2の前後方向に沿い、ブーム3の前端側が車体2により支柱41を介して支持されているか否かを判断する。
【0047】
図6に示すように、その最上段の単位ブーム3dは、その伸長信号の出力により巻取りドラム60が油圧モータ91により回転駆動されることで、前端が下方に向かうように屈折可能な位置まで伸長駆動され、その屈折信号の出力により油圧シリンダ81aが伸長することで、前端が下方に向かうように屈折され、そのバスケット30は、その揺動信号の出力により油圧シリンダ65aが縮小することで使用位置であって梯子車1の接地面Gから作業者が乗降可能な位置に配置される。この際、制御装置90は、センサ155からの信号により最上段の単位ブーム3dが前端が下方に向かうように屈折可能な位置まで伸長駆動されたか否かを判断し、最上段の単位ブーム3dの屈折角度の検知センサ193からの信号により屈折角度がバスケット30を梯子車1の接地面Gから作業者が乗降可能な位置に配置させることができる角度か否かを判断する。その屈折角度の検知センサ193は油圧シリンダ81aの伸縮量を検知するポテンショメータにより構成できる。なお、そのバスケット乗降準備用操作体101aの操作の前に、アウトリガー28の支持脚28′を接地させ、傾斜矯正機構を有する場合は傾斜矯正を行うのが好ましい。
【0048】
上記構成によれば、単一のブーム伸縮用操作体86aの操作のみで確実に、軽量な最上段の単位ブーム3dを最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cよりも先に伸長させ、また、後に縮小させることができる。よって、伸縮ブーム3を完全に伸長させる必要がない場合、車体2に作用する転倒モーメントを確実に可及的に小さくできる。
【0049】
その伸縮ブーム3の伸長時は、最上段の単位ブーム3dの伸長が終了する前に最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cの伸長を開始することで、伸縮ブーム3の伸長によるバスケット30の移動速度の急変を小さくし、あるいはなくすことができる。また、伸縮ブーム3の縮小時は、最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cの縮小が終了する前に最上段の単位ブーム3dの縮小を開始することで、伸縮ブーム3の縮小によるバスケット30の移動速度の急変を小さくし、あるいはなくすことができる。よって、熟練を要することなく、伸縮ブーム3の伸縮に伴うバスケット30の移動速度の急変を防止し、そのバスケット30に搭乗する人間にショックが作用するのを防止できる。
【0050】
また、上記構成によれば、第1伸縮機構9の巻取りドラム60の回転により最上段の単位ブーム3dのみを、最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cに対してブーム長手方向に沿って伸縮駆動できる。さらに、第2伸縮機構10により最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cのみを互いに対してブーム長手方向に沿って伸縮駆動する際、その最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cにおける伸長用ワイヤ61と縮小用ワイヤ71の巻き掛け部位の相対配置が変化する。すなわち、最上段の単位ブーム3dと上から2段目の単位ブーム3cとの間における伸長用ワイヤ61と縮小用ワイヤ71の長さを変化させることなく、最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cのみを互いに対してブーム長手方向に沿って伸縮させることができ、最上段の単位ブーム3dと、上から2段目の単位ブームとの間における伸長用ワイヤと縮小用ワイヤの長さが変化するのを阻止できる。これにより、最上段の単位ブーム3dを伸縮させる第1伸縮機構9の駆動系である巻取りドラム60を上から2段目の単位ブーム3cに設けることなく、第2伸縮機構10により最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cのみを互いに対してブーム長手方向に沿って伸縮駆動する際に、最上段の単位ブーム3dと、上から2段目の単位ブーム3cとのブーム長手方向相対位置が変化するのを阻止できる。よって、その巻取りドラム60を最下段の単位ブーム3aに設け、車体2に作用する転倒モーメントを小さくできる。
【0051】
上記構成によれば、最上段の単位ブーム3dに首振り軸55回りに揺動可能に取り付けられたバスケット30を、伸縮ブーム3に前後方向に関して重なる部分を有するように上方から被せた状態となる収納位置に配置できる。これにより、その最上段の単位ブーム3dからのバスケット30の前方突出量を小さくし、走行時における車両全長を短くして障害物との干渉を防止できる。
さらに、バスケット収納用操作体96を操作するだけで、正面位置に配置されていないバスケット30を正面位置に復帰させた後に収納位置に配置させることができる。これにより、正面位置にないバスケット30が揺動軸31回りに揺動して伸縮ブーム3等と干渉するという問題が生じるのを防止できる。
【0052】
また、上記構成によれば、待機状態においてバスケット乗降準備用操作体101aを操作するだけで、最上段の単位ブーム3dを最上段以外の単位ブーム3a、3b、3cに対して前端が下方に向かうように屈折可能な位置まで伸長し、しかる後に最上段の単位ブーム3dを前端が下方に向かうように屈折し、収納位置のバスケット30を使用位置であって梯子車1の接地面Gから乗降可能な位置に配置できる。これにより、車体2側方にスペースがない場合でも、作業者は車体2の前方の地上からバスケット30に搭乗でき、安全で迅速な作業を行うことができる。
【0053】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、単位ブームの数は本発明の作用、効果を奏することができれば4つに限定されない。また、梯子車1以外の高所作業車にも本発明を適用できる。また、最上段の単位ブームの伸縮機構として、上から2段目の単位ブームに設けられるものを用いてもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、作業者を安全かつ迅速にバスケットに搭乗させることができ、さらに車体に作用する転倒モーメントを可及的に小さくできる高所作業車を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における梯子車の側面図
【図2】本発明の実施形態におけるブームの右半分の断面図
【図3】本発明の実施形態における最上段単位ブームの伸縮作用の説明図
【図4】本発明の実施形態における最上段以外の単位ブームの伸縮作用の説明用側面図
【図5】本発明の実施形態における最上段以外の単位ブームの伸縮作用の説明用平面図
【図6】本発明の実施形態における梯子車の作用説明用部分側面図
【図7】本発明の実施形態における梯子車の作用説明用側面図
【図8】本発明の実施形態における使用位置のバスケットの側面図
【図9】本発明の実施形態における使用位置のバスケットの平面図
【図10】本発明の実施形態における収納位置のバスケットの側面図
【図11】本発明の実施形態におけるバスケットの(1)は図8のXI‐XI線断面図、(2)は図8のXI矢視図
【図12】本発明の実施形態における梯子車の制御構成の説明図
【図13】(1)、(2)、(3)は、それぞれ本発明の実施形態におけるブームの伸縮機構の説明図
【図14】本発明の実施形態におけるブームの(1)は時間と伸長速度との関係を示す図、(2)は時間と縮小速度との関係を示す図
【符号の説明】
2 車体
3 伸縮ブーム
3a、3b、3c、3d 単位ブーム
9 第1伸縮機構
10 第2伸縮機構
30 バスケット
31 揺動軸
51 連結部材
55 首振り軸
60 巻取りドラム
61 伸長用ワイヤ
65 揺動機構
66 首振り機構
71 縮小用ワイヤ
75 センサ
80 屈折軸
81 屈折機構
86a ブーム伸縮用操作体
90 制御装置
96a バスケット収納用操作体
101a バスケット乗降準備用操作体

Claims (2)

  1. 上下に重ねられる複数の単位ブームを、ブーム長手方向に相対移動可能に連結することで構成される伸縮ブームと、
    その伸縮ブームを最下段の単位ブームを介して前端が上下するように後端側を揺動可能に支持する車体と、
    最上段の単位ブームの前端側に、その伸縮ブームの長手方向が車体の前後方向に沿う時に左右方向に沿う揺動軸回りに揺動可能に取り付けられるバスケットと、
    全単位ブームの中の最上段の単位ブームのみを、最上段以外の単位ブームに対してブーム長手方向に沿って伸縮駆動可能な第1伸縮機構と、
    その最上段の単位ブームを、前方部分と後方部分とに2分割し、長手方向が車体の前後方向に沿う時に左右方向に沿う屈折軸回りに前記前方部分を前記後方部分に対して屈折駆動可能な屈折機構と、
    そのバスケットを前記揺動軸回りに揺動駆動可能な揺動機構とを備え、
    そのバスケットは前記揺動軸回りの揺動により、その伸縮ブームの前方に配置される使用位置と、その伸縮ブームに前後方向に関して重なる部分を有するように上方から被せた状態となる収納位置とに配置可能とされ、
    前記伸縮ブームが最も縮小され、ブーム長手方向が車体の前後方向に沿い、ブーム前端側が車体により支持され、前記バスケットが収納位置に配置された状態が待機状態とされる高所作業車であって、
    バスケット乗降準備用操作体と、
    このバスケット乗降準備用操作体を前記待機状態において操作することにより前記第1伸縮機構に伸長信号を出力し、前記屈折機構に屈折信号を出力し、前記揺動機構に揺動信号を出力する制御装置とが設けられ、
    その最上段の単位ブームは、その伸長信号の出力により前端が下方に向かうように屈折可能な位置まで伸長駆動され、その屈折信号の出力により前端が下方に向かうように屈折され、そのバスケットは、その揺動信号の出力により使用位置であって高所作業車の接地面から乗降可能な位置に配置されることを特徴とする高所作業車。
  2. 前記単位ブームの数は4以上の偶数とされ、
    全単位ブームの中の最上段以外の単位ブームのみを、互いに対してブーム長手方向に沿って伸縮駆動可能な第2伸縮機構を備え、
    前記第1伸縮機構は、伸長用ワイヤと、縮小用ワイヤと、最下段単位ブームの後端側に設けられる巻取りドラムとを有し、
    その伸長用ワイヤは、一端が最上段の単位ブームの後端側に連結され、他端が前記巻取りドラムに連結され、最下段単位ブームを一段目単位ブームとして、両端間が奇数段目の単位ブームの前端側と最上段の単位ブーム以外の偶数段目の単位ブームの後端側とに巻き掛けられ、
    その縮小用ワイヤは、一端が最上段の単位ブームの後端側に連結され、他端が前記巻取りドラムに連結され、両端間が最下段の単位ブーム以外の奇数段目の単位ブームの後端側と最上段の単位ブーム以外の偶数段目の単位ブームの前端側とに巻き掛けられ、
    その巻取りドラムの正転による伸長用ワイヤの巻き取りと縮小用ワイヤの繰り出しにより最上段の単位ブームが伸長され、その巻取りドラムの逆転による伸長用ワイヤの繰り出しと縮小用ワイヤの巻取りにより最上段の単位ブームが縮小される請求項1に記載の高所作業車。
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