JP3942288B2 - セラミックス焼成用セッター材の製造方法 - Google Patents
セラミックス焼成用セッター材の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3942288B2 JP3942288B2 JP30710398A JP30710398A JP3942288B2 JP 3942288 B2 JP3942288 B2 JP 3942288B2 JP 30710398 A JP30710398 A JP 30710398A JP 30710398 A JP30710398 A JP 30710398A JP 3942288 B2 JP3942288 B2 JP 3942288B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- boron nitride
- setter
- hexagonal boron
- powder
- firing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
- Furnace Charging Or Discharging (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックス焼成用セッター材の製造方法に関する。詳しくは、嵌合・ねじ止め等の接合構造を有しない大型のセラミックス焼成用セッターを製造するための六方晶窒化ほう素焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
六方晶窒化ほう素焼結体の一用途にセラミックス焼成用セッターがある。今日では、例えば最大長400mmをこえ1000mm程度までのセッターが使用されるようになっている。ここでいう最大長とは、例えば四角形状であれば対角線、円形状であれば直径、楕円形状であれば長径の長さを指すものである。
【0003】
従来、このような大型セッターは、ホットプレス法、常圧焼結法等で製造された小形状六方晶窒化ほう素焼結体を嵌合・ねじ止め等の物理的手段により組み立てて製作されていたので、実用上、次のような問題があった。
【0004】
セッターに被焼成物を載置して脱バインダーを行う際、セッターの組み立て部分と非組み立て部分とではバインダーの抜け方が異なるため、均質なセラミックスを製造するにはかなりの時間と労力が必要であった。脱バインダー処理を充分に行わないで焼成すると、セッターの組み立て部分と接触していた被焼成物の部分にバインダーが残留しやすくなり、繰り返しの使用によってその部分から反りやクラックが発生し寿命が短くなった。このような短寿命は、被焼成物からの荷重負荷によって、その組み立て部分に応力が集中することも原因となっている。また、セッターの組み立て部分からの通気等によって、その部分と接触していた被焼成物の部分が変色したり、セッターの組み立て部分に生じてくる若干の段差等によって被焼成物の寸法が狂ったりするので、セッターの各構成部材を同質なものを厳選使用しなければならないなど、セッターの組み立てには充分な配慮が必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、最大長450mm以上のセラミックス焼成用セッターを製造することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、窒化ほう素粉末をCIP成形後、非酸化性雰囲気下、温度1700℃以上で常圧焼結するセラミックス焼成用セッター材を製造する方法において、上記窒化ほう素粉末が、高充填性六方晶窒化ほう素粉末50〜75重量%と六方晶窒化ほう素微粉25〜50重量%との混合物であり、上記高充填性六方晶窒化ほう素粉末は、面積平均径(Da)と50%体積累積粒度(Dp50)の比(Da/Dp50の比)が0.6以上で、Dp50が15μm以上であり、上記六方晶窒化ほう素微粉は、Dp50が1.5μm以下であることを特徴とするセラミックス焼成用セッター材の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、さらに詳しく本発明について説明する。
【0008】
本発明は、六方晶窒化ほう素原料粉末を、ほう酸カルシウム、酸化カルシウム等の焼結助剤とアクリル、パラフィン、ワックス、メチルセルロース等の有機バインダとを必要に応じて用いてCIP成形した後、有機バインダを用いた場合は脱脂し、それを非酸化性雰囲気下で焼成する方法において、上記六方晶窒化ほう素原料粉末として、高充填性六方晶窒化ほう素粉末50〜75重量%と六方晶窒化ほう素微粉25〜50重量%との混合物を用いるものである。両者の割合が不適切であると、成形時のクラックやラミネーションの原因となる。
【0009】
本発明で使用される上記原料粉末は、充填性、保形性、成形性に優れているので、大型形状体の成形が可能となり、最大長450mm以上のセラミックス焼成用セッターの製造が可能となる六方晶窒化ほう素焼結体(セラミックス焼成用セッター材)が製造される。
【0010】
本発明で用いる高充填性六方晶窒化ほう素粉末は、面積平均径(Da)と50%体積累積粒度(Dp50)の比(Da/Dp50の比)が0.6以上で、Dp50が15μm以上の六方晶窒化ほう素粉末である。Da/Dp50の比が0.6未満であるか、又はDp50が15μm未満であると、原料粉末の成形時の流動性が損なわれ、成形時のクラックやラミネーション発生の原因となる。一方、六方晶窒化ほう素微粉のDp50が1.5μmをこえると、成形時の充填性が悪化し、同様に成形時のクラックやラミネーションの原因となる。
【0011】
六方晶窒化ほう素原料粉末の酸素量は、0.4〜1.7重量%であることが望ましく、これによってセッター使用中に寸法変化の少ない、より高強度なセラミックス焼成用セッターを製造することができる。
【0012】
原料粉末の成形方法については、金型プレス法、静水圧プレス法、泥漿鋳込み成形法、押し出し成形法、射出成形法などの一般的な方法を採用することができる。また、これらを組み合わせることもできる。但し、有機バインダを用いた場合には、焼成前にこれを脱脂する必要がある。特に高強度で、セッター使用中の寸法変化の少ない六方晶窒化ほう素焼結体を得るためには、焼成前に0.5トン/cm2以上のCIP圧を加えることが望ましい。
【0013】
焼成は、窒素、アンモニア、水素、炭酸ガス、一酸化炭素ガス、アルゴン、ヘリウム等の非酸化性雰囲気下、温度1700℃以上で行われる。
【0014】
本発明によって製造されたセラミックス焼成用セッター材によれば、上記した従来の組み立て構造の問題点を解消することができ、長寿命のセラミックス焼成用セッターを製造することができる。
【0015】
【実施例】
以下、実施例、比較例をあげて更に具体的に本発明を説明する。
【0016】
六方晶窒化ほう素原料粉末の成形性・保形性を評価するため、Da/Dp50の比がそれぞれ0.83、0.72、0.55であり、Dp50が16μmである六方晶窒化ほう素粉末50重量%と、Dp50が0.9μmの六方晶窒化ほう素微粉50重量%との混合原料(それぞれ、混合原料a、混合原料b、混合原料cとする)を製造した。また、Da/Dp50の比が0.72で、Dp50が13μmである六方晶窒化ほう素粉末50重量%と、Dp50が0.9μmの六方晶窒化ほう素微粉50重量%との混合原料(これを混合原料dとする)を製造した。さらに、Da/Dp50の比が0.72で、Dp50が16μmである高充填性六方晶窒化ほう素粉末50重量%と、Dp50が1.8μmの六方晶窒化ほう素粉末50重量%との混合原料(これを混合原料eとする)を製造した。これらの混合原料a〜eをCIP圧力1000kgf/cm2で成形した。その結果、混合原料a及び混合原料bを用いたときは成形性・保形性が共に良好であったが、混合原料c、混合原料d、混合原料eの場合はクラックが入り成形体とすることができなかった。
【0018】
そこで、Da/Dp50の比が0.83で、Dp50が16μmである高充填性六方晶窒化ほう素粉末0〜100重量%と、Dp50が0.9μmである六方晶窒化ほう素微粉を0〜100重量%と種々変化させた混合粉末を用い、同様にして成形性・保形性を評価した。その条件と結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
実施例1
Da/Dp50の比が0.83で、Dp50が16μmである高充填性六方晶窒化ほう素70重量%と、Dp50が0.9μmの六方晶窒化ほう素微粉30重量%との原料粉末(酸素量2.0重量%)をCIP圧力1000kgf/cm2で成形した後、アルゴン雰囲気下、常圧にて1800℃で10時間焼成して窒化ほう素焼結体(セラミックス焼成用セッター材)を製造した。得られた窒化ほう素焼結体を用い、500×125×8mm形状の一体物のセッターを製作した。
【0021】
次いで、このセッター上に、押し出し成形された窒化けい素グリーンシートの10枚を積層・載置し、大気中、500℃で脱脂した後、窒素雰囲気中、1750℃で焼結を行った。この操作を同一セッター上で繰り返し行い、焼結後のセッターの様子と最下段の窒化けい素シートの様子を逐次観察した。
【0022】
比較例1、2
実施例1で製造された窒化ほう素焼結体から、125×125×8mm形状の焼結体を切り出した。それらを嵌合(比較例1)又はねじ止め(比較例2)によって組み合わせて実施例1と同サイズのセッターを製作し、実施例1と同様な焼結試験を行った。この際、窒化けい素グリーンシートは、セッターの接合部分の上にかかるように載置した。
【0023】
以上の結果を表2、表3に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、最大長450mm以上であり、嵌合・ねじ止め等の接合構造を有しない大型のセラミックス焼成用セッターを製造することができる。
Claims (1)
- 窒化ほう素粉末をCIP成形後、非酸化性雰囲気下、温度1700℃以上で常圧焼結するセラミックス焼成用セッター材を製造する方法において、上記窒化ほう素粉末が、高充填性六方晶窒化ほう素粉末50〜75重量%と六方晶窒化ほう素微粉25〜50重量%との混合物であり、上記高充填性六方晶窒化ほう素粉末は、面積平均径(Da)と50%体積累積粒度(Dp50)の比(Da/Dp50の比)が0.6以上で、Dp50が15μm以上であり、上記六方晶窒化ほう素微粉は、Dp50が1.5μm以下であることを特徴とするセラミックス焼成用セッター材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30710398A JP3942288B2 (ja) | 1998-10-28 | 1998-10-28 | セラミックス焼成用セッター材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30710398A JP3942288B2 (ja) | 1998-10-28 | 1998-10-28 | セラミックス焼成用セッター材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000128647A JP2000128647A (ja) | 2000-05-09 |
JP3942288B2 true JP3942288B2 (ja) | 2007-07-11 |
Family
ID=17965076
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30710398A Expired - Lifetime JP3942288B2 (ja) | 1998-10-28 | 1998-10-28 | セラミックス焼成用セッター材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3942288B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4673644B2 (ja) * | 2005-03-04 | 2011-04-20 | 水島合金鉄株式会社 | 黒鉛―六方晶窒化ほう素複合焼結体 |
JP4825081B2 (ja) * | 2006-08-25 | 2011-11-30 | 電気化学工業株式会社 | 窒化ホウ素焼結体の製造方法 |
CN116981650A (zh) * | 2021-03-31 | 2023-10-31 | 电化株式会社 | 陶瓷烧成用载具 |
-
1998
- 1998-10-28 JP JP30710398A patent/JP3942288B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000128647A (ja) | 2000-05-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS6256107B2 (ja) | ||
JP2005082451A (ja) | 窒化珪素結合SiC耐火物及びその製造方法 | |
JP3100871B2 (ja) | 窒化アルミニウム焼結体 | |
JP3942288B2 (ja) | セラミックス焼成用セッター材の製造方法 | |
JP4295491B2 (ja) | 銅−タングステン合金およびその製造方法 | |
JPS5918165A (ja) | 窒化珪素焼結体の製造方法 | |
JPH06329474A (ja) | 窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法 | |
JP4318814B2 (ja) | 金属−セラミックス複合材料の製造方法 | |
JP5166223B2 (ja) | 窒化珪素系セラミックスの被接合部材同士を接合する方法 | |
JPH0292872A (ja) | セラミック体と銅材の接合方法 | |
JPS5884186A (ja) | セラミツクスの接合方法 | |
JPS62123070A (ja) | 窒化ボロン系焼結体の製造方法 | |
JP2005082450A (ja) | 窒化珪素結合SiC耐火物及びその製造方法 | |
JPS6021945B2 (ja) | 窒化珪素質焼結体 | |
JPS5864270A (ja) | 窒化けい素焼結体 | |
JPH05318431A (ja) | 傾斜機能材料の製造方法 | |
JPS5864271A (ja) | 窒化けい素焼結体 | |
JP2002167284A (ja) | 接合体及びその製造方法 | |
JPH01160870A (ja) | 窒化珪素質焼結体及びその製法 | |
JP4868641B2 (ja) | 窒化アルミニウム基板の製造方法 | |
JP3027215B2 (ja) | 窒化珪素結合SiC耐火物 | |
JPH07115927B2 (ja) | SiC基セラミツクスとその製造方法 | |
JPS61235102A (ja) | セラミツクス焼結体の製造方法 | |
JPH11236266A (ja) | 炭化珪素質シートの製造方法 | |
JPH0568428B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060518 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060711 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060906 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061212 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070118 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070403 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070403 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100413 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110413 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130413 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130413 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140413 Year of fee payment: 7 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |