JP3940205B2 - 長手・幅方向偏差に小さい方向性電磁鋼板の窒化処理方法とそのための装置 - Google Patents

長手・幅方向偏差に小さい方向性電磁鋼板の窒化処理方法とそのための装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、方向性電磁鋼板の窒化処理において窒化処理に使用する連続焼鈍炉内にアンモニア等の窒化ガスを導入して窒化する方法に関し、特に鋼板幅方向における鋼板窒素量を一定量に制御することにより最終仕上焼鈍後の二次再結晶の安定化とグラス皮膜特性の向上の双方を同時に満足するグラス皮膜の優れた方向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
方向性電磁鋼板は、圧延方向に (110)[001] 方位を有する結晶粒(ゴス方位粒)により構成される、通常4.5%以下のSiを含有する、板厚0.10〜0.35mmの鋼板で、主にトランス用鉄心に使用される。
この方向性電磁鋼板の製造に際しては、従来の1350℃以上の高温スラブ加熱をベースとした製造方法に替わり、最近では特開平3−122227号公報に示されるような普通鋼レベルのスラブ加熱、即ち1280℃以下の温度によるスラブ加熱をベースとし、かつインヒビターであるAlN、(Al・Si)N等の微細分散析出物を脱炭焼鈍後に行う窒化処理工程で造り込む製造方法がある。
【0003】
しかしなら、前述の窒化処理工程においてストリップ全長にわたり均一に窒化することは連続焼鈍炉の構造、性格および炉自身の固有の条件、すなわち吸窒性或いは窒化ガス濃度、混合ガスの混合比、雰囲気の均一化等により実操業においては不可能に近い状態にある。このストリップ窒化処理が均一に行われるか否かは、最終仕上焼鈍において生成される二次再結晶とグラス皮膜生成に重大な影響を及ぼす極めて大きな要因となるため数多くの試みがなされてきた。
【0004】
因みに、鋼板に連続焼鈍炉において窒化処理を施す技術の一例として、特開昭53−127333号公報には、連続焼鈍炉内の雰囲気ガスにアンモニアガスを添加し濃度範囲を0.5〜100mg/Nlに調整して、雰囲気ガス中に板温500〜850℃の鋼帯を10〜300秒間接触させゼロスパングル亜鉛メッキ鋼板を得る方法が開示されている。この技術は、前述の温度と時間条件下でアンモニアガスに鋼帯を接触させることで鋼帯表面を窒化させ、この表面層の窒素が亜鉛浴中に導入された際に浴中のアルミニウムと反応し窒化アルミの微細な結晶を生じさせ、これを冷却段階で亜鉛結晶の核としてゼロスパングルの亜鉛メッキを行うものである。
【0005】
また、特開平3−122227号公報においては、方向性電磁鋼板の製造において高温スラブ加熱を行うことなくAlN,(Al,Si)N等のインヒビターを形成させ、かつ窒化させるための連続脱炭焼鈍炉として、脱炭帯の後に鋼板表面の酸化層を還元する還元帯と窒化能ガスを噴射する窒化装置を設け、これら各帯間に雰囲気仕切りを設けた連続脱炭焼鈍炉が開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開昭53−127333号公報に開示された技術においては、処理対象がゼロスパングル亜鉛メッキ鋼板であり、しかもアンモニアは窒素と混合して供給されるが熱により大部分が分解するため経済的でなく、また、鋼板や炉による分解促進作用のために炉内濃度の時間的・位置的不均一が発生し、鋼板の窒化量偏差を生じ均一な窒化処理ができないという問題があった。また、特開平3−122227号公報に開示された技術においては、アンモニアやNO2 等の窒化性ガスはガスヘッダー、ノズル等で鋼板に吹き付けられるが、熱による配管中での分解で幅方向の窒化性ガスの濃度が変化したり、また同じ濃度でも鋼板の中央部と端面(幅方向両端部)での窒素増量が異なるという事態が発生している。このような事態が発生が発生すると二次再結晶が均一化しなくなり磁気特性の悪化に繋がる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
低温スラブ加熱による方向性電磁鋼板を製造する方法において、特に熱延板焼鈍の処理を省略する場合には熱延時において鋼板中央部より端面の温度が低下するために、この温度差による一次結晶粒の差がそのまま残留し適正な窒素増量とするために必要な窒化性ガスの雰囲気中濃度が変化するという現象が起こる。そのために、窒化処理を行う連続焼鈍炉内で鋼板中央部と端面の窒素増量を同一にして操業しなければならない。
【0008】
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、窒化する鋼板の幅方向の温度偏差に伴い窒化量が変動することに着目し、窒化処理を行う連続焼鈍炉内に供給する窒化性ガスもしくは窒化性ガスを含む混合ガスをスプレー或いはノズルを介して鋼板に吹き付けることにより熱分解による窒化性ガスの雰囲気中濃度の減少を抑え、窒化量偏差を小さくできることを知見した。更に、鋼板端部への吹き付け量を調整して、鋼板幅方向全体に偏差の少ない窒化量とするため、スプレー或いはノズル吹き付け構造を鋼板中央部と鋼板端面に分割することで窒化量偏差を小さくでき、また、鋼板幅方向の個々の部位の最適窒化ガス吹き付け量を、鋼板中央部と鋼板端面とで個別に制御することで更に窒化量偏差を小さくできることを発見したものである。本発明の要旨は以下のとおりである。
【0009】
1)最終板厚に冷延されたSi≦4.5%以下を含有する方向性電磁鋼板用ストリップを脱炭焼鈍後に窒化処理するに際し、連続焼鈍炉に窒化性ガスもしくは窒化性ガスを含む混合ガスを導入し、これらをスプレーもしくはノズルにより鋼板中央部に吹き付ける手段と、鋼板両端部に吹き付ける手段とを単独あるいはそれらを組み合わせ吹き付け手段により鋼板中央部と鋼板両端部それぞれの窒化性ガスの導入量を調整することを特徴とする方向性電磁鋼板の窒化処理方法。
【0010】
2)最終板厚に冷延されたSi≦4.5%以下を含有する方向性電磁鋼板用ストリップを脱炭焼鈍後に窒化処理するに際し、窒化処理後に鋼板の窒素含有量を幅方向の複数点で測定し、この測定結果に基づき連続焼鈍炉に導入する窒化性ガスもしくは窒化性ガスを含む混合ガス量を連続焼鈍炉内の複数箇所に配置した鋼板中央部にスプレーもしくはノズルにより吹き付ける手段および鋼板両端部に吹き付ける手段とを単独あるいはそれらを組み合わせ吹き付け手段により鋼板中央部と鋼板両端部それぞれの窒化性ガスの導入量を調整することを特徴とする方向性電磁鋼板の窒化処理方法。
【0011】
3)連続焼鈍炉内に配置された前記スプレーもしくはノズルにより吹き付ける手段がそれぞれ断熱されていること特徴とする請求項1ないし2記載の方向性電磁鋼板の窒化処理方法。
【0012】
▲5▼ 前記窒化処理用連続焼鈍炉の出側端部に鋼板窒素含有量を測定する窒素測定装置を配置し、この窒素測定装置による測定結果に基づいて前記連続焼鈍炉内に配置したスプレーもしくはノズル群に供給する窒化用ガス量を鋼板幅方向中央部および鋼板幅方向両端部にそれぞれ供給する窒化用ガス供給制御装置を具備したことを特徴とする請求項4記載の方向性電磁鋼板用ストリップの窒化処理用連続焼鈍炉。
【0013】
▲6▼ 前記スプレーもしくはノズル群が、前記窒化処理用連続焼鈍炉の長手方向に鋼板幅方向中央部に相当する位置と、鋼板幅方向両端部に相当する位置に交互に配置されたスプレーもしくはノズル群を具備したことを特徴とする請求項4記載の方向性電磁鋼板用ストリップの窒化処理用連続焼鈍炉。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に従来の脱炭焼鈍炉と窒化炉の全体構成を示した。図1は、連続タイプの炉形式であり、加熱帯1、脱炭帯2および還元帯3から構成され、脱炭焼鈍と共に一次再結晶および一次皮膜の制御が行われる。次いで、脱炭焼鈍されたストリップSは引き続き窒化帯4に送られ、窒化性ガスを導入した雰囲気中で窒化量制御の条件下で窒化処理が行われ、冷却帯5で冷却され次工程に送られる。図2に、前記窒化帯4の炉長手方向の断面図を示した。図2において、窒化処理されるストリップSを挟んで幅方向の上下に配置した窒化ガス供給管8の分岐管を通って窒化性ガス7が前記ストリップ幅方向全域に対し上下方向からノズル(幅方向に10mmピッチで配置)から吹き付け、前記ストリップ中央部と端面(幅方向両端部)での窒素増量を均一化する作業が行われる。
【0015】
しかしながら、図3(a)に示すように、通常は、窒化性ガス7が窒化ガス供給管8を通じて炉の一方向(WS)から供給されるために前記窒化ガス供給管8の末端部(DS)では供給圧力の低下と共に窒化ガスが分散されるために、図3(b)に示すように、窒素量狙い値に対して窒化ガス供給管8の分岐部近傍(WS)の被処理材ストリップSの窒素量は狙い値に対して高めになり、反面 窒化ガス供給管8の分岐部から一番遠い(DS)被処理材ストリップSの窒素量は狙い値に対し低めになり、ストリップSの窒素量の差は幅方向で30〜40ppmに達する。すなわち、ストリップSの幅方向において窒化処理したといっても窒素量勾配は発生し、これがために二次再結晶不良やグラス皮膜不均一の問題に繋がる。すなわち、通常の方向性電磁鋼板および高磁束密度方向性電磁鋼板の場合においては、窒化量が下限値を外れると磁性不良が生じ、一方、上限値を外れた場合にはグラス皮膜不要になる。更に、上限値を大きく外れた場合にはグラス皮膜に加えて磁性不良も併せて生じることとなる。上述のような現象に対しては、オフラインで鋼板の窒素量を分析して以後の窒化ガス導入量を調整するか、または脱炭焼鈍時の均熱温度の設定値で窒化ガス導入量を調整する以外に方法がなかった。
【0016】
本発明による方法においては、図4に示すように窒化帯の長手方向の断面でみて鋼板幅方向に窒化ガス供給経路と窒化ガス吹き付けヘッダー、ノズルともストリップ中央部と各端面(幅方向両端部)にそれぞれ3分割してストリップ下面の一方向から吹き付ける構造として構成したものである。すなわち、ストリップ幅方向に窒化ガス吹き付けヘッダー或いはノズルは中央部のヘッダー9、WS側端面のヘッダー10およびDS側端面のヘッダー11に3分割され、それらの各ヘッダーに窒化ガス供給パイプ9’、10’および11’が接続され、必要量の窒化ガスを供給している。このような構成とすることにより、ストリップ中央部、ストリップWS側端面およびDS側端面の各部位においては窒素量勾配を発生させることなく当該各部位で必要な窒素量に見合った窒素量を個別に供給することが可能となる。
【0017】
また、本発明による方法を実施するに際しては、図5に示すように、窒化ガス供給パイプ9’、10’および11’と窒化ガス供給本管15との中間に窒化ガス供給制御弁12、13および14が設けられ、別に設けたストリップ窒素量分析計16で分析されたストリップ幅方向の各部位に応じた必要窒化ガス量を演算装置(コンピューター)で算出して窒化ガス供給本管15から送給される窒化ガス量を前記各窒化ガス供給制御弁12、13および14でヘッダー9、WS側端面のヘッダー10およびDS側端面のヘッダー11から噴出される窒化ガス量を個別に制御する。従って、前記各ヘッダー9、10、11には任意の量の窒化ガスがストリップ幅方向で必要な部位に必要な量の窒化ガスを個別に吹き付けることでストリップ幅方向の窒化量を自由にコントロールすることが可能となる。
【0018】
実操業においては、ストリップ幅方向の窒化量偏差は、素材に起因する一次再結晶粒の幅方向のバラツキや幅方向の窒化量のバラツキに依存することが殆どである。一次再結晶粒の幅方向のバラツキは、熱延で発生する幅方向の温度差、すなわち、ストリップエッジ端面が低温域になり、そのために脱炭焼鈍工程でストリップ幅方向、特にストリップエッジ端面部の結晶粒が粗大化すという一次再結晶粒径のバラツキが起こる。このような現象が起こると、最終工程の高温焼鈍における二次再結晶でストリップ両エッジ端面部に細粒が発生し、磁気特性不良となり、両エッジ端面部をスリットして廃棄せざるを得なくなり歩留まり落ちとなる。
【0019】
このような状況に対しては、図6に示すようにストリップ中央部への窒素吹き付け量は狙い値にして、ストリップ両エッジ端面部への窒素吹き付け量を最端部になるに従い増量するような手段を適用することによりストリップ両エッジ端面部の窒化量が最終仕上焼鈍においてストリップ幅方向の二次再結晶粒を均一化することができる。このための具体的な手段としては、図5に示す窒化ガス供給本管15かた送給される窒化ガス量をWS側端面ヘッダー10およびDS側端面ヘッダー11の各窒化ガス供給制御弁13および14を開き供給窒化ガス量を増量する操作を行うことで上述の目的が達成される。
【0020】
また、高磁束密度方向性電磁鋼板によく起こる現象として、図7(a)に示すように、ストリップ両エッジ端面部の表面光沢が変化して黒色に変色することが頻発する。これは、脱炭焼鈍前にストリップ表層部に酸化鉄或いは水酸化鉄が付着し、正常部と酸化層に質が異なることに起因するものと考えられる。このような現象が起こると、正常部(ストリップ中央部)と同量の窒化ガス量を導入して窒化処理を行ってもストリップ幅方向全体で均一な窒化量の確保は困難である。このような場合には、図7(b)に示すように、ストリップ両エッジ端面部への窒化ガス導入量を増大し、ストリップ両エッジ端面部の窒素量を狙い値の加減域内まで引き上げることで、ストリップ幅方向全体で均一な窒化量とすることができる。このための具体的な手段としては、前述したようなWS側端面ヘッダー10およびDS側端面ヘッダー11の各窒化ガス供給制御弁13および14を開き供給窒化ガス量を増量する操作を行うことで上述の目的が達成される。ただし、この場合においては、正常部(ストリップ中央部)の窒素量が上限値を越えない範囲に調整する必要がある。
【0021】
さらに、図8(a)および(b)に示すように、最終仕上焼鈍は捲回したコイル状態で行われるため、焼鈍後のストリップコイル外周のエッジ部(コイルを載置した状態での上部およびベースプレートとの接触下部)にシモフリ状の皮膜不良が発生する。この皮膜不良発生の原因としては、以下のように考えている。
コイルのエッジ部は最終仕上焼鈍において、MgOの残留水分の抜け道となるため、コイル内部と比べて、高い雰囲気酸化度で皮膜形成反応が行われることとなる。このような高い雰囲気酸化度の条件では、追加酸化により地鉄が酸化し、皮膜形成が阻害されやすいのである。
【0022】
また鋼板の窒化量が多いと、皮膜不良が発生しやすくなる。通常、窒化処理は脱炭焼鈍の後、すなわちSiO2 を主体とする酸化層が形成された後に行われる。このとき酸化層の直下にSiが濃化することが認められており、NはこのSiと結合してSiNの型で、鋼板の表層近傍に保持される。このとき窒化量が多いと、SiNは粗大化して塊状になる。SiNはSiO2 などの鋼中物質と比べて融点が低く、上記のように塊状で存在すると、最終仕上焼鈍の昇温中にグラス皮膜が形成される前に溶解し、皮膜を剥離させてしまうのである。
【0023】
以上の理由から、窒化処理においてはストリップの両エッジ部の窒素量を、狙い値に対して下限近傍に設定して窒化ガスを吹き付けることにより、ストリップ幅方向全体で均一なグラス皮膜を形成することができる。
このための具体的な手段としては、前述したようなWS側端面ヘッダー10およびDS側端面ヘッダー11の各窒化ガス供給制御弁13および14を閉め供給窒化ガス量を減量する操作を行うことで上述の目的が達成される。
【0024】
本発明による方法を実施するに際しては、前述したように、ストリップの窒化処理用連続焼鈍炉内の長手方向の複数箇所に、窒化性ガスもしくは窒化性ガスを含む混合ガスを吹き付けるスプレーもしくはノズル群を鋼板幅方向中央部に相当する位置と、鋼板幅方向両端部に相当する位置に単独あるいはそれらを組み合わせて配置した窒化処理ガス吹き付け手段を備えた構造や、更に、前記窒化処理用連続焼鈍炉の出側端部に鋼板窒素含有量を測定する窒素測定装置を配置し、この窒素測定装置による測定結果に基づいて前記連続焼鈍炉内に配置したスプレーもしくはノズル群に供給する窒化用ガス量を鋼板幅方向中央部および鋼板幅方向両端部にそれぞれ供給する窒化用ガス供給制御装置を備えた構造とし、前記スプレーもしくはノズル群を、前記窒化処理用連続焼鈍炉の長手方向に鋼板幅方向中央部に相当する位置、鋼板幅方向両端部に相当する位置に交互に配置されたスプレーもしくはノズル群を配置する構成を採用することで容易に本発明の目的を達成することができるものである。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、方向性電磁鋼板の窒化処理において窒化処理に使用する連続焼鈍炉内にアンモニアの窒化ガスを導入して窒化する際に、鋼板幅方向における鋼板窒素量を一定量に制御することにより最終仕上焼鈍後の二次再結晶の安定化とグラス皮膜特性の向上の双方を同時に満足するグラス皮膜の優れた方向性電磁鋼板の製造方法の製造を可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の脱炭焼鈍炉と窒化炉の全体構成を示した図。
【図2】従来の窒化炉における窒化帯長手方向の断面図を示した図。
【図3】(a)は従来の窒化炉における窒化ガス濃度勾配を示す図で、(b)は(a)による鋼板幅方向の窒化量勾配示す図。
【図4】本発明による窒化帯長手方向の断面図を示した図。
【図5】本発明による窒化帯長手方向の断面図と窒化ガス供給系統の全体構成を示す図。
【図6】本発明による実施態様の一例を示す図。
【図7】(a)は窒化量偏差に基づく鋼板欠陥を示す図で、(b)は本発明による実施態様の別の例を示す図。
【図8】(a)および(b)は窒化量偏差に基づく別の鋼板欠陥を示す図で、(c)は本発明による実施態様の別の例を示す図。
【符号の説明】
1…加熱帯
2…脱炭帯
3…還元帯
4…窒化帯
5…冷却帯
6…仕切り
7…窒化ガス供給管
8…窒化ガス供給ヘッダー或いはノズル
9…鋼板中央部窒化ガス供給ヘッダー或いはノズル
10…鋼板端面WS窒化ガス供給ヘッダー或いはノズル
11…鋼板端面DS窒化ガス供給ヘッダー或いはノズル
9’、10’、11’…窒化ガス供給支管
12、13、14…窒化ガス供給制御弁
15…窒化ガス供給本管
16…窒素量分析計
17…演算装置
S…鋼板(ストリップ)

Claims (6)

  1. 最終板厚に冷延されたSi≦4.5%以下を含有する方向性電磁鋼板用ストリップを脱炭焼鈍後に窒化処理するに際し、連続焼鈍炉に窒化性ガスもしくは窒化性ガスを含む混合ガスを導入し、これらをスプレーもしくはノズルにより鋼板中央部に吹き付ける手段と、鋼板両端部に吹き付ける手段とを単独あるいはそれらを組み合わせ吹き付け手段により鋼板中央部と鋼板両端部それぞれの窒化性ガスの導入量を調整することを特徴とする方向性電磁鋼板の窒化処理方法。
  2. 最終板厚に冷延されたSi≦4.5%以下を含有する方向性電磁鋼板用ストリップを脱炭焼鈍後に窒化処理するに際し、窒化処理後に鋼板の窒素含有量を幅方向の複数点で測定し、この測定結果に基づき連続焼鈍炉に導入する窒化性ガスもしくは窒化性ガスを含む混合ガスを連続焼鈍炉内の複数箇所に配置した鋼板中央部にスプレーもしくはノズルにより吹き付ける手段および鋼板両端部に吹き付ける手段とを単独あるいはそれらを組み合わせ吹き付け手段により鋼板中央部と鋼板両端部それぞれの窒化性ガスの導入量を調整することを特徴とする方向性電磁鋼板の窒化処理方法。
  3. 連続焼鈍炉内に配置された前記スプレーもしくはノズルにより吹き付ける手段がそれぞれ断熱されていることを特徴とする請求項1ないし2記載の方向性電磁鋼板の窒化処理方法。
  4. 最終板厚に冷延されたSi≦4.5%以下を含有する方向性電磁鋼板用ストリップの窒化処理用連続焼鈍炉内の長手方向の複数箇所に、窒化性ガスもしくは窒化性ガスを含む混合ガスを吹き付けるスプレーもしくはノズル群を鋼板幅方向中央部に相当する位置と、鋼板幅方向両端部に相当する位置に単独あるいはそれらを組み合わせて配置した窒化処理ガス吹き付け手段を具備したことを特徴とする方向性電磁鋼板用ストリップの窒化処理用連続焼鈍炉。
  5. 前記窒化処理用連続焼鈍炉の出側端部に鋼板窒素含有量を測定する窒素測定装置を配置し、この窒素測定装置による測定結果に基づいて前記連続焼鈍炉内に配置したスプレーもしくはノズル群に供給する窒化用ガス量を鋼板幅方向中央部および鋼板幅方向両端部にそれぞれ供給する窒化用ガス供給制御装置を具備したことを特徴とする請求項4記載の方向性電磁鋼板用ストリップの窒化処理用連続焼鈍炉。
  6. 前記スプレーもしくはノズル群が、前記窒化処理用連続焼鈍炉の長手方向に鋼板幅方向中央部に相当する位置と、鋼板幅方向両端部に相当する位置に交互に配置されたスプレーもしくはノズル群を具備したことを特徴とする請求項4記載の方向性電磁鋼板用ストリップの窒化処理用連続焼鈍炉。
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