JP3940337B2 - チューブ加熱装置及び電線接続部の密封方法 - Google Patents

チューブ加熱装置及び電線接続部の密封方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電線相互の中間接続部や端末接続部に合成樹脂製の熱収縮チューブを被着させて電線接続部の絶縁保護を図るチューブ加熱装置及び電線接続部の密封方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6〜図8は、従来の電線接続部の密封方法及びチューブ加熱装置の一形態を示すものである。
【0003】
図6は、複数本の電線45の端末部を熱溶着で接続し、その接続部46を柔軟な合成樹脂製の熱収縮チューブ47の内側に挿入した状態を示すものである。熱収縮チューブ内には予めホットメルト接着剤48やブチルゴム等のシール剤49が注入されている。ホットメルト接着剤48は筒状の熱収縮チューブ47の一端を封止している。
【0004】
図7は、熱収縮チューブ49の内面に沿ってホットメルト接着剤50を塗布し、そのチューブ内に電線51の端末の熱溶着接続部52を挿入した状態を示すものである。
【0005】
図8は、これら熱収縮チューブ47に電線45の端末接続部を挿入したセット品(組付品)をチューブ加熱装置53の内部にセットし、電線45をローラ54で径方向に送り、熱収縮チューブ47をヒータ55で加熱して収縮させつつ、チューブ内部のホットメルト接着剤48やシール剤49を溶融させて各電線45間に入り込ませて、電線接続部46の絶縁及び防水を図るものである。
【0006】
図7の熱収縮チューブ49の先端を棒状のチューブ保持治具(図示せず)の先端の筒状部内に挿入した状態で、熱収縮チューブ49をチューブ加熱装置で加熱収縮させ、チューブ先端からのホットメルト接着剤50の流出を防止する構造も本出願人によって特開平11−178144号で提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電線接続部の密封方法やチューブ加熱装置にあっては、電線45をローラ54で挟みつつ加熱槽56内に搬送するものであるために、熱収縮チューブ47の位置が加熱槽内でずれたり偏心したりしやすく、熱収縮チューブ47の収縮度合やチューブ内のホットメルト接着剤48等の溶融度合にばらつきを生じやすく、電線接続部46の密封性が悪化するという懸念があった。
【0008】
また、上記従来の密封方法及び加熱装置は電線45の端末接続部46のみを絶縁・防水するものであり、電線を長手方向に突き合わせて溶着接続した中間接続部の絶縁・防水を図ることはできなかった。そのため、端末接続部用と中間接続部用の二種類のチューブ加熱装置を必要とし、工程が肥大化すると共に設備費が高くつくという問題があった。
【0009】
本発明は、上記した点に鑑み、電線や熱収縮チューブの位置ずれ等なく電線の接続部を正確に絶縁保護させることができ、それに加えて完成品(電線とチューブとの組付品)を効率的に回収でき、さらに、一つのチューブ加熱装置で電線の端末接続部と中間接続部との何れでも効率的に絶縁保護させることのできるチューブ加熱装置及び電線接続部の密封方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るチューブ加熱装置は、電線接続部を覆う熱収縮チューブと電線とで成る組付品の該電線を把持可能な一対のチャック部と、該組付品を電線径方向に挿入する挿通部を有する加熱槽と、該一対のチャック部を該加熱槽に沿って進退させる機構とを備えるチューブ加熱装置において、前記一対のチャック部の一方にチューブ保持治具を固定可能であり、該チューブ保持治具は、前記熱収縮チューブの先端を挿入する筒状部と、該筒状部に続き、チャック中心に位置する軸部と、該軸部に設けられたチャック固定部とで構成されることを特徴とする。
上記構成により、中間の電線接続部を有する組付品の場合、電線接続部の両側に延びる電線が一対のチャック部で把持され、チャック部の後退動作で組付品の熱収縮チューブが加熱槽内に送られて所要温度で所要時間加熱される。これにより、熱収縮チューブが収縮されて電線接続部の外周面に密着し、電線接続部が絶縁保護される。熱収縮チューブ内にホットメルト接着剤を装填した場合は、ホットメルト接着剤が溶けて各電線間やチューブと電線との間に隙間なく充填される。チャック部の前進動作で組付品が加熱槽の外に出され、空冷されつつチャックの開放により取り出される。
【0012】
また、軸部が一方のチャック中心に位置し、他方のチャックで把持された電線と同軸に位置する。筒状部も電線と同軸に位置し、筒状部で保持された熱収縮チューブが電線と同軸に位置する。これにより、熱収縮チューブの径方向の位置が正確に規定される。熱収縮チューブの軸方向の位置は、軸部をチャック部に固定した際に熱収縮チューブが一対のチャック部の中央に位置するように軸部の長さを設定しておくことで、正確に規定される。チャック部を開いても、チューブ保持治具がチャック部から落ちないから、保持治具からの電線とチューブとの組付品の取外しが容易であり、且つ次のチューブを保持治具に迅速にセットすることができる。
【0013】
請求項に係るチューブ加熱装置は、請求項記載のチューブ加熱装置において、前記チャック固定部が前記チャック部側の係止部に係合する係合部を有することを特徴とする。
上記構成により、チャック固定部をワンタッチでチャック部側に係止させることができ、チューブ保持治具の脱着が容易化、迅速加する。
【0014】
請求項に係る電線接続部の密封方法は、熱収縮チューブで覆う長手方向中間の電線接続部に続く両側の電線を一対のチャック部で把持し、該一対のチャック部を後退させて該熱収縮チューブを加熱槽内に進入させ、該熱収縮チューブを加熱して収縮させた後、該一対のチャック部を前進させて該熱収縮チューブを加熱槽外に露出させて冷却し、該一対のチャックを開いて該電線を解放する電線接続部の密封方法において、前記一対のチャック部の一方にチューブ保持治具を固定し、該チューブ保持治具に端末の電線接続部用の熱収縮チューブを保持させ、該端末の電線接続部に続く電線を該一対のチャック部の他方で把持させ、前記中間の電線接続部用の熱収縮チューブに代えて該端末の電線接続部用の熱収縮チューブを前記加熱槽で加熱することを特徴とする
上記構成により、中間の電線接続部を有する組付品の場合、電線接続部の両側に延びる電線が一対のチャック部で把持され、チャック部の後退動作で組付品の熱収縮チューブが加熱槽内に送られて所要温度で所要時間加熱される。これにより、熱収縮チューブが収縮されて電線接続部の外周面に密着し、電線接続部が絶縁保護される。熱収縮チューブ内にホットメルト接着剤を装填した場合は、ホットメルト接着剤が溶けて各電線間やチューブと電線との間に隙間なく充填される。チャック部の前進動作で組付品が加熱槽の外に出され、空冷されつつチャックの開放により取り出される。
【0017】
また、一方のチャック部にチューブ保持治具が固定され、チューブ保持治具に熱収縮チューブが保持され、熱収縮チューブ内には端末の電線接続部が挿入され、他方のチャック部に電線が把持される。その状態で、両チャック部が後退し、熱収縮チューブが加熱槽内に進入して加熱され、チューブの収縮後及び/又はチューブ内のホットメルト接着剤の溶融後に、両チャック部の前進動作で組付品が加熱槽の外に出されて冷却される。両チャック部が開き、電線は解放され、保持部材はチャック部に固定されたまま残り、作業者が組付品を保持部材から外す。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図2は、本発明に係るチューブ加熱装置の一実施形態を示すものである(図1は正面図、図2は側面図)。
【0019】
図1,図2のチューブ加熱装置1において、符号2は加熱槽、3は制御盤、4は、加熱槽2に対して電線と熱収縮チューブとのセット品(組付品)14,15(図3,図4)を進退させる左右一対のスライド部、5は、各スライド部4に設けられた左右一対のチャック部、6(図2)は、チャック部5から電線と熱収縮チューブとの組付品(熱収縮完了品又は製品)を強制的に回収する昇降自在な製品回収部材をそれぞれ示すものである。
【0020】
加熱槽2内にはヒータ(図示せず)が装着され、下側にファン24が設けられている。加熱槽2の左右の壁部(側壁)16と前側の壁部17とを貫通して水平方向のスリット状の挿通部18が設けられ、前側の壁部17に挿通部18の前部開口18aが位置している。前部開口18aに連通する各側壁16のスリット部18bの外側(加熱槽2の外側)にスライド部4が位置している。スライド部4は左右一対の垂直な支柱部19と、支柱部19を支える水平な基板部20とで構成され、基板部20が例えば加熱槽下側の水平なレール(図示せず)にスライド自在に係合している。
【0021】
支柱部19の先端にチャック部5が固定されている。チャック部5の中心は前部開口18aやスリット部18bの中心と水平方向の同一平面上に位置している。一対のチャック部5は加熱槽2の外側において左右に対向して対称に(前後の位置ずれなく同一高さに)位置している。
【0022】
チャック部5は上下一対のチャック片で構成され、エア式のシリンダ22によって上下方向に開閉自在である。左右一対のチャック部5で複数本の電線の両端部又は長手方向中間部の二カ所を把持する。チャック部5を構成する上下のチャック片21は図3に示す如く略V字状の複数の把持爪23を有している。上下の把持爪23は交互に噛み合って複数本の電線7,8を確実に把持する。
【0023】
図3の形態において、電線7,8は長手方向中間部に溶着接続部9を有している。この接続部9は左右の各複数の電線7,8の端末を相互に突き合わせた状態(正確には上下に重ね合わせた状態)で電線径方向に電極(図示せず)で熱溶着させたものである。電線接続部9の外側には合成樹脂製の柔軟な熱収縮チューブ10が装着されている。熱収縮チューブ10の内側にはホットメルト接着剤及び/又はシール剤(図示せず)が装填されている。この熱収縮チューブ10は円筒状のもので、左右端に開口10aを有している。
【0024】
左右のチャック部5の中央位置に電線接続部9と熱収縮チューブ10とがくるように位置合わせされている。例えば図2の前側の昇降自在な製品回収部材6に電線接続部9の位置決めマークと熱収縮チューブ10の位置決めマークとを印しておくことで、両者の位置が正確に規定され、熱収縮チューブ10の熱収縮がばらつきなく正確に行われる。すなわち、加熱槽2内の左右と中央とでは温度がやや異なりやすいが、熱収縮チューブ10が常に加熱槽2の中央にくるように位置合わせされるから、製品ごとの収縮ムラが起こらない。
【0025】
図2の製品回収部材6は、金属板を屈曲して形成され、上側の傾斜部25と、傾斜部25の下側に続く製品受け部26とを備えており、加熱装置1の水平な基台27に固定された垂直なエアシリンダ(駆動部)28のロッド28aに固定されて昇降自在である。傾斜部25は左右一対設けられ、一対の傾斜部25の間に熱収縮チューブ10とその近傍の電線7,8を逃がすための孔部(図示せず)が構成され、傾斜部25の上端に水平部29が続き、水平部29に前記電線接続部9や熱収縮チューブ10に対する位置合わせマークが印されている。製品受け部26は傾斜部25に続く垂直部26aと、垂直部26aに続く水平部(26で代用)と、水平部に続く、前向き傾斜部26bとで略凹字状に構成されている。
【0026】
傾斜部25は前から後上がりに傾斜し、傾斜部25の上端はチャック部5の電線把持中心よりも少し後方(加熱槽寄り)に位置している。加熱槽2の前方にシリンダ28が位置し、シリンダロッド28aは製品回収部材6の中間の垂直部26aに固定されている。製品回収部材6の形状は適宜設定可能であり、例えば傾斜部25を板状ではなく棒状に形成することも可能である。チャック部5から解放された電線7,8(図3)を、上昇する傾斜部25で拾い上げて製品受け部26に落下させる。
【0027】
図1の制御盤3は加熱槽2の後方に立設され、運転スイッチ30や温度調節部31や加熱時間設定部32や各種の表示ランプ(運転ランプや異常ランプ等)33を備えている。運転スイッチ30を入れることで、ヒータが加熱され、加熱槽2が所定温度(350゜程度である)に達すると、作業開始OKのランプ33が点灯する。以下に電線接続部9の密封方法について説明する。
【0028】
図3において作業者は両方の電線7,8を両手で持って電線接続部9を第一の合わせマークに位置合わせし、フットスイッチを踏んで左右のチャック部5に電線7,8を把持させる。電線接続部9が見えるように熱収縮チューブ10は電線接続部9の横(電線長手方向)にずらしておく。次いで熱収縮チューブ10を第二の合わせマークに位置合わせして電線接続部9の外周上にくるように長手方向に移動する。電線接続部9は熱収縮チューブ10で完全に覆われる。
【0029】
次いでフットスイッチを踏んでスライド部4(図1,図2)を後退させ、チャック部5に把持された電線7,8の中央(熱収縮チューブ10が位置する部分)とその近傍の部分を加熱槽2内に進入させる。所要時間(10秒程度である)が経過した後、自動的にスライド部4が前進し、熱収縮チューブ10と電線7,8との組付品14が加熱槽2の外側に出される。熱収縮チューブ10は加熱により径方向に収縮し、ホットメルト接着剤等を介して電線7,8とその接続部9とに隙間なく密着する。熱収縮チューブ10は電線7,8をチャックされたまま外部に出されることで、短い時間ではあるが自然冷却される。冷却時間は適宜設定可能である。エアブロー等で強制冷却することも可能である。
【0030】
チャック部5が自動的に開きつつ、垂直なシリンダ28(図2)が伸長して製品回収部材6の傾斜部(傾斜面)25が左右のチャック部5の間で電線7,8をチャック中心よりも高く持ち上げることで、傾斜部25に沿って製品(電線7,8とチューブ10との組付完成品)が製品受け部26に滑り落ちる。作業者は製品受け部26から製品を拾って例えばパレットに入れ、次工程へ運ぶ。製品受け部26にある程度の数の組付完成品を溜めつつ自然冷却させることも可能である。
【0031】
図4は、電線11の端末の接続部12に収縮チューブ13を被着させる構成例を示すものである。チューブ加熱装置1は図1,図2と同じものを使用する。
【0032】
図4で、符号35はチューブ保持治具を示す。チューブ保持治具35は金属で形成され、中実で真直な細い軸部36の先端に、軸部36よりも大径な中空の筒状部37を同心に設けたものであり、軸部36は左右何れか一方のチャック部5に固定され、筒状部37に熱収縮チューブ13の先端の小径部13aが嵌合保持される。軸部36は下側のチャック片21に例えば固定板(固定部)38と固定軸39とで固定されている。熱収縮チューブ13の形態は従来例の図7に示すものと同様である。
【0033】
図5(a)(b)にチューブ保持治具35の一実施形態を示す如く、軸部36の後端と長手方向中間部とに一対の鍔状の固定板(固定部)38が軸径方向に突出して設けられ、一対の固定板38は対向して位置し、固定板38の上端寄りに軸部36が貫通固定され、固定板38の各内面の下端寄りにおいて半球状の凹部40が対向して設けられ、各凹部40に真直な固定軸39の各端部39aが係合可能となっている。固定軸39の両端部39aは半球状の面で形成されている。筒状部37の内側には円形の孔部41が設けられ、孔部41の入口にガイドテーパ面が形成されている。
【0034】
図4で、下側のチャック片21に固定軸39を挿通させる水平な孔部42(図3)が設けられ、孔部42に固定軸39を挿通させ、固定軸39の半球状の各端部(係止部)39aを孔部42から外側に突出させた状態で、チャック片21の左右の端面に各固定板38(図5)の内面を摺接させ、チャック部5のチャック中心に軸部36をセットしつつ、固定板38の凹部(係合部)40に固定軸39の端部39aを進入係合させることで、軸部36がチャック片21に固定される。軸部36は上下のチャック片21で把持されてチャック中心に位置する。
【0035】
なお、固定軸39に代えてチャック片21にボールプランジャ(係止部)を設け、突出方向にばね付勢されたボールを固定板38の凹部(係合部)40に係合させることも可能である。また、合成樹脂製のチャック片21の側端面に一体に半球状や傾斜状の突起(係止部)を設け、固定板38の凹部(係合部)40に突起を係止させることも可能である。
【0036】
これらの手段で下側のチャック片21にチューブ保持治具35を固定させることで、チャック部5を開いてもチューブ保持治具35が落下せずにチャック中心に保持されるから、完成した製品すなわち電線11と熱収縮チューブ13との組付品をチャック部5の開閉に関係なく常にチャック中心に保持させることができて、取外し作業性が良好となると共に、製品をチューブ保持治具35から取り外した後、次の熱収縮チューブ13を筒状部37に迅速に嵌合セットすることができて、熱収縮チューブ13のセット作業性が向上する。また、チューブ保持治具35の筒状部37の位置が常に一定に規定されているから、熱収縮チューブ13の位置合わせを行う必要がなく、筒状部37に熱収縮チューブ13を嵌合させれば常に熱収縮チューブ13の位置が左右のチャック部5の中央に位置し、チューブ13の熱収縮が加熱槽2の中央でばらつきなく安定して行われる。
【0037】
なお、一方のチャック部5にチューブ保持治具35を固定させる代わりに、保持治具35の軸部36を常に一方のチャック部5で把持しておく(一方のチャック部5を常に閉じておき、他方のチャック部5のみをフットスイッチ等で開閉自在とする)ことも可能である。
【0038】
以下に図4の形態の電線11とチューブ13との組付品15を用いた場合の電線接続部の密封方法を順を追って説明する。
【0039】
先ず、図2のチューブ加熱装置1の一方のチャック部5(右効きの作業者が多いので左側のチャック部が好ましい)にチューブ保持治具35を上記要領で固定する。加熱槽2が所定温度になったら、チューブ保持治具35の先端側の筒状部37に熱収縮チューブ13の一端13aを挿入保持させ、チューブ13の開口13bからチューブ内に電線11の端末接続部12を挿入し、両チャック部5を閉じて電線11を他方のチャック部5で把持させる。チューブ保持治具35は他方のチャック部5でしっかりと把持固定される。
【0040】
次いでスイッチ操作又は自動(シーケンス制御等)で両チャック部5をスライド部4と共に後退させ、熱収縮チューブ13を加熱槽2内に進入させ、所要時間加熱する。加熱により、熱収縮チューブ内のホットメルト接着剤が溶融して各電線11間の隙間に充填されると共に、熱収縮チューブ13が収縮して電線11の外周面にホットメルト接着剤を介して隙間なく密着する。加熱が完了したら、両チャック部5を電線11とチューブ13との組付品と共に前進させ、組付品を自然冷却しつつ、チャック部5を開く。
【0041】
作業者が例えば熱収縮チューブ13を持ってチューブ保持治具35から製品を外し、製品回収部(図示せず)にストックする。チューブ保持治具35は一方のチャック部5に固定されているから、チャック部5を開いても外れることがなく、次の熱収縮チューブ13をチューブ保持治具35に迅速にセットすることができる。
【0042】
熱収縮チューブ13のセット位置はチューブ保持治具35をチャック部5に固定することで規定されるので、作業者は目視で熱収縮チューブ13の位置合わせをする必要がなく、常に正確に熱収縮チューブ13の位置が規定される。チューブ内の電線接続部12の位置決めは電線接続部12の先端を熱収縮チューブ13の底部内面に突き当てることで行われる。
【0043】
なお、上記各実施形態において、熱収縮チューブ内にホットメルト接着剤等を装填することなく熱収縮チューブ10,13を電線接続部9,12に熱収縮のみで被着させることも可能である。また、電線11と熱収縮チューブ13との組付品15を水平ではなく垂直にして加熱槽内に進入させるように、加熱槽2の挿通部18を垂直方向に設けることも可能である。この場合、熱収縮チューブ13の封止された先端側を下向き、開口13b側を上向きとする。
【0044】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、電線が一対のチャック部で把持されるから、熱収縮チューブの位置が一対のチャック部の間で振れや位置ずれなく正確に規定され、加熱槽の中央位置に熱収縮チューブが投入されて、加熱温度のばらつきなく、常に正確に収縮される。これにより、電線接続部の絶縁や防水等の保護が確実に行われ、絶縁保護の信頼性が向上する。
【0046】
また、チューブ保持治具を選択的に使用することで、一つのチューブ加熱装置を用いて電線の中間接続部と端末接続部との両方に対応して熱収縮チューブを被着させることができる。これにより、従来、二台必要であった加熱装置が一台で済むようになり、装置の設置スペースの削減とコスト削減が可能となる。また、チューブ保持治具はチャック部に固定されて、チャック部を開いても落ちないから、効率的に保持治具に対する熱収縮チューブの着脱作業を行うことができ、作業性が向上する。また、保持治具の軸部がチャック中心に位置して熱収縮チューブが電線と同心に位置することで、チューブの熱収縮性が高まり、チューブが電線に隙間なく密着し、絶縁性や防水性が一層向上する。
【0047】
請求項記載の発明によれば、チャック部に対するチューブ保持治具の脱着を容易に且つ迅速に行うことができるから、中間接続部用から端末接続部用への段取を効率的に行うことができる。
【0048】
請求項記載の発明によれば、電線が一対のチャック部で把持されるから、熱収縮チューブの位置が一対のチャック部の間で振れや位置ずれなく正確に規定され、加熱槽の中央位置に熱収縮チューブが投入されて、加熱温度のばらつきなく、常に正確に収縮される。これにより、電線接続部の絶縁や防水等の保護が確実に行われ、絶縁保護の信頼性が向上する。
【0051】
また、チューブ保持治具を選択的に使用することで、一つのチューブ加熱装置を用いて電線の中間接続部と端末接続部との両方に対応して熱収縮チューブを被着させることができる。これにより、従来、二台必要であった加熱装置が一台で済むようになり、装置の設置スペースの削減とコスト削減が可能となる。また、チューブ保持治具はチャック部に固定されて、チャック部を開いても落ちないから、効率的に保持治具に対する熱収縮チューブの着脱作業を行うことができ、作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチューブ加熱装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】同じくチューブ加熱装置を示す側面図である。
【図3】中間接続部を有する組付品を一対のチャックで把持した状態を示す要部斜視図である。
【図4】端末接続部を有する組付品をチューブ保持治具を介してチャックに固定した状態を示す要部斜視図である。
【図5】チューブ保持治具の一実施形態を示し、(a)は一部を断面とした側面図、(b)は正面図である。
【図6】従来の電線の端末接続部に熱収縮チューブをセットした一形態を示す断面図である。
【図7】同じく電線の端末接続部に熱収縮チューブをセットした他の形態を示す断面図である。
【図8】従来のチューブ加熱装置の一形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 チューブ加熱装置
2 加熱槽
4 スライド部(進退機構)
5 チャック部
6 製品回収部材
7,8,11 電線
9,12 電線接続部
10,13 熱収縮チューブ
14,15 組付品
18 挿通部
25 傾斜部
26 製品受け部
35 チューブ保持治具
36 軸部
37 筒状部
38 固定板(チャック固定部)
39a 端部(係止部)
40 凹部(係合部)

Claims (3)

  1. 電線接続部を覆う熱収縮チューブと電線とで成る組付品の該電線を把持可能な一対のチャック部と、該組付品を電線径方向に挿入する挿通部を有する加熱槽と、該一対のチャック部を該加熱槽に沿って進退させる機構とを備えるチューブ加熱装置において、
    前記一対のチャック部の一方にチューブ保持治具を固定可能であり、該チューブ保持治具は、前記熱収縮チューブの先端を挿入する筒状部と、該筒状部に続き、チャック中心に位置する軸部と、該軸部に設けられたチャック固定部とで構成されることを特徴とするチューブ加熱装置。
  2. 前記チャック固定部が前記チャック部側の係止部に係合する係合部を有することを特徴とする請求項1記載のチューブ加熱装置。
  3. 熱収縮チューブで覆う長手方向中間の電線接続部に続く両側の電線を一対のチャック部で把持し、該一対のチャック部を後退させて該熱収縮チューブを加熱槽内に進入させ、該熱収縮チューブを加熱して収縮させた後、該一対のチャック部を前進させて該熱収縮チューブを加熱槽外に露出させて冷却し、該一対のチャックを開いて該電線を解放する電線接続部の密封方法において、
    前記一対のチャック部の一方にチューブ保持治具を固定し、該チューブ保持治具に端末の電線接続部用の熱収縮チューブを保持させ、該端末の電線接続部に続く電線を該一対のチャック部の他方で把持させ、前記中間の電線接続部用の熱収縮チューブに代えて該端末の電線接続部用の熱収縮チューブを前記加熱槽で加熱することを特徴とする電線接続部の密封方法。
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