JP4532645B2 - 屈伸ブーム式作業車のブーム作動速度制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、多様な作業姿勢に応じた速度制限ができる屈伸ブーム式作業車のブーム作動速度制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、直伸式ブーム高所作業車においては、作業半径に応じてブームの旋回速度を制限するものや、ブームの長さに応じてブームの起伏速度を制限するものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多段屈伸ブームを持つ大型の高所作業車などにおいては、多様な作業姿勢を取るため、従来の速度制限だけでは不十分であった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、多様な作業姿勢に応じた速度制限ができる屈伸ブーム式作業車のブーム作動速度制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、車両上に起伏自在に設けられた下ブームと、該下ブームの先端に下ブームの起伏作動面とほぼ平行な面内で屈伸自在に設けられた上ブームと、該上ブームの先端に設けられた作業機と、各自在動のための各駆動手段と、操作レバーと、該各操作レバーの傾動方向と傾動量に応じた駆動信号を前記各駆動手段へ出力する操作手段とを備えた屈伸ブーム式作業車に対し、複数の前記各駆動手段が前記作業機を同方向に作動させるように駆動される場合に、複数の前記各駆動手段の作動速度のうちの少なくとも一つを減じる制御手段を設けたことを特徴としている。
【0006】
このように構成された請求項1にかかる発明によれば、前記複数の前記各駆動手段が前記作業機を同方向に作動させるように駆動される場合に、制御手段が作動して、複数の前記各駆動手段の作動速度のうちの少なくとも一つを減じる。これにより、作業機の速度が早くなり過ぎることが防止される。
【0007】
請求項2に記載された発明では、車両上に起伏および伸縮自在に設けられた下ブームと、該下ブームの先端に下ブームの起伏作動面とほぼ平行な面内で屈伸および伸縮自在に設けられた上ブームと、該上ブームの先端に設けられた作業機と、各自在動のための各駆動手段と、操作レバーと、該各操作レバーの傾動方向と傾動量に応じた駆動信号を前記各駆動手段へ出力する操作手段とを備えた屈伸ブーム式作業車に対し、複数の前記各駆動手段が前記作業機を同方向に作動させるように駆動される場合に、複数の前記各駆動手段の作動速度のうちの少なくとも一つを減じる制御手段を設けたことを特徴としている。
【0008】
このように構成された請求項2にかかる発明によれば、前記複数の前記各駆動手段が前記作業機を同方向に作動させるように駆動される場合に、制御手段が作動して、複数の前記各駆動手段の作動速度のうちの少なくとも一つを減じる。これにより、作業機の速度が早くなり過ぎることが防止される。
【0009】
請求項3に記載された発明では、複数の前記各駆動手段が、前記下ブームの起伏駆動をする起伏駆動手段と、前記上ブームの屈伸駆動をする屈伸駆動手段とであり、前記制御手段が、前記下ブームの起伏方向と前記上ブームの屈伸方向とが同方向となった場合に、前記下ブームの起伏速度または前記上ブームの屈伸速度のうちの少なくとも一つを減じることを特徴としている。
【0010】
このように構成された請求項3にかかる発明によれば、前記下ブームの起伏方向と上ブームの屈伸方向とが同方向となって作業機の速度が加算される場合に、制御手段が作動して、下ブームの起伏速度または上ブームの屈伸速度のうちの少なくとも一つを減じる。これにより、作業機の速度が早くなり過ぎることが防止される。
【0011】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の具体的な実施の形態1について、図示例と共に説明する。
【0012】
図1〜図7は、この発明の実施の形態1を示すものである。
【0013】
まず、構成を説明すると、この実施の形態1にかかる屈伸ブーム式作業車1は、車両2上に旋回自在に設けられた旋回台3(基台)と、旋回台3を旋回駆動する旋回駆動手段4とを備えている。この旋回駆動手段4は、例えば、油圧モータなどによって構成される。
【0014】
また、屈伸ブーム式作業車1は、旋回台3に起伏自在に設けられた下ブーム5と、下ブーム5を起伏駆動する起伏駆動手段6とを備えている。この起伏駆動手段6は、例えば、旋回台3と下ブーム5との間に介装された油圧シリンダなどによって構成される。この場合において、下ブーム5の長さを伸縮(伸長・縮小)自在とし、下ブーム5を伸縮駆動する伸縮駆動手段7を設けてもよい。この、伸縮駆動手段7は、例えば、下ブーム5内に収納された油圧シリンダなどによって構成される。
【0015】
更に、屈伸ブーム式作業車1は、下ブーム5の先端に下ブーム5の起伏作動面とほぼ平行な面内で屈伸(屈折・伸展)自在に設けられた上ブーム8と、上ブーム8を屈伸駆動する屈伸駆動手段9とを備えている。この屈伸駆動手段9は、下ブーム5と上ブーム8との間に介装された油圧シリンダなどによって構成される。この場合において、上ブーム8の長さを伸縮(伸長・縮小)自在とし、上ブーム8を伸縮駆動する伸縮駆動手段10を設けてもよい。この伸縮駆動手段10は上ブーム8内に収納された油圧シリンダなどによって構成される。
【0016】
そして、上ブーム8の先端には、バスケット状の作業機11が左右に首振り自在に設けられ、作業機11を首振り駆動する図示しない首振り駆動駆動手段が設けられている。この場合において、上ブーム8の先端にジブ12或いは別のブームを介して作業機11を揺動可能に取付けてもよい。なお、作業機11は、マニプレータなどであってもよい。
【0017】
作業機11には、図3に示すように、複数の操作レバー15を備えた上部操作装置19が設けられている。この操作レバー15は、その傾動方向によって各駆動手段4,6,7,9,10の駆動方向を操作し、傾動量によって各駆動手段4,6,7,9,10の駆動速度を調整することができるようになっている。この操作レバー15は、前後左右斜めのいずれの方向へも傾動可能なジョイスティックなどであっても、前後または左右の一方向へのみ傾動可能なものであってもよい。
【0018】
更に、旋回台3には、この操作レバー15の傾動方向と傾動量に応じた駆動信号を各駆動手段4,6,7,9,10へ出力する下部操作装置などの操作手段20を備えている。
【0019】
加えて、下ブーム5には、図2に示すように、下ブーム5の起伏角度を検出する起伏角検出手段21と、下ブーム5の長さを検出する下ブーム長さ検出手段22とが設けられている。また、上ブーム8には、上ブーム8の対地角度を検出する角度検出手段23と、上ブーム8の長さを検出する上ブーム長さ検出手段24とが設けられている。なお、対地角度は、角度検出手段23で直接検出するようにしても、角度検出手段23で検出した上ブーム8の屈伸角度と起伏角検出手段21で検出した下ブーム5の起伏角度とを利用して演算により求めるようにしてもよい。下ブーム長さ検出手段22や上ブーム長さ検出手段24はコードリールの繰出し量を検出するものが一般的に用いられるが、他の方式のものでもよい。
【0020】
前記操作手段20は、各検出手段21〜24からの検出信号を各駆動手段4,6,7,9,10の制御に利用し得るようになっている。
【0021】
そして、この実施の形態1では、下ブーム5の起伏方向と上ブーム8の屈伸方向とが同方向となった場合に、下ブーム5の起伏速度または上ブーム8の屈伸速度のうちの少なくとも一つを減じる制御手段25を設けている。
【0022】
この制御手段25は、例えば、操作手段20から起伏駆動手段6または屈伸駆動手段9へ送られる駆動信号を所定量(所定割合)減じる(図5参照)か、或いは、起伏駆動手段6または屈伸駆動手段9へ送られる駆動信号を予め設定された上限値に規制する(図6参照)ようにする。制御手段25は、操作手段20の内部回路として設けても、ソフトウェアとして操作手段20に組込んでも、操作手段20の外部回路として設けてもよい。
【0023】
制御手段25は、下ブーム5の起伏方向と上ブーム8の屈伸方向とが同方向となったことを、操作レバー15の傾動方向によって検出しても、起伏駆動手段6および屈伸駆動手段9へ送られる駆動信号によって検出しても、起伏駆動手段6および屈伸駆動手段9の実際の動きによって検出しても、起伏角検出手段21や角度検出手段23の検出信号によって検出してもよい。但し、操作レバー15の傾動方向や、起伏駆動手段6および屈伸駆動手段9へ送られる駆動信号によって検出する方が、制御の応答遅れが少なくなるので好ましい。
【0024】
次に、この実施の形態1の作用について説明する。
【0025】
作業機11に設けられた操作レバー15を操作すると、操作手段20が対応する駆動手段へ駆動信号を出力し、屈伸ブーム式作業車1が駆動される。この際、操作レバー15の傾動方向によって各駆動手段4,6,7,9,10の駆動方向が操作され、操作レバー15の傾動量によって各駆動手段4,6,7,9,10の駆動速度が調整される。
【0026】
即ち、旋回駆動手段4と対応する操作レバー15を操作することにより、車両2上に設けられた旋回台3を右または左へ所望の旋回速度で旋回駆動させることができる。また、起伏駆動手段6と対応する操作レバー15を操作することにより、旋回台3に設けられた下ブーム5を所望の速度で起伏駆動させることができる。更に、伸縮駆動手段7と対応する操作レバー15を操作することにより、下ブーム5を所望の速度で伸縮駆動させることができる。
【0027】
屈伸駆動手段9と対応する操作レバー15を操作することにより、下ブーム5先端の上ブーム8を下ブーム5の起伏作動面とほぼ平行な面内にて所望の速度で屈伸駆動させることができる。更に、伸縮駆動手段10と対応する操作レバー15を操作することにより、上ブーム8を所望の速度で伸縮駆動させることができる。
【0028】
このように、旋回台3を旋回駆動させたり、下ブーム5を起伏駆動または伸縮駆動させたり、上ブーム8を屈伸駆動または伸縮駆動させたりすることにより、上ブーム8先端に直接、または、ジブ12或いは別のブームを介して取付けられた作業機11で各種作業を行わせることができる。
【0029】
そして、この実施の形態1では、下ブーム5の起伏方向と上ブーム8の屈伸方向とが同方向となって上ブーム8先端の速度が加算される場合に、制御手段25が作動して、下ブーム5の起伏速度または上ブーム8の屈伸速度のうちの少なくとも一つを減じる。
【0030】
この際、制御手段25は、下ブーム5の起伏方向と上ブーム8の屈伸方向とが同方向となったことを、操作レバー15の傾動方向、起伏駆動手段6および屈伸駆動手段9へ送られる駆動信号、起伏駆動手段6および屈伸駆動手段9の実際の動き、起伏角検出手段21や角度検出手段23の検出信号のいずれかによって検出すると、図5に示すように、操作手段20から起伏駆動手段6または屈伸駆動手段9へ送られる駆動信号を所定量(所定割合)減じるか、或いは、図6に示すように、起伏駆動手段6または屈伸駆動手段9へ送られる駆動信号を予め設定された上限値に規制する。
【0031】
これにより、上ブーム8先端の速度が早くなり過ぎることが防止される。
【0032】
例えば、図7に矢印Aで示すように、下ブーム5が倒伏すると同時に上ブーム8が伸展する場合に、下ブーム5の倒伏速度または上ブーム8の伸展速度のうちの少なくとも一方を遅くすることにより、作業機11の移動速度を減少し、作業機11の揺れや乗りごこちをよくすることができる。反対に、図7に矢印Bで示すように、下ブーム5が起仰すると同時に上ブーム8が屈折する場合に、下ブーム5の起仰速度または上ブーム8の屈折速度のうちの少なくとも一方を遅くすることにより、作業機11の移動速度を減少し、作業機11の揺れや乗りごこちをよくすることができる。
【0033】
【発明の実施の形態2】
図8、図9は、この発明の実施の形態2を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一ないし均等な部分については、同一の符号を付して説明する。
【0034】
まず、構成を説明すると、この実施の形態2のものでは、下ブーム5の伸縮方向と上ブーム8の伸縮方向とが同方向となった場合に、前記下ブーム5の伸縮速度と前記上ブーム8の伸縮速度とのうちの少なくとも一つを減じる制御手段26を設けている。
【0035】
この制御手段26は、操作手段20から伸縮駆動手段7または伸縮駆動手段10へ送られる駆動信号を所定量(所定割合)減じる(図5参照)か、或いは、下ブーム5の伸縮速度や上ブーム8の伸縮速度が予め設定された上限値で規制されるように伸縮駆動手段7または伸縮駆動手段10へ駆動信号を出力する(図6参照)ようにする。制御手段26は、操作手段20の内部回路として設けても、ソフトウェアとして操作手段20に組込んでも、操作手段20の外部回路として設けてもよい。
【0036】
制御手段26は、下ブーム5の伸縮方向と上ブーム8の伸縮方向とが同方向となったことを、操作レバー15の傾動方向によって検出しても、伸縮駆動手段7および伸縮駆動手段10へ送られる駆動信号によって検出しても、伸縮駆動手段7および伸縮駆動手段10の実際の動きによって検出しても、下ブーム長さ検出手段22や上ブーム長さ検出手段24の検出信号によって検出してもよい。但し、操作レバー15の傾動方向や、伸縮駆動手段7または伸縮駆動手段10へ送られる駆動信号によって検出する方が、制御の応答遅れが少なくなるので好ましい。
【0037】
次に、この実施の形態2の作用について説明する。
【0038】
この実施の形態2では、下ブーム5の伸縮方向と上ブーム8の伸縮方向とが同方向となって上ブーム8先端の速度が加算される場合に、制御手段26が作動して、下ブーム5の伸縮速度と前記上ブーム8の伸縮速度とのうちの少なくとも一つを減じる。
【0039】
この際、制御手段26は、下ブーム5の伸縮方向と上ブーム8の伸縮方向とが同方向となったことを、操作レバー15の傾動方向、操作レバー15の傾動方向、伸縮駆動手段7および伸縮駆動手段10へ送られる駆動信号、伸縮駆動手段7および伸縮駆動手段10の実際の動き、下ブーム長さ検出手段22や上ブーム長さ検出手段24の検出信号のいずれかによって検出すると、図5に示すように、操作手段20から伸縮駆動手段7または伸縮駆動手段10へ送られる駆動信号を所定量(所定割合)減じるか、或いは、図6に示すように、下ブーム5の伸縮速度や上ブーム8の伸縮速度が予め設定された上限値で規制されるように伸縮駆動手段7または伸縮駆動手段10へ駆動信号を出力するようにしている。
【0040】
これにより、上ブーム8先端の速度が早くなり過ぎることが防止される。
【0041】
例えば、図9に矢印Cで示すように、下ブーム5が伸長すると同時に上ブーム8が伸長する場合に、下ブーム5の伸長速度または上ブーム8の伸長速度のうちの少なくとも一方を遅くすることにより、作業機11の移動速度を減少し、作業機11の揺れや乗りごこちをよくすることができる。反対に、図9に矢印Dで示すように、下ブーム5が縮小すると同時に上ブーム8が縮小する場合に、下ブーム5の縮小速度または上ブーム8の縮小速度のうちの少なくとも一方を遅くすることにより、作業機11の移動速度を減少し、作業機11の揺れや乗りごこちをよくすることができる。
【0042】
上記以外の部分については、前記実施の形態1と同様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ることができる。
【0043】
【発明の実施の形態3】
図10は、この発明の実施の形態3を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一ないし均等な部分については、同一の符号を付して説明する。
【0044】
この実施の形態3のものでは、旋回台3の旋回方向と作業機11の首振り方向とが同方向となった場合に、前記旋回台3の旋回速度と前記作業機11の首振り速度とのうちの少なくとも一つを減じる制御手段27を設けている。
【0045】
この制御手段27は、操作手段20から旋回台3の旋回駆動手段4または作業機11の首振り駆動手段28へ送られる駆動信号を所定量(所定割合)減じる(図5参照)か、或いは、旋回台3の旋回速度や作業機11の首振り速度が予め設定された上限値で規制されるように旋回駆動手段4または首振り駆動手段28へ駆動信号を出力する(図6参照)ようにする。制御手段27は、操作手段20の内部回路として設けても、ソフトウェアとして操作手段20に組込んでも、操作手段20の外部回路として設けてもよい。
【0046】
制御手段27は、旋回台3の旋回方向と作業機11の首振り方向とが同方向となったことを、操作レバー15の傾動方向によって検出しても、旋回駆動手段4および首振り駆動手段28へ送られる駆動信号によって検出しても、旋回駆動手段4および首振り駆動手段28の実際の動きによって検出しても、旋回台3の旋回角度検出手段や作業機11の首振り角度検出手段の検出信号によって検出してもよい。但し、操作レバー15の傾動方向や、旋回駆動手段4または首振り駆動手段28へ送られる駆動信号によって検出する方が、制御の応答遅れが少なくなるので好ましい。
【0047】
次に、この実施の形態3の作用について説明する。
【0048】
この実施の形態3では、旋回台3の旋回方向と作業機11の首振り方向とが同方向となって作業機11先端の速度が加算される場合に、制御手段27が作動して、旋回台3の旋回速度と前記作業機11の首振り速度とのうちの少なくとも一つを減じる。
【0049】
この際、制御手段27は、旋回台3の旋回方向と作業機11の首振り方向とが同方向となったことを、操作レバー15の傾動方向、操作レバー15の傾動方向、旋回駆動手段4および首振り駆動手段28へ送られる駆動信号、旋回駆動手段4および首振り駆動手段28の実際の動き、旋回台3の旋回角度検出手段や作業機11の首振り角度検出手段の検出信号のいずれかによって検出すると、図5に示すように、操作手段20から旋回駆動手段4または首振り駆動手段28へ送られる駆動信号を所定量(所定割合)減じるか、或いは、図6に示すように、旋回台3の旋回速度や作業機11の首振り速度が予め設定された上限値で規制されるように旋回駆動手段4または首振り駆動手段28へ駆動信号を出力するようにしている。
【0050】
これにより、作業機11先端の速度が早くなり過ぎることが防止される。
【0051】
例えば、旋回台3が右旋回すると同時に作業機11が右に首振りする場合に、旋回台3の旋回速度または作業機11の首振り速度のうちの少なくとも一方を遅くすることにより、作業機11の移動速度を減少し、作業機11の揺れや乗りごこちをよくすることができる。反対に、旋回台3が左旋回すると同時に作業機11が左に首振りする場合に、旋回台3の旋回速度または作業機11の首振り速度のうちの少なくとも一方を遅くすることにより、作業機11の移動速度を減少し、作業機11の揺れや乗りごこちをよくすることができる。
【0052】
上記以外の部分については、前記実施の形態1と同様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ることができる。
【0053】
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
【0054】
例えば、上記各実施の形態を2つ以上適宜組合せることも可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1の発明によれば、複数の各駆動手段が作業機を同方向に作動させるように駆動される場合に、制御手段が作動して、複数の各駆動手段の作動速度のうちの少なくとも一つを減じる。これにより、作業機の速度が早くなり過ぎることが防止される。
【0056】
請求項2の発明によれば、複数の各駆動手段が作業機を同方向に作動させるように駆動される場合に、制御手段が作動して、複数の各駆動手段の作動速度のうちの少なくとも一つを減じる。これにより、作業機の速度が早くなり過ぎることが防止される。
【0057】
請求項3の発明によれば、下ブームの起伏方向と上ブームの屈伸方向とが同方向となって作業機の速度が加算される場合に、制御手段が作動して、下ブームの起伏速度または上ブームの屈伸速度のうちの少なくとも一つを減じる。これにより、作業機の速度が早くなり過ぎることが防止される、という実用上有益な効果を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態1にかかる屈伸ブーム式作業車の全体側面図であり、(b)は(a)の平面図である。
【図2】図1の屈伸ブーム式作業車のブームを伸ばした状態の側面図である。
【図3】図1の上部操作装置部分の斜視図である。
【図4】図1の屈伸ブーム式作業車の制御系統図である。
【図5】速度と操作レバーの傾動量との関係を示すグラフである。
【図6】図5とは別の速度と操作レバーの傾動量との関係を示すグラフである。
【図7】実施の形態1の作動説明図である。
【図8】実施の形態2にかかる屈伸ブーム式作業車の制御系統図である。
【図9】実施の形態2の作動説明図である。
【図10】実施の形態3にかかる屈伸ブーム式作業車の制御系統図である。
【符号の説明】
1 屈伸ブーム式作業車
2 車両
5 下ブーム
6 起伏駆動手段
7 伸縮駆動手段
8 上ブーム
9 屈伸駆動手段
10 伸縮駆動手段
15 操作レバー
20 操作手段
25 制御手段
26 制御手段
27 制御手段
Claims (3)
- 車両上に起伏自在に設けられた下ブームと、該下ブームの先端に下ブームの起伏作動面とほぼ平行な面内で屈伸自在に設けられた上ブームと、該上ブームの先端に設けられた作業機と、各自在動のための各駆動手段と、操作レバーと、該各操作レバーの傾動方向と傾動量に応じた駆動信号を前記各駆動手段へ出力する操作手段とを備えた屈伸ブーム式作業車に対し、
複数の前記各駆動手段が前記作業機を同方向に作動させるように駆動される場合に、複数の前記各駆動手段の作動速度のうちの少なくとも一つを減じる制御手段を設けたことを特徴とする屈伸ブーム式作業車のブーム作動速度制御装置。 - 車両上に起伏および伸縮自在に設けられた下ブームと、該下ブームの先端に下ブームの起伏作動面とほぼ平行な面内で屈伸および伸縮自在に設けられた上ブームと、該上ブームの先端に設けられた作業機と、各自在動のための各駆動手段と、操作レバーと、該各操作レバーの傾動方向と傾動量に応じた駆動信号を前記各駆動手段へ出力する操作手段とを備えた屈伸ブーム式作業車に対し、
複数の前記各駆動手段が前記作業機を同方向に作動させるように駆動される場合に、複数の前記各駆動手段の作動速度のうちの少なくとも一つを減じる制御手段を設けたことを特徴とする屈伸ブーム式作業車のブーム作動速度制御装置。 - 複数の前記各駆動手段が、前記下ブームの起伏駆動をする起伏駆動手段と、前記上ブームの屈伸駆動をする屈伸駆動手段とであり、
前記制御手段が、前記下ブームの起伏方向と前記上ブームの屈伸方向とが同方向となった場合に、前記下ブームの起伏速度または前記上ブームの屈伸速度のうちの少なくとも一つを減じることを特徴とする請求項1または2に記載の屈伸ブーム式作業車のブーム作動速度制御装置。
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